JP3381748B2 - 超塑性成形用多層クラッド板とその製造方法、およびそれを用いた中空剛性ボードとその製造方法 - Google Patents

超塑性成形用多層クラッド板とその製造方法、およびそれを用いた中空剛性ボードとその製造方法

Info

Publication number
JP3381748B2
JP3381748B2 JP33176294A JP33176294A JP3381748B2 JP 3381748 B2 JP3381748 B2 JP 3381748B2 JP 33176294 A JP33176294 A JP 33176294A JP 33176294 A JP33176294 A JP 33176294A JP 3381748 B2 JP3381748 B2 JP 3381748B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal plate
core metal
plate
superplastic forming
rigid board
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP33176294A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08164488A (ja
Inventor
守 松尾
勉 田形
耕太郎 横田
信之 大田
Original Assignee
財団法人シップ・アンド・オーシャン財団
スカイアルミニウム株式会社
昭和電工株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 財団法人シップ・アンド・オーシャン財団, スカイアルミニウム株式会社, 昭和電工株式会社 filed Critical 財団法人シップ・アンド・オーシャン財団
Priority to JP33176294A priority Critical patent/JP3381748B2/ja
Publication of JPH08164488A publication Critical patent/JPH08164488A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3381748B2 publication Critical patent/JP3381748B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21DWORKING OR PROCESSING OF SHEET METAL OR METAL TUBES, RODS OR PROFILES WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21D26/00Shaping without cutting otherwise than using rigid devices or tools or yieldable or resilient pads, i.e. applying fluid pressure or magnetic forces
    • B21D26/02Shaping without cutting otherwise than using rigid devices or tools or yieldable or resilient pads, i.e. applying fluid pressure or magnetic forces by applying fluid pressure
    • B21D26/053Shaping without cutting otherwise than using rigid devices or tools or yieldable or resilient pads, i.e. applying fluid pressure or magnetic forces by applying fluid pressure characterised by the material of the blanks
    • B21D26/055Blanks having super-plastic properties

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Fluid Mechanics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Shaping Metal By Deep-Drawing, Or The Like (AREA)
  • Pressure Welding/Diffusion-Bonding (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は船舶や航空機あるいは
車両などの外殻体や翼、扉あるいは建材などの構造体、
さらには各種機械部品等として使用される、特に全体と
して平坦な中空剛性ボードに最適な3層以上の多層構造
の超塑性成形用クラッド板とその製造方法、さらにはそ
れを用いた中空剛性ボードおよびその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】超塑性成形用材料は、適切な温度(通常
は300〜550℃)において適切な歪速度で引張りを
与えた場合に、局部的変形(ネッキング)の発生を招く
ことなく、数百%以上に及ぶ著しく大きな伸びを示す材
料であり、Ti基の超塑性材料のほか、アルミニウム基
の超塑性材料としてAl−Cu−Zr系合金、7475
合金、Al−Mg系合金などが知られている。このよう
な超塑性成形用材料は、適切な温度、適切な歪速度で成
形加工(超塑性成形)を施すことによって著しく大きな
変形量を得ることができるため、特に変形量の大きい成
形体や複雑な形状の成形体に最適と考えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】船舶や航空機、建材な
どの構造部材としては軽量でかつ剛性が高いことが要求
され、そこで例えば2枚の金属板の間にトラス状のリブ
を設けた全体として平坦な中空剛性ボードを用いること
がある。このような中空剛性ボートの製造にあたって
は、一般には2つ以上の成形体を組合せて接合したり、
あるいは成形体に金属板を接合したりすること、すなわ
ち複合化を行なうことが必要である。
【0004】ところで前述のような中空剛性ボードに用
いる成形体の素材として超塑性成形用材料を用い、超塑
性成形によって成形体を得ることが考えられる。ここ
で、成形体の素材としてTi系の超塑性成形用材料を用
いた場合には、拡散接合が比較的容易であるため、前述
のような複合化のための接合を容易に行なうことがで
き、超塑性成形の利点を生かすことができる。しかしな
がらアルミニウム基の超塑性成形用材料の場合、酸化皮
膜が強固に生成される関係から、拡散接合が困難である
場合が多く、また仮に接合可能であったとしても、特殊
な前処理やインサート材が必要となるなどの点から、実
用化には支障があった。
【0005】そこでアルミニウム基の超塑性成形用材料
を用いた成形品の複合化は、溶接や接着によらざるを得
ないのが現状である。しかしながら溶接による場合に
は、せっかく高精度で成形された部材が溶接時の熱によ
って変形してしまう問題があり、また複雑に成形された
部分の溶接が困難であって、特に奥行の深い部分の溶接
に限界があり、また溶接作業に著しい時間と手間を要さ
ざるを得ない。一方接着による場合、良好な接着性を得
るためには表面処理によって酸化皮膜を除去する必要が
あり、また高温で使用される場合には耐熱性の点から接
着剤の使用に限界があり、さらに構造用の部材に供する
場合、接着剤の品質によって強度が左右され、また長期
的な経時変化の点にも不安を抱かざるを得ないのが実情
である。
【0006】この発明は以上の事情を背景としてなされ
たもので、アルミニウム基の超塑性成形用材料を用いな
がらも前述のような問題を招くことなく、全体として平
坦な中空剛性ボードが得られるようにすることを目的と
したものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明では、基本的に
は、熱間圧延による圧着を適用して超塑性成形用の3層
以上の多層をなすクラッド構造の複合板を得、さらにそ
の複合板を全体として平坦な中空剛性ボードの製造のた
の素材として用いることにより、前述の問題を解決し
ている。
【0008】具体的には、請求項1〜請求項3の各発明
は、熱間圧延による圧着を適用した超塑性成形用多層ク
ラッド板についてのものであり、そのうち請求項1の発
明の超塑性成形用ロールボンド3層クラッド板は、コア
金属板の両面に平坦なライナー金属板が配置され、かつ
コア金属板とその両面側のライナー金属板との間の予め
定めた位置に所定のパターンで圧着防止剤を介在させた
状態でコア金属板とその両面側のライナー金属板とが熱
間圧延により圧着されてなり、平坦な中空剛性ボードを
製造するための素材として用いられる超塑性成形用多層
クラッド板において、前記コア金属板として、Mg2.
