JPH05213231A - 車両の後輪操舵装置 - Google Patents

車両の後輪操舵装置

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JPH05213231A
JPH05213231A JP4017095A JP1709592A JPH05213231A JP H05213231 A JPH05213231 A JP H05213231A JP 4017095 A JP4017095 A JP 4017095A JP 1709592 A JP1709592 A JP 1709592A JP H05213231 A JPH05213231 A JP H05213231A
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JP
Japan
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rear wheel
wheel steering
steering
vehicle
rear wheels
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Application number
JP4017095A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Omura
博志 大村
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 後輪舵角の検出精度が最も高く要求される中
立位置近傍で最良の検出精度が得られ、その結果、安定
な後輪操舵性能の得られる後輪操舵装置を提案する。 【構成】 後輪の転舵角に応じた位置信号を検出する検
出手段(28)と、後輪を駆動して転舵するためのアク
チュエータ(38)を備えた転舵手段であって、上記検
出手段を基準位置合せした状態で後輪が中立位置に位置
決めされるように前記アクチュエータが設定された後輪
転舵手段(18)と、目標転舵角を演算し、この目標転
舵角と前記中立位置との差に対応した出力を前記アクチ
ュエータに出力して後輪を目標転舵角に転舵する制御手
段(22)とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、後輪の転舵量を制御す
る車両の後輪操舵装置に関する。特に、後輪の転舵量を
検出するセンサ手段の精度の改良に関する。ここで、転
舵比θS は、後輪の舵角θR に対する前輪の舵角θF
比(=θR/θF )で定義される。
【0002】
【従来の技術】後輪操舵装置においては、一般に、後輪
の転舵量をモニタすることにより、後輪の転舵量を確認
若しくはフイードバツク制御するようになっている。実
際に後輪を転舵するのはモータや油圧等の大きなパワー
を出力するアクチュエータであるので、これらのアクチ
ュエータの中立位置(この中立位置は2WS状態に一致
する)と転舵量をモニタするセンサ手段の基準位置とは
一致していることが望ましい。
【0003】上記センサはアクチュエータの移動に応じ
て位置変化する部材の位置を電圧信号に変換する所謂
「ポテンショメータ」のタイプのものが普通である。そ
して、このようなタイプのセンサをアクチュエータに適
合化させるためには、従来では、センサをいずれかの方
向に最大に振った状態(後輪が正方向または逆方向に最
大に振れるであろう状態)において、その状態にアクチ
ュエータを合致させるようにするのが通常である。この
ようにすると、例えば正方向に最大に転舵された状態か
らのセンサの変位量が観測された転舵量ということにな
る。
【0004】
【発明が解決しようとしている課題】一方、近年、車体
の旋回時の挙動を安定させるために、所謂、「ヨーレー
トフイードバツク制御」による後輪転舵装置が提案され
ている。これは、例えば、特開閉2−249765号の
ように、車両のヨーレートを検出可能にし、前輪転舵の
開始直後は後輪を前輪と逆位相側に転舵し、その後はヨ
ーレートの発生に応じて同位相側に転舵することによ
り、回頭性及び方向安定性の両立を図るものである。
【0005】図1に、このヨーレート型の操舵装置の回
頭時の転舵比θS の変化特性を示す。同図に示すよう
