JPH0521352U - 磁気記録再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 装填したテープカセット２の開口から磁気テ
ープ４をローディング部材により引出して、回転ヘッド
を有するドラム８に磁気テープ４を添接走行させるよう
にした磁気記録再生装置１において、テープカセット２
を開口側へ傾けた装填姿勢に保持する位置決め部１６，
１７，１８を設ける。 【効果】 テープカセット２を開口側へ傾けた装填姿勢
に保持する位置決め部１６，１７，１８を設けたため、
テープカセット２の開口から磁気テープ４を引出したロ
ーディング状態において、テープカセット２に対するリ
ールハブ１４の傾きを補正でき、テープ巻取り負荷を軽
減できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、磁気記録再生装置に関し、特にディジタルオーディオテープレコー ダ（以下、ＤＡＴ）におけるテープカセットの装填構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

ＤＡＴはビデオテープレコーダ（以下、ＶＴＲ）と同じ回転ヘッド方式である ことから、その磁気テープ走行メカニズムはＶＴＲのメカニズムと非常に良く似 ている。 ＤＡＴのテープローディング状態を示す図３のように、ＤＡＴ１のメカニズム にテープカセット２がローディングされている時、テープカセット２のリッド３ が開いて、破線で示す磁気テープ４が露出される。この磁気テープ４を、所定の 位置にあったガイドローラ５Ａ，５Ｂ、傾斜ポスト６Ａ，６Ｂ、ピンチローラ７ が引っ掛けて、ドラム８の方向に移動し、ドラム８に磁気テープ４が巻回される 。そして、ドラム８が回転して、ドラム８に取り付けられた図示せぬ２つの磁気 ヘッドにより、磁気テープ４の信号の記録または再生が行われる。 ＤＡＴ１のメカニズムは、このように幾つかの重要な部品があり、テープ供給 側から、固定ポスト９、テンションポスト１０、ガイドローラ５Ａ、傾斜ポスト ６Ａ，６Ｂ、ガイドローラ５Ｂ、ピンチローラ７、ガイドローラ１１の順で並ん でいる。また、ＤＡＴ１は、テープカセット２を装着するに必要な供給側リール 軸１２Ａ及び巻取り側リール軸１２Ｂと、キャプスタン１３を有している。 他方、テープカセット２には、磁気テープ４が露出する開口側（図示矢印Ａ方 向）にリッド３が開閉自在に設けられており、更に、供給側リールハブ１４Ａ及 び巻取り側リールハブ１４Ｂが設けられている。Ｂは磁気テープ４の走行路であ る。

【０００３】 上述した構成のＤＡＴ１のメカニズムにおいて、記録再生時、巻取り側リール 軸１２Ｂが磁気テープ４を巻取る巻取りトルクは、周知のコンパクトカセットテ ープレコーダによりテープローディングする場合（４０〜７０g・cm）に比べると 、低い値（１０〜２０g・cm）になっている。これは、テープガイド近傍でカール 、ストレッチがない安定したテープ走行を実現するためである。 このように、ＤＡＴ１の巻取りトルクは低いものであるから、所謂テープの巻 締まりがあると、巻取り不良を起こす危険があり、リールハブがテープを巻取っ ていく際、リールハブとの段差が起きないようにする必要がある。

