JPH05212477A - 高剛性構造部材 - Google Patents

高剛性構造部材

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JPH05212477A
JPH05212477A JP1924392A JP1924392A JPH05212477A JP H05212477 A JPH05212477 A JP H05212477A JP 1924392 A JP1924392 A JP 1924392A JP 1924392 A JP1924392 A JP 1924392A JP H05212477 A JPH05212477 A JP H05212477A
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JP
Japan
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curved surface
structural member
superplastic
metal material
forming body
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JP1924392A
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Mamoru Matsuo
守 松尾
Toshio Komatsubara
俊雄 小松原
Tsutomu Tagata
勉 田形
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Sky Aluminium Co Ltd
Original Assignee
Sky Aluminium Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 比較的大型であって所望の曲面を付与でき、
さらに全体または局所の剛性を強化でき、しかも必要な
表面処理性、耐食性を付与できる高剛性構造部材を提供
する。 【構成】 粗密2重の曲面を有する超塑性金属材A1の
少なくとも片面に粗の曲面を有する金属材B1、C1を
両者の接触点において互いに接合する構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超塑性金属材、特に超
塑性成形用アルミニウム合金を利用した、軽量高剛性の
構造用部材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、微細結晶粒を有する金属材の超塑
性現象を利用して超塑性成形を行う技術が発達してい
る。超塑性現象は、外部から材料に機械的な引張力を加
えた場合に、局部的変形の発生を招くことなく数百%以
上に達する大きな伸びが得られる現象である。かかる現
象を利用した超塑性成形は、複雑で深い成形、一体化成
形などに多く応用されている。
【0003】超塑性材料としてのアルミニウム合金に
は、Al−78%Zn、Al−33%Cu、Al−0.
4%Zr、Al−Zn−Mg−Cu合金(AA規格の7
475、7075合金)、Al−2.5〜6%Mg−0.
05〜0.6%Zr合金等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、高剛性軽量
構造材として、ハニカム材を利用した構造材やブレージ
ング構造材が知られているが、これらの構造材は、構造
上、複雑な曲面を付与することができないこと、大型の
構造板や成形板は製作できないこと、表面処理性、耐食
性が悪いこと、等の欠点を備えている。そのため、構造
部材として適用できる範囲が極めて狭い範囲に限られて
いた。
【0005】本発明は、前述の課題に鑑みてなされたも
ので、比較的大型であって所望の曲面を付与でき、さら
に全体または局所の剛性を強化でき、しかも必要な表面
処理性、耐食性を付与できる高剛性構造部材を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、請求項1記載の
高剛性構造部材では、粗密2重の曲面を有する超塑性金
属材の少なくとも片面に粗の曲面を有する金属材を両者
の接触点において互いに接合する構成とすることをその
解決手段とした。
【0007】また、請求項2記載の高剛性構造部材で
は、粗密2重の曲面を有する超塑性金属材を一対の粗の
曲面を有する金属材により挟み、これら超塑性金属材お
