JPH05210190A - ハロゲン化銀乳剤の製造方法 - Google Patents

ハロゲン化銀乳剤の製造方法

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JPH05210190A
JPH05210190A JP1584892A JP1584892A JPH05210190A JP H05210190 A JPH05210190 A JP H05210190A JP 1584892 A JP1584892 A JP 1584892A JP 1584892 A JP1584892 A JP 1584892A JP H05210190 A JPH05210190 A JP H05210190A
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silver halide
silver
emulsion
solution
aspect ratio
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JP1584892A
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Hiroshi Takada
宏 高田
Masashi Matsuzaka
昌司 松坂
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 高感度で、カブリかつ粒状性に優れたハロゲ
ン化銀乳剤の製造方法を提供する。 【構成】 互いに平行な2枚の双晶面を有するアスペク
ト比3以下のハロゲン化銀粒子を含むハロゲン化銀乳剤
の製造方法において、 (1)該ハロゲン化銀粒子形成過程の一部または全て
を、pHを10.5以下に調整したアンモニア性硝酸銀水溶液
を用いて行なう。 (2)pHを10.5以下に調整したアンモニア性硝酸銀水溶
液を用いて、pH8.0以下でハロゲン化銀粒子形成の一部
または全てを行なう。 (3)ハロゲン化銀粒子形成過程の一部または全てを、
酸化剤の存在下で行なう前記(1)または(2)に記載
の方法。 (4)互いに平行な2枚の双晶面を有するアスペクト比
3以下のハロゲン化銀粒子が、該粒子内部に沃化銀含有
率が10モル%以上のハロゲン化銀相を有するコア/シェ
ル型ハロゲン化銀粒子である前記(1)〜(3)のいず
れかに記載のハロゲン化銀乳剤の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低アスペクト比双晶ハ
ロゲン化銀粒子を含むハロゲン化銀乳剤の製造方法に関
する。本発明は、単分散性に優れ、高感度で高画質、か
つカブリの少ない乳剤を得ることができるハロゲン化銀
乳剤の製造方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀写真感光材料の分野では、
高感度化・高画質化が、常に不断の要請として追及され
ている。
【0003】このため近年、感光性ハロゲン化銀乳剤に
ついて、各種高感度化技術の開発が行なわれている。例
えば、カラーネガフィルムの分野においては、特開昭61
-245151号、同61-148442号等の各公報に示されるよう
な、内部に高沃度含有率相を有するいわゆるコア/シェ
ル型乳剤を用いる技術が有用である。
【0004】しかし、このような乳剤は高感度である
が、カブリの増大、粒状性の劣化が起こり易く、未だそ
の性能を十分に引き出しているとは言い難い。
【0005】カブリの高い乳剤は、カブリの粒状の粗れ
に起因して粒状性も悪いが、のみならず、感光材料の経
時保存によってカブリ、粒状性が著しく劣化する傾向に
あり、感光材料が経時保存された状態で使用される実際
の市場における品質の劣化に対する悪影響も大きな問題
である。
【0006】ところで、乳剤を構成するハロゲン化銀粒
子の粒径分布が狭く、粒径のばらつきの小さいものは単
分散乳剤と称され、これは粒径以外の性質、例えば物
性、写真的特性等も粒子間において均一であり、写真性
能上好ましい。このため、単分散乳剤の製造方法は各種
開発されていて、例えば、特公昭48-36896号公報、特開
昭54-48521号公報、同54-99419号公報、同55-77737号公
報等に記載の技術など、いろいろ知られている。
【0007】ところが、前述したように高感度な乳剤が
求められているのであるが、一般に、単分散乳剤の製造
方法において、粒径の大きなハロゲン化銀結晶を製造す
るためには、結晶成長工程に多大なる時間を要し、工業
的に製造するには採算上不利であり、実用的に高感度な
単分散乳剤、即ち十分に粒径の大きな単分散ハロゲン化
銀乳剤を製造することは、困難であった。
【0008】従来、短時間に大粒径のハロゲン化銀乳剤
を得る方法としては、ハロゲン化銀溶媒としてアンモニ
アを用いる方法が知られてる。しかし、この方法では以
下に示す欠点があり、単分散乳剤の製造には適さない。
【0009】(1)高pHのためカブリレベルが高いこ
と。
【0010】(2)銀-アンミン錯体としてアンモニア
が添加されるため、アンモニア濃度が結晶成長中に著し
く増大し、オスワルド熟成によって粒径分布が広くなる
こと。
【0011】アンモニアをハロゲン化銀溶媒として用い
る方法では、このような欠点があるため、通常の単分散
乳剤の製造方法においては、アンモニア以外のハロゲン
化銀溶媒が一般に用いられる。例えば、特公昭47-11386
号公報における有機チオエーテル、特開昭53-82408号公
報、同53-144319号、同55-77737号公報及び米国特許第
4,221,863号明細書におけるチオ尿素誘導体、イミダゾ
ール誘導体をハロゲン化銀溶媒として用いられる方法が
知られている。
【0012】しかし、有機チオエーテル類は写真乳剤の
カブリを生じ易く、またハロゲン化銀結晶生成時に化学
熟成が進行し、ハロゲン化銀写真乳剤製造後の化学熟成
工程がコントロールしにくいという不都合があった。ま
た、有機チオエーテル合成時の不純物として、写真性能
に悪影響を及ぼす含硫黄不純物を含み易く、精製工程を
厳密にする必要があり、採算上不利である。
【0013】更に、チオ尿素誘導体、イミダゾール誘導
体は銀イオンとの錯体の水に対する溶解度が小さく、多
量に添加すると銀イオカとの錯体の沈澱を生ずるため、
比較的少量しか添加できず、顕著な溶媒効果が得られな
い。また、生成した錯体がハロゲン化銀結晶表面に多く
吸着し、最終乳剤に持ち込まれ易い。これらの物質は最
終乳剤に持ち込まれると抑制剤として作用してしまい、
写真性能上好ましくない。
【0014】一方、従来、ダブルジェット法で水溶性銀
塩水溶液と水溶性ハライド水溶液とを添加混合してハロ
ゲン化銀粒子を成長させる工程において、アンモニアを
溶媒として用いると、ハロゲン化銀生成時にカブリを発
生する銀粒子が生成されることが知られている。例え
ば、反応容器中の溶液中にアンモニアを存在させて、硝
酸銀の水溶液とアルカリハライドの水溶液とを添加させ
る方法であると、アンモニアの使用量が微量であっても
多大なるカブリを生ずる。このカブリの原因は未だ明ら
かではないが、銀塩水溶液が反応溶液に添加された瞬間
において局所的に銀イオンが高濃度となるため酸化銀を
生成し、これが還元されて金属銀となりカブリになって
いるものと思われる。
【0015】上記のような背景で、カブリの低い単分散
乳剤の工業的な製造方法が求められるのであるが、かか
る方法として、特開昭58-49938号公報に示されるアンモ
ニア性硝酸銀を用いるダブルジェット法が知られてい
る。
【0016】上記公報によると、カブリの低い単分散乳
剤は、アンモニア性硝酸銀水溶液を用いるダブルジェッ
ト法によるハロゲン化銀乳剤の製造方法において、全ハ
ロゲン化銀の10モル%が生成した以降のハロゲン化銀の
生成及び/または物理熟成過程におけるハロゲン化銀乳
剤中におけるハロゲン化銀の溶解度を実質的に一定に保
つことによって得られる。更に好ましくは、ハロゲン化
銀乳剤のpH値及び/またはpAg値を調整することで、上
記の溶解度を実質的に一定に保つのがよい。
【0017】ここでアンモニア性硝酸銀を用いるダブル
ジェット法とは、硝酸銀水溶液にアンモニアを当量以上
加えて、銀-アンミン錯体とした液とアルカリハライド
等の易溶性のハライド溶液を同時に添加混合することに
よって、ハロゲン化銀結晶を生成させる方法である。
【0018】アンモニア性硝酸銀を用いる方法では、添
加された瞬間においては銀-アンミン錯体が圧倒的に多
く、遊離の銀イオン濃度は硝酸銀水溶液を直接添加する
場合に比べてはるかに小さく、酸化銀の生成は極めて少
なくなるため、これが還元されて金属銀となることも少
なく、従って、カブリの発生が抑えられる。
【0019】一方、粒度分布の広くなる原因はオストワ
ルド熟成によるものと思われる。オストワルド熟成を防
ぐには、過飽和度を高くすると良いことが知られてい
る。例えば特開昭54-48521号公報に示されるように、臨
界成長速度に近い添加速度で原料液を添加するのが好ま
しい。しかし、臨界成長速度はハロゲン化銀の溶解度に
ほぼ比例し、アンモニア性硝酸銀を用いる方法では、添
加とともにアンモニアの濃度が増大し、溶解度が著しく
増大するため、添加速度を溶解度の増大に見合って変化
しなければならない。更に、結晶成長に伴って結晶の表
面積が増大するので、添加速度は表面積とともに増大し
なければならない。ところが、表面積の増加と溶解度の
増大に見合って添加速度を増大させると、添加流量の範
囲は1:50〜1:300となり、工業的にこのような広い
流量範囲を連続的に精度良く再現するのは困難である。
また、過飽和度が同じであっても、溶解度の絶対値が高
いとオストワルド熟成の進行する速度は速く、粒度分布
は広くなる傾向がある。
【0020】しかし上記したハロゲン化銀に溶解度を実
質的に一定に保つ構成でアンモニア性硝酸銀を用いる従
来方法によると、比較的小さな流量範囲(1:5〜1:
25)内で流量を調節することにより、単分散ハロゲン化
銀写真乳剤が得られるとされている。この流量範囲内で
の流量の測定、調整を工業的に行なうことは可能であ
る。
【0021】ところが上記従来のアンモニア性硝酸銀を
用いる技術は、これをそのまま用いても内部に高沃度含
