JP4664223B2 - 画像センサーによる多孔質金属−金属酸化物複合体の評価方法 - Google Patents

画像センサーによる多孔質金属−金属酸化物複合体の評価方法 Download PDF

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本発明は、多孔質チタン−チタン酸化物複合体などの多孔質金属−金属酸化物複合体を評価する方法に関し、特に、色素増感型太陽電池などに用いられる多孔質金属−金属酸化物複合体を評価する方法に関する。
チタン(Ti)は、実用金属中最も耐蝕性が強く、比重も鉄鋼などと比較して小さく、比強度も非常に優れている金属であり、工場プラント用材料、医療用材料などに広く使用されている。そして近年、その高い耐蝕性により、屋根材を始めとして建築材料への利用が急速に進んでいる。
また、チタンの酸化体であるチタン酸化物(チタニア)は、優れた紫外線吸収性および吸着性等の特性を有することから、顔料・塗料・化粧料・紫外線遮断材・触媒・触媒担体および各種のエレクトロニクス材料等に利用されている。さらに最近では、チタン酸化物が紫外線を吸収した際に発現する光触媒効果および両親媒性効果が注目されており、有害有機物の分解・大気汚染物質の除去・殺菌・セルフクリーニング効果等が確認されており、チタン触媒を用いた各種の商品が市販されている。
さらに、各種センサー、複写機、光発電装置等に用いられる光電変換素子へのチタン酸化物の適用が検討されている。例えば、1991年にグレッツエルらが発表した色素増感型太陽電池は、ルテニウム錯体によって分光増感された多孔質チタン酸化物薄膜を作用電極とする湿式太陽電池であり、シリコン太陽電池並みの性能が得られることが報告されている(非特許文献1参照)。この技術によれば、チタン酸化物等の安価な酸化物半導体微粒子をその支持体である透明電極上に塗布することで成膜し、色素を吸着するだけで優れた光電変換素子となるため、安価な光電変換素子を提供することができるという利点がある。
チタンもしくはチタンを主成分とする合金の表面にチタニア等のチタン酸化物の皮膜を形成させる方法としては、熱酸化法、化学酸化法、電解酸化法などがあるが、中でもチタン酸化物皮膜の均一性、再現性などに優れた電解酸化法が一般に利用されている。
チタンを電解酸化すると、通常は表面に通常1μm以下の非多孔質のチタン酸化物薄膜が生成し、表面に美しい干渉色がつくようになる。この技術は一般には装飾用途で利用されており、工業的にも広く普及している。一方で、電解質溶液の種類を選ぶことによって、形成される孔においてアスペクト比が6以上となる多孔質チタン酸化物が生成することも報告されている(特許文献1参照)。例えば特許文献1は、電解質としてハロゲン原子を含有するイオンを含む溶液を使用することによって、アスペクト比6以上のナノチューブ形状の多孔質チタン酸化物がチタン金属の表面に生成し、多孔質チタン−チタン酸化物複合体が形成されることを報告している。この多孔質チタン−チタン酸化物複合体は光触媒や光電変換素子の素材として非常に有効であり、特に多孔質チタン酸化物が均一かつ緻密に形成されているものほど良好な性質を示すため、今後の技術として大きく期待されている。
しかしながら、ハロゲン原子を含有するイオンを含む電解質溶液を用いて、チタンの電解酸化を行っても、ナノチューブ形状を有する多孔質チタン−チタン酸化物が常に均一かつ緻密に形成されるわけではない。電解質の組成や電解酸化処理条件が同一であったとしても、材料となるチタン金属の表面凹凸状態によっては、多孔質チタン酸化物にむらができたり、極端な場合には、多孔質チタン酸化物がチタン金属の表面に斑状に形成されることもある。このような出来の違いは、電解酸化によって形成される多孔質チタン−チタン酸化物の面積が大きいほど顕著に現れやすい。
これまでは多孔質チタン酸化物の均一性や緻密性を定量的に評価する手法がなかったため、製作者の感覚で出来を判断してきたのが実情であった。多孔質チタン−チタン酸化物複合体をはじめとする多孔質金属−金属酸化物複合体を光電変換素子材料などの工業材料として使用するためには、均一性と緻密性について定量的な評価手法を開発し、品質管理手法を確立することが必要不可欠である。
特開2005−263580号公報 特公平7−92401号公報 特開2002−131133号公報 ビィ・オレガン 外,「ネイチャー(Nature)」,1991年,第353巻,p.737−739
上述したように、これまで、多孔質チタン−チタン酸化物複合体をはじめとする多孔質金属−金属酸化物複合体の均一性と緻密性とを定量的に評価する方法がなかった。もちろん、電子顕微鏡による観察によって、局部的には多孔質金属−金属酸化物複合体の均一性と緻密性を求めることができるが、太陽電池などに用いられるような大面積の多孔質金属−金属酸化物複合体の表面全体を電子顕微鏡で観察することは現実的でない。多孔質金属−金属酸化物複合体を色素増感型太陽電池に適用する場合であれば、多孔質金属−金属酸化物複合体の表面に増感色素を付着させたときの色素の付着量を測定して、その多孔質金属−金属酸化物複合体が色素増感型太陽電池に適したものかどうかを評価することができないわけではないが、付着した色素量を湿式の分析法で定量する必要があるから、評価に手間と時間がかかる、という問題点がある。また、この手法では、サンプルである多孔質金属−金属酸化物複合体に付着した色素の全量を定量するため、多孔質金属−金属酸化物複合体におけるある特定の場所がどうなっているのかを評価することができない。
本発明は、このような実状に鑑み成されたものであり、多孔質チタン−チタン酸化物複合体をはじめとする多孔質金属−金属酸化物複合体の均一性と緻密性を数値で表し、定量的な評価を行う方法を提供することを目的とする。
本発明の評価方法は、多孔質金属−金属酸化物複合体の表面状態を評価する評価方法において、画像センサーを用いて、多孔質金属−金属酸化物複合体を撮像し、撮像された画像中における各画素の色相、彩度および明度の少なくとも1つを算出し、算出された色相、彩度および明度の少なくとも1つが所定の範囲内あるいは所定の値である画素を抽出し、抽出された画素に基づいて、多孔質金属酸化物部分を定量的に評価することを特徴とする。
ここで、多孔質酸化物部分の白度に基づいて画素を抽出し、抽出された画素の数に応じて多孔質金属酸化物部分を定量的に評価してもよい。
定量的に評価する方法としては、具体的には、抽出された画素の数と、撮像された画像における多孔質金属−金属酸化物複合体に対応した全画素数との比に基づくものがある。
本発明の別の評価方法は、多孔質金属−金属酸化物複合体の表面状態を評価する評価方法において、多孔質金属−金属酸化物複合体に色素を吸着させ、画像センサーを用いて、色素吸着後の多孔質金属−金属酸化物複合体を撮像し、撮像された画像中における各画素の色相、彩度および明度の少なくとも1つに基づいて、画素ごとに着色度を算出し、着色度に基づいて画素を抽出し、抽出された画素に基づいて、多孔質金属酸化物部分を定量的に評価することを特徴とする。
