JPH05216359A - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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JPH05216359A
JPH05216359A JP4797892A JP4797892A JPH05216359A JP H05216359 A JPH05216359 A JP H05216359A JP 4797892 A JP4797892 A JP 4797892A JP 4797892 A JP4797892 A JP 4797892A JP H05216359 A JPH05216359 A JP H05216359A
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JP
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film material
film
heat
image
toner
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JP4797892A
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Takeshi Menjo
健 校條
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フィルム加熱方式の定着装置について、フィ
ルム材の離型性をより向上させて加熱定着部から分離部
までの必要十分な冷却工程距離をより短くすることがで
きるようにして装置の小型化を可能にすること、カラー
画像定着もトナーオフセットの問題なく可能にするこ
と。 【構成】 熱定着性の顕画剤画像を担持させた記録材を
その画像担持面側をフィルム材の一方面側に密着させて
フィルム材と一緒にフィルム材の他方面側に配置した加
熱体の位置を移動通過させて記録材の顕画剤画像を加熱
体の熱によりフィルム材を介して加熱溶融させ、その後
フィルム材と記録材を分離させることで画像定着処理す
る定着装置であり、前記フィルム材1は、耐熱性多孔質
フィルム材1aに耐熱性弾性体1bを含浸硬化させたも
の、あるいは更には該フィルム材1の記録材との接触面
側に耐熱性弾性体層1cを設けたものであること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱定着性の顕画剤画像
を担持させた記録材をその画像担持面側をフィルム材
(定着フィルム)の一方面側に密着させてフィルム材と
一緒にフィルム材の他方面側に配置した加熱体の位置を
移動通過させて記録材の顕画剤画像を加熱体の熱により
フィルム材を介して加熱溶融させ、その後フィルム材と
記録材を分離させることで画像定着処理するフィルム加
熱方式の定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のようなフィルム加熱方式の定着装
置は特開昭63−313182号公報・特開平2−15
7878号公報等で知られている。即ち、電子写真複写
機・プリンタ・ファックス等の画像形成装置において、
例えば、電子写真・静電記録・磁気記録等の適宜の画像
形成プロセス手段により加熱溶融性の樹脂等より成る熱
定着性顕画剤(トナー)を用いてエレクトロファックス
シート・静電記録シート・転写材シート・印刷紙などの
記録材の面に直接方式もしくは間接(転写)方式で形成
した、目的の画像情報に対応した未定着顕画剤画像(ト
ナー画像)を該画像を担持している記録材に固着画像と
して加熱定着処理する装置である。
【0003】また、例えば、画像を担持した記録材を加
熱してつや等の表面性を改質する装置や仮定着処理する
装置等として使用できる。
【0004】フィルム加熱方式の定着装置は、熱ローラ
式・熱板方式・フラッシュ定着方式・オーブン定着方式
等の他の加熱定着装置との対比において、加熱体として
低熱容量線状加熱体を、またフィルム材として厚さ例え
ば40μm程度の薄膜耐熱フィルム材を用いることがで
きるため、所定の定着温度への立上り時間が短く、加熱
体をあらかじめ通電発熱させておくスタンバイ温調の必
要がないので、クイックスタート性があり、省電力化、
機内昇温の防止化ができる、などの利点を有し、効果的
なものである。
【0005】フィルム加熱方式の定着装置において、被
加熱材としての記録材に形成担持され、加熱溶融・軟化
されるトナー画像のトナーがフィルム材面に転移するオ
フセット現象の発生を防止するために、フィルム材はそ
の少なくとも記録材との接触面はトナーとの離型性に優
れたものである必要がある。
【0006】そのようなフィルム材として従来は図7の
層構成を示す断面模型図のように、耐熱性ベースフィル
ム材層100aの表面(記録材と接触する側の面)に離
型材層100bを形成した、総厚100μmより好まし
くは40μm以下の複合層フィルム材100を用いてい
る。
【0007】具体的に耐熱性ベースフィルム材層100
aとしては、例えば、ポリイミド(PI)・ポリエーテ
ルエーテルケトン(PEEK)・ポリエーテルサルホン
(PES)・ポリエーテルイミド(PEI)・ポリパラ
バン酸(PPA)などの高耐熱性樹脂フィルムや、Ni
・SUS・Al等の金属などである。