よび金属材を両者の接触点において互いに接合する構成
とすることをその解決手段とした。
【0008】なお、前記超塑性金属材および前記金属材
はそれぞれ3次元曲面とされている場合もある。また、
前記超塑性金属材および前記金属材はアルミニウム合金
から成ることが望ましい。また、前記超塑性金属材は超
塑性成形によって形成されていることが望ましい。
【0009】
【作用】本発明の高剛性構造材においては、粗密2重の
曲面を有する超塑性金属材の少なくとも片面に粗の曲面
を有する金属材を両者の接触点において互いに接合する
構造とすることで、大型の曲面成形体および多様な曲面
の成形体が得られる。さらには、かかる曲面成形体の補
強が効果的に図られる。
【0010】
【実施例】以下本発明の実施例を、図面を参照して説明
する。
【0011】図1および図2は本発明の第1実施例を示
している。図1に示す高剛性構造部材は、粗密2重の曲
面を有する成形体A1と、粗の曲面を有し前記成形体A
1を挟む形で両者の接触面が互いに接合された1対の成
形体B1、C1とから構成されている。
【0012】前記成形体A1を詳述すると、この成形体
A1は、図2に示すように、一方向に平行に延びる凹凸
1が他方向に多数連続して設けられ、この凹凸1によっ
て密の曲面が成形体全体に亙って形成されるとともに、
各凹凸1の上底面2および下底面3によって仮想的な連
続する粗の曲面が成形体全体に亙って形成されているも
のである。
【0013】この成形体A1の材料には、超塑性成形に
好適なアルミニウム合金が使用される。このアルミニウ
ム合金としては、超塑性成形が可能であれば、特に限定
されない。構造用の強度、耐食性、溶接性などを良好に
するためには、Mg0.5〜3.5wt%を含有し、かつ
Mn0.8〜3.5wt%、Cr0.1〜0.5wt%、Z
r0.1〜0.4wt%のうちの一種またはそれ以上を含
有し、Fe0.35wt%以下、Si0.15wt%以下
に規制し、残部がAlおよび不純物からなり、超塑性成
形後の再結晶粒の大きさが25ミクロン以下である超塑
性成形用アルミニウム合金圧延板が最も望ましい。
【0014】前記成形体B1、C1は、それぞれ成形体
A1の上下面の仮想的な粗の連続曲面に沿って積層さ
れ、成形体A1の上底面2および下底面3に接着剤、ス
ポット溶接、ブレージング、拡散接合等の接合手段によ
って成形体A1と一体化されるものである。この成形体
B1、C1の材料としては、超塑性成形以外の方法で成
形する場合には、合金は特に指定されるものではない。
この成形体B1、C1は、超塑性成形で成形体を得るの
が最も望ましい。超塑性成形で得られる成形体B1、C
1は、形状凍結性に優れており、成形体A1の上底面2
および下底面3の仮想曲面に一致した形状が得られ、成
形体A1、B1の接合面あるいは成形体A1、C1の接
合面がそれぞれ正確に一致するという効果を発揮する。
したがって、成形体A1、B1、C1の後の複合化処理
が非常にやり易く、強度的にも優れる効果を発揮する。
【0015】次に、上記構造の高剛性構造部材の製造方
法を説明する。
【0016】(1)超塑性成形 一例としてアルミニウム合金圧延板を用いて、これを一
定の成形温度(300℃〜540℃)および一定の成形
速度により所望の形状に超塑性成形し、成形体A1を得
る。同様にして超塑性成形により成形体B1、C1を得
る。かかる超塑性成形によれば、複雑で、一体化された
部材の製造が可能となり、部品点数の低減および軽量化
を図ることができ、組立作業の軽減によるコスト低減を
図ることができる。
【0017】(2)超塑性成形後の前処理 超塑性成形は300℃〜540℃の高温で行われるた
め、アルミニウム合金の表面は強く酸化してしまう。こ
のため、成形体A1、B1、C1を接合して複合化する
前に表面処理を行い、成形体A1、B1、C1の表面の
酸化被膜層を除去する。酸化被膜層を除去する方法とし
ては、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、系のアルカリ系のエッ
チング液を用いる方法や、硝酸、硫酸系の酸処理による
方法がある。成形体A1、B1、C1を接着剤により接
合する場合には、ベーマイト処理、必要に応じて陽極酸
化処理等により、逆に安定化した酸化被膜を形成するよ
うにしてもよい。
【0018】(3)接合 成形体A1の上下に成形体B1、C1を積層し、成形体
A1の上底面2および下底面3に対し、成形体B1、C