0〜6.0を含有し、かつMn0.05〜1.5%、C
r0.05〜0.3%、V0.05〜0.3%、Zr
0.05〜0.3%のうちの1種または2種以上を含有
し、さらに不純物としてのFeが0.4%未満に、Si
が0.3%未満にそれぞれ規制され、残部がAlおよび
不可避的不純物よりなり、しかも結晶粒サイズが60μ
m以下の非熱処理型超塑性成形用材料が用いられてお
り、かつ前記ライナー金属板として、Mg量が0.5%
以下のアルミニウム合金が用いられていることを特徴と
するものである。
【0009】また請求項2に記載の超塑性成形用多層ク
ラッド板は、コア金属板の両面に平坦なライナー金属板
が配置され、かつコア金属板とその両面側のライナー金
属板との間の予め定めた位置に所定のパターンで圧着防
止剤を介在させた状態でコア金属板とその両面側のライ
ナー金属板とが熱間圧延により圧着されてなり、平坦な
中空剛性ボードを製造するための素材として用いられる
超塑性成形用多層クラッド板において、前記コア金属板
およびライナー金属板として、Mg2.0〜6.0を含
有し、かつMn0.05〜1.5%、Cr0.05〜
0.3%、V0.05〜0.3%、Zr0.05〜0.
3%のうちの1種または2種以上を含有し、さらに不純
物としてのFeが0.4%未満に、Siが0.3%未満
にそれぞれ規制され、残部がAlおよび不可避的不純物
よりなり、しかも結晶粒サイズが60μm以下の非熱処
理型超塑性成形用材料が用いられており、かつコア金属
板とライナー金属板との内、少なくとも一方の金属板に
おける他方の金属板に接する側の面にMg量が0.5%
以下のアルミニウム合金からなる圧着補助層が形成され
ており、これによってコア金属板とライナー金属板との
間にMg量が0.5%以下の前記圧着補助層が介在され
ているものである。
【0010】
【0011】そしてまた請求項3に記載の超塑性成形用
多層クラッド板は、請求項1もしくは請求項2に記載の
多層クラッド板において、前記圧着防止剤が、複数条の
帯状部分を間隔を置いて平行に形成したストライプ模様
状のパターンに形成されており、かつコア金属板の一方
の面の側の圧着防止剤の各帯状部分の中央位置が他方の
面の側の圧着防止剤の各帯状部分相互間のスペースの位
置に対応するように、コア金属板の各面の圧着防止剤の
ストライプ模様状パターンが定められているものであ
る。
【0012】一方請求項4の発明は、前述のような超塑
性成形用多層クラッド板を製造する方法についてのもの
であり、具体的には、Mg2.0〜6.0を含有し、か
つMn0.05〜1.5%、Cr0.05〜0.3%、
V0.05〜0.3%、Zr0.05〜0.3%のうち
の1種または2種以上を含有し、さらに不純物としての
Feが0.4%未満に、Siが0.3%未満にそれぞれ
規制され、残部がAlおよび不可避的不純物よりなる合
金を鋳造するにあたって、前記各成分元素のほかさらに
Al−Ti合金もしくはAl−Ti−B合金をTi量に
して0.15%以下添加した後もしくは添加しながら鋳
造し、さらに圧延して1〜25mmの素板を得、さらに
その素板の1枚をコア金属板とするとともに、その素板
の2枚をライナー金属板とするかまたは別のアルミニウ
ム合金板からなる2枚のライナー金属板を用意し、前記
コア金属板とライナー金属板との間の予め定めた位置に
所定のパターンで圧着防止剤を介在させた状態でコア金
属板の両面側にライナー金属板を重ね合せ、その重ね合
せ板を加熱して300〜550℃の温度域で30%以上
の圧延率で熱間圧延し、さらに20%以上の圧延率で冷
間圧延することを特徴とするものである。
【0013】さらに請求項5〜請求項8の各発明は、前
述のような超塑性成形用多層クラッド板を用いて構成し
た中空剛性ボードについてのものであり、そのうち先ず
請求項5の発明の中空剛性ボードは、請求項1もしくは
請求項2に記載の超塑性成形用多層クラッド板を用いた
中空剛性ボードにおいて、前記圧着防止剤の介在により
形成された非圧着部が膨張されてその部分が中空部とさ
れていることを特徴とするものである。
【0014】また請求項6の発明の中空剛性ボードは、
請求項5に記載の中空剛性ボードにおいて、コア金属板
の一方の面の側の非圧着部の膨張による中空部とコア金
属板の他方の面の側の非圧着部の膨張による中空部と
が、ボードの厚み方向に対し直交する方向に交互に位置
して、コア金属板が2枚のライナー金属板の間でトラス
状のリブを形成していることを特徴とするものである。
【0015】さらに請求項7の発明の中空剛性ボード
は、請求項6に記載の中空剛性ボードにおいて、その厚
みがボードの一辺部から反対側の一辺部へ向けて減少も
しくは増大するように作られていることを特徴とするも
のである。
【0016】そしてまた請求項8の発明の中空剛性ボー
ドは、請求項6に記載の中空剛性ボードにおいて、ボー
ドの両面のうち、少なくとも一方の面が全体として曲面
をなすように作られていることを特徴とするものであ
る。
【0017】また請求項9、請求項10の発明は、前述
のような中空剛性ボードを製造する方法についてのもの
であり、そのうち先ず請求項9の発明の中空剛性ボード
製造方法は、請求項1もしくは請求項2に記載の超塑性
成形用多層クラッド板を用いて中空剛性ボードを製造す
るにあたり、前記圧着防止剤の介在により形成されてい
る非圧着部に、300〜550℃の範囲内の温度におい
て流体圧を導入することによって、超塑性成形用材料の
超塑性変形により非圧着部を膨張させ、中空部を有する
剛性ボードを得ることを特徴とするものである。
【0018】また請求項10の発明の中空剛性ボード製
造方法は、請求項1もしくは請求項2に記載の超塑性成
形用多層クラッド板を用いて中空剛性ボードを製造する
にあたり、前記超塑性成形用多層クラッド板を、間隙を
隔てて対向する一対の支持面間に配置し、前記圧着防止
剤の介在により形成されている非圧着部に、300〜5
50℃の範囲内の温度において流体圧を導入することに
よって、コア金属板の超塑性変形により非圧着部を膨張
させ、中空部を有する剛性ボードを得ることを特徴とす
るものである。
【0019】
【作用】先ず請求項1〜請求項3の発明に係る超塑性成
形用多層クラッド板について説明する。
【0020】この多層クラッド板は、基本的には中央の
コア金属板とその両側のライナー金属板、およびコア金
属板とライナー金属板との間に所定のパターンで形成さ
れた圧着防止剤とからなる。そしてコア金属板とその両
側のライナー金属板とのうち、少なくともコア金属板と
しては、請求項1に規定したような特定の成分組成、特