【0008】離型材層100bは例えばPTFE(ポリ
テトラフルオロエチレン)・PFA・FEP等のフッ素
樹脂などで構成される。
【0009】耐熱性ベースフィルム材層100aに対す
る離型材層100bの積層形成は、離型材層フィルムの
接着ラミネート、離型材層材料の静電塗装(コーティン
グ)・蒸着・CVD等の成膜技術による積層、耐熱性ベ
ースフィルム材層材料と離型材層材料との共押し出しに
よる2層フィルム化などで行うことができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の離型
性フィルム材100は一般的な白黒複写機の顕画剤であ
る黒トナーとの離型性に関しては、定着装置の加熱定着
部から、フィルム材と記録材との分離部までの冷却工程
距離を必要十分にとることでフィルム材面側へのトナー
オフセットを防止してトナー画像の加熱定着処理を実行
できる。
【0011】しかし、白黒複写機の場合でも、装置の小
型化に伴い定着装置も小型化されて加熱定着部から分離
部までの冷却工程距離を必要十分にとれなくなると、冷
却が完全には行なえず、トナーオフセットが発生してし
まう。このためフィルム材としては更に高離型性のもの
が必要となって来ている。
【0012】また近年、原稿のカラー化に伴い複写機の
カラー化が行われ、複数色のトナー画像を記録材上に形
成し加熱定着することが行われている。このようなカラ
ー画像形成に於いては、記録材上に複数色、複数層のト
ナー画像を形成し、定着時に加熱溶融及び混色を行なわ
なければならないため、トナーとしては軟化点の低いシ
ャープメルト性ものが一般的に使われている。
【0013】このようなシャープメルト性トナーは同一
温度においても白黒複写機の黒トナーよりも低い粘度を
示し、良く溶融混色してカラー画像として必要な発色性
や光沢性が得られるものの、離型性に乏しく、PTFE
やPFAのような離型材層100bを形成具備させた前
記従来の離型性フィルム材100ではトナーオフセット
現象が発生してしまう。
【0014】つまり、加熱溶融によりトナーがよく軟化
溶融されてしまうため、記録材加熱定着部から分離部に
いたるまでに、オフセットを生じることなく分離可能な
温度まで冷却固化できず、分離部位置に至ってもトナー
は依然軟化状態にあるためトナーオフセットが発生して
しまうのである。
【0015】このため、トナー加熱後の冷却工程が必要
十分に行なわれない場合は白黒複写機の黒トナーのとき
以上にトナーオフセットが発生してしまい、また逆に冷
却工程距離を非常に長くとったり、別にファン等の冷却
手段を具備させるようにすると装置の大型化、コストア
ップといった不具合を発生してしまう。
【0016】本発明はフィルム加熱方式の定着装置につ
いて、フィルム材の離型性をより向上させて、トナーオ
フセット防止のために設定する、加熱定着部から分離部
までの必要十分な冷却工程距離をより短くすることがで
きるようにして装置の小型化を可能にすること、カラー
画像定着もトナーオフセットの問題なく可能にすること
を目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】(1)熱定着性の顕画剤
画像を担持させた記録材をその画像担持面側をフィルム
材の一方面側に密着させてフィルム材と一緒にフィルム
材の他方面側に配置した加熱体の位置を移動通過させて
記録材の顕画剤画像を加熱体の熱によりフィルム材を介
して加熱溶融させ、その後フィルム材と記録材を分離さ
せることで画像定着処理するフィルム加熱方式の定着装
置であり、前記フィルム材は、耐熱性多孔質フィルム材
に耐熱性弾性体を含浸硬化させたものであることを特徴
とする定着装置。
【0018】(2)熱定着性の顕画剤画像を担持させた
記録材をその画像担持面側をフィルム材の一方面側に密
着させてフィルム材と一緒にフィルム材の他方面側に配
置した加熱体の位置を移動通過させて記録材の顕画剤画
像を加熱体の熱によりフィルム材を介して加熱溶融さ
せ、その後フィルム材と記録材を分離させることで画像
定着処理するフィルム加熱方式の定着装置であり、前記
フィルム材は、少なくとも、耐熱性多孔質フィルム材に
耐熱性弾性体を含浸硬化させた層と、該層の記録材との
接触面側に設けた耐熱性弾性体層からなることを特徴と
する定着装置。
【0019】
【作用】上記のようにフィルム加熱方式の定着装置にお
いて、フィルム材を耐熱性多孔質フィルム材に耐熱性弾
性体を含浸硬化させた形態のものとする、もしくは該フ
ィルム材の記録材との接触面側に更に耐熱性弾性体層を
形成した形態のものとすることで、従来の耐熱性ベース
フィルムにPTFEやPFA等の離型材層を被膜した形
態のフィルム材よりも高離型性のフィルム材とすること
ができ、後述の実施例に示すように白黒画像用の定着装
置において耐久の進行によりトナーオフセットする迄の
寿命が向上し、また加熱定着部から分離部までの冷却工
程距離を従来より短かくしてもトナーオフセットなく良
好に定着処理を実行することができ、装置の小型化が可
能となった。
【0020】また、従来のフィルム材では離型性が悪く
て良好な定着処理が難しかったカラートナー画像の定着
処理も加熱定着部から分離部までの冷却工程距離を長大
にしたり、冷却手段装置を配設する処置をすることな
く、良好に実行させることが可能となった。
【0021】
【実施例】
(1)定着装置例(図1) 図1にエンドレスベルトタイプのフィルム材を用いたフ