本発明においては、大面積の多孔質金属−金属酸化物複合体を評価する場合には、多孔質金属−金属酸化物複合体に対して画像センサーを走査させながら、多孔質金属−金属酸化物複合体の表面の各部分領域ごとの評価を繰り返して実行すればよい。
本発明において、多孔質金属−金属酸化物複合体は、例えば、金属に対して電解酸化あるいは陽極酸化処理を行うことによって得られるものである。そのような多孔質金属−金属酸化物複合体の代表的なものとして、多孔質チタン−チタン酸化物複合体が挙げられるが、このほか、例えば、多孔質ジルコニウム−ジルコニウム酸化物複合体や、多孔質ハフニウム−ハフニウム酸化物なども挙げられる。
以下、本発明について詳述する。
本発明において用いられる画像センサーは、例えば、CCD(電荷結合素子)カメラを備え、CCDカメラで撮像した対象物の画像をデジタル信号に変換し、種々の演算処理を行うことで、対象物の面積、長さ、個数、位置などの特徴を抽出し、設定された基準をもとに判定結果を出力するものである。カメラからのビデオ出力はアナログ信号であるが、これを様々な判定、計測に応用するには、まずデジタル信号に変換する必要がある。
デジタル信号への変換方法は、ビデオ信号がグレースケール(濃淡)の信号であれば、ビデオ信号にあるしきい値(2値化レベル)を設定し、そのしきい値より高い(明るい)部分は白、低い(暗い)部分は黒のいずれかの値をとるようにして、灰色の部分をなくすことができる。これを2値化といい、デジタル信号では白を「1=HI」、黒を「0=LO」とする。本発明において、明度のみを用いてしきい値処理を行って画素を抽出するのであれば、二値化処理の方法を用いることができる。
また、画像処理には、前述した2値化方法以外にグレー処理方式がある。グレー処理方式では、カメラで撮像した画像データの濃淡をそのまま扱う。2値化方式では白か黒、1か0の情報としてしか認識できないが、グレー処理方式では、濃淡を例えば8ビット(=256階調)に分割し、その情報をすべて活かした結果が得られる。したがって、検出精度が格段に向上する。本発明において、画素の明度のみを算出し、明度の値あるいは範囲に基づいて画素を抽出するのであれば、グレー処理方式を用いることができる。
さらに、カメラにおいてカラー映像信号を取得するカラー処理方式もある。カメラからのカラー映像信号を、画像入力回路のA/D(アナログ/デジタル)変換器で、R(赤)・G(緑)・B(青)の三原色のデジタルデータに変換する。このデータをもとに差分処理を行い、R−G、B−G、R−Bのデータを求める。これらのR、G、B、R−G、B−G、R−Bの6つのパラメータからその画素の色相、彩度、明度を求めることができる。この変換方法は公知であり、例えば、特許文献1(特公平7−92401)あるいは特許文献2(特開2002−131133)に記載されている。このように色相、彩度および明度を求めた後、これらについての値または範囲を設定して、指定した色(または色の範囲)、すなわち指定した色相、彩度、明度との一致度を判定し、色抽出を行うことができる。これにより、各画像は、抽出される画素と抽出されない画素とに2値化される。これらの処理により、暗い色でも安定した抽出ができる抽出能力と、高速処理を両立させることができる。
本発明においては、多孔質金属−金属酸化物複合体の表面状態を評価する際に、上述した画像センサーを用いて、多孔質金属−金属酸化物複合体を撮像する。その上で、撮像された画像の中から、指定した色相、彩度、明度と一致する画素を抽出する。この場合、厳密に色相、彩度、明度が特定の値を示す画素を抽出してもよいし、ある程度の範囲内の画素を抽出してもよい。また、色相、彩度、明度の全部ではなく、これらのうちの1または2について比較して画素を抽出するようにしてもよい。色の指定方法は、基準の色を設定し、その色について画像処理を行い、色相、彩度、明度を求め、指定色の色相、彩度、明度とする。基準の色は、電子顕微鏡観察などによって十分に緻密であり均一であることが確認されている基準試料について撮像して各画素ごとの色相、彩度、明度を求め、その中で最も多くの画素が示している色相、彩度、明度とする。後述するように、何らかの色見本の色相、彩度、明度を用いてもよい。したがって、多孔質チタン酸化物部分の均一性と緻密性(Du)は下記の式より求められる。
Du=Pn/Ps×100(%)
ここで、Pnは、試料の単位面積当たりの抽出画素数であり、Psは、基準品の単位面積当たりの抽出画素数である。
特に本発明においては、画像における明度に着目し、この明度に基づいて、多孔質チタン−チタン酸化物複合体の多孔質チタン酸化物の部分の白度すなわちチタン板を陽極酸化することにより表面が白色となる度合いを抽出し、抽出部分の画素面積によって多孔質チタン酸化物部分の均一性と緻密性を評価してもよい。多孔質チタン−チタン酸化物複合体においては、チタン酸化物部分が多いほど目視で白く見えることから、チタン酸化物部分の均一性、緻密性を白度と称する。したがって、白度とは、上記の、基準の色を設定する段階において、チタン板を陽極酸化して表面が十分均一に白色になった試料を用いた場合のチタン酸化物部分の均一性、緻密性を表すものである。
白度=Pn/Pt×100(%)
ここで、Pnは、試料の単位面積当たりの抽出画素数であり、Ptは、チタン板を陽極酸化して表面が十分均一に白色になった試料の単位面積当たりの抽出画素数である。
本発明の評価方法においては、大型の板状の多孔質チタン−チタン酸化物複合体を評価する場合、例えば、工業的に製造される大型(例えば300cm2以上)の多孔質チタン−チタン酸化物複合体を評価対象とする場合には、画像センサーを走査させながら、前記多孔質金属−金属酸化物複合体の表面の各部分領域ごとの評価を繰り返して実行すればよい。例えば、評価対象を100cm2でのエリアごとに、または任意の面積のエリアごとに、移動し測定する。このように測定することによって、対象物が大型化した場合であっても、多孔質チタン酸化物の緻密性、均一性の評価を行うことができる。
次に画像センサーにおける評価対象となる多孔質チタン−チタン酸化物複合体についての製造方法を詳細に説明する。
多孔質チタン−チタン酸化物の製造では、原料として、チタンまたはチタンを主成分とする合金(以下、チタン合金という。)が用いられ、酸素、鉄、窒素、水素等で材質を調製した工業用純チタンや、ある程度のプレス成形性を有するチタン合金を用いることができる。具体的には、原料として用いられるチタンまたはチタン合金としては、JIS(日本工業規格)1種、2種、3種、4種の各種工業用純チタンや、ニッケル、ルテニウム、タンタル、パラジウム等を添加し耐食性を向上させた合金、アルミニウム、バナジウム、モリブデン、錫、鉄、クロム、ニオブ等を添加した合金等をその一例として挙げることができる。チタンまたはチタン合金の結晶型としては、単結晶、多結晶にかかわらず、α型、α+β型、β型を用いることができる。また形状に関しては、チタンまたはチタン合金そのものが板状、ロッド状、メッシュ状等の様々な形状であってよく、これらに加えて、板、ロッド、メッシュといった形状の異種導電性材料表面にチタンまたはチタン合金を膜として成長させたもの、板、ロッド、メッシュといった形状の半導体もしくは絶縁性材料表面にチタンまたはチタン合金を膜として成長させたもの等であってもよいが、これらに限定されるものではない。
