JPH05203037A - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

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Publication number
JPH05203037A
JPH05203037A JP4034538A JP3453892A JPH05203037A JP H05203037 A JPH05203037 A JP H05203037A JP 4034538 A JP4034538 A JP 4034538A JP 3453892 A JP3453892 A JP 3453892A JP H05203037 A JPH05203037 A JP H05203037A
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JP
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speed
pressure
shift
gear
automatic transmission
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Application number
JP4034538A
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English (en)
Inventor
Hidehiko Mishima
英彦 三島
Toshihisa Marusue
敏久 丸末
Kazuo Sasaki
和夫 佐々木
Tatsutoshi Mizobe
龍利 溝部
Kazunori Enokido
一典 榎戸
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低速段から中速段を飛び越して高速段へ切り
換える2段変速時の2段ショックを解消でき、応答性と
信頼性を確保し得る自動変速機の変速制御装置を提供す
る。 【構成】 少なくとも、低速段、中速段、高速段の3つ
の変速段に亙って変速可能な変速機構を備え、変速機構
の1つの回転要素が低速段と高速段との切り換えにより
回転方向が逆転するように構成してなる自動変速機にお
いて、低速段から高速段へ2段変速するとき、低速段か
ら中速段へ切り換えるとともに、高速段において締結さ
れるクラッチK1の油圧を締結直前の油圧Paに設定し
て所定時間保持し、その後クラッチK1の油圧を締結圧
Pbに設定する。これにより、2段ショックを解消し、
高速段への切り換えの応答性とクラッチK1の信頼性を
確保することが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動変速機の変速制御
装置に関し、特に低速段から高速段へ2段変速するとき
の変速制御を改善したものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車用の自動変速機では、その
制御装置に、予め変速機マップを設定して格納してお
き、センサで検出したスロットル開度と車速と変速マッ
プとに基いて、変速機の摩擦締結要素を自動的に切り換
えるように構成してある。そして、従来の自動変速機で
は、通常、少なくとも低速段、中速段、高速段の3つの
速度段に亙って切り換え可能で、その変速機には、低速
段から高速段への切り換えに伴って、1つの回転要素の
回転方向が逆転するように構成してある場合が多い。と
ころで、低速段で走行中にアクセルペダルを急に緩めた
りする場合には、エンジン回転数の急減に応じて、変速
段が低速段から中速段を飛び越して高速段へ自動変速さ
れることになるが、このような2段変速時に、前記回転
方向が逆転する回転要素の回転数変動が非常に大きくな
ることに鑑みて、一旦中速段を経由して高速段へ切り換
えるように構成したものが一般的である(特開昭62−