ィルム加熱方式の画像加熱定着装置の概略構成を示し
た。
【0022】1はエンドレスベルトタイプの薄膜耐熱性
のフィルム材(以下、エンドレスフィルムやフィルムと
も記す)である。このフィルム材1の構成は次の(2)
項で詳述する。2はフィルム駆動ローラ、3はフィルム
テンションローラを兼ねる従動ローラ、4は加熱体(サ
ーマルヒーター)である。駆動ローラ2・従動ローラ3
・加熱体4は互いに略平行に配置され、エンドレスフィ
ルム1はこの3部材2・3・4間に懸回張設されてい
る。
【0023】駆動ローラ2・従動ローラ3はそれぞれそ
の両端軸部を不図示の軸受部材間に回転自由に軸受支持
させてある。加熱体4は不図示の不動部材に固定支持さ
せた定置部材である。駆動ローラ2は不図示の駆動系に
より図面上時計方向に回転駆動され、エンドレスフィル
ム1はこの駆動ローラ2の回転駆動に伴い駆動ローラ2
の外周面とフィルム内面との摩擦力により搬送力が与え
られて、フィルム内面が加熱体4の下面を摺動しながら
駆動ローラ2・従動ローラ3・加熱体4の3者間を図面
上矢示aの時計方向に、被加熱材としての記録材Pの搬
送速度(本例では50mm/sec)と略同じ周速度を
もって回転駆動される。
【0024】5はシリコンゴム等の離型性の良いゴム弾
性層を有する加圧ローラであり、本例は外径30mm
で、7mm厚のシリコンゴム層を有している。そして加
熱体4の下面との間にフィルム1を挾ませて不図示の付
勢手段により例えば総圧4〜8kgの当接圧をもって加
熱体下面に圧接させてあり、エンドレスフィルム1の回
転移動と共にフィルム速度と略同一の周速度をもってフ
ィルム回転移動方向に順方向に回転する。
【0025】加熱体4はエンドレスフィルム1の軸方向
(エンドレスフィルムの回転移動方向aに直交する方
向、以下、フィルム幅方向と記す)を長手とする、通電
により発熱する低熱容量線状加熱体である。本例のもの
は、ヒーター基板4aと、該基板の下面の略中央部に長
手に沿って細帯状又は線状に形成具備させた通電発熱体
層4bと、この通電発熱体層4bを含む基板下面を約1
0μm厚で被覆させた表面保護層としての耐熱ガラス層
4cと、基板4aの上面に設けた検温素子4dと、該基
板を断熱支持するヒーター支持体4e等から成る。
【0026】ヒーター基板4aは耐熱性・絶縁性・低熱
容量の部材であり、一例として、厚さ1mm・巾5〜1
0mm・長さ310mmのアルミナ基板である。
【0027】発熱体層4bは例えばAg/Pd(銀パラ
ジウム)・Ta2 N等の電気抵抗材料の厚さ約10μm
・巾1〜3mmのスクリーン印刷等による塗工層であ
る。
【0028】検温素子4dは例えば、基板上面にスクリ
ーン印刷等により塗工したPt膜等の低熱容量の測温抵
抗体、基板上面の略中央部に熱伝導性の良いシリコン系
接着剤等により接着した低熱容量のNTCサーミスタ等
である。
【0029】ヒーター支持体4eはヒーター4a〜4d
を定着装置及び複写装置全体に対して断熱支持するもの
で、断熱性・高耐熱性・剛性を有する、例えばポリフェ
ニレンサルファイド・ポリアミドイミド・ポリイミド・
ポリエーテルエーテルケトン・液晶ポリマー等の高耐熱
性樹脂や、これ等の樹脂とセラミックス・金属・ガラス
等との複合材料などである。
【0030】発熱体層4bに通電がなされることにより
該発熱体層が発熱してヒーター基板4aが昇温する。こ
のヒーター基板4aの温度が検温素子4dにより検温さ
れて制御回路(不図示)へフィードバックされ、発熱体
層4bに対する通電制御がなされて加熱体の温度が所定
の例えば180°Cの定着温度に温調管理される。
【0031】通電は、例えば、DC100Vの周期20
msのパルス状波形で、検温素子4dによりコントロー
ルされた所望の温度、エネルギー放出量に応じたパルス
を、そのパルス幅を変化させて与える。概略パルス幅は
0.5〜5msecとなる。或はAC100Vで、検温
素子4dのヒーター基板検知温度に応じてトライアック
を含む不図示の通電制御回路により通電する位相角を制
御することにより通電電力を制御する。
【0032】Pは被加熱材としての、未定着のトナー画
像Taを上面に担持した記録材である。記録材Pは不図
示の画像形成機構部から、フィルム1を挟んで加熱体4
と加圧ローラ5とで形成される加熱定着部N(圧接部、
定着ニップ部)のフィルム1と加圧ローラ5との間に進
入して未定着トナー画像面が記録材Pの搬送速度と略同
一速度で同方向に回転移動状態のフィルム外面に密着し
て該フィルム1と一緒の重なり状態で加熱定着部Nを挟
圧力を受けつつ通過していく。これにより、トナー画像
Taは加熱定着部Nにおいて、加熱・加圧を受けて軟化
溶融トナー画像Tbとなる。
【0033】フィルム1は加熱定着部Nを通過するとヒ
ーター支持体4eの曲率半径約2mm程度の曲率の大き
い分離部S(エッジ部)において、急角度(屈曲角度θ
が約50°)で走行方向が転向される。これによりフィ
ルム1と重なった状態で加熱定着部Nを通過して搬送さ
れた記録材Pは該分離部Sにおいてフィルム1から曲率
分離し排出され定着Tcした状態となる。
【0034】加熱体4はヒーター基板4a・発熱体層4
b・表面保護層4c・検温素子4dの熱容量が小さく、
これが支持体4eにより断熱されているので、加熱定着
部Nにおけるヒーター基板4aの温度は短時間にトナー
の記録材Pへの定着可能温度に達するので(クイックス
