JPH05209004A - 共重合体の製造方法 - Google Patents

共重合体の製造方法

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JPH05209004A
JPH05209004A JP25756192A JP25756192A JPH05209004A JP H05209004 A JPH05209004 A JP H05209004A JP 25756192 A JP25756192 A JP 25756192A JP 25756192 A JP25756192 A JP 25756192A JP H05209004 A JPH05209004 A JP H05209004A
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olefin
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 透明性に優れたマレイミド−オレフィン系共
重合体の製造方法を提供する。 【構成】 マレイミド類とオレフィン類とをラジカル共
重合させてマレイミド−オレフィン系共重合体を製造す
るにあたり、沈澱重合を行うことを特徴とするマレイミ
ド−オレフィン系共重合体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明性に優れたマレイ
ミド−オレフィン系共重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マレイミド系ポリマーは、耐熱性の高い
ポリマー材料として、フェニルマレイミドを中心に古く
から研究されているが、マレイミド単位が増加すると生
成ポリマーが著しく脆くなることから、ABSの耐熱性
改質剤として通常十数%程度添加するといった用途に用
いられているにすぎない。また、フェニルマレイミドを
用いると生成ポリマーが著しく着色するため、用途によ
っては大きな問題となる。
【0003】アルキルマレイミド類と特定のオレフィン
類との共重合体は、マレイミド含量が高いにもかかわら
ず実用的な機械強度を有し、耐熱的にも優れる興味深い
材料である。しかしながら、これらの共重合体において
も残存モノマー、不純物等の影響により生成ポリマーが
着色しやすい傾向にあるため、光学的に優れた共重合体
を工業的に生産することは困難であった。
【0004】一般に、ビニルモノマーのラジカル重合方
法としては、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法など
が知られており、工業的には懸濁重合法、乳化重合法が
多く用いられている。
【0005】しかし、マレイミド類とオレフィン類の重
合においては、これらの重合方法では以下のような問題
点がある。すなわち、マレイミド類は常温では固体の化
合物が多く、かつオレフィン類への溶解性が低いことか
ら、通常の懸濁重合法、乳化重合法など基本的に液状モ
ノマーに適用されるような重合方法の適用は困難であ
る。また、これら重合法では分散安定剤、乳化剤を用い
るため、生成ポリマーの光学特性の低下を伴うという点
からも好ましくない。
【0006】また、マレイミド系ポリマーの場合、上述
したようにマレイミド類あるいは不純物が残存すると生
成ポリマーの透明性、色調を著しく低下させるという問
題点があり、これらの点に関しても上記重合法は満足す
べき製造方法ではない。
【0007】均一系溶液重合法は固体モノマーの重合に
適した製造方法であるが、同様に以下の様な問題があ
る。例えば、反応後の生成ポリマー溶液を貧溶媒に沈殿
させ精製することにより比較的色調の良い共重合体を得
ることができるが、このような再沈澱法によりポリマー
を工業的に精製することは困難であり、また製造工程が
複雑となるという問題点があるため実際的ではない。ま
た、得られるポリマー溶液から蒸留、フラッシングなど
により溶媒を除去する方法は比較的簡便な方法である
が、生成ポリマーの着色が高くなるという問題点があ
る。
【0008】このように透明性および色調に優れたマレ
イミド−オレフィン系共重合体を工業的に製造すること
は、これまで困難であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、マレ
イミド−オレフィン系共重合体の工業的な製造方法を提
供することにあり、さらに透明性および色調に優れたマ
レイミド−オレフィン系共重合体の製造方法を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者はこの問題に鑑
み鋭意検討した結果、特定の重合溶媒を用いた製造方法
が上記目的を満たすことを見いだし、本発明を完成する
に至った。
【0011】すなわち本発明は、マレイミド類とオレフ
