JP2879867B2 - 磁器コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

磁器コンデンサ及びその製造方法

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JP2879867B2
JP2879867B2 JP4102018A JP10201892A JP2879867B2 JP 2879867 B2 JP2879867 B2 JP 2879867B2 JP 4102018 A JP4102018 A JP 4102018A JP 10201892 A JP10201892 A JP 10201892A JP 2879867 B2 JP2879867 B2 JP 2879867B2
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斎藤  博
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1または2以上の誘電
体磁器層を少なくとも2以上の内部電極によって挟持さ
せてなる単層または積層構造の磁器コンデンサ及びその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、積層磁器コンデンサは次のような
方法によって製造されていた。すなわち、ドクターブレ
ード法等によりセラミックグリーンシートを作成し、こ
のグリーンシート上に内部電極となる金属粉末のペース
トを印刷し、これらを複数枚積み重ねて熱圧着し、大気
雰囲気中において1300℃以上の温度で焼成して焼結
体を作り、内部電極と導通する外部電極を焼結体の端面
に焼き付けていた。
【0003】ここで、内部電極の材料としては、パラジ
ウム、白金、銀−パラジウムのような貴金属であれば、
上記製造条件下でもセラミックと接触して酸化したりセ
ラミックと直接反応を起こさないため、この様な貴金属
がこれまで多くの積層磁器コンデンサに使用されてい
た。しかし、上記のような貴金属は、内部電極の材料と
して優れた特性を有しているが、反面、高価であるため
コスト高の最大の原因になっていた。そこで、このよう
な問題を解決する手段として、内部電極の材料としてニ
ッケル等の卑金属を用いることが試みられている。
【0004】しかし、内部電極の材料として、例えばニ
ッケルを用いると、大気雰囲気中における焼成でニッケ
ルが酸化され、酸化されたニッケルがセラミックと容易
に反応するため、内部電極を形成することができなくな
る。このような卑金属の酸化を防止するためには、還元
雰囲気中で焼成を行なわなければならないが、還元雰囲
気中で焼成を行なうと、セラミックは一般に著しく還元
されてしまい、コンデンサとして機能しなくなる。
【0005】そこで、このような問題を解決するため、
次のような誘電体磁器組成物が本件出願人に係る提案と
して開示されている。例えば、特開平3−278424
号公報には、(1−α){(Bak-(x+z)xz )O
k (Ti1-yy )O2-y/2 }+αBaZrO3 (但
し、MはMg及び/またはZn、LはCa及び/または
Sr、RはSc,Y,Gd,Dy,Ho,Er及びYb
から選択された1種または2種以上の金属元素)からな
る基本成分と、B23 ,SiO2 及びMO(但し、M
OはBaO,CaO及びSrOから選択された1種また
は2種以上の金属酸化物)からなる添加成分とを含む誘
電体磁器組成物が開示されている。
【0006】これら開示されている誘電体磁器組成物
は、非酸化性雰囲気中における1200℃以下の焼成で
磁器コンデンサを得ることができ、その比誘電率が30
00以上、誘電損失tanδが2.5%以下、抵抗率ρ
が1×106 MΩ・cm以上であり、かつ比誘電率の温
度変化率が−55℃〜125℃で−15%〜+15%
(25℃を基準)、−25℃〜85℃で−10%+10
%(20℃を基準)の範囲にすることができるものであ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】近年、電子回路の小型
化、高密度化にともない磁器コンデンサも小型大容量の
ものが強く求められている。その一つの手法として、積
層磁器コンデンサが知られており、その誘電体グリーン
シートの薄膜化、またはその積層数の増加により大容量
化することが試みられている。しかしながら、積層磁器
コンデンサにおいて、その誘電体磁器層を薄膜化するこ
とは、絶縁抵抗の低下を引き起こし、特に、高温におけ
るCR積の低下が著しくなる。
【0008】本発明の目的は、上記公報に開示されてい
る誘電体磁器組成物よりも更に、高温におけるCR積の
大きな誘電体磁器組成物を備えた磁器コンデンサを提供
することにある。具体的には、非酸化性雰囲気中におけ
る1200℃以下の焼成で得られるものであるにもかか
わらず、誘電体層を構成している誘電体磁器組成物の比
誘電率εs が3300以上、誘電体損失tanδが2.
