JPH05210162A - カメラの撮影画角変換装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、フィルム面の直前に画角変換用遮
光部材を配置し、この画角変換用遮光部材により撮影画
角を変更するカメラの撮影画角変換装置に関し、画角変
換用遮光部材により撮影画角を変化させた時にも、変化
させない時と同等の反射光量をＴＴＬ調光用の受光素子
に確実に得ることを目的とする。 【構成】 フィルム面の直前に配置され、撮影画角を変
更するための画角変換用遮光部材を備えたカメラの撮影
画角変換装置において、前記画角変換用遮光部材の撮影
レンズ側の反射特性を、前記フィルム面の反射特性と同
等にして構成する。また、画角変換用遮光部材の撮影レ
ンズ側の反射率を、１２％以上、２６％以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、フィルム面の直前に画
角変換用遮光部材を配置し、この画角変換用遮光部材に
より撮影画角を変更するカメラの撮影画角変換装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来、撮影画面を、例えば、通常のフル
サイズ画面と、横長のパノラマサイズ画面とに切り換え
可能な撮影画角変換装置を備えたカメラが知られてい
る。

【０００３】このような撮影画角変換装置では、フィル
ム面の直前に、撮影画角を変更するための画角変換用遮
光部材が移動可能に配置されており、例えば、上下の画
角を、画角変換用遮光部材により制限することにより、
パノラマサイズ画面を容易に得ることができる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の撮影画角変換装置を、フィルム面の反射光に
よりストロボ撮影の発光量を制御する、いわゆるＴＴＬ
調光式のカメラに用いた時には、適正露光の写真を得る
ことが困難になる虞れがあるという問題があった。

【０００５】すなわち、一般に、ＴＴＬ調光式のカメラ
では、フィルム面の反射光を受光素子により受光し、そ
の受光量に基づいてストロボの発光量を制御するが、例
えば、パノラマサイズ画面では、上下の画角を、フィル
ム面と反射率の異なる画角変換用遮光部材により制限し
ているため、フルサイズ画面の時に受光素子に入光する
光量と、パノラマサイズ画面の時に受光素子に入光する
光量とが異なったものとなり、ストロボの発光量の制御
がうまくいかず、発光量が過多または過少となり、適正
露光の写真を得ることが困難になる虞れがあるという問
題があった。

【０００６】本発明は、かかる従来の問題を解決するた
めになされたもので、画角変換用遮光部材により撮影画
角を変化させた時にも、変化させない時と同等の反射光
量をＴＴＬ調光用の受光素子に確実に得ることができる
カメラの撮影画角変換装置を提供することを目的とす
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１のカメラの撮影
画角変換装置は、フィルム面の直前に配置され、撮影画
角を変更するための画角変換用遮光部材を備えたカメラ
の撮影画角変換装置において、前記画角変換用遮光部材
の撮影レンズ側の反射特性を、前記フィルム面の反射特
性と同等にしてなるものである。

【０００８】請求項２のカメラの撮影画角変換装置は、
請求項１において、画角変換用遮光部材の撮影レンズ側
の反射率は、１２％以上、２６％以下であるものであ
る。

【０００９】

【作用】本発明のカメラの撮影画角変換装置では、画角
変換用遮光部材の撮影レンズ側の反射特性を、フィルム
面の反射特性と同等にしたので、画角変換用遮光部材に
より撮影画角を変化させた時にも、変化させない時と同
等の反射光がＴＴＬ調光用の受光素子に入光される。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて詳細に
説明する。図１は、本発明の撮影画角変換装置の一実施
例を備えたカメラを示すもので、図において符号１は、
カメラ本体を示している。

【００１１】カメラ本体１の被写体側には、撮影レンズ
２が配置され、被写体と反対側には、フィルム３が配置
されている。カメラ本体１の下部には、ＴＴＬ調光時
に、フィルム面４からの反射光を受光するＴＴＬ調光用
の受光素子５が配置されている。

【００１２】カメラ本体１の上部には、ストロボ制御装
置６により発光を制御されるストロボ発光部７が配置さ
れている。ストロボ制御装置６は、信号線８を介して受
光素子５に接続されている。

【００１３】フィルム３のフィルム面４の上下直前に
は、撮影画角変換装置９の画角変換用遮光部材１０が配
置されている。図２は、撮影画角変換装置９を撮影レン
ズ２側から見た正面図であり、フィルム案内部材１１の
一側には、パトローネ室１２が形成され、他側には、フ
ィルム巻取り室１３が形成されている。

【００１４】フィルム案内部材１１の中央には、撮影レ
ンズ２からの被写体光を、フィルム面４に導く開口部１
４が形成されている。この開口部１４の上下には、矩形
形状の画角変換用遮光部材１０が配置されている。

【００１５】これ等の画角変換用遮光部材１０の両側に
は、長孔１５が形成され、フィルム案内部材１１に形成
される案内ピン１６を長孔１５に挿入することにより、
画角変換用遮光部材１０が上下方向に移動自在に案内さ
れている。

【００１６】画角変換用遮光部材１０は、図示しない付
勢機構により外方に向けて付勢されており、電磁石１７
をオンすることにより、画角変換用遮光部材１０の一端
に形成される鉄片１８が電磁石１７に引きつけられ、画
角変換用遮光部材１０が内側に向けて移動する。

