JPH05205355A - 磁気テープ駆動装置のテープテンションレギュレータ - Google Patents

磁気テープ駆動装置のテープテンションレギュレータ

Info

Publication number
JPH05205355A
JPH05205355A JP4034264A JP3426492A JPH05205355A JP H05205355 A JPH05205355 A JP H05205355A JP 4034264 A JP4034264 A JP 4034264A JP 3426492 A JP3426492 A JP 3426492A JP H05205355 A JPH05205355 A JP H05205355A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tape
tension
tension arm
arm
supply reel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4034264A
Other languages
English (en)
Inventor
Manabu Obata
学 小畑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP4034264A priority Critical patent/JPH05205355A/ja
Publication of JPH05205355A publication Critical patent/JPH05205355A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 載置状態に拘わらずテンションポールの押し
つけ力を一定に維持することができ、テンションポール
とブレーキとの調整も容易で、しかも廉価で組立作業性
に優れたテープテンションレギュレータを提供する。 【構成】 カセットテープ12の供給リール4と磁気ヘ
ッド3との間に位置するテープ2を押圧可能に回動する
テンションアーム5と、このテンションアームと別体に
設けられ、供給リールに制動力を加えるように回動する
バックテンションアーム6と、これらテンションアーム
とバックテンションアームとを、テンションアームがテ
ープを押圧したときにバックテンションアームが供給リ
ールに制動力を加えるように連結する剛体からなるリン
ク7とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばVTRやDAT
などの磁気テープ駆動装置により記録再生を行う際にテ
ープと磁気ヘッドとの接触状態を一定に維持するための
テープテンションレギュレータに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、VTRのカセットからテープを
引き出して回転ヘッドシリンダ(磁気ヘッド)に装着す
るテープローディング機構としては、テープを1本のピ
ンで引き出して順次回転ヘッドシリンダに巻き付けてゆ
くUローディング機構や、2本のピンで同時にテープを
引き出して回転ヘッドシリンダにあてがうようにして装
着するMローディング機構(パラレルローディング機構
ともいう)などが知られている。テープローディング機
構は、テープの互換性に関係するテープパターンとは無
関係であるので、何れのローディング機構をも用いるこ
とができるが、カセットの構造との関係上、Uローディ
ング機構がβ方式ホームビデオに採用され、一方、Mロ
ーディング機構がVHS方式ホームビデオに採用されて
いる。
【0003】このようなテープローィング機構によって
引き出されたテープと回転ヘッドシリンダとの接触状態
が不安定であると、記録再生時の画像品質や音質に悪影
響を及ぼしたり、回転ヘッドに取り付けられた2つのヘ
ッドの信号切り換え時の時間ズレ(スキュージャンプ)
が生じることになる。したがって、VTRやDAT(デ
ィジタル・オーディオ・テープレコーダ)などの磁気テ
ープ駆動装置には、テープの張力を調整するためのテー
プテンションレギュレータが設けられている。
【0004】従来のテープテンションレギュレータは、
テンションポールの移動によってテープのテンションポ
ールへの巻き付け角度を変化させ、テープとテンション
ポールの間に生じる摩擦力を利用してテープテンション
の増加量を調節すると同時に、カセットテープの供給リ
ールにブレーキを作用させることによりテープの引き出
しテンション(バックテンション)の調節を行うもので
あり、制御方式により分類すると図5のようになる。電
気的制御によりテープテンションを調節するものは、図
6(A)に示すように、テンションアーム20によるテ
ープテンションをMR素子などの位置センサ21により
検出して、このテンションが一定になるように供給リー