有率相を有する粒子から成る高感度乳剤は得がたいとい
う問題がある。
【0022】例えば、前記した公報に記載の実施例で
は、40℃、pAg9.0、pH9〜8の条件においてアンモニア
性硝酸銀を用いることによって、平均粒径約1.2μmの
カブリの低い単分散沃臭化銀が得られている。これは通
常のアンモニア法(pH11)より低pHにしたためと思われ
る。
【0023】上記公報の技術によると、銀イオンの供給
源としてアンモニア性硝酸銀を使用することにより、銀
イオンの殆どは銀-アンモニア錯体として存在し、遊離
の銀イオンが硝酸銀水溶液に比べて極めて少ないため、
これにより銀イオン添加部における銀イオンの局在が軽
減され、カブリが減少するものと思われる。
【0024】しかしこれにより得られる乳剤は、その沃
度含有率が約2モル%と低沃度の条件であり、この公報
の製法条件を、例えば10モル%以上の高沃度含有率相を
有するコア/シェル乳剤に適用すると、高沃度含有率相
の影響により、高カブリで、かつ単分散性の不十分な乳
剤しか得られない。
【0025】上記したようなアンモニア性硝酸銀水溶液
を用いた乳剤製造方法における問題点を解決すべく、特
開平3-229238号及び特開平3-228043号では、アンモニア
性硝酸銀水溶液のpHを10.5以下に調整して用いる、及び
pH7.5以下で粒子形成行なう技術が各々開示されてい
る。しかし、該公報には、アスペクト比の高低に関わら
ず双晶ハロゲン化銀乳剤の製造方法に関しては一切記載
されておらず、また、該技術では未だ満足される写真性
能を有するハロゲン化銀乳剤は得られていなかった。
【0026】前記した、ハロゲン化銀粒子のコア/シェ
ル技術による高感度化の試みの他に、双晶面を有する平
板状のハロゲン化銀粒子による高感度化の研究も数多く
なされている。特に、特公昭63-38692号及び特開昭61-1
4636号公報に見るように、平板状双晶粒子技術とコア/
シェル技術とを組み合わせることによる更なる高感度化
への試みも精力的に研究されてきた。
【0027】平板状双晶粒子は、体積当たりの受光面積
や分光増感色素の吸着量が大きいために高感度化が期待
できる。また、適当なpBr(pAg)を選択することによっ
て、双晶面に起因した特異的な高い成長速度が得られ、
結晶成長に要する時間を短縮できるために工業的に生産
するには採算上有利である。
【0028】この双晶面に起因した高い成長速度は、成
長の核や種となる双晶面を有する粒子を低pBr(高pAg)
環境下で成長させることによって得られるが、このよう
な成長環境では遊離した銀イオン濃度が低いためにカブ
リの発生が抑えられる。
【0029】しかし、平板状粒子の粒径分布をコントロ
ールすることは難しく、アスペクト比が3を超えるよう
な高アスペクト比の平板状粒子ほど分布は広がり粒状性
の劣化を招く。更に、高アスペクト比粒子では、成長中
のリクリスタリゼーションによってコア/シェル構造を
形成することが難しく、また、粒子内部の高沃化銀含有
相からの沃度の滲みだしによって粒子表面の沃化銀含有
率が高くなり初期現像性をも阻害する。
【0030】一方、分布の劣化を抑えるために、成長時
のpAgを下げアスペクト比を低くすると双晶面に起因し
た成長速度の優位性は低下し、また、低下pAg化によっ
て遊離した銀イオン濃度が高くなりカブリの増加を招
く。従って、アスペクト比が3以下の低アスペクト比双
晶粒子の成長においては、成長速度の向上とカブリの低
下の両立が必要とされるが、そのような技術は知られて
いない。
【0031】以上の如く、カブリ・感度・粒状性を共に
改良でき、かつ工業的に生産するに十分な成長速度を有
する双晶ハロゲン化銀乳剤の製造方法は未だ見出されて
はいなかった。
【0032】
【発明の目的】本発明の目的は、高感度で、カブリかつ
粒状性に優れたハロゲン化銀乳剤の製造方法を提供する
ことにある。
【0033】
【発明の構成】本発明者は、上記した目的を達成するた
めに鋭意研究を重ねた結果、以下の各技術構成によって
本目的は達成されることを見出し本発明に至った。
【0034】即ち、 (1)互いに平行な2枚の双晶面を有するアスペクト比
3以下のハロゲン化銀粒子を含むハロゲン化銀乳剤の製
造方法において、該ハロゲン化銀粒子形成過程の一部ま
たは全てを、pHを10.5以下に調整したアンモニア性硝酸
銀水溶液を用いて行なうことを特徴とするハロゲン化銀
乳剤の製造方法。
【0035】(2)互いに平行な2枚の双晶面を有する
アスペクト比3以下のハロゲン化銀粒子を含むハロゲン
化銀乳剤の製造方法において、pHを10.5以下に調整した
アンモニア性硝酸銀水溶液を用いて、pH8.0以下でハロ
ゲン化銀粒子形成の一部または全てを行なうことを特徴
とするハロゲン化銀乳剤の製造方法。
【0036】(3)ハロゲン化銀粒子形成過程の一部ま
たは全てを、酸化剤の存在下で行なうことを特徴とする
前記(1)または(2)に記載のハロゲン化銀乳剤の製
造方法。
【0037】(4)互いに平行な2枚の双晶面を有する
アスペクト比3以下のハロゲン化銀粒子が、該粒子内部
に沃化銀含有率が10モル%以上のハロゲン化銀相を有す
るコア/シェル型ハロゲン化銀粒子であることを特徴と
する前記(1)〜(3)のいずれかに記載のハロゲン化
銀乳剤の製造方法。
【0038】本発明は各種の高感度ハロゲン化銀乳剤の
調製にも適用できるが、互いに平行な2枚の双晶面を有
するアスペクト比3以下のハロゲン化銀粒子を含むハロ
ゲン化銀乳剤の調製に好ましく実施できる。特に、該粒
子内部に沃化銀含有率が10モル%以上のハロゲン化銀相
を有するコア/シェル型ハロゲン化銀粒子を含む乳剤の
調製で顕著な効果を得ることができる。
【0039】以下に、本発明の構成について詳述する。
【0040】本発明でいう『互いに平行な2枚の双晶面
を有するアスペクト比3以下のハロゲン化銀粒子を含む
ハロゲン化銀乳剤』とは、該ハロゲン化銀乳剤に含まれ
る全ハロゲン化銀粒子個数の40%以上が、互いに平行な
2枚の双晶面を有し、かつアスペクト比が3以下である
ハロゲン化銀粒子から構成されるハロゲン化銀乳剤であ
る場合をいう。ここでいうアスペクト比とは、ハロゲン
化銀粒子の厚さに対する直径の比率、即ち、アスペクト
比=粒子直径/粒子厚で示される値である。更に粒子の
直径とは、ハロゲン化銀粒子を顕微鏡または電子顕微鏡
で観察した時の、粒子の投影面積と等しい面積を有する
円の直径を指すものとする。
【0041】アンモニア性硝酸銀水溶液は、硝酸銀に当
量以上のアンモニアを添加し、銀-アンモニア錯体を形
成したものであるが、アンモニアの塩基解離により、一
般にpHは11以上となる。本発明で用いられるアンモニア
性硝酸銀水溶液は、これに硝酸や硝酸塩等の酸を加えて
pHを下げることによって得られる。pH値は、加える酸の
量で調整することができる。本発明においては、低pH化
されたアンモニア性硝酸銀水溶液のpH値は10.5以下が好
ましい。より好ましくは10.0〜7.0、更に好ましくは9.5
〜8.5の範囲とするのがよい。pHをあまりに低い条件に
すると、低pH化のために多量の酸を要し、また、カブリ
の低減効果が小さくなる場合がある。
【0042】本発明の作用は必ずしも明らかではない
が、用いるアンモニア性硝酸銀水溶液の低pH化により銀
-アンモニア錯体の解離が起こり、局所的な銀イオン濃
度が上がることが本発明の効果をもたらすものと思われ
る。アンモニア性硝酸銀水溶液の低pH化による低カブリ
化は、銀イオン添加部における局所的な高pHに起因する
カブリを低減するように作用しているものと思われ、低
pH化は局所的な銀イオン濃度とは相反するものである
が、pH9以上では銀-アンモニア錯体濃度には実質的に
影響しないため、pH9付近が錯体濃度を損なわず低pH化
が得られる最適pHと言える。しかし他の条件、例えば結
晶成長の条件によって、最適pHは異なるものと考えられ
る。即ち、局所的な高pHにカブリが大きく依存している
場合には9より更に低いpHの方が効果があり、局所的な
銀イオン濃度にカブリが依存している場合にはpH9付近
が最適と思われる。
【0043】本発明においていは、ハロゲン化銀乳剤の
製造過程の少なくとも一部で、低pH化したアンモニア性
硝酸銀水溶液を用いることで本発明の効果を得ることが
できるが、ハロゲン化銀粒子の製造過程で使用される銀
塩溶液の40%以上が低pH化したアンモニア性硝酸銀水溶
液であることが好ましく、80%以上が特に好ましく、使
用される銀塩水溶液全てが低pH化したアンモニア性硝酸
銀水溶液である場合が最も好ましい。
【0044】本発明のpHを10.5以下に調整したアンモニ
ア性硝酸銀水溶液を用いた低アスペクト比双晶ハロゲン
化銀乳剤の製造方法は、その他の製造条件が従来の方法
に従う場合にも効果があるが、更にカブリが低く、単分
散性に優れた乳剤を得るために、粒子形成時のpHを8.0
以下に制御することが好ましく、7.5以下にpH制御する
ことがより好ましい。低カブリと溶解度即ち結晶成長速
度との両立という点からは、pH7.5以下5.0以上であるこ
とが好ましい。
【0045】本発明においてはカブリを更に低減するた
めに、ハロゲン化銀粒子形成過程の少なくとも一部を、
酸化剤の存在下で行なうことが好ましい。更に、上記低
pH化したアンモニア性硝酸銀水溶液を用いた粒子形成段
階の少なくとも一部を酸化剤の存在下で行なうことが好
ましく、粒子形成過程の80%以上が酸化剤の存在下で行
なわれる場合が特に好ましい。
【0046】銀クラスター(カブリ)が生成しやすい従
来の製造法では、銀クラスターのサイズが大きい、或い
は数が多いために酸化剤を使用しても十分な効果が得ら
れず、また効果を得るために酸化剤を多量に使用した場
合には、残存する酸化剤量が増大し化学増感を阻害して
しまう等の問題があった。
【0047】本発明の製造方法では、低pH化した硝酸銀
水溶液を用いることで、或いはそれに加えて粒子形成時
のpHをも8.0以下に制御することで、従来の方法で調整
したハロゲン化銀乳剤に比較して、発生する銀クラスタ
ーが小サイズ化、少数化され、酸化剤の効果をより顕在
化できるものと考えられる。
【0048】本発明でいう酸化剤とは、ハロゲン化銀粒
子形成過程で生ずる銀クラスターを酸化し、イオン化す
る作用を有するものをいう。この時生成した銀イオン
