JPH05217794A - 磁器コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

磁器コンデンサ及びその製造方法

Info

Publication number
JPH05217794A
JPH05217794A JP4054386A JP5438692A JPH05217794A JP H05217794 A JPH05217794 A JP H05217794A JP 4054386 A JP4054386 A JP 4054386A JP 5438692 A JP5438692 A JP 5438692A JP H05217794 A JPH05217794 A JP H05217794A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mol
composition
sio
point
porcelain
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4054386A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2761689B2 (ja
Inventor
Hisamitsu Shizuno
寿光 静野
Hiroshi Saito
斎藤  博
Shinya Kusumi
真也 久住
Hiroshi Kishi
弘志 岸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiyo Yuden Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Yuden Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiyo Yuden Co Ltd filed Critical Taiyo Yuden Co Ltd
Priority to JP4054386A priority Critical patent/JP2761689B2/ja
Publication of JPH05217794A publication Critical patent/JPH05217794A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2761689B2 publication Critical patent/JP2761689B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 非酸化性雰囲気中における1200℃以下の
焼成で得られるにもかかわらず、誘電体層の比誘電率ε
が7000以上、tanδが2.5%以下、抵抗率ρが
1×106 MΩ・cm以上、150℃におけるCR積が
1000F・Ω以上の磁器コンデンサを提供すること。 【構成】 誘電体層が、100.0重量部の基本成分
と、0.2〜5.0重量部の添加成分との混合物を焼成
したものからなり、基本成分が、 (1-α) {(Ba1-w- xCaw
Srx)O}k(Ti1-yZry)O2 +α(R1-zR′Z)O3/2(但し、R,
R′は希土類元素、α,x,y,z,kは、0.002
≦α≦0.04,0≦w≦0.27,0<x≦0.3
7,0<y<0.26,0.05≦0.6x+y≦0.
26,0.5≦z≦0.9,1.00≦k≦1.04を
満足する数値)からなり、添加成分がLi2 OとSiO
2 とMO(但し、MOはBaO,SrO,CaO,Mg
O及びZnOから選択された1種または2種以上の酸化
物)からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1又は2以上の誘電体
磁器層を内部電極によって各々挟持させてなる単層また
は積層構造の磁器コンデンサ及びその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、積層磁器コンデンサは、誘電体磁
器原料粉末からなる未焼結磁器シート(グリーンシー
ト)に白金又はパラジウム等の貴金属を主成分とする導
電性ペーストを所望パターンで印刷し、この未焼結磁器
シートを複数枚積み重ねて圧着し、酸化性雰囲気中にお
いて1300℃〜1600℃で焼成させて製造されてい
る。
【0003】ここで、導電性ペーストとして白金又はパ
ラジウム等の貴金属を主成分とするものを使用している
のは、導電性ペーストとして白金又はパラジウム等の貴
金属を主成分とするものを使用すれば、積層磁器コンデ
ンサを酸化性雰囲気中において1300℃〜1600℃
という高温で焼成させても導電性ペーストが酸化せず、
所望の内部電極が得られるからである。しかし、白金又
はパラジウム等の貴金属は高価な材料であるので、従来
の積層磁器コンデンサはコスト高になるという問題があ
った。
【0004】この問題を解決することができるものとし
て、本件出願人に係わる特公昭60−20851号公報
には、{(BaxCaySrz)O}k(TinZr1-n)O2 からなる基本成分
と、Li2 OとSiO2 とMO(但し、MOはBaO,
CaO及びSrOから選択された1種または2種以上の
酸化物)からなる添加成分とを含む誘電体磁器組成物が
開示されている。
【0005】また、特開昭61−147404号公報に
は、{(Ba1-x-yCaxSry)O}k(Ti1-zZrz)O2 からなる基本成
分と、B23 とSiO2 とLi2 Oからなる添加成分
とを含む誘電体磁器組成物が開示されている。
【0006】また、特開昭61−147405号公報に
は、{(Ba1-x-yCaxSry)O}k(Ti1-zZrz)O2 からなる基本成
分と、B23 とSiO2 からなる添加成分とを含む誘
電体磁器組成物が開示されている。
【0007】また、特開昭61−147406号公報に
は、{(Ba1-x-yCaxSry)O}K(Ti1-zZrz)O2 からなる基本成
分と、B23 とSiO2 とMO(但し、MOはBa
O,CaO及びSrOから選択された1種または2種以
上の酸化物)からなる添加成分とを含む誘電体磁器組成
物が開示されている。
【0008】これらの各公報に開示されている誘電体磁
器組成物は、還元性雰囲気中における1200℃以下の
