JPH05213730A - チロシナーゼ活性抑制剤 - Google Patents

チロシナーゼ活性抑制剤

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JPH05213730A
JPH05213730A JP4018876A JP1887692A JPH05213730A JP H05213730 A JPH05213730 A JP H05213730A JP 4018876 A JP4018876 A JP 4018876A JP 1887692 A JP1887692 A JP 1887692A JP H05213730 A JPH05213730 A JP H05213730A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 一般式(1)で表されるコウジ酸配糖体を有
効成分とすることを特徴とするチロシナーゼ活性抑制
剤。 式(1) 〔式中Rは6炭糖類、5炭糖類、アミノ糖類、二糖類、
三糖類である〕 【効果】 本発明のチロシナーゼ活性抑制剤は、コウジ
酸と同様に優れたチロシナーゼ活性抑制効果を有し、し
かも、水溶性が高く、極めて安定性が良好で、味が改良
されているため、これを医薬品、医薬部外品、化粧品、
食品および駆虫剤中に配合しても経時的に分解したり、
着色したりすることがなく、色白化粧料、色素沈着症治
療剤、美白食品、甲殻類の褐変防止剤、鮮度保持剤など
として使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、チロシナーゼ活性抑制
剤に関するものであり、より詳しくは、水溶性が高く、
安定性に優れ、味の改良された新規なコウジ酸配糖体を
有効成分とするチロシナーゼ活性抑制剤に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】コウジ酸(2−ヒドロキシメチル−5−
ヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン)は、優れたチロ
シナーゼ活性抑制作用を有することから、例えば、特公
昭61−10447号、特開昭60−137253号、
特開昭62−198372号、特開平1−132502
号報などに開示されているように、美白剤、褐変防止
剤、鮮度保持剤、駆虫剤などに利用されてきた。
【0003】しかしながら、コウジ酸は、溶液状態とし
て高温保持または長期間保存した場合に不安定となり、
製剤化した後の、貯蔵や販売における流通過程及び使用
時又は使用後の保存時に、経時的に着色するという欠点
を有している。したがって、従来から、製剤化の際には
流通段階において製品価値が損なわれないよう種々の処
方上の工夫が施されてきた。このような技術を開示する
ものとしては、例えば、特開昭61−109705号公
報、特開昭62−108804号公報、特開昭63−1
88609号公報、特開昭63−270619号公報、
特開昭64−83008号公報及び特開平3−1016
09号公報などがあげられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの技術によっ
て、コウジ酸の着色はかなり改善されてきたが、配合量
や成分の組合せに特定の条件があり処方設計が難しかっ
たため、さらに製剤設計しやすく経時的にも安定なコウ
ジ酸誘導体の開発が望まれていた。
【0005】また、コウジ酸には上記欠点の他に、食品
中に配合使用した場合に味が悪いという官能上の欠点が
あり、特にコウジ酸を多量配合した食品は苦みを感じる
ことが多かったため、味の改善されたコウジ酸誘導体の
開発が望まれていた。
【0006】本出願人は、新規なコウジ酸配糖体を見い
だし、特願平2−150525号、特願平2−2682
28号、特願平2−268229号、特願平3−238
418号として特許出願をした。さらに、前記コウジ酸
配糖体の特性などについて度重なる追試を行い、その好
適な用途を模索していたところ、前記コウジ酸配糖体
が、著しいチロシナーゼ活性抑制作用を有し、しかも、
水溶性が高く、経時的安定に優れ、かつ、食品中に配合
した時の味が、コウジ酸のような苦みを感じることもな
く、このような特性を生かして、チロシナーゼ活性抑制
作用が求められる各種の用途に応用できるという知見を
