JPS63859B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、磁気テープを内蔵したテープカセツ
トより、磁気テープを引出し、回転磁気ヘツドを
内蔵するヘツドシリンダに所定の角度巻き付けて
信号の記録再生を行う回転ヘツド型磁気録画再生
装置（VTR）に関するもので、記録テープの所
定の記録位置を早送りあるいは巻戻し時において
も正確に検知できるよう構成したものである。

従来の技術 従来より、VTRにおいて、記録テープの所定
の記録位置を検索する方式として、再生時のトラ
ツキングのために磁気テープに記録されているコ
ントロール信号を順次計数する方式が考えられて
いる。この検索時に、コントロール信号を再生す
る手段として通常の記録再生時に使用されるコン
トロールヘツドを使用することが新たな再生専用
のコントロール再生ヘツドを設ける必要もなく、
また、記録時と再生時のコントロールヘツドの位
置が正確に一致するため望ましい。

一方、VTRにおいては、記録再生時にヘツド
シリンダーに略180゜（２ヘツドの場合）磁気テー
プを巻付けて走行する必要があるため、そのテー
プ走行経路は必然的に複雑に屈曲したものとな
り、このヘツドシリンダへの磁気テープの巻付け
状態でテープの早送りあるいは巻戻しを行うこと
は、テープに大きな負荷が生じ、テープを損傷す
る問題があり、記録再生時に使用されるコントロ
ールヘツドをテープ位置の検索のために使用する
ことは容易ではない。

そこで、テープ損傷なくテープ位置をコントロ
ールヘツドを利用して検索する方策として、テー
プ引出しピンにて磁気テープを引出すことなくコ
ントロールヘツドを磁気テープに当接するように
可動させるコントロールヘツド可動方式と、１対
のテープ引出しピンのうちコントロールヘツド側
のテープ引出しピンのみをテープ引出し完了途中
まで移動させてコントロールヘツドに磁気テープ
を当接させるハーフローデイング方式とが考えら
れる。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら、従来装置では、前者のコントロ
ールヘツド可動方式の場合、(1)コントロールヘツ
ドの位置決め調整が複雑であり、コントロールヘ
ツドの２ケ所の停止位置での位置決め精度が満足
されない。(2)コントロールヘツドを小型化しなけ
ればならない。という問題点を有していた。つま
り、コントロールヘツドはテープのコントロール
トラツクとの当接関係の精度が非常に要求される
ものであり、コントロールヘツドを三次元的に位
置調整し、強固に固定させる必要があるため、コ
ントロールヘツドを２ケ所で別々に調整すること
は各位置での精度を満足しずらく、実現に際して
は非常に複雑となる。また、通常のコントロール
ヘツドはカセツトの開口部に入らないので、コン
トロールヘツドを小型化してカセツトの中に入る
ようにしなければならない。

一方、テープ引出しピンによるハーフローデイ
ング方式の場合、左右一対になつて可動されるテ
ープ引出しピンの片方だけを動作させようとする
と、それらのテープ引出しピンに駆動力を伝達す
る伝達手段に１対のテープ引出しピンを共に駆動
し、かつ片方のテープ引出しピンを駆動するよう
なクラツチ機構が必要となり、また、片方のテー
プ引出しピンを終端と途中の２ケ所で停止させる
必要があり、特に途中で停止させる時にテープ走
行が安定になるようにするための構造が非常に複
雑になるという問題を有していた。また、テープ
引出しピンは傾斜ポストと共にローデイングポス
トベースに形成され、この傾斜ポストによりロー
デイング最終位置ではじめてヘリカルスキヤン方
式のテープパスを形成するが、片方のテープ引出
しピンを半可動として途中位置で停止させると、
傾斜ポストは回転ヘツドシリンダに対する傾きが
最終位置での回転ヘツドシリンダに対する傾きと
異なり、テープにねじれが発生して安定したテー
プ走行系を形成しなくなるため、コントロールヘ
ツドがテープのコントロール信号トラツクに正確
に当接しなくなり、満足の行くコントロール信号
を再生できなくなるおそれがあつた。