に、逆相側に転舵比が振れる量は僅かであるものの、逆
相から同相に転舵比が振れるのが連続して行なわれるた
めに、その連続動作は車体の挙動に大きな影響を与える
ために、転舵比の正確な検出が不可欠である。特に、図
で斜線を付した2WS(後輪が中立位置)を中心とした
領域において転舵比を精度良く求めることが要求され
る。
【0006】しかしながら、前述したように、従来で
は、例えば同図に示すように、センサの基準位置は転舵
比を逆相側の最小値に振った状態に設定されているため
に、上記斜線領域はこの基準位置からの変位量となるた
めに、その変位量の誤差は相対的に大きなものとならざ
るを得なかった。この誤差は、同相側に振れれば振れる
ほど大きなものとなる。そこで、本発明は、後輪舵角の
検出精度が最も高く要求される中立位置近傍で最良の検
出精度が得られ、その結果、安定な後輪操舵性能の得ら
れる後輪操舵装置を提案することを目的とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】及び
【作用】上記課題を達成するための本発明は、後輪の転
舵角に応じた位置信号を検出する検出手段と、後輪を駆
動して転舵するためのアクチュエータを備えた転舵手段
であって、上記検出手段を基準位置合せした状態で後輪
が中立位置に位置決めされるように前記アクチュエータ
が設定された後輪転舵手段と、目標転舵角を演算し、こ
の目標転舵角と前記中立位置との差に対応した出力を前
記アクチュエータに出力して後輪を目標転舵角に転舵す
る制御手段とを具備したことを特徴とする。目標転舵角
と中立位置との差に対応した出力に基づいて後輪が転舵
されるので、最も検出精度を要求される2WS領域を中
心とした領域での転舵角検出精度の工場が図られる。
【0008】
【実施例】以下添付図面を参照しながら本発明の後輪操
舵装置を、車両の所謂「四輪操舵装置」に適用した実施
例について詳述する。この実施例の四輪操舵装置は、 :転舵比の位相がハンドルを切った当初に、一旦逆相
に振られ、その後同相に戻るという、所謂「位相反転」
型の後輪転舵装置を有する。この位相反転型の後輪転舵
装置では、前輪の舵角量が機械的な伝達部材(後述の図
2の伝達シャフト52)により後輪転舵装置に伝達され
る。一方、転舵比は、車速V、センサで検出された舵角
量θF 等に基づいて目標転舵比TGθS を演算して、こ
の転舵比TGθS をステップモータ56に出力する。ス
テップモータは所定の揺動部材44を移動する。後輪転
舵装置は、後輪を間接的に転舵させる変位伝達機構36
が、機械的に伝達された前輪舵角量と上記揺動部材の移
動位置とで機械的に決定される位置に移動させられる。
これにより後輪が転舵される。変位伝達機構36は油圧
アシストされている。一方、揺動部材の移動位置は転舵
比センサ28によりモニタされ、転舵比信号θS として
出力される。 :センサ28はポテンショメータ型の転舵比センサを
用いる。転舵比センサ28の中立位置は後輪が2WS位
置にあるときと一致するように、ステップモータ56,
前記揺動部材44,変位伝達機構36,後輪等とが工場
で調整されている。 :走行中では、 −1:実際の使用中は、エンジンのスタート時点で、
ステップモータ位置とセンサ28の位置との整合性がチ
ェックされる。ある許容範囲内で両者が合致していれ
ば、後輪転舵装置は動作可能とみなされる。 −2:許容範囲内にあると判断されたならば、そのス
タート時点で観測されたモータ56の回転位置θS0を走
行中の目標転舵比を決定するための基準位置とする。即
ち、車速、前輪舵角θF ,ヨーレートψで決定された目
標転舵比TGθSと前記基準値θS0との差が転舵比量と
してステップモータ56に出力される。θ S0は後輪が2
WS位置にあるときのステップモータの基準位置であ
り、この位置は転舵比センサ28の基準位置と許容範囲
内で合致している。そのために、転舵比制御のための転
舵比θS の測定が基準位置を中心にして、正方向または
負方向に何度ずれたかで計測されるので、測定精度が向
上する。以下添付図面を参照しながら、〜で概略説
明した本実施例の四輪操舵装置について更に詳細に説明
する。
【0009】〈四輪操舵装置の機械的構成〉図2は、実
施例の四輪操舵システムの構成を示す。図示のように、