【００１７】すなわち、電磁石１７のオフ時には、画角
変換用遮光部材１０は、外側の位置にあり、フルサイズ
画枠が形成され、電磁石１７のオン時には、画角変換用
遮光部材１０は、図に二点鎖線で示すように内側に向け
て移動され、図３に示すようなパノラマサイズ画枠が形
成される。

【００１８】しかして、この実施例では、画角変換用遮
光部材１０は、図４に示すように、樹脂からなる基板２
０の撮影レンズ２側に、塗装、印刷等により反射層２１
を形成して構成されている。

【００１９】そして、反射層２１の反射特性、例えば、
反射率，反射方向等がフィルム面４の反射特性と同等に
されている。なお、この実施例では、反射層２１の反射
率は、通常のフィルム面４の反射率を考慮して１２％以
上、２６％以下とされている。

【００２０】以上のように構成されたカメラでは、図示
しないシャッターが開き、カメラの露光が開始される
と、ストロボ制御装置６によりストロボ発光部７の発光
が開始され、発光された補助照明光は、図示しない被写
体を照明し、その反射光が撮影レンズ２を通り、フィル
ム面４に到達するとともに、フィルム面４で反射され、
ＴＴＬ調光用の受光素子５により受光される。

【００２１】そして、ＴＴＬ調光用の受光素子５の受光
量が適正量に達すると、ストロボ制御装置６は、ストロ
ボ発光部７の発光を停止し、露光が終了する。しかし
て、この実施例では、画角変換用遮光部材１０の撮影レ
ンズ２側の反射特性を、フィルム面４の反射特性と同等
にしたので、画角変換用遮光部材１０により撮影画角を
変化させた時にも、変化させない時と同等の反射光量を
ＴＴＬ調光用の受光素子５に確実に得ることが可能とな
り、ストロボ撮影時に、適正露光の写真を確実に得るこ
とができる。

【００２２】すなわち、図３に示したように、パノラマ
サイズ画面のストロボ撮影は、画角変換用遮光部材１０
を内側に移動した状態で行われ、この時に、画角変換用
遮光部材１０がフィルム面４の直前に位置し、一部の被
写体光は遮光されるが、遮光された被写体光は、画角変
換用遮光部材１０の反射層２１で反射され、ＴＴＬ調光
式用の受光素子５に受光される。

【００２３】そして、この画角変換用遮光部材１０の反
射層２１は、フィルム面４と同様の反射特性を有してい
るため、ＴＴＬ調光式用の受光素子５は、図１に示し
た、通常のフルサイズ画面の撮影時と同様の受光量を得
ることができ、パノラマサイズ画面での撮影において
も、同一の被写体に対しては、同一のストロボ発光量が
確保され、適正露光の写真を確実に得ることができる。

【００２４】図５は、本発明のカメラの撮影画角変換装
置の他の実施例を示すもので、この実施例は、画角変換
用遮光部材が外付けのアタッチメント方式の場合であ
る。すなわち、この実施例では、パノラマサイズ画面の
撮影時には、フィルム案内部材１１の開口部１４の撮影
レンズ２側に、パノラマサイズ画面を形成するためのア
タッチメント２５が固定され、この状態で撮影が行われ
る。

【００２５】アタッチメント２５は、開口部１４の上下
に位置する一対の画角変換用遮光部材２６と、これ等の
画角変換用遮光部材２６を連結する連結部材２７により
形成されている。

【００２６】なお、一対の画角変換用遮光部材２６は、
図４に示した画角変換用遮光部材とほぼ同様に形成され
ている。以上のように構成された撮影画角変換装置にお
いても前述した実施例とほぼ同様の効果を得ることがで
きる。

【００２７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のカメラの
撮影画角変換装置では、画角変換用遮光部材の撮影レン
ズ側の反射特性を、フィルム面の反射特性と同等にした
ので、画角変換用遮光部材により撮影画角を変化させた
時にも、変化させない時と同等の反射光量をＴＴＬ調光
用の受光素子に確実に得ることが可能となり、適正露光
の写真を確実に得ることができるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の撮影画角変換装置の一実施例を有する
カメラを示す断面図である。

【図２】図１の撮影画角変換装置を撮影レンズ側から見
た状態を示す正面図である。

【図３】図１の撮影画角変換装置をパノラマサイズ画面
にした状態を示す説明図である。

【図４】図１の画角変換用遮光部材を示す断面図であ
る。

【図５】本発明の撮影画角変換装置の他の実施例を撮影
レンズ側から見た状態を示す正面図である。

【符号の説明】

２ 撮影レンズ ３ フィルム ４ フィルム面 ５ ＴＴＬ調光用の受光素子 ７ ストロボ発光部 １０，２６ 画角変換用遮光部材

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 フィルム面の直前に配置され、撮影画角
   を変更するための画角変換用遮光部材を備えたカメラの
   撮影画角変換装置において、前記画角変換用遮光部材の
   撮影レンズ側の反射特性を、前記フィルム面の反射特性
   と同等にしてなることを特徴とするカメラの撮影画角変
   換装置。
2. 【請求項２】 前記画角変換用遮光部材の撮影レンズ側
   の反射率は、１２％以上、２６％以下であることを特徴
   とする請求項１記載のカメラの撮影画角変換装置。