JPH05214026A - オレフィン重合用触媒、その製法及びそれを使用するオレフィンの重合方法 - Google Patents

オレフィン重合用触媒、その製法及びそれを使用するオレフィンの重合方法

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JPH05214026A
JPH05214026A JP4274207A JP27420792A JPH05214026A JP H05214026 A JPH05214026 A JP H05214026A JP 4274207 A JP4274207 A JP 4274207A JP 27420792 A JP27420792 A JP 27420792A JP H05214026 A JPH05214026 A JP H05214026A
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    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F4/00Polymerisation catalysts
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単に製造でき、使用するのも特に簡単かつ
容易であると同時に高い活性を有する触媒を提供する。 【構成】 以下の工程を含むオレフィンの重合のための
触媒を製造する方法: a)第IVb族、第IIIa族及び第IVa族の元素の酸素含有
化合物から選ばれる化合物(A)の少なくとも1つを含
有するキャリアーを少なくとも1つのクロム塩と混合す
る工程; b)該クロム塩の融点よりも低い温度で酸化雰囲気下で
加熱することによって前記混合物を予備活性化して触媒
前駆体を得る工程; c)少なくとも一部のクロムが六価クロムに転化される
条件で、酸化雰囲気下でか焼することによってこの前駆
体を活性化する工程。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オレフィン重合用触媒
の製法、この方法によって得られた触媒及びこれら触媒
の存在下でオレフィンを重合する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シリカ、アルミナ、ジルコニアまたはト
リアであてっもよいキャリアー上に堆積したクロムを含
有する触媒でエチレンの如きオレフィンを重合すること
は公知である。殆どの場合、これら触媒の調製は、クロ
ムの一部が六価クロムに転化されるような条件下で、酸
化雰囲気中でか焼する最終工程を含む〔米国特許第 2,8
25,721号(フィリップス石油)〕。これら触媒は、一般
に、クロム化合物の水溶液または有機溶液中にキャリア
ーを分散することにより得られる。この方法による触媒
の工業的製造は、触媒を乾燥し、クロム溶液を再循環
し、クロム溶液を排出する前にクロム化合物を含有する
と思われる排出液を処理する。このような方法は工程が
長く複雑である。より簡単な方法は、三酸化クロム(Cr
O3)とキャリアーを均質に溶媒なしで混合し、次いで、
これをか焼するものである〔米国特許第 2,825,721号
(フィリップス石油)〕。キャリアー上へのクロムの分
散は、93〜190℃の温度で反応体を混合することに
よって向上する〔英国特許第 814,295号(フィリップス
石油)〕。それでも、このようにして得られた触媒は重
合に不活性な三酸化二クロム(Cr2O3)凝集物を大量に有
し、この凝集物はポリマーの特性を変化させるだけでそ
れ自体は変化しないで得られたポリマー中に残る。
【0003】有機クロム化合物とキャリアーとをドライ
ブレンドした後に、177℃、290℃及び900℃で
都合のよい平坦域を含む非酸化雰囲気下での熱処理によ
ってクロム含有触媒を製造する方法も記載されている
〔米国特許第 3,953,413号(ケンプレックス社)〕。こ
の方法で得られた触媒は、黒い炭素残を含み、メジオク
レ(mediocre)活性を示す。該炭素残を除去するのに充
分な短い時間、酸化媒体中で後処理することによってこ