得、本発明を完成させた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる特性を
有する新規なコウジ酸配糖体の有用な用途を提供するも
のである。すなわち、本発明によれば、一般式(1) で表
されるコウジ酸配糖体を有効成分とすることを特徴とす
るチロシナーゼ活性抑制剤が提供される。
【化2】 式(1) (式中、Rは、6炭糖類、5炭糖類、アミノ糖類、二糖
類、三糖類である)
【0008】
【発明の具体的説明】本発明のコウジ酸配糖体は、コウ
ジ酸の2位の−CH2 OH基に糖類を結合させることに
よって、コウジ酸酸分子を安定化させ、味を改良したも
のであって、一般式(1)で示される構造式を有してい
る。
【化3】 式(1)
【0009】一般式(1)において、Rは6炭糖類、5
炭糖類、アミノ糖類、二糖類、三糖類であり、6炭糖類
としては、例えばグルコース、ガラクトース、マンノー
ス、フラクトース、ソルボースなどが挙げられ、5炭糖
類としては、リボース、アラビノース、キシロース、リ
キリース、キシルロースなどが挙げられ、アミノ糖類と
しては、例えばグルコサミン、マンノサミン、ガラクト
サミンなどが挙げられ、二糖類としては、例えばマルト
ース、ラクトース、セロビオース、シュークロースなど
が挙げられ、三糖類としては、例えばマルトトリオー
ス、セロトリオースなどが挙げられる。
【0010】本発明のコウジ酸配糖体は、合成法、酵素
法、培養法のいずれでも製造することができ、いずれも
使用できるものであるが、生産性や経済性などのことを
考慮すれば、酵素法または培養法で製造されたコウジ酸
配糖体が好ましい。
【0011】一般的には、酵素、例えばアミラーゼ、ホ
スホリラーゼ、リゾチームなどの糖転移反応を利用して
合成するか、または糖の1位の未反応−OH基とコウジ
酸を化学反応的に結合させて製造することができる。
【0012】次に、このようにして得られるコウジ酸配
糖体の性質について調べたところ、一般式(1)で示さ
れるコウジ酸配糖体は、コウジ酸に比べて安定で水溶性
が高く、味が著しく改善されていることが判明した。ま
た、さらに有効性について調べたところ、コウジ酸と同
様にチロシナーゼ活性抑制作用を有していることから、
医薬品、医薬部外品、化粧品および食品などのチロシナ
ーゼ活性抑制作用が求められる種々の用途に使用できる
ことが判明した。
【0013】医薬品としては、例えば、シミ、老人性黒
子、内因性肝斑、母斑などの皮膚の真皮部分に発症する
色素沈着症治療剤に対しても、優れたチロシナーゼ活性
抑制作用を及ぼし、さらに、医薬部外品や化粧品として
は、例えば色白剤などとして有用なものである。
【0014】また、食品としては、例えば、そのチロシ
ナーゼ活性抑制作用が求められる、褐変防止剤、鮮度保
持剤などとして使用され、さらに、その味感覚の良さを
生かして、美白食品として有効であり、その他にも、例
えば甲殻類や魚類の黒変防止剤、生鮮食品や野菜などの
鮮度保持剤、あるいは駆虫剤などの種々の用途が挙げら
れる。
【0015】本発明のコウジ酸配糖体を有効成分として
配合した医薬品、医薬部外品および化粧品の剤型として
は、外用可能な種々の形態、例えばクリーム、軟膏、乳
剤、注射剤、リニメント剤、パップ剤、プラスター剤、
点眼剤、ペースト剤、ローション、乳液、エッセンス、
パック、ゲル剤、口紅、ファンデーション、ヘアシャン
プー、ヘアリンス、ヘアトニックなどの公知の形態の
他、経口可能な固形や液状の種々の形態、例えばカプセ
ル剤、錠剤、顆粒剤、粉剤、シロップ剤、ドリンク剤な
どの公知の形態に製剤化して自由に使用でき、その基剤
も皮膚および毛髪施用上あるいは内服上許容しうる任意
の液状及び固形状の原料を幅広く使用できることは言う
までもないことである。
【0016】有効成分としては、コウジ酸配糖体以外に
公知の有効成分、例えば色白剤として使用されているア
スコルビン酸、ハイドロキノン、リキリチン及びそれら
の誘導体、コウジ酸及びコウジ酸誘導体、末梢血管拡張
剤として使用されているセファランチン、ビタミンE、
ビタミンEニコチネート、ニコチン酸、ニコチン酸アミ
ド、ニコチン酸ベンジル、ショウキョウチンキ、トウガ
ラシチンキ、清涼剤として使用されているカンフル、メ
ントール、抗菌剤として使用されているヒノキチオー
ル、塩化ベンザルコニウム、ウンデシレン酸、消炎剤と
して使用されている塩化リゾチーム、グリチルリチン、