ル22のモータMに電気的なブレーキをかけるように構
成されている。このような電気制御方式のテープテンシ
ョンレギュレータは、後述する機械方式に比べて、応答
の周波数特性が高域まで伸ばせることができると共に、
ループゲインが自由に設定できるなどの特徴がある。
【0005】一方、機械的制御によりテープテンション
を調節するものには、テンションポール部分とブレーキ
部分を一体化したものと分離したものとがあり、分離し
た形式のものにも、両者を連結する手法の相違によりレ
バー式とワイヤ式とがある。また、供給リールへブレー
キを作用させるブレーキの構造によっても、バンド式ブ
レーキとブロック式ブレーキとに分類することができ
る。
【0006】テンションポール部分とブレーキ部分とを
一体化したテンションレギュレータは、図6(B)に示
すように、枢軸23aを中心に回転自在に取り付けられ
たテンションアーム23の一端には、ローディング機構
により引き出されたテープに押しつけられるテンション
ポール24が固定されており、枢軸23aに対して反対
端部にはバンド式ブレーキ25の一端が固定されてい
る。このバンド式ブレーキ25の他端は磁気テープ駆動
装置のケースに固定されており、テンションアーム23
を図中時計方向に回転させると、テンションポール24
がテープに接触することによりテープとテンションポー
ルとの間に摩擦力が生じ、これと同時に、テンションア
ームの回転にともなってバンド式ブレーキ25の一端が
引っ張られるので供給リール22にブレーキが作用し
て、その結果テープにはバックテンションが生じること
になる。このテープとテンションポールとの間の摩擦力
と、供給リールのブレーキによるバックテンションとの
釣り合いによって、テープテンションが適当な値に調節
されるようになっている。
【0007】また、テンションポール部分とブレーキ部
分とを分離したテンションレギュレータのうちレバー式
のものは、図6(C)に示すように、枢軸26aを中心
に回転自在に取り付けられたテンションアーム26の一
端にはローディング機構により引き出されたテープに押
しつけられるテンションポール27が固定されており、
枢軸26aに対して反対端部は、枢軸28aを中心に回
転自在に取り付けられたレバー28の一端と接触して当
該レバーを回動させるようになっている。また、このレ
バー28の他端は、枢軸29aを中心に回転自在に取り
付けられたバックテンションアーム29の先端と接触し
て当該バックテンションアームを回動させるようになっ
ている。このバックテンションアーム29の先端近傍に
はバンド式ブレーキ25の一端が固定されており、他端
は磁気テープ駆動装置のケースに固定されている。な
お、レバー28は図示しないバネなどによって図中反時
計方向に付勢されており、バックテンションアーム29
も図示しないバネなどによって反時計方向に付勢されて
いる。この方式のテンションレギュレータによれば、テ
ンションアーム26を図中反時計方向に回転させると、
テンションポール27がテープに接触することによりテ
ープとテンションポールとの間に摩擦力が生じ、これと
同時に、テンションアーム26の回転にともなってレバ
ー28を介してバックテンションアーム29が反時計方
向に回動する。これにより、バンド式ブレーキ25の一
端が引っ張られるので、供給リール22にブレーキが作
用することになり、その結果、テープにバックテンショ
ンが生じることになる。このテープとテンションポール
との間の摩擦力と、供給リールのブレーキによるバック
テンションとの釣り合いによって、テープテンションが
適当な値に調節されるようになっている。
【0008】さらに、テンションポール部分とブレーキ
部分とを分離したテンションレギュレータのうちワイヤ
式のものも基本的に上述したレバー式のテンションレギ
ュレータと同じ機能を司る。この方式のテンションレギ
ュレータは、図6(D)に示すように、テンションポー
ル31が固定されたテンションアーム30とバックテン
ションアーム32との連結がワイヤ33により構成され
ている点でレバー式のテンションレギュレータ(図6
(C)参照)と異なるが、枢軸30aを中心にしてテン
ションアーム30を図中反時計方向に回転させると、ワ
イヤ33を介してバックテンションアーム32が時計方
向に回動し、このバックテンションアーム32の先端に
取り付けられたブロック34が供給リール22に押し当
てられてブレーキが作用することになる。その結果、テ
ープにはバックテンションが生じ、この供給リールのブ
レーキによるバックテンションと、テープとテンション
ポールとの間の摩擦力との釣り合いによって、テープテ
ンションが適当な値に調節されるようになっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のテープテンションレギュレータには、それぞれ