の加熱処理を完了すればそれらの能力は向上する〔米国
特許第 4,053,437号(ケンプレックス社)〕。かかる著
しく長く複雑な操作は、不活性雰囲気中で作用する能力
のある複雑な装置を使用しなければならない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、簡単に製造
でき、使用するのも特に簡単かつ容易であると同時に高
い活性を有する触媒を提供することを目的とするもので
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】今や、著しく簡単で、如
何なる溶媒も使用せず、かつ、このタイプの方法におけ
る上記のような欠点がない、オレフィン重合用の触媒を
製造する方法を見出した。このため、本発明は、以下の
工程を含むオレフィン重合用の触媒を製造する方法に関
する: a)以下に規定された化合物(A)の少なくとも1つを
含有するキャリアーを少なくとも1つのクロム塩と混合
する工程; b)該クロム塩の融点よりも低い温度で酸化雰囲気下で
加熱することによって前記混合物を予備活性化する工
程; c)少なくとも一部のクロムが六価クロムに転化される
条件で、酸化雰囲気下でか焼することによってこの前駆
体を活性化する工程。
【0006】本発明の方法に使用することのできるキャ
リアーは、周期律表の第IVb族、第IIIa族及び第IVa族
の元素の酸素含有化合物から選ばれる少なくとも1つの
化合物(A)を含有する粉末である〔化学と物理のハン
ドブック(The Handbook of Chemistry and Physics)第
50版,B−3頁,1969〜1970〕。従って、チタン、ジ
ルコニウム、アルミニウム、シリコンまたはトリウムの
酸化物、リン酸アルミニウム及びそれらの混合物は、化
合物(A)として使用することができる。特に良好な結
果をもたらすキャルアーは、シリカ、アルミナ、リン酸
アルミニウムまたはこれら化合物の混合物を化合物
(A)として含有するキャリアーである。
【0007】より高いメルトインデックスを反映したよ
り低い平均分子量を示すポリマーであって、従来の加工
方法を使用してより容易に転化できるポリマーを製造で
きる触媒を得るのが望ましい場合には、これらキャリア
ーは、周期律表の第IVb族及び第IIIa族の少なくとも1
つの元素の化合物(B)の少なくとも1つを含有するこ
とができる。この化合物(B)は化合物(A)とは異な
る化合物であって、例えば、チタン、ジルコニウム及び
アルミニウム化合物から選択され、チタン化合物が殆ど
の場合に好ましい。一般に、化合物(A)がこれらキャ
リアーの主な成分である。一般に、その濃度は、キャリ
アーの総重量に関して、少なくとも50重量%、好まし
くは90重量%より高い濃度、より好ましくは93重量
%より高い濃度である。キャリアーの他の成分は一般に
化合物(B)から選ばれる。
【0008】化合物(A)がシリカである場合、最も良
好な結果をもたらす化合物(B)は、チタン、ジルコニ
ウム及びアルミニウムの酸化物、及びリン酸アルミニウ
ムである。化合物(B)がチタンまたはジルコニウムの
酸化物である場合、シリカ中におけるその濃度は、殆ど
の場合、キャリアーの総重量に関して、少なくとも0.1
重量%、好ましくは少なくとも0.5重量%、より好まし
くは少なくとも1重量%である。一般に、化合物(B)
の濃度は、キャリアーの総重量の15%、好ましくは1
0%、より好ましくは6%を越えない。化合物(B)と
してアルミニウム化合物を含有するシリカをベースとす
るキャリアーの場合には、該アルミニウム化合物の濃度
は本質的に高いのであるが、一般に、キャリアーの総重
量に関して、0.1〜50重量%である。例えば、このシ
リカ中50重量%までのリン酸アルミニウム(AlPO4)を
含有するシリカをベースとするキャリアーを使用した場
合、または0.5〜20重量%のアルミナを含ませること
によって、非常に良好な結果が得られる。
【0009】化合物(A)がアルミナである場合、キャ
リアー中の Al2O3の濃度は、キャリアーの総重量に関し
て、一般に、80重量%、特に85重量%よりも高い。