アラントイン、動物・植物由来の各種抽出物である甘草
エキス、センブリエキス、ニンニクエキス、ニンジンエ
キス、オウゴンエキス、ローズマリーエキス、アロエエ
キス、胎盤抽出液、肝臓抽出物などから選ばれる1種又
は2種以上を適宜選択して自由に併用することができ
る。
【0017】その際、必要に応じて防腐剤、香料、安定
剤、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、保湿剤、増粘
剤など種々の公知の添加剤を加えることもできる。
【0018】本発明のチロシナーゼ活性抑制剤の有効成
分であるコウジ酸配糖体は、1種類のみの配合でもよい
が、2種類以上を適宜組合わせて使用することもでき
る。コウジ酸配糖体の配合量は適用部位、症状の度合、
剤型などによって適宜変更してよいが、通常0.01な
いし50.00重量%程度、好ましくは0.05ないし
20.00重量%程度を製剤中に配合する。
【0019】本発明のコウジ酸配糖体を美白食品として
使用した場合の形態は、例えばゼリー、ドリンク、ジャ
ム、ビスケット、飴、チョコレートなど一般に使用され
る飲食するために加工した種々の公知の形態を使用でき
る。
【0020】また、褐変防止剤、鮮度保持剤として使用
する場合は、例えば、特開昭62−198372号、特
開昭63−269942号、特開平1−257427号
報などに開示されているように、野菜、海産物、餌料な
どに公知の使用法でコウジ酸配糖体を使用することがで
きる。
【0021】その際、必要に応じて食品として使用可能
な公知の他のチロシナーゼ活性抑制剤、例えばアスコル
ビン酸、コウジ酸などの他、防腐剤、香料、安定剤、着
色剤、乳化剤、酸化防止剤、調味料、増粘剤など種々の
公知の添加剤、例えばアルコール、プロタミン、赤色2
号、黄色4号、BHA、カラギーナン、天然香料、β−
カロチンモノグリセライド、グルタミン酸ナトリウム、
ソルビトール、ステビア、果糖、クエン酸などを加える
こともできる。
【0022】本発明のコウジ酸配糖体の配合量は、食品
の形態などによって適宜変更してよいが、通常0.01
ないし10.00重量%程度、好ましくは0.05ない
し5.00重量%程度を食品中に配合すると良い。
【0023】本発明のコウジ酸配糖体を駆虫剤として使
用した場合の形態は、例えばペースト、溶液、パウダー
などの種々の公知の形態が使用できる。
【0024】その際、必要に応じて他の公知の駆虫剤、
防腐剤、香料、安定剤、着色剤、酸化防止剤、増量剤、
増粘剤など種々の公知の添加剤、例えばコウジ酸、ジフ
ルベンゾウロン、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム、ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノールイ
ソプロピルアルコール、ポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテル、カオリン、ケイ酸などを加えることもで
きる。
【0025】本発明のコウジ酸配糖体の配合量は、駆虫
剤の形態などによって適宜変更してよいが、通常0.0
1ないし80.00重量%程度、好ましくは0.10な
いし50.00重量%程度を駆虫剤中に配合すると良
い。
【0026】配合するコウジ酸配糖体は、いずれの場合
も、精製したものを用いても良いが、反応液や培養液を
そのまま使用することもできる。
【0027】次に、本発明の有効成分であるコウジ酸配
糖体の製造法、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品およ
びその他の実施例並びにその効果の試験例を挙げるが、
これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0028】
【実施例】以下、コウジ酸配糖体の具体的な製造例、及
び各用途の処方例並びにその効果について説明する。
【0029】コウジ酸配糖体の製造例製造例1 (コウジ酸グルコシド、コウジ酸マルトシド) (液体培養法)種菌として、アスペルギルス・アルバス
IFO4310株を用い、これをペプトン0.2%添加
ポテトデキストロース寒天(栄研化学社製)斜面培地に
接種し、30℃で1週間培養を行った。種母培地とし
て、ブドウ糖4%、コーンスターチ4%、ペプトン0.
