JPH01293143A - ゼラチン及び絹の粉砕方法、樹脂フィルム並びに樹脂皮膜及び塗料 - Google Patents

ゼラチン及び絹の粉砕方法、樹脂フィルム並びに樹脂皮膜及び塗料

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JPH01293143A
JPH01293143A JP12302388A JP12302388A JPH01293143A JP H01293143 A JPH01293143 A JP H01293143A JP 12302388 A JP12302388 A JP 12302388A JP 12302388 A JP12302388 A JP 12302388A JP H01293143 A JPH01293143 A JP H01293143A
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gelatin
powder
silk
film
solvent
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JP12302388A
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Sadao Nishibori
貞夫 西堀
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AIN KK
Original Assignee
AIN KK
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は樹脂フィルム、樹脂皮膜あるいは樹脂塗料等
に混入使用されるゼラチン及び絹素材の粉砕方法と、こ
の粉砕されたゼラチン粉及び絹粉を用いた樹脂フィルム
並びに樹脂皮膜及び樹脂塗料の提供に関する。
(従来の技術) 通例天然の絹繊維は、しなやかで肌触りが良く、しかも
適度の吸湿性を備えており、光沢、風合いに優れている
と共に強伸度並びに耐衝撃性に優れており、各種の繊維
製品あるいは糸等として多方面に亘って使用されてきて
いる。
か\る絹繊維の有する特性は、この絹繊維に含まれてい
るセリシンが溶解除去されて、グリシン、アラニン、セ
リン、チロシン等のアミノ酸残基が直鎖状に連結したフ
ィブロイン分子で構成されていることに由来するもので
あり古来からm要な衣服等の素材とされてきている。
又、ゼラチンは一種の誘導蛋白質であって有機溶媒に不
溶の特性と、冷水に膨潤し、温水に溶は出し粘性の高い
ゾルとなる特性並びに2〜3%またはそれ以上の濃度で
は室温で弾性のあるゲルを形成する特性から合成ゴムの
改質剤等として用いられている。
又、同様の特性を活かしてストレッチ性の良好なフィル
ムを作り出したり吸放湿機能を有し、しかも耐水通気性
の良好なフィルムを作り出すために樹脂フィルム中に混
入することが試みられている。
更に、各種の製品の表面に設けられる皮膜あるいは塗布
膜に同様のストレッチ性をもなら1ノたり、あるいは吸
放湿機能をもたらしたり、更には撥水機能と通気特性と
を同時にもたらすために、これらの皮膜あるいは塗布膜
を作り出す樹脂溶液ないしは塗料中にゼラチンと、この
ゼラチンと同様の蛋白質を主成分とする絹粉とを混入す
ることが試みられている。
そして多くの実験の結果、これらの合成ゴムあるいは樹
脂フィルムないしは樹脂皮膜、樹脂塗膜等に含まれるゼ
ラチンと絹粉とは、その粒径が微細であればある程、特
有の効果を合成ゴムあるいは樹脂フィルム、樹脂皮膜な
いしは樹脂塗膜にもたらすことが明らかとされている。
特に、樹脂フィルムを薄くすることによって、樹脂フィ
ルムに特有の伸縮性と、吸放湿性並びに撥水性とをもた
らすためには、該樹脂フィルムに含まれるゼラチン粉と
絹粉の粒径をより微細な範囲で揃える必要があった。
又、製品等の表面に形成された塗布膜あるいは皮膜面に
特有の滑らかさと汗ばみ感の無い良好な肌触り感及び特
有の手触り感をもたらすためにも、この塗布膜あるいは
皮膜に含まれるゼラチン粉及び絹粉の粒径をより微細な
範囲で揃えることが好都合であった。
そこで、粉あるいは粒状とされていたゼラチンと、粉又
は粒又は短繊維状とされた絹素材とをボールミル等で再
粉砕し、これを分級した上で使用していた。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、か\る従来の方法ではゼラチン及び絹素
材の再微粉化に難があり、均一の品質を有し、しかも均
一の微細な粒径からなる粉砕ゼラチン粉及び粉砕絹粉を
作り出すことができなかった。
又、このようにゼラチンないしは絹固有の特性が損われ
たり、あるいは比較的大きい粒径のゼラチン又は絹粉が
混入されている粉砕ゼラチン粉と絹粉とを用いて作り出
された樹脂フィルムあるいは樹脂皮膜ないしは樹脂塗膜
には特有の滑らかさや肌触り感がもたらされず、これら
のフィルム、皮膜ないしは塗膜に混入ゼラチンと絹粉と
による特有の吸放湿機能、伸縮機能、撥水機能等がもた
らされない欠点を有してい特に従前の手法である乾式粉
砕機による単純な磨砕粉砕、衝撃粉砕あるいは剪断粉砕
等による粉砕では、この粉砕に際して、磨砕、衝撃ある
いは剪断に伴う多量の熱が発生し、この発熱に伴う梯々
の不都合がもたらされた。
先ず、この粉砕時の発生熱によって粉砕中のゼラチンが
部分的に粘弾性のあるゲル状態とされる場合があり、微
粉状に効率良く粉砕できなくなることが往々にして生じ
、あるいは粉又は粒状のゼラチン相互が融着して粘弾性
の塊状となる不都合がありた。特に、か\る不都合は、
粉砕処理対象とされるゼラチンの含有水分が高い場合、
あるいはゼラチンの粉砕が過湿条件下でなされる場合等
に顕著に生じた。
次いで、粉砕時の発生熱によフて粉砕中のゼラチン及び
絹素材から急速に水分が消失された場合、粉砕ゼラチン
粉及び絹粉の親水性が阻害され、水分による膨潤ないし
は温水に対する溶出機能が無くなる欠点を有しており、
特に粉砕ゼラチン中の含有水分が2重量%未満となるよ
うな条件下での粉砕にもとづく粉砕ゼラチン粉では、か
\る親水性を始めとするゼラチン粉固有の粘弾性、接着
性ないしは伸縮性等の種々の特性が損なわれる欠点を有
していた。
かSる点から従前の方法によって粉又は粒状のゼラチン
を粉砕するためには極力粉砕時の摩擦あるいは衝突に伴