キャリアーの総重量に関して、0.1〜20重量%、好ま
しくは0.5〜15重量%のリン酸アルミニウムまたは二
酸化チタンを含有するアルミナをベースとするキャリア
ーが、特に良好な結果をもたらす。化合物(A)がリン
酸アルミニウムであるキャリアーも本発明の方法に使用
することができる。その場合、化合物(B)は殆どの場
合、シリカ、アルミナ及び二酸化チタンから選ばれる。
本発明の方法で使用することのできるキャリアーは、一
般に、5〜200μmの大きさの粒子からなり、更に以
下の特徴を有することによって特徴付けられる: −一般に3m2/g、好ましくは150m2/gより高い比
表面積;かくして該比表面積は900m2/gにまで達す
る。最も普通に使用されるキャリアーは、200〜70
0m2/gの比表面積を有し、そして、 −気孔容積が0.1〜3.5 cm3/g、好ましくは1〜2.5
cm3/g、より好ましくは1.2〜2. 2 cm3/gであ
る。
【0010】本発明による方法では、粒子サイズの狭い
分散度を示すキャリアーを使用することが有利であるこ
とが分かる。かかるキャリアーは本技術分野では公知で
ある。それらの製造法は、例えば、再沈澱及び共沈澱法
を使用したり、如何なる他の公知の方法、特に、コロイ
ド溶液のゲル化の如き方法を使用する従来法で行うこと
ができる。チタン化合物を含有するキャリアーの個別的
な場合には、これら化合物も、米国特許第 3,622,521号
(フィリップス石油)に記載のように、チタンアルコラ
ートの非水性溶液をキャリアーに含浸させることによっ
て導入され得る。なお、この特許の内容は参照によって
本明細書に含まれる。本発明による方法で使用され得る
キャリアーは、複数の化合物(A)及び複数の化合物
(B)を含有することができる。
【0011】本発明による方法の有利な態様において
は、化合物(A)は化合物(B)を含有するガスで固体
状態で処理される。この目的のために、化合物(B)
は、好ましくは、ハロゲン化物、例えば、四塩化チタン
または四フッ化ケイ素の形で使用される。本発明による
方法のこの態様は、固定床式反応器内、攪拌された反応
器内または流動床式反応器内または回転式反応器内で行
うことができる。最良の結果は、化合物(B)を含有す
るガスによって流動化された化合物(A)の粒子の床を
使用した流動床内で得られる。この流動化ガスは化合物
(B)からなることができる。一般に、それは化合物
(B)並びに化合物(A)と化合物(B)に対して不活
性なキュリアーガスからなり、その機能は化合物(B)
を流動床中に載せることにある。キュリアーガスの例と
して、窒素、アルゴン、空気及びそれらの混合物を挙げ
ることができ、乾燥状態のものが好ましい。この有利な
態様において、化合物(A)を化合物(B)で処理する
前に何らかの公知の方法、特に、室温から焼結温度の間
の温度に加熱することによって、化合物(A)を予備活
性化することが望ましい。
【0012】本発明による方法の工程(a)は、キャリ
アーと少なくとも1つのクロム塩を均一に混合すること
からなる。この混合は如何なる公知の方法によっても行
うことができる。しかしながら、クロム塩とキャリアー
を簡単に接触させた後、適度に均一な混合物が得られる
ように攪拌することが好ましい。殆どの場合、キャリア
ーとクロム塩の混合は室温で行われる。本発明の方法に
おいては、キャリアーのクロム塩との混合は、前記のク
ロム化合物を溶解する溶媒の有意な量が存在しない状態
で行われる。本発明による方法で使用され得るクロム塩
は、塩化クロム、硝酸クロム及び硫酸クロムまたはクロ
ム酸アンモニウムまたは重クロム酸アンモニウムの如き
無機のクロム塩及び酢酸クロム、クロム酸t-ブチルまた
はアセチルアセトンクロムの如き有機のクロム塩であ
る。有機のクロム塩が特に好ましい。それらのうち、ア
セチルアセトンクロムが特に良好な結果をもたらす。
【0013】該混合物中に導入されるクロム塩の量は、
該混合物の総重量に関して、クロムが0.05〜10重量
%、好ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは0.25