は、ハロゲン化銀等の難溶性の銀塩を形成してもよく、
また、水に対する溶解度が大きい銀塩を形成してもよ
い。
【0049】本発明において用いられる酸化剤は、無機
物、有機物のいずれも用いることができる。例えば、無
機物酸化剤としては、オゾン、過酸化水素及びその付加
物、ペルオキシ酸塩等の酸素酸塩、沃素や臭素等のハロ
ゲン元素及びチオスルフォンサン塩等がある。また、有
機物酸化剤としては、P-キノン等のキノン類や有機過酸
化物がある。
【0050】このうち本発明において好ましく用いられ
る酸化剤はハロゲン元素であり、特に沃素が好ましい。
【0051】本発明において酸化剤の添加量は、ハロゲ
ン化銀粒子1モル当たり10-8モル以上、10-1以下である
ことが好ましく、10-7モル以上、10-2モル以下がより好
ましい。特に好ましくは10-5モル以上、10-2モル以下で
ある。
【0052】本発明において、粒子形成過程で酸化剤を
存在せしめる方法としては、一般的に添加剤を存在せし
める方法を適用することができる。例えば、ハロゲン化
銀粒子形成を行なう母液中(通常分散媒を含む)に予め
存在せしめてもよいし、粒子形成過程で添加してもよ
い。粒子形成過程で添加する場合には、一度に添加して
しも良いし、2回以上に分割して添加しても良い。ま
た、ポンプ等を用いて一定流量で、或いは添加流量を制
御しながら長時間に渡って添加しても良い。
【0053】使用する酸化剤は、その効果を失わない範
囲内で任意に調製して用いることができる。即ち、水に
難溶性或いは不溶性の化合物は適切な有機溶媒、例えば
アルコール類、ケトン類、グリコール類等に予め溶解し
て、また、水溶性化合物は水溶液として添加することが
できる。酸化剤としてハロゲン元素、特に沃素を用いる
場合には、アルコール類に予め溶解した後用いることが
好ましい。
【0054】本発明の製造条件は低沃度ハロゲン化銀粒
子の製造においても、従来、アンモニアの中和領域と思
われていた低pH領域で、低カブリかつ適度なアンモニア
による溶媒効果を有し、工業的に現実的な結晶成長速度
を得ることができて有用であるが、高沃度含有率相を有
するコア/シェル型ハロゲン化銀粒子の製造において、
その長所である高感度性を保ったまま、あるいはカブリ
の減少により更に高感度が得られながら、その欠点であ
るカブリ、粒状性の劣化を防止できるという点で、特に
効果的である。即ち本発明の製造方法を用いて、内部に
高沃度含有率相を有するコア/シェル型乳剤を有効に製
造でき、これにより高感度、低カブリ、優れた粒状性を
有するハロゲン化銀写真乳剤を得ることができる。
【0055】本発明の製造方法を高沃度含有率相を有す
るコア/シェル型乳剤の製造に適用する場合、高沃度含
有率相の形成期間の全てが本発明の条件を満たすことが
理想的であるが、必ずしも当該全期間において、用いる
アンモニア性硝酸銀水溶液のpHが10.5 以下でなくても
よい。例えば、高沃度含有率相の全体積の半分以上を本
発明の条件下で形成することによっても、効果を得るこ
とができる。
【0056】ここでいうコア/シェル型乳剤とは、2重
構造型粒子、多重構造型粒子等、少なくとも内部とその
外層の少なくとも1層から成る粒子を意味する。高沃度
含有率相とは、沃化銀含有率10モル%以上好ましくは20
モル%以上更に好ましくは25モル%以上含有する沃臭化
銀または塩沃臭化銀の相である。
【0057】最適なpAg値は、他の要因、即ちpH、温
度、アンモニア濃度、ハロゲン組成、ゼラチン濃度等に
よって異なるが、高沃度含有相を形成する場合には、そ
の形成のし易さ、低pH化による溶解度の低下を補うとい
う観点、高沃度含有率相のコロイドとしての分散安定
性、及びアスペクト比を低めにコントロールし粒径分布
を低く抑えるために、pAg7.4〜8.8が好ましく、7.6〜8.
6が更に好ましい。pAgが更に高い領域ではカブリは低く
なるが、溶解度の低下に小粒子の発生や、結晶成長時間
の増大、及び高アスペクト比化に伴う粒径分布の劣化が
生じ好ましくない。
【0058】一方、シェル等の低沃度含有率相形成時の
pAgは比較的高めの値pAg8.2〜11.0が好ましく、8.6〜1
0.5が更に好ましい。最適なpAgは、コア相のアスペクト
比と最終的な粒子のアスペクト比から決定されるが、コ
ア相形成時と同様に、pAgが更に高い領域では高アスペ
クト比化(アスペクト比>3)によって粒径分布は広が
り、単分散の乳剤を得ることが難しい。
【0059】結晶成長時の温度は、低pH化による溶解度
低下即ち結晶成長速度の低下を補うため、高pH条件に比
較して高温が好ましく、好ましくは45〜85℃、更に好ま
しくは55〜75℃がよい。高温にすることは、成長速度を
速くすると同時に、低pH条件下でのアンモニアによる溶
解度の上昇に効果がある。
【0060】前述の高沃度含有率相特有の粒子の凝集現
象は、結晶成長時のゼラチン濃度を上げて保護コロイド
機能を強化することによって防止できる。結晶成長時の
ゼラチン濃度は、特に高沃度含有率相の形成時におい
て、好ましくは0.5重量%以上であり、更に好ましくは
1.0重量%以上であり、特に好ましくは、1.5重量%以上
である。
【0061】本発明の製造方法に従ってハロゲン化銀乳
剤を製造する場合、本発明の条件を満たす範囲で通常の
シングルジェット法、ダブルジェット法、コントロール
ドダブルジェット法を用いることができる。pH,pAgの
厳密な制御が容易という点で、コントロールドダブルジ
ェット法が特に好ましい。
【0062】コントロールドダブルジェット法では、沃
素イオンの供給は、通常アルカリ沃化物塩水溶液または
他のアルカリハライド塩との混合水溶液で供給すること
ができる。沃素イオンの更に好ましい供給形態は、特願
昭62-333934号に記載があるような沃化銀の固体で供給
する方法である。
【0063】この方法によれば、結晶成長はアンモニア
性銀塩水溶液、アルカリ臭化物塩水溶液、沃化銀微粒子
を含む懸濁液のトリプルジェットにより物質供給が行わ
れる。pH,pAgの制御は通常のコントロールドダブルジ
ェット法と同様の方法で行うことができる。この方法に
よれば高沃度含有率相の効率的かつ均一な形成が可能に
なり、本発明の製造方法との組み合わせにより、本発明
の目的である高感度、低カブリ、優れた粒状性を有する
ハロゲン化銀乳剤をより効果的に得ることができる。
【0064】本発明を実施しているハロゲン化銀乳剤を
得るに際し、ハロゲン化銀粒子には、該ハロゲン化銀粒
子形成または物理熟成の過程において、カドミウム塩、
亜鉛塩、鉛塩、タリウム塩、イリジウム塩またはその錯
塩、ロジウム塩またはその錯塩、鉄塩またはその錯塩、
金塩またはその錯塩などを共存させてもよい。
【0065】沈殿形成後あるいは物理熟成後の乳剤から
可溶性塩類を除去する場合、ゼラチンをゲル化させて行
うヌーデル水洗法を用いてもよく、また無機塩類、アニ
オン性界面活性剤、アニオン性ポリマー(例えばポリス
チレンスルホン酸)、あるいはゼラチン誘導体(例えば
アシル化ゼラチン、カルバモイル化ゼラチンなど)を利
用した沈殿法(フロキュレーション法)を用いてもよ
い。
【0066】ハロゲン化銀乳剤は、化学増感を施すこと
ができる。
【0067】化学熟成即ち、化学増感の工程の条件、例
えばpH、pAg、温度、時間及び添加剤等に特に制限
はなく、当業界で一般に行われている条件で行うことが
できる。
【0068】化学増感のためには、銀イオンと反応し得
る硫黄を含む化合物や活性ゼラチンを用いる硫黄増感
法、セレン化合物を用いるセレン増感法、還元性物質を
用いる還元増感法、金その他の貴金属化合物を用いる貴
金属増感法などを単独または組合わせて用いることがで
きる。
【0069】硫黄増感剤として公知のものを用いること
ができる。例えば、チオ硫酸塩、アリルチオカルバミ
ド、チオ尿素、アリルイソチオシアネート、シスチン、
p-トルエンチオスルホン酸塩、ローダニンなどを用いる
ことができる。その他、米国特許1,574,944号、同2,41
0,689号、同2,278,947号、同2,728,668号、同3,501,313
号、同3,656,955号、西独出願公開(OLS)1,422,869号、
特開昭56-24937号、同55-45016号等に記載されている硫
黄増感剤も用いることができる。硫黄増感剤の添加量
は、乳剤の感度を効果的に増大させるに十分な量でよ
い。この量は、化学増感時の他の添加剤の添加量、p
H、温度、ハロゲン化銀粒子の大きさなど種々の条件下
で相当の範囲にわたって変化するが、目安としては、ハ
ロゲン化銀1モル当たり約10-7モル〜約10-1モル程度が
好ましい。
【0070】硫黄増感剤の代わりセレン増感剤を用いる
ことができる。セレン増感剤としては、アリルイソセレ
ノシアネートの如き脂肪族イソセレノシアネート類、セ
レノ尿素類、セレノケトン類、セレノアミド類、セレノ
カルボン酸類及びエステル類、セレノホスフェート類、
ジエチルセレナイド、ジエチルジセレナイド等のセレナ
イド類などを用いることができ、それらの具体例は、米
国特許1,574,944号、同1,602,592号、同1,623,499号に
記載されている。
【0071】添加量は硫黄増感剤と同様に広い範囲にわ
たって変化するが、目安としては、ハロゲン化銀1モル
当たり約10-7モルから10-1モル程度が好ましい。
【0072】本発明において、金増感剤を用いる場合、
それは金の価数が+1価でも+3価のものでもよく、多
種の金化合物を用い得る。代表的な例としては、塩化金
酸塩、カリウムクロロオーレート、オーリックトリクロ
ライド、カリウムオーリックチオシアネート、カリウム
ヨードオーレート、テトラシアノオーリックアシド、ア
ンモニウムオーロチオシアネート、ピリジルトリクロロ
ゴールドなどを挙げることができる。
【0073】金増感剤の添加量は種々の条件により異な
るが、目安としてはハロゲン化銀1モル当たり約10-7
ルから10-1モルまでの範囲が好ましい。
【0074】金−ゼラチナートより金イオンを離脱さ
せ、かつハロゲン化銀粒子への金イオン吸着を促進する
化合物を用いることができ、そのようなものとしては好
ましくは、RMX4、RM0X6またはM0X6(式中、Rは水素原
子、アンモニウム基、アルカリ金属原子を表し、MはP
tまたはPdを、M0はIrまたはRhを表す。またX