タート性)、加熱体4をあらかじめ通電発熱させておく
スタンバイ温調の必要がなく省エネルギーが実現でき、
しかも機内昇温が防止できる。
【0035】フィルム材1はエンドレスベルト状に限ら
ず、ロール巻きの有端の長尺フィルムとし、それを繰り
出し軸から巻き取り軸へ加熱体を経由させて所定の速度
をもって走行させて使用する装置構成とすることもでき
る。
【0036】(2)フィルム材1(図2・図3) フィルム材1は、耐熱性多孔質フィルム材に耐熱性弾性
体を含浸硬化させてなるもの、或は更には該フィルム材
の記録材Pとの接触面側に耐熱性弾性体層を設けた形態
のものである。以下、具体例を示す。
【0037】.フィルム材例A 耐熱性多孔質フィルム材として20μm厚の四弗化エチ
レン樹脂の多孔質フィルム材を用い、この多孔質フィル
ム材に耐熱性弾性体として2液性RTV(室温硬化タイ
プ)のシリコーンゴムを含浸硬化させたもの。
【0038】四弗化エチレン樹脂の多孔質フィルム材は
本例では孔径10μm、多孔度85%となるように製造
されており、このフィルム材に上記のシリコーンゴムを
含浸することによりフィルム材の孔にシリコーンゴムが
浸入する。その後、ゴムを加硫することにより四弗化エ
チレン樹脂の多孔質フィルム材の孔中にゴムがうめ込ま
れる形となり、フィルム材の表層は四弗化エチレン樹脂
とシリコーンゴムが混在する状態となっている。
【0039】図2の(A)は本例のフィルム材の肉厚方
向の断面模型図を示しており、1aは多孔質フィルム
材、1bはこの多孔質フィルム材の孔に含浸させて硬化
させたゴム材である。
【0040】本例のフィルム材を前述図1の定着装置6
のフィルム材1として用い、この定着装置6を後述する
カラー画像形成装置(図4)に組み込んで使用したとこ
ろ、オフセットのない好ましいカラートナー画像定着処
理を行うことができた。
【0041】フィルム材として前述図7のように耐熱性
ベースフィルム材層100aの表面にPTFEやPFA
の離型剤層100bを被膜形成してなる従来の離型性フ
ィルム材100を用いた場合には、該フィルム材面側に
カラートナーがオフセットして実用し難いものであっ
た。
【0042】また定着装置を後述する白黒複写機(図
6)に使用したところ、フィルム材が上記従来の離型性
フィルム材100である場合にはトナーがオフセットす
る迄の寿命が5万枚であったのに対して、本例のフィル
ム材の場合には離型性の向上により20万枚迄の定着を
行うことが可能となった。
【0043】.フィルム材例B 上記フィルム材例Aにおいて、多孔質フィルム材1aに
含浸硬化させる耐熱性弾性体としてLTV(低温加硫タ
イプ)のシリコーンゴムを使用した。
【0044】また図3のように、このフィルム材を使用
した定着装置に該フィルム材1の外面に当接させて離型
剤としてのシリコーンオイル(ジメチルシリコーンオイ
ル1万CS)を含浸させたフェルトパット7(商品名ノ
ーメックス)を配設した。
【0045】本例の場合は、フィルム材1の四弗化エチ
レン樹脂と混在しているLTVシリコーンゴムの離型性
と、上記フェルトパット7により付与される離型剤とし
てのシリコーンオイルにより、高い離型性が得られる。
【0046】フェルトパット7はローラーやウェブ等の
形態にしてフィルム材外面に対して離型剤を塗布するよ
うにしてもよい。
【0047】本例の定着装置を後述するカラー画像形成
装置に使用してカラートナー画像の定着処理を行わせた
ところ、トナーオフセットのない好ましい良好な定着を
行うことができた。
【0048】また、オーバーヘッドプロジェクタ用トラ
ンスペアレンシーフィルム(以下、OHPシートと記
す)にカラー画像を形成し定着を行わせた。
【0049】OHPシートの画像定着処理に於てはトナ
ーの透過性を必要とするために定着速度を紙の場合の半
分にして、即ち本例の場合は25mm/secにして定
着を行った。
【0050】上記の場合、加熱定着部N(図1)での加
熱量が倍になるために、トナーの軟化度が増し、分離部
Sに於ても同様トナーが軟化している状態となってしま
うが、本例の定着装置の場合はフィルム材1が高離型性
フィルムである為、オフセットの発生しない、高い透過
性を有するカラートナー画像定着OHPシートを出力さ
せることができた。
【0051】更に、薄紙等の転写材の種類によってトナ
ーの加熱・冷却の状態が変わり、トナーが溶融したまま
の状態でトナーが完全に冷却されなかった場合に発生し
てしまっていたフィルム材へのトナーオフセット現象も
発生せず、良好な定着処理を行うことができるようにな
った。
【0052】.フィルム材例C 前述フィルム材例Aにおいて、該フィルム材の外面(記
録材と接触する側の面)に図2の(B)のように更に離
型材層1cとして1液型RTV(室温加硫タイプ)のシ
リコーンゴム層を10μm厚で被膜した。
【0053】被膜方法としてはベースフィルム材1a・
1bの表層をブラスト処理等により荒らし、RTVシリ
コーンゴム用プライマーをスプレー塗工により塗膜し、
離型材層材料としての1液型RTVシリコーンゴムをス
プレー塗布して被膜形成したものである。
【0054】このフィルム材も高離型性を示し、カラー
トナー画像の定着に使用してオフセットのない好ましい
定着処理を行うことができた。
【0055】また白黒複写機における黒トナー画像の定
着に使用した場合も前述のフィルム材例Aと同様に20
万枚迄の定着を行うことが可能となった。