5%以下、抵抗率ρが4×106 MΩ・cm以上、15
0℃におけるCR積が200F・Ω以上、静電容量の温
度変化率ΔC-55 ,ΔC125 が−15%〜+15%、Δ
-25 ,ΔC85が−10%〜+10%と、その電気的特
性が従来のものより更に優れた磁器コンデンサ及びその
製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】 本発明における誘電体
磁器組成物は100.0重量部の基本成分と、0.2〜
5.0重量部の添加成分との混合物を非酸化性雰囲気中
で焼成し、酸化性雰囲気中でこの焼成温度より低い温度
で熱処理したものからなり、前記基本成分が、 (1−α−β)(Bak−(x+y))OTiO+αBaZr O+β(R1−ZR′)O3/2 (但し、MはMg及び/またはZn、LはCa及び/またはSr、RはLa,C e,Pr,Nd,Pm,Sm及びEuから選択された1
種または2種以上の元素、R′は、Sc,Y,Gd,T
b,Dy,Ho,Er,Tm,Yb及びLuから選択さ
れた1種または2種以上の元素、 を満足する数値)で表される物質からなり、前記添加成
分がBとSiOとMO(但し、MOはBaO,
SrO,CaO,MgO及びZnOから選択された1種
または2種以上の酸化物)とからなり、前記B
前記SiOと前記MOとの組成範囲が、これらの組成
をモル%で示す三角図において、前記Bが1モル
%、前記SiOが80モル%、前記MOが19モル%
の組成を示す第1の点Aと、前記Bが1モル%、
前記SiOが39モル%、前記MOが60モル%の組
成を示す第2の点Bと、前記Bが29モル%、前
記SiOが1モル%、前記MOが70モル%の組成を
示す第3の点Cと、前記Bが90モル%、前記S
iOが1モル%、前記MOが9モル%の組成を示す第
4の点Dと、前記Bが90モル%、前記SiO
が9モル%、前記MOが1モル%の組成を示す第5の点
Eと、前記Bが19モル%、前記SiOが80
モル%、前記MOが1モル%の組成を示す第6の点Fと
をこの順に結ぶ6本の直線で囲まれた領域内にあり、
発明に係る内部電極は卑金属を主成分とする材料からな
るものである。
【0010】ここで、αの値の範囲を、0.005≦α
≦0.04としたのは、αの値がこの範囲にある場合
は、所望の電気的特性を有する誘電体磁器組成物を得る
ことができるが、αの値が0.005未満になると、静
電容量の温度変化率ΔC-55 が−15%〜+15%から
外れ、ΔC-25 が−10%〜+10%から外れてしま
い、αの値が0.04を越えると、静電容量の温度変化
率ΔC85が−10%〜+10%から外れてしまうからで
ある。
【0011】また、βの値の範囲を、0.002≦β≦
0.04としたのは、βの値がこの範囲にある場合は、
所望の電気的特性を有する誘電体磁器組成物を得ること
ができるが、βの値が0.002未満になると、抵抗率
ρが4.0×106 MΩ・cmより小さくなり、150
℃におけるCR積が200F・Ω以下になってしまい、
βの値が0.04を越えると、1250℃の焼成でも緻
密な焼結体を得ることができなくなるからである。
【0012】また、kの値の範囲を、1.00≦k≦
1.05としたのは、kの値がこの範囲にある場合は、
所望の電気的特性を有する誘電体磁器組成物を得ること
ができるが、kの値が1.00未満になると、抵抗率ρ
が4.00×106 MΩ・cmより小さくなり、静電容
量の温度変化率ΔC-55 ,ΔC125 が−15%〜+15
%から外れ、ΔC-25 ,ΔC85が−10%〜+10%か
らはずれ、150℃におけるCR積が200F・Ω以下
になってしまい、またkの値が1.05を越えると、1
250℃の焼成でも緻密な焼結体を得ることができなく
なるからである。
【0013】また、x+yの値の範囲を、0.01≦x
+y≦0.10としたのは、x+yの値がこの範囲にあ
る場合は、所望の電気的特性を有する誘電体磁器組成物
を得ることができるが、x+yの値が0.01未満にな
ると、静電容量の温度変化率ΔC-55 が−15%〜+1
5%から外れ、x+yの値が0.10を越えると、静電
容量の温度変化率ΔC85が−10%〜+10%から外れ
てしまうからである。
【0014】ただし、x+y≦0.10であっても、y
≦0.05が好ましい。x+y≦0.10を満足してい
ても、yの値が0.05を越えると静電容量の温度変化
率ΔC85が−10%〜+10%から外れてしまうからで
ある。
【0015】なお、M成分のMgとZn及びCaとSr
はほゞ同様に働き、0≦x≦0.10を満足する範囲で
はMgとZnのうち一方または両方を使用すること、ま
た0≦y≦0.05を満足する範囲でCaとSrのうち
の一方または両方を使用することができる。
【0016】また、zの値の範囲を、0.5≦z≦0.