〜2重量%の比率で存在するような量である。クロム塩
は一般に粉末の形をとり、好ましくは、工程(b)及び
(c)の間に工程(a)で得られたキャリアーとクロム
塩混合物が相凝離を起こさないで均一なままでいるのに
適した粒子サイズを示すことである。この目的のため
に、クロム塩はキャリアーのサイズと同じオーダーの大
きさの粒子からなるのが好ましい。非常に良好な結果を
もたらすクロム塩の粉末は、5〜200μmのサイズで
ある。クロム塩の粒子が比較的大きい場合には、予めそ
れらを粉砕することが有用である。従って、この塩を使
用する条件を正確に決定するには、予備的な日常の試験
が必要である。化合物(A)に加えて化合物(B)を含
むキャリアーを使用する本発明による方法の好ましい態
様においては、工程(a)を化合物(A)の粒子及びク
ロム塩の床中で行う。化合物(A)の粒子及びクロム塩
は化合物(B)を含むガスによって流動化される。
【0014】予備活性化工程(b)は、酸化雰囲気下で
上記の混合物をクロム塩の融点よりも低い温度に加熱す
ることによって行い、触媒前駆体を得る。一般に、予備
活性化温度が前記クロム塩の融点よりも少なくとも5
℃、好ましくは少なくとも20℃、より好ましくは少な
くとも40℃低い場合に良好な結果が得られる。とはい
え、この温度は室温よりも高い温度である。一般に、こ
の温度は室温よりも少なくとも30℃、より好ましくは
少なくとも60℃高い。例えば、クロム塩(酢酸クロム
及びアセチルアセトンクロム)の融点が200℃付近で
ある場合は、最適な予備活性化温度は100〜195℃
であり、該混合物を125〜190℃で予備活性化する
ときに最良の結果が得られる。クロム塩がその融点未満
の温度で分解するときは、予備活性化工程(b)の温度
は前記クロム塩の分解温度よりも低いことは明らかであ
る。工程(b)での処理時間は、一般に0.5〜18時間
であり、好ましくは1〜6時間である。該混合物を1.5
〜3時間予備活性化した場合に特に良好な結果が得られ
る。この操作は触媒を上記で使用したのと同じ固定床式
反応器内に保持することによって行われる。予備活性化
工程(b)を回転式反応器または流動床式反応器内で行
う場合に最良の結果が得られる。予備活性化工程(b)
は環境空気、乾燥空気または分子状酸素雰囲気下で行
う。乾燥空気雰囲気下で行うのが好ましい。工程(b)
及び特にそれを行う適当な温度は、続く活性化〔工程
(c)〕の間、キャリアー上へのクロムの良好な分散の
保証と Cr2O3凝集物の形成の回避を可能にする本発明の
方法の重要な特徴である。
【0015】該触媒前駆体は一般に酸化雰囲気下でのか
焼によって活性化工程(c)に付され、オレフィン重合
用の活性触媒が得られる。この最終工程はクロム化合物
の少なくとも一部を六価の酸化クロムに転化する効果を
有する。この活性化は、公知の方法で、適宜乾燥空気ま
たは分子状酸素の存在下、少なくとも300℃、好まし
くは少なくとも400℃、より好ましくは少なくとも4
50℃の温度で加熱することによって行うことができ
る。か焼温度は一般に1200℃、好ましくは1000
℃及びより好ましくは950℃を越えない。活性化は一
般に30分〜50時間、より好ましくは2〜20時間行
われる。この操作は例えば触媒を石英製の環状反応器内
に乾燥空気パージ下で保持することによって、または触
媒を材料が冷却するまで乾燥空気とともに流動床中に保
持することによって行われる。温度上昇は、連続的にま
たは1または複数の平坦域を示すように行ってもよい。
活性化工程(c)は該混合物の予備活性化工程(b)の
あとに同じ反応器内で直接に行うことができることは明
らかである。クロムは一般に、触媒の総重量を基準にし
て、最終触媒中に0.05〜10重量%、好ましくは0.1
〜5重量%、より好ましくは0.25〜2重量%存在す
る。
【0016】本発明によるオレフィン重合用触媒の製造
方法の利点の1つは、使用するのが特に簡単かつ容易で
あると同時に特に活性な触媒を製造する点にある。更
に、それはキャリアー上へのクロム化合物の良好な分布
を保証する。更に、これら触媒は殆どの場合にポリマー
の品質に影響を及ぼす Cr2O3凝集物を含まない。本発明