【0056】.フィルム材例D 前記フィルム材例Cにおいて、離型材層1cとしてLT
V(低温加硫タイプ)のシリコーンゴムを使用した。
【0057】またこのフィルム材を使用した定着装置に
前記フィルム材例Bの場合と同様にシリコーンゴムオイ
ル含浸フェルトパット7(図3)を当接させて離型剤と
してのシリコーンオイルを該フィルム材の外面に塗布す
るようにした。
【0058】本例の場合もフィルム材例Bの場合と同様
に好ましい良好な定着処理効果が得られた。
【0059】またOHPシートに対するカラートナー画
像定着処理も同様に好ましい効果が得られた。
【0060】フィルム材例Cや同Dに関して、従来耐熱
性フィルムにゴムを被膜して2層構造として使用するも
のがあるが、かかる構成ではフィルムとゴムの接着強度
をとることが難しく回転使用においてフィルムとゴムが
剥れてしまったり、また両材質の伸びの違いによって回
転中に接着部にストレスがたまり、同じく剥離してしま
うといっ欠点を有していたが、フィルム材例Cや同Dも
のはベースフィルム材層1a・1bと離型材層1cの接
着が強固になり、使用により両者が剥れる等の不具合は
まったく発生しなかった。
【0061】これはベースフィルム材層1a・1bが有
する孔にゴムが含浸硬化されていることにより、べース
フィルム材層の表面は樹脂とゴムが混在した状態とな
る。従ってベースフィルム材層の表層に離型材層として
のゴム層1cを被膜した時かかるゴム同士が強固に接着
して上下層1a・1b,1cを安定に接着するためであ
る。
【0062】フィルム材例A〜同Dにおいて、図3のよ
うにフィルム材の外面に対す離型剤オイル塗布手段7を
当接させた場合には該手段7がフィルム材外面のクリー
ニング手段を兼ねるが、別途専用のクリーニング手段を
配設してもよい。
【0063】また一般にカラー画像の定着に際しては、
色再現性や外観上、光沢度の高い定着画像が要求される
ことが多い。そのような高い画像光沢性を得るのに本発
明の定着装置は特に有効である。即ち、フィルム材1の
外面を表面粗れが少ないようにすることで光沢性の高い
定着画像を得ることができる。
【0064】また逆にフィルム材1の該表面を粗らすこ
とによって光沢の少ない定着画像も得ることができる。
【0065】フィルム材1のこうした表面状態の差はフ
ィルム材1の作成後ブラスト処理等により表面を荒らし
てもよく、また表面を平滑にするは内面鏡面の成形型に
よりフィルム材を作成して外面平滑性の高いフィルム材
に仕上げる等、その他適宜の手段を採択し得る。
【0066】多孔質フィルム材1aは一般に、多孔度5
0〜95%程度、孔径20μm程度位迄のものを自由に
選択使用できる。かかる値は含浸させるゴムにより設定
されることが好ましい。
【0067】エンドレスベルト状の多孔質フィルム材1
aを製造する方法としては従来公知の例えば特公昭42
−13560号公報に開示のような方法等をとることが
できる。チューブ押し出し成型方法や、フィルム状に形
成した後、所望の径となるようにフィルムを巻き、熱に
より接辺を融着接着してエンドレスベルト状とする方法
も採ることができる。特にフィルムを巻き接辺を融着接
着してベルト状とする方法は製造装置のコストを安くす
ることができて好ましい。
【0068】多孔質フィルム材1aに含浸硬化させる耐
熱性弾性体1b、表面離型層としての耐熱性弾性体層1
cは例示のRTVやLTVのシルコーンゴムに限らず、
離型性の高いあらゆるグレードのゴムを使用することが
できる。好ましくは例示のRTVやLTVシリコーンゴ
ムが高離型性の点で実用的である。またこれにシリコー
ンオイルなどの離型剤を内添して更に離型性を上げて使
用してもよい。
【0069】多孔質フィルム材1aに含浸させるゴム1
bは必要に応じて溶剤等により希釈して低粘度化して含
浸させてもよい。
【0070】なお、従来、米国特許第35,578,797号明細
書に開示されているように、 a.トナー像を加熱体ウエブに接触させてその融点へ加
熱して溶融し、 b.溶融後、そのトナーを冷却して比較的高い粘性と
し、 c.トナーの付着する傾向を弱めた状態で加熱体ウェブ
から剥す、 という過程を経ることによって、オフセットを生ぜずに
定着する方式が知られている。
【0071】上記公知の方式では、これに加えて加熱体
に対して、トナー像及び記録材を加圧圧接することなし
に加熱する方式をとっているので、記録材を加熱する必
要がなく他の方法に較べてはるかに少ないエネルギーで
トナーを溶融できるとしている。しかしながら、周知の
ごとく加圧圧接させることなく加熱体に接触した場合
は、熱伝達効率が低下し、トナーの加熱溶融に比較的長
時間を要する。これにより本発明と大きく異なる。
【0072】そこで特公昭51−29825公報(特願
昭47−25896号)に、これに公知の加圧圧接技術
を付加して熱伝達率の向上を図りトナーの加熱溶融を短
時間でしかも十分に行うことが提案されている。
【0073】しかしながら、この公報に開示の装置で
は、トナーの加熱を比較的短時間でしかも十分行えるよ
うにするために、 1)一対の加熱体の間にトナー像及び記録材を加圧挟持
させて加熱し、 2)加熱を停止した後強制的に冷却する、 方式をとっているので、定着に要するエネルギーが大き
くなるという不都合を生ずる。
【0074】すなわち、一対の加熱体により加熱させる
ことにより、トナー像は上下から加熱されるので一見効