定の結晶粒径のAl−Mg系の非熱処理型超塑性成形用
材料を用いる。このような超塑性成形用材料は300〜
550℃の温度で数百%以上に及ぶ大きな伸びを示すか
ら、その300〜550℃の温度域(超塑性温度域)に
加熱した状態で、前記圧着防止剤の介在により生じてい
るコア金属板とライナー金属板との間の所定のパターン
の非圧着部に流体圧を導入することによって、後に改め
て説明するように超塑性成形用材料からなる金属板(少
なくともコア金属板の部分)を超塑性変形により膨出変
形させ、これによって前記非圧着部を膨張させ、中空部
を形成することができる。
【0021】ここで、少なくともコア金属板として使用
されるAl−Mg系の非熱処理型超塑性成形用材料の成
分組成は請求項1に規定した通りであるが、その限定理
由は次の通りである。
【0022】Mg:MgはAl−Mg系超塑性成形用ア
ルミニウム合金で基本となる合金元素であり、耐食性、
溶接性を阻害することなく強度を付与すると同時に、超
塑性成形性を向上させるに必要な元素である。すなわち
Mgは冷間加工による転位の増殖を促進させて再結晶粒
を微細化させ、これにより超塑性成形時に動的再結晶を
促進させて超塑性成形性を向上させるに寄与する。Mg
量が2.0%未満では超塑性成形性および超塑性成形後
の強度が不充分となり、一方6.0%を越えれば熱間圧
延性、冷間圧延性が悪くなって板の製造が困難となる。
したがってMg量は2.0〜6.0%の範囲内とした。
【0023】Mn,Cr,V,Zr:これらの元素は再
結晶粒を微細かつ安定化し、超塑性成形時に結晶粒の異
常粗大化を防いで、超塑性成形性を向上させる効果があ
り、いずれか1種または2種以上が添加される。これら
の元素は、いずれも0.05%未満では上記の効果が充
分に得られず、一方Mnが1.5%を、Crが0.3%
を、Vが0.3%を、Zrが0.3%を越えれば、粗大
な金属間化合物が形成されて超塑性成形時にキャビテー
ション発生の原因となり、超塑性成形性を低下させる原
因となる。したがってMnは0.05〜1.5%、C
r,V,Zrはそれぞれ0.05〜0.3%の範囲内と
した。
【0024】Fe:Feは通常のアルミニウム合金にお
いて不可避的に含有される不純物元素であるが、Feが
多量に含有されれば、Al−Fe、Al−Fe−Mn、
Al−Fe−Si系の金属間化合物を晶出させ、これら
は超塑性成形時にキャビテーションの原因となって、超
塑性成形性を低下させ、またキャビテーションの存在に
より機械的性質、疲労特性や耐食性も劣化させる。これ
らのFeによる悪影響を回避するため、Feは0.4%
未満に規制する必要がある。なおFeは可及的に少ない
ことが望ましく、特に0.2%未満でFe低減の効果が
顕著となるから、Feは0.2%未満とすることが好ま
しい。
【0025】Si:Siも通常のアルミニウム合金にお
いて不可避的に含有される不純物元素であり、Siが多
量に含有されれば粗大なα−Mn(Fe)−SiやMg
2 Siなどの金属間化合物が晶出するため、Feと同様
に超塑性成形性を低下させ、特にSiが0.3%以上で
その傾向が強くなる。そこでSiは0.3%未満に規制
することとした。なおSi量低減効果は、特に0.15
%未満で顕著となるから、Si量は0.15%未満に規
制することが望ましい。
【0026】さらに通常のアルミニウム合金においては
鋳塊結晶粒微細化のためにTi、あるいはTiおよびB
を微量添加することがあり、この発明で用いるAl−M
g系非熱処理型超塑性成形用材料の場合も微量のTi、
あるいはTiおよびBを含有していても良い。すなわ
ち、後述する多層クラッド板の製造方法において説明す
るように、鋳造前あるいは鋳造中にAl−Ti合金もし
くはAl−Ti−B母合金を添加して鋳塊結晶粒の微細
化を図ることができる。但し、Ti添加量が0.15%
を越えれば初晶TiAl3 が晶出して成形性を害するか
ら、Ti量は0.15%以下とすることが好ましい。な
おまたB添加量が0.01%を越えればTiB2 の粗大
粒子が生じて成形性を害するから、B添加量は0.01
%以下とすることが好ましい。そのほか、鋳造時の溶湯
酸化防止のためにBeを200ppm以下の範囲で添加
しても良い。
【0027】さらに、この発明で用いるAl−Mg系の
非熱処理型超塑性成形用材料では、クラッド板の状態で
結晶粒サイズが60μm以下であることが、超塑性特性
を充分に発現させるために必要である。結晶粒サイズが
60μmを越えれば、充分な超塑性伸びが得られない。
【0028】以上のような成分組成、結晶粒径のAl−
Mg系非熱処理型超塑性成形用材料は、コア金属板とそ
の両面側のライナー金属板とのうち、少なくともコア金
属板に用いられていれば良く、ライナー金属板としては
Al−Mg系非熱処理型超塑性成形用材料を用いなくて
も良い。その場合、ライナー金属板の成分組成は、目的
とする用途に応じた強度や耐食性、表面処理性、塗装性
などに応じて適宜のアルミニウム合金を選択することが
可能であるが、コア金属板との圧着性観点から、ライ
ナー金属板としてMg量が0.5%以下のアルミニウ
ム合金を用いる。すなわちライナー金属板のMg量が
0.5%を越える場合、表面に強固なMgO系の酸化物
が厚く生成されて、熱間圧延によるクラッド圧着性が低
下するおそれがある。したがってライナー金属板とし
、非熱処理型超塑性成形用材料以外のアルミニウム合
金を用いる場合、そのライナー金属板としては、Mg量
が0.5%以下のアルミニウム合金を用いることとし
これを請求項1において規定した。なおこの場合のMg
以外の合金元素の含有量は任意である。
【0029】もちろんライナー金属板としては、コア金
属板に用いているAl−Mg系の非熱処理型超塑性成形
用材料と同じ成分組成範囲内の合金を用いても良い。但
しこの場合ライナー金属板のMg量が多いため、前述の
ように熱間圧延によるクラッド圧着性が低下するおそれ
がある。そこでこの場合には、請求項2において規定し
たようにコア金属板とライナー金属板とのうち、少なく
とも一方の金属板における他方の金属板に接する側の面
にMg量が0.5%以下のアルミニウム合金からなる圧
着補助層を形成しておく。このようにすることによっ
て、ライナー金属板とコア金属板との間には必ずMg量
が0.5%以下の圧着補助層が介在するため、熱間圧延
によるクラッド圧着性を向上させることができる。
【0030】なおこの圧着補助層は、コア金属板の表面
(通常は両面)あるいは各ライナー金属板の片面にメッ
キや溶射その他の膜形成手段により予め形成しておいて