ィン類とをラジカル共重合させてマレイミド−オレフィ
ン系共重合体を製造するにあたり、マレイミド類は溶解
するが生成ポリマーは溶解せず、かつ生成ポリマーが粒
子状で析出してくる重合溶媒を用いて重合する、いわゆ
る沈澱重合方法を用いることを特徴とするマレイミド−
オレフィン系共重合体の製造方法に関するものである。
【0012】本発明の製造方法を用いることにより、黄
色度が極めて低く、良好な透明性を有するポリマーを得
ることができる。これは、生成ポリマーの色調に影響を
与えると考えられる残モノマーあるいはその変性物など
の不純物が溶媒に溶解し、生成ポリマー中から除去され
るためであると考えられる。さらに、本発明の製造方法
では通常の乳化重合、懸濁重合などで使用さる乳化剤、
分散剤などを含まないため特に光学特性に優れたポリマ
ーを得ることができるという点においても優れている。
【0013】さらに本発明の製造方法では、生成ポリマ
ーが粒子状で得られるため、溶媒との分離工程、乾燥工
程などの製造プロセスを簡略化することができる。
【0014】本発明の製造方法における重合溶媒として
は、マレイミド類およびオレフィン類に対する溶解性が
高く、生成ポリマーは溶解せず、かつ生成ポリマーが粒
子状で析出してくる重合溶媒を用いる必要がある。
【0015】生成粒子の平均粒径は50〜2000μ
m、特に100〜1000μmであることが好ましく、
平均粒径が50μm未満の場合にはポリマー粒子の飛散
あるいはろ過分離時の目詰まりなどがあり、取扱いが困
難になるため好ましくない。平均粒径が2000μmを
越える場合には生成ポリマーが着色する傾向にあるため
好ましくない。
【0016】生成粒子のかさ密度は0.1〜1.0g/
cm、特に0.2〜0.8g/cmが好ましく、か
さ密度が0.1g/cm未満の場合には粉体の取扱い
が困難であり、またペレットあるいは成形体への加工性
が悪くなるため好ましくない。また、かさ密度が1.0
g/cmを越える場合には生成するポリマーが着色す
る傾向にあり好ましくない。
【0017】また、製造面から好ましい重合溶媒は、反
応器あるいは撹拌翼への付着分(スケール分)を少なく
させるものである。
【0018】本発明の製造方法で用いる好ましい重合溶
媒の例として、アルコール類、ケトン類、酢酸エステル
類、エーテル類より選ばれる1種以上の溶媒と芳香族溶
媒との混合溶媒が挙げられる。
【0019】ここで芳香族溶媒としては、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼ
ン、ブチルベンゼン等が挙げられる。
【0020】アルコール類としては、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−
プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチ
ルアルコール、s−ブチルアルコール、t−ブチルアル
コール、ヘキシルアルコール、シクロヘキシルアルコー
ル、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール等が挙
げられる。
【0021】ケトン類としては、アセトン、ジメチルケ
トン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げ
られる。
【0022】酢酸エステル類としては、酢酸メチル、酢
酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸
n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸s−ブチル、酢酸t
−ブチル、酢酸ヘキシル等が挙げられる。
【0023】エーテル類としては、ジメチルエーテル、
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等
が挙げられる。
【0024】これらのうち、アルコール類および芳香族
溶媒からなる混合溶媒がスケールが少ないなどの点から
好ましい。特にメタノールとトルエンからなる混合溶媒
が好ましい。
【0025】アルコール類、ケトン類、酢酸エステル類
またはエーテル類と芳香族溶媒の比は、モノマーの仕込
み組成およびマレイミドの置換基などにより異なるが、
98/2〜2/98重量%、特に90/10〜20/8
0重量%が好ましい。
【0026】本発明の製造方法における好ましい重合溶
媒の他の例としては、アルコール類、ケトン類およびエ
ーテル類から選ばれる1種類以上の溶媒と酢酸エステル
類からなる混合溶媒が挙げられる。アルコール類、ケト
ン類およびエーテル類と酢酸エステル類の比は98/2
〜2/98重量%、好ましくは90/10〜20/80
重量%である。