93552号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記公報に記載の変速
制御のように、低速段から高速段への2段変速時に一旦
中速段を経由して高速段へ切り換えると、低速段から中
速段への切り換え時に変速ショックが発生し、更に、中
速段から高速段への切り換え時にも変速ショックが発生
するため、2段の変速ショックが起こること、中速段を
経由する分だけ変速の応答性が低下すること、などの問
題がある。本発明の目的は、前記2段変速時の2段ショ
ックを解消でき、応答性と信頼性を確保し得る自動変速
機の変速制御装置を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る自動変速
機の変速制御装置は、少なくとも低速段、中速段、高速
段の3つの変速段に亙って切り換え可能な変速機構を備
え、変速機構の1つの回転要素が低速段と高速段との切
り換えにより回転方向が逆転するように構成してなる自
動変速機において、前記低速段から高速段に変速する2
段変速であることを検知する検知手段と、前記検知手段
の出力を受けて、2段変速時に中速段達成用の摩擦締結
要素を締結側に制御するとともに高速段達成用の摩擦締
結要素の油圧を締結直前の圧力に制御し、その後前記油
圧を所定の締結圧まで上昇させる油圧制御手段とを備え
たことを特徴とするものである。
【0005】請求項2に係る自動変速機の変速制御装置
は、少なくとも低速段、中速段、高速段の3つの変速段
に亙って切り換え可能な変速機構を備え、変速機構の1
つの回転要素が低速段と高速段との切り換えにより回転
方向が逆転し且つ中速段での駆動時にワンウェイクラッ
チにより固定されるように構成してなる自動変速機にお
いて、前記低速段から高速段に変速する2段変速である
ことを検知する検知手段と、前記検知手段の出力を受け
て、2段変速時に中速段達成用の摩擦締結要素を締結側
に制御するとともに高速段達成用の摩擦締結要素の油圧
を締結直前の圧力に制御し、その後前記油圧を所定の締
結圧まで上昇させる油圧制御手段とを備えたことを特徴
とするものである。
【0006】請求項3に係る自動変速機の変速制御装置
は、請求項2の装置において、前記油圧制御手段は、所
定の締結圧に昇圧させる時期を、ギヤ比の変化状態に基
いて設定するように構成したことを特徴とするものであ
る。
【0007】請求項4に係る自動変速機の変速制御装置
は、請求項2の装置において、前記油圧制御手段は、所
定の締結圧に昇圧させる時期を、前記回転要素の回転数
の変化状態に基いて設定するように構成したことを特徴
とするものである。
【0008】請求項5に係る自動変速機の変速制御装置
は、請求項2の装置において、前記油圧制御手段は、所
定の締結圧に昇圧させる時期を、タイマを介して設定す
るように構成したことを特徴とするものである。
【0009】
【作用】請求項1に係る自動変速機の変速制御装置にお
いては、検知手段が2段変速であると検知すると、その
出力に基いて、油圧制御手段が、2段変速時に中速段達
成用の摩擦締結要素を締結側に制御するとともに高速段
達成用の摩擦締結要素の油圧を締結直前の圧力に制御
し、その後前記油圧を所定の締結圧まで上昇させるの
で、低速段と高速段との切り換えにより回転方向が逆転
する回転要素の回転数を一旦中速段の回転数にしてから
高速段へ切り換えることができるため、高速段達成用の
摩擦締結要素が過負荷になるのを確実に防止して信頼性
の低下を防止できる。更に、中速段に切り換えたときに
高速段達成用の摩擦締結要素の油圧を締結直前の圧力に
制御するので、中速段から高速段に切り換える時の変速
ショックを防止でき、且つ高速段に切り換える時の応答
性を高めることが出来る。
【0010】請求項2に係る自動変速機の変速制御装置
においては、低速段と高速段との切り換えにより回転方
向が逆転する回転要素が、中速段においてワンウェイク
ラッチにより固定されるように構成してあるが、低速段
から一旦中速段に切り換えてから高速段へ切り換えるた
め、ワンウェイクラッチの耐久性の低下を確実に防止出
