JPH05215609A - 色画像抽出装置 - Google Patents

色画像抽出装置

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JPH05215609A
JPH05215609A JP1877292A JP1877292A JPH05215609A JP H05215609 A JPH05215609 A JP H05215609A JP 1877292 A JP1877292 A JP 1877292A JP 1877292 A JP1877292 A JP 1877292A JP H05215609 A JPH05215609 A JP H05215609A
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昭夫 黒澤
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昇 山崎
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Abstract

(57)【要約】 【目的】カラー撮像装置で撮像した映像信号より指定し
た基準色の画像を抽出する色画像抽出装置において、指
定した色を色画像から安定して抽出する。また、指定し
た色を容易に登録する。 【構成】映像信号を、明度、彩度、色相、色調角、色調
長の5成分の内、色相および色調角の両者を含む少なく
とも3つの成分に変換し、デジタル化する。このデジタ
ル出力がアドレス端子に接続され、基準色について前記
の少なくとも3つの成分の範囲が、各成分ごとに、変換
手段の出力値に対応して予め登録された範囲記憶手段を
用い、前記の少なくとも3つの成分の出力値を予め設定
された範囲と比較することによって、基準色の画像を抽
出する。また、基準色登録時は、範囲記憶手段のデータ
線を固定入力値に接続し、固定入力手段からの入力値を
前記の範囲記憶手段に書き込む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラー撮像装置で撮像
した映像信号より指定した色の画像を抽出する装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】カラーテレビカメラで撮像した映像信号
から、指定した色の画像を抽出する色認識装置には、映
像信号を色差信号と明度信号に分離するものがある(特
開昭62−269024号公報)。すなわち、この装置
は、カメラで撮像した映像信号より色差信号(R−Y,B
−Y)および輝度信号(明度に相当)を分離し、これらす
べてが各設定範囲内に入った条件で、その指定した色相
の2値信号を出力する。また、特開昭62−26902
5号公報に開示された色認識装置では、指定した色の抽
出に必要な成分(色相、彩度、明度)の範囲を比較器に
設定し、カラーテレビカメラで撮像したNTSC信号よ
り色相、彩度、明度を分離し、これらすべてが各設定範
囲内に入った条件で、指定した色の色相であることを判
定する2値信号を比較器から出力する。
【0003】また、特開平2−74832号公報に開示
された色識別装置では、カラーセンサからのRGB信号
をマイクロコンピュータを用いて色相、彩度、明度、色
調角、色調長の成分に変換し、基準色をテーブルに記憶
された基準色の各成分と比較することによって色順を判
定する。ここに、色調角と色調長は、明度と彩度とから
なる色調面における色調ベクトルの角度と長さに相当
し、色調の判別に有用である。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】ファクトリ・オート
メーションのライン等においては、照明むら、上下変
動、角度変動等に起因する光量変動が発生する。光量が
変動する場合、前記の色認識装置は、光量変化に対し色
相は比較的安定であるが、彩度および明度は大きく影響
を受けるため、同色相(例えば、濃い赤と淡い赤等)につ
いては安定な抽出ができない。また、前記の色識別装置
では、1点の色について処理するだけであるので、マイ
クロコンピュータを用いたソフトウェア処理でも時間的
に問題はない。しかし、映像信号から色画像を抽出する
装置に用いることは、膨大なデータを高速に処理する必
要があり、実現不可能である。
【0005】また、従来の基準色登録には、ボリューム
方式や画像メモリ方式がある。ボリューム方式では、ボ
リューム等により、抽出に必要な各成分個別に基準色範
囲を設定するが、抽出される画像を目視で確認しなが
ら、適切な抽出のための基準色範囲を試行錯誤で求め
る。しかし、この方式は、例えば本実施例の場合でいえ
ば、色調角範囲等の6種類の設定範囲を設定器により各
成分個別に設定する必要があり、その作業は非常に煩雑
である。また、抽出に必要な各成分について熟知してい
る必要があり、訓練を要する。また、画像メモリ方式で
は、基準色画像を画像メモリ等に取り込みマイクロプロ