9としたのは、zの値がこの範囲にある場合は、所望の
電気的特性を有する誘電体磁器組成物を得ることができ
るが、zの値が0.5未満になると、150℃における
CR積が200F・Ω以下になり、tanδが2.5%
を越えてしまい、抵抗率ρが4.0×106 MΩ・cm
より小さくなり、静電容量の温度変化率ΔC-55 ,ΔC
125 が−15%〜+15%から外れ、ΔC-25 ,ΔC85
が−10%〜+10%から外れ、zの値が0.9を越え
ると、150℃におけるCR積が200F・Ω以下にな
り、比誘電率が3300以下になってしまうからであ
る。
【0017】なお、R成分のLa,Ce,Pr,Nd,
Pm,Sm及びEuはほゞ同様に働き、これらから選択
された1つを使用しても、または複数を組み合わせて使
用しても同ような結果が得られるものである。またR′
成分のSc,Y,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,T
m,Yb及びLuもほゞ同様に働き、これらから選択さ
れた1つを使用しても、または複数を組み合わせて使用
しても同ような結果が得られるものである。
【0018】ただし、zの値は、R成分及びR′成分の
それぞれが1種または複数種のいずれの場合においても
0.5≦z≦0.9にすることが望ましい。また、R成
分とR′成分は、zの値が0.5≦z≦0.9の範囲で
組み合わせることにより、高温でのCR積の向上に寄与
するものである。すなわち、R成分の添加によって15
0℃におけるCR積を200F・Ω以上にすることが可
能になる。なお、前記基本成分を示す組成式中におい
て、k,x,y,zはもちろんそれぞれの元素の原子数
を示している。
【0019】また、基本成分の中に、本発明の目的を阻
害しない範囲で微量のMnO2 (好ましくは0.05〜
0.1重量%)等の鉱化剤を添加し、焼結性を向上させ
てもよいし、その他の物質を必要に応じて添加してもよ
い。更に、基本成分を得るための出発原料を実施例で示
した以外の例えばBaO,SrO,CaO等の酸化物ま
たは水酸化物またはその他の化合物としてもよい。
【0020】次に、添加成分の添加量の範囲を、100
重量部の基本成分に対して0.2〜5.0重量部とした
のは、添加成分の添加量がこの範囲にある場合は、所望
の電気的特性を有する誘電体磁器組成物を得ることがで
きるが、添加成分の添加量が0.2重量部未満になる
と、1250℃の焼成でも緻密な焼結体を得ることがで
きなくなり、また、添加成分の添加量が5.0重量部を
越えると、比誘電率εsが3300未満となり、静電容
量の温度変化率ΔC-55 が−15%〜+15%から外れ
てしまうからである。
【0021】添加成分の組成を、B23 −SiO2
MOの組成比をモル%で示す三角図の第1〜6の点A〜
Fを順に結ぶ6本の直線で囲まれた領域内としたのは、
添加成分の組成をこの領域内とすれば、所望の電気的特
性を有する誘電体磁器組成物を得ることができるが、添
加成分の組成をこの領域外とすれば、1250℃の焼成
でも緻密な焼結体を得ることができないからである。な
お、MO成分は、BaO,SrO,CaO,MgO,Z
nOのいずれか1つであってもよいし、または適当な比
率としてもよい。また、添加成分の出発原料は酸化物、
水酸化物等の他の化合物としてもよい。
【0022】次に、本発明に係る磁器コンデンサの製造
方法は、前記基本成分と添加成分とからなる未焼結の磁
器粉末からなる混合物を調製する工程と、前記混合物か
らなる未焼結磁器シートを形成する工程と、前記未焼結
磁器シートを少なくとも2以上の導電性ペースト膜で挟
持させた積層物を形成する工程と、前記積層物を非酸化
性雰囲気中において焼成する工程と、前記焼成を受けた
積層物を酸化性雰囲気中において熱処理する工程とを備
えたものである。
【0023】ここで、非酸化性雰囲気としては、H2
CO等の還元性雰囲気のみならず、N2 やArなどの中
性雰囲気であってもよい。また、非酸化性雰囲気中にお
ける焼成温度は、電極材料を考慮して種々変更すること
ができ、ニッケルを内部電極とする場合には、1050
〜1200℃の範囲でニッケル粒子の凝集をほとんど生
じさせることなく熱処理することができる。
【0024】また、酸化性雰囲気中における熱処理温度
は、非酸化性雰囲気中における焼成温度より低い温度で
あればよく、500℃〜1000℃の範囲が好ましい。
酸化性雰囲気としては、大気雰囲気に限定されることな
く、例えば、N2 に数ppmのO2 を混合したような低
酸素濃度の雰囲気から任意の酸素濃度の雰囲気を使用す
ることができる。どのような温度、あるいはどのような
酸素濃度の雰囲気にするかは、電極材料(ニッケル等)
の酸化と誘電体磁器層の酸化とを考慮して種々変更する
必要がある。後述する実施例ではこの熱処理温度を60
0℃としたが、この温度に限定されるものではない。
【0025】また、後述する実施例では、非酸化性雰囲
気中における熱処理と、酸化性雰囲気中における熱処理
を1つの連続した焼成プロファイルの中で行なっている
が、もちろん非酸化性雰囲気中における焼成工程と、酸
化性雰囲気における熱処理工程とを独立した工程に分け
て行なうことも可能である。
【0026】また、実施例では外部電極としてZn電極
を使用しているが、電極焼付け条件を選択することによ
りNi,Ag,Cu等の電極を用いることができるのは
もちろん、Ni外部電極を未焼成積層体の端面に塗布し
て積層体の焼成と外部電極の焼付けを同時に行なうこと
も可能である。なお、本発明は積層磁器コンデンサ以外
の一般的な単層の磁器コンデンサにもむろん適応可能で
ある。
【0027】
【実施例】まず、表1、表2及び表3の試料N
o.1の場合について説明する。試料No.1では、使
用する出発原料として、純度99.0%以上のBaCO
3 ,MgO,ZnO,CaCO3 ,SrCO3 及びTi
2 の粉末を用意し、基本成分の一般式 (1−α−β)(Bak-(x+y)MxLy)OkTiO2+αBaZrO3+β(R1-zR′Z)O3/2…(1) における第1項の (Bak-(x+y)MxLy)OkTiO2 …(2) が (Ba0.96Mg0.03Zn0.01Ca0.01Sr0.01)O1.02TiO2 …(3) の組成になるように、前記粉末を以下のように秤量し