う発生熱が蓄積されたり、あるいは、この摩擦熱等が過
度に発生しないように長い時間をかけて、ゆっくりと粉
砕する必要があフた。このため、ゼラチンの粉砕効率が
悪く、又仕上がる粉砕ゼラチン粉の粒径も比較的大きい
範囲で止める必要があり、より微細なゼラチン粉を得る
ことができなかった。
この乾燥条件下での絹素材の剪断粉砕と磨砕粉砕では絹
繊維が粒状に粉砕されず、微細な繊毛部分を有する多毛
の繊維塊状とされるため、剪断粉砕あるいは磨砕粉砕に
よって形成される絹粉相互が綿状に絡み合って凝集して
しまう不都合があった。
そして、このような綿状凝集は絹粉の粉砕の過程におい
ても生ずることから絹素材の粉砕が均一になされず、太
き目の繊維塊状の粉砕品と、極微細な多毛状繊維粉とが
混在された状態となり、均一の粒径の絹粉が得られない
欠点を有していた。又、この絹素材の微細化に多くの粉
砕時間を要する欠点を有していた。
か\る粉砕に伴って絹粉に生ずる繊毛は、絹素材の粉砕
が長時間に及ぶにつれて、より多く生ずる傾向を示し、
又粉砕された絹素材が微細になればなる程、この粉砕さ
れた絹粉に多毛様の繊毛が生ずる傾向を示している。
この結果、絹素材を剪断粉砕あるい磨砕粉砕によフて極
微細な絹粉を得ようとした場合、粉砕形成された絹粉相
互が綿状に絡み合って、フィルムないしは皮膜形成用の
樹脂あるいは塗料の塗液中に、これらの粉砕組粒を混配
合した場合、これらの樹脂ないしは塗液中に混配合した
粉砕組粒が均一に分散されない欠点を有していた。
又、粉砕された絹粉が綿状に絡み合って、より大きな固
まりとなる現象は、これらの絹粉を成形用の樹脂あるい
は塗料と混配合して用いる場合に限らず、絹粉の成形工
程においても、又、絹粉の保管過程においても生ずる。
このことから、成形用の樹脂あるいは塗料との混配合に
際して、これらの混配合組粒の綿状凝集を防止するだけ
では、これらの樹脂あるいは塗料中に均一に粉砕組粒が
分散されない欠点を有していた。
そこで、粉又は粒状をなすゼラチン及び絹粉等を液状ポ
リマーあるいは各種の溶剤で希釈した樹脂溶液に混配合
し、この粉又は粒状又は短繊維状のゼラチン及び絹素材
が混配合された液状ポリマーあるいは樹脂溶液を湿式粉
砕機に没入して粉砕することが試みられた。
かよる湿式粉砕の方法では、液状ポリマーあるいは樹脂
溶液の流動抵抗が大きく、攪拌、粉砕が円滑になされな
いと共に、混配合したゼラチン及び絹素材がポリマー中
に均一に分散されない欠点を有していた。特に、この種
の液状ポリマーあるいは樹脂溶液の攪拌を続行した場合
、これらのポリマーあるいは樹脂溶液の粘性が経時的に
高められる傾向にあり、湿式粉砕機による円滑な粉砕処
理が困難とされる場合が多く、粉砕機の攪拌に伴って粉
砕機中の粉砕温度が上昇された場合には、か\る粉砕上
の不都合は更に顕著に生ずる傾向を示した。
又、ゼラチン及び絹素材を粉砕する装置自体に前記の摩
擦あるいは衝撃に伴う発生熱を取り除くための冷却ない
しは排気装置あるいはゼラチン及び絹素材の含有水分を
一定に保つための装置等を設ける必要があり、粉砕装置
自体が大がかりなものとなる欠点を有していた。
更に、従前の方法によってゼラチン及び絹素材を粉砕し
た場合、粉砕機内の温度、湿度あるいはボールの攪拌速
度等の諸条件によりて作り出されるゼラチン及び綿粉の
粒径にバラつきを生じ、長時間に亘る粉砕によっても粒
径の大きい粉が微細な粒径の粉中に残る不都合があった
特に従来方法によってゼラチン及び絹素材を粉砕した場
合粒径が1.0ミクロン(細長状の粒の場合には短い側
で測定し、以下μmと表示する。)から50μm前後の
ものとなり、極めて微細な粒径のゼラチン及び綿粉が作
り出される反面、比較的大きい粒径の粉が相当量残され
る不都合があり、かSる不都合は長時間に亘って粉砕を
続行した場合でも同様であった。
この結果、これらのゼラチン及び綿粉をポリウレタン樹
脂溶液等の樹脂素材に含ませてシート、フィルム類を成
形した場合、シート、フィルムの面から混入ゼラチン及
び綿粉の一部が突き出し、これがシート、フィルムの面
にザラっき感をもたらすと共に、この大きいゼラチン及
び絹粒子の周縁部分とシートあるいはフィルムとの間に
縁切れを生じ易く、この大きい粒径のゼラチン及び絹粒
子がシートないしはフィルムから抜は落ちたり、あるい
は該部からシート、フィルムの面にひび割れを生ずる不
都合があっ特に以上におけるゼラチン及び綿粉の粒子径
の不揃いに伴う不都合は、成形されるフィルムの厚さを
0.02〜0.006ffimのように極薄状とした場
合、あるいはシート、布帛、革、紙ないしは各種の成形
品の表面に極薄状の0.002m111程度の皮膜を作
り出したり、更には塗料として、このゼラチン及び綿粉
を混入して使用する場合に顕著に生ずるものであった。
又、以上の従来方法によるゼラチン粉及び絹素材の粉砕
方法並びに粉砕されたゼラチン及び綿粉の利用方法にお
いては、粒又は粉状のゼラチン及び絹素材を略10〜1
5重量%の含水率の状態で粉砕し、これをそのま\の状
態で各種の樹脂素材あるいは塗料と混ぜ合せるものであ
る。
しかしながら、かSるゼラチン及び綿粉を樹脂素材ある
いは塗料と混ぜ合せる場合、混合されるゼラチン及び綿
粉が微細であればある程、樹脂素材あるいは塗料中に円
滑に分散されない傾向を示し、特に対象とされる樹脂素
材が粘性のある溶液状であったり、あるいは塗料液が粘
性を有している場合並びに綿粉が繊毛部分で絡み合って
いる場合等では、これらの溶液あるいは塗料液中に均一
に分散されない欠点を有していた。
更に、塗装膜あるいは各種物品の皮膜等の組成分として
、このゼラチン及び綿粉を混合した場合、これらの塗料
ないしは皮膜の構成要素中に含まれている粒径の大きい
ゼラチン及び綿粉が塗膜あるいは皮膜の形成に際して、
これらの塗膜ないしは皮膜の面に筋状の傷をもたらし、
あるいはスプレーガンの目詰りをもたらす不都合があっ
た。
本発明はかSる従来例における不都合に鑑み、ゼラチン
粉及び絹素材の粉砕に際して生ずる摩擦ないしは衝撃に
伴う熱によってもたらされる粉砕ゼラチン及び絹素材に
対する悪影響を取り除くと共に1短時間で、しかも均一
の粒径からなる微細なゼラチン及び綿粉の粉砕成形を可
能とし、しかもゼラチン及び絹素材特有の品質が損われ
ず、且つ均一の粒径からなる粉を溶剤中に懸濁状として