【０００４】 ＤＡＴのリール軸とテープカセットのリールハブとが理想的に回転可能なよう に嵌合した状態を示す図４と、テープカセットのリールハブに巻回された磁気テ ープに段差が生じている状態を示す図５及び図６において、説明の都合上、テー プカセット２のリールハブ１４Ａ，１４Ｂの内周面に形成された、ＤＡＴ１のリ ール軸１２Ａ，１２Ｂと係合する複数の突起と、この複数の突起と回転自在に係 合すべくＤＡＴ１のリール軸１２Ａ，１２Ｂの外周面に形成された複数の爪部は 図示していない。また、以下の説明においては、テープカセット２のリールハブ １４ＡとＤＡＴ１のリール軸１２Ａとの係合関係についてのみ述べ、他方のリー ルハブ１４Ｂ及びリール軸１２Ｂの係合関係については同様につき省略する。 先ず、図４に示すように、ＤＡＴ１のリール軸１２Ａとテープカセット２のリ ールハブ１４Ａとが理想的に回転可能なように嵌合した状態は、テープカセット ２のリールハブ１４Ａに巻回された磁気テープ４に段差が生じていない状態であ る。 即ち、リールハブ１４Ａに巻回された磁気テープ４が、テープカセット２の開 口側（図示矢印Ａ方向）に所定のトルクで引出された状態（例えば記録再生状態 ）の際、リールハブ１４Ａの中心軸Ｏ１とリール軸１２Ａの中心軸Ｏ２とが重な りあった状態であり、リールハブ１４Ａの高さａと磁気テープ４の幅ｂとがほぼ 同一であり、リールハブ１４Ａに巻回された磁気テープ４の端がリールハブ１４ Ａ外へ飛出さない状態である。

【０００５】 これに対し、従来のＤＡＴにおいては、図５及び図６に示すように、テープカ セット２のリールハブ１４Ａに巻回された磁気テープ４に段差が生じている状態 である。 即ち、磁気テープ４がテープカセット２の開口側（図示矢印Ａ方向）に引出さ れると、リールハブ１４Ａとリール軸１２Ａとの間のガタ分だけ、リールハブ１ ４Ａが開口側に角度αだけ傾斜してしまい、従って、リールハブ１４Ａの端から ここに巻回された磁気テープ４の端４Ａが寸法（ｂ−ａ）だけ飛出してしまう。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

上述したように、従来の磁気記録再生装置（特にＤＡＴ）は、記録再生時、装 填されたテープカセット２のリールハブ１４Ａ，１４Ｂとリール軸１２Ａ，１２ Ｂとのガタ分により、テープカセット２の開口側にリールハブ１４Ａ，１４Ｂが 傾いてしまい、テープカセット２のリールハブ１４Ａ，１４Ｂに巻回された磁気 テープ４に段差が生じる結果、磁気テープ４の端４Ａが上下カセットハーフ１５ Ａ，１５Ｂ内の他の部品に摺接して、テープ巻取り負荷が増加するという欠点が あった。

【０００７】 そこで本考案の目的は、テープカセットの装填構造に工夫を施すことにより、 テープカセットに対するリールハブの傾きを補正するようにして、テープ巻取り 負荷を軽減できる磁気記録再生装置を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

以上の課題を解決すべく本考案は、装填したテープカセットの開口から磁気テ ープをローディング部材により引出して、回転ヘッドを有するドラムに磁気テー プを添接走行させるようにした磁気記録再生装置において、前記テープカセット を前記開口側へ傾けた装填姿勢に保持する位置決め部を設けたことを特徴とする 。

【０００９】

【作用】

位置決め部により、テープカセットが開口側へ傾いた装填姿勢に保持されるの で、テープカセットの開口から磁気テープが引出されても、テープカセットに対 するリールハブの傾きが補正されて、テープ巻取り負荷が軽減される。

【００１０】

【実施例】

以下に本考案の実施例を図１及び図２に基づいて説明する。 図１は本考案による磁気記録再生装置（ＤＡＴ）へのテープカセット装填状態 を示す要部破断の概略側面図で、図２はそのテープカセットのリールハブとテー プの状態を示す拡大縦断面図であり、図３以降で説明した部材には同一の符号を 付してその説明を省略する。

【００１１】 本考案は、磁気記録再生装置であるＤＡＴ１へのテープカセット２の装填状態 において、そのテープカセット２を、水平方向に対し、開口側（図示矢印Ａ方向 ）へ所定の角度βで傾斜させておくもので、実施例では、開口側とは反対側（図 示矢印Ｃ方向）に位置決め部１６，１７，１８を構成している。 即ち、図１に示すように、テープカセット２に対して、開口側と反対側（図示 矢印Ｃ方向）で係合可能な一対の位置決めピン１６Ａ，１６ＢをＤＡＴ１に設け るとともに、この位置決めピン１６Ａ，１６Ｂの上端部をテーパ状係合部１７Ａ ，１７Ｂに形成しておき、他方、テープカセット２の開口側と反対側（図示矢印 Ｃ方向）のコーナ部底面には、対応する一対のテーパ状位置決め穴１８Ａ，１８ Ｂを形成しておく。