はハロゲン原子を表す。)で示されるRh、Pd、I
r、Pt等の錯塩である。
【0075】具体的化合物としては(NH4)2PtCl4、(NH4)
2PdCl4、K3IrBr6、(NH4)3RhCl6、12H2O等を挙げること
ができるが、特開昭に好ましいのはテトラクロロパラジ
ウム(II)酸アンモニウム(NH4)2PdCl4である。添加量
は金増感剤に対し化学量論比(モル比)で10〜100倍の
範囲が好ましい。
【0076】添加時期は、化学熟成開始時、熟成進行
中、熟成終了後何れの工程でもよいが、好ましくは化学
熟成進行中であり、特に好ましくは金増感剤の添加と同
時あるいはその前後である。
【0077】本発明の実施に際しては、更に還元増感を
併用することも可能である。還元剤としては特に制限は
ないが、公知の塩化第1錫、二酸化チオ尿素、ヒドラジ
ン誘導体、ポリアミン等を挙げることができる。
【0078】還元増感を行う時期はハロゲン化銀粒子の
成長中に行うが、カルコゲン増感、金増感及びRh、P
d、Ir、Pt等の貴金属化合物の中から選ばれる化合
物による増感の終了後に行うことが好ましい。
【0079】本発明によりハロゲン化銀粒子構造として
沃化銀含有率の異なる少なくとも2層から構成されてい
る粒子構造を有するものを含有する乳剤を得ることがで
きる。かかる乳剤は好ましいものであるが、その場合、
該2層以上の層のうちの粒子表面における層の沃化銀含
有率は、内部に比べて低いことがより好ましい。
【0080】上記コア/シェル型ハロゲン化銀粒子にお
いては、沃化銀含有率の高い層から含有率の低い層への
含有率の差による傾斜は、シャープな境界を有するもの
でよく、また、境界の必ずしも明白でない連続して変化
するものであってもよい。
【0081】また、特願昭60-86659号に記載されるよう
な複数の層よりなる内部高沃化銀型コア/シェル乳剤が
好ましい。コアはその一部(例えば製造における種粒子
に相当する部分等)に沃化銀含有率が小さい、あるいは
0の部分があっても差支えない。シェルの厚さはコアの
好ましい素質を隠蔽せぬ厚さであり、かつ逆にコアの好
ましからざる効果、素質を隠蔽するに足る厚みであるこ
とが好ましい。
【0082】上記のコア/シェル型ハロゲン化銀粒子に
おける沃化銀の分布状態は、各種の物理的測定法によっ
て検知することができ、例えば、日本写真学会、昭和56
年度年次大会講演要旨集に記載されているような低温で
のルミネッセンスを測定することによっても調べること
ができる。
【0083】上記のコア/シェル型ハロゲン化銀粒子の
製造方法については、例えば、西独特許1,169,290号、
英国特許1,027,146号、特開昭57-154232号、特公昭51-1
417号等の記載を参照できる。
【0084】本発明を用いて、所望の粒径のハロゲン化
銀粒子や、単分散性の良好なハロゲン化銀粒子を製造す
ることができる。例えば、pAgを一定に保ちながらダ
ブルジェット法により所望の大きさの粒子を得ることが
できる。また例えば、単分散性のハロゲン化銀乳剤は、
特開昭54-48521号公報に記載されている方法を適用する
ことにより得ることができる。例えば沃臭化カリウム-
ゼラチン水溶液とアンモニア性硝酸銀水溶液とをハロゲ
ン化銀種粒子を含むゼラチン水溶液中に添加速度を粒子
表面積の関数として時間を変化させて添加する方法によ
って、製造する。この際、添加速度の時間関数、pH、
pAg、温度等を適宜に選択することにより、高度の単
分散性のハロゲン化銀粒子を得ることができる。
【0085】また、アルカリ沃化物塩の代わりに沃化銀
微粒子で沃素イオンを供給する方法によっても、同様の
方法で、所望の大きさの単分散性のハロゲン化銀乳剤を
良好に得ることができる。
【0086】ハロゲン化銀乳剤は、所望の波長域に光学
的に増感することができる。その光学増感方法には特に
制限はなく、例えばゼロメチン色素、モノメチン色素、
ジメチン色素、トリメチン色素等のシアニン色素あるい
はメロシアニン色素等の光学増感剤を単独あるいは併用
して(例えば強色増感)光学的に増感することができ
る。これらの技術については米国特許2,688,545号、同
2,912,329号、同3,397,060号、同3,615,635号、同3,62
8,964号、英国特許1,195,302号、同1,242,588号、同1,2
93,862号、西独特許(OLS)2,030,326号、同2,121,780
号、特公昭43-4936号、同44-14030号等にも記載されて
いる。その選択は増感すべき波長域、感度等、感光材料
等の目的、用途に応じて任意に定めることが可能であ
る。
【0087】このような分光増感色素は、結晶成長時、
結晶生成終了後脱塩工程前、脱塩工程中、化学増感剤の
添加前、添加後、化学増感終了前、終了後、塗布液調製
前、調製後、塗布直前等乳剤製造の任意の時点で添加混
合することができる。
【0088】本発明の実施の際、ハロゲン化銀乳剤に
は、その製造工程、保存中あるいは現像処理中のかぶり
の発生を防止し、あるいは写真性能を安定化させる目的
で、化学熟成の終了時に種々の化合物を含有させてもよ
い。
【0089】例えばアゾール類、例えばベンゾチアゾリ
ウム塩、ニトロインダゾール類、ニトロベンズイミダゾ
ール類、クロロベンズイミダゾール類、ブロモベンズイ
ミダゾール類、メルカプトチアゾール類、メルカプトベ
ンズイミダゾール類、アミノトリアゾール類、ベンゾト
リアゾール類、ニトロベンゾトリアゾール類、メルカプ
トテトラゾール類(特に1-フェニル-5-メルカプトテト
ラゾール)など、またメルカプトピリミジン類、メルカ
プトトリアジン類、例えばオキサゾリンチオンのような
チオケト化合物、更には、ベンゼンチオスルフィン酸、
ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルホン酸アミド、ハ
イドロキノン誘導体、アミノフェノール誘導体、没食子
酸誘導体、アスコルビン酸誘導体等のようなカブリ防止
剤または安定剤として知られた多くの化合物を加えるこ
とができる。これらの化合物は、ハロゲン化銀乳剤に、
化学熟成時、或いは支持体への塗布前に添加することが
好ましい。
【0090】ハロゲン化銀乳剤は各種のバインダを含有
することができる。バインダとしてゼラチンを含有する
場合、該ゼラチンとしては通常の写真用ゼラチンが好ま
しいが、ゼラチンのみならず誘導体ゼラチンも包含さ
れ、誘導体ゼラチンとしては、ゼラチン酸無水物との反
応生成物、ゼラチンとイソシアネートとの反応生成物、
或いはゼラチンと活性ハロゲン原子を有する化合物との
反応生成物等が包含される。ここにゼラチンとの反応に
用いられる酸無水物としては、例えば無水マレイン酸、
無水フタル酸、無水安息香酸、無水酢酸、無水イサト
酸、無水コハク酸等が含まれ、イソシアネート化合物と
しては、例えばフェニルイソシアネート、p-ブロモフェ
ニルイソシアネート、p-クロロフェニルイソシアネー
ト、p-トリルイソシアネート、p-ニトロフェニルイソシ
アネート、ナフチルイソシアネート等を挙げることがで
きる。
【0091】更に活性ハロゲン原子を有する化合物とし
ては、例えばベンゼンスルホニルクロライド、p-メトキ
シベンゼンスルホニルクロライド、p-フェノキシベンゼ
ンスルホニルクロライド、p-ブロモベンゼンスルホニル
クロライド、p-トルエンスルホニルクロライド、m-ニト
ロベンゼンスルホニルクロライド、m-スルホベンゾイル
ジクロライド、ナフタレン-β-スルホニルクロライド、
p-クロロベンゼンスルホニルクロライド、3-ニトロ-4-
アミノベンゼンスルホニルクロライド、2-カルボキシ-4
-ブロモベンゼンスルホニルクロライド、m-カルボキシ
ベンゼンスルホニルクロライド、2-アミノ-5-メチルベ
ンゼンスルホニルクロライド、フタリルクロライド、p-
ニトロベンゾイルクロライド、ベンゾイルクロライド、
エチルクロロカーボネート、フロイルクロライド等が包
含される。
【0092】ハロゲン化銀乳剤にはバインダとして、ゼ
ラチン以外の親水性コロイドを用いることもできる。例
えば、コロイド状アルブミン、寒天、アラビアゴム、デ
キストラン、アルギン酸、例えばアセチル含量19〜26%
にまで加水分解されたセルロースアセテートの如きセル
ロース誘導体、ポリアクリルアミド、イミド化ポリアク
リルアミド、カゼイン、例えばビニルアルコール-ビニ
ルシアノアセテートコポリマの如きウレタンカルボン酸
基またはシアノアセチル基を含むビニルアルコールポリ
マ、ポリビニルアルコール-ポリビニルピロリドン、加
水分解ポリビニルアセテート、蛋白質または飽和アシル
化蛋白質とビニル基を有するモノマとの重合で得られる
ポリマ、ポリビニルピリジン、ポリビニルアミン、ポリ
アミノエチルメタクリレート、ポリエチレンイミン等を
使用することもできる。
【0093】ハロゲン化銀乳剤層には、特に乳剤層とし
て構成するに際して、ゼラチン硬膜剤を用いることがで
き、かかる硬膜剤は、一般に、ゼラチンと反応して架橋
を起こし、硬膜作用を呈する際副産物として、有機また
は無機の酸を発生するものである。例えばハロゲン化水
素酸を放出する2,3-ジハロゲノマレアルデヒド酸類(米
国特許2,080,019号)、2,4-ジクロロ-s-トリアジン類
(米国特許3,325,287号)、クロロピリミジン誘導体
(英国特許1,193,290号)、クロロトリアジン環を側鎖
に含むポリマー類(米国特許3,362,827号、西独国特許
公開1,921,363号)、ジクロロフォスフォアマイド誘導
体(英国特許974,723号、同1,004,658号)、ハロメチル
誘導体(英国特許990,275号)フォスフォニトリルクロ
ライド誘導体(米国特許3,186,848号)、或いは石炭誘
導体を放出する2-フェノキシ-3-ハロゲノ-マレアルデヒ
ド酸の誘導体(英国特許1,192,775号)等を用いること
ができる。
【0094】ハロゲン化銀乳剤には、特に乳剤層として
形成するに際して、その他塗布助剤、帯電防止、スベリ
性改良、乳化分散、接着防止及び写真性改良(例えば現
像促進、硬膜化、増感)など種々の目的で種々の公知の
界面活性剤を含んでもよい。
【0095】即ち、米国特許2,240,472号、同2,831,766