用意することによって、各種の樹脂素材あるいは塗料と
円滑に、しかも均一に混ざり合うゼラチン及び絹粉の提
供を目的としている。
(Li!題を解決するための手段) 本発明に係るゼラチン及び絹素材の粉砕方法と、この粉
砕粉を用いた樹脂フィルム並びに樹脂皮膜及び塗料とは
以上の目的を達成するものとして、その請求項1の発明
は、粉又は粒状をなす固体ゼラチンと粉又は粒又は短繊
維状をなす絹素材とを用意し、ジメチルフォルムアミド
、トルエン等のゼラチン及び蛋白質素材が不溶とされる
ところの主として有機系の溶剤を用いて湿式ボールミル
等でこのゼラチンと絹素材の湿式粉砕をし、この湿式粉
砕によって粒径が6μmよりも細かいゼラチンと絹粉を
作り出すものであり、請求項2の発明は、前記請求項1
の発明での湿式粉砕に先立って、粉砕対象とされるゼラ
チン及び絹素材を篩又は風量分級機等を用いて分級し、
ゼラチン及び絹素材が50μmよりも微細な範囲に属す
る部分を、そのゼラチンと絹の全量の少なくとも90重
量%以上のものとして用意し、この分級により粒径の揃
えられたゼラチンと絹素材とを請求項1の発明と同一の
方法で粉砕するものである。
又、請求項3の発明は、請求項1の発明で溶剤を媒体と
して湿式粉砕のされた6μlよりも微細な範囲に属する
ゼラチン及び絹粉を樹脂フィルムに含ませるものであり
、請求項1の発明で粉砕されたゼラチン及び絹粉を、こ
の粉砕に用いた湿式媒体としての溶剤と共に樹脂素材に
配合し、主として0.02〜0.006111mの厚さ
からなるフィルムを作り出すものであり、請求項4の発
明は、請求項1の発明にもとづいて溶剤を媒体として粉
砕した6μIよりも細かいゼラチン及び絹粉を、この粉
砕ゼラチン及び絹粉を含む溶剤と共に樹脂皮膜の成形樹
脂溶液の一成分とし、形成された樹脂皮膜に6μmより
も微細な範囲に属するゼラチンと絹粉とを均一に混入せ
しめるものである。
更に請求項5の発明では、溶剤を用いて湿式粉砕をした
6μmよりも微細なゼラチン及び絹粉を、この粉砕ゼラ
チン及び絹粉を含んだ媒体としての溶剤と共に塗料に配
合して塗料成分としたものである。
(作用) 本発明に係るゼラチン及び絹素材の粉砕方法と、この粉
砕ゼラチン及び絹粉を組成分の一部とするフィルム及び
皮膜と、この粉砕ゼラチン及び絹粉を含む溶剤が塗料成
分の一部とされている塗料は以上の構成からして以下の
作用を有している。
先ず請求項1の発明においては、溶剤の介在によって粉
砕ゼラチン粉及び綿粉相互が互に密着し合フた状態で摩
砕、衝撃されることが無く、常にゼラチン及び綿粉相互
が溶剤を介在して接触されることから、ゼラチンないし
は綿粉相互が粉砕時に溶着し合ったり、粉砕機の面に付
着することがない。
又、粉砕時の摩砕、衝撃に伴う発生熱が溶剤に吸収され
、しかも粉砕ゼラチンと絹粉が溶剤によって表面を覆わ
れた態様とされていることから、この発生熱に伴フてゼ
ラチン及び絹素材の特性が損われたり、軟化あるいは硬
化することがない。
特に、溶剤によって粉砕中のゼラチン及び絹素材が外気
から遮断されていることから、この粉砕中のゼラチン及
び絹素材から水分が放出されたり、あるいは粉砕中のゼ
ラチン及び絹素材が湿気を吸収して膨潤したり、粘弾性
を帯びたり、硬化することがない。
従って、溶剤中に投入された粉砕ゼラチン及び絹素材は
常に同一の条件のもとで粉砕されることシなり目的とす
る粒径に到るまで同一の条件で粉砕を続行することがで
きる。
請求項2の発明では、粉砕されるゼラチン及び絹素材の
粒径を一定の範囲に揃えたことから、湿式粉砕機による
粉砕が、より短時間で目的とする粒径の粉とすることが
でき、しかも粉砕されたゼラチン及び絹粉の粒径が概ね
均一とされる。
請求項3〜5の発明では、6μmよりも微細とされた微
粉状のゼラチン及び絹粉が溶剤中に懸濁状とされた状態
で、フィルム、皮膜が形成され、あるいは塗料成分の要
素とされていることから、フィルムないしは皮膜の成形
樹脂及び塗料と、この粉砕ゼラチン及び絹粉との混合が
円滑、確実になされ、このフィルム、皮膜及び塗料中に
粉砕されたゼラチン及び絹粉が均一に分散される特長を
有している。又、このフィルム、皮膜ないしは塗料中に
含まれるゼラチン及び絹粉が6μmよりも微細な範囲に
属するものであることから、形成されるフィルム、皮膜
ないしは塗装塗膜から、これらのゼラチン及び絹粉が浮
き出したり、突出するように露出することがない。
(実施例) 以下、本発明に係るゼラチン及び絹素材の粉砕方法と、
この粉砕方法により粉砕したゼラチン及び絹粉を組成分
の一部とするフィルム並びに皮膜と、同様のゼラチン及
び絹粉を塗料成分の一部とする塗料の典型的な一実施例
について説明する。
先ず請求項1及び請求項2の発明の実施例について説明
するに、通例、無味、無臭の白粉又は透明な薄片として
用意される固体ゼラチン(こ\でゼラチンとは、主とし
て工業用ゼラチンが用いられているが各種性状及び濃度
のゼラチンのいずれでも良く、にかわをも含むものであ
る。)を基本的には気乾含水率(大気中に放置した状態
での含水率冨平衡含水率)の状態でジメチルフォルムア
ミド、トルエン等の溶剤と共に湿式ボールミル等の湿式
粉砕機に没入する。又、通例、面を渇で煮込んでセリシ
ンを柔かくした状態でフィブロイン繊維を適宜の大きさ
に切断し、又は、面を加熱、乾燥して内部のさなぎを取
除いた状態で繭そのものを粉砕して適宜の粉、粒又は短
繊維とし、更に、石鹸液で精練してセリシンを溶解除去
した後にフィブロイン繊維を粉砕して適宜の大きさから
なる絹素材として用意し、この絹素材を5重量%前後の
含水率となるまで乾燥して前記ゼラチンと共に粉砕媒体
としての溶剤に投入する。
この溶剤によってゼラチン及び絹素材相互が接触、磨砕
されない状態で粉砕する。この湿式ボールミル等の粉砕
機による粉砕は粉砕ゼラチンと絹粉の粒径が6μIより
も微細な範囲となるまで続けられる。
又、この湿式粉砕機により粉砕されるゼラチン及び絹粉
の粒径を均一とし、しかも短時間に粉砕ゼラチン及び絹
素材を目的とする粒径にまで粉砕するためには、湿式粉
砕機に投入するゼラチン粉及び絹素材を分級し、そのゼ
ラチン粉及び絹素材が50μmよりも細かい範囲に属し
ている微絹粉部分をゼラチンと組粒全量の90重量%以
上となるように篩又は風量分級機で分級しておくのが良
い。
尚、以上において用いられる溶剤は有機溶剤を典型例と