以下のような問題があった。まず、図6(A)に示す電
気的制御によるテンションレギュレータは、既述したよ
うに、機械方式に比べて応答の周波数特性が高域まで伸
ばせることができると共に、ループゲインが自由に設定
できるなどの特徴があるものの、テンションポールの位
置検出センサ(MRセンサなど)や供給リールにブレー
キを作用させるリールモータ、およびこれらを制御する
制御装置を別途必要とするので、コストの点で問題があ
った。
【0010】機械的制御によるテンションレギュレータ
のうち、図6(B)に示す一体型レギュレータは、レイ
アウトの都合上、テンションアームの重心と回転中心と
が離れてしまうので、磁気テープ駆動装置が傾斜して設
置されるとテンションアームが重力の影響を受けてテン
ションポールの押しつけ力が一定に維持されないという
問題があった。また、分離型レギュレータにあっても図
6(C)に示すレバー式のものは、テンションアームと
レバー、レバーとバックテンションアームとの間にそれ
ぞれ隙間を有する構造であるため、部品点数が増加した
分だけ各部品の製造誤差が助長されて、テンションポー
ルとブレーキとの調節が困難であった。さらに、図6
(D)に示すワイヤ式のものにおいても、ワイヤとアー
ムとの締結方法に特殊な手法が必要であり、また、ワイ
ヤの剛性が比較的小さいので部品を組み立てる際の取扱
に注意を要したり、あるいはワイヤと他部品とが干渉し
ないようにレイアウトを考慮する必要があった。
【0011】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、載置状態に拘わらずテンシ
ョンポールの押しつけ力を一定に維持することができ、
テンションポールとブレーキとの調整も容易で、しかも
廉価で組立作業性に優れたテープテンションレギュレー
タを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の磁気テープ駆動装置のテープテンションレ
ギュレータは、磁気テープ駆動装置に配置されたカセッ
トテープからテープを引き出して磁気ヘッドに押し当て
る際に前記テープの張力を調節するテープテンションレ
ギュレータにおいて、前記カセットテープの供給リール
と前記磁気ヘッドとの間に位置するテープを押圧できる
ように回動自在に設けられたテンションアームと、この
テンションアームと別体に設けられ、前記供給リールに
制動力を加えるように回動自在に設けられたバックテン
ションアームと、これらテンションアームとバックテン
ションアームとを前記テンションアームがテープを押圧
する方向に回動する際に前記バックテンションアームが
前記供給リールに制動力を加えるように連結する剛体か
らなるリンクとを有することを特徴としている。前記バ
ックテンションアームには、このバックテンションアー
ムが前記供給リールに制動力を加える方向に付勢する弾
性部材を設けることが好ましい。
【0013】
【作用】カセットテープを磁気テープ駆動装置に装着し
て、このカセットテープ内からテープを引き出して磁気
ヘッドに押し当てると、テンションアームは供給リール
と磁気ヘッドとの間に位置するテープを押圧する方向に
回動しようとする。このとき、何らかの原因によってテ
ープの張力が減少してテープに弛みが生じると、テンシ
ョンアームがテープを押圧しながら回動し磁気ヘッドに
作用するテープの張力を復帰させるが、このテンション
アームの回動にともなって、リンクを介してバックテン
ションアームも供給リールにブレーキを加えるように回
動する。
【0014】このバックテンションにより、テンション
アームに押圧されているテープの張力が増加するので、
当該テンションアームはテープの押圧方向と反対側へ回
動する。これと同時に、再びリンクを介してバックテン
ションアームが供給リールへのブレーキを解除する方向
に回動する。その結果、今まで加わっていたバックテン
ションが減少することになり、磁気ヘッドに接触するテ
ープの張力は適当な値に収束することになる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1は本発明の一実施例に係るテープテンショ
ンレギュレータを磁気テープ駆動装置に取り付けた状態
を示す平面図、図2は同実施例のテープテンションレギ
ュレータの動作を示す正面図でありテープが弛んだ状態
を示す図、図3は同実施例のテープテンションレギュレ
ータの動作を示す正面図でありテープが張った状態を示
す図、図4(A)は同実施例のテープテンションレギュ
レータの各構成部品の設計条件を説明する全体平面図、
図4(B)は同じく拡大図である。
【0016】まず、図1を参照して、本実施例のテープ
テンションレギュレータを適用する磁気テープ駆動装置
の構成の概要を説明する。本実施例に係る磁気テープ駆
動装置1は、カセットテープ12の巻き取り側を駆動さ