た。 BaCO3 1037.78g MgO 6.63g ZnO 4.46g CaCO3 5.48g SrCO3 8.09g TiO2 437.57g これらをボールミルで約20時間湿式混合した後、15
0℃で4時間乾燥し、しかる後粉砕した。この粉砕物を
約1200℃で2時間大気中で仮焼し、基本成分の第1
項の組成の粉末を得た。
【0028】次に、基本成分の一般式 (1−α−β)(Bak-(x+y)MxLy)OkTiO2+αBaZrO3+β(R1-zR′Z)O3/2…(1) における第2項の BaZrO3 を得るために、BaCO3 ,ZrO2 の粉末を以下のよ
うに秤量した。 BaCO3 615.61g ZrO2 384.39g これらをボールミルで約20時間湿式混合した後、15
0℃で4時間乾燥し、しかる後、粉砕した。この粉砕物
を約1250℃で2時間大気中で仮焼し、上記組成の粉
末を得た。
【0029】次に、基本成分の一般式 (1−α−β)(Bak-(x+y)MxLy)OkTiO2+αBaZrO3+β(R1-zR′Z)O3/2…(1) における第3項の (R1-zR ′Z)O3/2 …(4) が、 (Sm0.2Er0.8)O3/2 …(5) になるように、Sm23 ,Er23 の粉末を以下の
ように秤量した。 Sm23 185.61g Er23 814.39g これらをボールミルで約20時間湿式混合した後、15
0℃で4時間乾燥し、しかる後、粉砕し、上記組成の粉
末を得た。
【0030】そして、試料No.1の基本成分を得るた
めに、上記基本成分の一般式(1)における1−α−β
が0.96モル、αが0.02モル、βが0.02とな
るように、96モル部(959.74g)の基本成分の
第1項の成分粉末と、2モル部(23.97g)の基本
成分の第2項の成分粉末と、2モル部(16.29g)
の基本成分の第3項の成分粉末とを混合して1000g
の基本成分を得た。
【0031】一方、試料No.1の添加成分を得るため
に、 B23 30.54g SiO2 52.71g CaCO3 11.71g SrCO3 2.16g BaCO3 2.89g を秤量し、これらにアルコールを300cc加え、ポリ
エチレンポットにてアルミナボールを用いて10時間撹
拌した後、大気中1000℃で2時間仮焼し、これを3
00ccのアルコールと共にアルミナポットに入れ、ア
ルミナボールで15時間粉砕し、しかる後、150℃で
4時間乾燥させて、B23 が30モル%、SiO2
60モル%、MOが10モル%(CaO:8モル%,S
rO:1モル%,BaO:1モル%)の組成の添加成分
を得た。
【0032】次に、基本成分の粉末1000g(100
重量部)に対して上記添加成分の粉末10g(1重量
部)を加え、更に、アクリル酸エステルポリマー、グリ
セリン及び縮合リン酸塩の水溶液からなる有機バインダ
ーを基本成分と添加成分との合計重量に対して15重量
%添加し、更に、50重量%の水を加え、これらをボー
ルミルに入れて粉砕及び混合して磁器原料のスラリーを
作成した。
【0033】次に、上記スラリーを真空脱泡器に入れて
脱泡し、このスラリーをリバースロールコーターに入
れ、これを使用してポリエステルフィルム上にこのスラ
リーに基づく薄膜を形成し、この薄膜をフィルム上で1
00℃に加熱して乾燥させ、厚さ約25μmのグリーン
シートを得た。このシートを10cm角の正方形に打ち
抜いて使用した。
【0034】一方、内部電極の導電ペーストは、平均粒
径が1.5μmのニッケル粉末10gと、エチルセルロ
ース0.9gをブチルカルビトール9.1gに溶解させ
たものとを攪拌器に入れ、10時間攪拌することにより
得た。この導電ペーストを長さ14mm、幅7mmのパ
ターンを50個有するスクリーンを介して上記グリーン
シートの片面に印刷した後、これを乾燥した。
【0035】次に、上記印刷面を上にしてグリーンシー
トを2枚積層した。この際、隣接する上下のシートにお
いて、その印刷面がパターンの長手方向に約半分ほどず
れるように配置した。更に、この積層物の上下両面にそ
れぞれ10枚づつ印刷の施されていないグリーンシート
を積層した。次いで、この積層物を約50℃の温度で厚
さ方向に約40トンの圧力を加えて圧着させた。しかる
後、この積層物を格子状に裁断し、約50個の積層チッ
プを得た。
【0036】次に、この積層チップを雰囲気焼成可能な
炉に入れ、大気中で100℃/hrの速度で600℃ま
で加熱して、有機バインダーを燃焼させた。しかる後、
炉の雰囲気を大気からH2(2体積%)+N2(98体積
%)の雰囲気に変えた。そして、炉を上記のごとき還元
性雰囲気とした状態を保って、積層チップの加熱温度を
600℃から焼成温度の1150℃(最高温度)を3時
間保持した後、100℃/hrの速度で600℃まで降
温し、雰囲気を大気雰囲気(酸化性雰囲気)に置き換え
て、600℃を30分間保持して酸化処理を行い、その
後、室温まで冷却して焼結体チップを得た。
【0037】次に、電極が露出する焼結体チップ15
側面に亜鉛とガラスフリットとビヒクルとからなる導電
性ペーストを塗布して乾燥し、これを大気中で550℃
の温度で15分間焼付け、亜鉛電極層18を形成し、更
にこの上に銅20を無電解メッキで被着させて、更にこ
の上に電気メッキ法でPb−Sn半田層22を設けて、
一対の外部電極16,16を形成した。
【0038】これにより、図1に示すごとく誘電体磁器
層12と、内部電極14と、外部電極16とからなる積
層磁器コンデンサ10が得られた。なお、この積層磁器
コンデンサ10の誘電体磁器層12の厚さは0.02m
m、内部電極14の対向面積は、5mm×5mm=25
mm2 である。また、焼結後の誘電体磁器層12の組成
は、焼結前の基本成分及び添加成分の混合物の組成と実
質的に同じである。
【0039】次に、積層磁器コンデンサ10の電気的特
性を測定したところ、表3に示すように、比誘電率ε
s が3520、tanδが1.3%、抵抗率ρが6.5
×106 MΩ・cm、高温におけるCR積が296F・
Ω、25℃の静電容量を基準にした−55℃及び+12
5℃の静電容量の変化率ΔC-55 ,ΔC125 が−10.