するものであり、この粉砕ゼラチン及び絹素材を混入使
用する樹脂溶液等の樹脂素材ないしはこの粉砕ゼラチン
及び絹粉を配合さねる塗料に適応する溶剤が用いられる
。モして、この溶剤はゼラチン及び蛋白質成分が不溶で
あることを要し、典型的にはジメチルフォル    ′
ムアミド、トルエン、メチルエチルケトン等が用いられ
る他メタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノ
ール、ベンジルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、
アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサン、
テトラヒドロフラン、ジオキサン、キジロール、2・ニ
トロプロパン、二塩化エタン、トリクロールエチレン、
バークロールエチレン、メチルセロソルブ、エチルセロ
ソルブ等が用いられている。
かSる溶剤はゼラチン及び蛋白質成分が不溶のものであ
ることから、これにゼラチン等を混入してもゼラチン等
が膨潤したり、溶けだしたすすることがなく、又ゼラチ
ン及び絹素材中の水分等が溶剤に吸収されてゼラチン及
び絹粉が硬化したりすることがない。又、ゼラチン及び
組粒の粉砕過程において、この溶剤中に投入されたゼラ
チン及び絹素材が、この溶剤に混入し。
たときと同様の状態で粉砕される特長を有している。
このような溶剤を湿式媒体としてゼラチン及び絹素材を
粉砕機に投入して粉砕処理を施す。
この粉砕装置は粉又は粒状物及び短繊維状物の湿式粉砕
に適するものであれば、いかなる装置であフても良く、
主として各種のボールミルの中で湿式粉砕に適するもの
が用いられる。
又、この粉砕機による粉砕は、投入されたゼラチン及び
組粒の粒径が6μlよりも微細なものとなるまで続行さ
れる。従って、この粉砕機による粉砕時間等の粉砕条件
は、粉砕機の容量と、この粉砕機で用いられるボールの
径及び投入量と、この粉砕機に投入されるゼラチン及び
絹の種別及び投入量と、使用溶剤の種別及び投入量と、
粉砕機の攪拌速度並びに粉砕温度等の諸条件によって随
時変更されるが、極力粉砕中の溶剤温度が上昇されない
範囲でゼラチンの及び絹素材粉砕をなすことが、粉砕ゼ
ラチン及び組粒の品質の劣化をもたらさないために必要
である。
又、請求項2の発明に係る実施例では、以上の粉砕機に
よる粉砕をより効果的になすために、粉砕されるゼラチ
ン及び絹素材に対し予備粉砕を施し、これを真比重によ
る風量分級又は嵩による篩分級によって、その粒径を揃
えるものであり、通例ターボミル又はジットミル等の乾
式粉砕機による粉砕により用意する。
このように、ゼラチン又は蛋白成分が不溶であるところ
の溶剤を粉砕媒体とした湿式粉砕では、粉砕中のゼラチ
ン及び絹が溶剤によって溶は出したり、膨潤したり、あ
るいは硬くなったりすることが無く、しかも外気と完全
に遮断された状態で粉砕されることから、粉砕中におけ
るゼラチン及び絹素材の吸放湿現象が無い特長を有して
いる。この結果、ゼラチン及び絹素材の粉砕の過程にお
いてゼラチン及び絹素材の含水率が高められて相互に融
着し合ったり、柔らかくなって磨砕あるいは衝撃粉砕に
適しなくなったりすることがない、又、ゼラチン及び絹
素材の粉砕の過程においてゼラチン及び絹素材の含水率
が低められて親木性を阻害されるまで品質が劣化される
こともない。このようにして粉砕されたゼラチン及び組
粒は、粉砕時の溶剤と共に塗料あるいは樹脂の成形用に
用いられる。
例  1 ゼラチンを気乾含水率の状態でターボミルで粉砕し、こ
れを分級して以下のゼラチン粉を用意した。このゼラチ
ン粉の含有水分は12重量%であったが、実際のゼラチ
ン粉の粉砕では5〜15重量%の範囲にある含水率のゼ
ラチン粉の使用が可能であった。
29.85 μrs以上〜42.21 μti未満25
.9重量%21 、10   //  〜29 、85
  1)  28 、1  ))14.92   //
  〜21.1On  21.5  n10.55  
 //  〜14 、92   n  11 、2  
n7.4fi   、+7 〜10.55   n  
 6.3  n5 、27     //   〜 7
.48     ))    4.4   n3.73
7/〜5.27)jl、4ノ12.83     n 
  〜 3.73     n    1.4   /
/1、e9     //   〜 2.63    
 )l    O,8))1 、01     // 
  〜 1.69     It    O,a   
nO,6[1tt〜1.01/IO,4)!0 、43
     n   〜 0.66    77   0
.On次いで、繭から繰り出した絹フィブロインを5重
量%の含水率まで乾燥し、この状態でターボミルにより
粉砕し、これを分級して以下の絹素材を用、tQた。こ
の絹素材の含有水分は5重量%であったが、実際の絹素
材の粉砕では3〜103i量%の範囲にある含水率の絹
素材の使用が可能であった。
30.0 μta以上〜50.04m未満 35.0重
量%20.0   n  〜30.On  25.0 
 //15 、 O//  〜20.0    )) 
 15.Q  ))10 、 Ou  〜15.On 
 10.[l  //7.0〃  〜10.0    
//   5.Q  715.0〃〜7.OH2,01
) 4.0     〃  〜 5.0      )) 
   3,0   //3.0     〃  〜 4
.0      ))    1,5   n20〃〜
3.(]nQ、8ノ2 1.0〃〜2.0))0.5ノ! O15〃  〜 1゜Q      ))    0,
2   ))0.4     〃  〜 0.5   
   //    0,0   //前記のゼラチン粉
と組粒とジメチルフォルムアミド100重量部に対し3
0重量部(ゼラチン10  重量部、組粒20エン部)
の割合で粉砕機に投入した。この粉砕機に対し3mm径
のアルミナ系ボールを体積比で70%、ゼラチンと組粒
を含む溶剤を体積比で30%没人して60分間攪拌した
ところ以下の粒径からなるゼラチンと絹との混合粉とす
ることができた。
3.73 μo以上〜5.274m未満 10.8fi
i%2.63ノl〜L731)23.0))1 、69
      //   〜2.63    11   