も、あるいは薄板としてコア金属板もしくは各ライナー
金属板に予めクラッドしておいても良く、また場合によ
っては薄板として多層クラッド板製造時におけるコア金
属板とライナー金属板との重ね合せ時にその圧着補助層
用薄板もしくは箔をコア金属板とライナー金属板との間
に介在させ、熱間圧延によるクラッドと同時に複合一体
化することも可能である。
【0031】圧着防止剤としては、要は熱間圧延クラッ
ド時においてコア金属板とライナー金属板との圧着によ
る拡散接合を防止し得るものであれば良く、公知のも
の、例えばコロイド状グラファイトを主成分とするイン
キや、そのほか二硫化モリブデンやボロンナイトライド
を主成分とするインキ等を用いることができる。このよ
うな圧着防止剤を介在させた部分は熱間圧延によるクラ
ッド後におけるコア金属板とライナー金属板との非圧着
部となり、その非圧着部に超塑性成形温度において流体
圧を導入することによりコア金属板(超塑性成形用材
料)が超塑性変形して、その非圧着部が膨張され、目的
とする中空剛性ボード等における中空部となる。したが
って圧着防止剤を形成する位置、形成パターンは、基本
的には、最終的に目的とする中空剛性ボードの中空部の
位置、パターンに応じて定めれば良いが、特に既に述べ
たように2枚の金属板の間にトラス状のリブを設けた構
造の中空剛性ボードを目的とする場合には、請求項3
規定しているように、複数条の帯状部分を間隔を置いて
平行に形成したいわゆるストライプ模様状のパターンに
圧着防止剤を形成し、かつコア金属板の一方の面の側の
圧着防止剤の各帯状部分の中央位置が、他方の面の側の
圧着防止剤の各帯状部分の相互間のスペースの位置に対
応するように、各ストライプ模様状パターンを定めるこ
とが望ましい。このような圧着防止剤パターンの代表例
を図1、図2に示す。
【0032】図1、図2において、1はコア金属板、2
A,2Bはそれぞれライナー金属板であり、コア金属板
1と一方のライナー金属板2Aとの間(便宜上この間の
部分を面Aと記す)、およびコア金属板1と他方のライ
ナー金属板2Bとの間(便宜上この部分を面Bと記す)
には、それぞれ圧着防止剤3が前述のような帯状部分3
A,3Bを繰返したストライプ模様状パターンで形成さ
れている。このようなパターンで圧着防止剤が介在され
た多層クラッド板を用いれば、図3、図4に示すように
2枚の平面状のライナー金属板2A,2Bの間において
コア金属板1がトラス状のリブ5を形成している構造の
中空剛性ボードを得ることができる。すなわち、中空剛
性ボードの製造にあたっては、圧着防止剤3を形成した
帯状部分3A,3B、すなわちコア金属板1とライナー
金属板2A,2Bとの間の非圧着部に所定の温度におい
て流体圧を導入してその非圧着部を膨張させるから、そ
の膨張圧力によりコア金属板のみが変形するように制御
(例えばコア金属板のみに超塑性成形用材料を用いた
り、あるいは請求項11に記載したように、間隔を置い
て対向する一対の支持面間に多層クラッド板を配置して
ライナー金属板の変形を制御したり、あるいはこれらを
併用するなどの手段により制御)することによって、非
圧着部の膨張による中空部が、ボード全体の厚さ方向に
対して直交する方向に交互に位置する中空剛性ボードを
得ることができる。
【0033】なおここで、図1の面Aにおける圧着防止
剤3の帯状部分3Aと面Bにおける圧着防止剤3の帯状
部分3Bとでは、多層クラッド板の表面に対し垂直な方
向への投影が互いに重なり合うように、すなわち図2に
おいてqの領域で面A、面Bの両方に圧着防止剤帯状部
分3A,3Bが存在するように、ストライプ模様の間隔
を定めることが望ましい。このようにすることによっ
て、中空部が台形状となるように非圧着部を膨張させる
ことが可能となる。
【0034】また図2に示すように一方の面(例えば面
B)におけるある帯状部分3Bに対する他方の面(例え
ば面A)における帯状部分3Aの“ずれ”の距離p,
p′は互いに等しくなるように(すなわち対称なずれが
生じているように)定めることが望ましい。このように
することによって、中空部が均整のとれた等脚台形状と
することができる。なおここで、ずれの長さp,p′が
等しくなければ、非圧着部を膨張させる際に中空部の形
状がいびつとなり、コア金属板の超塑性伸びが変動して
成形が円滑に進行しなくなるおそれがある。
【0035】なおまた、既に述べたようにコア金属板も
しくはライナー金属板の表面にMg量が0.5%以下の
アルミニウム合金からなる圧着補助層を形成した場合に
も、前記同様なパターンで圧着防止剤を介在させること
が望ましい。例えば図5に示すようにコア金属板1の両
面に圧着補助層6A,6Bを形成した場合、その圧着補
助層6A,6Bとライナー金属板2A,2Bとの間に前
記同様なストライプ模様状パターンで圧着防止剤3を介
在させれば良い。また図6に示すように各ライナー金属
板2A,2Bの片面に圧着補助層6A,6Bを形成した
場合、その圧着補助層6A,6Bとコア金属板1との間
に前記同様なストライプ模様状パターンで圧着防止剤3
を介在させれば良い。
【0036】次に上述のような超塑性成形用多層クラッ
ド板を製造する方法、すなわち請求項4の方法について
説明する。
【0037】概略的には、先ず前述のような成分組成の
Al−Mg系の非熱処理型超塑性成形用材料からなる素
板を製造し、その素板をコア金属板およびライナー金属
板として用いるか、または上述の素板をコア金属板とし
て用いかつ他の任意のアルミニウム合金板をライナー金
属板として用い、熱間圧延により圧着させてクラッド板
とする。
【0038】そこで先ず上述の非熱処理型超塑性成形用
材料からなる素板の製造について説明すると、前述のよ
うな成分組成を有する合金を常法に従って溶製し、DC
鋳造法(半連続鋳造法)によって鋳塊を鋳造するか、ま
たは連続鋳造法(薄板連続鋳造圧延法)によって厚さ3
〜20mmのコイルに連続鋳造する。DC鋳造法を適用
した場合は、得られた鋳塊の表面を面削した後、鋳塊加
熱を行なってから熱間圧延し、さらに必要に応じて冷間
圧延を施して板厚1〜25mmの素板とする。ここで、
鋳塊加熱は、400〜560℃において0.5〜24時
間行なうことが好ましい。鋳塊加熱温度が400℃未
満、または鋳塊加熱時間が0.5時間未満では熱間圧延
が困難となり、また鋳塊加熱温度が560℃を越えれば
共晶融解のおそれがあり、さらに24時間を越える長時
間の鋳塊加熱は経済的に無駄となるだけである。一方連
続鋳造を適用した場合は、連続鋳造コイルをそのまま素