せる巻き取りリール11と供給側が装着される供給リー
ル4とを有しており、カセットテープ12を装着した状
態を図中点線にて示す。この状態からカセットテープに
収納されたテープ2の引き出し、すなわちローディング
操作が行われるが、図示する実施例ではMローディング
機構を例に挙げて説明する。
【0017】カセットテープ12の装着状態において
は、磁気ヘッド3の周囲に設置された2つのローディン
グポスト9a,9bおよび左右両側に配置された回転ガ
イド10,14が、カセット内のテープの内側に位置し
ている。これら2つのローディングポスト9a,9bは
ガイドに沿って図1に示す位置まで前進するように構成
され、一方、左右の回転ガイド10,14は支点10
a,14aを中心にそれぞれ回動し得るようになってい
る。したがって、カセットテープ12を装着した状態か
ら、2つのローディングポスト9a,9bを前進させる
と共に、左右の回転ガイド10,14を支点10a,1
4aを中心にして回動させると、図1に示すように、テ
ープ2がカセット12内から引き出されることになる。
【0018】なお、本実施例ではローディング機構をM
ローディング機構を例に挙げて説明するが、本発明はM
ローディング機構のみならずUローディング機構にも適
用することができる。また、図1において、「15」は
高速再生(サーチ)モードを使用する際などにテープ2
を高速で送るためのキャプスタンシャフトであり、レバ
ー13の先端に設けられたピンチローラ13aとの間に
テープ2を把持した状態で作動するようになっている。
【0019】本実施例のテープテンションレギュレータ
は、供給リール4と磁気ヘッド3との間に設けられ、こ
の間のテープ2を押圧するテンションアーム5と、供給
リール4に制動力を加えるバックテンションアーム6
と、これらのアーム5,6を連結するリンク7とを有し
ている。テンションアーム5は、支点5aを中心にして
回動自在に磁気テープ駆動装置1のケースに取り付けら
れており、先端には、回転ガイド10とローディングポ
スト9aとの間のテープ2を押圧するテンションポール
16が固定されている。特に、本実施例のテンションア
ーム5は、小型化されて、かつテンションアームの重心
を支点5aの近傍に位置するように設定している。この
ようにテンションアームの重心を回転支点の近傍に設定
することにより磁気テープ駆動装置が傾斜した場合で
も、テンションアームは重力の影響を殆ど受けることが
なく、テンションポールの押しつけ力を一定に維持で
き、後述するバックテンションアーム6との連結関係に
よってのみテープの張力を調整することになる。
【0020】テンションアーム5の支点5aの近傍には
連結点7aを中心にしてリンク7が回動自在に連結され
ており、このリンク7の他端はバックテンションアーム
6との連結点7bにおいて回動自在に連結されている。
本実施例では、リンク7を剛体により形成することによ
り、従来のワイヤ方式でみられた組み立て作業性の改善
を行うようにしている。つまり、テンションアーム5と
バックテンションアーム6との位置関係の微調整を行う
必要はなく、取り扱いに特別な注意を要することもな
い。このリンク7の取り付け方法は、テンションアーム
5がテープ2を押圧する方向(図1においては時計方
向)に回転するときは、バックテンションアーム6を供
給リール4にブレーキブロック17が接触する方向(図
1においては時計方向)に回転させ、逆に、テンション
アーム5がテープ2から離れる方向(図1においては反
時計方向)に回転するときは、バックテンションアーム
6を供給リール4への制動力を解除する方向(図1にお
いては反時計方向)に回転させるように取り付ける。
【0021】本実施例に係るバックテンションアーム6
は、支点6aを中心にして回動自在に磁気テープ駆動装
置1のケースに取り付けられており、先端には、供給リ
ール4に接触して当該供給リールを押圧することにより
制動力を加えるブレーキブロック17が取り付けられて
いる。なお、本発明のブレーキは、ブロック式ブレーキ
以外にもバンド式ブレーキ等を用いることができる。ま
た、ケースとバックテンションアーム6との間には、当
該バックテンションアームを図中時計方向、すなわち、
ブレーキブロック17が供給リール4に制動力を加える
方向に付勢する引っ張りコイルバネ8(弾性部材)が設
けられている。この引っ張りコイルバネ8の弾性力によ
って、バックテンションアーム6が時計方向に回動しよ
うとするので、リンク7を介してテンションアーム5が
テープ2を押圧しようとする方向に回動するようになっ
ている。したがって、カセット12を装着してテープ2
をローディング操作によって引き出すと、引っ張りコイ
ルバネ8の弾性力によりテンションポール16がテープ
2に接触することになる。
【0022】なお、テンションアーム5、リンク7、バ