 20.4   ))1.01//〜1.69ノ/17
,1))0 、86      //   〜1.01
     //     15.7   nO、43/
/   〜0.66     n      7.7 
  no 、 34     /7  〜0.43  
  ))      4.5   nO、24//  
 〜0.34    //      0.5   /
/例  2 前記のターボミルで粉砕した粒又は粉状のゼラチンとボ
ールミルで粉砕した組粒とをシリコニア系の3v++径
のボールを充填した粉砕機で以下の条件で粉砕したとこ
ろ、粉砕ゼラチンと絹との混合粉の粒径が6μ■以下と
されるのに90分〜120分を要した。
トルエン100重量部にゼラチン20重量部及び絹粉3
0重量部とを配合した配合液50%(体積比) 31ml11径のシリコニア系ボール50%(体積比) 尚、溶剤に配合されるゼラチンと組粒のユは、溶剤の性
状、特に溶剤の存する粘性の度合いにより夫々適景があ
り、ジメチルフォルムアミドはトルエンに比して粘性が
高いことから、ゼラチン及び組粒の配合量をトルエンよ
りも少なくする必要がある。
又、粉砕機に投入されゼラチン及び絹素材と溶剤の量を
増した場合、その増量相当分前記の6μm粒径の粉とす
るのに多くの粉砕時間を必要としている。尚、粉砕機に
没入されるボールの径を大きくしたところ粉砕時間の短
縮化がはかられたもの\、径の大きい粉が残溜される傾
向があり、必要以上に大きい径のボールの使用では均一
の粒径の粉を得ることができなかった。
又、前記例1のように事前にゼラチン及び組粒の粒径を
揃えることなしにジメチルフォルムアミドを用いて湿式
ボールミルでゼラチン及び組粒の粉砕をなしたところ、
粒径を揃えたぜラチン及び組粒の利用に比し略30分程
粉砕時間を長目にする必要があった。そして、この粉砕
でも6μmよりも微細で均一のゼラチン及び組粒を作り
出すことができた。
以上の方法で粉砕されたゼラチン粉及び組粒は、その粉
砕の過程並びに作り出されたゼラチン及び組粒が以下の
特長を有するものとされ先ず、粉砕機に投入されたゼラ
チン及び絹素材は、このゼラチン及び蛋白成分が不溶と
されるところの、主として有機系の溶剤中に取りこまれ
、ゼラチン及び絹素材相互が、この溶剤に  、より包
みこまれた状態で粉砕されるため、ゼラチン及び絹素材
相互が融着し合うことがなく、又ボールないしは粉砕機
の面に融着することがない。特に、ボールの磨砕ないし
はmlEに伴って生ずる熱が、この溶剤により分散され
て直接ゼラチンないしは絹素材に伝達されることがなく
、熱によるゼラチン及び絹素材の変質ないしはゼラチン
及び絹素材の溶融着の虞れがない。
又、ゼラチン及び絹素材が溶剤によって覆われた状態で
粉砕されていることから、このゼラチンの粉砕過程にお
いて、ゼラチンが湿気を帯びて膨潤ないしはゾル状とな
ったり、この粉砕過程での水分の蒸散加熱に伴うゲル化
現象を生ずることがない。又、溶剤に混合されたゼラチ
ン及び絹素材は、この溶剤に混入時の含水率を含んだま
Sとされ、ゼラチン及び絹特有の膨潤機蛯あるいは親水
性と特有の粘弾性等の特性を損うことがない。又、ゼラ
チン及び絹素材の粉砕過程においてゼラチン及び絹素材
が湿気を帯び、且つ加熱に伴って粘性を帯びることによ
って粉砕が困難とされることもなく、均一の粒径からな
る微細なゼラチン粉と絹粉とを確実且つ容易に作り出す
ことができる。
更に、粉砕されて得られたゼラチン粉と絹粉とは、以上
の粉砕方法による場合では、その粒径がいずれも6μm
よりも微細なものとされ、相互に融着し合ったり、絡み
合ったりしていない特長を有しており、しかも粉砕に用
いた溶剤中に均一に分散され、概ねゼラチン粉と絹粉と
が懸濁様に分散されている特長を有している。
そして、これらの溶剤中のゼラチン粉と絹粉とは一個一
個が夫々に独立の状態で溶剤中に浮遊しており、外気か
ら完全に遮断されているゆこのことから粉砕されたゼラ
チン粉と絹粉の管理が容易とされ、粉砕後にゼラチン粉
及び絹粉が湿気を帯びたり、硬化したり、あるいは相互
に融着し合ったりすることがない。
このようにして混配合された状態で粉砕されたゼラチン
粉と絹粉を、このゼラチン粉と絹粉の粉砕に用いた溶液
と共に成形用の樹脂あるいは塗料に配合する。この配合
の方法と配合の量は、成形される樹脂製品、フィルムな
いしはシートの特性及び塗料の特性等に合せて適宜決定
される。
前記のゼラチン粉と絹粉を有する溶剤の配合される樹脂
は、作り出されるフィルム、皮膜あるいは塗装塗膜の形
成に適する樹脂であり、前記溶剤により溶液状とされる
乙のである。即ち、通例は成形される樹脂フィルム、シ
ート等の樹脂素材に適する溶剤を用いて前記のゼラチン
と絹粉の粉砕をなす。
従って、前記の湿式粉砕に用いる溶剤の選択により、各
種の樹脂フィルム、シート等の成形と、各種の樹脂皮膜
の形成及び各種樹脂塗料が作り出される。
又、このゼラチン粉と絹粉を含む溶剤に配合される樹脂
及び塗液は、ペースト状であっても粉体状ないしは液状
であっても良く、この溶剤の配合量を調節することによ
ってペースト状ないしは粘性の高い溶液状又は粘性の低
い希釈溶液状とされる。
このようにして溶剤の配合された樹脂又は塗液を用いて
フィルムないしはシート、あるいは皮膜と、塗料とを作
り出す。このフィルム、シートを作り出す方法はカレン
ダーロール、インフレーション成形等適宜の方法が用い
られる他、離型紙の表面にコーティングした後に、この
離型紙を剥ぎとってフィルム、シートを作る方法等があ
る。又、各種の皮膜は布、紙、皮革あるいは木製品その
他の製品の表面に塗布形成する方法と、前記溶剤を配合
された樹脂溶液中に布、紙等を漬は込み形成する方法及
び離型紙の表面にコーティングした後、この離型紙面上
の樹脂皮膜を布、樹脂シート、紙、皮革等の面に転写接
着する方法等により作り出す。更に、塗料は、各種の用
途に合せた塗膜形成要素及び顔料に対し、塗膜形成助要
素の一部として又は改良ないしは増量要素として前記の
ゼラチン粉及び絹粉を有する溶剤の添加配合がなされる
ものであり、一般的な攪拌、混合で作り出され    
′る。
このようにして作り出されるフィルム、皮膜及び塗装塗
膜は、これらの素材中に含まれるゼラチン粉と絹粉の粒
径が6μmよりも微細な範囲に属していることから、フ
ィルム、皮膜ないしは塗装塗膜の厚さが0.02〜0.