後輪操舵装置10は、前輪12を転舵する前輪転舵機構
14に伝達シャフト52を介して機械的に連結され、こ
の前輪転舵機構14による前輪転舵と連動して、後輪1
6を前輪転舵機構14から入力される前輪舵角θF に応
じた所定の後輪の目標舵角TGθR となるよう転舵する
後輪転舵機構18と、この後輪転舵機構18内に設けら
れ、前輪舵角θF に対する後輪舵角θR の比として表さ
れる転舵比θS の設定および変更を行う転舵比可変機構
20と、この転舵比可変機構20を制御する制御ユニッ
ト22とを備えてなる。制御ユニット22には、車速セ
ンサ24から車速V、前輪舵角センサ26(ステアリン
グシャフトに設けられている。)から前輪舵角θF 、転
舵比センサ28から転舵比θS 、ヨーレートセンサ25
からのヨーレートψの各信号が入力されるようになって
いる。
【0010】後述するように、本転舵システムにおいて
は後輪を転舵するのは油圧の力による。その油圧の供給
源は図2のポンプ29である。ポンプ29は、オイルタ
ンク19に滞留したオイルを配管90を介して油圧リリ
ース回路31に送る。リリース回路31はフェール発生
時に後輪が強制的に中立位置にもたらされるように転舵
装置18内の油圧を抜くための回路である。また、91
は転舵機構18からのリターン配管である。
【0011】上記制御ユニット22による転舵比可変機
構20の制御は、中車速若しくは高車速領域において、
前輪12が舵角零から転舵されたとき、この前輪転舵の
開始直後は転舵比θS を負に、その後は該転舵比θS
正にするように行われる岩ゆる位相反転制御が行なわれ
る。図3は後輪転舵機構18を示す斜視図であり、図4
に、後輪転舵機構18内の転舵比可変機構20を図3の
V−V方向で詳細に示す。
【0012】図3に示すように、後輪転舵機構18は、
転舵比可変機構20と、油圧切換バルブ32と、後輪操
舵ロッド34と、変位伝達機構36と、油圧パワーシリ
ンダ38とを備えている。転舵比可変機構20は、出力
ロッド40と、ベベルギヤ42と、揺動軸部材44と、
振子アーム46と、連結ロッド48とを備えてなり、こ
れら各部材は図4に示すようにケース50に収容されて
いる。
【0013】出力ロッド40は、その軸線L3 方向に摺
動可能にケース50に支持され、該軸L3 方向にストロ
ーク変位することによって、変位伝達機構36を介して
後輪操舵ロッド34をその軸方向(車幅方向)に変位せ
しめ、これにより、該後輪操舵ロッド34の両端部に連
結された後輪を転舵するようになっている。ベベルギヤ
42は、出力ロッド40の軸線L3 と同軸の軸線L1
まわりに回転可能にケース50に支持されている。そし
て、該ベベルギヤ42と噛合する伝達シャフト52の後
端部のピニオン52aが、ハンドル30の操舵により回
転するのに伴って軸線L1 まわりに回転するようになっ
ている。即ち、前輪舵角θFは、前輪転舵機構14から
伝達シャフト52を介して後輪転舵機構18に入力され
ることとなる。
【0014】揺動軸部材44は、出力ロッド40の軸線
3 と同軸となる位置(図示の位置)を取り得る軸線L
2 を有し、揺動ギヤ54に固設されている。この揺動ギ
ヤ54は、制御ユニット22によって制御されるサーボ
モータ56の駆動により回転するウォーム58と噛合し
て、軸線L2 と交差する紙面に垂直な軸線まわりに回動
し、これにより揺動軸部材44をも同時に回動せしめる
ようになっている。即ち、後に詳細な説明から明らかに
なるように、サーボモータ56はその回転角度位置によ
り転舵比を可変的に設定できる。振子アーム46は、揺
動軸部材44の軸線L2 まわりに揺動可能に該揺動軸部
材44に連結されていて、該振子アーム46の軸線L4
が、揺動軸部材44の回動軸線と揺動軸部材44の軸線
2 との交点を通るよう、揺動軸部材44への連結位置
が定められている。
【0015】連結ロッド48は、出力ロッド40の軸線
3 と平衡な軸線L5 を有しており、上記出力ロッド4
0、ベベルギヤ42および振子アーム46に連結されて
いる。出力ロッド40への連結は、出力ロッド40の端
部に固設されたレバー40aに連結ロッド48の一端部
を螺着することによってなされ、ベベルギヤ42への連
結は、ベベルギヤ42の軸線L1 から距離γの点におい
て該ベベルギヤ42に形成された挿通孔42aに連結ロ