比較的低い温度の焼成で得ることができるものである
が、その比誘電率εは5000以上、抵抗率ρは1×1
6 MΩ・cm以上である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年におけ
る電子回路の高密度化への進展は著しく、積層磁器コン
デンサの小型化に対する要求は非常に強いとともに、積
層磁器コンデンサが自動車等の電装用として使用される
ことから、積層磁器コンデンサの高温での信頼性に対す
る要求も非常に強い。
【0010】このため、積層磁器コンデンサの誘電体層
を構成する誘電体磁器組成物の比誘電率εと、高温CR
積を、他の電気的特性を悪化させることなく、上記各公
報に開示されている誘電体磁器組成物よりも更に良好な
らしめた磁器コンデンサの開発が望まれていた。
【0011】そこで、本発明の目的は、非酸化性雰囲気
中における1200℃以下の温度の焼成で得られるもの
であるにもかかわらず、誘電体層を構成している誘電体
磁器組成物の比誘電率εが7000以上、誘電体損失t
anδが2.5%以下、抵抗率ρが1×106 MΩ・c
m以上、150℃下におけるCR積が1000F・Ω以
上と、その電気的特性が従来のものより更に優れた磁器
コンデンサ及びその製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る磁器コンデ
ンサは、誘電体磁器組成物からなる1又は2以上の誘電
体磁器層と、この誘電体磁器層を挟持している2以上の
内部電極とを備えた磁器コンデンサにおいて、前記誘電
体磁器組成物が、100.0重量部の基本成分と、0.
2〜5.0重量部の添加成分との混合物を焼成したもの
からなり、前記基本成分が、 (1-α) {(Ba1-w-xCawSrx)O}k(Ti1-yZry)O2 +α(R1-zR′Z)O3/2 (但し、Rは、La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm及
びEuから選択された1種または2種以上の元素、R′
は、Sc,Y,Gd,Dy,Ho,Er,Yb,Tb,
Tm及びLuから選択された1種または2種以上の元
素、α,w,x,y,z,kは、 0.002≦α≦0.04 0≦w≦0.27 0<x≦0.37 0<y<0.26 0.05≦0.6x+y≦0.26 0.5≦z≦0.9 1.00≦k≦1.04 を満足する数値)であり、前記添加成分がLi2 OとS
iO2 とMO(但し、MOはBaO,SrO,CaO,
MgO及びZnOから選択された1種または2種以上の
酸化物)からなり、前記Li2 Oと前記SiO2 と前記
MOとの組成範囲が、これらの組成をモル%で示す三角
図において、前記Li2 Oが1モル%、前記SiO2
80モル%、前記MOが19モル%の組成を示す第1の
点Aと、前記Li2 Oが1モル%、前記SiO2 が39
モル%、前記MOが60モル%の組成を示す第2の点B
と、前記Li2 Oが30モル%、前記SiO2 が30モ
ル%、前記MOが40モル%の組成を示す第3の点C
と、前記Li2 Oが50モル%、前記SiO2 が50モ
ル%、前記MOが0モル%の組成を示す第4の点Dと、
前記Li2 Oが20モル%、前記SiO2 が80モル
%、前記MOが0モル%の組成を示す第5の点Eとをこ
の順に結ぶ5本の直線で囲まれた領域内にあるものであ
る。
【0013】ここで、基本成分の組成中における(R
1-zR′Z)O3/2の割合、すなわちαの値を0.002≦α
≦0.04の範囲としたのは、αの値が0.002≦α
≦0.04の場合には、所望の電気特性のものを得るこ
とができるが、0.002未満になった場合には、比誘
電率εr が低下し、tanδが大幅に悪化し、抵抗率ρ
が1×103 MΩ・cm未満となり、高温CR積が大幅
に悪化し、0.04を越えた場合には、焼成温度が12
50℃であっても緻密な焼結体を得ることができないか
らである。
【0014】基本成分の組成式中におけるCaの原子数
の割合、すなわちwの値を0≦w≦0.27としたの
は、wの値が、0≦w≦0.27の場合には、所望の電
気的特性を有するとともに、温度特性が平坦で、抵抗率
ρの高い焼結体を得ることができるが、0.27を越え
た場合には、緻密な焼結体を得るための焼成温度が12
50℃と高くなり、比誘電率εs も7000未満となる
からである。
【0015】なお、このCaは、上述したように磁器コ
ンデンサの温度特性を平坦にし、また抵抗率ρの向上を
図るために使用する元素であるため、あえて含有させな
くても、すなわちwの値を零としても所望の電気的特性
を有する焼結体を得ることはできる。
【0016】また、関係式0.6x+yの値を0.05
≦0.6x+y≦0.26としたのは、関係式0.6x
+yの値がこの範囲にある場合は、所望の電気的特性を
有する焼結体を得ることができるが、関係式0.6x+
yの値が0.05未満となったり、0.26を越えたり
した場合は、いずれも比誘電率εs が7000未満とな
るからである。
【0017】ここで、関係式0.6x+yの値について
範囲を定めたのは、x,yで割合が示されるSr,Zr
はいずれもキュリー点を低温側にシフトさせる元素であ
り、全体として考慮する必要があるからである。但し、
Srのシフターとしての特性はZrを1とした場合に3
/5(=0.6)であるので、xには係数0.6を掛け
て補正した。
【0018】なお、関係式0.6x+yの値が0.26
以下であっても、xの値が0.37を越えると、比誘電
率εs が7000未満となる。従って、関係式0.6x
+yの上限値は0.26であるが、同時に、xの上限値
は0.37としなければならない。このため、Sr,Z
rの割合は、0<x≦0.37及び0<y<0.26を
満足する範囲で、且つ、0.05≦0.6x+y≦0.
26を満足させる範囲としなければならない。
【0019】また、基本成分の組成式中におけるR′の
原子数の割合、すなわちzの値を0.5≦z≦0.9と
したのは、zの値が、0.5≦z≦0.9の場合には所
望の電気的特性を有する焼結体を得ることができるが、
0.5未満になった場合、もしくは、0.9を越えた場
合には、高温CR積が1000F・Ωを割ってしまい、
所望の電気特性を得ることができないからである。
