JPH05222140A - 多層構造重合体、これを含む熱可塑性樹脂組成物及びその成形品 - Google Patents

多層構造重合体、これを含む熱可塑性樹脂組成物及びその成形品

Info

Publication number
JPH05222140A
JPH05222140A JP3201583A JP20158391A JPH05222140A JP H05222140 A JPH05222140 A JP H05222140A JP 3201583 A JP3201583 A JP 3201583A JP 20158391 A JP20158391 A JP 20158391A JP H05222140 A JPH05222140 A JP H05222140A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
multilayer structure
resin composition
monomer
polymer
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP3201583A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2980735B2 (ja
Inventor
Tatsuo Fujii
達夫 藤井
Junji Oshima
純治 大島
Takao Teraoka
孝雄 寺岡
Goro Shimaoka
悟郎 島岡
Makoto Mizutani
誠 水谷
Kazuhiko Ishii
一彦 石井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Takeda Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Gas Chemical Co Inc, Takeda Chemical Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority to JP20158391A priority Critical patent/JP2980735B2/ja
Publication of JPH05222140A publication Critical patent/JPH05222140A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2980735B2 publication Critical patent/JP2980735B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Graft Or Block Polymers (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】耐衝撃性、耐薬品性、表面硬度、寸法安定性等
の機械的特性にすぐれるのみならず、着色剤を含む場合
においても、色むらのない成形品を与えるポリカーボネ
ート樹脂−ポリエステル樹脂組成物、及びそのような樹
脂組成物に配合するに好適な多層構造重合体を提供する
にある。 【構成】ポリカーボネート樹脂及びポリエステル樹脂
と、芳香族ビニル単量体にて形成されたコア層、アルキ
ル基の炭素数が2〜8であるアルキルアクリレート単量
体から形成されたゴム状重合体からなる中間層、及び芳
香族ビニル単量体にて形成された硬質のガラス状重合体
からなる最外層を有する多層構造重合体とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多層構造重合体、これ
を含む熱可塑性樹脂組成物及びその成形品に関する。詳
しくは、本発明は、ポリカーボネート樹脂及びポリエス
テル樹脂を含む熱可塑性樹脂のための耐衝撃剤として有
用である多層構造重合体、それを含んでなる耐衝撃性が
改善された熱可塑性樹脂組成物、及びそのような樹脂組
成物を成形してなる成形物に関し、更に、着色剤にて着
色された成形品の製造においては、色むら等の着色性や
成形品のゲート近傍の剥離現象が改善された熱可塑性樹
脂組成物及びその成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂は、強靭で耐衝撃
性や電気的特性にすぐれ、寸法安定性にもすぐれる反
面、溶融粘度が高く、成形性に劣ること、耐衝撃性に厚
み依存性を有すること、芳香族系溶媒やガソリンに接触
するとクラツクが発生する等の耐薬品性に難点がある等
の欠点を有し、そのため、その応用範囲が限られてい
る。
【0003】そこで、このような欠点を解消するため
に、従来、種々の改良の提案がなされている。例えば、
特公昭36−14035号公報には、芳香族ポリカーボ
ネート樹脂にポリエチレンテレフタレート樹脂を配合し
て、耐薬品性を改良することが提案されている。また、
特開昭48−54150号公報には、芳香族ポリカーボ
ネート樹脂にポリブチレンテレフタレート樹脂を配合し
て、表面硬度や耐薬品性を改善することか提案されてい
る。しかし、このような樹脂組成物は、耐衝撃性が十分
ではない。
【0004】更に、特公昭62−37671号公報に
は、芳香族ポリカーボネート樹脂にポリエステル樹脂と
アクリルエラストマーとを配合して、耐衝撃性を改善す
る方法が提案されている。この方法によれば、確かに耐
衝撃性は改善されるものの、着色した成形品において
は、所謂色むら或いはパールと呼ばれる色彩的外観の不
均一化が生じ、特に、成形に際して、成形品のゲート近
傍のように、高シエアが負荷される部分において、この
現象が顕著である。従つて、表面塗装等の処理なしで
は、そのような着色した成形品の用途は限られざるを得
ない。また、上記したように、成形時に樹脂組成物に高
シエアが負荷される部分においては、剥離現象、即ち、
デラミネーシヨンもしばしばあらわれ、実用に供するこ
とができない成形品を与える場合もある。
【0005】このような着色した成形品の製造における
色むらの問題を解決するために、特公平1−34463
号公報には、スチレン系単量体を重合させてなる第1段
目の重合体、アルキル基の炭素数が1〜8のアルキルア
クリレート単量体を重合させてなる第2段目の重合体及
びアルキル基の炭素数が1〜8のアルキルメタクリレー
ト単量体を重合させてなる第3段目の重合体からなる多
層構造を有する重合体を着色したポリカーボネート樹脂
とポリエステル樹脂との混合物に配合することが提案さ
れている。しかし、この方法によつても、色むらは尚、
十分には解消されない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した種
々の問題を解決するためになされたものであつて、ポリ
カーボネート樹脂及びポリエステル樹脂を含む熱可塑性
樹脂に耐衝撃剤として配合するに好適である多層構造重