板とすることも可能であるが、通常は必要に応じて熱間
圧延を施した後、冷間圧延を施して板厚1〜25mmの
素板とする。なおDC鋳造もしくは連続鋳造のいずれの
場合においても、鋳造前あるいは鋳造中に、既に述べた
ように鋳塊結晶粒微細化ために、Al−Ti合金もしく
はAl−Ti−B合金をTi量にして0.15%以下添
加することが好ましい。
【0039】ここで、素板の厚みが1mm未満では最終
的なクラッド後のコア金属板の厚みが薄くなり過ぎて、
流体圧による超塑性成形が困難となり、また25mmを
越えればクラッド板の厚みが厚くなり過ぎるから、前述
のように素板の厚みは1〜25mmの範囲内とすること
が好ましい。
【0040】前述のようにして得られた素板を用いて多
層クラッド板を作成するにあたっては、その素板の1枚
をコア金属板とし、素板の他の2枚をライナー金属板と
するか、または別に製造された他のアルミニウム合金板
をライナー金属板とする。そしてコア金属板の両面ある
いは各ライナー金属板の片面に既に述べたような所定の
パターンで塗布等により圧着防止剤層を形成し、コア金
属板の両面側にライナー金属板が位置するようにかつコ
ア金属板の両面とライナー金属板との間に圧着防止剤が
介在するように、3枚の金属板を重ね合せる。次いでそ
の重ね合せ板を、300〜550℃の範囲内の温度に加
熱して、30%以上の圧延率で熱間圧延し、クラッドさ
せる。ここで、熱間圧延温度が300℃未満では充分に
圧着されず、一方550℃を越えれば共晶融解のおそれ
がある。また熱間圧延率が30%未満でも良好に圧着さ
れない。
【0041】その後、圧延率20%以上で冷間圧延を行
なう。この冷間圧延は、超塑性特性を発現させるべく微
細に再結晶させるために必要な工程であり、冷間圧延率
が20%未満では結晶粒を60μm以下とすることが困
難となる。
【0042】冷間圧延後には通常は最終焼鈍を施して、
再結晶組成としておくことが好ましい。この最終焼鈍
は、連続焼鈍、バッチ焼鈍のいずれを適用しても良い
が、超塑性特性の点からは連続焼鈍の方がバッチ焼鈍よ
りも若干優れている。この最終焼鈍をバッチ焼鈍によっ
て行なう場合、250〜400℃で0.5時間以上保持
するのが適当であり、また連続焼鈍によって行なう場合
には、350〜550℃で保持なしもしくは180秒以
下の保持とするのが適当である。
【0043】なお超塑性変形は300〜500℃の高温
で行なわれるため、前述のような20%以上の冷間圧延
を施しておけば、特に最終焼鈍を施さなくても超塑性成
形時の昇温中に再結晶が生じて、超塑性特性を発現させ
ることが可能となるから、最終焼鈍は必ずしも必要では
ない。但し、確実に優れた超塑性成形性を得るために
は、前述のような条件の最終焼鈍を施しておくことが適
切である。
【0044】なお以上のような超塑性成形用多層クラッ
ド板の製造方法において、既に述べたようにライナー金
属板としてコア金属板と同様なAl−Mg系非熱処理型
超塑性材料を用いかつMg量が0.5%以下の圧着補助
層を設ける場合には、コア金属板と2枚のライナー金属
板とを重ね合わせる前に、コア金属板もしくはライナー
金属板または両者の表面に圧着補助層を形成しておく
か、または圧着補助層となるべき薄板もしくは箔を、コ
ア金属板とライナー金属板との間に介在させることは勿
論である。具体的には、例えば圧着補助層となるべきM
g量が0.5%以下の板を前述の熱間圧延前にAl−M
g系の非熱処理型超塑性成形用の鋳塊に重ね合せ、熱間
圧延をクラッド圧延と兼ねて行ない、これによって圧着
補助層を表面に形成した素板を得、この素板をコア金属
板(もしくはコア金属板およびライナー金属板)として
用いて、前述のような重ね合せ、熱間圧延によるクラッ
ド、冷間圧延、さらに必要に応じて最終焼鈍を行なえば
良い。
【0045】さらに上述のようにして得られた超塑性成
形用多層クラッド板を用いて中空剛性ボードを製造する
方法について説明する。
【0046】前述のような超塑性成形用多層クラッド板
を、超塑性成形温度すなわち300〜550℃の範囲内
に加熱し、圧着防止剤の存在により圧着されなかった部
分(非圧着部)に気体等の流体を導入し、その流体圧に
よって超塑性成形用材料からなるコア金属板を超塑性変
形させ、非圧着部を膨張させて中空部とする。このと
き、通常は所定間隔を置いて上下に対向する一対の支持
面を有する金型の前記支持面間に多層クラッド板を配置
し、その状態で超塑性変形温度に加熱して流体圧を前記
非圧着部に導入することが好ましい。このようにするこ
とによって、多層クラッド板は流体圧によって一対の支
持面に沿うように変形するから、その一対の支持面が平
坦であれば、平坦な中空剛性ボードが得られる。すなわ
ち、たとえ両側のライナー金属板としてコア金属板と同
様な超塑性成形用材料を用いている場合でも、両側のラ
イナー金属板はほとんど変形せず、実質的にコア金属板
のみを変形させることができるのである。そしてこの場
合、特に圧着防止剤のパターンを図1、図2に示すよう
に設定しておくことによって、例えば図3、図4に示し
たようなトラス状のリブを有する中空剛性ボードを得る
ことが可能となるのである。
【0047】またここで、図7の仮想線で示すように金
型10における相互に対向する一対の支持面10A,1
0Bの相互間の間隔が一方から他方へ向けて増加もしく
は減少するように設定しておけば、中空剛性ボードとし
てその一辺部から反対側の一辺部へ向けて全体の厚みが
増大もしくは減少する形状のものを得ることができる。
このように全体の厚みが変化する中空剛性ボードは、例
えば航空機の翼や船舶の曲面部分の外殻体などとして用
いることができる。
【0048】さらに、図8に示すように金型10におけ
る相互に対向する一対の支持面10A,10Bのうち、
少なくとも一方の支持面を曲面としておく(図8では両
方の支持面を曲面としている)ことによって、中空剛性
ボードとしてその少なくとも一方の面が全体的に湾曲す
る形状のものを得ることができる。
【0049】上述のような超塑性成形時においては、予
め多層クラッド板を超塑性成形温度に加熱してから金型
に挿入して流体圧を導入しても、あるいは金型間に多層
クラッド板を挿入してから金型内で適宜の加熱手段で超
塑性成形温度に加熱して流体圧を導入しても良い。また
この場合、非圧着部に導入する気体等の流体も予め超塑
性成形温度に加熱しながら導入することが望ましい。な
お導入する流体の圧力は、合金の具体的種類、成形温
度、さらには板厚や成形量などによっても異なるが、通
常は0.1気圧から20気圧程度とする。