4%,−3.9%、20℃の静電容量を基準にした−2
5℃,+85℃の静電容量の変化率ΔC-25 ,ΔC85
−5.1%,−7.8%であった。
【0040】なお、電気的特性は次の要領で測定した。 (A) 比誘電率εs は、温度20℃、周波数1kHz、電
圧(実効値)1.0Vの条件で静電容量を測定し、この
測定値と、一対の内部電極の対向面積(25mm2 )と
一対の内部電極間の誘電体磁器層の厚さ0.02mmか
ら計算で求めた。 (B) 誘電損失tanδ(%)は、上記比誘電率の測定の
場合と同一の条件で測定した。 (C) 抵抗率ρ(MΩ・cm)は、温度20℃においてD
C100Vを60秒間印加した後に、一対の外部電極間
の抵抗値を測定し、この測定値と寸法とに基づいて計算
で求めた。 (D) 高温CR積(F・Ω)は、温度150℃、周波数1
kHz、電圧(実効値)1.0Vの条件で、静電容量を
測定し、しかる後、DC100Vを60秒間印加した後
に、一対の外部電極間の抵抗値を測定し、前記静電容量
の測定値と抵抗値を乗じたものを計算で求めた。 (E) 静電容量の温度特性は、恒温槽中に試料を入れ、−
55℃,−25℃,0℃,+20℃,+25℃,+50
℃,+85℃,+110℃,+125℃の各温度におい
て、周波数1kHz、電圧(実効値)1.0Vの条件で
静電容量を測定し、温度20℃及び25℃に於ける静電
容量に対して各温度の静電容量の変化率を求めることに
より得た。
【0041】以上、試料No.1の作成方法及びその特
性について述べたが、試料No.2〜94についても、
基本成分及び添加成分の組成及びその割合、また、焼成
温度を変えた他は、試料No.1と全く同様の方法で積
層磁器コンデンサを作成し、同一の方法で電気的特性を
測定した。
【0042】なお、表1〜には各々の試料について
の基本成分の組成及びその割合が示され、表2〜に
は各々の試料についての添加成分の組成及びその割合が
示され、表3〜には各々の試料についての焼成温度
及び積層磁器コンデンサの電気的特性が示されている。
【0043】また、表1〜のx,y,kの欄の数値
は、前述した基本成分の組成式(2)の各元素の原子
数、すなわち、TiO2 の原子数を1とした場合の各元
素の原子数の割合を示す。また、表1〜の1−z及
びzの欄の数値は、前述した基本成分の組成式(4)の
各元素の原子数の割合を示す。
【0044】また、表1〜のxの欄のMg,Zn
は、前述した基本成分の組成式(1)のMの内容を示
し、yの欄のCa,Srは、基本成分の組成式(1)の
Lの内容を示し、1−zの欄のLa,Ce,Pr,N
d,Pm,Sm及びEuは前述した基本成分の組成式
(1)のRの内容を示し、zの欄のSc,Y,Gd,T
b,Dy,Ho,Er,Tm,Yb及びLuは前述した
基本成分の組成式(1)のR′の内容を示す。
【0045】表2〜の添加成分の添加量は、基本成
分100重量部に対する重量部で示されている。添加成
分のMOの欄には、BaO,SrO,CaO,MgO及
びZnOの割合がモル%で示されている。
【0046】表3〜において、静電容量の温度特性
は、25℃の静電容量を基準にした−55℃及び+12
5℃の静電容量の変化率をΔC-55 (%)及びΔC125
(%)で、20℃の静電容量を基準にした−25℃及び
+85℃の静電容量の変化率をΔC-25 (%)及びΔC
85(%)で示されている。
【0047】
【表1】
【0048】
【表1】
【0049】
【表1】
【0050】
【表1】
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【表2】
【0054】
【表2】
【0055】
【表2】
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】
【表3】
【0059】
【表3】
【0060】
【表3】
【0061】
【表3】
【0062】表1〜、表2〜及び表3〜か
ら明らかなように、本発明に従う試料によれば、非酸化
性雰囲気中における1200℃以下の焼成で、比誘電率
εsが3300以上、tanδが2.5%以下、抵抗率
ρが4.0×106 MΩ・cm以上、150℃における
CR積が200F・Ω以上、静電容量の温度変化率ΔC
-55 及びΔC125 が−15%〜+15%以内、ΔC-25
及びΔC85が−10%〜+10%以内の電気的特性を有
する誘電体磁器組成物若しくは磁器コンデンサを得るこ
とができるものである。
【0063】これに対し、試料No.19,24,2
5,27〜29,32,33,37〜39,43,4
4,49,57,61〜63,65,67,78〜84
及び89の試料によれば、所望の電気的特性を有する磁
器コンデンサを得ることができない。従って、これらの
No.の試料は本発明の範囲外のものである。
【0064】表3〜には静電容量の温度変化率ΔC
-55 ,ΔC125 ,ΔC-25 ,ΔC85のみが表示されてい