【００１２】 このように、テープカセット２の開口側と反対側（図示矢印Ｃ方向）において 、ＤＡＴ１に設けた位置決めピン１６Ａ，１６Ｂ上端部のテーパ状係合部１７Ａ ，１７Ｂを、テープカセット２のコーナ部底面に設けたテーパ状位置決め穴１８ Ａ，１８Ｂに係合することで、テープカセット２を開口側（図示矢印Ａ方向）へ 所定の角度βで傾斜させておくことによって、テープカセット２の開口から磁気 テープ４を引出した記録再生時、テープカセット２のリールハブ１４Ａ，１４Ｂ とＤＡＴ１のリール軸１２Ａ，１２Ｂとの間のガタ分によるリールハブ１４Ａ， １４Ｂの傾きを補正することができる。 そして、テープ走行は水平であるため、磁気テープ４はテープカセット２に対 して、図２に示すように、相対的に下に向かうように走行し、リールハブ１４Ａ ，１４Ｂの傾きによりテープを上に巻こうとする力と相殺しあう。

【００１３】 以上において、テープカセット２の傾け角度βは、リールハブ１４Ａ，１４Ｂ とリール軸１２Ａ，１２Ｂとのガタ、或いはリールハブ１４Ａ，１４Ｂとカセッ トハーフ１５Ａ，１５Ｂのガタ、リールフェザ、リールギヤのガタ等により最適 値は異なり、例えば３０´〜５゜の範囲である。

【００１４】 尚、実施例ではＤＡＴに適用したが、他の磁気記録再生装置にも本考案が適用 可能であることは勿論である。また、具体的な位置決め部の構成についても適宜 に変更可能である。

【００１５】

【考案の効果】

以上のように本考案の磁気記録再生装置によれば、テープカセットを開口側へ 傾いた装填姿勢に保持する位置決め部を設けたため、テープカセットの開口から 磁気テープを引出したローディング状態において、テープカセットに対するリー ルハブの傾きを補正でき、従って、テープ巻取り負荷を軽減することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による磁気記録再生装置へのテープカセ
ット装填状態を示す要部破断の概略側面図

【図２】本考案による磁気記録再生装置への装填状態に
おけるテープカセットのリールハブとテープの状態を示
す拡大縦断面図

【図３】本考案を適用するＤＡＴのテープローディング
状態を示す概略平面図

【図４】ＤＡＴのリール軸とテープカセットのリールハ
ブとが理想的に回転可能なように嵌合した状態を示す拡
大縦断面図

【図５】テープカセットのリールハブに巻回された磁気
テープに段差が生じている状態を示す拡大縦断面図

【図６】（Ａ）及び（Ｂ）ともにテープカセットのリー
ルハブに巻回された磁気テープに段差が生じている状態
を示す概略斜視図

【符号の説明】

１…磁気記録再生装置（ＤＡＴ）、２…テープカセッ
ト、３…リッド、４…磁気テープ、８…ドラム、１２
Ａ，１２Ｂ…リール軸、１４Ａ，１４Ｂ…リールハブ、
１６，１７，１８…位置決め部、１６Ａ，１６Ｂ…位置
決めピン、１７Ａ，１７Ｂ…テーパ状係合部、１８Ａ，
１８Ｂ…位置決め穴、α…リールハブの傾斜角度、β…
テープカセットの傾斜角度。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 装填したテープカセットの開口から磁気
   テープをローディング部材により引出して、回転ヘッド
   を有するドラムに磁気テープを添接走行させるようにし
   た磁気記録再生装置において、前記テープカセットを前
   記開口側へ傾けた装填姿勢に保持する位置決め部を設け
   たことを特徴とする磁気記録再生装置。