これらのチタンまたはチタンを主成分とする合金は、上記のどの種類によらず、表面に複数の凹部が存在するものを使用することが望ましい。ハロゲン原子を含有するイオンを含む溶液を用いて電解酸化を行うと、まず最初に凹部の部分にナノチューブ状の多孔質チタン酸化物が生成される。さらに電解酸化を続けると、この部分を起点として多孔質チタン酸化物が表面に少しずつ広がっていき、やがて表面全体が緻密かつ均一に覆われて、良好な多孔質チタン−チタン酸化物複合体が形成される。
これらのチタンまたはチタンを主成分とする合金の寸法は、本来特に制限されるものではないが、色素増感型太陽電池等の光電変換素子材料として多孔質チタン−チタン酸化物を用いるのであれば、あまりに寸法が小さいと製造工程のコストアップにつながり、現実的な材料とはいえない。工業的な実用性を持たせるのであれば、3000平方センチメートル以上の多孔質チタン−チタン酸化物を製造できなければならない。このサイズになると、見た目でも多孔質チタン酸化物の生成ムラがはっきりとわかるので、画像センサーによって均一性と緻密性を定量的に測定することは一層重要になってくる。
次に、多項質チタン−チタン酸化物複合体を形成するための電解酸化(陽極酸化)の条件について説明する。
電解酸化は、電解質溶液中でチタンもしくはチタン合金を陽極、任意の導電材料を陰極とし、電圧をかけることにより、陽極表面上に多孔質のチタン酸化物を形成する技術のことを指し、電解酸化処理中にチタンもしくはチタン合金が陽極である状態が一度でもあればよい。したがって、陽極と陰極とを交互に入れ替えながら実施する場合も含む。
電解酸化は、通常、印加電圧が5〜200V、好ましくは10〜150V、より好ましくは14〜110Vであって、電流密度が0.2〜500mA/cm2、好ましくは0.5〜100mA/cm2の範囲であって、時間は1分〜24時間、好ましくは5分〜10時間行われる。電解中、これらの印加電圧や電流密度を変化させることも可能であり、この際は、パルスを印加して電解を行う。パルスの周期としては特に限定はされないが、0.001Hz〜1MHzであり、好ましくは0.01Hz〜10000Hzであり、さらに好ましくは、0.1Hz〜1000Hzが挙げられる。
また、陽極酸化時の電解質溶液の温度は0〜50℃が好ましく、より好ましくは0〜40℃である。
電解酸化に用いられる電解質溶液としては、チタンもしくはチタン合金をアノード分極した際に、チタンもしくはチタン合金を溶解させることができる溶解力が必要であり、そのためには電解質溶液には、ハロゲン原子を含有するイオンが含まれることが重要である。ここでいうハロゲン原子を含有するイオンとは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の原子のいずれかを含有するイオンであり、具体的にはフッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、過塩素酸イオン、塩素酸イオン、臭素酸イオン、ヨウ素酸イオン、亜塩素酸イオン、亜臭素酸イオン、次亜塩素酸イオン、次亜臭素酸イオン、次亜ヨウ素酸イオン等が挙げられるが、ハロゲン化物イオン(フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン)を用いることが特に好ましい。これらのイオンは、単独でもよいし、二種以上の混合物として用いることも可能である。
これらのイオンを含む電解質溶液としては、水系、非水系のいずれも使用可能であるが、水系が好ましい。具体的には、ハロゲン原子を含有するイオンを形成する酸もしくは塩の水溶液が用いられる。その濃度は、酸もしくは塩として、0.0001〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.0005〜5質量%、さらに好ましくは0.0005〜1質量%の範囲である。
電解質溶液には、ハロゲン原子を含有するイオンを形成する酸もしくは塩とは異種の酸性化合物あるいは塩基性化合物を含有させてもよい。このような異種の酸性化合物、塩基性化合物を含有させることにより、陽極酸化速度を促進または抑制するといった、反応速度を制御することができる。かかる酸性化合物としては、前述のハロゲン化物もしくはその酸化体イオンの酸の他、硫酸、硝酸、酢酸、過酸化水素、シュウ酸、リン酸、クロム酸、グリセロリン酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。かかる塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。それらの濃度は、ハロゲン原子含有イオンに対して、モル比で0.001〜1000の範囲が好ましく、より好ましくは0.01〜50、さらに好ましくは0.04〜5の範囲で用いられる。
電解質溶液には、水溶性のチタン化合物を含有させても良い。水溶性のチタン化合物は一般的に水溶液中で加水分解してチタン酸化物を生成するため、これを含有させることにより、電解酸化により生じた多孔質のチタン酸化物の表面に、さらに加水分解によりチタン酸化物が生成することとなり、多孔質チタン酸化物の電解質溶液への再溶解を防ぎ構造を強固にすることができる。かかる水溶性のチタン化合物としては、チタンイソプロポキシド等のチタンアルコキシド、三塩化チタン、四塩化チタン、フッ化チタン、テトラフルオロチタン酸アンモニウム、硫酸チタン、硫酸チタニル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。その濃度は、ハロゲン原子含有イオンに対して、モル比で0.001〜1000の範囲が好ましく、より好ましくは0.01〜50、さらに好ましくは0.04〜5の範囲で用いられる。
上記の材料と電解酸化条件によって得られた多孔質チタン−チタン酸化物複合体は、必要により、加熱処理、加圧処理、電子線照射、チタン酸化物の吸収波長の光照射等の後処理を行うことで、任意の結晶型に結晶化させることができる。例えば、加熱処理の場合、100℃〜1200℃、好ましくは150℃〜800℃の温度で、10分〜500分、好ましくは10分〜300分処理を行うことで結晶化する。これらの処理後も多孔質チタン酸化物の構造は崩壊しない。