5%、リン酸2水素カリウム0.15%、硫酸マグネシ
ウム・7水塩0.05%およびニッコールBC−10T
X(日光ケミカルズ社製の商品名)0.1%の水溶液形
態をpH4に調製したものを用いて、これを2000ml
容のフラスコに1000ml充填し、121℃で15分
間殺菌して室温まで冷却したのち、前記種菌を接種し
た。培養は温度32℃、振盪回数120回/分、振幅5
cmで48時間振盪培養し、種母を調製した。
【0030】本培養の培地として、可溶性デンプン10
%、ペプトン0.5%、リン酸2水素カリウム0.15
%、硫酸マグネシウム・7水塩0.05%およびニッコ
ールBC−10TX0.1%の水溶液形態を pH 4に調
整したものを用いて、これを30リットル容ジャーファ
ーメンター(丸菱理化学研究所製)3連の各槽に20リ
ットルずつ充填し、121℃で15分間殺菌して32℃
まで冷却したのち、前記種菌を接種した。培養は温度3
2℃、通気量20L/分および回転速度350ないし4
00rpm で120時間培養した後、コウジ酸2%と可溶
性デンプン10%を添加し、さらに18時間培養を行な
った。培養液中のコウジ酸グルコシドの濃度は、1.1
%、コウジ酸マルトシドの濃度は、0.6%であった。
【0031】製造例2(酵素法)(コウジ酸グルコシ
ド) 可溶性デンプン30g とコウジ酸9g を0.05M酢酸
緩衝液( pH 4.2)200mlに溶解し、α−アミラ
ーゼ(カビ製、シグマ社)12mgを添加後、撹拌しな
がら30℃で37時間反応を行った。95℃で5分間加
熱して反応を停止させた。
【0032】本反応液をクロマト用活性炭素(和光純薬
工業社製)カラムを通して、ほとんどの糖を除去した
後、50%エタノールでコウジ酸およびコウジ酸グルコ
シドを溶出させた。溶出液を減圧濃縮して得たシロップ
にコウジ酸の種晶を添加後、4℃で一夜冷却し晶出せし
めた。析出したコウジ酸をろ別後、ろ液をセファデック
スLH−20(Pharmacia)カラムにかけ、コウジ酸グル
コシド画分を集め、減圧濃縮後、−4℃に冷却しコウジ
酸グルコシドを析出せしめた。再結晶を2回繰り返した
後、凍結乾燥して製品を得た。収量は約4g であった。
【0033】製造例3(酵素法) (コウジ酸フラクト
シド) サッカロース60g とコウジ酸9g を0.05M酢酸緩
衝液(pH4.0)200mlに溶解し、インベルターゼ
(酵母製、和光純薬工業社)1.0mlを添加後、撹拌
しながら30℃で2時間反応を行った。95℃で5分間
加熱して反応を停止させた。本反応液を製造例2と同様
に処理し、コウジ酸フラクトシド製品を得た。収量は約
3.5g であった。
【0034】製造例4(酵素法) (コウジ酸ガラクト
シド) ラクトース60g とコウジ酸11g を0.05M酢酸緩
衝液(pH4.0)200mlに溶解し、β−ガラクトシ
ダーゼ(カビ製、TOYOBO社)4mgを添加後、撹拌
しながら45℃で22時間反応を行なった。95℃で5
分間加熱し反応を停止させた。本反応液を製造例2と同
様に処理した。収量は約8g であった。
【0035】製造例5(合成法)(コウジ酸マンノシ
ド) 無水アセトニトリル及び無水N,N−ジメチルホルムア
ミド(1:1)の混合溶液100mlにコウジ酸0.5
g(3.5mmol)、マンノース6.4g(35mmol) 及び強
酸性イオン交換樹脂5g を加え、撹拌しながら24時間
還流した。反応後、強酸性イオン交換樹脂を加熱濾過に
より、濾液を減圧留去した。残渣からODSカラムによ
りコウジ酸マンノシドを精製した。ODSカラムの溶媒
には、7%アセトニトリル水溶液を用いた。収量は0.