【0027】また、他の好ましい重合溶媒としては、ニ
トリル系溶媒が挙げられる。本発明の製造方法で用いる
ニトリル系溶媒としては、アセトニトリル、プロピオニ
トリル、ブチロニトリル等の低級脂肪族ニトリルが挙げ
られる。特にアセトニトリルが好ましい。
【0028】好ましい他の重合溶媒としては、一般式
(3)に示す芳香族系溶媒が挙げられる。これら芳香族
溶媒としては、ベンゼン、キシレン、エチルベンゼン、
プロピルベンゼン、ブチルベンゼン等が挙げられ、特に
キシレン、エチルベンゼンが好ましい。
【0029】
【化4】 (R〜Rは、それぞれ独立して水素、炭素数1〜6
のアルキル基、ヒドロキシル基、ハロゲンを示す)本発
明で用いるマレイミド類としては、一般式(1)で示さ
れるN−アルキル置換マレイミド類が好ましい。
【0030】
【化5】 (Rは、炭素数1〜6の(シクロ)アルキル基を示
す)これらの例としては、N−メチルマレイミド、N−
エチルマレイミド、N−n−プロピルマレイミド、N−
i−プロピルマレイミド、N−n−ブチルマレイミド、
N−i−ブチルマレイミド、N−s−ブチルマレイミ
ド、N−t−ブチルマレイミド、N−n−ヘキシルマレ
イミド、N−シクロプロピルマレイミド、N−シクロブ
チルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等が挙
げられ、これらは1種または2種以上組み合わせて用い
ることができる。これらのうち、生成ポリマーの耐熱性
および機械特性等の点からN−メチルマレイミドを用い
ることが好ましい。
【0031】また、本発明で用いるオレフィン類として
は、一般式(2)で示される化合物が好ましい。
【0032】
【化6】 (R,Rは、それぞれ水素または炭素数1〜6のア
ルキル基を示す)好ましい例としては、エチレン、イソ
ブテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペ
ンテン、2−メチル−1−ヘキセン、1−メチル−1−
ヘプテン、1−イソオクテン、2−メチル−1−オクテ
ン、2−エチル−1−ペンテン、2−メチル−2−ブテ
ン、2−メチル−2−ペンテン、2−メチル−2−ヘキ
セン等が挙げられ、これらは1種または2種以上組み合
わせて用いることができる。反応性および生成ポリマー
の機械特性などの点から、特にイソブテンが好ましい。
【0033】本発明に用いるマレイミド類とオレフィン
類の使用割合は特に制限はないが、反応性などの点から
マレイミド類1モルに対して、オレフィン類が0.1〜
50モル、好ましくは1.0〜20モル、特に好ましく
は2.0〜15モルの範囲で用いられる。
【0034】本発明の製造方法で用いるラジカル重合開
始剤としては、公知のラジカル重合触媒が使用できる
が、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイ
ド、オクタノイルパーオキサイド、アセチルパーオキサ
イド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミ
ルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチ
ルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾ
エート、パーブチルネオデカネート等の有機過酸化物、
または、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロ
ニトリル)、2,2’−アゾビス(2−ブチロニトリ
ル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチ
ル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−ア
ゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等のア
ゾ系開始剤が挙げられる。これらの触媒は1種または2
種以上組み合わせて用いても良い。
【0035】触媒の使用量は全モノマーに対して0.0
001〜1.0モル%、好ましくは0.001〜0.1
モル%であり、触媒の添加時期は重合の初期に全てを加
えても良く、また、重合中に分割して加えても良い。
【0036】重合温度は開始剤の分解温度に応じて適宜
設定することができるが、一般的には40〜150℃の
範囲で行うことが好ましい。重合温度は反応を通して一
定でも良いし、連続的に、あるいは段階的に昇温、降温
させてもよい。
【0037】重合時間は特に制限はないが、0.1〜5
0時間、好ましくは1〜20時間である。
【0038】本発明の製造方法は、バッチ式あるいは連
続式で行うことができる。反応器の材質は特に制限はな
く、ポリマー中の残存金属の影響、スケールなどの点か
ら選択することができる。また、反応器をグラスライニ
ングなどでスケール防止処理することもできる。
【0039】撹拌についても特に制限はなく、通常の錨
型、スパイラル、ブルーマージン型などの撹拌翼を利用
できる。撹拌数は通常50〜2000rpmで行われ
る。
【0040】また、必要ならば、アルキルメルカプタン
のような連鎖移動剤を添加してもよい。また、ヒンダー
ドフェノール系、リン系の酸化防止剤を重合初期、重合
中あるいは重合後に添加することもできる。
【0041】また、重合粒子の安定化のため、生成ポリ
マーの特性を損なわない範囲で分散安定剤を添加するこ
とも可能である。
【0042】また必要ならば、他のビニル系モノマーを
共重合させることができる。他のビニル系モノマーとし
ては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエ
ン、1,3−ブタジエン、イソプレン、2−ブテンおよ
びこれらのハロゲン置換誘導体、メタクリル酸メチル,
メタクリル酸エチル,メタクリル酸シクロヘキシル,メ
タクリル酸フェニル,メタクリル酸ベンジル等のメタク
リル酸エステル類、アクリル酸メチル,アクリル酸エチ
ル,アクリル酸ブチル,アクリル酸シクロヘキシル,ア
クリル酸フェニル,アクリル酸ベンジル等のアクリル酸
エステル類、酢酸ビニル,安息香酸ビニル等のビニルエ
ステル類、メチルビニルエーテル,エチルビニルエーテ
ル,プロピルビニルエーテル,ブチルビニルエーテル等
のビニルエーテル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ア
クリロニトリルより選ばれる1種類以上の化合物が挙げ
られる。
【0043】これらのビニルモノマーは本発明の目的を
損なわない範囲で添加することができるが、通常メチル
マレイミド類に対して15モル%以下、好ましくは5モ
ル%以下、特に3モル%以下が好ましい。これ以上の添
加は生成ポリマーの透明性、色調、熱安定性および機械
強度を低下させる傾向にあり、さらにはスケールの増
加、ブロッキングなどを起こす傾向にあり好ましくな
い。
【0044】さらに、このようにして得られたポリマー
粒子を、マレイミド類およびオレフィン類を溶解し、か
つ生成ポリマー粒子を溶解しない溶媒で洗浄することに
より、さらに生成ポリマーの透明性を向上することがで
きる。
【0045】洗浄溶媒としては、トルエン,キシレン等
の芳香族溶媒、メタノール,エタノールなどのアルコー
ル類、メチルエチルケトン,シクロヘキサノン等のケト
ン類、ジエチルエーテルなどのエーテル類、酢酸メチ
ル,酢酸エチル,酢酸プロピル,酢酸ブチル等の酢酸エ
ステル類等が挙げられる。
【0046】本発明の製造方法により得られるマレイミ
ド−オレフィン系共重合体は、マレイミド繰り返し単位
[一般式(4)]およびオレフィン繰り返し単位[一般
式(5)]よりなり、マレイミド単位が全体の30〜9
8モル%、好ましくは40〜75モル%、特に好ましく
は50〜70モル%の範囲にあり、ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換
算で求めた重量平均分子量(Mw)が1×10〜1×
10、好ましくは1×10〜1×10のものであ
る。
【0047】
【化7】 (Rは、炭素数1〜6の(シクロ)アルキル基を示
す)
【0048】
【化8】 (R,Rは、それぞれ水素または炭素数1〜6のア
ルキル基を示す)このようにして得られたマレイミド−
オレフィン系共重合体は、黄色度が極めて低く、透明性
に優れ、各種光学材料、照明部品、シート、フィルムな
どに用いることができる。
【0049】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明は実施例に限定されるものではない。
【0050】生成ポリマーの分子量は、GPC(東ソー
(株)製HLC−802A)を用い、ポリスチレン換算
により求めた。
【0051】光透過率の測定は、ラボプラストミル(東
洋精機株式会社製)によりペレット化した後、小型精密
射出成型機ミニマット(住友重機械工業株式会社製)に
より試験片を作成し、ASTM1746に準拠して測定
した。ポリマーの黄色度は、JIS K710に準拠
し、50×25×0.8mmのプレス片を用いてカラー
コンピューター(スガ試験機株式会社製)を用いて評価
した(反射法;反射板の三刺激値X;79.44、Y;
82.22、Z;94.51)。
【0052】実施例1 錨型撹拌機、窒素導入管、温度計および脱気管の付いた
3lオートクレーブにN−メチルマレイミド117.7
gおよび2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AI
BN)をトルエン/メタノール混合溶媒(5/5重量
比)に溶解させ、1.5lとして仕込み、窒素で数回パ
ージした後、イソブテン854mlを仕込み、撹拌数5
00rpm、60℃で10時間反応を行った。
【0053】析出した粒子を濾過後、減圧下60℃で2
4時間乾燥した。収量は175gであった。生成ポリマ
ー粒子の平均粒径は250μm、かさ密度0.35g/
cmであり、スケール分は1%以下であった。
【0054】得られたポリマー中の残存モノマー量は
0.1重量%以下であった。また、得られたポリマーの
元素分析結果(C;64.7重量%、H;7.8重量
%、N;8.4重量%)より、生成ポリマー中のマレイ
ミド単位は50モル%であった。得られたポリマーは分
子量(Mw)250000、ガラス転移温度(Tg)=
152℃、分解温度(Td)=397℃であった。得ら
れたポリマーの光学特性を表1に示す。
【0055】実施例2 ブルーマージン型撹拌機、窒素導入管、温度計および脱
気管の付いた3lオートクレーブにN−メチルマレイミ
ド117.7gおよびパーブチルネオデカネート0.8
gをトルエン/メタノール混合溶媒(7/3重量比)に
溶解させ、1.5lとして仕込み、窒素で数回パージし
た後、イソブテン854mlを仕込み、撹拌数500r
pm、60℃で5時間反応を行った。
【0056】析出した粒子を濾過後、減圧下60℃で2
4時間乾燥した。収量は174gであった。生成ポリマ
ー粒子の平均粒径は200μm、かさ密度は0.37g
/cmであり、スケール分は0.1%以下であった。
【0057】得られたポリマー中の残存モノマー量は
0.1重量%以下であった。また、得られたポリマーの
元素分析結果より、生成ポリマー中のマレイミド単位は
50モル%であった。得られたポリマーは分子量(M
w)180000、Tg=153℃、Td=397℃で
あった。得られたポリマーの光学特性を表1に示す。
【0058】実施例3 実施例1で得られたポリマー粒子の一部を上記反応器に
移し、トルエン2lを用い60℃で1時間撹拌した。ポ
リマーを濾過後、減圧下60℃で24時間乾燥した。得
られたポリマーの光学特性を表1に示す。
【0059】実施例4 錨型撹拌機、窒素導入管、温度計および脱気管の付いた
3lオートクレーブにN−メチルマレイミド117.7
gおよびラウリルパーオキサイド0.94gを酢酸ブチ
ル/メチルエチルケトン混合溶媒(7/3重量比)に溶
解させ、1.5lとして仕込み、窒素で数回パージした
後、イソブテン854mlを仕込み、撹拌数600rp
m、70℃で8時間反応を行った。
【0060】析出した粒子を濾過後、減圧下60℃で2
4時間乾燥した。収量は174gであった。生成ポリマ
ー粒子の平均粒径は470μmであり、スケール分は
3.5%であった。
【0061】得られたポリマー中の残存モノマー量は
0.1重量%以下であった。また、得られたポリマーの
元素分析結果(C;64.7重量%、H;7.8重量
%、N;8.4重量%)より、生成ポリマー中のN−ア
ルキルマレイミド単位は50モル%であった。得られた
ポリマーは分子量(Mw)220000、Tg=155
℃、Td=397℃であった。得られたポリマーの光学
特性を表1に示す。
【0062】実施例5 ブルーマージン型撹拌機、窒素導入管、温度計および脱
気管の付いた3lオートクレーブにN−メチルマレイミ
ド117.7gおよびパーブチルネオデカネート0.8
gを酢酸エチル/ブタノール混合溶媒(6/4重量比)
に溶解させ、1.5lとして仕込み、窒素で数回パージ
した後、イソブテン767mlを仕込み、撹拌数800
rpm、60℃で5時間反応を行った。
【0063】析出した粒子を濾過後、上記反応器に移
し、メタノール1.5lを用い60℃で30分撹拌し
た。ポリマーを濾過後、減圧下60℃で24時間乾燥し
た。収量は174gであった。生成ポリマー粒子の平均
粒径は830μmであり、スケール分は8.4%であっ
た。
【0064】得られたポリマー中の残存モノマー量は
0.1重量%以下であった。また、得られたポリマーの
元素分析結果より、生成ポリマー中のN−アルキルマレ
イミド単位は50モル%であった。得られたポリマーは
分子量(Mw)180000、Tg=154℃、Td=
397℃であった。得られたポリマーの光学特性を表1
に示す。
【0065】実施例6 錨型撹拌機、イソブテン導入管、窒素導入管、温度計お
よび脱気管の付いた1lオートクレーブにN−メチルマ
レイミド32.8gおよびパーブチルネオデカネート
0.26gをキシレンに溶解させ、0.5lとして仕込
み、窒素で数回パージした後、液化イソブテン240m
lを仕込み、撹拌数600rpm、60℃で8時間反応
を行った。
【0066】析出した粒子を濾過後、減圧下60℃で2
4時間乾燥した。収量は45gであった。生成ポリマー
粒子の平均粒径は130μmであり、スケール分は6.
5%であった。
【0067】得られたポリマー中の残存モノマー量は
0.1重量%以下であった。また、得られたポリマーの
元素分析結果より、生成ポリマー中のN−メチルマレイ
ミド単位は50モル%であった。得られたポリマーは分
子量(Mw)120000、Tg=155℃、Td=3
97℃であった。得られたポリマーの光学特性を表1に
示す。
【0068】実施例7 ブルーマージン型撹拌機、窒素導入管、イソブテン導入
管、温度計および脱気管の付いた1lオートクレーブに
N−メチルマレイミド32.8gおよびパーブチルネオ
デカネート0.8gをエチルベンゼンに溶解させ、0.
5lとして仕込み、窒素で数回パージした後、液化イソ
ブテン240mlを仕込み、撹拌数500rpm、60
℃で5時間反応を行った。
【0069】析出した粒子を濾過後、上記反応器に移
し、メタノール0.5lを用い60℃で30分撹拌し
た。ポリマーを濾過後、減圧下60℃で24時間乾燥し
た。収量は44gであった。生成ポリマー粒子の平均粒
径は630μmであり、スケール分は8.0%であっ
た。
【0070】得られたポリマー中の残存モノマー量は
0.1重量%以下であった。また、得られたポリマーの
元素分析結果より、生成ポリマー中のN−メチルマレイ
ミド単位は50モル%であった。得られたポリマーは分
子量(Mw)90000、Tg=154℃、Td=39
7℃であった。得られたポリマーの光学特性を表1に示
す。
【0071】実施例8 錨型撹拌機、イソブテン導入管、窒素導入管、温度計お
よび脱気管の付いた1lオートクレーブにN−メチルマ
レイミド38.72gおよびパーブチルネオデカネート
0.27gをアセトニトリルに溶解させ、0.5lとし
て仕込み、窒素で数回パージした後、液化イソブテン3
75mlを仕込み、撹拌数600rpm、60℃で5時
間反応を行った。
【0072】析出した粒子を濾過後、減圧下60℃で2
4時間乾燥した。収量は57gであった。生成ポリマー
粒子の平均粒径は240μmであり、スケール分は9.
5%であった。
【0073】得られたポリマー中の残存モノマー量は
0.1重量%以下であった。また、得られたポリマーの
元素分析結果より、生成ポリマー中のN−メチルマレイ
ミド単位は50モル%であった。得られたポリマーは分
子量(Mw)220000、Tg=155℃、Td=3
97℃であった。得られたポリマーの光学特性を表1に
示す。
【0074】実施例9 実施例8で得られたポリマー粒子の一部を上記反応器に
移し、メタノール0.5lを用い60℃で30分撹拌し
た。ポリマーを濾過後、減圧下60℃で24時間乾燥し
た。得られたポリマーの光学特性を表1に示す。
【0075】比較例1 錨型撹拌機、窒素導入管、温度計および脱気管の付いた
3lオートクレーブにN−メチルマレイミド117.7
gおよびラウリルパーオキサイド0.94gをジオキサ
ンに溶解させ、1.5lとして仕込み、窒素で数回パー
ジした後、イソブテン854mlを仕込み、撹拌数50
0rpm、60℃で10時間反応を行った。
【0076】反応終了後の重合系は均一であった。得ら
れたポリマー溶液をエタノールに沈澱させ濾過した後、
減圧下60℃で24時間乾燥した。収量は170gであ
った。得られたポリマー中の残存モノマー量は0.5重
量%であった。得られたポリマーの光学特性を表1に示
す。
【0077】比較例2 錨型撹拌機、窒素導入管、温度計および脱気管の付いた
3lオートクレーブにN−メチルマレイミド117.7
gおよびラウリルパーオキサイド0.94gをジオキサ
ンに溶解させ、1.5lとして仕込み、窒素で数回パー
ジした後、イソブテン854mlを仕込み、撹拌数50
0rpm、60℃で10時間反応を行った。
【0078】反応終了後の重合系は均一であった。得ら
れたポリマー溶液からエバポレータにより溶媒を除去し
たサンプルを減圧下60℃で24時間乾燥した。得られ
たポリマーの光学特性を表1に示す。
【0079】
【0080】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、黄色度が極
めて低く、透明性などの光学特性に優れたマレイミド−
オレフィン系共重合体を効率よく製造できるため、生成
したポリマーは、特に各種光学素子、照明部品など広範
囲な用途に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平3−361556 (32)優先日 平3(1991)12月4日 (33)優先権主張国 日本(JP)

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マレイミド類とオレフィン類とをラジカル
    共重合させてマレイミド−オレフィン系共重合体を製造
    するにあたり、マレイミド類およびオレフィン類は溶解
    するが生成ポリマーは溶解せず、かつ生成ポリマーが粒
    子状で析出してくる重合溶媒を用いて重合する、いわゆ
    る沈澱重合を行うことを特徴とするマレイミド−オレフ
    ィン系共重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】マレイミド類が一般式(1)で示される化
    合物であり、オレフィン類が一般式(2)で示される化
    合物であることを特徴とする請求項1に記載の製造方
    法。 【化1】 (Rは、炭素数1〜6の(シクロ)アルキル基を示
    す) 【化2】 (R,Rは、それぞれ水素または炭素数1〜6のア
    ルキル基を示す)
  3. 【請求項3】マレイミド類がメチルマレイミド、オレフ
    ィン類がイソブテンであることを特徴とする請求項2に
    記載の製造方法。
  4. 【請求項4】生成するポリマー粒子の平均粒径が50〜
    2000μmであり、かさ密度が0.1〜1.0g/c
    となる重合溶媒を用いることを特徴とする請求項1
    〜3に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】生成するポリマー粒子の平均粒径が100
    〜1000μmであり、かさ密度が0.2〜0.8g/
    cmとなる重合溶媒を用いることを特徴とする請求項
    1〜3に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】重合溶媒がアルコール類、ケトン類、エー
    テル類および酢酸エステル類から選ばれる1種類以上の
    溶媒と芳香族系溶媒からなる混合溶媒であることを特徴
    とする請求項1〜5に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】重合溶媒がアルコール類と芳香族溶媒から
    なる混合溶媒であることを特徴とする請求項6に記載の
    製造方法。
  8. 【請求項8】アルコール類がメタノールであり、芳香族
    溶媒がトルエンであることを特徴とする請求項7に記載
    の製造方法。
  9. 【請求項9】重合溶媒がアルコール類、ケトン類および
    エーテル類から選ばれる1種類以上の溶媒と酢酸エステ
    ル類からなる混合溶媒であることを特徴とする請求項1
    〜5に記載の製造方法。
  10. 【請求項10】重合溶媒がニトリル系溶媒であることを
    特徴とする請求項1〜5に記載の製造方法。
  11. 【請求項11】ニトリル系溶媒がアセトニトリルである
    ことを特徴とする請求項10に記載の製造方法。
  12. 【請求項12】重合溶媒が一般式(3)に示す芳香族系
    溶媒であることを特徴とする請求項1〜5に記載の製造
    方法。 【化3】 (R〜Rは、それぞれ独立して水素、炭素数1〜6
    のアルキル基、ヒドロキシル基、ハロゲンを示す)
  13. 【請求項13】請求項1〜12に記載の製造方法におい
    て、析出したポリマー粒子を分離後、マレイミド類およ
    びオレフィン類は溶解するがポリマーを溶解しない溶媒
    で洗浄することを特徴とするマレイミド−オレフィン系
    共重合体の製造方法。
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