ックテンションアーム6の形状や取り付け位置は図1に
示す実施例にのみ限定されることなく、上述した構成用
件に適合したものであれば良い。また、本発明の弾性部
材8も上述した引っ張りコイルバネにのみ限定されるこ
となく他の公知手段を用いることも可能である。
【0023】次に作用を説明する。カセットテープ12
を磁気テープ駆動装置1に装着した状態(ローディング
操作前)においては、磁気ヘッド3の周囲に設置された
2つのローディングポスト9a,9bおよび左右両側に
配置された回転ガイド10,14は、カセット内のテー
プ2の内側に位置している。この状態から、2つのロー
ディングポスト9a,9bを前進させると共に、左右の
回転ガイド10,14を支点10a,14aを中心にし
て回動させると、図1に示すように、テープ2がカセッ
ト12内から引き出されることになる。このようにして
カセットテープ12内からテープ2が引き出されると、
テンションアーム5は引っ張りコイルバネ8の弾性力に
よって、供給リール4と磁気ヘッド3との間に位置する
テープ2を押圧する方向に回動しようとする。
【0024】ここで、供給リール4に作用する回転トル
クは一定であるので、図2に「A」「B」にて示すよう
に、カセット内のテープ2の巻回径が異なると、供給リ
ール4のバックテンションも相違することになる。例え
ば、テープの巻回径がBのように大きい場合には、バッ
クテンションが小さくなってテープ2が若干弛むことに
なる。これにより、図3に示すように、テンションアー
ム5がテープ2を押圧しながら時計方向に回動し、磁気
ヘッド3に作用するテープの張力を復帰させるが、この
テンションアーム5の回動にともなって、リンク7を介
してバックテンションアーム6も供給リール4にブレー
キを加えるように回動する。このバックテンションによ
り、テンションアーム5に押圧されているテープの張力
が増加するので、当該テンションアーム5はテープの押
圧方向と反対側へ回動する。これと同時に、再びリンク
7を介してバックテンションアーム6が供給リール4へ
のブレーキを解除する方向に回動する。その結果、今ま
で加わっていたバックテンションが減少することにな
り、磁気ヘッド3に接触するテープの張力は適当な値に
収束することになる。
【0025】これに対して、テープの巻回径がAのよう
に小さい場合には、バックテンションが大きくなってテ
ープが引っ張られるので、図2に示すように、この力に
よってテンションアーム5は反時計方向に回動すること
になる。したがって、リンク7を介してバックテンショ
ンアーム6も反時計方向に回転し、供給リール4に加え
る制動力を解除するようになる。その結果、バックテン
ションが減少するので、テープの張力も減少することに
なり、この場合にも、磁気ヘッド3に接触するテープの
張力は適当な値に収束することになる。
【0026】このように、本実施例では、テンションア
ームの回転中心とテープへの接触点との距離を短く設定
することができ、その結果テンションアームの重心を回
転中心の近傍に位置させることが可能となる。したがっ
て、磁気テープ駆動装置が傾斜した場合であってもテン
ションアームは重力の影響を殆ど受けることがなく、テ
ープの押圧力を一定に維持することができる。また、セ
ンサや制御装置などの複雑な部品を用いることなく構成
しているので廉価で、しかも、テンションアームとバッ
クテンションアームとを剛体であるリンクにより連結し
ているので、部品点数の増加による製造誤差の助長も解
消され、組み立て作業における特別な取り扱いも不要で
ある。
【0027】次に、テンションアーム5、リンク7、お
よびバックテンションアーム6の具体的設計方法につい
て図4(A)(B)を参照しながら説明する。図4
(B)において、リンク7における力の伝達は、 F=F′・cosψ・cosφ …(1) となる。一方、供給リール4のブレーキトルクTrは、
ブレーキブロック17と供給リール4の摩擦によって生
じるので、 Tr=μ0 ・N・r …(2) で表される。また、この供給リール4のブレーキトルク
Trは、テープ引き出し部のテンションT0 との関係に
より、 Tr=T0 ・R …(3) にて表される。したがって、(2)(3)式より、 μ0 ・N・r=T0 ・R N=T0 ・R/μ0 ・r…(4) が得られる。
【0028】一方、バックテンションアーム6の回転中
心回りのモーメントの釣り合いにより次式が導かれ、 F0 ・a0 =F′・a′+N・l …(5) また、テンションアーム5の回転中心回りのモーメント
の釣り合いにより、 F・a=L(Ti ・cosβ1 +Ti+1 ・cosβ2 )…(6) がそれぞれ得られる。ここで、(6)式を(1)式に代
入して、 F′・cosψ・cosφ・a =L(Ti ・cosβ1 +Ti+1 ・cosβ2 )…(7) さらに、この(7)式に(5)式を代入して、 cosψ・cosφ・a(F0 0 −Nl)/a′ =L(Ti ・cosβ1 +Ti+1 ・cosβ2 ) …(8) この(8)式を整理して、 この(9)式に(4)式を代入して、