号、同3,158,484号、同3,210,191号、同3,294,540号、
同3,507,660号、英国特許1,012,495号、同1,022,878
号、同1,179,290号、同1,198,450号、米国特許2,739,89
1号、同2,823,123号、同1,179,290号、同1,198,450号、
同2,739,891号、同2,823,123号、同3,068,101号、同3,4
15,649号、同3,666,478号、同3,756,828号、英国特許1,
397,218号、同3,113,816号、同3,411,413号、同3,473,1
47号、同3,345,974号、同3,726,683号、同3,843,368
号、ベルギー特許731,126号、英国特許1,138,514号、同
1,159,825号、同1,374,780号、米国特許2,271,623号、
同2,288,226号、同2,944,900号、同3,235,919号、同3,6
71,247号、同3,772,012号、同3,589,906号、同3,666,47
8号、同3,754,924号、西独出願公開(OLS)1,961,683号
及び特開昭50-117414号、同50-59025号、特公昭40-378
号、同40-379号、同43-13822号に記載されている例えば
サポニン(ステロイド系)、アルキレンオキサイド誘導
体(例えばポリエチレングリコール、ポリエチレングリ
コール/ポリプロピレングリコール縮合物、ポリエチレ
ングリコールアルキルまたはアルキルアリールエーテル
類、ポリエチレングリコールエステル類、ポリエチレン
グリコールソルビタンエステル類、ポリアルキレングリ
コールアルキルアミンまたはアミド類、シリコーンのポ
リエチレンオキサイド付加物類)、グリシドール誘導体
(例えばアルケニルコハク酸ポリグリセリド、アルキル
フェノールポリグリセリド)、多価アルコールの脂肪酸
エステル類、糖のアルキルエステル類、同じくウタレン
類またはエーテル類などの非イオン性界面活性剤、トリ
テルペノイド系サポニン、アルキルカルボン酸塩、アル
キルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホ
ン酸塩、アルキル硫酸エステル類、アルキルリン酸エス
テル類、N-アシル-N-アルキルタウリン類、スルホコハ
ク酸エステル類、スルホアルキルポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキ
ルリン酸エステル類などのようなカルボキシ基、スルホ
基、ホスホ基、硫酸エステル基、リン酸エステル基等の
酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノ
アルキルスルホン酸類、アミノアルキル硫酸またはリン
酸エステル類、アルキルベタイン類、アミンイミド類、
アミンオキシド類などの両性界面活性剤、アルキルアミ
ン塩類、脂肪族或いは芳香族第4級アンモニウム塩類、
ピリジウム、イミダゾリウムなどの複素環第4級アンモ
ニウム塩類及び脂肪族または複素環を含むスルホニウム
またはスルホニウム塩類などのカチオン界面活性剤を用
いることができる。
【0096】ハロゲン化銀乳剤は、現像促進剤として、
前記の界面活性剤の他に西独出願公開(OLS)2,002,871
号、同2,445,611号、同2,360,878号、英国特許1,352,19
6号などに記載されているイミダゾール類、チオエーテ
ル類、セレノエーテル類などを含有してもよい。
【0097】また本発明により得られる乳剤をカラー用
の感光材料に適用するには、赤感性、緑感性及び青感性
の各ハロゲン化銀乳剤層に、シアン、マゼンタ及びイエ
ローカプラーをそれぞれ組合わせて含有せしめる等カラ
ー用感光材料に使用される手法及び素材を充当すればよ
い。ここでカプラーは、分子中にバラスト基とよばれる
疎水基を有する非拡散性のものが望ましい。カプラーは
銀イオンに対し4当量性あるいは2当量性のどちらでも
よい。また色補正の効果をもつカラードカプラー、或い
は現像にともなって現像抑制剤を放出するカプラー(い
わゆるDIRカプラー)を含んでもよい。更にカプラー
はカップリング反応の生成物が無色であるようなカプラ
ーでもよい。
【0098】黄色発色カプラーとしては公知の閉鎖ケト
メチレン系カプラーを用いることができる。これらのう
ちベンゾイルアセトアニリド系及びピバロイルアセトア
ニリド系化合物は有利である。用い得る黄色発色カプラ
ーの具体例は米国特許2,875,057号、同3,265,506号、同
3,408,194号、同3,551,155号、同3,582,322号、同3,72
5,072号、同3,891,445号、西独特許1,547,868号、西独
出願公開(OLS)2,213,461号、同2,219,917号、同2,26
1,361号、同2,414,006号、同2,263,875号などに記載さ
れたものである。
【0099】マゼンタ発色カプラーとしては、ピラゾロ
ン系化合物、インダゾロン系化合物、シアノアセチル化
合物などを用いることができ、特にピラゾロン系化合物
は有利である。用い得るマゼンタ発色カプラーの具体例
は、米国特許2,600,788号、同2,983,608号、同3,062,65
3号、同3,127,269号、同3,314,476号、同3,419,391号、
同3,519,429号、同3,558,319号、同3,582,322号、同3,6
15,506号、同3,834,908号、同3,891,445号、西独特許1,
810,464号、西独出願公開(OLS)2,468,865号、同2,41
7,945号、同2,418,959号、同2,424,467号、特公昭40-60
31号などに記載のものである。
【0100】シアン発色カプラーとしてはフェノール系
化合物、ナフトール系化合物などを用いることができ
る。その具体例は米国特許2,369,929号、同2,434,272
号、同2,474,293号、同2,521,908号、同2,895,826号、
同3,034,892号、同3,311,476号、同3,458,315号、同3,4
76,563号、同3,583,971号、同3,591,383号、同3,767,41
1号、西独出願公開(OLS)2,414,830号、同2,454,329
号、特開昭48-59838号などに記載されたものである。
【0101】カラードカプラーとしては例えば米国特許
3,476,560号、同2,521,908号、同3,034,892号、特公昭4
4-2016号、同38-22335号、同42-11304号、同44-32461
号、特願昭49-98469号、同50-118029号、西独出願公開
(OLS)2,418,959号に記載のものを使用できる。
【0102】DIRカプラーとしては、例えば米国特許
3,227,554号、同3,617,291号、同3,701,783号、同3,79
0,384号、同3,632,345号、西独出願公開(OLS)2,414,0
06号、同2,454,301号、同2,454,329号、米国特許953,45
4号、特願昭50-146570号に記載されたものが使用でき
る。
【0103】DIRカプラー以外に、現像にともなって
現像抑制剤を放出する化合物を、感光材料に含んでもよ
く、例えば米国特許3,297,445号、同3,379,529号、西独
出願公開(OLS)2,417,914号に記載のものが使用でき
る。その他特開昭55-85549号、同57-94752号、同56-651
34号、同56-135841号、同54-130716号、同56-133734
号、同56-135841号、米国特許4,310,618号、英国特許2,
083,640号、リサーチ・ディスクロージャー18360(1979
年)14850(1980年)、19033(1980年)、19146(1980
年)、20525(1981年)、21728(1982年)に記載された
カプラーも使用することができる。
【0104】上記のカプラーは同一層に二種以上含むこ
ともできる。また同一の化合物を異なる2つ以上の層に
含んでもよい。
【0105】カプラーをハロゲン化銀乳剤層に導入する
には、公知の方法例えば米国特許2,322,027号に記載の
方法などが用いられる。例えばフタール酸アルキルエス
テル(ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートな
ど)、リン酸エステル(ジフェニルホスフェート、トリ
フェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、ジ
オクチルブチルホスフェート)、クエン酸、エステル
(例えばアセチルクエン酸トリブチル)、安息香酸エス
テル(例えば安息香酸オクチル)、アルキルアミド(例
えばジチラルリルアミド)など、または沸点約30℃乃至
150℃の有機溶媒、例えば酢酸エチル、酢酸ブチルの如
き低級アルキルアセテート、プロピオン酸エチル、2級
ブチルアルコール、メチルイソブチルケトン、β-エト
キシエチルアルキレンアセテート、メチルセロソルブア
セテート等に溶解したのち、親水性コロイドに分散され
る。上記の高沸点有機溶媒と低沸点有機溶媒とを混合し
て用いてもよい。
【0106】カプラーがカルボン酸、スルホン酸の如き
酸基を有する場合には、アルカリ性水溶液として親水性
コロイド中に導入させる。
【0107】これらのカプラーは、一般にハロゲン化銀
乳剤層中、銀1モル当たり好ましくは2×10-3モル乃至
5×10-1モル、より好ましくは1×10-2乃至5×10-1
ル添加されるのがよい。
【0108】また色かぶり防止剤として、ハイドロキノ
ン誘導体、アミノフェノール誘導体、沒食子酸誘導体、
アスコルビン酸誘導体などを含有してもよく、その具体
例は米国特許2,360,290号、同2,336,327号、同2,403,72
1号、同2,418,613号、同2,675,314号、同2,701,197号、
同2,704,713号、同2,728,659号、同2,732,300号、同2,7
35,765号、特開昭50-92988号、同50-92989号、同50-939
28号、同50-110337号、特公昭50-23813号等に記載され
ている。
【0109】帯電防止剤としてはジアセチルセルロー