率的に考えられるが、逆にトナー像を記録材側から加熱
するには、先ず記録材を十分に加熱することが必要であ
り、そのためにかえって大きなエネルギーが必要とな
る。さらに、冷却工程においてはトナー像を加熱する際
に加熱昇温した記録材をも冷却しなければ分離できず、
強制的な冷却手段が必要となっておりエネルギーの無駄
が大きい。
【0075】以上のように、一旦加熱したトナーを冷却
した後に分離することにより、高温オフセットを生ずる
ことなく定着する方式が提案されているが、上記のごと
くの欠点を伴うために実用化されていない。
【0076】これに対して本発明は大きな差異がある。
すなわち、トナー画像を軟化溶融混色させる為に、加熱
工程においては加圧手段を有し、加熱手段を持たない加
圧手段を用いている。
【0077】このことから、本実施例においては、加熱
手段を持たない加圧手段として、芯金上にシリコーンゴ
ム等の耐熱弾性体層を設けた加圧ローラを加熱ローラに
対向圧接させ回転自在に支持している。
【0078】更に親和力が大きく離型性の良くないオフ
セットし易いカラートナーを定着離型させる為にフィル
ム材にシリコーンゴムを混在させたものを使用し、更に
加圧手段として加熱手段を持たない構成を採用している
事による作用効果は大きく、この点においても前2例の
従来装置と本発明は大きく異なる。
【0079】又、従来、特開昭60−17977号公報
や同63−284584号公報に開示されている様に、
四弗化エチレン樹脂多孔質体に耐熱性のゴムを含浸した
定着ローラの提案がなされている。また特開平1−13
4487号公報のように更にその外側に弾性体の薄膜を
設けた定着ローラの提案がなされている。
【0080】しかし定着ローラとしてこれ等の構成を使
用する事は四弗化エチレン樹脂多孔質体が圧縮永久歪み
に弱く、回転停止時の加圧ローラとの圧接により変形
し、定着時画像に不具合が発生したり、オフセットが発
生し易い等の欠点があったが、本発明の様な使用形態で
は変形等も起こらず、良好に使用できる点で従来とその
効果が大きく違う。
【0081】又かかる離型性の高い材質を使用し、定着
時より冷却された点で分離剥離させる本発明は従来のロ
ーラ定着方式より一層の定着性、離型性が得られ、効果
が大きく違う。
【0082】(3)画像形成装置例1(図4・図5) 図4に本発明に従う定着装置6を使用したカラー画像形
成装置の一例の概略構成を示した。本例は画像光電読み
取り装置を備えた、レーザービーム走査露光方式の電子
写真式カラー複写機である。
【0083】10はカラー複写機本体、11はこの複写
機本体の上に搭載した画像光電読み取り装置である。
【0084】読み取り装置11において、原稿台ガラス
12上に載置セットしたカラー画像原稿0の下向き画像
面が往復移動型の光電読み取りユニット13の移動で走
査読み取りされることで、カラー画像原稿のイエロー成
分像・マゼンタ成分像・シアン成分像・ブラック成分像
がユニット13の繰り返し移動又は1回だけの移動でそ
れぞれ時系列電気デジタル画素信号として色分解光電読
み取りされてメモリ回路に記憶される。
【0085】カラー複写機本体10において、14は矢
示の反時計方向に所定のプロセススピード(回転周速)
で回転駆動されるドラム型の電子写真感光体(以下、ド
ラムと記す)であり、該ドラム14はその回転過程で帯
電器15により一様に帯電処理を受け、次いでレーザー
ビームスキャナ16により前記読み取り装置11で読み
取られたカラー画像情報の先ず例えばイエロー成分像の
時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されて出力
されるレーザービームLによる走査露光を受けることで
該イエロー成分像に対応した静電潜像が形成される。
【0086】その静電潜像は回転切り換え式カラー現像
装置17のイエロートナー現像器17Yにより現像され
る。
【0087】一方、第1又は第2の給紙カセット18又
は19から転写材Pが所定のタイミングで回転転写ドラ
ム20に給送されてグリッパ20aで保持されて転写ド
ラム20の外面に巻きついた状態で保持される。
【0088】そしてその巻き付き転写材の外面に対して
転写帯電器21により前記ドラム14面のイエロートナ
ー画像の転写がなされる。
【0089】以下同様にドラム14に対して、マゼンタ
成分像に対応したレーザー走査露光→マゼンタ現像器1
7Mによる現像→そのマゼンタトナー画像の前記転写材
に対する重畳転写、シアン成分像に対応したレーザー走
査露光→シアントナー現像器17Cによる現像→そのシ
アントナー画像の前記転写材に対する重畳転写、ブラッ
ク成分像に対応したレーザー走査露光→ブラックトナー
現像器17BKによる現像→そのブラックトナー画像の
前記転写材に対する重畳転写が順次に実行されて、都合
4つの色トナー成分像が回転転写ドラム20に保持され
ている同一の転写材面に順次に重畳転写される事で原稿
画像と同じフルカラー画像が合成形成される。
【0090】フルカラー画像の形成された転写材はグリ
ッパ20aの解除と分離帯電器22により回転転写ドラ
ム20から分離され搬送装置23で本発明に係る定着装
置6へ導入されて前述したようにカラー画像が良好に加
熱混色定着処理され、カラーコピーとして機外のトレイ
24へ排出される。
【0091】カラートナーは、熱を印加した際の溶融
性、混色性が良いことが必要であり、軟化点が低く、か