るが、本発明に従う試料では、−25℃〜+85℃の範
囲の静電容量の温度変化率ΔCは、−10%〜+10%
の範囲に収まっており、又、−55℃〜+125℃の範
囲の静電容量の温度変化率ΔCは、−15%〜+15%
の範囲に収まっている。
【0065】次に、本発明に係る磁器コンデンサに用い
られている誘電体磁器組成物の組成の適正範囲につい
て、表1〜、表2〜及び表3〜に示す実験
結果を参照しながら検討する。まず、x+yの値につい
て検討する。x+yの値が、試料No.20,21に示
すように、0.01の場合には、所望の電気的特性を有
する誘電体磁器組成物が得られるが、試料No.19に
示すように、0の場合には、静電容量の温度変化率ΔC
-55 が−15%〜+15%から外れる。従って、x+y
の下限値は0.01である。
【0066】また、x+yの値が、試料No.30,3
1に示すように、0.10の場合には、所望の電気的特
性を有する誘電体磁器組成物が得られるが、試料No.
25,27,29に示すように、0.11の場合には、
静電容量の温度変化率ΔC85が−10%〜+10%から
外れてしまう。従って、x+yの上限値は0.10であ
る。
【0067】ただし、試料No.24,28に示すよう
に、yの値が0.05を越えると、x+y≦0.10で
あっても、静電容量の温度変化率ΔC85が−10%〜+
10%から外れてしまう。従って、x+yの範囲は、
0.01≦x+y≦0.10であるが、同時に、y≦
0.05でなければならない。
【0068】なお、M成分のMgとZnはほゞ同様に働
き、0≦x≦0.10を満足する範囲ではMgとZnの
うち一方または両方を使用することができ、また、L成
分のCaとSrはほゞ同様に働き、0≦y≦0.05を
満足する範囲でCaとSrのうち一方または両方を使用
することができる。ただし、M成分及びL成分の1種ま
たは複数種のいずれの場合においても、x+yの範囲
は、0.01≦x+y≦0.10としなければならな
い。
【0069】次に、kの値について検討する。kの値
が、試料No.34に示すように、1.00の場合に
は、所望の電気的特性の誘電体磁器組成物が得られる
が、試料No.32,33に示すように、k<1.00
の場合には、抵抗率ρが4.0×106 MΩ・cmより
大幅に小さくなり、静電容量の温度変化率ΔC-55 ,Δ
12 5 が−15%〜+15%から外れ、ΔC-25 ,ΔC
85が−10%〜+10%から外れ、150℃におけるC
R積が200F・Ωより大幅に小さくなってしまう。従
って、kの下限値は1.00である。
【0070】また、kの値が、試料No.36に示すよ
うに、k=1.05の場合には、所望の電気的特性の誘
電体磁器組成物が得られるが、試料No.37,38に
示すように、k>1.05の場合には、1250℃の焼
成でも緻密な焼結体が得られなくなってしまう。従っ
て、kの上限値は1.05である。
【0071】次に、αの値について検討する。αの値
が、試料No.40に示すように、0.005の場合に
は所望の電気的特性の誘電体磁器組成物が得られるが、
試料No.39に示すように、α=0の場合には、静電
容量の温度変化率ΔC-55 が−15%〜+15%から外
れ、ΔC-25 が−10%〜+10%から外れてしまう。
従って、αの下限値は0.005である。
【0072】また、αの値が、試料No.42に示すよ
うに、0.04の場合には、所望の電気的特性の誘電体
磁器組成物が得られるが、試料No.43に示すよう
に、0.05の場合には、ΔC85が−10%〜+10%
から外れてしまう。従って、αの上限値は0.04であ
る。
【0073】次に、βの値について検討する。βの値
が、試料No.45に示すように、0.002の場合に
は所望の電気的特性の誘電体磁器組成物が得られるが、
試料No.44に示すように、0の場合には、抵抗率ρ
が4.0×106 MΩ・cmより小さくなり、150℃
におけるCR積が200F・Ω以下になってしまう。従
って、βの下限値は0.002である。
【0074】また、βの値が、試料No.48に示すよ
うに、0.04の場合には、所望の電気的特性の誘電体
磁器組成物が得られるが、試料No.49に示すよう
に、0.05の場合には、1250℃の焼成で緻密な焼
結体が得られなくなってしまう。従って、βの上限値は
0.04である。
【0075】次に、zの値について検討する。zの値
が、試料No.60,66に示すように、0.5の場合
には、所望の電気的特性の誘電体磁器組成物が得られる
が、試料No.61,62,65,67に示すように、
z<0.5の場合には、tanδが2.5%を越えてし
まい、抵抗率ρが4×106 より小さくなり、150℃
下におけるCR積が200F・Ωより大幅に小さくな
り、静電容量の温度変化率ΔC-55 ,ΔC125 が−15
%〜+15%から外れ、ΔC-25 ,ΔC85が−10%〜
+10%から外れてしまう。従って、zの下限値は0.