合体、そのような多層構造重合体を含んで、耐衝撃性、
耐薬品性、表面硬度、寸法安定性等の機械的特性にすぐ
れるのみならず、着色剤を含む場合においても、色むら
のない成形品を与えるポリカーボネート樹脂及びポリエ
ステル樹脂を含む熱可塑性樹脂組成物、及びそのような
樹脂組成物を成形してなる樹脂成形品を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による多層構造重
合体は、芳香族ビニル単量体にて形成されたコア層、ア
ルキル基の炭素数が2〜8であるアルキルアクリレート
単量体から形成されたゴム状重合体からなる中間層、及
び芳香族ビニル単量体にて形成された硬質のガラス状重
合体からなる最外層を有する。
【0008】また、本発明による熱可塑性樹脂組成物
は、そのような多層構造重合体と共に、ポリカーボネー
ト樹脂及びポリエステル樹脂を含む熱可塑性樹脂を含
む。本発明による樹脂成形品は、上記した熱可塑性樹脂
組成物を成形してなる。先ず、本発明による熱可塑性樹
脂組成物について説明する。本発明において、ポリカー
ボネート樹脂としては、通常、エンジニアリングプラス
チツクとして知られているものが用いられる。なかで
も、芳香族ジヒドロキシ化合物又はこれと少量のポリヒ
ドロキシ化合物をホスゲン又は炭酸ジエステルと反応さ
せることによつて得られる分岐していてもよい熱可塑性
ポリカーボネート樹脂が好ましく用いられる。
【0009】芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例え
ば、2’2−ビス(4−ヒドロキシフエニル)プロパン
(ビスフエノールAともいわれる。)、テトラメチルビ
スフエノールA、テトラブロムビスフエノールA、ビス
(4−ヒドロキシフエニル)−p−ジイソプロピルベン
ゼン、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4−ジヒ
ドロキシジフエニル等を挙げることができる。
【0010】また、分岐した芳香族ポリカーボネート樹
脂を得るには、フロログルシン、4,6−ジメチル−
2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフエニル)ヘプテン
−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒド
ロキシフエニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,
4,6−トリ(4−ヒドロキシフエニル)ヘプテン−
3、1,3,5−トリ(4−ヒドロキシフエニル)ベン
ゼン、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフエニル)エ
タン等のポリヒドロキシ化合物や、3,3−ビス(4−
ヒドロキシアリール)オキシインドール(イサチンビス
フエノールともいわれる。)、5−クロルイサチン、
5,7−ジクロルイサチン、5−ブロムイサチン等を前
記ジヒドロキシ化合物の一部、例えば、0.1〜2モル
%程度と置換すればよい。
【0011】更に、得られるポリカーボネート樹脂の分
子量を調節するために、一価芳香族ヒドロキシ化合物を
用いることができる。このような一価芳香族ヒドロキシ
化合物としては、例えば、m−又はp−メチルフエノー
ル、m−又はp−プロピルフエノール、p−プロムフエ
ノール、p−tert−ブチルフエノール、p−長鎖ア
ルキル置換フエノール等が好ましく用いられる。
【0012】本発明において用いるポリカーボネート樹
脂としては、代表的には、例えば、ビス(4−ヒドロキ
シフエニル)アルカン系ジヒドロキシ化合物、特にビス
フエノールAを主原料とするポリカーボネート樹脂を挙
げることができる。しかし、二種以上の芳香族ジヒドロ
キシ化合物を併用して得られるポリカーボネート共重合
体や、三価のフエノール系化合物を少量併用して得られ
る分岐したポリカーボネート樹脂も用いることができ
る。更に、本発明においては、これらのポリカーボネー
ト樹脂の混合物も用いることができる。
【0013】また、本発明において用いるポリエステル
樹脂も、通常、エンジニアリングプラスチツクとして知
られているものが用いられる。なかでも、テレフタル酸
又はそのジアルキルエステルと脂肪族ジグリコール類と
の重縮合反応によつて得られるポリアルキレンテレフタ
レート又はこれを主体とした共重合体が好ましく用いら
れる。このようなポリエステル樹脂としては、例えば、
ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレン
テレフタレート(PBT)等が、好ましく用いられる。
【0014】上記脂肪族グリコールとしては、例えば、
エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメ
チレングリコール、ヘキサメチレングリコール等が用い
られる。これら脂肪族グリコール類は、例えば、シクロ
ヘキサンジオール、シクロヘキサンジジメタノール、キ
シレングリコール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフエ
ニル)プロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等
の他のジオール類や多価アルコール類と併用することが
できる。これらジオール類又は多価アルコール類の使用
量は、脂肪族グリコール100重量部に対して40重量
部以下の範囲であることが好ましい。
【0015】また、ポリエステル樹脂の製造に際して
は、テレフタル酸又はそのジアルキルエステルと共に、
フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジ
フエニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリ
メリツト酸やそれらのジアルキルエステル等の二塩基
酸、三塩基酸等や、また、それらのジアルキルエステル
を併用することができる。その使用量は、テレフタル酸
又はそのジアルキルエステル100重量部に対して40
重量部以下の範囲であることが好ましい。 本発明によ
る多層構造重合体は、先の段階の重合体を後の段階の重
合体が順次に被覆するような連続した多段階シード乳化
重合法によつて得ることができる。本発明による多層構
造重合体は、通常、三段階の乳化重合によつて得られる
多層構造重合体であることが好ましい。
【0016】第一段目の重合は、多層構造重合体のコア
層を形成するものであつて、芳香族ビニル単量体を用い
て行なわれる。この芳香族ビニル単量体としては、例え
ば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、
モノクロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、ブロ
モスチレン等を挙げることができる。これらのなかで
は、特にスチレンが好ましく用いられる。
【0017】この第一段目の重合においては、上記芳香
族ビニル単量体と共に、非芳香族系単量体を用いること
ができる。その使用量は、第一段目の重合に用いる単量
体の全量に対して、好ましくは50重量%以下の範囲で
あり、より好ましくは20重量%以下の範囲である。こ
のような非芳香族系単量体としては、例えば、エチルア
クリレート、ブチルアクリレート等のアルキルアクリレ
ート、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート等
のアルキルメタクリレート、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル等のシアン化ビニルやシアン化ビニリデン
等を挙げることができる。
【0018】本発明において、多層構造重合体のコア層
は、架橋性単量体にて架橋されていてもよい。架橋性単
量体の使用量は、第一段目の重合に用いる単量体の全量
に対して、通常、30重量%以下の範囲であり、好まし
くは0.5〜20重量%の範囲であり、より好ましくは
5〜15重量%の範囲である。かかる架橋性単量体とし
ては、好ましくは、分子内に二個以上の重合性エチレン
性不飽和結合を有する単量体が用いられる。具体例とし
ては、例えば、ジビニルベンゼン等の芳香族ジビニル単
量体、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジ
オール(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート等のアルカンポリオールポリ(メ
タ)アクリレート等を挙げることができる。これらのな
かでは、特にジビニルベンゼンが好ましく用いられる。
【0019】第一段目の重合においては、グラフト化単
量体も用いることができる。その使用量は、第一段目の
重合に用いる単量体の全量に対して、通常、5重量%以
下の範囲であり、好ましくは0.1〜2重量%の範囲で
ある。かかるグラフト化単量体としては、分子内に二個
以上の反応性の異なるエチレン性不飽和結合を有する単
量体が用いられる。その具体例としては、例えば、アリ
ル(メタ)アクリレート、ジアリルマレエート、ジアリ
ルフマレート、ジアリルイタコネート等の不飽和カルボ
ン酸アリルエステル等を挙げることができる。これらの
なかでは、特にアリルメタクリレートが好ましく用いら
れる。
【0020】第二段目の重合は、アルキル基の炭素数が
2〜8であるアクリル酸アルキル又はそれらの混合物を
重合させて、多層構造重合体のゴム状重合体の中間層を
形成するものである。そのようなゴム状重合体は、通
常、−30℃以下のガラス転移温度を有することが望ま
しい。上記アルキル基の炭素数が2〜8であるアクリル
酸エステルとしては、例えば、エチルアクリレート、プ
ロピルアクリレート、ブチルアクリレート、シクロヘキ
シルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等
を挙げることができる。これらのなかでは、特にブチル
アクリレートや2−エチルヘキシルアクリレートが好ま
しく用いられる。
【0021】この第二段目の重合においては、上記した
アルキルアクリレートと共に、それに共重合可能な他の
ビニル系単量体を併用することができる。そのようなビ
ニル系単量体の使用量は、第二段目の重合に用いる単量
体の全量に対して、通常、50重量%以下の範囲であ
り、好ましくは30重量%以下の範囲である。かかるア
ルキルアクリレートと共重合可能な他のビニル系単量体
の具体例としては、例えば、スチレン、ビニルトルエ
ン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物や芳香
族ビニリデン化合物、アクリロニトリルやメタクリロニ
トリル等のシアン化ビニルやシアン化ビニリデン、メチ
ルメタクリレート、ブチルメタクリレート等のアルキル
メタクリレート等を挙げることができる。
【0022】ゴム状重合体の中間層も、前述したような
架橋性単量体によつて、架橋されていてもよい。架橋性
単量体としては、特にジビニルベンゼン、ブチレングリ
コールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレー
ト等が好ましく用いられ、なかでも、ジビニルベンゼン
が好ましく用いられる。かかる架橋性単量体の使用量
は、第二段目の重合に用いる単量体の全量に対して、通
常、0.01〜5重量%の範囲であり、好ましくは0.
1〜2重量%の範囲である。
【0023】第二段目の重合においては、前述したグラ
フト化単量体も用いることができる。特に、アリルメタ
クリレートが好ましく用いられる。かかるグラフト化単
量体の使用量は、第二段目の重合に用いる単量体の全量
に対して、通常、5重量%以下の範囲であり、好ましく
は0.1〜2重量%の範囲である。本発明においては、
第三段目の最外層を形成するための重合は、芳香族ビニ
ル単量体を用いて、ガラス転移温度が50℃以上の硬質
の重合体が前記ゴム状重合体を被覆するように行なわれ
る。上記芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレ
ン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、モノクロル
スチレン、3,4−ジクロロスチレン、ブロモスチレン
等を挙げることができるが、特にスチレンが好ましく用
いられる。
【0024】この第三段目の重合においても、上記芳香
族ビニル単量体と共重合し得る非芳香族系単量体を用い
ることができる。その使用量は、第三段目の重合に用い
る単量体の全量に対して、好ましくは50重量%以下の
範囲であり、より好ましくは30重量%以下の範囲であ
る。このような非芳香族系単量体としては、例えば、ア
クリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸アル
キル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル等のメ
タクリル酸アルキル、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル等のシアン化ビニルやシアン化ビニリデン等を挙
げることができる。
【0025】更に、第三段目の重合によつて得られる最
外層も、前述したような架橋性単量体にて架橋されてい
てもよい。架橋性単量体の使用量は、第三段目の重合に
用いる単量体の全量に対して、通常、30重量%以下の
範囲であり、好ましくは0.5〜20重量%の範囲であ
り、より好ましくは5〜15重量%の範囲である。架橋
性単量体としては、ジビニルベンゼンやブチレングリコ
ールジメタクリレートが好ましく用いられるが、特にジ
ビニルベンゼンが好ましく用いられる。
【0026】本発明によれば、このような硬質の最外層
は、特に、スチレン−アクリロニトリル系共重合体を主
体とするものが好ましい。更に、本発明においては、前
記ゴム状重合体からなる中間層と上記硬質の最外層との
間に硬質の中間層を導入することができる。この硬質の
中間層は、ガラス転移温度が50℃以上である硬質の重
合体からなり、好ましくは、炭素数1〜5であるアルキ
ルメタクリレート、例えば、メチルメタクリレートやブ
チルメタクリレート等から形成される。
【0027】この硬質中間層も、前述した架橋性単量体
によつて架橋されていてもよい。架橋性単量体として
は、例えば、ジビニルベンゼンやブチレングリコールジ
メタクリレート等が好ましく用いられ、特にジビニルベ
ンゼンが好ましく用いられる。かかる架橋性単量体の使
用量は、硬質中間層の形成に用いられる単量体の全量に
対して、通常、30重量%以下の範囲であり、好ましく
は0.5〜20重量%の範囲であり、特に好ましくは5
〜15重量%の範囲である。
【0028】また、硬質中間層の形成において、前述し
たグラフト化単量体を併用することができる。その使用
量は、硬質中間層の形成に用いられる単量体の全量に対
して、通常、5重量%以下の範囲であり、好ましくは
0.1〜2重量%の範囲である。従来より知られている
多層構造重合体は、熱可塑性樹脂組成物に配合されたと
き、その樹脂の耐衝撃性の低下を防ぐために、それぞれ
の層は、架橋されているとしても、非常に少量の架橋性
単量体にて架橋されているにすぎない。これに対して、
本発明によれば、前述したように、コア層、硬質中間層
及び/又は最外層は、それぞれその層を形成するために
用いられる単量体の全量に対して、5〜15重量%の架
橋性単量体にて架橋されていることが好ましい。
【0029】本発明による多層構造重合体においては、
このように、コア層、硬質中間層及び/又は最外層が多
量の架橋性単量体にて架橋されており、本発明に従つ
て、かかる多層構造重合体をポリカーボネート樹脂とポ
リエステル樹脂との混合物に配合することによつて、耐
衝撃性のすぐれた、色むらの改良された樹脂組成物を得
ることができる。
【0030】しかしながら、コア層、硬質中間層及び最
外層に用いられる架橋性単量体の全量は、それらコア
層、硬質中間層及び最外層の形成に用いられる単量体の
全量に対して、1〜30重量%の範囲にあるのが好まし
く、特に3〜20重量%の範囲にあるのが好ましい。本
発明による多層構造重合体は、既に知られているシード
乳化重合法によつてラテツクスを製造し、これを凍結融
解、或いは塩析によつて重合体を分離した後、遠心脱
水、乾燥して、粒状、フレーク状又は粉体等として取り
出すことができる。スプレー・ドライヤーによる噴霧乾
燥によれば、ラテツクスから直接に重合体を取り出すこ
ともできる。このようにして得られた多層構造重合体
は、そのまま用いることができるが、必要に応じて、押
出機及びペレタイザーによつてペレツトとすることがで
きる。
【0031】本発明によれば、多層構造重合体は、トル
エン可溶分が10重量%以下、特に6重量%以下である
ことが好ましい。かかる多層構造重合体をポリカーボネ
ート樹脂とポリエステル樹脂との混合物に配合すること
によつて、得られる着色樹脂組成物は、色むらの改善さ
れた成形品を与える。ここに、トルエン可溶分とは、多
層構造重合体をその100重量倍のトルエンに分散さ
せ、室温にて48時間放置したとき、トルエンに溶解し
た多層構造重合体の百分率として定義される。
【0032】更に、本発明によれば、多層構造重合体
は、得られる樹脂組成物が満足すべき耐衝撃性を有する
ように、100〜700nm、好ましくは200〜50
0nmの粒径を有することか好ましい。本発明において
は、多層構造重合体は、コア層10〜40重量%、ゴム
状中間層30〜80重量%及び最外層10〜40重量%
からなり、好ましくは、コア層15〜30重量%、ゴム
状中間層40〜70重量%及び最外層15〜25重量%
からなる。
【0033】前述したように、多層構造重合体は硬質中
間層を有していてもよい。この硬質中間層は、硬質中間
層と最外層との合計量が多層構造重合体全体の10〜4
0重量%、好ましくは15〜25重量%を占めるような
割合で含まれる。更に、硬質中間層は、最外層100重
量部に対して、100重量部以下の範囲で含まれる。コ
ア層、ゴム状中間層、硬質中間層及び最外層は、合計に
て100重量%である。
【0034】本発明による熱可塑性樹脂組成物は、ポリ
カーボネート樹脂5〜95重量%とポリエステル樹脂9
5〜5重量%とを含む熱可塑性樹脂混合物100重量部
に対して、前述した多層構造重合体0.5〜50重量
部、好ましくは1〜25重量部を含む。ポリカーボネー
ト樹脂とポリエステル樹脂との割合は、上記した範囲内
で適宜に選択することができる。例えば、ポリカーボネ
ート樹脂の性質を重視する場合は、ポリカーボネート樹
脂95〜50重量%に対して、ポリエステル樹脂5〜5
0重量%の範囲が好ましく、ポリエステル樹脂の性質を
重視する場合は、ポリカーボネート樹脂5〜50重量%
に対して、ポリエステル95〜50重量%の範囲が好ま
しい。
【0035】ポリカーボネート樹脂50〜95重量%、
好ましくは60〜95重量%と、ポリエステル樹脂50
〜5重量%、好ましくは40〜5重量%とからなる熱可
塑性樹脂混合物を含む本発明による熱可塑性樹脂組成物
は、ポリカーボネート樹脂からなる連続したマトリツク
スにポリエステル樹脂が分散されており、多層構造重合
体は、実質的にこのポリエステル樹脂相に分散されてい
る。これはポリエステル樹脂としてポリブチレンテレフ
タレート樹脂を用いた樹脂組成物に最もよく示される。
【0036】本発明による熱可塑性樹脂組成物は、ポリ
カーボネート樹脂、ポリエステル樹脂及び多層構造重合
体を上記した割合にてブレンドすることによつて得るこ
とができる。このブレンドの方法及び手段は特に限定さ
れるものではないが、好ましくは溶融ブレンドが採用さ
れる。この溶融ブレンドは、通常、200〜300℃の
温度で加熱ロールやバンバリーミキサー、単軸又は二軸
押出機を用いて行なわれる。
【0037】また、本発明による熱可塑性樹脂組成物
は、種々の添加剤を適宜量含有していてもよい。このよ
うな添加剤として、例えば、安定剤、顔料、難燃剤、滑
剤、無機充填剤、帯電防止剤、離型剤、紫外線吸収剤等
を挙げることができる。特に、顔料としては、チタン
系、アゾ系、フタロシアニン系等の染顔料、カーボンブ
ラツク等、種々のものを用いることができる。この樹脂
の顔料は、樹脂組成物100重量部に対して、通常、
0.01〜20重量部の範囲で用いられる。
【0038】このような本発明による樹脂組成物は、2
00〜300℃の温度で射出成形、押出成形、圧縮成形
等、通常の成形方法によつて所望の形状の成形品に成形
することができる。このような成形品は、例えば、バン
パー、フエンダー、ドアハンドル等の自動車部品、所謂
オフイス・オートメーシヨン機器や家庭用電気製品等に
用いることができる。
【0039】
【発明の効果】かかる本発明による熱可塑性樹脂組成物
は、本来、ポリカーボネート樹脂の有するすぐれた力学
的特性と寸法安定性を保持しているのみならず、ポリエ
ステル樹脂に由来して、成形加工性及び耐薬品性にもす
ぐれる。更に、本発明による熱可塑性樹脂組成物は、前
述した多層構造重合体を含み、上記したすぐれた種々の
特性を失なうことなく、低温での耐衝撃性が著しく改善
されている。
【0040】また、顔料を加えた着色成形品の場合に
は、色むらや白化現象も改善されているほか、成形に際
してのゲート近傍における剥離現象も改善されている。
【0041】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。尚、実施例中、部はすべて重量部を意昧し、また、
実施例及び比較例において用いる略語は以下のものを意
味する。 2−エチルヘキシルアクリレート 2EH
A n−ブチルアクリレート BA メチルメタクリレート MMA スチレン St アクリロニトリル AN アリルメタクリレート AlM
A 1,4−ブチレングリコールジアクリレート BGA ジビニルベンゼン DVB 脱イオン水 DIW ジオクチルスルホサクシネートナトリウム塩 SSS 過硫酸ナトリウム SPS 炭酸水素ナトリウム SHC ポリカーボネート PC ポリブチレンテレフタレート PBT ポリエチレンテレフタレート PET 多層構造重合体の重量平均粒子径は、大塚電子株式会社
製レーザー粒径解析システムLPA−3000にて測定
した。多層構造重合体の製造 実施例1(多層構造重合体Aの製造) 還流冷却器を備えた5リツトル容量の重合器内にDIW
448g、SSS1%水溶液12g及びSHC1%水溶
液32gを仕込み、窒素気流下で還流しながら70℃に
昇温した。次いで、MMA30gを加え、10分間かけ
て分散させた後、SPS2%水溶液80gを加えてシー
ド重合を開始させた。
【0042】続いて、75℃に昇温し、下記の一段目単
量体乳化液918gを60分間かけて連続的に供給し、
次いで、80℃で1時間熟成した。 第一段目単量体乳化液 St 332g DVB 36g AlMA 2g SSS 1%水溶液 308g SHC 1%水溶液 48g DIW 192g 引き続いて、SPS2%水溶液80gを加え、次いで、
下記の第二段目単量体乳化液2320gを180分間か
けて加えて、80℃で第二段目の重合を行なつた後、8
0℃で1時間熟成した。 第二段目単量体乳化液 2EHA 1176g DVB 18g AlMA 6g SSS 1%水溶液 960g SHC 1%水溶液 80g DIW 80g 続いて、SPS2%水溶液50gを加え、次いで、下記
の第三段目単量体乳化液680gを60分間かけて加え
て、80℃で第3段目の重合を行なつた後、80℃で1
時間熟成した。 第三段目単量体乳化液 St 240g AN 100g DVB 60g SSS 1%水溶液 100g SHC 1%水溶液 40g DIW 40g 反応終了後、室温まで冷却し、300メツシユのステン
レス金網で濾過して、固形分44.5%、重量平均粒子
径276nmの多層構造重合体のラテツクスを得た。こ
のラテツクスを凍結融解によつて凝析させ、水洗、脱
水、乾燥して、多層構造重合体Aを得た。 実施例2〜4(多層構造重合体B〜Dの製造) 表1及び表2に示す組成にて実施例1と同様に乳化重合
し、得られたラテツクスを凍結融解、水洗、脱水、乾燥
して、多層構造重合体B、C及びDを得た。 比較例1(多層構造重合体Eの製造) 還流冷却器を備えた2リツトル容量の重合器内にDIW
600g、SSS2%水溶液20g及びSHC1%水溶
液40gを仕込み、窒素気流下で還流しながら70℃に
昇温した。次いで、下記の第1段目単量体40gを加
え、10分間かけて分散させた後、SPS2%水溶液8
0gを加えてシード重合を開始させた。 第1段目単量体 2EHA 792g AlMA 4g BGA 4g 続いて、下記の一段目単量体乳化液1080gを180
分間かけて連続的に供給し、第1段目の重合を行なつた
後、90℃に昇温し、1時間熟成した。 第一段目単量体乳化液 上記第1段目単量体 760g SSS 2%水溶液 280g SHC 1%水溶液 40g その後、70℃まで冷却し、SPS2%水溶液20gを
加え、次いで、下記の第2段目単量体乳化液360gを
45分間かけて加えて、第2段目の重合を行なつた後、
90℃に昇温して、1時間熟成した。 第二段目単量体乳化液 MMA 200g SSS 1%水溶液 60g SHC 1%水溶液 20g DIW 80g 反応終了後、室温まで冷却し、300メツシユのステン
レス金網で濾過して、固形分44.7%、重量平均粒子
径293nmの多層構造重合体のラテツクスを得た。こ
のラテツクスを凍結融解によつて凝析させ、水洗、脱
水、乾燥して、多層構造重合体Eを得た。 比較例2及び3(多層構造重合体F及びGの製造) 表1及び表2に示す組成にて実施例1と同様に乳化重合
し、得られたラテツクスを凍結融解、水洗、脱水、乾燥
して、多層構造重合体F及びGを得た。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】 熱可塑性樹脂組成物の製造 実施例5(熱可塑性樹脂組成物(1)の製造) ビスフエノールAを原料とするポリカーボネート樹脂
(三菱瓦斯化学(株)製ユーピロンE−2000、以
下、E−2000と略記する。)66.5部、ポリ
(1,4−ブチレンテレフタレート)(三菱レイヨン
(株)製N−1100、以下、N−1100と略記す
る。)28.5部及び多層構造重合体A5部にカーボン
ブラツク0.25部を加え、40mm単軸押出機でシリ
ンダー温度240〜260℃にて溶融ブレンドして、熱
可塑性樹脂組成物(1)のペレツトを得た。 実施例6〜8(熱可塑性樹脂組成物(2)〜(4)の製
造) 多層構造重合体Aに代えて、多層構造重合体B、C及び
Dをそれぞれ用いた以外は、実施例1と同様にして、熱
可塑性樹脂組成物(2)〜(4)を得た。 比較例4〜6(熱可塑性樹脂組成物(5)〜(7)の製
造) 多層構造重合体Aに代えて、多層構造重合体E、F及び
Gをそれぞれ用いた以外は、実施例1と同様にして、熱
可塑性樹脂組成物(5)〜(7)を得た。 比較例7(熱可塑性樹脂組成物(8)の製造) ポリカーボネート樹脂(E−2000)70部とポリ
(1,4−ブチレンテレフタレート)(N−1100)
30部にカーボンブラツク0.25部を加え、40mm
単軸押出機でシリンダー温度240〜260℃にて溶融
ブレンドして、熱可塑性樹脂組成物(8)のペレツトを
得た。 実施例9(熱可塑性樹脂組成物(9)の製造) ポリカーボネート樹脂(E−2000)75.04部、
ポリエチレンテレフタレート)(日本ユニペツト製RT
−580、以下、RT−580と略記する。)19.9
6部及び多層構造重合体A5部にカーボンブラツク0.
25部を加え、40mm単軸押出機でシリンダー温度2
40〜260℃にて溶融ブレンドして、熱可塑性樹脂組
成物(9)のペレツトを得た。 実施例10(熱可塑性樹脂組成物(10)の製造) 多層構造重合体Aに代えて、多層構造重合体Cを用いた
以外は、実施例9と同様にして、熱可塑性樹脂組成物
(10)を得た。 比較例8(熱可塑性樹脂組成物(11)の製造) 多層構造重合体Cに代えて、多層構造重合体Eを用いた
以外は、実施例10と同様にして、熱可塑性樹脂組成物
(11)を得た。 比較例9(熱可塑性樹脂組成物(12)の製造) ポリカーボネート樹脂(E−2000)79部とポリエ
チレンテレフタレート)(RT−580)21部にカー
ボンブラツク0.25部を加え、40mm単軸押出機で
シリンダー温度240〜260℃にて溶融ブレンドし
て、熱可塑性樹脂組成物(12)のペレツトを得た。 試験例1(耐衝撃性試験) 熱可塑性樹脂組成物(1)〜(12)をそれぞれ110
℃で6時間以上乾燥させた後、射出成形機にて240〜
260℃で物性試験片を成形し、切削にてノツチを入れ
て、JIS K7113に規定する3.2mm厚のアイ
ゾツド衝撃試験片を作製した。
【0045】これらの試験片を用いて、23℃、0℃及
び−30℃のそれぞれの温度における衝撃値をJIS
K7113に準拠した方法で測定した。結果を表3及び
表4に示す。また、成形品のゲート近傍の剥離現象を目
視にて判定した。 試験例2 熱可塑性樹脂組成物(1)〜(12)をそれぞれ110
℃で6時間以上乾燥させた後、射出成形機にて240〜
260℃で成形し、単一の試験片に2mm、3mm及び
4mmの異なる3種の厚みを有する試験片を調製した。
【0046】それぞれの試験片について、4mm厚の部
分のL値を測定すると共に、単一の試験片の2mm厚部
分と4mm厚部分との色差(ΔE値)をスガ試験機
(株)製SMカラーコンピユータを用いて測定した。結
果を表3及び表4に示す。L値は色の深みをあらわし、
その値が小さいほど、その色は完全な黒色に近い。ΔE
値は2つの色(2mm厚部分の色と4mm厚部分の色)
の間の色むらの程度をあらわし、ΔE値が大きいほど、
2つの間の色むらが大きい。従つて、樹脂組成物が着色
性にすぐれるためには、L値及びΔE値が共に小さいほ
どよい。結果を表3及び表4に示す。
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】 試験例5 実施例5及び比較例6の樹脂組成物を用いて得られた成
形品からミクロトームを用いて薄片を調製し、染色し、
透過型電子顕微鏡観察によつて、樹脂組成物中における
多層構造重合体の分散性を調べた。
【0049】図1は、実施例5の樹脂組成物の電子顕微
鏡写真(50000倍)を示す。樹脂組成物は、ポリカ
ーボネート樹脂を灰色の連続したマトリツクスとして有
し、そのマトリツクス中にポリブチレンテレフタレート
樹脂が不定形の粒子として分散している。多層構造重合
体は、白い周縁を有する黒い球状の粒子として、実質的
にポリブチレンテレフタレート樹脂相に分散している。
【0050】図2は、比較例6の樹脂組成物の電子顕微
鏡写真(50000倍)を示す。この樹脂組成物も、ポ
リカーボネート樹脂を灰色の連続したマトリツクスとし
て有し、そのマトリツクス中にポリブチレンテレフタレ
ート樹脂が不定形の粒子又は細長く延びた相として分散
している。多層構造重合体は、実質的に球状の粒子とし
て、実質的にポリカーボネート樹脂相に分散している。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明による熱可塑性樹脂組成物における
多層構造重合体の粒子構造を示す透過型電子顕微鏡写真
(50000倍)である。
【図2】は、比較例としての熱可塑性樹脂組成物におけ
る多層構造重合体の粒子構造を示す透過型電子顕微鏡写
真(50000倍)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島岡 悟郎 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱瓦斯化学株式会社プラスチツクスセンタ ー内 (72)発明者 水谷 誠 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱瓦斯化学株式会社プラスチツクスセンタ ー内 (72)発明者 石井 一彦 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱瓦斯化学株式会社プラスチツクスセンタ ー内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ビニル単量体にて形成されたコア
    層、アルキル基の炭素数が2〜8であるアルキルアクリ
    レート単量体から形成されたゴム状重合体からなる中間
    層、及び芳香族ビニル単量体にて形成された硬質のガラ
    ス状重合体からなる最外層を有する多層構造重合体。
  2. 【請求項2】最外層がスチレン−アクリロニトリル共重
    合体であることを特徴とする請求項1記載の多層構造重
    合体。
  3. 【請求項3】(a)ポリカーボネート樹脂とポリエステ
    ル樹脂を含む熱可塑性樹脂、及び (b)芳香族ビニル単量体にて形成されたコア層、アル
    キル基の炭素数が2〜8であるアルキルアクリレート単
    量体から形成されたゴム状重合体からなる中間層、及び
    芳香族ビニル単量体にて形成された硬質のガラス状重合
    体からなる最外層を有する多層構造重合体を含む熱可塑
    性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】(a)ポリカーボネート樹脂とポリエステ
    ル樹脂を含む熱可塑性樹脂、及び (b)芳香族ビニル単量体にて形成されたコア層、アル
    キル基の炭素数が2〜8であるアルキルアクリレート単
    量体から形成されたゴム状重合体からなる中間層、及び
    芳香族ビニル単量体にて形成された硬質のガラス状重合
    体からなる最外層を有する多層構造重合体を含む熱可塑
    性樹脂組成物を成形してなる樹脂成形品。
JP20158391A 1990-05-11 1991-05-10 多層構造重合体、これを含む熱可塑性樹脂組成物及びその成形品 Expired - Lifetime JP2980735B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20158391A JP2980735B2 (ja) 1990-05-11 1991-05-10 多層構造重合体、これを含む熱可塑性樹脂組成物及びその成形品

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12151790 1990-05-11
JP2-121517 1990-05-11
JP20158391A JP2980735B2 (ja) 1990-05-11 1991-05-10 多層構造重合体、これを含む熱可塑性樹脂組成物及びその成形品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05222140A true JPH05222140A (ja) 1993-08-31
JP2980735B2 JP2980735B2 (ja) 1999-11-22

Family

ID=26458867

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20158391A Expired - Lifetime JP2980735B2 (ja) 1990-05-11 1991-05-10 多層構造重合体、これを含む熱可塑性樹脂組成物及びその成形品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2980735B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5658984A (en) * 1994-12-22 1997-08-19 Mitsubishi Engineering-Plastics Corporation Permanent anti-static polycarbonate resin composition
WO2004058839A1 (en) * 2002-12-24 2004-07-15 Lg Chem, Ltd. Impact-reinforcing agent having multilayered structure, method for prepararing the same, and thermoplastic resin comprising the same
WO2006046811A1 (en) * 2004-10-25 2006-05-04 Lg Chem, Ltd. Silicone-acrylic impact modifier having improved colorability and thermoplastic resin composition comprising the same
KR100696081B1 (ko) * 2000-05-01 2007-03-16 주식회사 코오롱 투명 아크릴 수지용 충격보강제
JP2007517105A (ja) * 2003-12-30 2007-06-28 エルジー・ケム・リミテッド 耐衝撃性及び粉末流動性に優れた高分子ラテックス及びその製造方法
JP2009540045A (ja) * 2006-06-08 2009-11-19 チェイル インダストリーズ インコーポレイテッド 衝撃強度、着色性、及び耐候性に優れたアクリレート−芳香族ビニル−不飽和ニトリル系グラフト共重合体並びにこれを含有する熱可塑性樹脂組成物
WO2012093631A1 (ja) * 2011-01-05 2012-07-12 株式会社カネカ ポリマー微粒子分散樹脂組成物、及びその製造方法
JP2014516104A (ja) * 2012-02-03 2014-07-07 エルジー・ケム・リミテッド Asa系グラフト共重合体組成物