ッド48の他端部を挿通させることによってなされ、振
子アーム46への連結は、連結ロッド48の端部に全方
向回転可能に設けらたボールジョイント部材60の挿通
孔60aに振子アーム46を挿通させることによってな
されている。従って、連結ロッド48は、出力ロッド4
0に対しては固定されているが、ベベルギヤ42に対し
ては軸線L5 方向(即ち軸線L3方向)に摺動可能であ
り、振子アーム46に対しては軸線L4 方向(図示の状
態では軸線L3 に直交する方向)に摺動可能である。な
お、振子アーム46の軸線L4 は、揺動軸部材44の回
動により軸線L3 の直交方向に対して傾き、この傾いた
方向に振子アーム46が摺動することとなるが、この場
合においても軸線L 3 の直交方向の摺動成分を含み、か
つ、ボールジョイント部材60の回転作用により軸線L
4 と軸線L5 との挾角変化が吸収されるので、振子アー
ム46から連結ロッド48へ伝達される力のうち軸線L
3 の直交方向の成分は上記連結点において吸収され、該
方向の相対移動が可能となる。
【0016】このように、転舵比可変機構20における
振子アーム46と連結ロッド48との連結が、両者を軸
線L3 の直交方向に相対移動となるようにしてなされて
いるので、振子アーム46が回動したときの該振子アー
ム46と連結ロッド48との連結点の軌跡は、軸線L3
を中心とする半径γの円筒の外周面上の円軌跡または楕
円軌跡となる。
【0017】図5は、揺動軸部材8の軸線L2 を出力ロ
ッド40の軸線L3 に対してθ傾けたとき(即ち、振子
アーム46の軸線L4 を軸線L3 の直交方向に対してθ
傾けたとき)の出力ロッド40の変位のようすをすめす
図である。同図から明らかなように、振子アーム46が
左右いずれの方向に揺動したとしても、その揺動量が等
しければ振子アーム46と連結ロッド48との連結点の
変位は、軸線L3 方向にそれぞれSであり、出力ロッド
40と連結ロッド48は固定連結されているから出力ロ
ッド4の変位も軸線L3 方向にそれぞれSとなる。
【0018】上述のように、図5に示す出力ロッド40
の左右変位量は、振子アーム46の揺動量が等しければ
それぞれSで互いに等しくなるが、この変位量S自体
は、ハンドル操舵量が同じであり、これに伴うベベルギ
ヤ42の回転量が同じであっても、θの大きさによって
変化する。従って、上記転舵比θS は、サーボモータ5
6の作動制御による揺動軸46の傾きθの大きさの設定
および変更により、設定および変更することができる。
さらに、揺動軸部材44は上記の如く反時計回りに傾か
せるのみならず時計回りにも傾かせることができ、この
時にはベベルギヤ42の回転に対する出力ロッド40の
移動方向が上記の場合と逆になる。これにより、ハンド
ルの操舵もしくは前輪に対し後輪を同位相にも逆位相に
も転舵させることができる。上記転舵比可変機構20に
より設定および変更された転舵比θS は、図3に示すよ
うに、揺動軸部材44に取り付けられた転舵比センサ2
8により、揺動軸部材44の傾きθに基づいて検出され
るようになっている。
【0019】次に、後輪転舵機構18における転舵比可
変機構20以外の部分について説明する。まず、上記油
圧切換バルブ32は、バルブハウジング62と該ハウジ
ング62内に該ハウジング62に対して上記出力ロッド
40の軸線L3 と平行な軸線L6方向に変位可能に収容
されたスプール64とからなっている。スプール52は
変位伝達機構36を介して出力ロッド40および後輪操
舵ロッド34によって変位せしめられる。このスプール
64の変位によって油圧パワーシリンダ38への油圧の
供給が制御される、つまり図示のバルブハウジング62
に対する中立位置から右方向に変位すると油圧パワーシ
リンダ38の右油室66へ油圧が供給され、左方向に変
位すると油圧パワーシリンダ38の左油室68へ油室が
供給される。
【0020】上記後輪操舵ロッド34は上記室ロッド4
0の軸線L3 と平行な車幅方向に伸び、かつその方向に
変位して図示しないタイロッド、ナックルアームを介し
て左右両端に連結された後輪を転舵するものであり、上
記変位は油圧パワーシリンダ38の油圧力によって行な
われる。また、この後輪操舵ロッド34にはセンタリン
グバネ70が設けられている。油圧切換バルブ32や油