ス、スチレン-バ-フルオロアルキルソジウムマレエート
共重合体、スチレン-無水マレイン酸共重合体とp-アミ
ノベンゼンスルホン酸との反応物のアルカリ塩等が有効
である。マット剤としてはポリメタアクリル酸メチル、
ポリスチレン及びアルカリ可溶性ポリマーなどを挙げる
ことができる。また更にコロイド状酸化珪素の使用も可
能である。また、膜物性を向上するために添加するラテ
ックスとしてはアクリル酸エステル、ビニルエステル等
と他のエチレン基を持つ単量体との共重合体を挙げるこ
とができる。ゼラチン可塑剤としてはグリセリン、グリ
コール系化合物を挙げることができ、増粘剤としてはス
チレン-マレイン酸ナトリウム共重合体、アルキルビニ
ルエーテル-マレイン酸共重合体等を挙げることができ
る。
【0110】本発明により得られる乳剤を塗布して感光
材料とするための支持体としては、例えばバライタ紙、
ポリエチレン被覆紙、ポリプロピレン合成紙、ガラス
板、セルロースアセテート、セルロースナイトレート、
ポリビニルアセタール、ポリプロピレン、例えばポリエ
チレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、ポリ
スチレン等があり、これらの支持体は、それぞれの感光
材料の使用目的に応じて適宜選択される。
【0111】これらの支持体は必要に応じて下引加工が
施される。
【0112】本発明により得られた乳剤を用いた感光材
料は、露光後通常用いられる公知の方法により現像処理
することができる。
【0113】黒白現像液は、ヒドロキシベンゼン類、ア
ミノフェノール類、アミノベンゼン類等の現像主薬を含
むアルカリ溶液であり、その他アルカリ金属塩の亜硫酸
塩、炭酸塩、重亜硫酸塩、臭化物及び沃化銀に含むこと
ができる。また該感光材料がカラー用の場合には通常用
いられる発色現像法で発色現像することができる。反転
法ではまず黒白ネガ現像液で現像し、次いで白色露光を
与えるか、或いはカブリ剤を含有する浴で処理し、更に
発色現像主薬を含むアルカリ現像液で発色現像する。処
理方法については特に制限はなくあらゆる処理方法が適
用できるが、例えばその代表的なものとしては、発色現
像後、漂白定着処理を行い必要に応じ更に水洗、安定処
理を行う方式、或いは発色現像後、漂白と定着を分離し
て行い必要に応じて更に水洗、安定処理を行う方式を適
用することができる。
【0114】このような感光材料は多くの用途に適用で
きる。例えば白黒一般用、Xレイ用、カラー用、赤外
用、マイクロ用、銀色素漂白法用、反転用、拡散転写法
用等の種々の用途に供し得る。
【0115】また多層カラー感光材料に適用する場合に
は、当該分野でよく知られている種々の層構成、即ち順
層、逆層その他あらゆる層構成に適用できる。
【0116】
【実施例】以下に実施態様例を示し本発明を更に具体的
に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。
【0117】〔実施例−1〕 《EM-11の調整…比較乳剤》以下に示す5種類の溶液
と、互いに平行な2枚の双晶面有するハロゲン化銀粒子
から成る沃臭化銀(沃化銀含有率2モル%)の双晶種乳
剤(球換算粒径0.3μm)を用いて、乳剤EM-11を調製し
た。
【0118】 (溶液A1) オセイン 268.2g 蒸留水 4.0l ポリイソプロピレン-ポリエチレンオキシ-ジこはく酸 エステルナトリウム塩10%メタノール溶液 1.5ml 種乳剤 0.286モル 28重量%アンモニア水溶液 528.0ml 56重量%酢酸水溶液 795.0ml 蒸留水で5930.0mlにする (溶液B1)3.5Nアンモニア性硝酸銀水溶液。
【0119】(溶液C1)2.0重量%のゼラチンを含む、
臭化カリウムと沃化カリウムの3.5N(沃化カリウムを
2モル%含有)水溶液。
【0120】(溶液F1)56重量%酢酸水溶液。
【0121】(溶液G1)臭化カリウム1.75N水溶液。
【0122】反応容器内で65℃に保った溶液A1に、溶液
B1及び溶液C1を同時混合法によって加速添加し、種結晶
を1.0μm(球換算粒径)まで成長させた。ここで、溶液
B1及び溶液C1の添加速度は臨界成長速度に見合ったよう
に時間に対して関数様に変化させ、成長している種結晶
以外の小粒子の発生、及びオストワルド熟成により多分
散化しないように適切な添加速度で添加した。
【0123】結晶成長中のpHは、溶液F1を用いて9.0に
制御した。またpAgは、溶液G1を用いて8.2から9.0まで
連続的に変化させた。
【0124】粒子形成後に、特願平3-41314に記載の方
法に従い脱塩処理を施し、その後ゼラチンを加え再分散
し、40℃にてpHを5.80、pAgを8.06に調整した。
【0125】得られた乳剤粒子の走査型電子顕微鏡写真
から、平均粒径1.0μm(球換算粒径)、分布の広さが1
0.6%、アスペクト比2.3、平行な2枚の双晶面を有する
低アスペクト比双晶単分散乳剤であることが確認され
た。
【0126】《EM-12の調製…本発明に係る乳剤》EM-11
と略々同様にして、乳剤EM-12を調製した。但し、溶液B
1のpHを硝酸アンモニウムを用いて10.0に調整した。
【0127】得られた乳剤粒子の走査型電子顕微鏡写真
から、平均粒径1.0μm(球換算粒径)、分布の広さが1
0.6%、アスペクト比2.3、平行な2枚の双晶面を有する
低アスペクト比双晶単分散乳剤であることが確認され
た。
【0128】《EM-13の調製…本発明に係る乳剤》EM-11
と略々同様にして、乳剤EM-13を調製した。但し、溶液B
1のpHを硝酸アンモニウムを用いて9.0に調整した。
【0129】得られた乳剤粒子の走査型電子顕微鏡写真
から、平均粒径1.0μm(球換算粒径)、分布の広さが1
0.6%、アスペクト比2.3、平行な2枚の双晶面を有する
低アスペクト比双晶単分散乳剤であることが確認され
た。
【0130】《EM-14の調製…比較乳剤》沃臭化銀(沃
化銀含有率2モル%)の正常晶種乳剤(球換算粒径0.3
μm)を用いた以外はEM-13と略々同様にして、乳剤EM-1
4を調製した。
【0131】得られた乳剤粒子の走査型電子顕微鏡写真
から、平均粒径1.0μm(球換算粒径)、分布の広さが9.
8%の八面体正常晶単分散乳剤であることが確認され
た。
【0132】《EM-15の調製…比較乳剤》前記した溶液A
1、B1、F1、G1、下記の2種類の溶液、及び互いに平行
な2枚の双晶面を有するハロゲン化銀粒子から成る沃臭
化銀(沃化銀含有率2モル%)の双晶種乳剤(球換算粒
径0.3μm)を用いて、粒子内部に沃化銀含有率の高い相
を有するコア/シェル型乳剤EM-15を調製した。
【0133】(溶液D1)2.0重量%のゼラチンを含む、
臭化カリウムと沃化カリウムの3.5N(沃化カリウムを2
0モル%含有)水溶液。
【0134】(溶液E1)2.0重量%のゼラチンを含む、
臭化カリウムの3.5N水溶液。
【0135】反応容器内で65℃に保った溶液A1に種乳剤
を添加した後、溶液B1及び溶液D1を同時混合法によって
加速添加し、種結晶を0.6μm(球換算粒径)まで成長さ
せた。続いて、溶液B1及び溶液E1を加速添加し1.0μm
(球換算粒径)まで成長させた。ここで、溶液B1と溶液
D1及び溶液E1の添加速度は臨海成長速度に見合ったよう
に時間に対して関数様に変化させ、成長している種結晶
以外の小粒子の発生、及びオストワルド熟成により多分
散化しないように適切な添加速度で添加した。
【0136】結晶成長中のpHは、溶液F1を用いて9.0に
制御した。またpAgは、溶液G1を用いて8.4から9.2まで
連続的に変化させた。
【0137】粒子形成後に、特願平3-41314に記載の方
法に従い脱塩処理を施し、その後ゼラチンを加え再分散
し、40℃にてpHを5.80、pAgを8.06に調整した。
【0138】得られた乳剤粒子の走査型電子顕微鏡写真
から、平均粒径1.0μm(球換算粒径)、分布の広さが1
2.2%、アスペクト比1.8、平行な2枚の双晶面を有する
低アスペクト比双晶単分散乳剤であることが確認され
た。
【0139】《EM-16の調製・・・本発明に係る乳剤》EM-1
5と略々同様にして、粒子内部に沃化銀含有率の高い相
を有するコア/シェル型乳剤EM-16を調製した。但し、
溶液B1のpHを硝酸アンモニウムを用いて9.0に調整し
た。
【0140】得られた乳剤粒子の走査型電子顕微鏡写真
から、平均粒径1.0μm(球換算粒径)、分布の広さが1
2.2%、アスペクト比1.8、平行な2枚の双晶面を有する
低アスペクト比双晶単分散乳剤であることが確認され
た。
【0141】《EM-17の調製・・・本発明に係る乳剤》EM-1
6と略々同様にして、粒子内部に沃化銀含有率の高い相
を有するコア/シェル型乳剤EM-17を調製した。但し、
結晶成長中のpHを、溶液F1を用いて7.0に制御した。
【0142】得られた乳剤粒子の走査型電子顕微鏡写真
から、平均粒径1.0μm(球換算粒径)、分布の広さが1
1.7%、アスペクト比1.7、平行な2枚の双晶面を有する
低アスペクト比双晶単分散乳剤であることが確認され
た。
【0143】《EM-18の調製・・・比較乳剤》EM-17と同様
の方法によって、粒子内部に沃化銀含有率の高い相を有
するコア/シェル型EM-18を調製した。但し、結晶成長
中のpAgは、溶液G1を用いて9.0から9.6まで連続的に変
化させた。
【0144】得られた乳剤粒子の走査型電子顕微鏡写真
から、平均粒径1.0μm(球換算粒径)、分布の広さが2
3.8%、アスペクト比3.6、平行な2枚の双晶面を有する
高アスペクト比双晶多分散乳剤であることが確認され
た。
【0145】《ハロゲン化銀写真感光材料の作製》EM-1
1〜EM-18の各乳剤に、金・硫黄増感、及び下記2種の増
感色素(1)及び(2)のメタノール溶液を用いての分
光増感を各々最適に施した後、下記カプラー(1)の分
散液を加えてトリアセチルセルロースフィルム支持体上
に塗設して試料11〜18を作製した。
【0146】増感色素(1):アンヒドロ-5,5′-ジク
ロロ-3,3′-ジ-(3-スルホプロピル)-9-エチルチアカ
ルボシアニンヒドロキシド・ピリジニウム塩 増感色素(2):アンヒドロ-9-エチル-3,3′-ジ-(3′
-スルホプロピル)-4,5,4′,5-ジベンゾチアカルボシア