得られた多孔質チタン−チタン酸化物複合体上には、表面積をより増大させる目的でさらに酸化物半導体を形成してもよい。酸化物半導体を形成する方法としては、真空蒸着法、化学的蒸着法、スパッタリング法などの気相法、スピンコート法、ディップコート法、液相成長法などの液相法、溶射法や固相反応を用いた方法などの固相法、熱処理法、半導体微粒子コロイドを塗布する方法が挙げられる。
半導体微粒子の粒径は一般にnm〜μmのオーダーであるが、投影面積を円に換算したときの直径から求めた一次粒子の粒径は好ましくは5〜200nm、より好ましくは8〜100nmである。また、分散液中の二次粒子の平均粒径は好ましくは0.01〜10μmである。
半導体微粒子を塗布する方法としては、アプリケーション系としてローラ法、ディップ法等、メータリング系としてエアーナイフ法、ブレード法等、またアプリケーションとメータリングを同一部分にできるものとしてワイヤーバー法、スライドホッパー法、エクストルージョン法、カーテン法等が挙げられる。また汎用機としてスピン法やスプレー法も好ましい。湿式印刷方法としては凸版、オフセット及びグラビアの三大印刷法をはじめ、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等が好ましい。これらの中から液粘度やウェット厚さに応じて成膜方法を選択してよい。
半導体微粒子を多孔質チタン−チタン酸化物複合体上に塗布した後、半導体微粒子同士の電気的接触を向上させるとともに、塗膜強度や多孔質チタン−チタン酸化物複合体との密着性を向上させるために、加熱処理するのが好ましい。加熱処理においては、100℃〜1200℃、好ましくは300℃〜800℃の温度で、10分〜500分、好ましくは30分〜160分処理を行う。
加熱処理後、四塩化チタン水溶液を用いた化学メッキ処理や三塩化チタン水溶液を用いた電気化学的メッキ処理、またはフッ化チタンやヘキサフルオロチタン酸アンモニウム、硫酸チタニルを含む水溶液を用いた結晶の液相成長を施すことで、半導体微粒子同士及び多孔質チタン−チタン酸化物複合体と半導体微粒子との密着性をさらに向上させることもできる。
上記のようにして製造した多孔質チタン−チタン酸化物複合体は、触媒もしくは触媒担体として好適に使用することができる。多孔質チタン−チタン酸化物複合体は通常の電解酸化皮膜と比べて、比表面積が格段に大きく、低次酸化物が少ないために生じる電子、正孔、フォノンあるいはそれらの複合体をトラップする不純物サイトが少なく、それらが伝播する効率が良い。そのため、紫外線吸収剤、遮蔽剤、吸着剤や光活性触媒等に使用した場合、特に光触媒に使用した場合に、従来と比較して、それらの作用の大幅な向上が期待できる。なお、触媒担体として使用する場合には、通常、白金、ニッケル、銀等の金属を担持して使用することができる。
上記のように作製された多孔質チタン−チタン酸化物複合体は、色素増感型光電変換素子に好ましく用いることができる。色素増感型光電変換素子は、導電層、感光層、電荷輸送層および透明対極導電層をこの順に積層した構成を有する。多孔質チタン−チタン酸化物複合体を用いる場合には、導電層に多孔質チタン−チタン酸化物複合体のチタン部分を用い、感光層に多孔質チタン−チタン酸化物複合体の多孔質チタン酸化物部分を用いる。光電変換素子に強度を付与するために、透明導電層の下地として透明基板を設けてもよい。なお、対極導電層および任意で設ける基板からなる層を対極と呼び、対極は透明であることを要する。このような光電変換素子のうち、発電をさせるために外部負荷に接続したものが光電池であり、光学的情報のセンシングを目的に作られたものが光センサーである。光電池の中で、電荷輸送材料が主としてイオン輸送材料からなるものを光電気化学電池と呼び、また太陽光による発電を主目的とするものを太陽電池と呼ぶ。
上記光電変換素子において、色素により増感した多孔質チタン酸化物を含む感光層に入射した光は色素等を励起し、励起された色素等中の高エネルギーの電子は多孔質チタン酸化物の伝導体に渡され、さらに拡散して導電層に到達する。このとき色素は酸化体となっている。光電池において、導電層中の電子が外部回路で仕事をしながら透明対極導電層及び電荷輸送層を経て色素の酸化体に戻り、色素が再生する。感光層はアノードとして働き、透明対極導電層はカソードとして働く。それぞれの層の境界では、各層の構成成分同士が相互に拡散混合してもよい。
多孔質チタン−チタン酸化物複合体は、適切な増感色素を吸着させることによりチタン部分が導電層に、多孔質チタン酸化物部分が感光層になる。感光層において、色素増感した多孔質チタン酸化物は感光体として作用し、光を吸収して電荷分離を行い電子と正孔を生じる。光吸収及びこれによる電子及び正孔の発生は主として色素において起こり、多孔質チタン酸化物はこの電子を受け取り伝達する役割を担う。すなわち、多孔質チタン酸化物は光励起下で伝導体電子によるアノード電流を与えるn型半導体である。
感光層に用いる多孔質チタン酸化物は、金属化合物の溶液で処理してもよい。金属化合物としては、例えばスカンジウム、イットリウム、ランタノイド、ハフニウム、ニオブ、タンタル、ガリウム、インジウム、ゲルマニウム、アルミニウム、亜鉛、ストロンチウム、タングステン、ジルコニウム及びスズからなる群から選ばれる金属のアルコキシド、ハロゲン化物等が使用できる。金属化合物の溶液は通常水溶液またはアルコール溶液である。なお、処理とは多孔質チタン酸化物に色素を吸着させる前に、該多孔質チタン酸化物と上記溶液をある時間接触させる操作をいう。接触後に多孔質チタン酸化物に上記金属化合物が吸着していてもしていなくてもよい。処理の具体的方法としては、多孔質チタン酸化物を該溶液に浸漬する方法が好ましい例として挙げられる。また、溶液をスプレー状に一定時間吹き付ける方法も適用できる。浸漬する際の溶液の温度は特に限定されないが、典型的には−10℃〜70℃であり、好ましくは0℃〜40℃である。浸漬する時間は特に限定されず、典型的には1分〜24時間であり、好ましくは30分〜15時間である。浸漬の後、多孔質チタン酸化物を水等の溶媒で洗浄してもよい。また、浸漬やスプレー処理によって多孔質チタン酸化物に付着した物質の結合を強めるために加熱してもよい。加熱条件は、上述した条件と同様に設定すればよい。