圧パワーシリンダ38の油圧系に破損や故障が生じて油
圧パワーシリンダ38における油圧が消失した場合やこ
の後輪操舵装置10の機械系に破損や故障が生じ、それ
によって上記油圧系をドレンに開放して油圧パワーシリ
ンダ38における油圧を消失させた場合に、このセンタ
リングバネ70によって後輪操舵ロッド34を中立位置
に、つまり後輪が転舵されず直進状態にある位置に位置
決めし、いわゆるフェイルセーフを図るように構成され
ている。
【0021】上記油圧パワーシリンダ38は油圧縮力に
よって後輪操舵ロッド34を車幅方向に変位させるもの
であり、ピストン72が直接後輪操舵ロッド34に固設
され、このピストン72の左右には左右の油室68,6
6を形成するシール部材74,76が配設されている。
このシール部材74,76は油圧パワーシリンダ38の
ハウジング78に固定されかつ後輪操舵ロッド34とは
摺動可能である。
【0022】上記変位伝達機構36は、出力ロッド34
とスプール64と後輪操舵ロッド34とに係合し、上記
出力ロッド40の変位によって上記スプール64を所定
方向に変位させる方向に作動せしめられるとともに、該
スプール64の変位により生じる上記後輪操舵ロッド3
4の変位によって上記スプール64を上記と反対の方向
に変位させる方向に作動せしめられるように構成されて
いる。
【0023】すなわち、この変位伝達機構36は、縦レ
バーと横レバーからなる十字レバーで構成されており、
縦レバーの一端Aが出力ロッド40に、他端Bが後輪操
舵ロッド34に、横レバーの一端が斜体に固設された後
輪操舵装置10のケースに、他端Dが上記スプール64
に係合されている。上記係合端A,B,Dはそれぞれ出
力ロッド40、後輪操舵ロッド34およびスプール64
に対して軸線方向には移動不可能に、その他の方向には
移動可能にかつ回転可能に係合せしめられ、係合端Cは
ボールジョイントによって回転は可能にかつ移動は不可
能に係合されている。
【0024】上記出力ロッド40が軸線L3 方向にスト
ローク変位することによって、変位伝達機構36を介し
て後輪操舵ロッド34をその軸方向に変位せしめ、これ
により、該後輪操舵ロッド34の両端部に連結された図
示しない後輪を転舵するようになっているが、その転舵
量伝達の作動原理は、本発明と直接関係がなく、またこ
れについては、特開平1−273772号公報に詳述さ
れているので、その詳細な説明は省略する。
【0025】〈油圧回路〉後輪転舵機構18のための油
圧回路について図2,図6によって説明する。前述した
ように、本転舵システムにおいては後輪を転舵するのは
油圧の力による。そして、油圧切換バルブ32や油圧パ
ワーシリンダ38の油圧系に破損や故障が生じて油圧パ
ワーシリンダ38における油圧が消失した場合やこの後
輪操舵装置10の機械系や電気系に破損や故障が生じ、
それに応じて上記油圧系をドレンに開放して油圧パワー
シリンダ38における油圧を消失させた場合に、後輪操
舵ロッド34を中立位置に位置決めするのがセンタリン
グバネ70である。図2において、ポンプ29と転舵機
構18の間に介在する油圧リリース回路31は、バネ7
0を作動させるために転舵装置18内の油圧を抜くため
の回路である。
【0026】リリース回路31の詳細な構成を図6に示
す。この回路31は、高圧通路としての配管90と低圧
通路としての配管91とを接続する第1,第2の2つの
リリース通路81と82とを有する。両リリース通路8
1と82とは互いに並列とされて、第1リリース通路8
1がポンプ29に近い側に位置してポンプ側のリリース
通路を構成し、第2リリース通路82がコントロールバ
ルブ16に近い側に位置してパワーシリンダ側のリリー
ス通路を構成する。
【0027】上記第1リリース通路81と第2リリース
通路82には、電磁開閉弁83と電磁切換弁85が夫々
接続されている。第2リリース通路82には絞り84が
接続される。第2リリース通路82と配管90との間に
設けられた開閉弁85は3ポート2ポジションの切換弁
である。開閉弁83は制御ユニット22からの信号RL
1 により開閉制御される。即ち、 RL1 =1: 閉 RL1 =0: 開 である。切換弁85は制御ユニット22からの信号RL
2 により制御される。即ち、RL2 =0のときは、配管
