JPH052134Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、中央に配されるセンタクツシヨン体
と、該センタクツシヨン体の両側に配されるサイ
ドクツシヨン体とを有するシートクツシヨンを備
えて成る車両用シートに関する。

「従来の技術」 従来の車両用シートとしては、例えば、第５図
に示すようなものがある。

すなわち、シートクツシヨン１は、中央のセン
タクツシヨン体２と両側のサイドクツシヨン体３
とを備え、センタクツシヨン体とサイドクツシヨ
ン体とを切り離してスリツト部４が設けられてい
るものである。

着座した際上下方向へ大きく撓むべきセンタク
ツシヨン体２がそれほど撓まないサイドクツシヨ
ン体３により引つ張られずに、十分なストローク
をもつて沈込むため、ホールド感が向上して座り
心地が極めてよくなるという利点がある。

「考案が解決しようとする課題」 しかしながら、このような従来の車両用シート
では、センタクツシヨン体２とサイドクツシヨン
体３との間のスリツト部４に不用意に指先などを
入り込ませると、シートクツシヨン１のフレーム
等に触れ、そのために塵埃や油などで手が汚れた
りして使い勝手がよくなく、またクツシヨンフレ
ーム等のバリで怪我をするおそれがあるという問
題点があつた。

本考案は、このような従来の問題点に着目して
なされたもので、使い勝手がよく、安全性を向上
することができる車両用シートを提供することを
目的としている。

「課題を解決するための手段」 かかる目的を達成するための本考案の要旨とす
るところは、 中央に配されるセンタクツシヨン体と、該セン
タクツシヨン体の両側に配されるサイドクツシヨ
ン体とを有するシートクツシヨンを備えて成る車
両用シートにおいて、 前記センタクツシヨン体の下面を臨んでクツシ
ヨン用のばね部材を張設し、 前記センタクツシヨン体と前記サイドクツシヨ
ン体とを切り離して上下方向に突き抜けたスリツ
ト部を設け、 該スリツト部の下側開口の下方に略Ｕ字状断面
形状に弛ませた保護用のトリム部材を配するとと
もに、該保護用のトリム部材の両端を前記センタ
クツシヨン体の下部と前記サイドクツシヨン体の
下部とにそれぞれ接続したことを特徴とする車両
用シートに存する。

「作用」 シートクツシヨンに着座すると、センタクツシ
ヨン体がサイドクツシヨン体に引かれることなく
十分なストロークで下方へ沈み込む。同時に保護
用のトリム部材の一端が下方へ大きく移動し、保
護用のトリム部材がＵ字状断面形状の弛んだ状態
から多少延ばされた状態となる。保護用のトリム
部材が多少延ばされた状態ではセンタクツシヨン
体を引つ張るようなことはない。

センタクツシヨン体とサイドクツシヨン体との
間のスリツト部に例えば指先を入れ、指先がスリ
ツト部の下側開口から下方へ出た場合であつて
も、指先がシートクツシヨンのフレームなどに直
接触れないで、必ず保護用のトリム部材を介して
触れるものである。

「実施例」 以下、図面に基づき本考案の一実施例を説明す
る。

第１図から第４図は本考案の一実施例を示して
いる。

第１図および第２図に示すように、車両用シー
トはシートクツシヨン１０にシートバツク１０ａ
が角度調節可能に支持されて成る。シートクツシ
ヨン１０は、着座した際上下方向の撓み量が多い
センタクツシヨン体２０と、センタクツシヨン体
２０の両側にあつて撓み量が少ないサイドクツシ
ヨン体３０とを有する。

センタクツシヨン２０は、パツド部材２１にワ
デイング２２を載せたものを表皮部材２３で被覆
して成る。パツド部材２１の下面２４を臨んでば
ね部材２５が張設されている。

同じように、サイドクツシヨン体３０は、パツ
ド部材３１にワデイング３２を被せたものをさら
に表皮部材３３で被覆して成る。パツド部材３１
は略コ字状断面形状のクツシヨンフレーム１５に
載せられる形になつている。

第１図および第４図に示すように、シートクツ
シヨン１０の略中央部においては、センタクツシ
ヨン体２０のパツド部材２１と、サイドクツシヨ
ン体３０のパツド部材３１とが切り離されてスリ
ツト部２６が形成されている。

サイドクツシヨン体３０の表皮部材３３が表側
からスリツド部２６を通り、裏側に抜けた表皮部
材３３の先端部３４が吊りワイヤ３６に巻着され
ている。同じように、センタクツシヨン体２０の
表皮部材２３が表側からスリツド部２６を通り、
裏側に抜けた表皮部材２３の先端部２７がパツド
部材２１の下面２４側に延設されている。