【0020】なお、R成分のLa,Ce,Pr,Nd,
Pm,Sm及びEuはほゞ同様に働き、これ等から選択
された1つを使用しても、または複数を使用しても同様
な結果が得られる。またR′成分のSc,Y,Gd,D
y,Ho,Er,Yb,Tb,Tm及びLuもほゞ同様
に働くので、これ等から選択された1つを使用しても、
または複数を使用しても同様な結果が得られる。
【0021】基本成分の組成式中における{(Ba1-w-xCaw
Srx)O}の割合、すなわちkの値を1.00≦k≦1.0
4としたのは、kの値が、1.00≦k≦1.04の場
合には、所望の電気的特性を有する焼結体を得ることが
できるが、1.00未満になった場合には、誘電体損失
tanδが大幅に悪化し、抵抗率ρが1×106 MΩ・
cm未満になり、高温CR積が大幅に悪化し、1.04
を越えた場合には、1250℃の焼成でも緻密な焼結体
を得ることができないからである。
【0022】なお、基本成分の中には、本発明の目的を
阻害しない範囲で微量のMnO2 (好ましくは0.05
〜0.1重量%)等の鉱化剤を添加し、焼結性を向上さ
せてもよい。また、その他の物質を必要に応じて添加し
てもよい。また、基本成分を得るための出発原料として
は、実施例で示した以外の酸化物を使用してもよいし、
水酸化物またはその他の化合物を使用してもよい。
【0023】次に、添加成分の添加量を、100重量部
の基本成分に対して0.2〜5.0重量部としたのは、
添加成分の添加量がこの範囲内にある場合は1190〜
1200℃の焼成で所望の電気的特性を有する焼結体を
得ることができるが、0.2重量部未満になると、焼成
温度が1250℃であっても緻密な焼結体を得ることが
できないし、また、5.0重量部を越えると、比誘電率
εs が7000未満となるからである。
【0024】添加成分の組成を、Li2 OとSiO2
MOとの組成をモル%で示す三角図において、前記した
点A〜Eをこの順に結ぶ5本の直線で囲まれた範囲内と
したのは、添加成分の組成をこの範囲内のものとすれ
ば、所望の電気的特性を有する焼結体を得ることができ
るが、添加成分の組成をこの範囲外とすれば、1250
℃の焼成で緻密な焼結体を得ることができないからであ
る。なお、MO成分は、BaO,SrO,CaO,Mg
O,ZnOのいずれか1つであってもよいし、または適
当な比率としてもよい。
【0025】次に、本発明に係る磁器コンデンサの製造
方法は、前記の基本成分と添加成分とからなる未焼結の
磁器粉末からなる混合物を調製する工程と、前記混合物
からなる未焼結磁器シートを形成する工程と、前記未焼
結磁器シートを少なくとも2以上の導電性ペースト膜で
挟持させた積層物を形成する工程と、前記積層物を非酸
化性雰囲気中において熱処理する工程と、前記熱処理を
受けた積層物を酸化性雰囲気中において熱処理する工程
とを備えたものである。
【0026】ここで、非酸化性雰囲気としては、H2
COなどの還元性雰囲気のみならず、N2 やArなどの
中性雰囲気であってもよい。また、非酸化性雰囲気中に
おける熱処理の温度は、非酸化性雰囲気中における焼成
温度より低い温度であればよく、500〜1000℃の
範囲が好ましい。
【0027】また、酸化性雰囲気としては、大気雰囲気
に限定することなく、例えば、N2に数ppmのO2
混合したような低酸素濃度の雰囲気から任意の酸素濃度
の雰囲気を使用することができる。どのような温度ある
いはどのような酸素濃度の雰囲気にするかは、電極材料
(ニッケル等)の酸化と誘電体磁器層の酸化とを考慮し
て種々変更する必要がある。後述する実施例ではこの熱
処理の温度を600℃としたが、この温度に限定される
ものではない。
【0028】また、後述する実施例では非酸化性雰囲気
中における熱処理と、酸化性雰囲気中における熱処理を
1つの連続した焼成プロファイルのなかで行なっている
が、もちろん非酸化性雰囲気中における焼成工程と、酸
化性雰囲気における熱処理工程とを独立した工程に分け
て行なうことも可能である。
【0029】また、実施例では外部電極としてZn電極
を使用しているが、電極の焼付け条件を選択することに
よりNi,Ag,Cu等の電極を用いることができるの
はもちろんであるし、Ni外部電極を未焼成積層体の端
面に塗布して積層体の焼成と外部電極の焼付けを同時に
行なうこともできる。
【0030】なお、本発明は積層磁器コンデンサ以外の
一般的な単層の磁器コンデンサにも勿論適用可能であ
る。
【0031】
【実施例】まず、表3の試料No.1の場合について
説明する。基本成分の調製 表1に示す化合物を各々秤量し、これらの化合物をポッ
トミルに、複数個のアルミナボール及び2.5リットル
の水とともに入れ、15時間攪拌混合して、混合物を得
た。
【0032】
【表1】
【0033】ここで、表1の各化合物の重量(g)は、
基本成分の組成式 (1-α) {(Ba1-w-xCawSrx)O}k(Ti1-yZry)O2 +α(R1-zR′Z)O3/2 (但し、RはLa,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm及び
Euから選択された1種または2種以上の元素、R′
は、Sc,Y,Gd,Dy,Ho,Er,Yb,Tb,
Tm及びLuから選択された1種または2種以上の元
素)………(1) における第1項の{(Ba1-w-xCawSrx)O}k(Ti1-yZry)O2
{(Ba0.85Ca0.07Sr0.08)O}1.01(Ti0.90Zr0.10)O2 となる
ように、計算して求めた値である。
【0034】次に、この原料混合物をステンレスポット
に入れ、熱風式乾燥器を用い、150℃で4時間乾燥
し、この乾燥した混合物を粗粉砕し、この粗粉砕した混
合物をトンネル炉を用い、大気中において約1200℃
で2時間仮焼し、上記基本成分の組成式(1) における第
1項の成分粉末(第1基本成分)を得た。
【0035】そして、表3の試料No.1に示すよう
に、1−αが0.98モル%、αが0.02モル%とな
るように、98モル部(984.16g)の第1基本成
分の粉末と、2モル部(15.84g、うち、Dy2
3 が11.49g、Pr23 が4.35g)の第2基
本成分(基本成分の組成式(1) における第2項の成分)