セッサ等により基準色範囲を算出する。しかし、この方
式では、基準色設定機能のためだけに、膨大なデータ量
を記憶する画像メモリおよび基準色範囲算出用マイクロ
プロセッサを必要とする。また、演算処理に長時間かか
る。
【0006】本発明の第1の目的は、指定した色を色画
像から安定して抽出できる色画像抽出装置を提供するこ
とである。本発明の第2の目的は、指定した色を容易に
登録できる色画像抽出装置を提供することである。
【0007】
【問題を解決するための手段】本発明に係る第1の色画
像抽出装置は、カラー撮像装置で撮像した映像信号より
指定した基準色の画像を抽出する装置において、映像信
号を、明度、彩度、色相、色調角(=tan-1(明度/
彩度))、色調長(=(明度2+彩度21/2)の5成分の
内、色相および色調角の両者を含む少なくとも3つの成
分に分解し、それをデジタル値として出力する変換手段
と、この変換手段のデジタル出力がアドレス端子に接続
され、基準色について前記の少なくとも3つの成分の範
囲が、各成分ごとに、変換手段の出力値に対応して予め
登録された範囲記憶手段と、前記の各成分のいずれの成
分についても、範囲記憶手段の出力データが前記の範囲
内であると判定した場合に、基準色であることを示す2
値信号を出力する判定手段とを備え、前記の少なくとも
3つの成分の出力値を予め設定された各範囲記憶手段内
の範囲と比較することによって、指定された基準色の画
像を抽出することを特徴とする。明度等を表す表色系と
しては、色度平面と明度軸で構成される色空間、たとえ
ばL***表色系を用いることができる。本発明に係
る第2の色画像抽出装置は、カラー撮像装置で撮像した
映像信号より基準色の画像を抽出する装置において、映
像信号を抽出に必要な成分に分解し、それをデジタル値
として出力する変換手段と、この変換手段のデジタル出
力がアドレス線に接続され、指定した基準色について、
前記の必要な成分の範囲が、各成分ごとに、変換手段の
出力値に対応して書き込み可能な範囲記憶手段と、前記
記憶手段のデータ線を任意の値に固定する固定入力手段
と、前記の抽出に必要ないずれの成分についても、範囲
記憶手段の出力データが前記の範囲内であると判定した
場合に、基準色であることを示す2値信号を出力する判
定部と、基準色登録時は、前記範囲記憶手段のデータ線
を固定入力手段に接続し、抽出判定時は抽出判定部に接
続する切り替え手段とを備え、基準色登録時に、固定入
力手段からの入力値が前記の範囲記憶手段に書き込ま
れ、抽出判定時には、前記の範囲記憶手段からの出力値
から判定部において基準色が抽出されることを特徴とす
る。
【0008】
【作用】本発明に係る第1の色画像抽出装置では、カラ
ー撮像装置で撮像した映像信号より指定した基準色の画
像を安定に抽出するため、カラー撮像装置で撮像した映
像信号より、明度、彩度、色相、色調角=tan-1(明
度/彩度)、色調長=(明度2+彩度2)1/2の5成分の内、
色相および色調角の両者を含む少なくとも3つの成分を
分離し、これら分離された3〜5成分から基準色を抽出
する。さらに大量のデータを高速に処理するために、前
記3〜5成分の演算のため、映像信号をデジタル値に変
換する手段の出力がアドレス線に接続された、予め各成
分に対応した演算結果が書き込まれたメモリを用い、1
回のメモリアクセスの時間のみで、実時間で各成分に分
離する。また、分離された前記3〜5成分の抽出のた
め、この分離された成分のデジタル出力が範囲記憶手段
のアドレス端子に接続され、基準色について前記の少な
くとも3つの成分の範囲が、範囲記憶手段に、各成分ご
とに予め登録される。本発明に係る第2の色画像抽出装
置では、抽出したい基準色を、抽出時と同様に処理し、
その基準色範囲を登録する。具体的には、切り替え手段
を登録側に切り替え、基準色の映像信号を抽出に必要な
成分に分解し、それをデジタル値として出力する変換手
段の出力をアドレスとした書き込み可能な範囲記憶手段
に、特定の固定データを与える。すると、基準色範囲が
その固定データで塗りつぶされ、基準色として登録でき
る。また、色抽出時には、その塗りつぶされた範囲記憶
手段は、そのまま抽出用のルックアップテーブルとして
使用可能である。
【0009】
【実施例】以下、添付の図面を参照して本発明の実施例
を説明する。本発明では、色抽出に色調角と色調長とを
用いる。すなわち、映像信号より、明度、彩度、色相を
求め、さらに、色調角(=tan-1(明度/彩度))、色
調長(=(明度2+彩度21/2)を求める。そして、この
5成分の内、色相および色調角の両者を含む少なくとも
3つの成分を分離し、分離した各成分をメモリに予め設
定されたそれぞれの基準色テーブル(範囲)と比較する
ことによって、全成分について設定された基準色範囲内
にある画像を抽出し、2値信号を出力する。
【0010】はじめに、色調角と色調長を用いることに
より色抽出が容易にできることを説明する。図1は、光
量が変化した場合の比較的淡い色aおよび比較的濃い色
bの明度Lおよび彩度Cの分布の一例を示す。a色とb