1の接触面を接合し、成形体A1、B1、C1を複合化
する。これにより、所望の高剛性部材が得られる。成形
体A1、B1、C1の接合方法としては、接着、スポッ
ト溶接・超音波スポット溶接、アルヒューズ、拡散接合
などがある。接着は、常温硬化タイプ、熱硬化タイプい
ずれでもよい。スポット溶接・超音波スポット溶接は、
接着剤と組み合わせたウエルボンドでもよい。アルヒュ
ーズは、500℃程度に加熱して、塩化亜鉛雰囲気で溶
融接合する方法である。
【0019】拡散接合は、超塑性材料を超塑性状態で加
圧することで極めて容易に行える方法である。この拡散
接合の方法としては、ロールホーディング、接合面にA
gをインサートして固体拡散を行う方法、接合面に50
52ハクをインサートし固相拡散を行う方法、溶融拡散
を行う方法、界面にZnをクラッドし、溶融拡散を行う
方法などがある。かかる拡散接合は、超塑性成形中に同
時に行ってもよいが、成形体A1、B1、C1を前もっ
て成形した後、これらを積層して接合部を加圧加熱(5
00℃前後)して接合する方が形状に制約を受けず、望
ましい。また、接合を容易にするために、窒素ガス雰囲
気など、非酸化性の雰囲気で加熱する方法がよい。接合
面は、接合を容易にするために、ブラシ等で荒らし、表
面粗度を大きくしておいた方がよい。さらに、接合面に
は、必要に応じ、接合を容易にする上記のようなインサ
ートを入れてもよい。インサートとしては、メルティン
グポイントの低いAl−12%Si合金箔、酸化しにく
い純アルミニウム系合金、Al−Mn系合金箔もある。
【0020】図3および図4は本発明の第2実施例を示
すもので、本発明に係る高剛性構造部材を車両の床パネ
ルに適用した例である。これらの図によれば、成形体A
2の一部に上底面2および下底面3を有する小さな凹凸
1が連続して形成され、上底面2及び下底面3はそれぞ
れ仮想の連続面を形成している。また、成形体A2の一
部に大きな凸部4が形成されている。かかる成形体A2
は前記実施例同様に超塑性成形されており、これら成形
体A2、B2、C2が一体化され、複合化されている。
【0021】図5および図6は本発明の第3実施例およ
び第4実施例を示すもので、それぞれ成形体に形成され
る凹凸の形状を示している。図5に示す成形体A3に
は、平面視してその片面に凸部6が格子状に形成され、
凹部7が縦横に配列されている。図6に示す成形体A4
の片面には独立した凸部8が縦横に規則正しく配列され
ており、したがって隣接する凸部8、8間に凹部9が形
成されている。
【0022】図7は本発明の第5実施例を示すものであ
り、成形体A5をハニカム構造とし、全方向に対して剛
性を向上させたものである。この成形体A5は、図に示
すように、全方向に対して上底面11および下底面12
を有する凹凸10が形成され、それぞれの上底面11お
よび下底面12がそれぞれ仮想の連続面を形成してい
る。
【0023】図8および図9は本発明の第6実施例を示
すもので、成形体A6の一方の片面に密の曲面となる孔
13がほぼ規則正しく穿設されており、隣接する各孔1
3の間に形成される上底面14は仮想の連続面を形成し
ている。また、成形体A6の他の片面には粗の曲面が形
成されている。そして、成形体A6の一方の片面の全体
または一部に上底面の仮想の連続面と一致する接合面を
有する成形体B6が接合されている。
【0024】図10は本発明の第7実施例を示すもの
で、成形体A7の図中右半分には上底面15および下底
面16を有する連続する凹凸17が形成され、成形体A
7の左半分には上底面15の仮想の連続面に一致する面
が形成されている。また、成形体B7の左半分には前記
成形体A7の左半分の面の裏面に接合される上底面18
を有する連続する凹凸が形成され、成形体B7の右半分
には下底面19の仮想の連続面に一致しかつ前記成形体
A7の右半分の下底面19に接合される面が形成されて
いる。そして、成形体A7の右半分の上底面15には成
形体C7が接合され、成形体B7の左半分の下底面19
には成形体D7が接合されている。
【0025】本発明に係る高剛性構造部材は、建材、自
動車等の車両、航空機等の各用途に幅広く用いることが
できる。
【0026】本発明に係る高剛性構造部材によれば、超
塑性成形によって大型の曲面部品を一体成形でき、例え
ば電車のドア、自動車の床パネル等を一体成形できる。
また、大きな湾曲面を持ちながら、微細で複雑な凹凸を
好みに応じて所望の箇所に付加することによって当該箇