5である。
【0076】また、zの値が、試料No.58,64に
示すように、0.90の場合には、所望の電気的特性の
誘電体磁器組成物が得られるが、試料No.57,63
に示すように、0.95の場合には、比誘電率εs が3
300以下になり、150℃におけるCR積が200F
・Ω以下になってしまう。従って、zの上限値は0.9
0である。
【0077】なお、R成分のLa,CE,Pr,Nd,
Pm,Sm及びEu、また、R′成分のSc,Y,G
d,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb及びLuは各
々ほゞ同様に働き、これらから選択された一つを使用し
ても、または複数を組み合わせて使用しても同様な効果
が得られるものである。
【0078】ただし、zの値は、R成分及びR′成分の
各々が1種または複数種のいずれの場合においても0.
5≦z≦0.9の範囲にすることが望ましい。また、R
成分とR′成分は、zの値が0.5≦z≦0.9の範囲
で組み合わせることにより、高温でのCR積の向上に寄
与するものである。すなわち、R成分とR′成分とを上
記範囲で組み合わせて添加することによって、150℃
下におけるCR積を200F・Ω以上にすることが可能
になる
【0079】次に、添加成分の添加量の適正範囲につい
て検討する。添加成分の添加量が、試料No.85に示
すように、基本成分100重量部に対して0.2重量部
の場合には、1190℃の焼成で所望の電気的特性の誘
電体磁器組成物が得られるが、試料No.84に示すよ
うに、基本成分100重量部に対して0重量部の場合に
は、1250℃の焼成でも緻密な焼結体が得られない。
従って、添加成分の添加量の下限値は基本成分100重
量部に対して0.2重量部である。
【0080】また、添加成分の添加量が、試料No.8
8に示すように、基本成分100重量部に対して5.0
重量部の場合には、所望の電気的特性の誘電体磁器組成
物を得ることができるが、試料No.89に示すよう
に、基本成分100重量部に対して7.0重量部の場合
には、比誘電率が3300未満となり、静電容量の温度
変化率ΔC-55 が−15%〜+15%からはずれてしま
う。従って、添加成分の添加量の上限値は基本成分10
0重量部に対して5.0重量部である。
【0081】次に、添加成分の組成範囲は、B23
SiO2 −MOの組成比をモル%で示す三角図(図2)
の第1〜6の点A〜Fを順に結ぶ6本の直線で囲まれた
範囲である。三角図における第1の点Aは、試料No.
68に示すように、B23が1モル%、SiO2 が8
0モル%、MOが19モル%の組成を示し、第2の点B
は、試料No.69に示すように、B23 が1モル
%、SiO2 が39モル%、MOが60モル%の組成を
示し、第3の点Cは、試料No.70に示すように、B
23 が29モル%、SiO2 が1モル%、MOが70
モル%の組成を示し、第4の点Dは、試料No.71に
示すように、B23 が90モル%、SiO2 が1モル
%、MOが9モル%の組成を示し、第5の点Eは、試料
No.72に示すように、B23 が90モル%、Si
2 が9モル%、MOが1モル%の組成を示し、第6の
点Fは、試料No.73に示すように、B23 が19
モル%、SiO2 が80モル%、MOが1モル%の組成
を示す。
【0082】試料No.68〜77に示されるように、
添加成分の組成範囲が、B23 −SiO2 −MOの組
成比をモル%で示す三角図(図2)の第1〜6の点A〜
Fを順に結ぶ6本の直線で囲まれた範囲内であれば所望
の電気的特性を得ることができるが、試料No.78〜
83に示されるように、添加成分の組成範囲を上記範囲
外とすれば、1250℃の焼成でも緻密な焼結体を得る
ことができない。
【0083】なお、MO成分は、試料No.90〜94
に示すように、BaO,SrO,CaO,MgO,Zn
Oのいずれか1種であってもよいし、他の試料に示すよ
うに2種以上の適当な比率でもよい。
【0084】
【発明の効果】 本発明によれば、本発明に従う組成の
誘電体磁器組成物を用いて製造された積層磁器コンデン
サは、内部電極の材料として卑金属を使用し、非酸化性
雰囲気中で焼成し、酸化性雰囲気中でこの焼成温度より
低い温度で熱処理して製造されたものであるにもかかわ
らず、比誘電率εが3300以上、誘電損失tanδ
が2.5%以下、抵抗率ρが4.0×10MΩ・cm
以上、150℃下におけるCR積が200F・Ω以上で
あり、且つ、静電容量の温度変化率が−55℃〜125
℃で−15%〜+15%(25℃を基準)、−25℃〜
85℃で−10%〜+10%(20℃を基準)の範囲に
収まることのできるものであり、特に、高温におけるC
R積の大きな誘電体磁器組成物を備えた磁器コンデンサ
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る積層磁器コンデンサの断
面図である。
【図2】本発明に係る磁器コンデンサの誘電体層を構成
する誘電体磁器組成物の添加成分の組成範囲を示す三角
図である。
【符号の説明】
