JPH0520417U - 圧電チツプ部品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造時及び取扱時において圧電素子に割れ、
欠けが発生するのを防ぐとともに電気的信号の乱れを防
ぐ。 【構成】 矩形状の圧電基板の表裏面に対向して振動電
極が設けられてなる圧電素子と、該圧電素子を収容する
円筒状のケースと、該ケース両端に装着する前記振動電
極に導通するキャップとを備えた圧電チップ部品におい
て、前記キャップを少なくとも導電ゴム層からなる制振
層とした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、エネルギー閉じ込め形の厚みすべり振動を利用した圧電チップ部品 に関し、特に電気的信号の乱れを防ぐとともに衝撃により圧電素子が破損するの を防ぐようにした圧電チップ部品に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より圧電チップ部品の一例として、図４及び図５に示すようなものが知ら れている。 この圧電チップ部品１は、セラミックス製の矩形状の圧電基板３からなる圧電 素子２をアルミナ製の両端が開放した円筒状のケース４に収容し、ケース４の両 端に金属製のキャップ５，５を被せて外部電極を形成し、キャップ５，５間の軸 方向中間部に熱可塑性樹脂からなる角形の樹脂ケース６を設けている。 上記圧電素子２は、２端子型であって厚みすべり振動を利用するエネルギー閉 じ込め形のものであり、矩形状の圧電基板３の表裏面にそれぞれ中央部で対向し て振動電極２１，２１を設け、対向する辺側に引出し電極２２，２２を設けてい る。 この圧電素子２はケース４の空洞部のほぼ中心部に、各振動電極２１の周りに 所定の空間を設けて位置決めされており、導電ペースト７，７によって接着され て、キャップ５，５と振動電極２１，２１とを導通している。 また、この例ではケース４の外周に、強度を一定以上に維持するために柔軟性 の少ない熱可塑性樹脂からなる樹脂ケース６を転がりを防ぐように角形に形成し ている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記のようなエネルギー閉じ込め形の厚みすべり振動を利用する圧電基板３は 、金属キャップ５に接触する圧電基板３の端面で振動がはね返り、メイン振動に 乱れが生じ、電気信号の乱れが生じるという問題点があった。 また、圧電基板３は、セラミックス製又は水晶等の脆い材料であり、キャップ ５と弾性ペーストと弾性的に接続するものではあるが、衝撃吸収が不充分であり 、ケースの樹脂も柔軟性に欠けていたため、ケース内の圧電素子の割れが度々発 生するという問題点があった。

【０００４】 本考案は、上記従来技術が有する事情に鑑みてなされたものであり、その目的 とするところは、メイン振動に生ずる乱れを防ぐとともに、製造時及び実装する 際にマウンターで取扱う場合において圧電素子に割れ、欠けが発生するのを防ぐ ことができる圧電チップ部品を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、矩形状の圧電基板の表裏面に対向して振動電極が設けられてなる圧 電素子と、該圧電素子を収容する円筒状のケースと、該ケース両端に装着する前 記振動電極に導通するキャップとを備えた圧電チップ部品において、前記キャッ プを少なくとも導電ゴム層からなる制振層から形成したことを特徴とする。

【０００６】

【作用】

本考案に係る圧電チップ部品によれば、厚みすべり振動が圧電基板端面に達し てキャップに当たっても、キャップの制振層が振動を吸収し、反射を減らし、振 動の乱れを防ぎ、電気信号の乱れを防ぐ。 また、製造時の衝撃や、プリント基板等に自動装着する際に位置合わせ等をす るのにマウンターで取扱って衝撃が加わっても、衝撃吸収材が衝撃を吸収し、圧 電素子に加わる衝撃を緩和し、割れ、欠けを防ぎ不良品の発生を減らし、歩留ま りを向上させ、信頼性を向上させることができる。さらに、外部電極としている キャップを制振層としているので、断線が防げ、信頼性を向上させることができ る。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図１及び図２は、本考案に係る圧電チップ部品の第１実施例を示す断面図であ る。従来例に相当する部分については同一符号を付している。 圧電チップ部品８は、従来例と同様のセラミックス製等の圧電基板３からなる 圧電素子２を、両端が開放された、例えばアルミナ製等の硬質のケース４内に収 容し、このケース４の開放された両端を複数層から形成したキャップ１０で覆っ ている。このキャップ１０と圧電素子２とは、導電ペースト７で導通可能に接着 している。

【０００８】 キャップ１０は本実施例では、内側から外側へ順次、金属層１１，導電ゴム１ ２，導電性接着フィルム１３，導電ゴム１２，金属層１１の複数層を積層して制 振層としている。この制振層からなるキャップは最高使用温度３００℃のシリコ ン系のゴム、接着剤を用いることが好ましい。 導電ゴム１２，１２と導電性接着フィルム１３は弾力性に富み、圧電基板３に 閉じ込め振動が広がってキャップに当たってもこの制振層の剪断変形で振動エネ ルギーを熱変形させることにより吸収し、反射するのを緩和する。 また、圧電チップ部品８を、プリント基板等に自動装着する際、位置合わせ等 で衝撃が加わっても、キャップ１０が衝撃を吸収し、圧電素子に加わる衝撃を緩 和し、割れ、欠けを防ぎ不良品の発生を減らすことができる。

【０００９】 図３は本考案の第２実施例を示す断面図である。 本実施例の圧電チップ部品９は、第１実施例とは樹脂ケースがない点が異なる のみであるので、説明を省略する。

【００１０】 上記実施例において、キャップの構造を３種類の層から構成した制振層で説明 したが、上記実施例に限られず、少なくとも弾性に富んだ導電ゴム層だけから形 成したものであってもよい。 その他、ケースについても上記実施例に限られず、他の材質、形状の場合のも のであってもよい。

【００１１】

【考案の効果】

本考案は上記のように、制振層に形成されたキャップを用いたので、キャップ で反射するために起こるメイン振動に生ずる乱れを防ぐことができる。また、実 装時に方向合わせのため、圧電チップ部品に衝撃が加わっても、圧電素子が割れ たり欠けたりしないとともに外部電極等の導体の断線が防げ、信頼性を向上させ ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るチップ状発振部品の第１実施例を
示す縦断面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線の拡大断面図である。

【図３】第２実施例を示す縦断面図である。

【図４】従来例の圧電チップ部品の縦断面図である。

【図５】従来例の圧電チップ部品を構成する圧電素子の
斜視図である。

【符号の説明】

８，９ 圧電チップ部品 ２ 圧電素子 ４ ケース １０ キャップ １１ 金属層 １２ 導電ゴム層 １３ 接着フィルム層

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 矩形状の圧電基板の表裏面に対向して振
   動電極が設けられてなる圧電素子と、該圧電素子を収容
   する円筒状のケースと、該ケース両端に装着する前記振
   動電極に導通するキャップとを備えた圧電チップ部品に
   おいて、前記キャップを少なくとも導電ゴム層からなる
   制振層から形成したことを特徴とする圧電チップ部品。