90を、ポンプ29(第1リリース通路81)側と油圧
切換バルブ32(第2リリース通路82)側とで分断す
ると共に、バルブ32側の配管90を第2リリース通路
82と連通させる。一方、RL2 =1のときは、配管9
0を、ポンプ29(第1リリース通路81)側と油圧切
換バルブ32(第2リリース通路82)側とで連通させ
るとともに、第2リリース通路82を分断する。RL1
=0,RL2 =0の状態での等価回路を図7に、RL1
=1,RL2 =1の状態での等価回路を図8に示す。
尚、図9の制御ユニットの回路図及び図12の制御手順
のフローチヤートから明らかになるが、上記信号(RL
1 ,RL2)は制御ユニットが認識したフェール状態を
表わす信号FAIL信号から生成される。
【0028】〈センサの較正〉図9は転舵比センサ28
の動作を説明する。このセンサはポテンショメータ型の
センサで、図5との対応から解るようにモータ56によ
り回転せしめられた軸線L4 の回転量を電圧値VS に変
換する。図9で、紙面上方が2WS位置に対応する。即
ち、この実施例では、工場において、軸線L4 が2WS
位置にくるようにステップモータ56が回転した状態で
は、出力VS =0となるように設定されている。勿論、
2WS位置では、後輪が中立位置に来るようにパワーシ
リンダ38も調整されている。
【0029】〈走行スタート時の制御手順〉次に、図1
0〜図15に従って、制御ユニット22の制御手順につ
いて説明する。図10は制御ユニット22のメインルー
チンである。図11は、図10の初期化ステップS10
0の詳細な手順を示す。そして、ステップS100の初
期化手順は図示されるように6つのステップを含む。こ
れらのステップのうちの5つのステップの詳細な手順が
図12〜図15に示される。図10のステップS100
は、図2のシステム全体、特に制御ユニット22の各種
データを初期化するためのステップである。このステッ
プS100で、ステップモータ56の中立位置とセンサ
28との位置関係が確認された上で、センサ28の出力
とのオフセット量(θS 0 )が演算される。
【0030】一旦、オフセット量θS 0 が演算される
と、実際の走行過程では、ステップS300〜ステップ
S600の制御手順が実行される。即ち、ステップS3
00で、車速V,前輪舵角θF ,ヨーレートψが各セン
サから測定される。ステップS400では、先ず、目標
転舵比TGθS が決定される。 TGθS =f1(V)+f2(V)・|△θF |+C・V・ψ ここで、f1(V),f2(V)は図16,図17に示されたよ
うな特性を有するVの関数である。また、Cは定数であ
り、△θF は前輪舵角の変化である。ステップS500
では、最終の目標転舵比FTGθS を演算する。 FTGθS =θS 0 −TGθS ステップS600では、モータ56に目標転舵角TGθ
R (=θF・FTGθS)を出力する。
【0031】以上が、初期化後の走行中において、初期
化過程で得られたオフセット量θS 0 が転舵比制御にど
のように使われるかを示したものである。即ち、転舵比
センサの出力のθS 0 は2WSの中立位置に対応するも
のであり、ステップS500で、最終目標転舵比FTG
θS はこの中立位置からの変位量として規定されている
から、精度が最も高く要求される中立位置付近での転舵
比が精度良く測定され、ひいては、精度の高い転舵比制
御が可能となる。このために、位相反転が行なわれる過
程で、逆相から同相への切り替えが目標の高い精度で行
なわれるために、車体の挙動が安定する。
【0032】次に、図11〜図15を参照して、初期化
手順100の詳細な説明を行なう。図11のステップS
102はシステムの初期化ステップであり、ここでは、
各種ワークデータを初期化するとともに、油圧シリンダ
38への油圧を抜く。ステップS110の「2WSセッ
ト」はその詳細が図12に示される。即ち、図12のス
テップS112において、転舵比センサからの出力θS
を読み取る。ステップS114ではそのθS を基準位置
のオフセット量として一時的に記憶する。ステップS1
16では、転舵比センサ28が基準位置近傍にあるかを
チェックする。センサ28が基準位置近傍にあること
は、θS が、 ε1 <θS <ε2 であることを確認されればよい。この範囲内になければ
ステップS120→ステップS124に進んで、モータ
56を基準位置に近づく方向に回転する。モータ56が
2WS位置にないこと、即ち、センサ28が基準位置に
ないことは、それまでの運転でモータ56が2WS位置
にない状態でドライバがエンジンを停止したかもしれな
いからである。そこで、ステップS112→ステップS
114→ステップS116→ステップS120→ステッ
プS124のループで、モータ56を2WS位置にまで
回転する。ここで留意しなくてはならないのは、ステッ
プS102で油圧が切られているために、後輪が実際に
転舵されることはない。
【0033】このようにして、転舵比センサ出力が目標
範囲内ε1 <θS <ε2 に収まればプログラムはリター
ンする。この時点では、ε1 <θS 0 <ε2 に収まって
いる筈のオフセット量θS 0 はステップS114で記憶
されている。もし規定回数内に上記範囲内に転舵比θS
が収まらなければ、フェールフラグFS2WSを“1”
にセットする。
【0034】次に、図11のステップS150の「車速
読み込み」を実行する。この「車速読み込み」は図13
に詳細に示されている。この「車速読み込み」手順は、
エンジンスタート時では、2つの後輪の車速V1 ,V2
が一致している筈であるから、これをチェックして、一
致(ステップS154)していなければ車速エラー(フ
ラグFSV)として記憶(ステップS160)するため
である。
【0035】次に図11のステップS180のψセンサ
のオフセット量を計測するための「ψセンサ初期制御セ
ット」手順を実行する。この手順は図14に詳細に示さ
れている。先ず、ステップS182でヨーレートセンサ
が正常に作動するのに十分な時間が経過したかを確認す
る。ステップS184,ステップS186で車両が停止
状態にあることを確認する。即ち、ステップS156
(図13)で計測された車速Vが“0”であるか、ブレ
ーキが踏まれているか、前輪舵角θF が規定値以内にあ
るかをチェックする。ステップS188でヨーレートセ
ンサ25の出力を読み取り、ステップS190でこれが
規定範囲内にあるかをチェックする。範囲外にあればス
テップS202でエラーフラグFSYをセットする。
【0036】範囲内にあればステップS192でヨー角
度ψを演算する。ステップS194で、ヨー位置がセン
タに着ているかをチェックする。始動時は車体は動いて
いない筈なので、ヨーは“0”の筈である。ψが“0”
でないならば、ステップS204に進む。ここでは、車
体が正の状態から動の状態に変化したのかを調べる。ス
テップS204の判断がYESならば、ヨーセンサエラ
ーとしてフラグFYZをセットする。一方、ψ≠0であ
るのにステップS204でNOと判断されたならばステ
ップS208で、ψセンサ25の初期化は終了できなか
た旨を記憶する(フラグYAWSETO=0)。 ψ=0の状態がステップS196で所定時間連続して起
こっていることが確認されたならば、ステップS198
で、そのときのセンサ25の値をオフセットとして読み
込み、フラグYAWSETをセットする。
【0037】次に、ステップS220(図11)の「制
御モードセット」手順(図15)を実行する。これは、
これまでの一連の制御で発見された種々の状態(これら
はエラーフラグに記憶されている)に基づいて、四輪操
舵装置の制御モードを決定するものである。本実施例で
は、 モード=0 → 2WS制御 モード=1 → 車速感応制御 モード=3 → 車速感応のヨーレートフイードバツク
制御 の3通りが用意されている。フラグFSV(車速エラ
ー)が発生すると、モード0の2WS制御(ステップS
234)が行なわれ、舵角センサがフェールしている
か、または、ヨーレートセンサの初期化が終了していな
ければ、モード1の車速感応制御(ステップS232)
が行なわれ、舵角センサがフェールしていなくて且つヨ
ーレートセンサの初期化が終了していればモード3の車
速感応のヨーレートフイードバツク制御(ステップS2
30)が行なわれる。
【0038】次に図11のステップS250で、図6の
2つのソレノイド83,85がオンされてパワーシリン
ダ38に油圧が供給される。本実施例では、このように
2WS位置において油圧がオンされるので、所謂「油圧