色は、それぞれ、黒丸と黒三角で表される。図2に示す
ように、従来の明度および彩度による色識別を行うと、
a色とb色の範囲が重なっており、重複部分では両者を
分離できない。一方、図3は、本発明による色調角Tお
よび色調長TRによる識別の場合を示し、a色とb色が
分離が可能になることがわかる。
【0011】表1は、光量が1/2変化したときの色
相、明度、彩度、色調角の挙動の一例を示す。
【表1】
【0012】この例において、a色とb色の色相Hは1
°しか違わず、色相による判別は困難である。また、明
度指数L*および彩度Cは,光量変化時のa色の変化範
囲とb色の変化範囲が重なるため判別不可能である。と
ころが、色調角Tは変化が少なく、両色を分離すること
が可能である。したがって、この方法では、従来より多
数の色が判別できる。
【0013】図4は、映像信号から色相、色調角および
色調長の3成分を分離して色抽出を行う本発明の装置を
示す。カラー撮像装置(101)からの映像信号は、RG
B変換回路(102)によりR,G,Bの3色の信号に変換
され、次に、R,G,B信号は、それぞれ、R,G,B用の
AD変換器(103)、(104)、(105)によりデジタ
ル値に変換される。カラー撮像装置(101)からの信
号がRGB信号である場合には、映像信号をRGB信号
に分解する手段(102)は必要でない。AD変換器
(103)、(104)および(105)のデジタル出力(た
とえば8ビット)は、それぞれ、色相メモリ(106)、
色調角メモリ(107)、色調長メモリ(108)のアドレ
ス線に接続されている。ここで、色相メモリ(106)
は、R,G,Bのすべての組合せに対応する色相の値を格
納したメモリであり、色調角メモリ(107)は、R,G,
Bのすべての組合せに対応する色調角Tの値を格納した
メモリであり、色調長メモリ(108)は、R,G,Bのす
べての組合せに対応する色調長TRの値を格納したメモ
リである。そこで、AD変換器(103)、(104)およ
び(105)の出力(全部で24ビット)が指し示すアド
レスでの色相メモリ(106)の中の内容が、データ線を
経て色相抽出部(109)に出力される。ここで、出力さ
れる内容は、この時のR,G,B値に対応する色相の値で
ある。同時に、AD変換器(103)、(104)および
(105)の出力が指し示すアドレスでの色調角メモリ
(107)および色調長メモリ(108)の中の内容(色調
角、色調長)が、データ線を経て色調角抽出部(110)
と色調長抽出部(111)に同様に出力される。ここで、
出力内容は、それぞれ、この時のR,G,B値に対応する
色調角Tおよび色調長TRの値である。
【0014】色相抽出部(109)、色調角抽出部(11
0)および色調長抽出部(111)は、入力された色相、
色調角、色調長が基準色に対応する範囲内にあるかを出
力する。いずれの出力も基準色範囲内にあれば、AND
ゲート(112)は、2値信号を出力し、この信号は、映
像信号合成部(113)において、カラー撮像装置(10
1)からの水平同期信号HSおよびカメラ同期信号と合
成され、出力される。以上の動作において、信号処理に
必要な時間は単にメモリ(109)〜(111)への1
回のアクセス時間のみであり、実時間で映像信号からの
色抽出を処理することができる。1例では、この回路を
用いた処理時間は、250nsec以下/1画素であった
が、本発明者等による特開平2−74832号公報の装
置を用いた処理時間は、25msec以上/1画素であり、
105倍以上の処理速度の改善が実現された。
【0015】この装置では、カラー撮像装置で撮像した
映像信号より指定した色の画像を安定に抽出するため、
色抽出に用いる成分として、色相、色調角および色調長
の3成分を用いた。色相と色調面からなる空間におい
て、3成分により色が指定できるが、色相の外に、先に
説明したように、色調角は、色判別に重要である。ま
た、色を判別する場合、より多くの成分を用いる方がよ
り厳密な判定が行える。そこで、一般には、カラー撮像
装置で撮像した映像信号より、明度、彩度、色相、色調
角=tan-1(明度/彩度)、色調長=(明度2+彩度2)
1/2の5成分のうち、色相および色調角の両者を含む少
なくとも3つの成分を分離し、これら分離された3〜5
成分の色を抽出すればよい。
【0016】図5は、図4に示した原理による本発明の
色画像抽出装置の一例を示すブロック図である。この装
置では、パイプライン処理により高速処理を実現する。
この装置では、映像信号R,G,Bは、刺激値X,Y,
Zに変換され、さらにL***表色系に変換される。
刺激値X,Y,ZからL***表色系への変換は次の
式で表される。ここで、L*は、L***表色系におけ
る明度指数であり、a*,b*は、L***表色系にお
ける色度指数である。 L*=116・(Y/100)1/3−16 a*=500・{(X/98.1)1/3−(Y/100)1/3} b*=200・{(Y/100)1/3−(Z/118.