つ溶融粘度の低いシャープメルト性のトナーを使用する
ことが好ましい。すなわちこうしたシャープメルトトナ
ーを使用することにより複写物の色再現範囲を広め、原
稿像に忠実なカラーコピーを得ることができる。
【0092】このようなシャープメルトトナーは、例え
ばポリエステル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、着色剤
(染料、昇華性染料)、荷電制御剤等のトナー形成用材
料を熔融混練、粉砕、分級することにより製造される。
必要とあらば、トナーに各種外添剤を添加する外添工程
を付加してもよい。
【0093】このようなカラートナーとしては定着性、
シャープメルト性を考慮すると結着樹脂としてポリエス
テル樹脂を使用したものが特に好ましい。シャープメル
ト性ポリエステル樹脂としてはジオール化合物とジカル
ボン酸とから合成される分子の主鎖にエステル結合を有
する高分子化合物が例示される。
【0094】特に、次の化学式で代表されるビスフェノ
ール誘導体もしくはその置換体をジオール成分とし、2
価以上のカルボン酸又はその酸無水物又はその低級アル
キルエステルとからなるカルボン酸成分(例えばフマル
酸,マレイン酸,無水マレイン酸,フタル酸,テレフタ
ル酸,トリメリット酸,ピロメリット酸等)と少なくと
も共縮重合したポリエステル樹脂がシャープな溶融特性
を有するのでより好ましい。
【0095】
【化1】 (式中Rはエチレンまたはプロピレン基であり、x,y
はそれぞれ1以上の正の整数であり、かつx+yの平均
値は2〜10である)シャープメルト性ポリエステル樹
脂の軟化点は75〜150℃好ましくは80〜120℃
が良い。
【0096】このシャープメルトトナーの軟化特性の例
を図5に示す。測定条件は以下の通りである。
【0097】フローテスターCFT-500A型(島津製作所
製)を使用し、ダイ(ノズル)の直径0.2mm、厚み
1.0mmとして20kgの押出荷重を加え初期設定温
度70℃で、予熱時間300秒の後、6℃/分の速度で
等速昇温したとき描かれるトナーのプランジャーの降下
量−温度曲線(以下軟化S字曲線という)を求めた。
【0098】試料となるトナーは1〜3g精製した粉末
を用い、プランジャー断面積は1.0cm2 とする。軟
化S字曲線は図5のようなカーブとなる。等速昇温する
に従い、トナーは徐々に加熱され流出が開始される(プ
ランジャー降下A→B).さらに昇温すると溶融状態と
なったトナーは大きく流出し(B→C→D)プランジャ
ー降下が停止し終了する(D→E)。
【0099】S字曲線の高さHは全流出量を示し、H/
2のC点に対応する温度T0 はそのトナーの軟化点を示
す。
【0100】トナー及び結着樹脂がシャープメルト性を
有するか否かは、トナーまたは結着樹脂の見掛けの溶融
粘度を測定することにより判定できる。
【0101】このようなシャープメルト性を有するトナ
ーまたは結着樹脂とは、見掛けの溶融粘度が103 ボイ
ズを示すときの温度をT1 ,5×102 ボイズを示すと
きの温度をT2 としたとき、 T1 =90〜150℃ |△T|=|T1 −T2 |=5〜20℃ の条件を満たすものを言う。
【0102】これらの温度−溶融粘度特性を有するシャ
ープメルト性樹脂は加熱されることにより極めてシャー
プに粘度低下を起こすことが特徴である。このような粘
度低下が最上部トナー層と最下部トナー層との適度な混
合を生じせしめ、さらにトナー層自体の透明性を急激に
増加させ、良好な減色混合を起こすものである。
【0103】このようなシャープメルト性のカラートナ
ーは親和力が大きく、定着ローラにオフセットし易いと
いう性質を有している。
【0104】したがって、以上のようなカラートナーを
用いる画像形成装置の定着装置においては、長期間に亘
って高い離型性を示す定着装置が必要となる。本発明の
定着装置はこの要望に十分応え得る装置である。
【0105】(4)画像形成装置例2(図6) 図6は白黒画像複写機の一例の(電子写真複写機)の概
略構成図である。
【0106】30は装置機筐、31は該機筐の上面板3
2上に配設したガラス板等の透明板部材よりなる往復動
型の原稿載置台であり、機筐上面板32上を図面上右方
a、左方a′に夫々所定の速度で往復移動駆動される。
【0107】0は原稿であり、複写すべき画像面側を下
向きにして原稿載置台31の上面に所定の載置基準に従
って載置し、その上に原稿圧着板33をかぶせて押え込
むことによりセットされる。
【0108】34は機筐上面板32面に原稿載置台31
の往復移動方向とは直角の方向(紙面に垂直の方向)を
長手として開口された原稿照明部としてのスリット開口
部である。原稿載置台31上に載置セットした原稿0の
下向き画像面は原稿載置台31の右方aへの往動移動過
程で右辺側から左面側にかけて順次にスリット開口部3
4の位置を通過していき、その通過過程でランプ35の
光をスリット開口部34、透明な原稿載置台31を通し
て受けて照明走査される。その照明走査光の原稿面反射
光が短焦点小径結像素子アレイ36によって感光ドラム
37面に結像露光される。
【0109】感光ドラム37は例えば酸化亜鉛感光層・
有機半導体感光層等の感光層が被覆処理され、中心支軸
37aを中心に所定の周速度で矢示bの時計方向に回転
駆動され、その回転過程で帯電器38により正極性又は
負極性の一様な帯電処理を受け、その一様帯電器面に前