ニンヒドロキシド・トリエチルアミン塩
【0147】
【化1】
【0148】このようにして作製した各試料に対して、
色温度5400k゜の光源を用い、東芝ガラスフィルター
(Y−48)を通してウェッジ露光を与え、下記現像処理
を行った。
【0149】 1.カラー現像 1分45秒 38.0±0.1℃ 2.漂 白 6分30秒 38.0±3.0℃ 3.水 洗 3分15秒 24〜41℃ 4.定 着 6分30秒 38.0±3.0℃ 5.水 洗 3分15秒 24.0〜41℃ 6.安 定 3分15秒 38.0±3.0℃ 7.乾 燥 50℃以下 各処理工程において使用した処理液組成は下記の通りで
ある。
【0150】 〈発色現像液〉 4-アミノ-3-メチル-N-エチル-N-(β-ヒドロキシエチル) アニリン・硫酸塩 4.75g 無水亜硫酸ナトリウム 4.25g ヒドロキシルアミン・1/2硫酸塩 2.0 g 無水炭酸カリウム 37.5g 臭化ナトリウム 1.3 g ニトリロ三酢酸・三ナトリウム塩(一水塩) 2.5 g 水酸化カリウム 1.0 g 水を加えて1リットルとし、pH=10.0に調整する。
【0151】 〈漂白液〉 エチレンジアミン四酢酸鉄アンモニウム塩 100.0g エチレンジアミン四酢酸二アンモニウム塩 10.0g 臭化アンモニウム 150.0g 氷酢酸 10.0g 水を加えて1リットルとし、アンモニウム水を用いてpH=6.0に調整する。
【0152】 〈定着液〉 チオ硫酸アンモニウム 175.0g 無水亜硫酸ナトリウム 8.5g メタ亜硫酸ナトリウム 2.3g 水を加えて1リットルとし、酢酸を用いてpH=6.0に調整する。
【0153】 〈安定液〉 ホルマリン(37%水溶液) 1.5ml コニダックス(コニカ株式会社製) 7.5ml 水を加えて1リットルとする。
【0154】得られた各試料に対して赤色光(R)を用
いて、相対カブリ、相対感度、相対RMS値の測定を試
料作成直後に行なった。
【0155】測定結果を表1に示す。
【0156】
【表1】
【0157】相対カブリは、最小濃度(Dmin)の相対値
であり、試料-11のDmin値を100とする値で示した。
【0158】相対感度は、Dmin+0.15の濃度を与える露
光量の逆数の相対値であり、試料-11の感度を100とする
値で示した。
【0159】相対RMS値の測定位置は、相対感度の測
定位置と同じくDmin+0.15となる濃度点である。
【0160】相対RMS値は試料の被測定部の濃度を、
イーストマンコダック社製ラッテンフィルターW−26を
装着した開口走査面積1800μm2(スリット幅10μm、ス
リット長180μm)マイクロデンシメーターで走査し、濃
度測定サンプリング数1000以上の濃度値の変動の標準差
を求め、試料-11のRMS値を100とする値で示した。相
対RMS値が小さい程粒状性が良いことを意味する。
【0161】〔実施例−2〕 《球形種乳剤EM−Tの調製》以下に示す方法によっ
て、単分散性の球形種乳剤を調製した。
【0162】 A液 オセインゼラチン 80g 臭化カリウム 47.4g ポリイソプロピレン-ポリエチレンオキシ -ジこはく酸エステルナトリウム塩10%メタノール溶液 20ml 蒸留水で8000mlにする B液 硝酸銀 1.200g 蒸留水で1600mlにする C液 オセインゼラチン 32.2g 臭化カリウム 840g 蒸留水で1600mlにする D液 アンモニア水 470ml 40℃で激しく撹拌したA液に、B液とC液をダブルジェ
ット法により11分間で添加し、核の生成を行なった。こ
の間、pBrは1.60に保った。
【0163】その後、12分間かけて、温度を30℃に下
げ、さらに18分間熟成を行なった。更にD液を1分間で
添加し、引き続き5分間の熟成を行なった。熟成時のKB
r濃度は0.07mol/l、アンモニア濃度は0.63mol/lであっ
た。
【0164】熟成終了後にpHを6.0に調整し、常法に従
って脱塩を行なった。
【0165】かくして得られた種乳剤粒子を電子顕微鏡
観察したところ、互いに平行な2枚の双晶面を有する、
平均粒径0.30μmの球形乳剤であった。
【0166】《EM-21の調製・・・比較乳剤》以下に示す7
種類の溶液を用いて、双晶単分散乳剤EM-21を調製し
た。
【0167】 (溶液A2) オセインゼラチン 268.2g 蒸留水 4.0l ポリイソプロピレン-ポリエチレンオキシ -ジこはく酸エステルナトリウム塩10%メタノール溶液 1.5ml 種乳剤(EM-T) 0.286モル 28重量%アンモニア水溶液 528.0ml 56重量%酢酸水溶液 795.0
ml 蒸留水で5930.0mlにする (溶液B2)3.5Nアンモニア性硝酸銀水溶液。
【0168】(溶液C2)4.0重量%のゼラチンを含む3.5
N臭化カリウム水溶液 (溶液D2)3.0重量%のゼラチンと、沃化銀粒子(平均
粒径0.05μm)を含む微粒子乳剤2.39モル調製法を以下
に示す。
【0169】0.06モルの沃化カリウムを含む6.0重量%
のゼラチン溶液5000mlに、7.06モルの硝酸銀と、7.06モ
ルの沃化カリウムを含む水溶液各々2000mlを10分間かけ
て添加した。
【0170】微粒子形成中のpHは硝酸を用いて2.0に、
温度は40℃に制御した。
【0171】粒子形成後に、炭酸ナトリウム水溶液を用
いてpHを6.0に調製した。
【0172】 (溶液E2) 溶液D2で記述した沃化銀微粒子乳剤と同様にして調製された、1モル%の沃化 銀を含有する沃臭化銀粒子(平均粒径0.04μm) から成る微粒子乳剤 6.24モル 但し、微粒子形成中の温度は30℃に制御した。
【0173】(溶液F2)臭化カリウム1.75N水溶液 (溶液G2)56重量%酢酸水溶液 反応容器内で70℃に保った溶液A2に、溶液B2、溶液C2及
び溶液D2を同時混合法によって163分の時間を要して添
加した後、引き続いて溶液E2を12分を要して単独に定速
添加し、種結晶を1.0μm(球換算粒径)まで成長させ
た。
【0174】ここで、溶液B2及び溶液C2の添加速度は臨
界成長速度に見合ったように時間に対して関数様に変化
させ、成長している種結晶以外の小粒子の発生及びオス
トワルド熟成により多分散化しないように適切な添加速
度で添加した。溶液D2即ち沃化銀微粒子乳剤の供給は、
アンモニア性硝酸銀水溶液との速度比(モル比)を表2
に示すように粒径(添加時間)に対して変化させること
によって、多重構造を有するコア/シェル型ハロゲン化
銀乳剤を作成した。
【0175】また、溶液F2,G2を用いることによって、
結晶成長中のpAg,pHを表2に示すように制御した。な
お、pAg,pHの測定は、常法に従い硫化銀電極及びガラ
ス電極を用いて行なった。
【0176】粒子形成後に、特願平3-41314に記載の方
法に従い脱塩処理を施し、その後ゼラチンを加え再分散
し、40℃にてpHを5.80,pAgを8.06に調整した。
【0177】得られた乳剤粒子の走査型電子顕微鏡写真
から、平均粒径1.0μm(球換算粒径)、分布の広さが1
0.3%アスペクト比1.4の互いに平行な2枚の双晶面を有
する双晶単分散乳剤であることが確認された。
【0178】《EM-22の調製・・・本発明に係る乳剤》硝酸
アンモニウムによって溶液B2のpHを9.0に調整した以外
は、EM-21と略々同様にしてEM-22を調製した。
【0179】得られた乳剤粒子の走査型電子顕微鏡写真
から、平均粒径1.0μm(球換算粒径)、分布の広さが1
0.3%アスペクト比1.4の互いに平行な2枚の双晶面を有
する双晶単分散乳剤であることが確認された。
【0180】《EM-23の調製・・・比較乳剤》溶液A2に酸化
剤として0.001モルの沃素を含むメタノール溶液50.0ml
を加えた以外は、EM-21と略々同様にしてEM-23を調製し
た。
【0181】得られた乳剤粒子の走査型電子顕微鏡写真
から、平均粒径1.0μm(球換算粒径)、分布の広さが1
0.3%アスペクト比1.4の互いに平行な2枚の双晶面を有
する双晶単分散乳剤であることが確認された。
【0182】《EM-24の調製・・・本発明に係る乳剤》溶液
A2に酸化剤として0.001モルの沃素を含むメタノール溶
液50.0mlを加え、また、硝酸アンモニウムによって溶液
B2のpHを9.0に調整した以外は、EM-21と略々同様にして
EM-23を調製した。
【0183】得られた乳剤粒子の走査型電子顕微鏡写真
から、平均粒径1.0μm(球換算粒径)、分布の広さが1
0.3%、アスペクト比1.4の互いに平行な2枚の双晶面を
有する双晶単分散乳剤であることが確認された。
【0184】
【表2】
【0185】《ハロゲン化銀写真感光材料の作製》以上
のように調製したEM-21〜EM-24の各乳剤に対して金・硫
黄増感を最適に施し、これらの乳剤のうち、EM−21を
用いてトリアセチルセルロースフィルム支持体上に下記
に示すような組成の各層を順次支持体側から形成して、
多層カラー写真感光材料の試料−21を作製した。
【0186】多層カラー写真感光材料〔試料-21〕の構
成は以下の通りである。
【0187】感光材料中の添加量は特に記載のない限り
1m2当たりのグラム数を示す。また、ハロゲン化銀及び
コロイド銀は銀に換算して示し、増感色素はハロゲン化
銀1モル当たりのモル数で示した。