2)1/3} また、L***表色系において、明度、彩度、色相
は、次のように表される(表2参照)。 明度L: L* 彩度C: C=(a*2+b*2)1/2 色相H: H=tan-1(b*/a*) (a*
0;b*>0) H=tan-1(b*/a*)+360° (a*>0;b*
0) H=tan-1(b*/a*)+180° (a*<0) また、色調角Tと色調長TRは、彩度Cを横軸、明度L
を縦軸とした色調面において、次のように定義される。 色調角T: T=tan-1(L*/C) 色調長TR: TR=(L*2+C1/2
【0017】
【表2】
【0018】なお、彩度がある程度以上ある色に対して
は極めて有効である色相および色調角は、彩度が極めて
低い場合は逆に非常に不安定なものとなる。これに対し
て、L,a*,b*は絶対値であるため、彩度の大きさ
にかかわらず、ほぼ一定の安定性を有する。そこで、彩
度Cがしきい値より低い場合には、色相と色調角を用い
た判別が有効でないので、パラメータL*,a*,b*
色抽出をおこなう。しきい値としては、ノイズや画素間
の偏差に起因する微小変動による影響が、光量変動等の
影響以上に問題となる彩度の値から設定すればよい。
【0019】この色画像抽出装置において、カメラ(1)
から出力される映像信号は、3色R,G,Bからなり、
R,G,Bの映像信号は、RGB−XYZ刺激値変換回路
(2)において、刺激値X,Y,Zに変換される。刺激値
X,Y,Zは、それぞれ、A/D変換器(3)〜(5)におい
てデジタル値に変換される。このデジタル値は、メモリ
(6)〜(8)のアドレス端子に入力される。
【0020】L*値演算用メモリ(6)においては、A/
D変換器(3)からのY値が、Y−L*変換テーブルによ
り明度指数(L*値)に変換される。a*値演算用メモリ
(7)においては、A/D変換器(3),(4)からのY値,
X値が、Y,X→a*変換テーブルにより、色度指数のa
*値に変換される。さらに、b*値演算用メモリ(38)に
おいては、A/D変換器(3),(5)からのY,Z値が、
Y,Z→b*変換テーブルにより色度指数のb*値に変換
される。出力値L*,a*,b*は、図に示すように、メ
モリ(9)〜(15)のアドレス端子に入力される。彩度C
演算用メモリ(9)においては、メモリ(7),(8)からの
*,b*が、a*,b*→C変換テーブル(C=(a*2+b
*2)1/2)により彩度Cに変換される。同様に、色相H演
算用メモリ(10)においては、メモリ(7),(8)からの
*,b*が、a*,b*→H変換テーブル(H=tan
-1(b*/a*) (a*>0;b*>0のとき),H=tan
-1(b*/a*)+360°(a*>0;b*<0のとき)、H
=tan-1(b*/a*)+180°(a*<0のとき))に
より色相Hに変換される。出力値C,Hは、図に示すよ
うに、メモリ(11),(12),(18)のアドレス端子に
入力され、また、出力値Cは、彩度大小比較回路(19)
に入力される。色調長TR演算用メモリ(11)において
は、メモリ(6)からの明度L*とメモリ(9)からの彩度
Cが、L*,C→TR変換テーブル(TR=(L*2+C2)
1/2)により色調長TRに変換される。同様に、色調角
T演算用メモリ(12)においては、メモリ(6)からの明
度L*とメモリ(9)からの彩度Cが、L*,C→T変換テ
ーブル(T=tan-1(L*/C))により色調角Tに変
換される。出力値TR,Tは、それぞれ、メモリ(1
6),(17)のアドレス端子に入力される
【0021】彩度大小比較回路(19)は、メモリ(9)か
らの彩度Cが任意のしきい値を越えているか比較し、判
定回路(20)は、この判定結果に応じて、彩度Cがし
きい値よりも大きい場合には色相H、色調角T、色調長
TRもしくは色相H、色調角T、明度L*で色抽出を行
う。しかし、彩度Cがしきい値を越えていなければ、L
*、a*、b*で色抽出を行う。すなわち、判定回路(2
0)により、彩度Cが任意の設定値より大きい場合に
は、L*,a*,b*抽出メモリ(13),(14),(15)
からの読み出しが禁止され、また、彩度Cが任意の設定
値より小さい場合は色調長、色調角、色相抽出用のメモ
リ(16),(17),(18)からの読み出しが禁止され
る。彩度Cのしきい値は、固定でもよく、明度L*もし
くは色調長TRに応じて変化してもよい。
【0022】L*値抽出メモリ(13)は、メモリ(6)か
らのL*値を比較用テーブルと比較して、基準色範囲内
か否かを出力する。a*値抽出メモリ(14)は、メモリ
(7)からのa*値を比較用テーブルと比較して、基準色
範囲内か否かを出力する。b*値抽出メモリ(15)は、