36g (収率34%)であった。
【0036】製造例6 (化学合成法) (コウジ酸セ
ロトリオシド) コウジ酸3g をエタノ−ル150ml/KOH2.17
g に加えた。別に、臭化−α−デカアセチルセロトリオ
ース19.1g をクロロホルム150mlに溶解した溶
液を調製し、先のエタノ−ル溶液に加え加熱還流した。
3時間後、水約800mlを加え、有機層をクロロホル
ム400mlで3回抽出した。抽出したクロロホルム層
を水400mlで2回洗浄し、MgSO4 を加え一夜放
置し乾燥した。クロロホルムを減圧留去後、乾固物をエ
タノ−ル50mlで3回再結晶させ、白色結晶2.32
g を得た。上記の操作を5回繰り返した。
【0037】さらに、ナトリウム0.95g をメタノー
ル30mlに加え、氷浴中で撹拌混合した。この溶液に
上記の方法で合成したコウジ酸デカセチルセロトリオシ
ド10.0g をメタノール70mlに溶解した溶液を徐
々に加え、撹拌した。1時間後、1N−H2 SO4 で中
和した(pH6.5)。エバポレターで溶媒を留去後、乾
固物に熱エタノ−ル50mlを加え、抽出を3回行っ
た。15mlに濃縮後、4℃で一夜放置し析出した結晶
をろ別すると、3.28g の白色結晶(コウジ酸セロト
リオシド)を得た。
【0038】安定性試験 (試験方法)各種コウジ酸配糖体30mM水溶液(pH
5.0)を調整し、45℃に1か月間放置後、溶液の着
色度を調べた。肉眼観察及びOD420nmでの吸光度で
溶液の着色度を調べた。対象としてコウジ酸30mM
(pH5.0)を用いた。
【0039】(試験結果)表1に示したように、1ケ月
後コウジ酸配糖体7種類すべて色調の変化は認められ
ず、OD420nmでの吸光度の変化も認められなかっ
た。一方、コウジ酸溶液では着色が認められ、OD42
0nmの吸光度は、0.008から0.112まで上昇し
た。
【0040】
【0041】溶解性試験 各種コウジ酸配糖体の20℃での水に対する溶解度を調
べた。各種コウジ酸配糖体0.5g を試験管に採り、2
0℃の恒温漕中で20℃の水を少量ずつ加え、完全に溶
解する水の量を求めた。結果を表2に示した。
【0042】 各種コウジ酸配糖体の溶解度は、コウジ酸の約8ないし
15倍に上昇した。
【0043】チロシナーゼ活性抑制試験 (試験方法)本発明のチロシナーゼ活性抑制剤として使
用される各種コウジ酸配糖体のインビトロでのチロシナ
ーゼ活性抑制効果を調べた。試料液として、各種コウジ
酸配糖体をそれぞれ水に溶解し、40mM溶液を調製し
た。酵素液はB16メラノーマに100mM燐酸緩衝液
(pH6.8)を加えホモジナイズ後、30,000G
で遠心分離した上澄液を用いた。酵素液100μl,1
0mMdopa液333μl,100mM燐酸緩衝液(pH
6.8)542μl,各試料液25μlを37℃でイン
キュベートし、10分間でのOD475nMの吸光度の
上昇結果を測定した。結果を表3に示した。
【0044】 この結果からも明らかなように、本発明のコウジ酸配糖
体には、著しいチロシナーゼ活性抑制効果が認められ
た。
【0045】官能試験:味覚改善 各種コウジ酸配糖体の1%水溶液の味覚試験を10人の
パネラーで行った。評価は、苦み及び甘味について、強
く感じる場合5点、普通に感じる場合3点、弱く感じる
場合1点をそれぞれ採点し、それらの平均値を測定し
た。結果を表4に示した。
【0046】 各種コウジ酸配糖体には、味覚的な改善が認められた。
【0047】次に、本発明の有用な用途の例を処方例で
示す。処方例1 クリーム (重量%) A モノステアリン酸 2.0 ポリエチレングリコール(40.E.O.) 自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 5.0 ステアリン酸 5.0 ベヘニルアルコール 1.0 流動パラフィン 10.0 トリオクタン酸グリセリル 10.0 B グリセリン 5.0 エチルパラベン 0.1 コウジ酸グルコシド 7.0 精製水 適 量 Aに属する成分を加熱溶解する。別に、Bに属する成分
を加熱溶解する。AにBを添加して撹拌、乳化後、冷却
してクリームを製造した。