【0050】
【実施例】実施例1 圧着補助層用のアルミニウム合金として、Al−1.0
%Mn−0.10%Fe−0.10%Si合金をDC鋳
造法によって鋳造し、常法にしたがって熱間圧延して、
厚さ25mmの板とした。またコア金属板用およびライ
ナー金属板用のアルミニウム合金として、Al−4.5
%Mg−0.6%Mn−0.11%Cr合金をDC鋳造
法によって鋳造し、得られた鋳塊に530℃で10時間
の均熱処理を施してから面削し、厚さ500mmの鋳塊
とした。この厚さ500mmの鋳塊の両面に、前述の圧
着補助層用の合金からなる25mmの板を重ね合せ、5
00℃に加熱して熱間圧延によりクラッド圧延し、板厚
8mmのクラッド素板を得た。次いでこのクラッド素板
の1枚の両面にコロイダルグラファイトを主成分とする
圧着防止剤を所定のパターンで塗布し、さらにその圧着
防止剤を塗布したクラッド素板の両面に、圧着防止剤を
塗布していない他の2枚のクラッド素板を重ね合せた。
そしてその重ね合せ板を450℃に加熱し、熱間圧延
(クラッド圧延)により全厚み9.5mmとし、さらに
冷間圧延を施して全厚み4mmとし、縦500mm、幅
500mmの方形板状の多層クラッド板を得た。この状
態における多層クラッド板内部の圧着防止剤(非圧着
部)のパターン、寸法を図9、図10に示す。図9、図
10に示されるように、コア金属板1とライナー金属板
2A,2Bとの間の圧着防止剤3は、帯状部分3A,3
Bを繰返したストライプ模様状パターンに形成され、か
つそのストライプ模様を構成する各帯状部分3A,3B
の両端部が圧着防止剤3によって連続され(連続部3
C)、その連続部3Cの所定位置にはクラッド板の外縁
まで延出する延出部3Dが形成されている。これらの圧
着防止剤延出部3Dおよび連続部3Cは、外部から超塑
性成形のための流体圧を、各帯状部3A,3Bからなる
非圧着部に導入・分配するための導入・分配用非圧着部
を形成していることになる。
【0051】以上のような4mm×500mm×500
mmの多層クラッド板について、500℃に加熱した
後、40mmの間隔を置いて相互に対向する平行一対の
平坦な支持面を有する金型内にセットし、圧着防止剤に
よる非圧着部に2気圧の気体を導入し、バルジ成形によ
る超塑性成形を行なった。その結果、コア金属板の部分
が超塑性伸びを起こして、図3、図4に示したようなト
ラス状のリブを有する中空剛性ボードを得ることができ
た。なお成形後の中空剛性ボードの全厚みは40mmで
あった。また内部のコア金属板の部分の板厚は約0.5
mmで、約170%の伸びが生じていることが判明し
た。さらにミクロ検査を行なったところ、コア金属板と
ライナー金属板との圧着部は完全に金属拡散接合されて
いることが判明した。
【0052】実施例2 実施例1と同様にして得られた4mm×500mm×5
00mmの多層クラッド板を用い、これを450℃に加
熱して、相互に対向する一対の平坦な支持面間の寸法が
一端側で30mm、他端側で40mmとなるように設定
された金型内にセットし、圧着防止剤による非圧着部に
3気圧の気体を導入して、超塑性成形を行なった。その
結果、図7に示すように一端画から他端側へ向けて厚み
が変化する中空剛性ボードを得ることができた。なおこ
の場合一端側の厚みは30mm、他端側の厚みは40m
mとなった。
【0053】実施例3 実施例1と同様にして得られた4mm×500mm×5
00mmの多層クラッド板を用い、これを450℃に加
熱して互いに40mmの間隔を隔てて平行に湾曲する一
対の支持面を有する金型内にセットし、圧着防止剤によ
る非圧着部に3気圧の気体を導入して超塑性成形を行な
った。その結果、図8に示すように全体として湾曲する
中空剛性ボードを得ることができた。
【0054】実施例4 コア金属板用のアルミニウ合金として、Al−4.5%
Mg−0.6%Mn−0.11%Cr合金をDC鋳造法
によって鋳造し、得られた鋳塊に530℃で10時間の
均熱処理を施してから面削し、500mmの鋳塊とし、
さらに500℃に加熱して熱間圧延し、板厚8mmのコ
ア金属板とした。一方ライナー金属板用のアルミニウム
合金として、Al−1.0%Mn−0.10%Fe−
0.10%Si合金を常法に従ってDC鋳造、均熱処
理、面削、熱間圧延を行なって厚さ8mmのライナー合
金板を得た。次いでコア金属板の両面にコロイダルグラ
ファイトを主成分とする圧着防止剤を実施例1と同様な
パターンで塗布し、そのコア金属板の両面にライナー金
属板を重ね合せ、450℃に加熱して熱間圧延(クラッ
ド圧延)により全厚み9.5mmとし、さらに冷間圧延
を施して全厚み4mmとし、縦400mm、幅40mm
の方形板状の多層クラッド板を得た。
【0055】この多層クラッド板を用い、500℃に加
熱して、実施例1で用いたと同様な金型にセットし、圧
着防止剤による非圧着部に2気圧で気体を導入し、超塑
性バルジ成形を行なったところ、実施例1と同様な中空
剛性ボードが得られた。
【0056】
【発明の効果】この発明の超塑性成形用多層クラッド板
を用いれば、圧着防止剤を介在させることにより生じて
いるコア金属板とライナー金属板との間の非圧着部に気
体を導入することによって超塑性温度域で変形(超塑性
成形)させ、これにより任意の数、任意の大きさの中空
部を有する平坦な中空剛性ボードを容易に製造すること
ができる。そしてこの発明の多層クラッド板は、熱間圧
延による圧着によってコア金属板とその両側のライナー
金属板とが接合されていて、コア金属板とライナー金属
板との間の圧着防止剤の介在による非圧着部が最終的に
中空部となることから、中空部分を形成するために成形
後に改めて溶接や接着を行なう必要がなく、そのため溶
接や接着により中空複合成形体を作成する場合のような
問題が生じず、かつコア金属板とライナー金属板との圧
着部分も熱間圧延による金属拡散接合で接合されている
ため、高い接合強度を有しており、そのため高い信頼性
を得ることができる。またこの発明の多層クラッド板
は、少なくともコア金属板として用いられる超塑性成形
用材料として非熱処理型の特定の成分組成範囲内のAl
−Mg系合金を用いているため、単に超塑性成形が可能
であるばかりでなく、適当な強度を有しかつ耐食性も良
好で、さらには熱処理が不要なため低コストで製造する
ことができ、しかも超塑性成形後の形状の凍結性も良好
でまた溶接も可能であるなど、種々の利点を有する。
【0057】さらにこの発明の多層クラッド板を用いて
中空剛性ボードを製造するにあたっては、コア金属板の