このようにコントロールヘツド可動方式、テー
プ引出しピンによるハーフローデイング方式のい
ずれの場合にも、コントロールヘツドをテープ位
置検索に利用する上で記録再生のためのヘリカル
スキヤン方式のテープパスに対し少なからず影響
のあるものであつた。

本発明は、この問題を解決する一手段を提供す
るものである。

問題点を解決するための手段 本発明は、前記テープ引出しピンとは独立して
前記テープ引出しピンの所定の移動距離より少な
い距離位置まで移動される補助ローデイングポス
トを設け、テープの早送り、巻戻し時に、テープ
引出しピンを可動することなく補助ローデイング
ポストによりテープをカセツトより引出し、ヘツ
ドシリンダーに所定角度より小さく巻付けたテー
プ走行経路を形成し、そのテープを固定式のコン
トロール信号用ヘツドに当接させた構成を備えた
ものである。

作 用 上記の構成により、記録再生のためのヘリカル
スキヤン方式のテープパスに影響を与えることな
くコントロール信号用ヘツドを利用してテープの
早送り、巻戻し時の検索が可能となり、かつその
時に補助ローデイングポストによる短いテープ走
行経路及びヘツドシリンダーへの小さな巻付角の
実現によりテープの損傷を軽減させることができ
る。

実施例 以下本発明の一実施例を図面に示して説明す
る。

第１図はテープカセツトを装置に装着した状態
を示す平面図であり、１はカセツト本体であり、
この内部に収納されている供給リール２と巻取リ
ール３は、それぞれ供給リール台４と巻取リール
台５に係合されている。

磁気テープ６は、カセツト装着時点では、二点
鎖線で示すようにカセツト内のポスト７，８に導
かれて、カセツト内に位置している。

９，１０はそれぞれテープ引出しピンであり、
記録再生時には、図示のない駆動手段により、案
内溝１１，１２に沿つて点線で示す９ａ，１０ａ
の位置まで移動され、磁気テープ４をカセツト１
より引出し、一点鎖線で示すように、消去ヘツド
１３、回転ヘツドを内蔵するヘツドシリンダ１
４、コントロール信号用および音声信号用の複合
ヘツド１５に当接され、記録再生のテープ走行経
路を構成する。

なお、１６，１７はガイドポスト、１８はキヤ
プスタン、１９はピンチローラである。

２０，２１は、それぞれソレノイド２２により
レバー２３を介して駆動されるリール台４，５の
メインブレーキであり、２４は駆動源（図示せ
ず）により、時計方向に回転駆動されている巻戻
しローラであり、テープ巻戻し時には、供給リー
ル台４に当接され供給リール台４を反時計方向に
回動する。

２５は早送りアイドラーで、テープ早送り時に
は、矢印Ａ方向に移動され、前記巻戻しローラ２
４と巻取リール台５に接触し、巻戻しローラ２４
の駆動力を巻取リール台５に伝える。

２６はソレノイド２７で駆動されるローデイン
グブレーキであり、テープローデイング時（テー
プ引出し時）に巻取リール台５に制動力を与え、
供給リール側からのみ磁気テープが導出されるよ
う構成されている。

以上の構成は、従来のこの種VTRと類似であ
る。

２８は本発明の特徴とする補助ローデイングレ
バーであり、軸２９により回転可能に支持されて
いるとともに、第２図に明瞭に示すように、モー
タ３０の正逆方向の回転により、摺動レバー３
１、軸３２を中心回動する回動レバー３３、中間
連結体３４を介して矢印Ｂ―Ｃ方向に回転駆動さ
れるよう構成されている。

この補助ローデイングレバー２８の先端には補
助ローデイングポスト３５が植設されており、前
記モータ３０の回動に伴う補助ローデイングレバ
ー２８の回動により第１図の３５ａの位置まで移
動し、磁気テープ４を実線で示すようにコントロ
ール信号用ヘツド１５に接するまで引出すよう構
成されている。

次に、カセツト装着後、テープ位置を検索し、
続いて記録再生する場合についてこの動作を説明
する。

まず、カセツト装着後に、モータ３０を駆動
し、補助ローデイングポスト３５を３５ａの位置
まで矢印Ｃ方向に移動せしめ、磁気テープ４を第
１図に実線で示す位置まで引出し、コントロール
ヘツド１５に当接させる。