【0029】磁気ヘッドの入口におけるテープテンショ
ンTS は、 であるから、(10)式および(11)式より、
【0030】ここで、 とおくと、(12)式は、
【0031】一方、テンションレギュレート量Kは、 K=TS(MAX)/TS(MIN)=TS(RMAX) /TS(RMIN) =TS(T/END)/TS(T/TOP) …(14) (13)式を(14)式に代入して、 このようにしてテンションレギュレート量Kが導かれる
ので、以下の各部品の設計条件を(15)式に代入して
Kを求め、この求められたK値が適当であれば計算を終
了する。 テンションアーム…L,a バックテンションアーム…l,a′ 供給リール…r 供給リールおよびブレーキブロック…μ0 リンク…ψ,φ テープ経路…β1 ,β2 ,exp(Σμi θi ),Ti
/T0 ,Ti+1 /T0 また、このときRCENTERにおけるF0 0 を求めて、こ
の値が機構的、構造的に問題がないことも確認しておく
ことが好ましい。
【0032】このように、本実施例のテンションレギュ
レータでは、テープテンションは、テンションアームと
テープ接触点との距離、テンションアームとリンク連結
点との距離、バックテンションアームとリンク連結点と
の距離、バックテンションアームと供給リールとの距離
に関係なく設定することができるので設計自由度に富ん
だテンションレギュレータを提供することができる。
【0033】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、カセ
ットテープの供給リールと磁気ヘッドとの間に位置する
テープを押圧できるように回動自在に設けられたテンシ
ョンアームと、供給リールに制動力を加えるように回動
自在に設けられたバックテンションアームとを剛体から
なるリンクで連結したので、テンションアームの回転中
心とテープへの接触点との距離を短く設定することがで
き、その結果テンションアームの重心を回転中心の近傍
に位置させることが可能となる。したがって、磁気テー
プ駆動装置が傾斜した場合であってもテンションアーム
は重力の影響を殆ど受けることがなく、テープの押圧力
を一定に維持することができる。
【0034】また、センサや制御装置などの複雑な部品
を用いることなく構成しているので廉価で、しかも、テ
ンションアームとバックテンションアームとを剛体であ
るリンクにより連結しているので、部品点数の増加によ
る製造誤差の助長も解消され、組み立て作業における特
別な取り扱いも不要である。さらに、テープテンション
は、テンションアームとテープ接触点との距離、テンシ
ョンアームとリンク連結点との距離、バックテンション
アームとリンク連結点との距離、バックテンションアー
ムと供給リールとの距離に関係なく設定することができ
るので設計自由度に富んだテンションレギュレータを提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るテープテンションレギ
ュレータを磁気テープ駆動装置に取り付けた状態を示す
平面図である。
【図2】同実施例のテープテンションレギュレータの動
作を示す正面図であり、テープが弛んだ状態を示す図で
ある。
【図3】同実施例のテープテンションレギュレータの動
作を示す正面図であり、テープが張った状態を示す図で
ある。
【図4】(A)は同実施例のテープテンションレギュレ
ータの各構成部品の設計条件を説明する全体平面図、
(B)は同じく拡大図である。
【図5】従来のテープテンションレギュレータを示す分
類系統図である。
【図6】(A)は従来の電気制御式テープテンションレ
ギュレータの概略構成を示す斜視図、(B)〜(D)は
従来の機械制御式テープテンションレギュレータを示
し、(B)は一体型テープテンションレギュレータを示
す斜視図、(C)は分割型レバー式テープテンションレ
ギュレータを示す斜視図、(D)は分割型ワイヤ式テー
プテンションレギュレータを示す斜視図である。
【符号の説明】
1…磁気テープ駆動装置 2…テープ 3…磁気ヘッド 4…供給リール 5…テンションアーム 6…バックテンションアーム 7…リンク 8…引っ張りコイルバネ(弾性部材)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気テープ駆動装置に配置されたカセット
    テープからテープを引き出して磁気ヘッドに押し当てる
    際に前記テープの張力を調節するテープテンションレギ
    ュレータにおいて、 前記カセットテープの供給リールと前記磁気ヘッドとの
    間に位置するテープを押圧できるように回動自在に設け