002++mの範囲であっても、これらのフィルム、皮
膜ないしは塗装塗膜の面から混入ゼラチン粉及び絹粉が
浮き出したり、突き出したりすることがなく、平滑で良
好な肌触り感のあるフィルム、皮膜あるいは塗膜とされ
た。
又、以上のように1ノで作り出されたフィルム、皮膜あ
るいは塗膜等の樹脂成形品中に含まれるゼラチン粉の一
部を溶出することにより、このフィルム、皮膜あるいは
塗膜等の面に数ミクロンよりも微細な多数の孔を設ける
ことができる。
このように2〜3μmよりも徹細な孔をフィルム、皮膜
あるいは塗膜の面に設けることによフて、これらのフィ
ルム、皮膜あるいは塗膜に通気性がもたらされること1
なり、特にこのフィルム、皮膜あるいは塗膜にもたらさ
れる通気性は、0.0004μm前後の粒径からなる水
蒸気を通し、水滴を通さない特長を有している。このこ
とから耐水、透湿機能をフィルム、皮膜あるいは塗膜に
もたらすことができる。
従つて、各種の布地、皮革あるいは木製品等の表面に前
記のゼラチン粉と絹粉を含む002〜0.002 mg
+厚さからなる皮膜あるいは塗膜を形成し、ないしはフ
ィルムを貼り合せて、この皮膜、塗膜あるいはフィルム
中のゼラチン粉を溶出した場合、これらの布地、皮革あ
るいは木製品等に特有の耐水性と透湿性とがもたらされ
ること\なる。因みに、通例の雨滴の径は2000μm
であり、微細な霧雨においても100μmであって、こ
れらのフィルム等に設けられた微細な孔を通過すること
がない。又、これらのフィルム面等に付着した雨滴も表
面張力の関係から前記の微細な孔を通して滲潤すること
がない。
例  3 前記ゼラチン粉と絹粉を含む溶剤を用いてポリウレタン
樹脂フィルムを作り、このフィルムを織編布の面に転写
した。
6μmよりも微細なゼラチン粉 5重量部6μmよりも
微細な絹粉    10重量部ト  ル  エ  ン 
               70重量部ポリウレタ
ン樹脂固形分    30重量部この樹脂溶液を離型紙
の面にドクターナイフコーティング法により0.008
n++aの厚さで塗着し、これを乾燥した後に該離型紙
より剥ぎとって厚さ0.008mmのフィルムを作った
又、このフィルムを引き剥すことなく 1.5mm厚の
不織布の面に接養しながら前記離型紙をrすぎとって不
織布の面にフィルムスキン層を作り出した。そして、こ
の不織布を60℃の温水中に漬は込んで!5分間渇洗い
したところフィルム中に含まれているゼラチン粉が、そ
の全量の35重量%相当消失した。
尚、前記のゼラチン粉と絹粉の配合粉の混入量を3重量
部〜30重量部の間で各5重量部づつ増しながらフィル
ムを作ったところ、前記例3の割合でゼラチン粉を1重
量部綿粉2重量部としたところ作り出されたフィルム面
の光沢が良好で、充分な腰の強さを有している反面、接
触時のベタつき感があった。又、10重量部のゼラチン
粉と25重量部の絹粉を配合したフィルム面はゼラチン
と組粒特有の接触抵抗と良好な肌触り感がある反面、フ
ィルム面に強い力が作用した場合に、このフィルム面に
シワよれを生じ、又前記のフィルムをラミネートした製
品では、表面がヨした状態で下地の生他面が一部露出す
ることがあった。従って、前記のゼラチン粉と絹粉の混
合粉の配合量は3〜30重量部が最適である。しかしな
がら、フィルムの成形樹脂の種別、使用溶剤の配合量及
び成形条件等によって前記のゼラチン粉及び絹粉の配合
量を更に変更することもできる。
又、前記の湯洗によるゼラチン粉の溶出は、使用温水の
湯温を高くする程、短時間で多量の含有ゼラチン粉の溶
出が可能とされる反面、フィルムないしはラミネートフ
ィルムが毀損されたり、ベースとなる生地が損傷される
不都合があった。このことからフィルムのラミネートさ
れる生地の種別、素材特性とフィルム自体の素材特性並
びにフィルム中に含まれているゼラチン粉の量並びにフ
ィルムから溶出されるゼラチン粉の量等を総合的に勘案
して、このフィルム、皮膜あるいは塗膜中に含まれてい
るゼラチン粉の溶出がなされる。尚、前記実施例のボリ
ウ1ノタン樹脂フィルムにおいては60〜150℃の温
水又は熱水で含有ゼラチン粉の溶出をなすことが理想的
であり、60℃以下の温水では含有ゼラチン粉の溶出量
が少なく、時間も長く必要とされた。
例  4 ト ル エ ン         70重量部6μmよ
りも微細なゼラチン粉 5重量部6μ】よりも微細な組
粒    10重量部ポリ塩化ビニル樹脂      
30重量部この例4で作り出された塩ビフィルムでは柔
軟性が増し、通例の塩ビフィルムに比し伸縮性が著しく
増すと共に吸湿機能がもたらされた。
又、前記配合量によってフィルム、皮膜の形成と共に塗
料が作り出された。
例  5 ト  ル  エ  ン             70
重量部6μmよりも微細なゼラチン粉 5重量部6μm
よりも微細な組粒    10重量部アクリル樹脂  
   30ffi量部この例5の配合比率で作り出され
たフィルムは耐候性に優れており、耐摩耗性が良好であ
る割に接触時のベタつき感がない特長を有し、フィルム
面の光沢も良好であった。又、この配合比率からなる樹
脂溶液で皮膜を形成し、又塗料として塗膜を形成したと
ころ同様に耐摩耗性に優れ、且つ吸湿機能を有する皮膜
ないしは塗膜とされた。
例  6 ト  ル  エ  ン             70
重量部6μmよりも微細なゼラチン粉 5重量部6μ加
よりも微細な組粒    10重量部ポリ塩化ビニル樹
脂      15重量部アクリル樹脂     15