メモリ(8)からのb*値を比較用テーブルと比較して、
基準色範囲内か否かを出力する。色調長TR値抽出メモ
リ(16)は、メモリ(11)からのTR値を比較用テーブ
ルと比較して、基準色範囲内か否かを出力する。色調角
T値抽出メモリ(17)は、メモリ(12)からのT値を比
較用テーブルと比較して、基準色範囲内か否かを出力す
る。色相H値抽出メモリ(18)は、メモリ(10)からの
色相(H値)を比較用テーブルと比較して、基準色範囲
内か否かを出力する。判定回路(20)は、H,T,TR
それぞれに対する判定結果を入力とするAND回路とL
*,a*,b*それぞれに対する判定結果を入力とするA
ND回路とを備え、彩度大小比較回路(19)からの入
力値に応じて、一方のAND回路の2値出力が選択され
る。
【0023】面積判定回路(21)は、カウンタにより判
定回路(20)より出力された2値信号を積算し、積算値
(面積)を所定値(しきい値)と比較器で比較する。面
積が所定値以上であれば異物であると判断し、面積オー
バー信号を出力する。モニタTV(22)は、判定回路
(20)からの抽出2値画像を表示する。
【0024】図6と図7は、図5に示した色画像抽出装
置における抽出処理の流れを示す。この抽出処理は7段
のパイプライン処理になっており、各段の処理は並列に
動作する。第一段では、RGB→XYZ変換を行う。す
なわち、カメラ(1)のR,G,B信号は、下記のマトリク
ス演算を行うアナログ回路であるRGB−XYZ刺激値
変換回路(2)によりX,Y,Z値に変換される。
【数1】 ここに、係数a〜iは近似係数であり、予め使用するカ
メラ(1)の分光特性に合わせて求めておく。
【0025】第二段では、X,Y,Z値のA/D変換を行
う。すなわち、RGB−XYZ刺激値変換回路(2)から
のX,YおよびZ値は、それぞれA/D変換器(3)、
(4)および(5)によりデジタル値に変換される。
【0026】第三段では、L*,a*,b*の演算を行
う。すなわち、前段のY値用A/D変換器(3)のデジタ
ル出力がL*演算用メモリ(6)のアドレス信号線に接続
されており、YのA/D変換値に対応した明度L*値が
*演算用メモリ(6)のデータ線より出力される。同様
に、Y,X両方のA/D変換器(3),(4)のデジタル出
力が、それぞれ、a*値演算用メモリ(7)の上位アドレ
ス線と下位アドレス線に接続されており、Y,XのA/
D変換値に対応したa*値がa*値演算用メモリ(7)のデ
ータ線より出力される。同様にY,Z両方のA/D変換
器(3),(5)のデジタル出力がそれぞれb*値演算用メ
モリ(38)の上位アドレス線と下位アドレス線に接続さ
れており、Y,ZのA/D変換値に対応したb*値がb*
値演算用メモリ(8)のデータ線より出力される。
【0027】第四段では、彩度と色相の演算を行う。す
なわち、前段のa*値演算用メモリ(7)とb*値演算用メ
モリ(8)の出力が、それぞれ、彩度演算用メモリ(9)の
上位アドレス線と下位アドレス線に接続されており、a
*、b*値に対応した彩度値Cが彩度演算用メモリ(9)の
データ線より出力される。同様に、前段のa*値演算用
メモリ(7)とb*値演算用メモリ(8)の出力が、それぞ
れ、色相演算用メモリ(10)の上位アドレス線と下位ア
ドレス線に接続されており、a*,b*値に対応した色相
値Hが色相演算用メモリ(10)のデータ線より出力され
る。
【0028】第五段では、色調長と色調角の演算を行
う。前段の明度演算用メモリ(6)の出力と彩度演算用メ
モリ(9)の出力が、それぞれ色調長演算用メモリ(11)
の上位アドレス線と下位アドレス線に接続されており、
*値と彩度値に対応した色調長値TRが色調長演算用
メモリ(11)のデータ線より出力される。同様に前段の
明度演算用メモリ(6)のL*出力、彩度演算用メモリ
(9)の出力が、それぞれ、色調角演算用メモリ(12)の
上位アドレス線と下位アドレス線に接続されており、L
*値と彩度値に対応した色調角値Tが色調角演算用メモ
リ(12)のデータ線より出力される。
【0029】第六段では、各演算値を基準データ範囲と
比較する。前段のL*,a*,b*,彩度,色相,色調
長,色調角の出力が、それぞれL*値抽出メモリ(1
3)、a*値抽出メモリ(14)、b*値抽出メモリ(1
5)、色調長抽出メモリ(16)、色調角抽出メモリ(1
7)、色相抽出メモリ(18)のアドレス線に接続されて
おり、予めこれらのメモリに設定された基準色範囲内で
あれば、各メモリから範囲内であるという信号が出力さ
れる。
【0030】第七段では、画像抽出判定を行う。判定回
路(20)において、前段の彩度値Cが設定値より大きい
場合は、色相値、色調角値、色調長値が全て基準色範囲