の粉末とを湿式ポットミルで混合し、150℃で乾燥さ
せ、1000gの基本成分を得た。
【0036】添加成分の調製 また、表2の化合物を各々秤量し、これらの化合物をポ
リエチレンポットに、複数個のアルミナボール及び30
0ミリリットルのアルコールとともに加え、10時間攪
拌混合して、混合物を得た。
【0037】
【表2】
【0038】ここで、表2の各化合物の重量(g)は、
Li2 Oが1モル%、SiO2 が80モル%、MOが1
9モル%{BaO(3.8モル%)+CaO(9.5モル%)+
MgO(5.7モル%)}の組成となるように計算して求め
た値である。また、MOのうちでBaO,CaO及びM
gOの占める割合は、BaOが20モル%、CaOが5
0モル%、MgOが30モル%である。
【0039】次に、前記混合物を大気中において約10
00℃の温度で2時間仮焼し、これをアルミナポットに
複数個のアルミナボール及び300ミリリットルの水と
ともに入れ、15時間粉砕し、その後、150℃で4時
間乾燥させ、前記組成の添加成分の粉末を得た。
【0040】スラリーの調製 次に、100重量部(1000g)の前記基本成分と、
2重量部(20g)の前記添加成分とをボールミルに入
れ、更に、これらの基本成分と添加成分との合計重量に
対して15重量%の有機バインダーと50重量%の水を
入れ、これらを混合及び粉砕して誘電体磁器組成物の原
料となるスラリーを得た。ここで、有機バインダーとし
ては、アクリル酸エステルポリマー、グリセリン及び縮
合リン酸塩の水溶液からなるものを使用した。
【0041】未焼結磁器シートの形成 次に、上記スラリーを真空脱泡機に入れて脱泡処理し、
この脱泡処理したスラリーをポリエステルフィルム上に
リバースコータを用いて所定の厚さで塗布し、この塗布
されたスラリーをこのポリエステルフィルムとともに1
00℃で加熱して乾燥させ、厚さ約25μmの長尺な未
焼結磁器シートを得た。そして、この長尺な未焼結磁器
シートを裁断して10cm角の未焼結磁器シートを得
た。
【0042】導電性ペーストの調製と印刷 また、粒径平均1.5μmのニッケル粉末10gと、エ
チルセルロース0.9gをブチルカルビトール9.1g
に溶解させたものとを攪拌機に入れて10時間攪拌し、
内部電極用の導電性ペーストを得た。
【0043】そして、前記未焼結磁器シートの片面にこ
の導電性ペーストからなるパターン(長さ14mm、幅
7mm)を50個、スクリーン印刷法によって形成さ
せ、乾燥させた。
【0044】未焼結磁器シートの積層 次に、この未焼結磁器シートを、導電性ペーストからな
るパターンが形成されている側を上にして2枚積層し
た。この積層の際、隣接する上下の未焼結磁器シート間
において、導電性ペーストからなるパターンが長手方向
に半分程ずれるようにした。そして、更に上記のように
して積層したものの上下両面に厚さ60μmの未焼結磁
器シートを各々4枚ずつ積層して積層物を得た。
【0045】積層物の圧着と裁断 次に、約50℃の温度下において、この積層物に厚さ方
向から約40トンの荷重を加えて、この積層物を構成し
ている未焼結磁器シート相互を圧着させた。そして、こ
の積層物を格子状に裁断して、50個の積層体チップを
得た。
【0046】積層体チップの焼成 次に、この積層体チップを雰囲気焼成が可能な炉に入
れ、この炉内を大気雰囲気にし、100℃/hの速度で
600℃まで昇温させ、未焼結磁器シート中の有機バイ
ンダーを燃焼除去させた。
【0047】その後、炉内の雰囲気を大気雰囲気から還
元雰囲気{H2(2体積%)+N2(98体積%)}に変
え、炉内の温度を600℃から1140℃まで、100
℃/hの速度で昇温させ、1140℃の温度を3時間保
持し、その後、100℃/hの速度で降温させ、炉内の
雰囲気を大気雰囲気(酸化性雰囲気)に変え、600℃
の温度を30分間保持して酸化処理を行い、その後、室
温まで冷却して積層焼結体チップを得た。
【0048】外部電極の形成 次に、この積層焼結体チップの対向する側面のうちで、
内部電極の端部が露出している側面に一対の外部電極を
形成し、図1に示すような、三層の誘電体磁器層12,
12,12と二層の内部電極14,14とからなる積層
焼結体チップ15の端部に一対の外部電極16,16が
形成された積層磁器コンデンサ10が得られた。
【0049】ここで、外部電極16は、前記側面に亜鉛
とガラスフリット(glass frit)とビヒクル(vehicle) と
からなる導電性ペーストを塗布し、この導電性ペースト
を、乾燥後、大気中において550℃の温度で15分間
焼き付けて亜鉛電極層18とし、更にこの亜鉛電極層1
8の上に無電解メッキ法で銅層20を形成し、更にこの
銅層20の上に電気メッキ法でPb−Sn半田層22を
設けることによって形成した。
【0050】なお、この積層磁器コンデンサ10の誘電
体磁器層12の厚さは0.02mm、一対の内部電極1
4,14の対向面積は5mm×5mm=25mm2 であ
る。また、焼結後の誘電体磁器層12の組成は、焼結前
の基本成分及び添加成分の混合物の組成と実質的に同じ
である。
【0051】電気的特性の測定 次に、積層磁器コンデンサ10の電気的特性を測定し、
その平均値を求めたところ、表3の右欄に示すよう
に、比誘電率εs が16900、tanδが1.4%、
抵抗率ρが3.95×106 MΩ・cm、高温CR積が
1750F・Ωであった。
【0052】なお、電気的特性は次の要領で測定した。 (A) 比誘電率εs は、温度20℃、周波数1kHz、電
圧(実効値)1.0Vの条件で静電容量を測定し、この
測定値と、一対の内部電極14,14の対向面積(25
mm2 )と一対の内部電極14,14間の誘電体磁器層
12の厚さ(0.02mm)から計算で求めた。 (B) 誘電体損失tanδ(%)は、上記した比誘電率ε
s の測定の場合と同一の条件で測定した。 (C) 抵抗率ρ(MΩ・cm)は、温度20℃においてD
C100Vを1分間印加した後に、一対の外部電極1
6,16間の抵抗値を測定し、この測定値と寸法とに基
づいて計算で求めた。 (D) 高温CR積(F・Ω)は、温度150℃、周波数1
kHz、電圧(実効値)1.0Vの条件で、静電容量を
測定し、また、DC100Vを1分間印加した後に、一