重量部 この例6の配合比率で作り出されたフィルムは前記例5
のフィルムに比し耐摩耗性が劣る傾向を示したが肌触り
が良く、ラミネート時の接着性が良好であった。又、こ
の配合比率からなる樹脂溶液を用いて形成1ノた皮膜及
び、この樹脂溶液を含む塗料を用いて形成した塗膜は吸
湿性と、接触抵抗とが良好で適度の肌触り感を有してい
る。
例  7 トルエン中でゼラチン粉と組粒とを同時粉砕し、この粉
砕粉を有するトルエンに二液反応タイプのウレタン塗料
のポリエステルを配合し、その後イソシアネートを添加
配合してスプレーガンで膜厚0.006mmの塗膜を得
た。
この塗膜は艶消し効果に優れ、手に触れたときの風合い
はベトつき感がなく良好であった。この実施例では、二
液反応型ウレタン樹脂塗料中のポリエステルとゼラチン
粉及び組粒との合計重量に対するゼラチン粉及び組粒を
10〜40重量%の範囲で塗膜を形成した。尚この実施
例では組粒を略5〜30重量%で配合するのが理想的で
あった。
例  8 液状ウレタン樹脂液(無黄変−成型ボツクレタン、不揮
発分30%)をメチルエチルケトンの混合剤を用いて2
1)〜50 poise (25℃)に調整し、このウ
レタン樹脂100重量部中にゼラチン粉20重二部組粒
30重量部をトルエンと共に混合し、100 pols
e  (25℃)となるように攪拌混合した。この混合
物をpvc板にスプレーガンで吹きつけ100℃で1分
間乾燥したところ吸湿性の良好な、しかも艶消し効果の
高い塗膜が得られた。
例  9 ウレタン樹脂100 pi量二部にゼラチン粉15瓜量
部絹粉15重量部を含む溶剤を配合して得られた混合液
を離型紙上にコーティングし、乾燥後得られた0、00
6mの厚さのフィルムを織物基材に転写して張り合せた
。このようにして作り出された織物の表面はベトつき感
がなく、感触にも優れていた。
例  10 離型紙上にゼラチン粉と組粒とを含む一液型ウレタン樹
脂(ゼラチン粉及び組粒含育のメチルエチルケトンを溶
剤とした不揮発分30重量%の混合液)をコンマロール
で塗布、乾燥し、更に、このコーティング層の上に、ゼ
ラチン粉と組粒を含む二液をウレタン樹脂(ゼラチン粉
及び組粒含有のメチルエチルケトンを溶剤とした不揮発
分50重量%の混合液)を塗布、乾燥して積層皮膜を作
り、この積層皮膜を離型紙から引き剥がすようにして不
織布の面にラミネート接着した。このラミネートフィル
ムを有する不織布の表面はベトつき感がなく、又ゼラチ
ン粉及び綿粉を含まないラミネート接着と同様の接着強
度が得られた。
例11 前記の絹素材の粉砕に先立って、絹素材を蒸気で加熱し
て、セリシンを充分に除去し、しかもフィブロインに充
分な膨潤加熱を施すことによってフィブロイン組織の収
縮をはかり、更に、この膨潤加熱の施されたフィブロイ
ンを、その含有水分が3重量%未満となるように乾燥す
ることによりフィブロイン組織の脆弱化をはかることが
なされた。この方法で、フィブロインを粗粉砕して、フ
ィブロインの粉、粒又は短繊維の径寸法を50μmより
も細かい範囲のものに揃え、これを前記の溶剤を媒体と
した湿式粉砕の方法で粉砕した。
か\る方法で粉砕されたフィブロインの粉、粒又は短繊
維には全く繊毛部分がなく、これらを溶剤を媒体として
粉砕したところ粉砕組粒が略完全な“粒”状となった。
又、か\る方法で溶剤を媒体としてフィブロインを粉砕
した場合、この粉砕が極めて容易且つ円滑になされ、粉
砕効率が飛躍的に向上することが明らかとなった。更に
、かする方法でフィブロインを粉砕したところ、その粉
砕組粒の粒径が6μmよりも更に細かい範囲のものとさ
れた。
(効果) 本発明に係るゼラチン及び絹素材の粉砕方法では、ゼラ
チン及び綿粉が溶剤によって夫々に分離された状態で粉
砕されることから、ゼラチン及び絹物相互が直接々触し
て融着し合うことがない。
又、ゼラチン及び綿粉の粉砕に際して磨砕あるいは衝撃
粉砕に伴う熱の発生が無く、熱変化に伴うゼラチン及び
絹物相互の融着あるいは品質劣化の不都合を生ずること
がない。
更に、溶剤で覆われた状態でゼラチン及び綿粉が粉砕さ
れることから、粉砕の過程においてゼラチン粉ないしは
綿粉が乾燥したり、膨潤したりすることがない。このこ
とからゼラチン粉及び綿粉の乾燥に伴う親水性の阻害が
無く、又膨潤に伴ってゼラチン粉及び綿粉が粘性を帯び
て粉砕が阻害される不都合もない。これらのことから粒
径が6μlよりも微細な範囲に属するゼラチン粉と綿粉
とを確実に、しかも短時間で効率良く作り出すことがで
きた。
更に、この徹細な粉状に粉砕されたゼラチンと綿粉とが
溶剤中に懸濁状に分散されていることからフィルム、シ
ートあるいは皮膜等の成形樹脂との配合が円滑、容易と
され、これらの樹脂混合液中にゼラチン粉及び綿粉が均
一に分散される特長を存している。又、かSる特長は、
溶剤により粉砕されたゼラチン粉及び綿粉を、この溶剤
と共に塗料成分とした場合でも同様である。
従って、以上の6μmよりも微細な範囲に属するゼラチ
ン粉及び綿粉を含む樹脂混合液あるいは塗料を用いてフ
ィルム、皮膜あるいは塗膜を形成した場合、これらのフ
ィルム、皮膜あるいは塗膜中にゼラチン粉と綿粉とが均
一に分散された状態で、これらのフィルム等が形成され
る。このことから、これらのフィルム等にゼラチン及び
絹特有の吸放湿性、適度の接触抵抗、及び伸縮性がもた
らされると共に静電気の帯電が防止される特長を有して
いる。
又、これらのフィルム、シート、皮膜ないしは塗膜に含
まれるゼラチン粉と綿粉の粒径が6μIよりも微細であ