内であれば2値信号が出力される。前段の彩度値Cが設
定値より小さい場合は、L*値、a*値、b*値が全て基
準色範囲内であれば2値信号が出力される。また、2値
信号が出力された場合、面積判定回路(21)の面積のカ
ウントを1増やし、面積が設定値より大きくなると、面
積オーバー信号が出力される。なお、面積のカウント
は、1画面毎に初期化される。出力された2値信号は、
2値映像としてモニタTV(22)へ映しだされる。第三
段から第六段までの各出力は、タイミングをとるため
に、ラッチ(図を簡潔にするため図示していない。)に
より保持されているため、パイプライン処理となってお
り、データの取り込み間隔および結果の出力間隔は、メ
モリへの1回のアクセス時間のみとなり、映像信号に対
して実時間での処理が可能となっている。
【0031】なお、以上に説明した実施例では、表色系
として、L***表色系を用いているが、たとえば、
***表色系、映像色差信号などの、色度平面と明
度軸で構成される色空間で表現される他の表色系を用い
てもよい(表2参照)。
【0032】次に、各メモリへの抽出基準色の登録につ
いて説明する。図5に示す装置において、抽出基準色
は、次の順序で設定される。 (a) L*値抽出メモリ(13)、a*値抽出メモリ(1
4)、b*値抽出メモリ(15)、色調長抽出メモリ(1
6)、色調角抽出メモリ(17)、色相抽出メモリ(18)
はいずれもRAMであり、内容を全て”0”に初期化し
た後、各抽出メモリ(13)〜(19)のデータ線を”1”
レベルに固定する。 (b) 次に、カメラ(1)により基準色を撮像した状態
で、抽出時と同様に回路を動作させる。 (c) これにより、当該基準色のL*、a*、b*、色調
長、色調角、彩度の各演算結果がアドレス信号として抽
出用メモリ(13)〜(18)に入力される。 (d) そして、この6つの演算結果の範囲をそれぞれア
ドレスとする抽出用メモリ(13)〜(18)内の番地に、
データ線に与えた値("1")が書き込まれる。これによ
り、基準色のL*、a*、b*、色調長、色調角、彩度の
範囲が、各メモリに登録される。 (a)〜(d)の動作により、撮像した画面上で基準色
の領域を指定するのみで簡単に基準色を登録することが
できる。
【0033】具体的な回路としては、図5に示す装置に
おいて、切り替え器と基準色登録制御部とを設ければよ
いが(図6参照)、説明を省略する。また、図5には示
されていないが、撮像された画像の特定部分を指定する
ことにより、指定部分以外は抽出用メモリ(13)〜(1
8)への書き込みを禁止することができ、映像の指定領
域のみを基準色として登録することができる。
【0034】以上に説明した基準色登録は、明度、彩
度、色相、色調角(=tan-1(明度/彩度))、色調長
(=(明度2+彩度21/2)の5成分の内、色相および色
調角の両者を含む少なくとも3つの成分について色抽出
を行う装置について説明したが、この基準色登録の考え
方は、一般に、色抽出に色調角を用いない色画像抽出装
置においても用いることができる。図8は、本発明の基
準色登録機能を特徴とした色画像抽出装置の一実施例の
ブロック図である。この装置では、カメラ(201)から
のNTSC複合映像信号から各色成分Y,R−Y,B−
Yを求める(表2参照)。また、この装置は、先に説明
した装置と異なり、色相、色調角、色調長への変換は行
わない。その代わり、基準色登録制御部(215)とウ
インドウ生成部(216)において、基準色範囲に相当
する輝度Y、色差信号R−Y、色差信号B−Yの範囲を
画面上で設定する。
【0035】この装置は、基準色の登録動作を次のよう
に行う。RAMであるメモリ(209),(210),(2
11)が書き込み可能な状態で、RAMのデータ線固定
データ("1")を与え、基準色の各成分毎に、その値をR
AMのアドレス線へ接続することにより、各成分の値を
アドレスとする領域が固定データで埋められ、基準色範
囲が登録される。まず、基準色登録動作制御回路(21
5)により、切り替え器(206),(207),(208),
(212),(213),(214)のすべてを下側へ接続す
る。基準色登録動作制御部(215)により輝度Y、色差
信号R−Y、色差信号B−YのRAM(209),(21
0),(211)の内容をすべて”0”にクリアする。さら
に、基準色登録動作制御部(215)により各RAMのデ
ータ線を”1”に固定する。
【0036】次に、切り替え器(206),(207),(2
08)を上側へ接続し、ウィンドウ生成器(216)によ
り、基準色として登録したい範囲を画像上で設定する。
そして、カメラ(201)からのNTSC複合映像信号が
映像色差信号分離回路(202)によって、輝度Y、色差