感光層に用いる増感色素は、可視域や近赤外域に吸収特性を有し半導体を増感し得るものであれば特に限定されないが、金属錯体色素、有機色素、天然色素、半導体が好ましい。色素の分子中にカルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホニル基、ホスホニル基、カルボキシルアルキル基、ヒドロキシアルキル基、スルホニルアルキル基、ホスホニルアルキル基などの官能基を有するものが好適に用いられる。金属錯体色素としては、ルテニウム、オスミウム、鉄、コバルト、亜鉛、水銀の錯体(例えばメリクルクロム)や、金属フタロシアニン、クロロフィル等を用いることができる。また、有機色素としては、シアニン系色素、ヘミシアニン系色素、メロシアニン系色素、キサンテン系色素、トリフェニルメタン系色素、金属フリーフタロシアニン系色素等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。色素として用いることができる半導体としては、i型の光吸収係数が大きなアモルファス半導体や直接遷移型半導体、量子サイズ効果を示し、可視光を効率よく吸収する微粒子半導体が好ましい。通常、各種の半導体や金属錯体色素や有機色素の一種、または光電変換の波長域をできるだけ広くし、かつ変換効率を上げるため、二種類以上の色素を混合することができる。また目的とする光源の波長域と強度分布に合わせるように、混合する色素とその割合を選ぶことができる。
色素を金属酸化物に付着させる方法としては、溶媒に色素を溶解させた溶液を、金属酸化物上にスプレーコートやスピンコートなどにより塗布した後、乾燥する方法により形成することができる。この場合、適当な温度に基板を加熱しても良い。またはチタン酸化物を溶液に浸漬して吸着させる方法を用いることもできる。浸漬する時間は色素が十分に吸着すれば特に制限されることはないが、好ましくは10分〜30時間、より好ましくは10分〜20時間である。また、必要に応じて浸漬する際に溶媒や基板を加熱しても良い。好ましくは溶液にする場合の色素の濃度としては、1〜1000mmol/L、好ましくは10〜500mmol/L程度である。
用いる溶媒は特に制限されるものではないが、水及び有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノールなどのアルコール類、アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリル、グルタロニトリルなどのニトリル類、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレンなどの芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、2−ブタノンなどのケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ニトロメタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホアミド、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホラン、ジメトキシエタン、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ジオキソラン、スルホラン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸エチルジメチル、リン酸トリブチル、リン酸トリペンチル、リン酸トリへキシル、リン酸トリヘプチル、リン酸トリオクチル、リン酸トリノニル、リン酸トリデシル、リン酸トリス(トリフフロロメチル)、リン酸トリス(ペンタフロロエチル)、リン酸トリフェニルポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。
色素間の凝集等の相互作用を低減するために、界面活性剤としての性質を持つ無色の化合物を色素吸着液に添加し、チタン酸化物に共吸着させてもよい。このような無色の化合物の例としては、カルボキシル基やスルホ基を有するコール酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、タウロデオキシコール酸等のステロイド化合物やスルホン酸塩類等が挙げられる。
未吸着の色素は、吸着工程後、速やかに洗浄により除去するのが好ましい。洗浄は湿式洗浄槽中でアセトニトリル、アルコール系溶媒等を用いて行うのが好ましい。
色素を吸着させた後、アミン類、4級アンモニウム塩、少なくとも1つのウレイド基を有するウレイド化合物、少なくとも1つのシリル基を有するシリル化合物、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等を用いて、多孔質チタン酸化物の表面を処理してもよい。好ましいアミン類の例としては、ピリジン、4−t−ブチルピリジン、ポリビニルピリジン等が挙げられる。好ましい4級アンモニウム塩の例としてはテトラブチルアンモニウムヨージド、テトラヘキシルアンモニウムヨージド等が挙げられる。これらは有機溶媒に溶解して用いてもよく、液体の場合はそのまま用いてもよい。
電荷輸送層は、色素の酸化体に電子を補充する機能を有する電荷輸送材料を含有する。上述した色素増感型太陽電池で用いられる電荷輸送材料は、イオンが関わる電荷輸送材料であっても、固体中のキャリア移動が関わる電荷輸送材料であってもよい。イオンが関わる電荷輸送材料としては、酸化還元対イオンが溶解した溶液、酸化還元対の溶液をポリマーマトリックスのゲルに含浸したゲル電解質組成物、固体電解質組成物等が挙げられ、固体中のキャリア移動が関わる電荷輸送材料としては、電子輸送材料や正孔輸送材料等が挙げられる。これらの電荷輸送材料は複数併用してもよい。
イオンがかかわる電荷輸送材料としての電解液は、電解質、溶媒及び添加物から構成されることが好ましい。電解液に用いる電解質の例としては、ヨウ素とヨウ化物(LiI、NaI、KI、CsI、CaI2等の金属ヨウ化物、テトラアルキルアンモニウムヨーダイド、ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイド等の4級アンモニウム化合物ヨウ素塩等)の組み合わせ、臭素と臭化物(LiBr、NaBr、KBr、CsBr、CaBr、CaBr2等の金属臭化物、テトラアルキルアンモニウムブロマイド、ピリジニウムブロマイド等の4級アンモニウム化合物臭素塩等)の組み合わせ、フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩やフェロセン−フェリシニウムイオン等の金属錯体、ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール−アルキルジスルフィド等のイオウ化合物、ビオロゲン色素、ヒドロキノン−キノン等が挙げられる。中でも、I2と、LiI又はピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイド等の4級アンモニウム化合物ヨウ素塩とを組み合わせた電解質が好ましい。電解質は混合して用いてもよい。