ることから、これらのフィルム、シート、皮膜ないしは
塗膜を薄く形成することが可能とされた。特にフィルム
ないしは皮膜としては0.006m+1の厚さのものが
、又塗膜としてはQ、002mmの厚さのものが作られ
、そのいずれにおいても形成されたフィルム、皮膜ある
いは塗膜の面から混入ゼラチン粉及び綿粉が浮き出した
り、突き出したりすることがなく、肌触りが良好で滑ら
かな面とされた。
又、形成されるフィルム、皮膜あるいは塗膜の面にゼラ
チン粉及び綿粉が均一に露呈していることから、これら
のフィルム、皮膜あるいは塗膜の面に吸湿性が効果的に
もたらされ、良好な肌触り感がもたらされる。
更に、形成されるフィルム、皮膜あるいは塗膜の面から
混入ゼラチン粉を溶出させた場合、これらのフィルム、
皮膜あるいは塗膜の面に数ミクロンの微細な孔が無数に
設けられること)なり、形成されるフィルム等の面に特
有の吸放湿機能、特に耐水l!!湿機能がもたれらされ
る特長を有している。
又、以上で形成されたフィルム、皮膜あるいは塗膜の面
にサンディング処理を施した場合、フィルム等に含まれ
ているゼラチン粉及び組粒の有する吸湿機能、耐水透湿
機能と、良好な肌触り感が更に助長される。
本発明に係るゼラチン及び絹素材の粉砕方法と、この粉
砕方法によって得られる粉を用いたフィルム、皮膜並び
に塗料は以上における特長ある内容から絹状の合成材と
して各種の衣料品家具あるいは鞄等の身の回り用品ない
しは自動車の内装材等として用いられる他、静電気を帯
びない特性を活かして各種の電子機器と、これらのオペ
レーター用のキーボード等として用いられる。
又、以上のゼラチン粉及び組粒を有するフィルム及び皮
膜並びに塗料は、ゼラチン粉及び組粒を含まない通例の
フィルムの成形方法あるいは皮膜の形成方法ないしは塗
膜の形成方法と同一の方法ないしは手法で作り出したり
、用いたりすることができる。このことから本発明に係
る粉砕粉を用いたフィルム、皮膜及び塗膜は日常身の回
りにある全ての商品の成形ないしは表面化粧等の手段と
して用いることができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、粉又は粒状をなすゼラチンと粉又は粒又は短繊維状
    をなす絹素材とがジメチルフォルムアミド、トルエン等
    の溶剤を媒体とした湿式粉砕により粉砕され、この粉砕
    ゼラチン粉と絹粉とが6ミクロンよりも微細な粒径とさ
    れていることを特徴とするゼラチン及び絹の粉砕方法。 2、分級されて50ミクロン未満の粒径のゼラチンと絹
    素材との粉又は粒又は短繊維が全重量の少なくとも90
    重量%以上とされ、且つ該分級ゼラチンと絹素材との粉
    又は粒又は短繊維がジメチルフォルムアミド、トルエン
    等の溶剤を媒体とした湿式粉砕により粉砕され、この粉
    砕ゼラチン粉と絹粉とが6ミクロンよりも微細な粒径と
    されていることを特徴とするゼラチン及び絹の粉砕方法
    。 3、粉又は粒状をなすゼラチンと粉又は粒又は短繊維状
    をなす絹素材とがジメチルフォルムアミド、トルエン等
    の溶剤を媒体とした湿式粉砕により粉砕され、この粉砕
    ゼラチン粉と絹粉とが6ミクロンよりも微細な粒径とさ
    れていると共に、この溶剤に含まれた粉砕ゼラチン粉と
    絹粉とが形成樹脂フィルム組成分の一部とされているこ
    とを特徴とする樹脂フィルム。 4、粉又は粒状をなすゼラチンと粉又は粒又は短繊維状
    をなす絹素材とがジメチルフォルムアミド、トルエン等
    の溶剤を媒体とした湿式粉砕により粉砕され、この粉砕
    ゼラチン粉と絹粉とが6ミクロンよりも微細な粒径とさ
    れていると共に、この溶剤に含まれた粉砕ゼラチン粉と
    絹粉とが形成樹脂皮膜組成分の一部とされていることを
    特徴とする樹脂皮膜。5、粉又は粒状をなすゼラチンと
    粉又は粒又は短繊維状をなす絹素材とがジメチルフォル
    ムアミド、トルエン等の溶剤を媒体とした湿式粉砕によ
    り粉砕され、この粉砕ゼラチン粉と絹粉とが6ミクロン
    よりも微細な粒径とされていると共に、この溶剤に含ま
    れた粉砕ゼラチン粉と絹粉とが塗料成分の一部とされて
    いることを特徴とする塗料。
JP12302388A 1988-05-21 1988-05-21 ゼラチン及び絹の粉砕方法、樹脂フィルム並びに樹脂皮膜及び塗料 Pending JPH01293143A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20040036032A (ko) * 2002-10-23 2004-04-30 김진국 합성 고분자재질의 코팅방법 및 그 코팅방법에 의하여표면이 코팅된 합성 고분자재질을 포함하는 제품
JP2007009185A (ja) * 2005-06-02 2007-01-18 Nishikawa Rubber Co Ltd ゼラチンスポンジ

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KR20040036032A (ko) * 2002-10-23 2004-04-30 김진국 합성 고분자재질의 코팅방법 및 그 코팅방법에 의하여표면이 코팅된 합성 고분자재질을 포함하는 제품
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