ハンマリング音」の発生が防止される。 〈変形〉本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で種々変形
が可能である。例えば、上記実施例は、転舵比を検出す
るセンサの基準位置を2WS位置に合せたものとなって
いた。しかし、本発明は、後輪舵角を直接例えばモータ
や油圧回路により駆動する操舵装置であって、後輪の舵
角を検出するためのセンサの基準位置合せにも適用でき
る。また、本発明は、伝達シャフト52を有さないタイ
プのシステムにも適用できる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
目標転舵角と中立位置との差に対応した出力に基づいて
後輪が転舵されるので、最も検出精度を要求される2W
S領域を中心とした領域での転舵角検出精度の向上が図
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術の問題点を説明する図。
【図2】本発明の好適な実施例である四輪操舵システム
の全体構成を説明する図。
【図3】図2に示した実施例の後輪転舵装置の主要部分
の構成を説明する図。
【図4】図2に示した実施例の転舵比可変機構の主要部
分の構成を説明する図。
【図5】図4の転舵比可変機構の動作原理を説明する
図。
【図6】油圧リリース回路の構成を説明する図。
【図7】
【図8】図6の油圧リリース回路の動作を説明する図。
【図9】転舵比センサの検出原理と基準位置との関係を
説明する図。
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】本実施例の制御手順を示すフローチヤート。
【図16】
【図17】転舵比を決定するための係数f1 ,f2 の特
性を示すグラフ図。
【符号の説明】
18 後輪転舵機構、 20 転舵比可変機構、 22 制御ユニット、 31 油圧リリース回路、 56 ステップモータ、 83 開閉バルブ、 85 切換バルブ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 後輪の転舵角に応じた位置信号を検出す
    る検出手段と、 後輪を駆動して転舵するためのアクチュエータを備えた
    転舵手段であって、上記検出手段を基準位置合せした状
    態で後輪が中立位置に位置決めされるように前記アクチ
    ュエータが設定された後輪転舵手段と、 目標転舵角を演算し、この目標転舵角と前記中立位置と
    の差に対応した出力を前記アクチュエータに出力して後
    輪を目標転舵角に転舵する制御手段とを具備したことを
    特徴とする車両の後輪操舵装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の車両の後輪操舵装置に
    おいて、前記検出手段は転舵比検出センサである。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の車両の後輪操舵装置に
    おいて、前記アクチュエータは、前記検出手段の作動位
    置に応じ位置に変位する部材とこの部材の駆動を油圧力
    により補助する油圧アシスト回路を含む。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の車両の後輪操舵装置に
    おいて、前記制御手段は車体のヨーレートに基づいて前
    記転舵比を可変制御する。
JP4017095A 1992-01-31 1992-01-31 車両の後輪操舵装置 Pending JPH05213231A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009071930A (ja) * 2007-09-11 2009-04-02 Psc Kk 電流駆動型アクチュエータ駆動制御装置

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JP2009071930A (ja) * 2007-09-11 2009-04-02 Psc Kk 電流駆動型アクチュエータ駆動制御装置

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