JPH0520577Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、車体開口の開口縁に対し脱着可能
なウエザストリツプを有する自動車の窓等開口部
構造に関する。

（従来の技術） 通常、自動車の車体には窓等の開口部が形成さ
れており、この開口部の構造には、例えば実開昭
60−38822号公報で示されるものがある。

即ち、上記開口部の開口縁には断面ほぼＵ字状
のウエザストリツプが外嵌されている。このウエ
ザストリツプの開口端には、上記開口縁に対して
弾性的に接合する突条体が形成される。また、こ
の突条体を形成した側のウエザストリツプの内面
に向つて延びる爪部が上記開口縁の一部の切り起
しにより形成されている。更に、この爪部に対応
する上記突条体の対応面は、開口縁の側面に対し
てほぼ直角な平面であり、この平面が上記爪部の
先端に当接して開口縁からのウエザストリツプの
抜落を規制している。

（考案が解決しようとする問題点） ところで、例えば点検のために開口縁からウエ
ザストリツプを取り外そうとして、このウエザス
トリツプを開口縁の側面に沿つて車体開口の内方
側に向けて引き抜こうとする場合、爪部に対する
突条体の対応面はフランジの側面に対してほぼ直
角な平面であるため、即ち、突条体の対応面はウ
エザストリツプの引き抜き方向に直交するため、
爪部に対して突条体は容易には摺動しない。しか
も、爪部はフランジの一部を切り起こして形成し
てあるため、この爪部の先端は鋭いものである。
このため、この爪部の先端に突条体の対応面が強
く引つ掛かることになる。従つて、ウエザストリ
ツプを取り外そうとするときには、上記突条体の
基部に応力が集中してこの基部が割れたり切れた
りし、ウエザストリツプが損傷するという不都合
を生じるおそれがある。

（考案の目的） この考案は、上記のような事情に注目してなさ
れたもので、窓等開口部の開口縁からウエザスト
リツプを取り外す場合に、このウエザストリツプ
に損傷が生じないようにすることを目的とする。

（考案の構成） 上記目的を達成するためのこの考案の特徴とする
ところは、窓等開口部における車体開口の開口縁
にウエザストリツプのウエザストリツプ本体を外
嵌し、同情開口縁に爪部を形成し、この爪部に対
応するよう上記ウエザストリツプ本体に形成した
突条体の対応面を、上記開口縁の車内側の側面に
沿う方向で車体開口から離れるに従い同上開口縁
の車内側の側面に近づく傾斜面とし、かつ、上記
開口縁の車外側の側面に近づく傾斜面とし、か
つ、上記開口縁の車外側の側面に対して弾性的に
接合するリツプを上記ウエザストリツプ本体の車
外側内面に形成し、上記リツプを上記ウエザスト
リツプ本体よりも軟質にした点にある。

（実施例） 以下、この考案の実施例を図面により説明す
る。

図において、１は自動車用サイドドアで、この
ドア１はドア本体２と、このドア本体２の上方に
形成されるドア窓３とで構成される。

上記ドア本体２は所定間隔をあけて対面するよ
うに接合されたアウタパネル４と図示しないイン
ナパネルとを有し、これら両パネルの上端間には
スリツト７が形成されている。また、上記アウタ
パネル４の上端にはこの部分を補強する補強板８
が設けられる。

一方、上記ドア窓３はドア本体２の上端から上
方に突設されたドア窓枠１０を有し、これらドア
本体２の上端とドア窓枠１０とで囲まれた空間が
開口１１となつている。この開口１１は上記スリ
ツト７を通してドア本体２の上端から出退する窓
ガラス１２により開閉される。上記アウタパネル
４の上端と窓ガラス１２の間にはウエザストリツ
プ１４を介在させてある。

主に第１図により、上記アウタパネル４の上端
とウエザストリツプ１４とで構成される開口部構
造について説明する。

上記アウタパネル４の上端と補強板８の上端部
とが近接して対面しており、この部分で開口１１
の開口縁１５が形成されている。上記ウエザスト
リツプ１４は断面がほぼ倒立Ｕ字状で上記開口縁
１５に外嵌されるウエザストリツプ本体１８を有
している。このウエザストリツプ本体１８は金属
板製の芯材１９と、この芯材１９を覆う硬質ゴム
部２０とで構成される。

上記ウエザストリツプ本体１８の車内側外面に
はシールリツプ２１，２１が一体成形される。こ
れら各シールリツプ２１，２１はスポンジ状の軟
質ゴム製で、その先端が窓ガラス１２に対して弾
性的に接合している。

また、上記ウエザストリツプ本体１８の車外側
内面には、上下一対の板状リツプ２２，２２が同
上ウエザストリツプ本体１８に一体的に突設され
る。これら板状リツプ２２，２２はスポンジ状の
軟質ゴム製で、その先端は開口縁１５におけるア
ウタパネル４の車外側の側面に対して弾性的に接
合している。