【0188】 第1層:ハレーション防止層 黒色コロイド銀 0.16 紫外線吸収剤 (UV−1) 0.20 高沸点有機溶媒(Oil−1) 0.16 ゼラチン 1.23 第2層:中間層 化合物(SC−1) 0.15 高沸点有機溶媒(Oil−2) 0.17 ゼラチン 1.27 第3層;低感度赤感性層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.38μm,沃化銀含有率 8.0モル%) 0.50 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.27μm,沃化銀含有率 2.0モル%) 0.21 増感色素(SD−1) 2.8×10-4 増感色素(SD−2) 1.9×10-4 増感色素(SD−3) 1.9×10-5 増感色素(SD−4) 1.0×10-4 シアンカプラー(C−1) 0.48 シアンカプラー(C−2) 0.14 カラードシアンカプラー(CC−1) 0.021 DIR化合物 (D−1) 0.020 高沸点溶媒 (Oil−1) 0.53 ゼラチン 1.30 第4層;中感度赤感性層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.52μm,沃化銀含有率 8.0モル%) 0.62 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.38μm,沃化銀含有率 8.0モル%) 0.27 増感色素(SD−1) 2.3×10-4 増感色素(SD−2) 1.2×10-4 増感色素(SD−3) 1.6×10−5 増感色素(SD−4) 1.2×10-4 シアンカプラー(C−1) 0.15 シアンカプラー(C−2) 0.18 カラードシアンカプラー(CC−1) 0.030 DIR化合物 (D−1) 0.013 高沸点溶媒 (Oil−1) 0.30 ゼラチン 0.93 第5層;高感度赤感性層 [EM−21] 1.27 増感色素(SD−1) 1.3×10-4 増感色素(SD−2) 1.3×10-4 増感色素(SD−3) 1.6×10-5 シアンカプラー(C−2) 0.12 カラードシアンカプラー(CC−1) 0.013 高沸点溶媒 (Oil−1) 0.14 ゼラチン 0.91 第6層;中間層 化合物(SC−1) 0.09 高沸点有機溶媒(Oil−2) 0.11 ゼラチン 0.80 第7層;低感度緑感性層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.38μm,沃化銀含有率 8.0モル%) 0.61 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.27μm,沃化銀含有率 2.0モル%) 0.20 増感色素(SD−4) 7.4×10-5 増感色素(SD−5) 6.6×10-4 マゼンタカプラー(M−1) 0.18 マゼンタカプラー(M−2) 0.44 カラードマゼンタカプラー(CM−1) 0.12 高沸点溶媒 (Oil−2) 0.75 ゼラチン 1.95 第8層;中感度緑感性層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.59μm,沃化銀含有率 8.0モル%) 0.87 増感色素(SD−6) 2.4×10-4 増感色素(SD−7) 2.4×10-4 マゼンタカプラー(M−1) 0.058 マゼンタカプラー(M−2) 0.13 カラードマゼンタカプラー(CM−1) 0.070 DIR化合物 (D−2) 0.025 DIR化合物 (D−3) 0.002 高沸点溶媒 (Oil−2) 0.50 ゼラチン 1.00 第9層;高感度緑感性層 [EM−21] 1.27 増感色素(SD−6) 1.4×10-4 増感色素(SD−7) 1.4×10-4 マゼンタカプラー(M−2) 0.084 マゼンタカプラー(M−3) 0.064 カラードマゼンタカプラー(CM−1) 0.012 高沸点溶媒 (Oil−1) 0.27 高沸点溶媒 (Oil−2) 0.012 ゼラチン 1.00 第10層;イエローフィルター層 黄色コロイド銀 0.08 色汚染防止剤(SC−2) 0.15 ホルマリンスカベンジャー(HS−1) 0.20 高沸点溶媒(Oil−2) 0.19 ゼラチン 1.10 第11層;中間層 ホルマリンスカベンジャー(HS−1) 0.20 ゼラチン 0.60 第12層;低感度青感性層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.38μm,沃化銀含有率 8.0モル%) 0.22 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.27μm,沃化銀含有率 2.0モル%) 0.03 増感色素(SD−8) 4.9×10-4 イエローカプラー(Y−1) 0.75 DIR化合物 (D−1) 0.010 高沸点溶媒 (Oil−2) 0.30 ゼラチン 1.20 第13層;中感度青感性層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.59μm,沃化銀含有率 8.0モル%) 0.30 増感色素(SD−8) 1.6×10-4 増感色素(SD−9) 7.2×10-5 イエローカプラー(Y−1) 0.10 DIR化合物 (D−1) 0.010 高沸点溶媒 (Oil−2) 0.046 ゼラチン 0.47 第14層;高感度青感性層 [EM−21] 0.85 増感色素(SD−8) 7.3×10-5 増感色素(SD−9) 2.8×10-5 イエローカプラー(Y−1) 0.11 高沸点溶媒 (Oil−2) 0.046 ゼラチン 0.80 第15層;第1保護層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.08μm,沃化銀含有率 1.0モル%) 0.40 紫外線吸収剤(UV−1) 0.065 紫外線吸収剤(UV−2) 0.10 高沸点溶媒 (Oil−1) 0.07 高沸点溶媒 (Oil−3) 0.07 ホルマリンスカベンジャー(HS−1) 0.40 ゼラチン 1.31 第16層;第2保護層 アルカリ可溶性マット剤 (平均粒径2μm) 0.15 ポリメチルメタクリレート(平均粒径3μm) 0.04 滑り剤(WAX−1) 0.04 ゼラチン 0.55 尚、上記の組成物の他に、塗布助剤Su−1,分散助剤
Su−2,粘度調整剤、硬膜剤H−1,H−2,安定剤
ST−1,カブリ防止剤AF−1,重量平均分子量:1
0,000及び重量平均分子量:1,100,000の2種のAF−2
及び防腐剤DI−1を添加した。DI−1の添加量は9.
4mg/m2であった。
【0189】上記試料に用いた化合物の構造を以下に示
す。
【0190】
【化2】
【0191】
【化3】
【0192】
【化4】
【0193】
【化5】
【0194】
【化6】
【0195】
【化7】
【0196】
【化8】
【0197】
【化9】
【0198】次に、上記試料−21における第5層、第9
層、第14層で使用した沃臭化銀乳剤EM−21の代わり
に、乳剤EM−22〜EM−24を用いて試料−22〜試料−
24を作製した。
【0199】このようにして作成した各試料に対して白
色光を用いてウェッジ露光したのち、下記現像処理を行
った。
【0200】 1.カラー現像 3分15秒 38.0±0.1℃ 2.漂 白 6分30秒 38.0±3.0℃ 3.水 洗 3分15秒 24〜41℃ 4.定 着 6分30秒 38.0±3.0℃ 5.水 洗 3分15秒 24.0〜41℃ 6.安 定 3分15秒 38.0±3.0℃ 7.乾 燥 50℃以下 各工程に用いた処理液組成は実施例−1において用いた
処理液組成と、それぞれ同じである。
【0201】得られた各試料に対し、赤色光(R)、緑
色光(G)、青色光(B)を用いて実施例−1と同様
に、相対カブリ、相対感度、相対RMS値の測定を試料
作成直後に行なった。そのうち、緑色光(G)において
の測定結果を表3に示す。
【0202】相対カブリは、最小濃度(Dmin)の相対
値であり、試料−21のDmin値を100とする値で示した。
【0203】相対感度は、Dmin+0.15の濃度を与える
露光量の逆数の相対値であり、試料−21のDmin値を100
とする値で示した。
【0204】相対RMS値は、試料−21のRMS値を10
0とする値で示した。相対RMS値の測定には、R、
G、B各測定で、イーストマンコダック社製ラッテンフ
ィルターW−26、W−99、W−47を各々使用した。
【0205】尚、赤色光(R)、青色光(B)を用いて
行なった各測定においても同様の結果が認められた。
【0206】
【表3】
【0207】実施例−1、2に示される結果(表1及び
表3)から明らかなように、本発明の製造方法に従い得
られたハロゲン化銀乳剤は、従来技術によって得られた
乳剤に比較し、カブリ、感度、粒状性が共に優れる。
【0208】本発明は、正常晶やアスペクト比の高い
(>3)平板状のハロゲン化銀乳剤の製造においてもそ
の効果の一端を得ることは可能であるが、写真特性上特
に重要なカブリ、感度、粒状性が、共に優れた乳剤が得
られるという点で、低アスペクト比(≦3)ハロゲン化
銀乳剤の製造に特に有用である。
【0209】また、表1及び表3から、本発明は粒子形
成をpH8.0以下で行なう場合や、酸化剤の存在下で粒子
形成を行なう場合に顕著な効果が得られること、更に、
コア/シェル構造を有する粒子形成において特に有効で
あることは明らかである。
【0210】
【発明の効果】高感度で、カブリかつ粒状性に優れたハ
ロゲン化銀乳剤の製造方法を提供することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに平行な2枚の双晶面を有するアス
    ペクト比3以下のハロゲン化銀粒子を含むハロゲン化銀
    乳剤の製造方法において、該ハロゲン化銀粒子形成過程
    の一部または全てを、pHを10.5以下に調整したアンモニ
    ア性硝酸銀水溶液を用いて行なうことを特徴とするハロ
    ゲン化銀乳剤の製造方法。
  2. 【請求項2】 互いに平行な2枚の双晶面を有するアス
    ペクト比3以下のハロゲン化銀粒子を含むハロゲン化銀
    乳剤の製造方法において、pHを10.5以下に調整したアン
    モニア性硝酸銀水溶液を用いて、pH8.0以下でハロゲン
    化銀粒子形成の一部または全てを行なうことを特徴とす
    るハロゲン化銀乳剤の製造方法。
  3. 【請求項3】 ハロゲン化銀粒子形成過程の一部または
    全てを、酸化剤の存在下で行なうことを特徴とする請求
    項1または2に記載のハロゲン化銀乳剤の製造方法。
  4. 【請求項4】 互いに平行な2枚の双晶面を有するアス
    ペクト比3以下のハロゲン化銀粒子が、該粒子内部に沃
    化銀含有率が10モル%以上のハロゲン化銀相を有するコ
    ア/シェル型ハロゲン化銀粒子であることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれかに記載のハロゲン化銀乳剤の製
    造方法。
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