対の外部電極16,16間の抵抗値[MΩ]を測定し、
計算で求めた。
【0053】以上、試料No.1について述べたが、試
料No.2〜94についても、基本成分及び添加成分の
組成を表3〜表3の左欄に示すように変え、還元性
雰囲気中における焼成温度を表3〜表3の右欄に示
すように変えた他は、試料No.1と全く同一の方法で
積層磁器コンデンサを作成し、同一の方法で電気的特性
を測定した。試料No.2〜94の電気的特性は表3
〜表3の右欄に示す通りとなった。
【0054】なお、表3〜表3において、1−αの
欄には基本成分の組成式の第1項における{(Ba1-w-xCaw
Srx)O}k(Ti1-yZry)O2 の割合が、1−w−xの欄には基
本成分の組成式の第1項におけるBaの原子数の割合
が、wの欄には基本成分の組成式の第1項におけるCa
の原子数の割合が、xの欄には基本成分の組成式の第1
項におけるSrの原子数の割合が、1−yの欄には基本
成分の組成式の第1項におけるTiの原子数の割合が、
yの欄には基本成分の組成式の第1項におけるZrの原
子数の割合が、kの欄には基本成分の組成式の第1項に
おける{(Ba1-w-xCawSrx)O}の割合が、αの欄には基本成
分の組成式の第2項における(R1-zR′Z)O3 /2の割合が、
1−zの欄には基本成分の組成式の第2項におけるRの
原子数の割合が、zの欄には基本成分の組成式の第2項
におけるR′の原子数の割合が示されている。
【0055】また、表3〜表3の添加成分の内容の
欄において、添加量重量部の欄には基本成分100重量
部に対する添加成分の重量部が示され、組成の欄にはL
2O,SiO2 及びMOの割合がモル%で示され、M
Oの内容の欄にはBaO,SrO,CaO,MgO及び
ZnOの割合がモル%で示されている。
【0056】また、試料No.1〜23は添加成分であ
るガラスの適正範囲を明らかにし、試料No.24〜3
5は添加成分の添加量の適正範囲を明らかにし、試料N
o.36〜47はCaの原子数の割合であるwの適正範
囲を明らかにし、試料No.48〜63はSrの原子数
の割合であるx値の適正範囲と、Zrの原子数の割合で
あるy値の適正範囲、すなわち0.6x+yの適正範囲
を明らかにし、試料No.64〜73はR′の原子数の
割合であるzの適正範囲を明らかにし、試料No.74
〜84は(R1-zR′Z)O3/2の割合であるαの適正範囲を明
らかにし、試料No.85〜94は{(Ba1-w-xCawSrx)O}
の割合であるkの適正範囲を明らかにするものである。
【0057】
【表3】
【0058】
【表3】
【0059】
【表3】
【0060】
【表3】
【0061】
【表3】
【0062】
【表3】
【0063】
【表3】
【0064】表3〜表3から明らかなように、本発
明に従う試料によれば、非酸化性雰囲気中における12
00℃以下の焼成で、比誘電率εs が7000以上、誘
電体損失tanδが2.5%以下、抵抗率ρが1×10
6 MΩ・cm以上、150℃におけるCR積が1000
F・Ω以上の電気的特性を有する誘電体磁器組成物を備
えた磁器コンデンサを得ることができるものである。
【0065】これに対し、No.11〜16,24,2
9,30,35,41,47,48,53,61,6
3,64,73,74,79,80,84,85,8
9,90及び94の試料によれば、所望の電気的特性を
有する磁器コンデンサを得ることができない。従って、
これらのNo.の試料は本発明の範囲外のものである。
【0066】次に、本発明に係る磁器コンデンサに用い
られている誘電体磁器組成物の組成範囲の限定理由につ
いて表3〜表3の試料No.1〜94を参照しなが
ら説明する。
【0067】まず、基本成分の組成式中におけるCaの
原子数の割合、すなわちwの値について説明する。wの
値が、試料No.40及び46に示すように、0.27
の場合には、所望の電気的特性を有する焼結体を得るこ
とができるが、試料No.41及び47に示すように、
0.30の場合には、緻密な焼結体を得るための焼成温
度が1250℃と高くなり、比誘電率εs も7000未
満となる。従って、wの値の上限は0.27である。
【0068】また、試料No.37〜40,43〜46
に示すように、Caは温度特性を平坦にする作用及び抵
抗率ρを向上させる作用を有するが、wの値が、試料N
o.36及び42に示すように、零であっても所望の電
気的特性の焼結体を得ることができる。従って、wの値
の下限は零である。
【0069】次に、基本成分の組成式中におけるSrの
原子数の割合であるxの値と、Zrの原子数の割合であ
るyの値を、関係式0.6x+yの値で表わした場合に
ついて説明する。関係式0.6x+yの値が、試料N
o.54に示すように、0.05の場合には、所望の電
気的特性を有する焼結体を得ることができるが、試料N
o.48に示すように、0.035の場合には、比誘電
率εs が7000未満となる。従って、関係式0.6x
+yの下限値は0.05である。
【0070】一方、関係式0.6x+yの値が、試料N
o.60,62に示すように、0.260,0.258
の場合は、所望の電気的特性を有する焼結体を得ること
ができるが、試料No.61,63に示すように、0.
26を越えて0.290,0.285になった場合に
は、比誘電率εs が7000未満となる。従って、関係
式0.6x+yの上限値は0.26である。
【0071】但し、関係式0.6x+yの値が0.26
以下であっても、試料No.53に示すように、xの値
が0.37を越えて0.40になった場合は、比誘電率
εsが7000未満となる。従って、関係式0.6x+
yの上限値は0.26であるが、同時に、xの上限値は
0.37としなければならない。
【0072】なお、x,yで示されるSr,Zrはキュ
リー点を低温側にシフトさせ、室温における比誘電率を
増大させる同様の作用を有し、0<x≦0.37及び0
<y<0.26を満足する範囲で、且つ、0.05≦
0.6x+y≦0.26を満足させる範囲で使用するこ
とができる。
【0073】次に、基本成分の組成式の第2項における
(R1-z R′z )の割合、すなわちαの値について説明
する。αの値が、試料No.75及び81に示すよう
に、0.002の場合には所望の電気的特性を有する焼
結体を得ることができるが、試料No.74及び80に
示すように、0.001の場合には、比誘電率が悪化
し、誘電体損失tanδが大幅に悪化し、抵抗率ρが1
×103 MΩ・cm未満となり、高温CR積が大幅に悪
化する。従って、αの値の下限は0.002である。
【0074】一方、αの値が、試料No.78及び83
に示すように、0.04の場合には所望の電気的特性を
有する焼結体を得ることができるが、試料No.79及
び84に示すように、0.06の場合には、焼成温度が
1250℃であっても緻密な焼結体を得ることができな
い。従って、αの値の上限は0.04である。
【0075】なお、R成分のLa,Ce,Pr,Nd,
Pm及びEuはほゞ同様に働き、これ等から選択された
1つを使用しても、または複数を使用しても同様な結果
が得られる。
【0076】次に、基本成分の組成式の第2項における
R′の原子数の割合、すなわちzの値について説明す
る。zの値が試料No.65に示すように0.5の場合
には、所望の電気特性を有する焼結体を得ることができ
るが、試料No.64に示すように0.40の場合には
高温CR積が1000F・Ω未満となる。従って、zの
下限は0.5である。
【0077】一方、zの値が、試料No.72に示すよ
うに、0.9の場合には、所望の電気特性を有する焼結
体を得ることができるが、試料No.73に示すよう
に、0.95の場合には高温CR積が1000F・Ω未
満となる。従って、zの値の上限は0.9である。
【0078】なお、R′成分のSc,Y,Dy,Ho,
Er及びYbはほゞ同様に働き、これ等から選択された
1つを使用しても、または複数を使用しても同様な結果
が得られる。
【0079】次に、基本成分の組成式中における{(Ba
1-w-xCawSrx)O}の割合、すなわちkの値について説明す
る。kの値が、試料No.86及び91に示すように、
1.00の場合には、所望の電気的特性を有する焼結体
を得ることができるが、試料No.85及び90に示す
ように、0.99の場合には、tanδが2.5%以上
になり、抵抗率ρが悪化し、高温CR積が悪化する。従
って、kの値の下限は1.00である。
【0080】一方、kの値が、試料No.88及び93
に示すように、1.04の場合には所望の電気的特性の
焼結体を得ることができるが、試料No.89及び94
に示すように、1.05の場合には、1250℃の焼成
でも緻密な焼結体を得ることができない。従って、kの
値の上限は1.04である。
【0081】次に、添加成分の添加量について説明す
る。添加成分の添加量が、試料No.25及び31に示
すように、100重量部の基本成分に対して0.2重量
部の場合には、1190〜1200℃の焼成で所望の電
気的特性を有する焼結体を得ることができるが、添加成
分の添加量が零の場合には、試料No.24及び30に
示すように、1250℃の焼成でも緻密な焼結体を得る
ことができない。従って、添加成分の下限値は、100
重量部の基本成分に対して0.2重量部である。
【0082】一方、添加成分の添加量が、試料No.2
8及び34に示すように、100重量部の基本成分に対
して5重量部の場合には、所望の電気的特性を有する焼
結体を得ることができるが、添加成分の添加量が、試料
No.29及び35に示すように、100重量部の基本
成分に対して7重量部の場合には、比誘電率εs が70
00未満となる。従って、添加成分の添加量の上限値
は、100重量部の基本成分に対して5重量部である。
【0083】次に添加成分の好ましい組成範囲について
説明する。添加成分の好ましい組成範囲は、図2のLi
2 O−SiO2 −MOの組成比を示す三角図に基づいて
決定することができる。
【0084】三角図の第1の点Aは、試料No.1のL
2 Oが1モル%、SiO2 が80モル%、MOが19
モル%の組成を示し、第2の点Bは、試料No.2のL
2Oが1モル%、SiO2 が39モル%、MOが60
モル%の組成を示し、第3の点Cは、試料No.3のL
2 Oが30モル%、SiO2 が30モル%、MOが4
0モル%の組成を示し、第4の点Dは、試料No.4の
Li2 Oが50モル%、SiO2 が50モル%、MOが
0モル%の組成を示し、第5の点Eは、試料No.5の
Li2 Oが20モル%、SiO2 が80モル%、MOが
0モル%の組成を示す。
【0085】本発明の組成範囲に属する試料の添加成分
は、図2に示す三角図の第1〜5の点A〜Eをこの順に
結ぶ5本の直線で囲まれた範囲内となっている。添加成
分の組成をこの範囲内のものとすれば、所望の電気的特
性を有する焼結体を得ることができる。一方、試料N
o.11〜16のように、添加成分の組成を本発明で特
定した範囲外とすれば、1250℃の焼成で緻密な焼結
体を得ることができない。
【0086】なお、MO成分は、例えば試料No.17
〜21に示すように、BaO,SrO,CaO,Mg
O,ZnOのいずれか1つであってもよいし、または他
の試料に示すように適当な比率としてもよい。
【0087】
【発明の効果】本発明によれば、磁器コンデンサの誘電
体層を構成している誘電体磁器組成物の組成を前述した
ように構成したので、比誘電率εs を7000〜207
00と飛躍的に向上させることができ、従って、磁器コ
ンデンサの小型大容量化を図ることができるという効果
がある。
【0088】また、本発明によれば、磁器コンデンサの
誘電体層を構成している誘電体磁器組成物の組成を前述
したように構成したので、高温におけるCR積を高める
ことができ、従って、磁器コンデンサの高温での信頼性
を高めることができるという効果がある。
【0089】更に、本発明によれば、磁器コンデンサの
誘電体層を構成している誘電体磁器組成物を非酸化性雰
囲気中で焼結させるので、内部電極をニッケル等の安価
な卑金属の導電性ペーストで形成することができ、従っ
て、磁器コンデンサの小型大容量化とあいまって、磁器
コンデンサの低コスト化を図ることができるという効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る積層磁器コンデンサの断
面図である。
【図2】本発明に係る磁器コンデンサの誘電体層を構成
する誘電体磁器組成物の添加成分の組成範囲を示す三角
図である。
【符号の説明】