溶媒としては、一般に電気化学セルや電池に用いられる溶媒であればいずれも使用することができる。具体的には、無水酢酸、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、プロピレンカーボネート、ニトロメタン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホアミド、エチレンカーボネート、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホラン、ジメトキシエタン、プロピオンニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ジオキソラン、スルホラン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリプロピル、リン酸エチルジメチル、リン酸トリブチル、リン酸トリペンチル、リン酸トリへキシル、リン酸トリヘプチル、リン酸トリオクチル、リン酸トリノニル、リン酸トリデシル、リン酸トリス(トリフフロロメチル)、リン酸トリス(ペンタフロロエチル)、リン酸トリフェニルポリエチレングリコール、及びポリエチレングリコール等が使用可能である。特に、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルスルホキシド、ジメトキシエタン、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、スルホラン、ジオキソラン、ジメチルホルムアミド、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、メトキシプロピオニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ジオキソラン、スルホラン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチルが好ましい。また、常温溶融塩類も用いることができる。ここで、常温溶融塩とは、常温において溶融している(すなわち液状の)イオン対からなる塩であり、通常、融点が20℃以下であり、20℃を越える温度で液状であるイオン対からなる塩を示すものである。溶媒はその1種を単独で使用しても良いし、また2種以上を混合して使用しても良い。
また、4−t−ブチルピリジン、2−ピコリン、2,6−ルチジン等の塩基性化合物を前述の溶融塩電解質組成物や電解液に添加することが好ましい。塩基性化合物を電解液に添加する場合の好ましい濃度範囲は0.05〜2mol/Lである。溶融塩電解質組成物に添加する場合、塩基性化合物はイオン性基を有することが好ましい。溶融塩電解質組成物全体に対する塩基性化合物の質量比は、好ましくは1〜40質量%であり、より好ましくは5〜30質量%である。
ポリマーマトリックスとして使用できる材料としては、高分子マトリックス単体で、あるいは可塑剤の添加や、支持電解質の添加、または可塑剤と支持電解質の添加によって固体状態またはゲル状態が形成されれば特に制限はなく、一般的に用いられるいわゆる高分子化合物を用いることができる。
上記高分子マトリックスとしての特性を示す高分子化合物としては、ヘキサフロロプロピレン、テトラフロロエチレン、トリフロロエチレン、エチレン、プロピレン、アクリロニトリル、塩化ビニリデン、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、スチレン、フッ化ビニリデンなどのモノマーを重合または共重合して得られる高分子化合物を挙げることができる。またこれらの高分子化合物は単独で用いても良く、また混合して用いても良い。これらの中でも、特にポリフッ化ビニリデン系高分子化合物が好ましい。
また、イオン伝導性電解質の代わりに、有機固体正孔輸送材料、無機固体正孔輸送材料、或いはこの両者を組み合わせた材料を使用することもできる。
好ましく使用できる有機正孔輸送材料の例としては、トリフェニレン誘導体類、オリゴチオフェン化合物、ポリピロール、ポリアセチレン及び/又はその誘導体、ポリ(p−フェニレン)及び/又はその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)及び/又はその誘導体、ポリチエニレンビニレン及び/又はその誘導体、ポリチオフェン及び/又はその誘導体、ポリアニリン及び/又はその誘導体、ポリトルイジン及び/又はその誘導体等の導電性高分子も好ましく使用することができる。その際、ドーパントレベルをコントロールするためにトリス(4−ブロモフェニル)アミニウムヘキサクロロアンチモネートのようなカチオンラジカルを含有する化合物を正孔輸送材料に添加してもよい。また、金属酸化物半導体表面のポテンシャル制御(空間電荷層の補償)を行うためにLi[(CF3SO22N]のような塩を添加してもよい。
無機正孔輸送材料としてはp型無機化合物半導体を用いることができ、そのバンドギャップは好ましくは2eV以上、より好ましくは2.5eV以上である。また、p型無機化合物半導体のイオン化ポテンシャルは、色素の正孔を還元するためには色素吸着電極のイオン化ポテンシャルより小さいことが必要である。使用する色素によってp型無機化合物半導体のイオン化ポテンシャルの好ましい範囲は異なるが、一般に好ましくは4.5〜5.5eV、より好ましくは4.7〜5.3eVである。好ましいp型無機化合物半導体は1価の銅を含む化合物半導体であり、その例としてはCuI、CuSCN、CuInSe2、Cu(In,Ga)Se2、CuGaSe2、Cu2O、CuS、CuGaS2、CuInS2、CuAlSe2等が挙げられる。中でも、CuI及びCuSCNが好ましく、CuIが最も好ましい。他のp型無機化合物半導体の例としては、GaP、NiO、CoO、FeO、Bi23、MoO2、Cr23等が挙げられる。
電荷輸送層は2通りの方法のいずれかにより形成できる。1つ目の方法は感光層と対極を貼り合わせておき、その間隙に液状の電荷輸送層を挟み込む方法である。2つ目の方法は感光層上に直接電荷輸送層を付与する方法で、対極はその後付与することになる。
前者の方法の場合、電荷輸送層を挟み込む際には、浸漬等による毛管現象を利用する常圧プロセス、または常圧より低い圧力にして間隙の気相を液相に置換する真空プロセスを利用できる。
後者の方法において湿式の電荷輸送層を用いる場合は、通常未乾燥のまま対極を付与しエッジ部の液漏洩防止措置を施す。またゲル電解質組成物を用いる場合には、これを湿式で塗布した後で重合等の方法により固体化してよい。固体化は対極を付与する前に行っても後に行ってもよい。電解液、湿式有機正孔輸送材料、ゲル電解質組成物等からなる電荷輸送層を形成する場合は、前述の半導体微粒子層の形成方法と同様の方法を利用できる。
固体電解質組成物や固体正孔輸送材料を用いる場合には、真空蒸着法やCVD法等のドライ成膜処理で電荷輸送層を形成し、その後対極を付与することもできる。有機正孔輸送材料は真空蒸着法、キャスト法、塗布法、スピンコート法、浸漬法、電解重合法、光電解重合法等により電極内部に導入することができる。無機固体化合物はキャスト法、塗布法、スピンコート法、浸漬法、電解析出法、無電解メッキ法等により電極内部に導入することができる。