による方法のもう1つの利点は、クロム化合物の溶液の
使用やその後のこれら溶液の再循環及び排出処理を排除
するのを可能にする点である。本発明は、また、上記の
ようにして得られたオレフィン重合用触媒自体に関す
る。一般に、これら触媒は良好な触媒特性を有する。特
に、クロム塩がアセチルアセトンクロムである場合、以
下に示すような特に短い誘導時間を示す非常に活性な触
媒が得られる。
【0017】最後に、本発明は上記の触媒の存在下でオ
レフィンを重合する方法に関する。本明細書に記載した
クロム触媒は、1分子中に2〜8の炭素原子を含有する
オレフィンの重合及び共重合に使用することができ、特
にエチレンホモポリマー及びエチレンと上記したより分
子量の高いオレフィンから選択された1またはそれ以上
のコモノマーとのコポリマーの製造に使用することがで
きる。これらコモノマーは好ましくはプロピレン、1−
ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−
ヘキセン、3−及び4−メチル−1−ペンテン並びに1
−オクテンである。4〜18の炭素原子を含有するジオ
レフィンも、エチレンと共重合することができる。ジオ
レフィンは好ましくは1,4−ヘキサジエンの如き非共役
脂肪族ジオレフィン、4−ビニルシクロヘキセンの如き
非共役単環式ジオレフィンまたはジシクロペンタジエ
ン、メチレン−及びエチリデンノルボルネンの如き環内
架橋を含有する脂環式ジオレフィンまたは1,3−ブタジ
エン、イソプレン及び1,3−ペンタジエンの如き共役脂
肪族ジオレフィンである。
【0018】本発明による触媒は、特にエチレンホモポ
リマー及び少なくとも90重量%、好ましくは少なくと
も95重量%エチレンのコポリマーについてよく研究さ
れている。好ましいコモノマーはプロピレン、1−ブテ
ン、1−ヘキセン及び1−オクテンである。重合反応
は、炭化水素希釈剤での溶液中、懸濁液中または気相中
での重合の如き如何なる公知の方法によっても行うこと
ができる。本発明の触媒は、広い範囲で変動するメルト
インデックス及び分子量分布を示すポリマーの製造のた
めの懸濁重合での使用に特に利点を有し、これら2つの
パラメーターは、例えば、重合条件、キャリアー活性化
条件、その形態学等の、当該技術分野でよく知られた方
法によって制御可能である。該懸濁重合は、液体の脂肪
族、環状脂肪族及び芳香族炭化水素の如き炭化水素希釈
剤中で、形成されたポリマーがそれに溶解しないような
温度で行われる。好ましい希釈剤は、n−ブタン、n−
ヘキサン及びn−ヘプタンの如き線状アルカン、及びイ
ソブタン、イソペンタン、イソオクタン及び2,2−ジメ
チルプロパンの如き分枝状アルカン、及びシクロペンタ
ン及びシクロヘキサンの如き環状アルカン、及びこれら
希釈剤の混合物である。重合温度は、一般に、20〜2
00℃、好ましくは50〜150℃、特に80〜115
℃の範囲で選択される。エチレン圧は、殆どの場合、大
気圧から50バール、好ましくは4〜20バール、より
好ましくは5〜15バールである。重合は連続的でも非
連続的なものであってもよい。
【0019】以下の実施例は本発明を説明するために供
される。これら実施例において使用される記号の意味、
挙げられた量を表す単位及びこれら量の測定法を以下に
説明する。 T1 =℃で表された予備活性化温度〔工程(b)〕 H1 =時間(h)で表された予備活性化時間〔工程
(b)〕 T2 =℃で表されたか焼温度〔工程(c)〕 H2 =時間(h)で表されたか焼時間〔工程
(c)〕 α =触媒1g当たり1時間当たりに得られた不溶
性ポリマーのg数で表され、かつ、希釈剤中のエチレン
のモル分率で割った触媒活性 tind =誘導時間、即ち、触媒の導入と重合の開始の
特徴である圧力低下現象の間に経過する時間 MI =メルトインデックス、190℃で21.6kg
の負荷の下に測定してg/10分で表した値(ASTM
標準D1238) HLMI=メルトインデックス、190℃で21.6kg
の負荷の下に測定してg/10分で表した値(ASTM
標準D1238)
【0020】