12 誘電体磁器層 14 内部電極 15 積層焼結体チップ 16 外部電極 18 亜鉛電極層 20 銅層 22 Pb−Sn半田層
【表3○1】
【表3○2】
【表3○3】
【表3○4】
【表3○5】
【表3○6】
【表3○7】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01B 3/12 335 9059−5G H01G 4/12 364 7135−5E (72)発明者 岸 弘志 東京都台東区上野6丁目16番20号 太陽誘 電株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体磁器組成物からなる1又は2以上
    の誘電体磁器層と、この誘電体磁器層を挟持している2
    以上の内部電極とを備えた磁器コンデンサにおいて、 前記誘電体磁器組成物が、100.0重量部の基本成分
    と、0.2〜5.0重量部の添加成分との混合物を焼成
    したものからなり、 前記基本成分が、 (1-α) {(Ba1-w-xCawSrx)O}k(Ti1-yZry)O2 +α(R1-zR′Z)O3/2 (但し、Rは、La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm及
    びEuから選択された1種または2種以上の元素、R′
    は、Sc,Y,Gd,Dy,Ho,Er,Yb,Tb,
    Tm及びLuから選択された1種または2種以上の元
    素、 α,w,x,y,z,kは、 0.002≦α≦0.04 0≦w≦0.27 0<x≦0.37 0<y<0.26 0.05≦0.6x+y≦0.26 0.5≦z≦0.9 1.00≦k≦1.04 を満足する数値)であり、 前記添加成分がLi2 OとSiO2 とMO(但し、MO
    はBaO,SrO,CaO,MgO及びZnOから選択
    された1種または2種以上の酸化物)からなり、 前記Li2 Oと前記SiO2 と前記MOとの組成範囲
    が、これらの組成をモル%で示す三角図において、 前記Li2 Oが1モル%、前記SiO2 が80モル%、
    前記MOが19モル%の組成を示す第1の点Aと、 前記Li2 Oが1モル%、前記SiO2 が39モル%、
    前記MOが60モル%の組成を示す第2の点Bと、 前記Li2 Oが30モル%、前記SiO2 が30モル
    %、前記MOが40モル%の組成を示す第3の点Cと、 前記Li2 Oが50モル%、前記SiO2 が50モル
    %、前記MOが0モル%の組成を示す第4の点Dと、 前記Li2 Oが20モル%、前記SiO2 が80モル
    %、前記MOが0モル%の組成を示す第5の点Eとをこ
    の順に結ぶ5本の直線で囲まれた領域内にあることを特
    徴とする磁器コンデンサ。
  2. 【請求項2】 未焼結の磁器粉末からなる混合物を調製
    する工程と、前記混合物からなる未焼結磁器シートを形
    成する工程と、前記未焼結磁器シートを少なくとも2以
    上の導電性ペースト膜で挟持させた積層物を形成する工
    程と、前記積層物を非酸化性雰囲気中において熱処理す
    る工程と、前記熱処理を受けた積層物を酸化性雰囲気中
    において熱処理する工程とを備え、 前記未焼結の磁器粉末からなる混合物が、100.0重
    量部の基本成分と、0.2〜5重量部の添加成分とから
    なり、 前記基本成分が、 (1-α) {(Ba1-w-xCawSrx)O}k(Ti1-yZry)O2 +α(R1-zR′Z)O3/2 (但し、Rは、La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm及
    びEuから選択された1種または2種以上の元素、R′
    は、Sc,Y,Gd,Dy,Ho,Er,Yb,Tb,
    Tm及びLuから選択された1種または2種以上の元
    素、 α,w,x,y,z,kは、 0.002≦α≦0.04 0≦w≦0.27 0<x≦0.37 0<y<0.26 0.05≦0.6x+y≦0.26 0.5≦z≦0.9 1.00≦k≦1.04 を満足する数値)であり、 前記添加成分がLi2 OとSiO2 とMO(但し、MO
    はBaO,SrO,CaO,MgO及びZnOから選択
    された1種または2種以上の酸化物)からなり、 前記Li2 Oと前記SiO2 と前記MOとの組成範囲
    が、これらの組成をモル%で示す三角図において、 前記Li2 Oが1モル%、前記SiO2 が80モル%、
    前記MOが19モル%の組成を示す第1の点Aと、 前記Li2 Oが1モル%、前記SiO2 が39モル%、
    前記MOが60モル%の組成を示す第2の点Bと、 前記Li2 Oが30モル%、前記SiO2 が30モル
    %、前記MOが40モル%の組成を示す第3の点Cと、 前記Li2 Oが50モル%、前記SiO2 が50モル
    %、前記MOが0モル%の組成を示す第4の点Dと、 前記Li2 Oが20モル%、前記SiO2 が80モル
    %、前記MOが0モル%の組成を示す第5の点Eとをこ
    の順に結ぶ5本の直線で囲まれた領域内にあることを特
    徴とする磁器コンデンサの製造方法。
JP4054386A 1992-02-04 1992-02-04 磁器コンデンサ及びその製造方法 Expired - Lifetime JP2761689B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4054386A JP2761689B2 (ja) 1992-02-04 1992-02-04 磁器コンデンサ及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4054386A JP2761689B2 (ja) 1992-02-04 1992-02-04 磁器コンデンサ及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05217794A true JPH05217794A (ja) 1993-08-27
JP2761689B2 JP2761689B2 (ja) 1998-06-04