この時、移動された補助ローデイングポスト３
５ａは第３図に示すようにコントロール用ヘツド
１５の取付けベース３６に設けられた基準面３７
に当接して、その位置が規制され、コントロール
信号用ヘツド１５のテープ巻付け角度を規制して
いる。

この状態で、巻戻しローラ２４あるいは早送り
アイドラー９を移動せしめて、巻戻あるいは早送
りが行なわれ、この時、コントロール信号用ヘツ
ド１５によりコントロール信号を再生し、その数
を計数することにより、所定の位置を検索する。

この検索終了後、通常の記録再生を行うには、
この状態より、テープ引出しピン９，１０を９
ａ，１０ａの位置まで移動し、ヘツドシリンダー
１４に磁気テープを巻き付ける。

この記録再生状態では、磁気テープは第３図に
示すように、コントロール信号用ヘツド１５との
テープ接触角度が大きく変化しない範囲で、補助
ローデイングポスト３５ａより離反するよう構成
されている。

なお、カセツトよりのテープ引出し時には、ブ
レーキ２６により巻取リール５に制動が掛けら
れ、コントロール信号用ヘツド１５と磁気テープ
の相対位置が変化しないよう構成されている。

すなわち、検索位置が変化しないよう構成され
ている。

発明の効果 以上のように、本発明によればテープ引出しピ
ンとは独立した補助ローデイングポストにてテー
プを引出すため、記録再生のためのヘリカルスキ
ヤン方式のテープパスに影響することなくコント
ロール信号用ヘツドをテープ位置検索に利用でき
る。そして、通常記録時に使用されるコントロー
ル信号用ヘツドをテープ位置の検索時にも使用す
るものであるため、新たな磁気ヘツドを設ける必
要もなく、また、補助ローデイングポストはテー
プ引出しピンとは独立して可動するため、記録時
と検索時における再生位置が一致するようにテー
プ走行経路を設定しやすいものである。

また、通常の記録再生時には、補助ローデイン
グポストと磁気テープが接しないよう構成すれ
ば、記録再生時に磁気テープに不要な負荷を増加
させることもないものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す要部平面図、
第２図は同一部拡大斜視図、第３図は同一部拡大
平面図である。 １……テープカセツト、２……供給リール、３
……巻取リール、４……供給リール台、５……巻
取リール台、６……磁気テープ、９，１０……テ
ープ引出しピン、１３……消去ヘツド、１４……
ヘツドシリンダー、１５……コントロール信号用
ヘツド、３５ａ……補助ローデイングポスト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 記録再生時に、テープ引出しピンにより磁気
   テープをテープカセツトより引出し、回転ヘツド
   を内蔵するヘツドシリンダーに所定の角度巻付け
   るとともに、前記ヘツドシリンダーの両側にそれ
   ぞれ位置するように固定された消去ヘツドおよび
   コントロール信号用ヘツドにも当接せしめ所定の
   テープ走行経路を形成する回転ヘツド型磁気録画
   再生装置であつて、前記テープ引出しピンとは独
   立して前記テープ引出しピンの所定の移動距離よ
   り少ない距離で移動される補助ローデイングポス
   トを設け、テープ早送りあるいは巻戻し時に、前
   記テープ引出しピンを可動することなく前記補助
   ローデイングポストにより磁気テープを前記カセ
   ツトより引出し、前記ヘツドシリンダーに前記所
   定の角度より少なく磁気テープを巻付けるととも
   に実質的にテープ走行経路を形成し前記固定され
   たコントロール信号用ヘツドに当接せしめること
   を特徴とする回転ヘツド型磁気録画再生装置。 ２ テープ引出しピンにより磁気テープがヘツド
   シリンダーに所定の角度巻付けられた状態におい
   て、磁気テープは補助ローデイングポストに非接
   触であることを特徴とする特許請求の範囲第１項
   記載の回転ヘツド型磁気録画再生装置。 ３ テープ引出しピンによる磁気テープの引出し
   時に、巻取リールに制動力を掛けることを特徴と
   する特許請求の範囲第１項に記載の回転ヘツド型
   磁気録画再生装置。