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6028447A (ja) * 1983-07-22 1985-02-13 ロ−ム・アンド・ハ−ス・カンパニ− 着色熱可塑性樹脂
JPS6032849A (ja) * 1983-08-04 1985-02-20 Mitsubishi Rayon Co Ltd 熱可塑性樹脂用耐衝撃性改質剤
JPS6126646A (ja) * 1984-07-13 1986-02-05 Mitsubishi Rayon Co Ltd 熱可塑性樹脂組成物
JPS61181854A (ja) * 1985-02-08 1986-08-14 Mitsubishi Rayon Co Ltd 耐熱性および耐衝撃性熱可塑性樹脂組成物
JPS63152612A (ja) * 1986-10-06 1988-06-25 ザ ダウ ケミカル カンパニー 架橋されかつグラフトされたオーバーポリマーアクリレートゴム

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6028447A (ja) * 1983-07-22 1985-02-13 ロ−ム・アンド・ハ−ス・カンパニ− 着色熱可塑性樹脂
JPS6032849A (ja) * 1983-08-04 1985-02-20 Mitsubishi Rayon Co Ltd 熱可塑性樹脂用耐衝撃性改質剤
JPS6126646A (ja) * 1984-07-13 1986-02-05 Mitsubishi Rayon Co Ltd 熱可塑性樹脂組成物
JPS61181854A (ja) * 1985-02-08 1986-08-14 Mitsubishi Rayon Co Ltd 耐熱性および耐衝撃性熱可塑性樹脂組成物
JPS63152612A (ja) * 1986-10-06 1988-06-25 ザ ダウ ケミカル カンパニー 架橋されかつグラフトされたオーバーポリマーアクリレートゴム

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5658984A (en) * 1994-12-22 1997-08-19 Mitsubishi Engineering-Plastics Corporation Permanent anti-static polycarbonate resin composition
KR100696081B1 (ko) * 2000-05-01 2007-03-16 주식회사 코오롱 투명 아크릴 수지용 충격보강제
WO2004058839A1 (en) * 2002-12-24 2004-07-15 Lg Chem, Ltd. Impact-reinforcing agent having multilayered structure, method for prepararing the same, and thermoplastic resin comprising the same
US7534832B2 (en) 2002-12-24 2009-05-19 Lg Chem, Ltd. Impact-reinforcing agent having multilayered structure, method for preparing the same, and thermoplastic resin comprising the same
JP2007517105A (ja) * 2003-12-30 2007-06-28 エルジー・ケム・リミテッド 耐衝撃性及び粉末流動性に優れた高分子ラテックス及びその製造方法
WO2006046811A1 (en) * 2004-10-25 2006-05-04 Lg Chem, Ltd. Silicone-acrylic impact modifier having improved colorability and thermoplastic resin composition comprising the same
JP2009540045A (ja) * 2006-06-08 2009-11-19 チェイル インダストリーズ インコーポレイテッド 衝撃強度、着色性、及び耐候性に優れたアクリレート−芳香族ビニル−不飽和ニトリル系グラフト共重合体並びにこれを含有する熱可塑性樹脂組成物
WO2012093631A1 (ja) * 2011-01-05 2012-07-12 株式会社カネカ ポリマー微粒子分散樹脂組成物、及びその製造方法
CN103282442A (zh) * 2011-01-05 2013-09-04 株式会社钟化 聚合物微粒分散树脂组合物及其制造方法
JP5940462B2 (ja) * 2011-01-05 2016-06-29 株式会社カネカ ポリマー微粒子分散樹脂組成物、及びその製造方法
US9765207B2 (en) 2011-01-05 2017-09-19 Kaneka Corporation Polymer microparticle-dispersed resin composition and method for producing same
JP2014516104A (ja) * 2012-02-03 2014-07-07 エルジー・ケム・リミテッド Asa系グラフト共重合体組成物
US9428644B2 (en) 2012-02-03 2016-08-30 Lg Chem, Ltd. ASA graft copolymer composition

Also Published As

Publication number Publication date
JP2980735B2 (ja) 1999-11-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5298559A (en) Multi-layered polymers
CA2042347C (en) Multi-layer polymer, thermoplastic resin composition containing the same, and shaped article produced using the composition
JP2001049072A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
EP1030887B1 (de) Schlagzäh modifizierte polyester und polyester/polycarbonat-blends
JPS6116959A (ja) 熱可塑性成形組成物
JP3353351B2 (ja) 多層構造重合体、これを含む熱可塑性樹脂組成物及びその成形品
JP2980735B2 (ja) 多層構造重合体、これを含む熱可塑性樹脂組成物及びその成形品
JPH03124764A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
EP0299469B1 (en) Polycarbonate resin composition with acrylic impact modifiers
US5447989A (en) High impact modified polycarbonate compositions
DE69914948T2 (de) Polyesterformmasse
JPH05209115A (ja) 耐衝撃性、耐ガソリン汚染性ポリエステル/ポリカーボネート成形用組成物
JP2998310B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物及びその成形品
KR100568408B1 (ko) 그라프트 공중합체 조성물, 이의 분말 제조방법, 및 이를이용한 열가소성 수지 조성물
JP3124418B2 (ja) ポリエステル系樹脂組成物
JPH07238213A (ja) 繊維強化熱可塑性樹脂組成物
NL1006498C2 (nl) Polymeersamenstelling omvattende een polyester en een entcopolymeer.
JP2001302899A (ja) 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物およびその成型品
JPH04146956A (ja) ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物
AU659344B2 (en) Thermoplastic resin composition containing a polycarbonate resin and a multi-layer polymer, and moulded article made therefrom
JP2002047396A (ja) 難燃性熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物およびその成形用途
JP2006131834A (ja) 光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物及び光拡散成形品
JP2000313783A (ja) 熱可塑性樹脂組成物、その摺動性改質剤ないし改良方法および改質剤の製造方法
JPH0134463B2 (ja)
JP2024012142A (ja) 熱可塑性樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19990824

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070917

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080917

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080917

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080917

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090917

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100917

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100917

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110917

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110917

Year of fee payment: 12