Family

ID=12969251

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4054386A Expired - Lifetime JP2761689B2 (ja) 1992-02-04 1992-02-04 磁器コンデンサ及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2761689B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6291380B1 (en) 1999-03-15 2001-09-18 Rohm Co., Ltd. Dielectric ceramic and capacitor using the same
US7242571B2 (en) 2003-01-31 2007-07-10 Murata Manufacturing Co. Ltd. Dielectric ceramic, manufacturing method therefor, and multilayer ceramic capacitor
JP2009209034A (ja) * 2008-02-05 2009-09-17 Tdk Corp 誘電体磁器組成物および電子部品

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6291380B1 (en) 1999-03-15 2001-09-18 Rohm Co., Ltd. Dielectric ceramic and capacitor using the same
US7242571B2 (en) 2003-01-31 2007-07-10 Murata Manufacturing Co. Ltd. Dielectric ceramic, manufacturing method therefor, and multilayer ceramic capacitor
JP2009209034A (ja) * 2008-02-05 2009-09-17 Tdk Corp 誘電体磁器組成物および電子部品

Also Published As

Publication number Publication date
JP2761689B2 (ja) 1998-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100245448B1 (ko) 자기콘덴서및그제조방법
JP2736397B2 (ja) 磁器コンデンサ及びその製造方法
JP2761690B2 (ja) 磁器コンデンサ及びその製造方法
JP2843736B2 (ja) 磁器コンデンサ及びその製造方法
JP3269903B2 (ja) 磁器コンデンサ及びその製造方法
JP2736396B2 (ja) 磁器コンデンサ及びその製造方法
JP2521856B2 (ja) 磁器コンデンサ及びその製造方法
JP2761689B2 (ja) 磁器コンデンサ及びその製造方法
JP3269902B2 (ja) 磁器コンデンサ及びその製造方法
JP2779293B2 (ja) 磁器コンデンサ及びその製造方法
JP2831894B2 (ja) 磁器コンデンサ及びその製造方法
JP2843733B2 (ja) 磁器コンデンサ及びその製造方法
JP3269908B2 (ja) 磁器コンデンサ及びその製造方法
JP2521857B2 (ja) 磁器コンデンサ及びその製造方法
JP2521855B2 (ja) 磁器コンデンサ及びその製造方法
JP2779294B2 (ja) 磁器コンデンサ及びその製造方法
JP3269907B2 (ja) 磁器コンデンサ及びその製造方法
JPH0614498B2 (ja) 磁器コンデンサ及びその製造方法
JP3029502B2 (ja) 磁器コンデンサ及びその製造方法
JP2879867B2 (ja) 磁器コンデンサ及びその製造方法
JP2831893B2 (ja) 磁器コンデンサ及びその製造方法
JP3269989B2 (ja) 磁器コンデンサ及びその製造方法
JP2938671B2 (ja) 磁器コンデンサ及びその製造方法
JP2843734B2 (ja) 磁器コンデンサ及びその製造方法
JPH0614499B2 (ja) 磁器コンデンサ及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19980203

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080327

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090327

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100327

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100327

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110327

Year of fee payment: 13

EXPY Cancellation because of completion of term