所を補強し、高剛性と軽量化を図ることができる。さら
には、超塑性成形によって成形すれば、大きな湾曲面に
ぴったりと合致する外殻を得ることができるから、接着
等との接合を組み合わせることによって、より一層の補
強を図ると同時に、極めて平滑な面をも得ることができ
る。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る高剛
性構造部材によれば、粗密2重の曲面を有する超塑性金
属材の少なくとも片面に粗の曲面を有する金属材を両者
の接触点において互いに接合する構造としたから、大型
の曲面成形体を得ることができ、また多様な曲面の成形
体を得ることができる。また、かかる曲面成形体の全体
または局所の剛性を効果的に強化できる。これによっ
て、大型あるいは多様な曲面成形体における高剛性化な
らびに軽量化を有効に図ることができる。さらには、曲
面成形体に必要な表面処理性、耐食性を付与できるなど
の優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す高剛性構造部材の斜
視図である。
【図2】同高剛性構造部材に用いられる成形体の側断面
図である。
【図3】本発明の第2実施例を示す高剛性構造部材の斜
視図である。
【図4】同高剛性構造部材に用いられる成形体の側断面
図である。
【図5】本発明の第3実施例を示すもので、高剛性構造
部材に用いられる成形体の斜視図である。
【図6】本発明の第4実施例を示すもので、高剛性構造
部材に用いられる成形体の斜視図である。
【図7】本発明の第5実施例を示すもので、高剛性構造
部材に用いられる成形体の平面図である。
【図8】本発明の第6実施例を示す高剛性構造部材の斜
視図である。
【図9】同高剛性構造部材の図9における要部拡大斜視
図である。
【図10】本発明の第7実施例を示す高剛性構造部材の
側断面図である。
【符号の説明】
1 凹凸 2 上底面 3 下底面 A1 成形体 B1 成形体 C1 成形体。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年3月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】 この成形体A1の材料には、超塑性成形
に好適なアルミニウム合金が使用される。このアルミニ
ウム合金としては、超塑性成形が可能であれば、特に限
定されない。構造用の強度、耐食性、溶接性などを良好
にするためには、Mg2.06.0wt%を含有し、
かつMn0.31.0wt%、Cr0.050.3
wt%、Zr0.050.3wt%のうちの一種また
はそれ以上を含有し、Fe0.35wt%以下、Si
0.15wt%以下に規制し、残部がA1および不純物
からなり、超塑性成形後の再結晶粒の大きさが25ミク
ロン以下である超塑性成形用アルミニウム合金圧延板が
最も望ましい。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗密2重の曲面を有する超塑性金属材の
    少なくとも片面に粗の曲面を有する金属材が両者の接触
    点において互いに接合されていることを特徴とする高剛
    性構造部材。
  2. 【請求項2】 粗密2重の曲面を有する超塑性金属材が
    一対の粗の曲面を有する金属材により挟まれ、これら超
    塑性金属材および金属材は両者の接触点において互いに
    接合されていることを特徴とする高剛性構造部材。
  3. 【請求項3】 前記超塑性金属材および前記金属材はそ
    れぞれ少なくとも1つの略同一曲率を有する3次元曲面
    とされていることを特徴とする請求項1記載または請求
    項2記載の高剛性構造部材。
  4. 【請求項4】 前記超塑性金属材および前記金属材はア
    ルミニウム合金から成ることを特徴とする請求項1記載
    または請求項2記載若しくは請求項3記載の高剛性構造
    部材。
  5. 【請求項5】 前記超塑性金属材は超塑性成形によって
    形成されていることを特徴とする請求項1記載または請
    求項2記載若しくは請求項3記載の高剛性構造部材。
JP1924392A 1992-02-04 1992-02-04 高剛性構造部材 Withdrawn JPH05212477A (ja)

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