対極は導電性材料からなる対極導電層の単層構造でもよいし、対極導電層と支持基板から構成されていてもよい。支持基板は、好ましくは透明なガラス基板又はプラスチック基板であり、これに上記の導電剤を塗布又は蒸着して用いることができる。色素増感光電変換素子は対極側から光を照射するので、光透過率が大きいことが必要であり、具体的には光透過率は30%以上が好ましく、50%以上がより好ましい。一方、対極の表面抵抗は低いほうが好ましいが、光透過率が大きくなるほど対極の表面抵抗は大きくなり、好ましくは50Ω/sq.以下、より好ましくは20Ω/sq.以下である。
対極導電層に用いるのは白金、金、ニッケル、チタン、アルミニウム、銅、銀、タングステン等の金属や炭素材料、導電性有機物等の比抵抗の小さな材料であれば制限されないが、透明性の低い材料を用いた場合は、全体の光透過率を向上させるため、支持基板上に導電材の細線パターンを形成して表面抵抗が低く、かつ透明性の高い対極を作製する必要がある。
また、透明性の高い導電性材料としては、スズや亜鉛などの金属酸化物に、他の金属元素を微量ドープした酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide)(ITO(In23:Sn))、酸化インジウム亜鉛(Indium Zinc Oxide)(IZO(In23:Zn))、フッ素をドープした酸化スズ(Fluorine doped Tin Oxide)(FTO(SnO2:F))、アルミニウムをドープした酸化亜鉛(Aluminum doped Zinc Oxide)(AZO(ZnO:Al))などの金属酸化物からなる導電膜等などがあり、これに金属(白金、金、銀、銅、アルミニウム、マグネシウム、インジウム等)や炭素等を少量併用してもよい。
対極は電荷輸送層上に直接導電剤を塗布、メッキ又は蒸着(PVD、CVD)するか、導電層を有する基板の導電層側を貼り付けて設置すればよい。対極の抵抗を下げる目的で金属リードを用いても良い。金属リードは白金、金、ニッケル、チタン、アルミニウム、銅、銀等の金属からなるのが好ましく、アルミニウム又は銀からなるのが特に好ましい。透明基板上に金属リードを蒸着、スパッタリング等で設置し、その上にフッ素をドープした酸化スズ、ITO膜等からなる透明対極導電層を設けるのが好ましい。また、透明対極導電層を透明基板に設けた後、透明対極導電層上に金属リードを設置することも好ましい。金属リード設置による入射光量の低下は、好ましくは10%以内、より好ましくは1〜5%とする。
本発明によれは、このような方法で作製した多孔質チタン−チタン酸化物複合体を画像センサーで評価することによって、均一性と緻密性を定量的に評価することができる。次に評価の手順について詳細に説明する。
評価にあたっては、まず標準品となる色相を画像センサーに記憶させることが必要である。ここでいう標準品とは、例えば均一かつ緻密に多孔質チタン酸化物が生成していることがわかっている小型の多孔質チタン−チタン酸化物複合体サンプルであってもよいし、何らかの色見本を用いても良い。いずれにせよ、基準となる色の色彩、彩度、明度を決めることが重要である。
標準となる色を記憶させたら、測定対象の多孔質チタン−チタン酸化物複合体を画像センサーでスキャンし、標準となる色の色彩、彩度、明度の範囲に適合する箇所の面積を評価する。適合箇所の面積は、一般に画素数で表され、均一かつ緻密であるほどこの値は大きくなる。すなわち、この方法で得た画素数によって、多孔質チタン酸化物部分の均一性と緻密性を定量的に評価することができる。
以上の測定を行うにあたって、多孔質チタン−チタン酸化物複合体をそのまま用いてもよいが、色相の濃淡をより明確に出したいときは、多孔質チタン−チタン酸化物複合体に色素を吸着させて測定することもできる。このときに用いる色素は何であっても良いが、明度があまりに低い色素だと逆に濃淡がわかりにくくなるため、明度がある程度高いものを用いることが好ましい。この方法を用いるときは、当然ながら、標準品も同等の色を着色したものでなくてはならない。
この方法で得た画素数は、多孔質チタン−チタン酸化物複合体を光電変換素子材料等として用いたときの性能と相関があることがわかっている。したがって、画像センサーで測定した画素数は多孔質チタン−チタン酸化物複合体を工業生産したときの品質管理基準値として用いることができる。
本発明の方法により、多孔質チタン−チタン酸化物複合体をはじめとする多孔質金属−金属酸化物複合体の均一性と緻密性を定量的に評価することができる。
次に、実施例によって本発明をさらに詳しく説明する。
[実施例1]
焼鈍工程で仕上げを行ったJIS1種チタン板(寸法16×35mm、厚さ0.4mm)を電解酸化用の材料として用意した。これを走査型電子顕微鏡で観察したところ、オイルピットと思われる凹部が1平方ミリメートルあたり約1400個の密度で存在しており、その平均的な形状は長さ30μm程度、幅2μm程度であった。このチタン板を薄くスライスして断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、凹部の深さは0.3μm程度であった。
このチタン板を用いて、次の手順で電解酸化を実施した。
まず、前処理として、チタン板をエタノール中で5分間超音波洗浄し、表面に付着した油脂等を取り除いた。前処理が終了したチタン板を陽極として、ほぼ同一形状の陰極板と平行かつ距離が20mmになるように、1000mlビーカーの上部に固定した。このビーカーをチタン板が半分程度浸かるまで濃度0.8mmol/lの過塩素酸水溶液で満たした。チタン板(陽極)および陰極をそれぞれ直流電源とコードで接続し、電圧30Vの電流を60分間流し続けた。この間に流れた電流値は80〜100mA、60分間の総電荷量は180クーロンであった。電解酸化が終了したチタン板を蒸留水で軽く洗浄し、高圧空気で乾燥させた。
電解酸化終了後のチタン板は、表面全体が白色の物質で緻密かつ均一に覆われていた。これを走査型電子顕微鏡で観察し、白色の物質がナノチューブ形状の多孔質チタン酸化物であることを確認した。
この多孔質チタン酸化物の表面を画像センサー(キーエンス製CV−3500)により色抽出を行い画像解析した。
カメラはCV−200C(200万画素カラーカメラ)、高解像度レンズCA−LH8、照明は斜光照明によりLED照明(バー方式)1対で行った。カメラと対象物間距離は150mm、照明間距離は180mm、照明と対象物間高さは80mm保ち照明バーを45度の角度に設定した。
画像センサーの色抽出条件は、抽出エリアを1cm2に設定し、H(色相)を最小3−最大150、S(彩度)を最小0−最大88、V(明度)を最小100−最大255とし、この条件で画素数を求めた。
図1は、測定のためにおける画像センサーと対象物の配置関係を模式的に示したものである。試料ステージ1上に、評価対象2を載置した。評価対象2の上方の80mmの位置に、1対の棒状の照明(光源)3を配置した。照明3の相互の間隔は180mmとした。1対の照明3の間のちょうど中間の位置であって評価対象2の上方の150mmの位置に、画像センサーのCCDカメラ4を配置し、評価対象を撮像した。CDDカメラ4からの画像信号はコントローラ5に取り込まれ、コントローラ5において、上述した各画素ごとの色相、彩度、明度の算出、画素の抽出、抽出された画素数の算出などが行われる。
[実施例2]
実施例1の方法で電解酸化時間を30分、60分、90分、120分と変化させた試料を作製しそれぞれの画素数の比較を行った結果、目視で白色度が高いものほど、抽出した画素数が高くなった。図2は、抽出画素数と電解酸化時間との関係について得られた結果を示している。
[実施例3]
実施例2の方法で得られた試料を、ルテニウム色素(Rutenium 535-bisTBA: SOLARONIX社製)のエタノール溶液(3.0×10-4mol/L)に15時間浸し、色素を吸着させた。その後、色素を吸着させた試料に対して赤色度に基づいて画素の抽出を行った。その結果、実施例2で得られた白色度の画素数が高いものほど、色素吸着した赤色度を抽出した画素数が高く、両者の相関が得られた。さらに、色素を吸着した試料切片をアルカリ溶液(10mM NaOH水溶液)に浸して色素を再分離し、その吸光度より色素量を算出した結果、実施例2の抽出画素数と色素吸着量との相関が得られた。図3は、抽出画素数と色素吸着量との関係について得られた結果を示している。
[実施例4]
実施例1で用いたチタン板の寸法を10cm×10cmに調整し電解酸化用の材料とし、次の手順で電解酸化を実施した。
まず、前処理として、チタン板をエタノール中で5分間超音波洗浄し、表面に付着した油脂等を取り除いた。前処理が終了したチタン板を陽極として、1.2t×200W×150Lの陰極板(品名:エクセロードR2000/0.1μ、材質TP340、トーホーテック社製)と平行かつ距離が20mmになるように、25cm×15cm×22cmの電解槽に固定した。この電解槽にチタン板が全面浸かるまで濃度0.8mmol/lの過塩素酸水溶液7000mlで満たした。チタン板(陽極)および陰極をそれぞれ直流電源とコードで接続し、電圧60Vの電流を60分間流し続けた。この間に流れた電流値は550〜900mA、60分間の総電荷量は3000クーロンであった。電解酸化が終了したチタン板を蒸留水で軽く洗浄し、高圧空気で乾燥させた。
実施例2で電解酸化時間120分行って得られた多孔質チタン酸化物切片(試料A)1cm2の面積を画像センサーにより検出したい色だけを抽出することを目的にエリア分析(色抽出)の後に2値化(カラー2値)処理を行った。かくして得られた指定色の色抽出値はH(色相)が144、S(彩度)が26、V(明度)が107であった。1cm2あたりの抽出画素数は10,707画素(ピクセル)であった。図4は、試料Aから二値化処理によって抽出された画素を示すモニター画像の図である。なお、図において白色部分が抽出された画素である。
以上を基本設定として、前述の10cm×10cm電解酸化した多孔質チタン酸化物(試料B)表面の全面積を画像センサーでエリア分析し、2値化処理した抽出画素数は522,916画素/100cm2であった。基本設定値の試料との単位面積当たりの比較では試料Aは10,707画素/1cm2に対し試料Bは5,229画素/1cm2となり緻密性は試料Aの49%となった。図5は、試料Bから二値化処理によって抽出された画素を示すモニター画像の図である。なお、図において白色部分が抽出された画素である。
また、均一性については2値化画像処理画面で確認したところ試料Bは中央部分が緻密で白色部分が多く、周囲は粗く黒色が部分的あることから均一性の指標とすることができた。
本発明によれば、色素増感型太陽電池や光センサーなどの光電変換素子や、光触媒として用いられる多孔質金属−金属酸化物複合体の状態(例えば、緻密性や均一性など)を定量的に評価することが可能になる。したがって本発明を適用することにより、事前に多孔質金属−金属酸化物複合体を評価することで、より性能に優れた光電変換素子や光触媒を製造することが可能になる。
実施例1における、対象物と画像センサーとの配置関係を示す図である。 実施例2における、多孔質チタンーチタン酸化物複合体の電解酸化時間による白度と抽出された画素数との関係を示すグラフである。 実施例3における、色素吸着量と抽出した画素数との関係を示すグラフである。 実施例4における試料Aを2値化処理したモニター画像を示す図である。 実施例4における試料Bを2値化処理したモニター画像を示す図である。
符号の説明
1 試料ステージ
2 対象物
3 照明(光源)
4 CCDカメラ
5 コントローラ

Claims (6)

  1. 多孔質金属−金属酸化物複合体の表面状態を評価する評価方法において、
    画像センサーを用いて、多孔質金属−金属酸化物複合体を撮像し、
    撮像された画像中における各画素の色相、彩度および明度の少なくとも1つを算出し、
    算出された前記色相、彩度および明度の少なくとも1つが所定の範囲内あるいは所定の値である画素を抽出し、
    抽出された画素に基づいて、多孔質金属酸化物部分を定量的に評価することを特徴とする評価方法。
  2. 前記多孔質酸化物部分の白度に基づいて前記画素を抽出し、抽出された画素の数に応じて前記多孔質金属酸化物部分を定量的に評価する、請求項1に記載の評価方法。
  3. 抽出された画素の数と、撮像された画像における前記多孔質金属−金属酸化物複合体に対応した全画素数との比によって、前記多孔質金属酸化物部分を定量的に評価する、請求項1に記載の評価方法。
  4. 多孔質金属−金属酸化物複合体の表面状態を評価する評価方法において、
    前記多孔質金属−金属酸化物複合体に色素を吸着させ、
    画像センサーを用いて、色素吸着後の多孔質金属−金属酸化物複合体を撮像し、
    撮像された画像中における各画素の色相、彩度および明度の少なくとも1つに基づいて、画素ごとに着色度を算出し、
    着色度に基づいて画素を抽出し、
    抽出された画素に基づいて、多孔質金属酸化物部分を定量的に評価することを特徴とする評価方法。
  5. 前記多孔質金属−金属酸化物複合体に対して前記画像センサーを走査させながら、前記多孔質金属−金属酸化物複合体の表面の各部分領域ごとの評価を繰り返して実行する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の評価方法。
  6. 前記多孔質金属−金属酸化物複合体が多孔質チタン−チタン酸化物複合体である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の評価方法。
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