【0048】処方例2 乳液 (重量%) コウジ酸フラクトシド 5.0 コウジ酸マルトシド 5.0 A モノステアリン酸ポリオキシエチレン 1.0 ソルビタン(20.E.O.) モノステアリン酸ポリオキシエチレン 0.5 ソルビット(60.E.O.) 親油型モノステアリン酸グリセリン 1.0 ステアリン酸 0.5 ベヘニルアルコール 0.5 アボカド油 4.0 トリオクタン酸グリセリン 4.0 B 1,3−ブチレングリコール 5.0 メチルパラベン 0.2 精製水 適 量 Aに属する成分を加熱溶解する。別に、Bに属する成分
を加熱溶解する。AにBを添加して有効成分であるコウ
ジ酸フラクトシド、コウジ酸マルトシドを加えて撹拌、
乳化後、冷却して乳液を製造した。
【0049】処方例3 化粧水 (重量%) コウジ酸グルコサミド 5.0 アラントイン 0.1 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60.E.O.) 8.0 エタノール 15.0 エチルパラベン 0.1 クエン酸 0.1 クエン酸ナトリウム 0.3 1,3−ブチレングリコール 4.0 エデト酸二ナトリウム 0.01 精製水 適 量 上記の各成分を混合、均一に撹拌、溶解し化粧水を製造
した。
【0050】処方例4 クリームパック (重量%) コウジ酸ガラクトシド 10.0 A ビーガム 5.0 スクワラン 2.0 プロピレングリコール 5.0 ビタミンB12 0.05 精製水 適 量 B 酸化亜鉛 10.0 C エタノール 5.0 Aに属する成分を混合、撹拌して膨潤させ、Bを少しず
つ加える。これにCを徐々に加え、さらにコウジ酸ガラ
クトシドを加えてペースト状になるまで混練しクリーム
パックを製造した。
【0051】処方例5 エッセンス (重量%) コウジ酸グルコシド 5.0 コウジ酸キシロシド 2.0 1%カルボキシビニルボリマー溶液 10.0 グリセリン 20.0 ヒアルロン酸 0.5 エタノール 1.0 精製水 適 量 上記の各成分を混合、均一に撹拌、溶解しエッセンスを
製造した。
【0052】処方例6 親水性軟膏 (重量%) コウジ酸フラクトシド 5.0 コウジ酸セロトリオシド 2.0 アスコルビン酸 0.5 A ポリオキシエチレンセチルエーテル 2.0 グリセリルモノステアレート 10.0 流動パラフィン 10.0 ワセリン 4.0 セタノール 5.0 B プロピレングリコール 10.0 メチルパラベン 0.1 精製水 適 量 Aに属する成分を加熱溶解する。別に、Bに属する成分
を加熱溶解する。AにBを添加して有効成分であるコウ
ジ酸フラクトシド、コウジ酸セロトリオシド、アスコル
ビン酸を加えて撹拌、乳化後、冷却して親水性軟膏を製
造した。
【0053】処方例7 エアゾール剤 (重量%) A コウジ酸グルコシド 2.0 コウジ酸グルコサミド 2.0 ニコチン酸ベンジル 0.01 ビタミンEアセテート 0.05 セタノール 1.2 プロピレングリコール 4.0 エタノール 8.0 精製水 ないし100 B フロン123/141b(57:43) 7.0 Aに属する成分を混合溶解してエアゾール容器に入れ、
常法によりBを容器に充填してエアゾール剤を製造し
た。
【0054】処方例8 パップ剤 (重量%) コウジ酸グルコシド 10.0 A ポリアクリル酸 30.0 モノオレイン酸ソルビタン 1.0 精製水 30.7 B ポリアクリル酸ソーダ 7.0 塩化アルミニウム 0.3 濃グリセリン 20.0 酸化チタン 1.0 Aに属する成分を加温溶解する。別に、Bに属する成分
を加温溶解する。AにBを添加して有効成分であるコウ
ジ酸グルコシドを加えて撹拌、混合し、パップ剤を製造
した。
【0055】処方例9 錠菓 (重量%) クエン酸 1.0 脱脂粉乳 15.0 ショ糖エステル 1.0 フレーバー 0.8 コウジ酸グルコシド 0.5 コウジ酸 0.05 グラニュー糖 20.0 乳糖 61.65 上記原料を均一に混合し、これを造粒して打錠して製造
した。
【0056】処方例10 キャンデー (重量%) A 粉末マルビット 83.0 クエン酸 0.4 水 14.8 B フレーバー 1.0 黄色4号 0.001 コウジ酸フラクトシド 0.4 コウジ酸ガラクトシド 0.4 Aの混合液をバキュームパンで減圧下、加熱して水分2
〜5%になるまで濃縮し、これを冷却盤上に移した後、
Bを順次加えて60℃位まで冷却し、これをローラー又
はスタンピングマシンで成型して製造した。