信号R−Y、色差信号B−Yに分離され、分離された信
号はA/D変換器(206),(207),(208)によって
それぞれデジタル値に変換される。このデジタル出力
が、メモリ(209),(210),(211)のアドレスとし
て入力され、ウィンドウ生成部(216)により画像上の
基準色として指定した領域のデータにのみ各メモリに書
き込み信号を出力する。これにより、基準色のY、R−
Y、B−Yそれぞれの範囲が、その値をアドレスとする
メモリ(209),(210),(211)の領域に”1”で埋
められる。こうして、登録作業を終了する。但し、メモ
リ内の基準色範囲が書き込まれたデータは、マイクロプ
ロセッサなどによって修正することもできる。
【0037】この装置において、色抽出時の動作は、次
のように行われる。抽出実行時に、メモリ(209)、メ
モリ(210)、メモリ(211)は抽出用ルックアップテ
ーブルとして動作する。メモリ(209),(210),(2
11)のデータは、それぞれの基準色範囲値をアドレス
とするメモリエリアは”1”、その他は”0”となって
いる。また、切り替え器(206),(207),(208),
(212),(213),(214)はすべて図の上側に接続さ
れている。まず、カメラ(201)からのNTSC複合映
像信号が,映像色差信号分離回路(202)によって、輝
度Y、色差信号R−Y、色差信号B−Yに分離される。
分離された信号は,A/D変換器(206),(207),
(208)によってそれぞれデジタル値に変換される。こ
うして得られたデジタル出力をアドレスとするメモリ
(209),(210),(211)のデータが、メモリのデー
タ線より出力される。すなわち、基準色範囲内であれば
メモリより”1”が出力され、基準色範囲外であれば”
0”が出力される。メモリ(209),(210),(211)
の出力は、AND回路(217)に接続されており、メモ
リ(209),(210),(211)の出力が、いずれも”
1”である場合には、AND回路(217)より、基準色
領域として2値出力される。AND回路(217)から出
力された2値出力は、映像信号合成回路(218)より映
像同期信号と合成され映像信号として出力される。ま
た、AND回路(217)の出力は、面積判定回路(21
9)により加算され、面積が設定しきい値を越えると、
面積オーバー信号が出力される。
【0038】
【発明の効果】基準色の抽出が、色相と色調角を含む少
なくとも3成分を用いて行うので、基準色の抽出が容易
になるとともに、抽出回路がハードウエアで構成でき、
大量のデータを高速に処理できるので、色抽出が短時間
に行える。基準色の範囲を登録する場合、基準色の映像
データを入力するのみで、誰もが簡単に基準色の設定が
可能となる。また、抽出用のルックアップテーブルを基
準色の設定用に用いるため、抽出用回路の外に特別なハ
ードウエアを必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】光量が変化した場合の比較的淡い色aおよび比
較的濃い色bの明度Lおよび彩度Cの分布の一例を示す
図である。
【図2】従来の明度および彩度による色識別を示す図で
ある。
【図3】本発明による色調角Tおよび色調長TRによる
識別を示す図である。
【図4】映像信号から色相、色調角および色調長の3成
分を分離して色抽出を行う本発明の装置を示す図であ
る。
【図5】本発明の色画像抽出装置の一実施例を示すブロ
ック図である。
【図6】図5に示した色画像抽出装置における抽出処理
の流れの1部を示す図である。
【図7】図5に示した色画像抽出装置における抽出処理
の流れの1部を示す図である。
【図8】基準色登録機能を有する色画像抽出装置のブロ
ック図である。
【符号の説明】
1: カメラ、 3〜5: AD変換器、6〜12:
演算用メモリ、 13〜18: 抽出用メモリ、19:
彩度大小比較回路、 20: 判定回路、101:
カラー撮像装置、 103: AD変換器、106〜1
08: 演算用メモリ、 109〜111: 抽出用メ
モリ、112: AND回路(判定部)、 212〜2
14: 切り替え器、215: 基準色登録動作制御
部。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カラー撮像装置で撮像した映像信号より
    指定した基準色の画像を抽出する装置において、 映像信号を、明度、彩度、色相、色調角(=tan
    -1(明度/彩度))、色調長(=(明度2+彩度21/2)の
    5成分の内、色相および色調角の両者を含む少なくとも
    3つの成分に分解しそれをデジタル値として出力する変