    られたテンションアームと、 このテンションアームと別体に設けられ、前記供給リー
    ルに制動力を加えるように回動自在に設けられたバック
    テンションアームと、 これらテンションアームとバックテンションアームと
    を、前記テンションアームがテープを押圧する方向に回
    動する際に前記バックテンションアームが前記供給リー
    ルに制動力を加えるように連結する剛体からなるリンク
    とを有することを特徴とする磁気テープ駆動装置のテー
    プテンションレギュレータ。
  2. 【請求項2】前記バックテンションアームが前記供給リ
    ールに制動力を加える方向に付勢する弾性部材を前記バ
    ックテンションアームに設けたことを特徴とする請求項
    1に記載の磁気テープ駆動装置のテープテンションレギ
    ュレータ。
JP4034264A 1992-01-24 1992-01-24 磁気テープ駆動装置のテープテンションレギュレータ Pending JPH05205355A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4034264A JPH05205355A (ja) 1992-01-24 1992-01-24 磁気テープ駆動装置のテープテンションレギュレータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4034264A JPH05205355A (ja) 1992-01-24 1992-01-24 磁気テープ駆動装置のテープテンションレギュレータ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05205355A true JPH05205355A (ja) 1993-08-13

Family

ID=12409317

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4034264A Pending JPH05205355A (ja) 1992-01-24 1992-01-24 磁気テープ駆動装置のテープテンションレギュレータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05205355A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0319075Y2 (ja)
JP3531293B2 (ja) 磁気記録再生装置
US5625509A (en) Recording and/or reproducing apparatus accommodating different-sized cassettes and including a tension detecting mechanism arranged in accordance with reel base positions
US5758835A (en) Magnetic tape apparatus for controlling a back tension of a magnetic tape running on a rotary drum
JPS637554A (ja) 磁気記録再生装置
JPH05205355A (ja) 磁気テープ駆動装置のテープテンションレギュレータ
US5605300A (en) Tape tension regulating system for a tape cassette recording and/or reproducing apparatus accomodating cassettes of different sizes
JPS6055542A (ja) 磁気記録再生装置
JPS6356618B2 (ja)
JPH0329800Y2 (ja)
JPH0614296Y2 (ja) 磁気記録再生装置
US5737143A (en) Apparatus for movably mounting a full erase head for use in a video cassette recorder
JP2778280B2 (ja) 磁気記録再生装置
JPH0521713Y2 (ja)
JPH0521711Y2 (ja)
JPH02260270A (ja) 磁気記録再生装置
JPH0419619Y2 (ja)
JP2954739B2 (ja) 磁気記録再生装置のカム操作機構
JP3518154B2 (ja) 記録再生装置のテンションレギュレータ機構
JPH0110776Y2 (ja)
JPH07110985A (ja) テープテンション制御装置
JPH11185327A (ja) テープガイド調整機構
JPS6216265A (ja) 回転ヘツド式記録再生装置
JPH0130234B2 (ja)
JPS63859B2 (ja)