【実施例】実施例1〜4 A−触媒の調製 以下の表Iに教示したキャリアーを、混合物のクロム含
有量が10g/kgに等しくなる量で、アセチルアセト
ンクロム粉末とガラス容器中で手動で混合した〔工程
(a)〕。次いで、該混合物を乾燥空気で流動化された
床を有する反応器に配置し、表Iに教示した如く温度T
1 で時間H1 の間加熱した〔工程(b)〕。温度T1
アセチルアセトンクロムの融点(210℃)より低い温
度である。次に、このようにして得られた触媒前駆体
を、室温に戻す前に、H2 時間、温度T2 での加熱処理
によってエアーパージ下に同じ反応器内で活性化した
〔工程(c)〕。触媒は、完全に均質で Cr2O3凝集物を
含まない粉末であった。
【0021】B−エチレンの重合 参考条件 1Lのイソブタンを攪拌器を備えた予備乾燥した3Lの
オートクレーブに導入し、次いで、エチレンの圧力が6.
6バールになる前に107℃に昇温し、Aで調製した触
媒100mgを導入した。重合の間、流速を測定しなが
らエチレンを供給することによって、反応器内の圧力を
一定に保った。流速の測定から計算したエチレン消費量
が触媒1g当たり2500gのポリエチレンの生成効率
に対応するに至った時点で、ガス抜きをして重合反応を
停止した。触媒の調製条件及び重合反応におけるその能
力を以下の表Iに纏めた。
【0022】
【表1】 表 I ─────────────────────────────── 実施例 1 2 3 4 ─────────────────────────────── キャリアー SiO2 SiO2/TiO2 SiO2/ZrO2 SiO2/Al2O3 組成 重量% 100 97.7/2.3 94.3/5.7 87/13 商品名 532 チコーゲル ジルコゲル MS13/110 (Ticogel) (Zrcogel) No.2 No.1 メーカー グレース(Grace) 〃 〃 〃 触媒の調製 工程(b) T1 190 150 150 150 H1 2 2 2 2 工程(c) T2 815 815 700 815 H2 5 5 5 5 Cr2O3 凝集物 なし なし なし なし 重合能力 活性、α 45121 72848 36069 47203 tind 15 12 12 12 MI 1.51 0.72 0.34 0.15 HLMI 88.5 49.76 64 14.6 ───────────────────────────────
【0023】比較例5R〜8R これら例は比較のために行われたものである。比較例5
R、6R及び7Rの触媒は、アセチルアセトンクロムを
三酸化クロムで置き換えた以外は、それぞれ実施例1、
2及び3で得られたものと同じである。比較例8Rの触
媒は、温度T1 での予備活性化工程(b)を省略した以
外は実施例1と同じくして調製したものである。参考条
件下で行った重合試験の結果を以下の表IIに示した。
【0024】
【表2】 表 II ─────────────────────────────── 実施例 5R 6R 7R 8R ─────────────────────────────── キャリアー SiO2 SiO2/TiO2 SiO2/Al2O3 SiO2 組成 重量% 100 97.7/2.3 94.3/5.7 100 商品名 532 チコーゲル MS13/110 532 No.2 メーカー グレース(Grace) 〃 〃 〃 触媒の調製 工程(b) T1 190 150 150 − H1 2 2 2 − 工程(c) T2 815 815 815 815 H2 5 5 16 5 Cr2O3 凝集物 あり あり あり あり 重合能力 活性、α 37563 33719 5622 31799 tind 16 20 22 22 MI 1.25 0.84 − 1.95 HLMI 71.4 49.3 3.6 91 ───────────────────────────────
【0025】実施例9 A−触媒の調製 グレース製の532粉末を流動床中で700℃、16時
間、乾燥空気で予備か焼した。次いで、該予備か焼した
キャリアーを、該キャリアーが四塩化チタンで飽和する
まで液体の四塩化チタンと、窒素で流動化した流動床中
で100℃で処理した。次いで、混合物のクロム含有量
が10g/kgに等しくなる量で、アセチルアセトンク
ロム粉末を流動床中に添加した〔工程(a)〕。次に、
このようにして得られた触媒前駆体を、室温に戻す前
に、5時間、700℃の温度での加熱処理によってエア
ーパージ下に同じ流動床中で活性化した〔工程
(c)〕。触媒は、完全に均質で Cr2O3凝集物を含まな
い粉末であった。B−エチレンの重合 Aで得た触媒を使用して、実施例1〜4に記載した操作
を繰り返した。重合において、次の能力が発揮された。 活性、α=45293 tind =10 MI =1.49 HLMI=83.2

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の工程を含むオレフィンの重合のた
    めの触媒を製造する方法: a)第IVb族、第IIIa族及び第IVa族の元素の酸素含有
    化合物から選ばれる化合物(A)の少なくとも1つを含
    有するキャリアーを少なくとも1つのクロム塩と混合す
    る工程; b)該クロム塩の融点よりも低い温度で酸化雰囲気下で
    加熱することによって前記混合物を予備活性化して触媒
    前駆体を得る工程; c)少なくとも一部のクロムが六価クロムに転化される
    条件で、酸化雰囲気下でか焼することによってこの前駆
    体を活性化する工程。
  2. 【請求項2】 該キャリアーが、シリカ、アルミナ、リ
    ン酸アルミニウムまたはこれら化合物の混合物を化合物
    (A)として含有することを特徴とする、請求項1記載
    の方法。
  3. 【請求項3】 該キャリアーが、更に、第IVb族及び第
    IIIa族の少なくとも1つの元素の、化合物(A)とは異
    なる少なくとも1つの化合物(B)を含有することを特
    徴とする、請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 キャリアーを形成するために、化合物
    (B)を含有するガスで化合物(A)を固体状態で処理
    することを特徴とする、請求項3記載の方法。。
  5. 【請求項5】 化合物(B)を含有するガスによって流
    動化された、化合物(A)の粒子の床が使用されること
    を特徴とする、請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 化合物(B)が四塩化チタンであること
    を特徴とする、請求項4または5記載の方法。
  7. 【請求項7】 化合物(A)を化合物(B)で処理する
    前に、化合物(A)を予備活性化することを特徴とす
    る、請求項4〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 クロム塩が、有機のクロム塩から選ばれ
    ることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記
    載の方法。
  9. 【請求項9】 クロム塩が、アセチルアセトンクロムで
    あることを特徴とする、請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 クロム塩が、該混合物の総重量に関し
    て0.05〜10重量%で変化する比率で該混合物中に存
    在することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項
    に記載の方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか1項に記載
    の方法で得られたオレフィンを重合するための触媒。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の触媒の存在下でオレ
    フィンを重合する方法。
  13. 【請求項13】 エチレンの重合に適用される、請求項
    12記載の方法。
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