【0057】処方例11 駆虫剤 (重量%) コウジ酸グルコシド 10.0 コウジ酸グルコサミド 10.0 無水ケイ酸 5.0 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 2.0 カオリン 73.0 上記成分を混合し、ミキサーで微粉砕した後、20%水
和剤として製造した。
【0058】処方例12 駆虫剤 (重量%) コウジ酸グルコシド 5.0 コウジ酸マンノシド 5.0 ジメチルホルムアミド 40.0 メタノール 20.0 エタノール 10.0 イソプロピルアルコール 10.0 ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 10.0 上記成分を均一に混合溶解して乳剤を得た。
【0059】甲殻類の褐変防止作用 死直後のクルマエビ8尾ずつを5℃の滅菌水に2分間浸
漬し、さらに、0.5%コウジ酸マルトシド水溶液(5
℃)に2分間浸漬した。浸漬後、上記クルマエビをアル
ミトレイ上に並べ、4℃の冷蔵庫に保存し、クルマエビ
の外観の変化を経時的に観察した。結果を表5に示し
た。
【0060】 この結果から明らかなように、0、5%コウジ酸マルト
シド水溶液浸漬試験区のものは、対照試験区のものに比
べ、生の状態で、4℃で50時間以上にわたって優れた
褐変防止効果が認められた。
【0061】鮮度保持作用 かさの直径が5ないし6cmの生しいたけ10個ずつ
を、滅菌水(対照例)、0.5%コウジ酸フラクトシド
水溶液にそれぞれ2分間浸漬した。さらに、生しいたけ
10個に0.5%コウジ酸ガラクトシド水溶液を表裏に
噴霧した。上記の処理をした生しいたけをアルミトレイ
に並べてラップをかけ、22℃の恒温室に放置し、外観
の変化を経時的に観察した。結果を表6に示した。サン
プルAは対照例、Bはコウジ酸フラクトシド水溶液に浸
漬したもの、Cはコウジ酸ガラクトシド水溶液を噴霧し
たもの、
【0062】 この結果から明らかなように、コウジ酸フラクトシド水
溶液に浸漬したもの、または、コウジ酸ガラクトシド水
溶液を噴霧した試験区は、対照例に比べ、著しく高い鮮
度保持効果が得られた。
【0063】黒変防止作用 以下に示す配合組成に同量の水を加えマダイ用の餌料を
調製した。 コウジ酸グルコシド添加試験区には上記餌料を用い、対
照試験区にはコウジ酸グルコシドを含まない同じ組成の
餌料を使用した。飼育試験には、マダイ(体長17ない
し20cm)を各試験に20尾ずつ使用し、3か月後に
マダイの色調を判定した。投餌は1日に2回行い、1回
につき、20g/20尾wp与えた。結果を表7に示し
た。
【0064】
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、チロシナーゼ活性抑制
作用を有するコウジ酸配糖体が提供され、同化合物は水
溶性が高く、極めて安定性が良好で、しかも味が改良さ
れているため、これを医薬品、医薬部外品、化粧品、食
品および駆虫剤中に配合した場合に、経時的に分解した
り、着色したりすることなく、チロシナーゼ活性抑制作
用を発揮し、色白化粧料、色素沈着症治療剤、美白食
品、食品類の鮮度保持剤、甲殻類や魚類の黒変防止剤な
どとして利用できるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07H 17/04

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) で表されるコウジ酸配糖体を
    有効成分とすることを特徴とするチロシナーゼ活性抑制
    剤。 【化1】 式(1) (式中、Rは、6炭糖類、5炭糖類、アミノ糖類、二糖
    類、三糖類である)
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10147514A (ja) * 1996-11-19 1998-06-02 Pola Chem Ind Inc 化粧料
JP2004248592A (ja) * 2003-02-20 2004-09-09 Sanpo Kk チロシナーゼ阻害剤及びその製造方法
WO2006037958A3 (en) * 2004-10-01 2006-07-27 Univ Cambridge Tech Treatment of helminth infection by inhibition of tyrosinase

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