超塑性変形により中空部が形成されるため、大きな変形
量で大きな中空部を形成して、全厚みが数十mm以上に
及ぶ厚い中空剛性ボードを容易に得ることができ、また
厚みが変化する中空剛性ボード(厚み傾斜ボード)や曲
面を有する中空剛性ボードなど、種々の形状の中空剛性
ボードを容易に得ることができて形状の自由度が高く、
さらには成形時の金型の形状変更や圧着防止剤パターン
の変更などにより種々の異なる外形、中空部形状を有す
る中空剛性ボードを容易に得ることができる。
【0058】以上のようにこの発明によれば、大型の複
合成形体、特に大型の中空剛性ボードを高い形状自由度
で得ることができるとともに、最終的に得られる成形体
の特性(接合部の強度、全体的な強度、耐食性、溶接性
等)も良好で信頼性の高い複合成形体(特に中空剛性ボ
ード)を得ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による超塑性成形用多層クラッド板の
一例を示す切欠斜視図である。
【図2】図2に示される多層クラッド板の縦断面図であ
る。
【図3】この発明による中空剛性ボードの一例を示す切
欠斜視図である。
【図4】図3に示される中空剛性ボードの縦断面図であ
る。
【図5】この発明による超塑性成形用多層クラッド板の
他の例、特に圧着補助層を用いた場合の一例を示す縦断
面図である。
【図6】この発明による超塑性成形用多層クラッド板の
さらに他の例、特に圧着補助層を用いた場合の一例を示
す縦断面図である。
【図7】この発明による中空剛性ボードの他の例、特に
厚み傾斜ボードの一例を示す縦断面図である。
【図8】この発明による中空剛性ボードのさらに他の
例、特に曲面ボードの一例を示す縦断面図である。
【図9】実施例1における多層クラッド板の圧着防止剤
パターンを示す平面的な略解図である。
【図10】実施例1における多層クラッド板の圧着防止
剤パターンを示す略解的な縦断面図である。
【符号の説明】
1 コア金属板 2A,2B ライナー金属板 3 圧着防止剤 3A,3B 帯状部分 6A,6B 圧着補助層 10A,10B 支持面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B23K 20/24 B23K 20/24 B32B 15/01 B32B 15/01 F // B23K 101:02 B23K 101:02 103:10 103:10 (72)発明者 田形 勉 東京都中央区日本橋室町4丁目3番18号 スカイアルミニウム株式会社内 (72)発明者 横田 耕太郎 東京都中央区日本橋室町4丁目3番18号 スカイアルミニウム株式会社内 (72)発明者 大田 信之 大阪府堺市海山町6丁224番地 昭和ア ルミニウム株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−212562(JP,A) 特開 平6−226467(JP,A) 特開 平5−192726(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 20/04 - 20/233 B21D 47/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コア金属板の両面に平坦なライナー金属
    板が配置され、かつコア金属板とその両面側のライナー
    金属板との間の予め定めた位置に所定のパターンで圧着
    防止剤を介在させた状態でコア金属板とその両面側のラ
    イナー金属板とが熱間圧延により圧着されてなり、平
    な中空剛性ボードを製造するための素材として用いられ
    る超塑性成形用多層クラッド板において、 前記コア金属板として、Mg2.0〜6.0(重量%、
    以下同じ)を含有し、かつMn0.05〜1.5%、C
    r0.05〜0.3%、V0.05〜0.3%、Zr
    0.05〜0.3%のうちの1種または2種以上を含有
    し、さらに不純物としてのFeが0.4%未満に、Si
    が0.3%未満にそれぞれ規制され、残部がAlおよび
    不可避的不純物よりなり、しかも結晶粒サイズが60μ
    m以下の非熱処理型超塑性成形用材料が用いられてお
    り、かつ前記ライナー金属板として、Mg量が0.5%
    以下のアルミニウム合金が用いられていることを特徴と
    する、超塑性成形用多層クラッド板。
  2. 【請求項2】 コア金属板の両面平坦なライナー金属板
    が配置され、かつコア金属板とその両面側のライナー金
    属板との間の予め定めた位置に所定のパターンで圧着防
    止剤を介在させた状態でコア金属板とその両面側のライ
    ナー金属板とが熱間圧延により圧着されてなり、平坦な
    中空剛性ボードを製造するための素材として用いられる
    超塑性成形用多層クラッド板において、 前記コア金属板およびライナー金属板として、Mg2.
    0〜6.0を含有し、かつMn0.05〜1.5%、C
    r0.05〜0.3%、V0.05〜0.3%、Zr
    0.05〜0.3%のうちの1種または2種以上を含有
    し、さらに不純物としてのFeが0.4%未満に、Si
    が0.3%未満にそれぞれ規制され、残部がAlおよび
    不可避的不純物よりなり、しかも結晶粒サイズが60μ
    m以下の非熱処理型超塑性成形用材料が用いられてお
    り、かつコア金属板とライナー金属板との内、少なくと
    も一方の金属板における他方の金属板に接する側の面に
    Mg量が0.5%以下のアルミニウム合金からなる圧着
    補助層が形成されており、これによってコア金属板とラ
    イナー金属板との間にMg量が0.5%以下の前記圧着
    補助層が介在されている超塑性成形用多層クラッド板。
  3. 【請求項3】 請求項1もしくは請求項2に記載の超塑
    性成形用多層クラッド板において、前記圧着防止剤が、
    複数条の帯状部分を間隔を置いて平行に形成したストラ
    イプ模様状のパターンに形成されており、かつコア金属
    板の一方の面の側の圧着防止剤の各帯状部分の中央位置
    が他方の面の側の圧着防止剤の各帯状部分相互間のスペ
    ースの位置に対応するように、コア金属板の各面の圧着
    防止剤のストライプ模様状パターンが定められている超
    塑性成形用多層クラッド板。
  4. 【請求項4】 Mg2.0〜6.0を含有し、かつMn
    0.05〜1.5%、Cr0.05〜0.3%、V0.