また、上記ウエザストリツプ本体１８の車内側
内面には開口縁１５に沿つて延びる上、下部突条
体２３，２４が形成されている。これら両突条体
２３，２４は上記板状リツプ２２，２２と共に開
口縁１５を弾性的に挟持している。

一方、前記開口縁１５における補強板８には、
この一部を切り起こすことにより爪部２５が形成
されている。この爪部２５は上記両突条体２３，
２４間のウエザストリツプ本体１８の車内側の内
面に向つて斜め下方に延びている。一方、上記爪
部２５の突出端に対応する下部突条体２４の上面
側は傾斜面２６となつている。この傾斜面２６は
開口１１の開口縁１５の車内側の側面に沿う方向
で開口１１から離れるよう下方に進むに従い上記
開口縁１５の車内側の側面に近づくような形状を
なしている。

上記開口縁１５からウエザストリツプ１４を取
り外す場合には、このウエザストリツプ１４を上
方に向つて引き上げる（図中矢印Ａ図示）。する
と、これに伴う下部突条体２４の上方移動で、爪
部２５の突出端に傾斜面２６が当接する。この場
合、この傾斜面２６はウエザストリツプ１４を引
き上げる方向に対して傾斜しているため、爪部２
５の突出端に対し傾斜面２６は円滑に摺動するこ
とになる。このとき、上記爪部２５は傾斜面２６
を車内側に押動するが、このときの押動力は下部
突条体２４よりも軟い板状リツプ２２，２２が開
口縁１５の車外側面を摺動しながら弾性変形する
ことにより吸収される。更に、上記アウタウエザ
ストリツプ１４を上方に引き上げれば（図中矢印
Ｂ図示）、下部突条体２４が爪部２５の突出端を
乗り越え、これによつてウエザストリツプ１４は
開口縁１５から取り外される。

（考案の効果） この考案によれば、車体開口の開口縁に形成し
た爪部に対応するウエザストリツプの突条体の対
応面を、上記開口縁の車内側の側面に沿う方向で
車体開口から離れるに従い同上開口縁の車内側の
側面に近づく傾斜面としたため、上記開口縁から
ウエザストリツプを取り外そうとして、このウエ
ザストリツプを上記開口縁の側面に沿う方向で車
体開口の内方側に向けて引き抜こうとしたときに
は、上記傾斜面が上記ウエザストリツプの引き抜
き方向に対し傾斜して爪部に対し摺動することと
なり、つまり、この傾斜面は上記爪部に対し引つ
掛かることなく円滑に摺動することとなる。

よつて、上記ウエザストリツプの引き抜きによ
る外力で、上記突条体の基部に応力が集中すると
いうことが防止されて、このウエザストリツプに
損傷が生じることが防止される。

また、上記ウエザストリツプの引き抜きの際に
は、上記爪部を傾斜面が摺動することによつて、
上記爪部によりウエザストリツプが車内側に押動
させられるが、上記開口縁の車外側の側面に対し
て弾性的に接合するリツプを上記ウエザストリツ
プ本体の車外側内面に形成し、上記リツプを上記
ウエザストリツプ本体よりも軟質にしたため、上
記したようにウエザストリツプが車内側へ移動し
ようとするときには、上記リツプがウエザストリ
ツプ本体に比べて容易に弾性変形して、上位ウエ
ザストリツプの車内側への移動が許容され、上記
爪部に対する傾斜面の摺動が円滑に行われる。

よつて、この点でも、上記ウエザストリツプの
引き抜きによる外力で、上記突条体の基部に応力
が集中するということが防止されて、このウエザ
ストリツプに損傷が生じることは防止される。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施例を示し、第１図は第２図
の−線矢視拡大断面図、第２図は自動車用サ
イドドアを車外側からみた全体図である。 ３……ドア窓、１１……開口、１４……ウエザ
ストリツプ、１５……開口縁、１８……ウエザス
トリツプ本体、２２……リツプ、２４……下部突
条体（突条体）、２５……爪部、２６……傾斜面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体開口の開口縁に取り付けられるウエザスト
   リツプが、断面ほぼＵ字状で上記開口縁に外嵌さ
   れるウエザストリツプ本体を備え、上記開口縁の
   車内側の側面に対して弾性的に接合する突条体を
   上記ウエザストリツプ本体の車内側内面の開口端
   に形成し、同上ウエザストリツプ本体の車内側内
   面に向かつて延びる爪部を上記開口縁の一部を切
   り起こして形成した自動車の窓等開口部構造にお
   いて、上記爪部に対応する上記突条体の対応面
   を、上記開口縁の車内側の側面に沿う方向で車体
   開口から離れるに従い同上開口縁の車内側の側面
   に近づく傾斜面とし、かつ、上記開口縁の車外側
   の側面に対して弾性的に接合するリツプを上記ウ
   エザストリツプ本体の車外側内面に形成し、上記
   リツプを上記ウエザストリツプ本体よりも軟質に
   したことを特徴とする自動車の窓等開口部構造。