記の原稿画像の結像露光(スリット露光)を受けること
により感光ドラム37面には結像露光した原稿画像に対
応した静電潜像が順次に形成されていく。
【0110】この静電潜像は黒トナー現像器39により
加熱で軟化溶融する樹脂等より成る黒色トナーにて順次
に顕像化され、該顕像たるトナー画像が転写部としての
転写放電器40の配設部位へ移行していく。
【0111】41は記録材としての転写材シートPを積
載収納したカセットであり、該カセット内のシートが給
送ローラ41aの回転により1枚宛繰り出し給送され、
次いでレジストローラ42により、ドラム37上のトナ
ー画像形成部の先端が転写放電器40の部位に到達した
とき転写材シートPの先端も転写放電器40と感光ドラ
ム31との間位置に丁度到達して両者一致するようにタ
イミングどりされて同期給送される。そしてその給送シ
ートの面に対して転写放電器40により感光ドラム37
側のトナー画像が順次に転写されていく。
【0112】転写部でトナー画像転写を受けたシートは
不図示の分離手段で感光ドラム37面から順次に分離さ
れて搬送ガイド43によって本発明に従う定着装置6に
導かれて担持している未定着トナー画像の加熱定着処理
を受け、画像形成物(コピー)として機外の排紙トレイ
44上に排出される。トナー画像転写後の感光ドラム3
7の面はクリーニング装置45により転写残りトナー等
の付着汚染物の除去を受けて繰り返して画像形成に使用
される。
【0113】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、フィルム
加熱方式の定着装置について、フィルム材の離型性を従
来フィルム材よりも高離型性とすることができ、これに
より白黒画像用の定着装置において耐久の進行によりト
ナーオフセットする迄の寿命が向上し、また加熱定着部
から分離部までの冷却工程距離を従来より短かくしても
トナーオフセットなく良好に定着処理を実行することが
でき、装置の小型化が可能となった。
【0114】また、従来のフィルム材では離型性が悪く
て良好な定着処理が難しかったカラートナー画像の定着
処理も加熱定着部から分離部までの冷却工程距離を長大
にしたり、冷却手段装置を配設する処置をすることな
く、良好に実行させることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 定着装置例の概略構成図
【図2】 (A)(B)はそれぞれフィルム材の構成を
示す厚み方向の断面模型図
【図3】 離型剤塗布手段部分の図
【図4】 カラー画像形成装置の一例の概略構成図
【図5】 フローテスター図
【図6】 白黒複写機の一例の概略構成図
【図7】 従来の離型性フィルム材の層構成を示す厚み
方向の断面模型図
【符号の説明】
1・100 フィルム材(定着フィルム) 1a 耐熱性多孔質フィルム材 1b 含浸硬化させた耐熱性弾性体 1c 耐熱性弾性体層 100a 耐熱性ベースフィルム 100b 離型材層 4 加熱体 P 記録材(転写材) Ta 未定着トナー画像

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱定着性の顕画剤画像を担持させた記録
    材をその画像担持面側をフィルム材の一方面側に密着さ
    せてフィルム材と一緒にフィルム材の他方面側に配置し
    た加熱体の位置を移動通過させて記録材の顕画剤画像を
    加熱体の熱によりフィルム材を介して加熱溶融させ、そ
    の後フィルム材と記録材を分離させることで画像定着処
    理するフィルム加熱方式の定着装置であり、前記フィル
    ム材は、耐熱性多孔質フィルム材に耐熱性弾性体を含浸
    硬化させたものであることを特徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】 熱定着性の顕画剤画像を担持させた記録
    材をその画像担持面側をフィルム材の一方面側に密着さ
    せてフィルム材と一緒にフィルム材の他方面側に配置し
    た加熱体の位置を移動通過させて記録材の顕画剤画像を
    加熱体の熱によりフィルム材を介して加熱溶融させ、そ
    の後フィルム材と記録材を分離させることで画像定着処
    理するフィルム加熱方式の定着装置であり、前記フィル
    ム材は、少なくとも、耐熱性多孔質フィルム材に耐熱性
    弾性体を含浸硬化させた層と、該層の記録材との接触面
    側に設けた耐熱性弾性体層からなることを特徴とする定
    着装置。
JP4797892A 1992-02-04 1992-02-04 定着装置 Pending JPH05216359A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010140003A (ja) * 2008-11-13 2010-06-24 Ricoh Co Ltd 定着部材及びその製造方法、並びに定着装置及び画像形成装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010140003A (ja) * 2008-11-13 2010-06-24 Ricoh Co Ltd 定着部材及びその製造方法、並びに定着装置及び画像形成装置

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