    05〜0.3%、Zr0.05〜0.3%のうちの1種
    または2種以上を含有し、さらに不純物としてのFeが
    0.4%未満に、Siが0.3%未満にそれぞれ規制さ
    れ、残部がAlおよび不可避的不純物よりなる合金を鋳
    造するにあたって、前記各成分元素のほかさらにAl−
    Ti合金もしくはAl−Ti−B合金をTi量にして
    0.15%以下添加した後もしくは添加しながら鋳造
    し、さらに圧延して1〜25mmの素板を得、さらにそ
    の素板の1枚をコア金属板とするとともに、その素板の
    2枚をライナー金属板とするかまたは別のアルミニウム
    合金板からなる2枚のライナー金属板を用意し、前記コ
    ア金属板とライナー金属板との間の予め定めた位置に所
    定のパターンで圧着防止剤を介在させた状態でコア金属
    板の両面側にライナー金属板を重ね合せ、その重ね合せ
    板を加熱して300〜550℃の温度域で30%以上の
    圧延率で熱間圧延し、さらに20%以上の圧延率で冷間
    圧延することを特徴とする超塑性成形用多層クラッド板
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1もしくは請求項2に記載の超塑
    性成形用多層クラッド板を用いた中空剛性ボードにおい
    て、 前記圧着防止剤の介在により形成された非圧着部が膨張
    されてその部分が中空部とされていることを特徴とする
    中空剛性ボード。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の中空剛性ボードにおい
    て、コア金属板の一方の面の側の非圧着部の膨張による
    中空部とコア金属板の他方の面の側の非圧着部の膨張に
    よる中空部とが、ボードの厚み方向に対し直交する方向
    に交互に位置して、コア金属板が2枚のライナー金属板
    の間でトラス状のリブを形成していることを特徴とする
    中空剛性ボード。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の中空剛性ボードにおい
    て、その厚みがボードの一辺部から反対側の一辺部へ向
    けて減少もしくは増大するように作られていることを特
    徴とする中空剛性ボード。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の中空剛性ボードにおい
    て、ボードの両面のうち、少なくとも一方の面が全体と
    して曲面をなすように作られていることを特徴とする中
    空剛性ボード。
  9. 【請求項9】 請求項1もしくは請求項2に記載の超塑
    性成形用多層クラッド板を用いて中空剛性ボードを製造
    するにあたり、 前記圧着防止剤の介在により形成されている非圧着部の
    空隙に、300〜550℃の範囲内の温度において流体
    圧を導入することによって、超塑性成形用材料の超塑性
    変形により非圧着部を膨張させ、中空部を有する剛性ボ
    ードを得ることを特徴とする中空剛性ボードの製造方
    法。
  10. 【請求項10】 請求項1もしくは請求項2に記載の超
    塑性成形用多層クラッド板を用いて中空剛性ボードを製
    造するにあたり、 前記超塑性成形用多層クラッド板を、間隙を隔てて対向
    する一対の支持面間に配置し、前記圧着防止剤の介在に
    より形成されている非圧着部に、300〜550℃の範
    囲内の温度において流体圧を導入することによって、コ
    ア金属板の超塑性変形により非圧着部を膨張させ、中空
    部を有する剛性ボードを得ることを特徴とする中空剛性
    ボードの製造方法。
JP33176294A 1994-12-09 1994-12-09 超塑性成形用多層クラッド板とその製造方法、およびそれを用いた中空剛性ボードとその製造方法 Expired - Fee Related JP3381748B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33176294A JP3381748B2 (ja) 1994-12-09 1994-12-09 超塑性成形用多層クラッド板とその製造方法、およびそれを用いた中空剛性ボードとその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33176294A JP3381748B2 (ja) 1994-12-09 1994-12-09 超塑性成形用多層クラッド板とその製造方法、およびそれを用いた中空剛性ボードとその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08164488A JPH08164488A (ja) 1996-06-25
JP3381748B2 true JP3381748B2 (ja) 2003-03-04

Family

ID=18247340

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33176294A Expired - Fee Related JP3381748B2 (ja) 1994-12-09 1994-12-09 超塑性成形用多層クラッド板とその製造方法、およびそれを用いた中空剛性ボードとその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3381748B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009515702A (ja) * 2005-11-10 2009-04-16 ザ・ボーイング・カンパニー チタニウム組立品の超塑性成形方法及びそれによって製造された航空機の構造

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102008020276B4 (de) * 2008-04-22 2019-07-25 Thyssenkrupp Steel Europe Ag Verfahren zum Herstellen eines haspelbaren Verbundwerkstoffs sowie dessen Verwendung
WO2017146284A1 (ko) * 2016-02-25 2017-08-31 기술융합협동조합 보강재 및 복합재를 활용한 3d 프린팅 구조물 제조 방법
EP3281718A1 (en) * 2016-08-10 2018-02-14 Rolls-Royce plc Superplastic forming
CN112719081B (zh) * 2020-12-25 2022-11-08 南阳师范学院 一种电流辅助spf/db一体化成形工艺
CN113266098B (zh) * 2021-04-24 2022-07-12 广东省构建工程建设有限公司 一种新型大跨度肋梁叠合板及施工方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009515702A (ja) * 2005-11-10 2009-04-16 ザ・ボーイング・カンパニー チタニウム組立品の超塑性成形方法及びそれによって製造された航空機の構造

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08164488A (ja) 1996-06-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN108602317B (zh) 铝多层钎焊板制品和无钎剂钎焊方法
EP1133390B1 (en) Composite aluminium panel
JP4411350B2 (ja) 回復された高強度複層アルミニウムブレージングシート製品
JP6452627B2 (ja) アルミニウム合金クラッド材及びその製造方法、ならびに、当該アルミニウム合金クラッド材を用いた熱交換器及びその製造方法
JP5795589B2 (ja) 熱交換器中の薄いシートのための高温で高い強度のサンドイッチ材料
JP5037129B2 (ja) 高強度アルミニウム合金ろう付けシート、ろう付けされた組立構造およびそれらの製造方法
JP2961263B1 (ja) 繰り返し重ね接合圧延による超微細組織高強度金属板の製造方法
US7523850B2 (en) Method of forming and blank therefor
JP6418714B2 (ja) アルミニウム合金クラッド材及びその製造方法、ならびに、当該アルミニウム合金クラッド材を用いた熱交換器及びその製造方法
WO2017170204A1 (ja) 熱交換器用アルミニウム合金製ブレージングシート及びその製造方法
WO2020085486A1 (ja) アルミニウム合金ブレージングシート及びその製造方法
US20230078028A1 (en) High-strength solder-plated al-mg-si aluminum material
JP3381748B2 (ja) 超塑性成形用多層クラッド板とその製造方法、およびそれを用いた中空剛性ボードとその製造方法
CN115038546B (zh) 多层铝钎焊板材料
WO2020085488A1 (ja) アルミニウム合金ブレージングシート及びその製造方法
WO2020085487A1 (ja) アルミニウム合金ブレージングシート及びその製造方法
JP2510449B2 (ja) ロ―ルボンドパネル用クラッド板の製造方法
JP2006083437A (ja) 成形性、ろう付性および耐食性に優れた熱交換器用薄肉フィン材およびその製造方法
JP2003147467A (ja) 熱交換器用アルミニウム合金ブレージングシートおよびその製造方法
JPH05212477A (ja) 高剛性構造部材
JP7477810B2 (ja) プレス成形品の製造方法
US20030196733A1 (en) Cooking utensil made from aluminum alloy strips produced by continuous thin gauge twin roll casting
JPS6345352A (ja) ろう付用アルミニウム合金薄板の製法
KR20140128106A (ko) 내침식성을 가지는 브레이징용 고강도 클래드 판재 및 이의 제조 방법
JP2005125341A (ja) プレス成形用アルミニウムブランク材

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081220

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091220

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111220

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees