JPH05208444A - 内側ｐａ層を有する同時押出しされた少くとも３層の二軸延伸管状フイルム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 液体又はペースト状態の品物、特に食品をラ
ッピングするための、ラッピングした状態でしわがな
く、バリアー作用と肉接着性を有する、同時押出二軸延
伸管状フィルムを提供する。 【構成】 外側層としてのオレフィン（コ）ポリマーの
少なくとも１つの水蒸気バリアー層と、コア層としての
ＥＶＯＨ、芳香族及び／又は脂肪族（コ）ポリアミドの
少なくとも１つの酸素バリアー層と、内側層としての脂
肪族（コ）ポリアミドの少なくとも１層、を備えた少な
くとも３層から成ることを特徴とする多層二軸延伸管状
フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、液体又はペースト状態
で包装された品物、特に煮沸又は調理するためのソーセ
ージ肉及び軟質チーズのような食品の耐久性且つしわの
ないラッピング用の同時押出され、二軸延伸された管状
フィルムに関する。

【０００２】同じ又は同様な方法により包装されたソー
セージ肉又は他の品物のような食品のラッピングは、そ
れらが使用するのに好適であるためには、多数の要件を
満足しなければならない。

【０００３】これらの要件は下記のとおりである。

【０００４】ａ） 回復力 先に加熱され、包装された材料の冷却及び貯蔵中の水の
蒸発は、両者とも、包装された品物の容積の減少を伴
う。魅力的な、売るに適した品物の外観を保存するため
には、フィルムは、容積の減少にもかかわらずパッケー
ジの内容物にしわなしに密着し続けなければならない。

【０００５】ｂ） 強度 包装されるべき品物は、０．６バール以下の充填圧力下
に管状フィルム中に高速で押し込まれる。圧力をかけた
後、フィルム材料は、所所で膨張するべきではなくそし
て幅（直径）の局部的増加は起こるべきではない。フィ
ルムの品質は、高い充填圧力が主として管状フィルムの
弾性変形を生じさせることを確実にしなければならな
い。

【０００６】ｃ） 温度抵抗 ラッピングは、調理プロセス中ですら過度の変形を伴う
ことなく内容物によってかかる圧力に耐えるように温度
及び／又は張力に耐えることができなければならない。

【０００７】ｄ） バリアー抵抗 煮沸又は調理されるべきソーセージの皮として使用する
ことを目的とする管状フィルムは、酸素及び水蒸気の透
過に対して良好なバリア特性を持たなければならない。

【０００８】酸素バリアーは、フィルムの内側と向き合
っているソーセージ肉の早すぎる灰色化（ｇｒｅｙｉｎ
ｇ）を防止する。

【０００９】水蒸気に対するバリアーは、充填物からの
水の蒸発による品物の重量損失を防止する。この水の蒸
発は、製品の販売価値を減少させるのみならず、容積の
損失による見苦しいしわを生じさせることもある。

【００１０】ｅ）フィルムと肉との接着 管状フィルムは、煮沸又は調理されるべきソーセージの
ための皮として使用されるべき場合には、いわゆる肉接
着性を有することが必要である。“肉接着性”とは、内
容物に対するラップの接着能力を意味する。ラップと内
容物との親和性は、ゼリー状の物質の付着を防止する。

【００１１】ｆ）ギャザーリング（ｇａｔｈｅｒｉｎ
ｇ）して折りたたみ体（ｆｏｌｄｓ）とすること 管状フィルムを自動充填機での工業的加工に付す前に、
それは、ギャザーリングされた管（ｇａｔｈｅｒｅｄ
ｔｕｂｅ）に形成される。このプロセスにおいて、管状
フィルムは、管の軸に沿って折りたたまれ、次いで３
０：１から６０：１の割合で圧縮される。フィルムは、
損傷を受ける前に極端に高い座屈応力に抵抗することが
できなければならない。

【００１２】ｇ）食品規制に従うこと 製品は、もちろん、食品製品規制及び推奨により無害で
あると分類される材料のみを含まなければならない。

【００１３】ｈ）エコロジー 製品は、それらの製造、加工及び使用並びに廃棄物とし
てのその後の廃棄において生態学的に無害な材料のみか
ら成るべきである。

【００１４】あらゆる点ですべてのこれらの広範な要求
を満足する熱可塑性樹脂の二軸延伸管状フィルムは知ら
れていない。塩素を含む包装材料の使用の漸次の減少
は、ＶＤＣ／ＶＣコポリマーから作られた合成ソーセー
ジ皮の製造業者及び加工業者にそれに代わる包装材料を
提供することを強制する。ＶＤＣ／ＶＣコポリマーの延
伸フィルムは１つのポリマーのみで“強度”、“酸素バ
リアー”、“水蒸気バリアー”及び“肉接着性”の要求
を満足することができたので、フィルムの製造業者は、
原料としてＶＤＣ／ＶＣコポリマーに対して比較的高い
価格を支払うことを覚悟していた。他方、同時押出技術
の更なる発展は、今では、ポリマー特性の組み合わせが
より低価格のポリマーを有する同時押出組成物で実現さ
れることを可能とする。

【００１５】管状フィルムの製造業者は、１つには廃物
率(wastage rate）をできるかぎり減少させそしてフィ
ルムの再生可能な品質を与えるために、また他方では、
低コストで高度に精製された製品を提供するために、ユ
ーザーの品質要求を満足する製品を製造する信頼性があ
り且つ安価な手段に興味を持っている。

【００１６】二軸延伸管状フィルムの製造の公知の方法
は、下記のプロセス段階から成る。熱可塑性ポリマーの
可塑化、溶融物の管状フィルムへの転換、できるかぎり
微結晶の形成を抑制するために、溶融した一次管の固体
状態への急速な冷却、二軸延伸のために好適な温度への
一次管の再加熱、 再加熱された一次管の内部と該管の周囲との間の圧力差
をかけること及び長縦方向引張をかけて縦方向延伸を助
けることによる、前記再加熱された一次管の二軸延伸、
二軸延伸された管状フィルムの熱固定、管状フィルムの
巻取り、フィルムのその後の用途に依存して種々の仕上
げ工程（例えば、切断、印刷、ギャザリング等）。

【００１７】二軸延伸は、ガラス転移温度から溶融温度
までの温度での熱可塑性押出物の横断方向及び縦方向の
延伸であると、当業者は理解している。二軸延伸は、例
えば、圧力下にガス又は液体のクッションを充填されそ
して異なる周速度で回転する２対のローラの間で、ガス
漏れ又は液漏れのないように取り囲まれた袋（ｂｌａｄ
ｄｅｒ）によって行われる。異なる周ローラー速度の割
合は縦方向延伸度に対応するのに対して、横方向延伸度
は、未延伸状態における管の直径に対する延伸された状
態の管の直径の比から計算される。延伸による表面積の
増加の程度は、縦方向延伸度に横方向延伸度をかけた積
である。

【００１８】延伸プロセス中、固体状態にある管状フィ
ルムの分子は、弾性率及び強度が相当増加するようにそ
れ自体整列する。

【００１９】包装皮が充填プロセス中及び無菌化の間は
っきりと弾性変形すると、管状フィルムの十分な強度が
得られる。皮はその円筒状態を保護しなければならずそ
して膨らんだり曲がったりしてはいけない。

【００２０】ポリアミド又はポリ塩化ビニリデンのよう
な部分的に結晶性熱可塑性ポリマーの管状フィルムの二
軸延伸は、溶融した一次管の急速な冷却を必要とする。
何故ならば、発達する結晶性超構造は、そうしなければ
その後の二軸延伸を妨害するからである。二軸延伸に対
するこの妨害は、実際には、延伸している袋が揺り動か
される、即ち袋のネックが管の軸線に沿って交互する方
向に移動し、その結果、管状最終製品の直径は均一では
なくなることにより、実際に認識される。

【００２１】二軸延伸フィルムを製造するための部分的
結晶性脂肪族ポリアミド（ＰＡ）の加工及びソーセージ
を調理及び煮沸するための皮としてのその後の該二軸延
伸フィルムの使用について、豊富な装置及び情報が特許
文献に与えられている。与えられた情報には、二軸延伸
フィルムの製造方法のための技術的解決方法及び実際の
用途に対する改良された性質を得るための配合物の開発
が含まれる。

【００２２】ＤＥ２８５０１８１号は、ＰＡへのオレフ
ィンポリマーの添加により改良された延伸が達成される
ことを示す。この特許により与えられた情報によると、
これは、延伸している袋の均一性の光学的に明白に検出
可能な増加及び必要な延伸力の相当な減少により認識さ
れる。

【００２３】ＰＡマトリックスを有するフィルムの水蒸
気バリアーは、脂肪族ポリアミドよりも水蒸気透過性の
少ないオレフィン系（コ）ポリマー又は他のポリマーの
添加により実質的に改良される。しかしながら、ＰＶＤ
Ｃコポリマーの皮と比較して、水蒸気バリアーは、不十
分であり、それ故改良を必要とすると見なさなければな
らない。ポリマーブレンドの加工においては、マトリッ
クス中のブレンドの成分の分布が延伸能力及びバリアー
特性に対して重要な影響を持っているので、製品の一定
の品質を得るのにしばしば困難が生じる。分布の品質は
プロセスの非常に多数のパラメーター（例えば、ブレン
ドの成分の粘度、加工温度、延伸比、スクリューの形状
等）に依存するという事実により、製品の再現可能な品
質を得るのが非常に困難である。

【００２４】ブレンドの方法を使用することによるＰＡ
フィルムの一層管の水蒸気バリアーで得られる改良は、
ＰＡマトリックス中への平坦な区域にわたるブレンド成
分の導入から生じる。導入される区域の寸法は、特に、
フィルムの二軸延伸の程度により影響される。

【００２５】かくしてある区域にわたり導入された成分
は、完全なフィルムの層を形成せず、それ故同時押出技
術を使用することにより可能であると同じ程度には水蒸
気の透過を減少させるこができない。それ故、使用した
所定の量の材料について、同時押出技術を使用すること
により、実質的に改良された水蒸気バリアーが得られ
る。これは、経済的及びエコロジカルな利点を提供す
る。

【００２６】同様な方法が文献ＥＰ０２１６０９４号及
びＤＥ３８０１３４４号に記載されている。

【００２７】ＥＰ０２１６０９４に従えば、スモークフ
レーバーを有する物質に対する高い透過性と組み合わさ
った改良された酸素バリアーは、ＰＡへのエチレンビニ
ルアルコールコポリマー（ＥＶＯＨ）の添加により得る
ことができる。製品の再現性のある品質を得ることにつ
いての上記の困難に加えて、ＥＶＯＨの不十分な温度安
定性により、高温で加工されるポリアミドと混合した際
にＥＶＯＨの望まない劣化が起こる。

【００２８】ＤＥ−ＯＳ３８０１３４４は、３成分系ブ
レンドの二軸延伸管状フィルムを記載している。フィル
ムの大きい重量割合が脂肪族ＰＡによるのに対して、あ
る割合のポリテレフタル酸エステル及び芳香族ＰＡも添
加される。出願人によれば、このブレンドの構造の目的
は、フィルム中の着色顔料の均一な分布を得ることであ
り、これは、芳香族ＰＡを含む着色したマスターバッチ
を調製しその後これを他の成分と混合することにより達
成することができる。

【００２９】この構造のフィルムは、前記した脂肪族ポ
リアミドをベースとするすべての他の単一層のフィルム
と同様に、信頼性のある再現性及び水蒸気及び酸素の透
過に対する高いバリアー作用についての加工業者の要求
を満足しない。

【００３０】ユーザーにより要求される管状フィルムの
品質が経済的且つエコロジー的に好ましい条件下に得ら
れるべき場合には、これは、同時押出延伸管状フィルム
によってのみ達成することができる。

【００３１】特願平１−１４０３２は、煮沸及び調理ソ
ーセージのための皮として３層の二軸延伸同時押出管状
フィルムであって、内容物から離れて向き合っている外
側層は脂肪族ＰＡから成りそして内側層はエチレン／ア
クリル酸コポリマーから成る。外側層と内側層との間の
ＰＰ又はＰＥコポリマーの中間層は、結合媒体として作
用する。エチレン／アクリル酸コポリマーの内側層は、
肉接着性の機能を引き受ける。その後の出願ＧＢ２２０
５２７３によれば、ＬＬＤＰＥの内側層の肉接着性は、
管状フィルムの内側に作用する高価なコロナ予備処理に
より改良される。 本発明の目的は、改良されたバリア
ー作用と改良された使用のための性質を有するエコロジ
ー的に許容しうる二軸延伸管状フィルムをユーザーに提
供することである。

【００３２】本発明は、液体又はペースト状態で包装さ
れるべき品物、特に食品をラッピングするための同時押
出二軸延伸管状フィルムであって、該フィルムはその充
填された状態でしわよりなしに且つ水蒸気及び酸素に対
するそのバリアー作用により相当な貯蔵期間にわたり酸
素による目に見える影響を受けないでその内容物をラッ
ピングし、内容物に面している該フィルムの内側層は肉
接着性を有しているフィルムにおいて、該フィルムは、
外側層としてのオレフィン（コ）ポリマーの少なくとも
１つの層と、ＥＶＯＨ、（部分的に）芳香族（コ）ポリ
アミド及び／又は脂肪族（コ）ポリアミドの少なくとも
１つの酸素遮断層であるコア層と、脂肪族（コ）ポリア
ミドの少なくとも１層の内側層、を備えた少なくとも３
層から成ることを特徴とする同時押出二軸延伸管状フィ
ルムに関する。

【００３３】酸素及び水蒸気に対する高いバリアー作用
は、個々のポリマー層のバリアー特性、個々の層の界
面、及び二軸延伸及び熱固定を含む製造技術による分子
超構造の組み合わせから得られ、そしてそれはＰＶＣ又
はＰＶＤＣの塩素含有バリアー層の追加の導入を必要と
しない。

【００３４】好ましい態様では、主要な割合のカプロラ
クタムを含むポリアミド−６又はコポリアミドが、内側
層（１）として使用される。これらのポリアミドは、単
独で又はお互い同士のポリマー混合物として又は主要な
割合のＰＡを有する、他のポリマーとのポリマー混合物
として、例えば、（部分的）芳香族ポリアミド、ＰＥ
（コポリマー）、ＰＰ（コポリマー）、ポリエステル等
とのポリマー混合物として加工することができる。

【００３５】特に好ましい態様では、内側ＰＡ層の厚さ
は１５−３０μｍである。

【００３６】充填物に面している内側層としての脂肪族
ＰＡの層の配列は、多数の利点を有する。

【００３７】１．ポリアミドは良好な肉接着性を確実に
する。

【００３８】２．ＰＡの高い融点は、管の内側層が、無
菌化プロセス中の高い調理温度においてすら固体のまま
であることを確実にする。

【００３９】３．オレフィンポリマーの外側層と比較し
て、ＰＡの内側層のより低い最適延伸温度は、一次管
（ＰＳ）を非常に短時間に加熱することを可能とする。
ＰＳが短時間に高い温度に加熱されるならば、熱可塑性
ポリマーの低い熱伝導度によりＰＳの全体層厚さにわた
り温度フムフィルが確立される。最適化されたプロセス
パラメーター及びよく適合したポリマーの選択により、
個々の層は最適ポリマー特異的延伸温度で延伸され。こ
れは、加熱路の長さを延伸プロセスをより均一にするこ
ととは別に相当減少させることを可能とする。

【００４０】４．複合フィルムの柔軟性は、フィルムが
一時的に貯蔵されている間に水の蒸発を伴うことなく内
側ＰＡ層を水で湿らすこと(watering)により改良するこ
とができる（外側オレフィン系水蒸気バリアー）。

【００４１】ＰＡのガラス転移温度は、内側ＰＡ層の水
の吸収により０℃以下に減少させることができ、その結
果フィルムは全体としてより柔軟になる。

【００４２】フィルムの柔軟性は、仕上げプロセス（ク
リッピング及びギャザリングして折りたたみ体にするこ
とのような）にとって非常に重要である。何故ならば、
フィルムはこれらのプロセスにおいて極端な座屈応力を
受けるからである。座屈応力は、仕上げプロセス中にフ
ィルムの引き裂け又は管の内容物の上の永久的なしわの
発生を引き起こすことがある。

【００４３】好ましい態様では、水で湿らせることは、
２対のローラ間で水の泡(water bladder)を管状フィル
ムに導入することにより押出、延伸及び焼き戻しプロセ
スとインラインで行われる。第２対のローラ（フィルム
の出口端の）は、少量の水を連続的に保持することを確
実にする小さなギャップを有する。次いで、内側ＰＡの
飽和までの水の吸収が、ロール巻きされた最終製品が一
時的に保存されている間に行われる。水で湿らせること
は、印刷を施されるべき外側オレフィン層が水蒸気に対
するバリアーとして作用するので、管状フィルムへの印
刷のプロセスを損なわない。

【００４４】仕上げられた品物が防湿パッキングにおい
て包装されるならば、得意先（管の内容物の包装者）は
充填の用意の整った状体でフィルムを受け取るであろ
う。

【００４５】従来肉加工工業で充填プロセスの前に行わ
れている（柔軟性を改良する目的で）フィルムを水で湿
らせることは省くことができる。この加工工程はしばし
ば水で湿らせる時間の変動（水の不完全な吸収）、水温
の変動（収縮溶液、異なる水吸収の速度）、印刷インキ
による水の吸収の防止及び不純な水によるフィルムの汚
染による欠陥の元であるので、充填する容易の整った形
態で製造工業に製品を送り渡すことの可能性は非常に望
ましい。

【００４６】本発明に従う管状フィルムの中間層又はコ
アー層（２）は、ＥＶＯＨコポリマー、（部分的に）芳
香族ＰＡ及び／又は脂肪族ＰＡから成る。この層は、特
に、酸素バリアーとして作用する機能を有する。

【００４７】外側層は、オレフィン（コ）ポリマーによ
り形成されておりそして特に水蒸気バリアの機能を有す
る。オレフィン層の水蒸気バリアは、２−３週間の貯蔵
期間にわたり起こる充填物の重量損失の量をＰＶＤＣ皮
で密閉された充填物のレベルに相当するレベルに減少さ
せる。

【００４８】更に、外側層としてのオレフィン層の配置
は、更なる仕上げプロセスが行われる前に通常の一時的
貯蔵期間に水蒸発を伴うことなく押出プロセスとインラ
インで内側ＰＡ層を水で湿らせることを可能とする。

【００４９】エチレン及びプロピレンをベースとするオ
レフィン（コ）ポリマーが使用される。

【００５０】驚くべきことに、内側ＰＡ層の最適延伸温
度より高い外側オレフィン層の最適延伸温度において害
がないということが見いだされた。この層が高い延伸温
度を有する場合には、延伸されるべき一次管は、短時間
高温エアジェットで加熱することができる。これによ
り、外側層が内側層より高い温度にある状態で、ＰＳの
肉厚を横切る温度プロフィルが得られる。

【００５１】延伸により得られる表面積の最大程度の増
加（縦方向延伸度×横断方向延伸度）は、一般に、ポリ
アミドのフィルムにおけるよりもポリオレフィンポリマ
ーのフィルムの方が大きい。本発明に従う複合フィルム
が延伸されるとき、延伸による表面積の増加の程度はポ
リアミド層に依存しておりそして６−１２の値に達する
ことができる。

【００５２】多層管状フィルムの製造においては、ＰＡ
は得られる表面延伸の程度のみならず、袋の内圧及び加
熱温度及び加熱路の長さのような延伸パラメータの固定
も支配する。

【００５３】結合層は、層（１）−（２）及び（２）−
（３）の間に挿入される。結合層は、それらの結合作用
が二軸延伸のプロセス及び調理プロセスの後に保存され
るように、隣接層に対する化学的及び／又は物理的親和
性を有する。官能基を含むＰＥ及びＰＰコポリマーは、
特にこの目的に好適である。

【００５４】結合層は、追加の水蒸気バリアとしても機
能する。高い大気水分の条件下に酸素バリアの改良が両
側の水蒸気バリアによる閉じ込め（encapsulation)によ
り得られるのは、特にＥＶＯＨが酸素バリア層として使
用されるときのみである。

【００５５】酸素の透過は、消費者に見える煮沸又は調
理ソーセージの表面の肉の灰色化を引き起こす。進んだ
灰色化は、品物に対する醜い外観を与え、これはその品
物の販売可能性を少なくする。これは、製造日の異なる
品物が棚に並んで置かれるとき特に顕著である。

【００５６】

【実施例】下記する実施例は、５層管のための同時押出
系統で実現された。使用したポリマーの可塑化及び均質
化は、５つの別の押出機により行われた。

【００５７】複合フィルムが４ポリマー層（種々の機能
を有する）によってのみ形成される場合には、２つの同
じタイプのポリマーが並んで配置された。

【００５８】実施例１ ポリマー（Ａ）、（Ｂ１）、（Ｂ２）、（Ｃ１）、
（Ｄ）を５つの押出機により互いに別々に可塑化しそし
て均質化し、そして５層同時押出ダイによって管状形態
に転換した。

【００５９】管状フィルムは、外側から内側に下記の構
造を有する。

【００６０】１）Ａ／Ｂ１／Ｃ１／Ｂ２／Ｄ ポリマーＡはエチレン単位を含むポリプロピレンコポリ
マー［ソルベイ社のエルテックス（Ｅｌｔｅｘ）ＰＫＬ
４１５］であり、ポリマーＢ１は、結合剤（ＨＶ）の
機能を有しておりそして官能基を含むｐｐコポリマー
（ミツイのアドマー ＱＦ ５５１）であり、ポリマー
Ｃ１は、エチレン／ビニルアルコールコポリマー（クラ
レのエバールＥＰ Ｆ１０１ ＢＺ）であり、ポリマー
Ｂ２は、結合剤（ＨＶ）の機能を有しておりそして官能
基を含むＰＥコポリマー（ミツイのアドマー ＱＦ ５
５１）であり、ポリマーＤは、ポリアミド６（バイエル
のＢ４０Ｆ）である。

【００６１】ダイを去る管状同時押出物を、１０℃に調
節された水により外側と内側の両側から急冷する。管の
内側の冷却水はぴったり閉じるローラの対により絞り出
される。

【００６２】このローラの対は、ダイから溶融物を引き
出す作用もする。一次管（ＰＳ）の外側表面からの残留
水分の完全な除去は、機械的ストリッピング装置及びエ
アジェットによって行われる。

【００６３】かくして得られた未延伸ＰＳは、２５ｍｍ
の直径と外側から内側への下記の層の分布を有してい
る。

【００６４】Ａ＝２００μｍ、Ｂ１＝５０μｍ、Ｃ１＝
１００μｍ、Ｂ２＝５０μｍ、Ｄ＝２００μｍ。

【００６５】１４５℃のエアジェットによる約１秒の再
加熱の後、異なる周速度で回転する２対のローラ間に空
気袋（ａｉｒ ｂｌａｄｄｅｒ）を閉じ込めることによ
り、横方向に３．３倍及び縦方向に３．１倍で、ＰＳを
二軸延伸した。二軸延伸は、一次管がＰＡの内側表面に
おけるよりも外側表面のはるかに高い温度にある段階で
行われる。

【００６６】二軸延伸管状フィルムは、やはり２つのガ
ス漏れのないように密閉しているローラの対の間の、１
６０℃に保持された熱処理ゾーンを１５秒間通過し（不
完全な熱固定）、収縮は内側から作用する圧力下のガス
のクッションによりこのプロセスの間大部分阻止され
る。このようにして得られた二軸延伸され、熱処理され
た管状フィルムは５８μｍの全層厚さを有している。

【００６７】管状フィルムが平坦な状態で横たわってい
るときの幅の変動は、３０分の観察の期間にわたり１ｍ
ｍ以下であった。

【００６８】使用の際の性能についてのその後の試験を
行う前に、管状フィルムをその全体の表面に印刷し、次
いで、折りたたむための潤滑油の助けによりギャザリン
グして折りたたみ体とする。ギャザリングされた管（ｇ
ａｔｈｅｒｅｄ ｔｕｂｅｓ）を、内側ＰＡ層が中間貯
蔵期間に乾燥しないように水分漏れのないように包装す
る。

【００６９】使用の際の性能についての試験のために、
仕上げられた管状フィルムに予め水で湿らせることなく
肝臓ソーセージ肉を充填し、次いで７５℃で４５分間調
理し、冷水のシャワーの下に置き、最後に冷蔵庫内で完
全に冷却する。

【００７０】管状フィルムは、ソーセージ肉のまわりに
滑らかで且つ緊密なラップを形成しそして集めた折りた
たみ体の形態においてしわよりの兆候を示さない。

【００７１】２０日の貯蔵期間にわたる水の蒸発による
重量損失は０．１５重量％である。肝臓ソーセージ肉
は、フィルムに面している側で灰色化を起こさない。フ
ィルムは螺旋の形態にあるその充填物から容易に引きは
がすことができる。

【００７２】実施例２及び３ 実施例２及び３において、ＥＶＯＨのコア層（実施例
１）を（部分的に）芳香族ＰＡ（Ｃ２）又はＰＡ６．１
２（Ｃ３）により代替する。次いで下記の構造のもの
が、それぞれの実施例であられる。

【００７３】２）Ａ／Ｂ１／Ｃ２／Ｂ２／Ｄ ３）Ａ／Ｂ１／Ｃ３／Ｂ２／Ｄ 下記の層厚さの分布を有する一次管を実施例１の方法と
同じ方法により製造する。

【００７４】Ａ＝２００μｍ、Ｂ１＝５０μｍ、Ｃ２／
Ｃ３＝１００μｍ、Ｂ２＝５０μｍ、Ｄ＝２００μｍ。

【００７５】二軸延伸され、熱処理された管状フィルム
は、５８μｍの全層厚さを有している。

【００７６】平坦な状態で横たわっているときの管状フ
ィルムの幅のばらつきは、３０分間の観察期間にわたり
１．２ｍｍ以下である。

【００７７】水で湿らせること、印刷及びギャザリング
して折りたたみ体とするなどのその後の加工工程及び使
用の際の性能についての試験を実施例１に記載の如くし
て行う。

【００７８】使用の際の性能について調べた結果を表１
に要約する。

【００７９】実施例４及び５ 実施例４及び５からのフィルム構造体は、実施例２及び
３のそれらと殆ど同一であり、その差は、結合層（Ｂ
２）が他の層により代替されることなく省かれていると
いうことである。

【００８０】故にこれらの管状フィルムは、外側から内
側に向けて下記の構造を有している。

【００８１】４）Ａ／Ｂ１／Ｃ２／Ｄ ５）Ａ／Ｂ１／ＡＣ３／Ｄ 下記の層厚さの分布を有する一次管は、実施例１の場合
と同じプロセスにより製造された。

【００８２】Ａ＝２００μｍ、Ｂ１＝５０μｍ、Ｃ２／
Ｃ３＝１００μｍ、Ｄ＝２００μｍ。

【００８３】二軸延伸され、熱処理された管状フィルム
は、５４μｍの全層厚さを有する。平坦な状態で横たえ
られた管状フィルムの幅のバラツキは、３０分間の観察
の期間にわたり１．３ｍｍ以下である。

【００８４】水で湿らせること、印刷及びギャザリング
して折りたたみ体とするなどのその後の加工工程及び使
用の際の性能についての試験を、実施例１に記載の如く
して行う。

【００８５】使用の際の性能を調べた結果を表１に要約
する。

【００８６】比較実施例 実施例１−５に対応するフィルムの試料を、比較実施例
として試験した（Ｖ６−Ｖ１０）。その差は、熱処理の
後の水で湿らせる工程を省くことにある。充填の用意の
整った実施例１−５の仕上げられた管状フィルムと対照
的に、集められた管（Ｖ６−Ｖ１０）を、ソーセージ肉
を充填する前に２０℃で１５分間の間にわたり水で湿ら
せた。

【００８７】熱処理の後に水で湿らせた単一層の二軸延
伸ＰＡ６管の形態にある他の比較試料も試験した。Ｖ１
１は、ＰＡ６の管状フィルムであり、Ｖ１２はポリマー
ブレンド：ＰＡ６（８５重量％）及びエチレン／アクリ
ル酸コポリマー（１５重量％）、の管状フィルムであ
る。

【００８８】

【表１】

【００８９】

【本発明の特徴及び態様】本発明の主なる特徴及び態様
は以下のとおりである。

【００９０】１． 充填工程中及び／又は充填工程の後
熱処理を受ける、液体又はペースト状態で包装される品
物、特に食品をラッピングするための多層二軸延伸管状
フィルムにおいて、外側層としてのオレフィン（コ）ポ
リマーの少なくとも１つの水蒸気バリアー層と、コア層
としてのＥＶＯＨ、芳香族及び／又は脂肪族（コ）ポリ
アミドの少なくとも１つの酸素バリアー層と、内側層と
しての脂肪族（コ）ポリアミドの少なくとも１層、を備
えた少なくとも３層から成ることを特徴とする多層二軸
延伸管状フィルム ２．その内側ＰＡ層が、例えば、ＰＡ６、ＰＡ１１、Ｐ
Ａ１２、ＰＡ６６、ＰＡ６．６６、ＰＡ６．８、ＰＡ
６．９、ＰＡ６．１０、ＰＡ６．１１、ＰＡ６．１２の
ような脂肪族ポリアミド、これらの中に含まれるモノマ
ー単位のコポリマー又は該脂肪族ポリアミドの混合物か
ら成ることを特徴とする、上記１に記載の管状フィル
ム。

【００９１】３．内側ＰＡ層が、ポリマー混合物の総重
量を基準として、７０重量％乃至９５重量％の脂肪族ポ
リアミド及び／又はコポリアミド及び／又はその混合物
と、少なくとも５重量％乃至多くても３０重量％の量
の、（部分的に）芳香族ＰＡ及び／又はオレフィン
（コ）ポリマー（ＥＶＡ、ＥＶＯＨ、アイオノマー樹
脂、酸変性オレフィン（コ）ポリマー及び／又は（コ）
ポリエステル、のうち少なくとも１種を含むことを特徴
とする、上記１又は２に記載の管状フィルム。

【００９２】４．内側ＰＡ層が１０−３５μｍの層厚さ
を有することを特徴とする、上記１−３のいずれかに記
載の管状フィルム。

【００９３】５．内側ＰＡ層を、管状フィルムに対して
仕上げプロセスを行う前に、無菌水で処理することを特
徴とする、上記１−４のいずれかに記載の管状フィル
ム。

【００９４】６．充填物とは離れて向き合っている外側
層が、ＰＥ又はＰＰのようなオレフィン系ポリマー、そ
の混合物又はそれらの中に含まれるモノマー単位のコポ
リマーから成ることを特徴とする、上記１−５の少なく
とも１つに記載の管状フィルム。 ７．オレフィン系ポ
リマーを含む層が、１０−３０μｍの層厚さを有するこ
とを特徴とする、上記１−６の少なくとも１つに記載の
管状フィルム。

【００９５】８．エチレン／ビニルアルコールコポリマ
ー（ＥＶＯＨ）、芳香族及び／又は脂肪族（コ）ポリア
ミドの酸素バリアー層が、外側層と内側層との間に配置
されていることを特徴とする、上記１−７の少なくとも
１つに記載の管状フィルム。９．ＥＶＯＨコポリマーの
ビニルアルコール単位が４０モル％乃至８０モル％の割
合であることを特徴とする、上記８に記載の管状フィル
ム。

【００９６】１０．芳香族ＰＡが、メタ−キシレンジア
ミンとアジピン酸との重縮合により製造されることを特
徴とする、上記８に記載の管状フィルム。

【００９７】１１．脂肪族コポリアミドが、少なくとも
７５重量％のカプロラクタム単位を含むことを特徴とす
る、上記８に記載の管状フィルム。

【００９８】１２．結合層が材料組成の異なる層間に挿
入されていることを特徴とする、上記１−１１の少なく
とも１つに記載の管状フィルム。

【００９９】１３．すべての層厚さの和が、３５μｍ乃
至８０μｍであることを特徴とする、上記１−１２の少
なくとも１つに記載の管状フィルム。

【０１００】１４．すべての押出された個々の層の混合
物から成るスクラップ層を有することを特徴とする、上
記１−１３の少なくとも１つに記載の管状フィルム。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 // Ｂ２９Ｋ 9:00 23:00 55:00 77:00 Ｂ２９Ｌ 7:00 4Ｆ 9:00 4Ｆ 23:00 4Ｆ (72)発明者 グンター・ベバー ドイツ連邦共和国デー3032フアリングボス テル・アムレテルバツハ16

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 充填工程中及び／又は充填工程の後熱処
   理を受ける、液体又はペースト状態で包装される品物、
   特に食品をラッピングするための多層二軸延伸管状フィ
   ルムにおいて、 外側層としてのオレフィン（コ）ポリマーの少なくとも
   １つの水蒸気バリアー層と、 コア層としてのＥＶＯＨ、芳香族及び／又は脂肪族
   （コ）ポリアミドの少なくとも１つの酸素バリアー層
   と、 内側層としての脂肪族（コ）ポリアミドの少なくとも１
   層、を備えた少なくとも３層から成ることを特徴とする
   多層二軸延伸管状フィルム