12 誘電体磁器層 14 内部電極 15 積層焼結体チップ 16 外部電極 18 亜鉛電極層 20 銅層 22 Pb−Sn半田層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本多 むつみ 東京都台東区上野6丁目16番20号 太陽 誘電株式会社内 (72)発明者 岸 弘志 東京都台東区上野6丁目16番20号 太陽 誘電株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−177010(JP,A) 特開 平3−278424(JP,A) 特開 平3−23261(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体磁器組成物からなる1または2以
    上の誘電体磁器層と、この誘電体磁器層を挟持している
    少なくとも2以上の内部電極とを備えた磁器コンデンサ
    において、 前記誘電体磁器組成物が、100.0重量部の基本成分
    と、0.2〜5.0重量部の添加成分との混合物を非酸
    化性雰囲気中で焼成し、酸化性雰囲気中でこの焼成温度
    より低い温度で熱処理したものからなり、 前記基本成分が、 (1−α−β)(Bak−(x+y))OTiO+αBaZr O+β(R1−ZR′)O3/2 (但し、MはMg及び/またはZn、LはCa及び/ま
    たはSr、RはLa,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm及
    びEuから選択された1種または2種以上の元素、R′
    は、Sc,Y,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,
    Yb及びLuから選択された1種または2種以上の元
    素、 を満足する数値)で表される物質からなり、 前記添加成分がBとSiOとMO(但し、MO
    はBaO,SrO,CaO,MgO及びZnOから選択
    された1種または2種以上の酸化物)とからなり、 前記Bと前記SiOと前記MOとの組成範囲
    が、これらの組成をモル%で示す三角図において、 前記Bが1モル%、前記SiOが80モル%、
    前記MOが19モル%の組成を示す第1の点Aと、 前記Bが1モル%、前記SiOが39モル%、
    前記MOが60モル%の組成を示す第2の点Bと、 前記Bが29モル%、前記SiOが1モル%、
    前記MOが70モル%の組成を示す第3の点Cと、 前記Bが90モル%、前記SiOが1モル%、
    前記MOが9モル%の組成を示す第4の点Dと、 前記Bが90モル%、前記SiOが9モル%、
    前記MOが1モル%の組成を示す第5の点Eと、 前記Bが19モル%、前記SiOが80モル
    %、前記MOが1モル%の組成を示す第6の点Fとをこ
    の順に結ぶ6本の直線で囲まれた領域内にあり、 前記内部電極が卑金属を主成分とする材料からな ること
    を特徴とする磁器コンデンサ。
  2. 【請求項2】 未焼結の磁器粉末からなる混合物を調製
    する工程と、前記混合物からなる未焼結磁器シートを形
    成する工程と、前記未焼結磁器シートを少なくとも2以
    上の導電性ペースト膜で挟持させた積層物を形成する工
    程と、前記積層物を非酸化性雰囲気中においておいて焼
    成する工程と、前記焼成を受けた積層物を酸化性雰囲気
    中において前記焼成温度より低い温度で熱処理する工程
    とを備え、 前記未焼結の磁器粉末からなる混合物が、100.0重
    量部の基本成分と、0.2〜5重量部の添加成分とから
    なり、 前記基本成分が、 (1−α−β)(Bak−(x+y))OTiO+αBaZr O+β(R1−ZR′)O3/2 (但し、MはMg及び/またはZn、LはCa及び/ま
    たはSr、RはLa,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm及
    びEuから選択された1種または2種以上の元素、R′
    は、Sc,Y,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,
    Yb及びLuから選択された1種または2種以上の元
    素、 を満足する数値)で表される物質からなり、 前記添加成分がBとSiOとMO(但し、MO
    はBaO,SrO,CaO,MgO及びZnOから選択
    された1種または2種以上の酸化物)とからなり、 前記Bと前記SiOと前記MOとの組成範囲
    が、これらの組成をモル%で示す三角図において、 前記Bが1モル%、前記SiOが80モル%、
    前記MOが19モル%の組成を示す第1の点Aと、 前記Bが1モル%、前記SiOが39モル%、
    前記MOが60モル%の組成を示す第2の点Bと、 前記Bが29モル%、前記SiOが1モル%、
    前記MOが70モル%の組成を示す第3の点Cと、 前記Bが90モル%、前記SiOが1モル%、
    前記MOが9モル%の組成を示す第4の点Dと、 前記Bが90モル%、前記SiOが9モル%、
    前記MOが1モル%の組成を示す第5の点Eと、 前記Bが19モル%、前記SiOが80モル
    %、前記MOが1モル%の組成を示す第6の点Fとをこ
    の順に結ぶ6本の直線で囲まれた領域内にあり、 前記導電性ペースト膜が卑金属を主成分とする材料から
    ることを特徴とする磁器コンデンサの製造方法。
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