スリツト部２６の下方には、略Ｕ字状断面形状
に弛ませた保護用のトリム部材４０が配されてい
る。保護用のトリム部材４０の一端部４１が、パ
ツド部材２１の下面２４側に延設され表皮部材２
３の先端部２７に縫着され、トリム部材４０の他
端部４２が、吊りワイヤ３６に巻着された表皮部
材３３の先端部３４に縫着されている。

トリム部材４０の弛み量は、センタクツシヨン
体２０が大きく沈み込んだ際トリム部材４０が伸
びきらずに多少の余裕があるように配慮されてい
る。

第３図および第４図に示すように、シートクツ
シヨン１０の前部においては、センタクツシヨン
体２０のパツド部材２１とサイドクツシヨン体３
０のパツド部材３１とが切り離されず、その境に
は表皮部材２３，３３を引込むための引込み用の
溝２８が形成されている。

引込み用の溝２８内には、表皮部材２３，３３
にそれぞれ縫着した吊り袋２９を引つ張り込む吊
りワイヤ２９ａが張設されている。

次に作用を説明する。

前述した構成に係るシートクツシヨン１０の前
後方向の中央部において、センタクツシヨン体２
０とサイドクツシヨン体３０との間のスリツト部
２６に例えば指先をどのように入れても、指先が
クツシヨンフレーム１５や図示省略したシートス
ライド装置などに直接触れることなく、それらに
保護用のトリム部材４０を介して当たるようにな
る。

なお、シートクツシヨン１０の前部において
は、センタクツシヨン体２０とサイドクツシヨン
体３０との間にはスリツト部２６がなく繋つてい
るため、指先が入らない。

シートクツシヨン１０に着座すると、ヒツプポ
イントがあるセンタクツシヨン体２０の略中央に
大きな荷重がかかり、前部にはそれほど大きな荷
重がかからない。略中央部においてはセンタクツ
シヨン１０とサイドクツシヨン体２０との間がス
リツト部２６となつているため、センタクツシヨ
ン体１０がサイドクツシヨン体２０に引かれるこ
となく大きく下方へ沈み込む。

前部においては、センタクツシヨン１０とサイ
ドクツシヨン体２０とが繋つているが、それほぼ
大きな荷重がかからないため、センタクツシヨン
体１０がサイドクツシヨン体２０に引かれること
なく適度に下方へ沈み込む。

すなわち、センタクツシヨン体はその受ける荷
重に応じて適度に沈み込み、着座者に適切なホー
ルド感を与える。

センタクツシヨン体１０が下方へ大きく沈み込
むと同時に、保護用のトリム部材４０の一端４１
が下方大きく移動し、それにより、保護用のトリ
ム部材４０が略Ｕ字状断面形状の弛んだ状態から
多少延ばされた状態となる。保護用のトリム部材
４０が多少延ばされた状態においても、センタク
ツシヨン体２０を引つ張るようなことはない。

前記実施例においては、保護用のトリム部材４
０を表皮部材２３，３３とはそれぞれ別体とした
が、例えば表皮部材３３と一体的に形成し、一旦
吊りワイヤ３６に止め後、略Ｕ字状断面形状に弛
ませてその先端部を表皮部材２３の先端部２７に
縫着してもよい。

「考案の効果」 本考案に係る車両用シートによれば、センタク
ツシヨン体とサイドクツシヨン体との間のスリツ
ト部に、例えば指先を不用意に入れた際、指先が
シートクツシヨンのフレームなどに直接触れない
で、保護用のトリム部材を介さなければフレーム
などに当たらないようにしたので、指先が汚れず
使い勝手がよい上に、フレームなどのバリで指先
を怪我することがなく安全性を向上することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図から第４図は本考案の一実施例を示して
おり、第１図は第４図−線断面図、第２図は
車両用シートの斜視図、第３図は第４図−線
断面図、第４図はシートクツシヨンの平面図、第
５図は従来例を示しており、シートクツシヨンの
要部断面図である。 １０……シートクツシヨン、１０ａ……シート
バツク、２０……センタクツシヨン体、２６……
スリツト部、３０……サイドクツシヨン体、４０
……保護用のトリム部材、４１……一端、４２…
…他端。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 中央に配されるセンタクツシヨン体と、該セン
   タクツシヨン体の両側に配されるサイドクツシヨ
   ン体とを有するシートクツシヨンを備えて成る車
   両用シートにおいて、 前記センタクツシヨン体の下面を臨んでクツシ
   ヨン用のばね部材を張設し、 前記センタクツシヨン体と前記サイドクツシヨ
   ン体とを切り離して上下方向に突き抜けたスリツ
   ト部を設け、 該スリツト部の下側開口の下方に略Ｕ字状断面
   形状に弛ませた保護用のトリム部材を配するとと
   もに、該保護用のトリム部材の両端を前記センタ
   クツシヨン体の下部と前記サイドクツシヨン体の
   下部とにそれぞれ接続したことを特徴とする車両
   用シート。