    換手段と、 この変換手段のデジタル出力がアドレス端子に接続さ
    れ、基準色について前記の少なくとも3つの成分の範囲
    が、各成分ごとに、変換手段の出力値に対応して予め登
    録された範囲記憶手段と、 前記の各成分のいずれの成分についても、範囲記憶手段
    の出力データが前記の範囲内であると判定した場合に、
    基準色であることを示す2値信号を出力する判定手段と
    を備え、 前記の少なくとも3つの成分の出力値を予め設定された
    各範囲記憶手段内の範囲と比較することによって、指定
    された基準色の画像を抽出することを特徴とする色画像
    抽出装置。
  2. 【請求項2】 上記の変換手段が、映像信号の各成分を
    デジタル化するデジタル化手段と、このデジタル化手段
    の出力値がアドレス端子に接続され、前記の色相および
    色調角を含む少なくとも3つの成分が、各成分ごとに、
    前記の出力値に対応して予め記憶された変換テーブル記
    憶手段とを備えることを特徴とする請求項1記載の色画
    像抽出装置。
  3. 【請求項3】 L***表色系における明度指数L*
    色度指数a*、b*を用いて、前記の5成分の明度、彩
    度、色相、色調角、色調長として 明度: L* 彩度: C=(a*2+b*2)1/2 色相: H=tan-1(b*/a*) (a*
    0;b*>0) H=tan-1(b*/a*)+360° (a*>0;b*
    0) H=tan-1(b*/a*)+180° (a*<0) 色調角: T=tan−1(L*/C) 色調長: TR=(L*2+C2)1/2 を用いたことを特徴とする請求項1記載の色画像抽出装
    置。
  4. 【請求項4】 さらに、映像信号を、a*,b*に変換
    し、デジタル化する第2変換手段と、 この第2変換手段のデジタル出力がアドレス端子に接続
    され、基準色について前記のa*成分とb*成分の範囲
    が、各成分ごとに、第2変換手段の出力値に対応して予
    め登録された第2範囲記憶手段と、 彩度がしきい値よりも小さいか否かを判定する彩度判定
    手段とを備え、 彩度判定手段が彩度がしきい値より小さいと判定した場
    合には、前記の判定手段は、前記の範囲記憶手段から出
    力されるL*と、第2範囲記憶手段から出力されるa*
    *を用いて色抽出を行うことを特徴とする請求項3に
    記載された色画像抽出装置。
  5. 【請求項5】 前記の映像信号がRGBのアナログ信号
    であり、 前記の変換手段が、RGBのアナログ信号をXYZ値の
    デジタル信号に変換するAD変換手段と、YからL*
    XとYからa*、YとZからb*、a*とb*からH、a*
    とb*からC、L*とCからT、L*とCからTR、への
    変換テーブルをそれぞれ記憶したテーブル記憶手段とを
    備え、 AD記憶手段による変換値から、テーブル記憶手段に記
    憶された変換テーブルを用いて前記の少なくとも3つの
    成分を求めることを特徴とする請求項3に記載された色
    画像抽出装置。
  6. 【請求項6】 カラー撮像装置で撮像した映像信号より
    基準色の画像を抽出する装置において、 映像信号を抽出に必要な成分に分解し、デジタル値とし
    て出力する変換手段と、 この変換手段のデジタル出力がアドレス線に接続され、
    指定した基準色について、前記の必要な成分の範囲が、
    各成分ごとに、変換手段の出力値に対応して書き込み可
    能な範囲記憶手段と、 前記記憶手段のデータ線を任意の値に固定する固定入力
    手段と、 前記の抽出に必要ないずれの成分についても、範囲記憶
    手段の出力データが前記の範囲内であると判定した場合
    に、基準色であることを示す2値信号を出力する判定手
    段と、 基準色登録時は、前記範囲記憶手段のデータ線を固定入
    力手段に接続し、抽出判定時は判定手段に接続する切り
    替え手段とを備え、 基準色登録時に、固定入力手段からの入力値が前記の範
    囲記憶手段に書き込まれ、抽出判定時には、前記の範囲
    記憶手段からの出力値から、判定手段において基準色が
    抽出されることを特徴とする色画像抽出装置。
  7. 【請求項7】請求項6に記載された装置において、さら
    に、前記の範囲記憶手段に、指定した画像領域以外での
    書き込みを禁止する禁止手段を備えることを特徴とする
    色画像抽出装置。
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