来る。これ以外の作用は、請求項1と同様である。
【0011】請求項3に係る自動変速機の変速制御装置
においては、請求項2と同様の作用が得られるうえ、前
記油圧制御手段は、所定の締結圧に昇圧させる時期を、
ギヤ比の変化状態に基いて設定するので、前記所定の締
結圧に昇圧させる時期を適切に設定できる。
【0012】請求項4に係る自動変速機の変速制御装置
においては、請求項2と同様の作用が得られるうえ、前
記油圧制御手段は、所定の締結圧に昇圧させる時期を、
前記回転要素の回転数の変化状態に基いて設定するの
で、前記所定の締結圧に昇圧させる時期を適切に設定で
きる。
【0013】請求項5に係る自動変速機の変速制御装置
においては、請求項2と同様の作用が得られるうえ、前
記油圧制御手段は、所定の締結圧に昇圧させる時期を、
タイマを介して設定するので、前記所定の締結圧に昇圧
させる時期を簡単な制御により設定できる。
【0014】
【発明の効果】前記作用の項で説明したように、本発明
によれば次のような効果が得られる。請求項1に係る自
動変速機の変速制御装置によれば、検知手段と、油圧制
御手段とを設けたことにより、低速段と高速段との切り
換えにより回転方向が逆転する回転要素の回転数を一旦
中速段の回転数にしてから高速段へ切り換えることがで
きるため、高速段達成用の摩擦締結要素が過負荷になる
のを確実に防止して信頼性の低下を防止できる。更に、
中速段に切り換えたときに高速段達成用の摩擦締結要素
の油圧を締結直前の圧力に制御するので、中速段から高
速段に切り換える時の変速ショックを防止でき、且つ高
速段に切り換える時の応答性を高めることが出来る。
【0015】請求項2に係る自動変速機の変速制御装置
によれば、低速段と高速段との切り換えにより回転方向
が逆転する回転要素が、中速段においてワンウェイクラ
ッチにより固定されるように構成してあるが、検知手段
と、油圧制御手段とを設けたことにより、低速段から一
旦中速段に切り換えてから高速段へ切り換えるため、ワ
ンウェイクラッチの耐久性の低下を確実に防止出来る。
その他請求項1と同様の効果が得られる。
【0016】請求項3に係る自動変速機の変速制御装置
によれば、請求項2と同様の効果が得られるうえ、前記
所定の締結圧に昇圧させる時期を、ギヤ比の変化状態に
基いて適切に設定することができる。
【0017】請求項4に係る自動変速機の変速制御装置
によれば、請求項2と同様の効果が得られるうえ、前記
所定の締結圧に昇圧させる時期を、前記回転要素の回転
数の変化状態に基いて適切に設定することができる。
【0018】請求項5に係る自動変速機の変速制御装置
によれば、請求項2と同様の効果が得られるうえ、前記
所定の締結圧に昇圧させる時期を、タイマを介して簡単
な制御により設定することができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面に基いて
説明する。図1に図示のように、エンジン1の出力は、
トルクコンバータ2と主変速機3と副変速機4とからな
る自動変速機ATを介して駆動輪へ伝達される。図2に
図示のように、トルクコンバータ2は、エンジン出力軸
1aに結合されたポンプ20と、ポンプ20に対向状に
配設されたタービン21と、ポンプ20とタービン21
間に配設されたステータ22とを備えている。このステ
ータ22は、一方向クラッチ23を介して、自動変速機
ATのケース5に一体化された固定軸24上を回転する
ように構成してある。前記一方向クラッチ23は、ステ
ータ22がポンプ20と同一方向へ回転するのを許容
し、その逆方向への回転を禁止するものである。
【0020】前記タービン21にはトルクコンバータ2
の出力軸2aが結合され、この出力軸2aとポンプ20
との間にはロックアップクラッチ25が設けられてい
る。ロックアップクラッチ25は、トルクコンバータ2
内を循環する作動油の油圧により常時クラッチ締結方向
(ロックアップ方向)に付勢され、同時に外部から供給
される開放用油圧により開放状態に保持され、この開放
用油圧をドレンすることでエンジン出力軸1aとコンバ
ータ出力軸2aとが直結状にロックアップされるように
構成してある。
【0021】前記主変速機3について説明すると、主変
速機3は、前段遊星歯車機構3Aと後段遊星歯車機構3
Bとを備えており、前段遊星歯車機構3Aは、サンギヤ
30とピニオンギヤ31とリングギヤ32の3つのギヤ
要素と、プラネタリキャリヤ33とで構成してあり、後
段遊星歯車機構3Bは、サンギヤ35とピニオンギヤ3
6とリングギヤ37の3つのギヤ要素と、プラネタリキ
ャリヤ38とで構成してある。前記キャリヤ33とキャ
リヤ38とが結合され、またサンギヤ30とリングギヤ
37とが結合され、キャリヤ33とキャリヤ38は、主
変速機3の出力ギヤ44aに結合されている。
【0022】前記コンバータ出力軸2aは、第1クラッ
チK1を介してサンギヤ35と結合されるとともに第2
クラッチK2を介してサンギヤ30と結合されている。
前記主変速機3には、ケース5に固定された3つのブレ
ーキ、第1ブレーキB1と、第2ブレーキB2と、第3
ブレーキB3とを備えており、摩擦締結要素であるブレ
ーキB1、B2、B3及びクラッチK1、K2の締結・
開放状態の組み合わせによって前進3段、後進1段の変
速段を達成し得るように構成され、これら以外に、一方
向クラッチOWC1、OWC2も設けられている。
【0023】前記副変速機4について説明すると、副変
速機4は、サンギヤ40とピニオンギヤ41とリングギ
ヤ42の3つのギヤ要素と、プラネタリキャリヤ43と
からなる遊星歯車機構で構成され、リングギヤ42は副
変速機4の入力ギヤ44bに結合され、この入力ギヤ4
4bは前記出力ギヤ44aに噛合され、またキャリヤ4
3は副変速機4の出力軸4bに結合されている。副変速
機4は、ケース5に固定されたブレーキB0を備え、ク
ラッチK0を介してサンギヤ40とリングギヤ42とが
結合されており、摩擦締結要素であるブレーキB0とク
ラッチK0の締結・開放状態の組み合わせによって直結
状態と減速状態とを達成し得るように構成され、これら
以外に、ケース5とサンギヤ40間には一方向クラッチ
OWC0も設けられている。前記自動変速機ATは、ブ
レーキB1、B2、B3、B0およびクラッチK1、K
2、K0の締結・開放状態の組み合わせによって、図3
に示すように、後進1段以外に、前進5段の変速態様を
達成可能で、図中○印は締結作動を示す。
【0024】次に、前記自動変速機ATの油圧回路の構
成について説明する。図4、図5に図示のように、オイ
ルポンプ(図示略)で発生したライン圧PL は、ライン
圧油路57からマニュアルバルブ50に供給されるが、
このマニュアルバルブ50は、シフトレバーに連結され
ていて、シフトレバーの操作により、ニュートラル位置
(N)、パーキング位置(P)、リバース位置(R)、
ドライブ位置(D)に切り換え可能であり、これらの位
置に対応するドレン圧、ドレン圧、Rレンジ圧、Dレン
ジ圧、(但し、これらレンジ圧の圧力自体は、ライン圧
L に等しい)を夫々対応するポートへ供給するように
構成してある。
【0025】前記主変速機3の摩擦締結要素であるブレ
ーキB1、B2、B3およびクラッチK1、K2の油圧
系について説明すると、図4に図示のように、3つのシ
フトバルブ51、52、53と2つの圧力制御バルブ5
4、55とが設けられ、各シフトバルブ51、52、5
3において、スプールに4つのランドが形成され、スプ
ールはスプリング55により左方へ付勢されており、左
端部の油室56はON/OFF型ソレノイド弁SOL A、
SOL B、SOL Cを介してライン圧PL が供給され、これ
らソレノイド弁がONのときには油室56の油圧がドレ
ンされて、シフトバルブ51、52、53は夫々の上半
部に図示の位置となりまたこれらソレノイド弁がOFF
のときには油室56にライン圧PL が供給されて夫々の
下半部に図示の位置となる。
【0026】前記ブレーキB1には、Dレンジ圧油路6
0から、シフトバルブ52、油路61、シフトバルブ5
3、油路62を介してDレンジ圧を供給可能である。前
記ブレーキB2には、Dレンジ圧油路60から、シフト
バルブ52、油路64、シフトバルブ51、油路65、
シフトバルブ53、油路66を介してDレンジ圧を供給
可能であり、また、ブレーキB2には、Rレンジ圧油路
68から、シフトバルブ51、油路69、シフトバルブ
53、油路66を介してRレンジ圧を供給可能である。
前記ブレーキB3には、Dレンジ圧油路60から、シフ
トバルブ51、油路70、圧力制御バルブ55、油路7
1を介してDレンジ圧を供給可能である。前記クラッチ
K1には、ライン圧油路57から、シフトバルブ52、
油路72、シフトバルブ53、油路73、圧力制御バル
ブ54、油路74を介してライン圧PL を供給可能であ
る。前記クラッチK2には、Dレンジ圧油路60から、
油路75を介してDレンジ圧を供給可能である。但し、
図中、符号77、78はオリフィス、×印はドレンポー
トである。
【0027】更に、前記油路62、66、75には、エ
ンジントルクに対応するモジュレータ圧PM を受けるア
キュムレータ63、67、76が夫々接続されている。
前記各圧力制御バルブ54、55において、スプールに
は2つのランドが形成され、スプールはスプリング80
により左方へ付勢され、また左端の油室82はオリフィ
ス83を有する油路85を介して出力ポート84に接続
され、スプリング80を収容した油室81にはRed圧
(一定圧)をリニアソレノイド弁86で調圧した制御圧
C が油路87を介して供給され、この制御圧PC によ
り出力ポート84の油圧(ブレーキB3やクラッチK1
へ供給する油圧)を制御するように構成してある。但
し、前記圧力制御バルブ54、55は、夫々の入力ポー
トに油圧が供給された時には圧力制御した油圧を出力ポ
ート84に供給し、また夫々の入力ポートの油圧がドレ
ンされた時には出力ポート84の油圧もドレンされるよ
うに構成してある。
【0028】前記副変速機4の摩擦締結要素であるブレ
ーキB0とクラッチK0の油圧系について説明すると、
図5に図示のように、前記シフトバルブ51、52、5
3と略同様の構成の2つのシフトバルブ90、91が設
けられ、各シフトバルブ90、91において、スプール
はスプリング92により左方へ付勢されまたスプリング
収容室はドレンされ、また左端の油室93にはON/O
FF型のソレノイドバルブSOL D、SOL Eを介してライ
ン圧PL を供給可能に構成してある。
【0029】前記ブレーキB0には、ライン圧油路57
から、シフトバルブ90、油路94、シフトバルブ9
1、油路95を介してライン圧PL を供給可能である。
クラッチK0には、ライン圧油路57から、シフトバル
ブ90、油路97、シフトバルブ91、油路98、油路
99を介してライン圧PL を供給可能である。但し、ソ
レノイドバルブSOL D、Eを共にONにすることによ
り、クラッチK0には、ライン圧油路57から、シフト
バルブ90、油路97、シフトバルブ91、リニアソレ
ノイド弁100が介装された油路101、油路99を介
してリニアソレノイド弁100で調圧した油圧を供給可
能であり、且つソレノイドバルブSOL DのみをONにす
ることで、クラッチK0の油圧を油路101を介してド
レンさせることが可能である。
【0030】尚、図中符号102、103、104はオ
リフィスであり、×印はドレンポートであり、前記油路
95には前記モジュレータ圧PM を受けるアキュムレー
タ96が接続されている。前記自動変速機ATに関する
レンジ及び変速段と、シフトバルブ51、52、53、
90、91の位置つまりソレノイド弁SOL A〜SOL Eの
ON、OFFのソレノイドパターンと、摩擦締結要素
(K1、K2、B1、B2、B3、K0、B0)の締結
パターンとの関係は、図6に図示の通りである。尚、自
動変速機ATの主変速機3の速度線図は、図7の通りで
ある。
【0031】次に、前記自動変速機ATを制御する為の
制御系について説明する。図8に示すように、自動変速
機ATを制御するコントロールユニット120に対し
て、入力信号として、タービン出力軸2aの回転速度を
検出する第1センサ110の検出信号と、主変速機3の
出力ギヤ44aの回転速度を検出する第2センサ111
の検出信号と、副変速機4の出力軸4bの回転速度を検
出する第3センサ112の検出信号と、シフトレバー1
13に設けられた複数のスイッチで検出される各レンジ
に対応するシフト信号と、エンジン1のスロットルバル
ブの開度を検出するスロットル開度センサ114からの
スロットル開度信号TVOと、車速センサ115からの
車速信号SDと、その他ブレーキスイッチなどからの検
出信号が入力される。前記第1〜第3センサ110〜1
12は、例えば電磁ピックアップ式のセンサであり、図
2に図示してある。
【0032】前記コントロールユニット120から、ソ
レノイドバルブSOL A〜SOL Eに対して駆動信号が出力
されるとともにリニアソレノイド弁86、100、11
6に対して駆動パルス信号が出力される。但し、リニア
ソレノイド弁116は、前記モジュレータ圧を調整する
為のものである。このコントロールユニット120は、
入力信号を必要に応じてA/D変換するA/D変換器、
複数の波形整形回路、入力出力インターフェース、マイ
クロコンピュータ、複数の駆動回路などを備えており、
前記マイクロコンピュータのROMには、車速とスロッ
トル開度とをパラメータとする一般的な変速マップ、種
々の入力信号と変速マップとに基づく変速制御の制御プ
ログラム(但し、レンジや変速段と対応させた前記ソレ
ノイドパターンを含む)などが予め入力格納されてい
る。但し、前記変速制御の制御プログラムには、後述の
2段変速の変速制御も含まれるものとする。
【0033】ここで、本願特有の変速制御について説明
する。先ず、この変速制御の概要について説明するが、
以下の説明において主変速機3を「主変」と記載するこ
ともある。低速段から中速段を飛び越して高速段へ切り
換える2段変速の代表例である、主副両変速機3、4の
複合2速から複合5速へ2段変速する場合(主変1速か
ら主変3速へ2段変速する場合)に、図7の速度線図に
も示すように、主変速機3のサンギヤ35の回転方向が
逆転しかつその回転数変化が非常に大きい関係上、主変
1速から主変3速へ一挙に切り換えると、クラッチK1
が過負荷となって損傷する虞があることから、主変1速
から主変2速を経由して主変3速へ切り換えることとす
る。この場合、速度線図に示すように、ブレーキB1を
締結し、且つブレーキB3を締結することによりワンウ
ェイクラッチOWC1を作動状態(ロック状態)にして
主変2速に切り換え、その後主変3速に切り換えること
になる。
【0034】しかし、このように主変2速を経由する
と、主変1速から主変2速への切り換え時と主変2速か
ら主変3速への切り換え時に変速ショックが発生する
が、本願の変速制御では、前記主変2速への切り換え時
に、クラッチK1の油圧を締結直前の油圧Pa、つまり
締結開始圧(クラッチスプリングのセット荷重に相当す
る油圧)よりも僅かに低い油圧Paまで高めて所定の短
時間保持し、その後主変3速へ切り換えるように制御す
る。これにより、2段ショックを防止でき、且つ主変2
速から主変3速への切り換えの応答性を高めることがで
きる。図9のタイムチャートにより説明すると、スロッ
トル開度TVOの急減少時に変速マップに基いて2段変
速の指令が出力され、それに応じて主変2速へ切り換え
るとともに、クラッチK1の油圧を締結開始圧より僅か
に低い締結直前の油圧Paまで高めて短い所定時間Tの
間保持し、その所定時間T経過後にクラッチK1の油圧
を締結圧Pbまで高める。
【0035】次に、上記の2段変速の変速制御のルーチ
ンについて、図10のフローチャートに基いて説明す
る。尚、図中符号Si(i=1、2、3・・・)は各ス
テップを示す。自動車が主副両変速機3、4の複合2速
で走行中にこの変速制御が開始されると、前記センサ類
から各種信号(スロットル開度信号TVO、車速信号S
D、3つの回転数信号、変速機の油温検出センサからの
油温信号、エンジン回転数センサからの回転数信号、な
ど)が読み込まれ(S1)、次にスロットル開度TVO
と、変速マップに基いて複合2速から複合5速への2−
5変速か否か判定され(S2)、NoのときはS3にお
いて、その他の一般的な制御を実行後S1へ戻り、2−
5変速のときはS4において、ソレノイドバルブSOL A
〜Eが複合3速のソレノイドパターンに切り換えられ
る。 次に、S5において、油温と車速とエンジン回転
数とに基いて補正時間ΔTが演算されるが、補正時間Δ
Tは、油温の上昇に応じて減少する所定の関数式から求
めた油温補正時間Δtoと、車速の増加に応じて増加す
る所定の関数式から求めた車速補正時間Δtsdと、エ
ンジン回転数の増加に応じて増加する所定の関数式から
求めた回転数補正時間Δtrの合計である。
【0036】次に、S6において、タイマTMに、予め
設定された所定短時間T0と補正時間ΔTを加えた時間
がセットされ、次にS7において、クラッチK1の油圧
が前記締結開始圧よりも僅かに低い油圧Paに設定され
るが、この場合、リニアソレノイド弁86に、油圧Pa
に対応する駆動パルス信号を出力することにより、クラ
ッチK1の油圧が油圧Paに設定される。次に、S8に
おいてタイマTMの残時間Tが零か否かの判定がなさ
れ、NoのときはS7へ戻り、S7とS8とを繰り返し
て、時間(T0+ΔT)の間油圧Paに保持し、タイマ
TMの残時間Tが零になると、S9においてクラッチK
1の油圧が締結圧Pbに設定されるが、この場合もリニ
アソレノイド弁86に、油圧Pbに対応する駆動パルス
信号を出力することにより、クラッチK1の油圧が油圧
Pbに設定される。次に、S10において、ソレノイド
バルブSOL A〜Eが複合5速のソレノイドパターンに切
り換えられる。
【0037】以上説明した2段変速制御の作用について
説明する。2段変速時に、低速段(主変1速)から高速
段(主変3速)へ2段変速する時に、低速段(主変1
速)から中速段(主変2速)を経由して高速段(主変3
速)に切り換えるように構成し、主変2速に切り換える
ときに主変3速で締結されるクラッチK1を締結直前の
状態に切り換えて所定時間保持してから、主変3速に切
り換えるので、主変2速に切り換えてからつまりサンギ
ヤ30の回転数が主変2速の回転数に達してから、主変
3速に切り換えることができる。これにより、クラッチ
K1が過負荷となることがなく、その損傷を確実に防止
してクラッチK1の信頼性が低下するのを防ぐことが出
来る。更に、主変2速状態のときにクラッチK1が締結
直前の状態に切り換えられているため、主変2速から主
変3速への切り換えに伴う変速ショックを抑制でき、且
つ主変2速から主変3速への切り換えの応答性を向上さ
せることが出来る。
【0038】ここで、前記実施例の一部を次のように変
更することができる。 〔1〕クラッチK1の油圧を締結圧Pbに切り換えるタ
イミングをタイマTMを介して決定する方法に代えて、
図11に図示のフローチャートのように決定してもよ
い。尚、前記図10のフローチャートと同一のステップ
については同一のステップ番号を付して説明を省略す
る。S4からS7に移行し、次にS20において、第
1、第2センサ110、111から回転数信号を読込
み、次にそれらの回転数信号に基いて主変速機3のギヤ
比Grを演算し(S21)、次にS22においてそのギ
ヤ比Grが主変2速のギヤ比の値に相当する所定値G0
(図9参照)に略等しいか否か判定し、NoのときはS
20〜S21を繰り返し、YesとなったときにはS2
2からS9へ移行する。
【0039】〔2〕クラッチK1の油圧を締結圧Pbに
切り換えるタイミングをタイマTMを介して決定する方
法に代えて、前記サンギヤ35の回転数を検出するセン
サを設けてその検出信号に基いて、又は前記センサ11
1の検出信号に基いて、クラッチK1の回転方向の反転
後にクラッチK1の油圧を締結圧Pbに切り換えるよう
に構成してもよい。 〔3〕前記主変速機3の内部の機器配置上の都合から前
記ワンウェイクラッチOWC1を省略する場合には、2
−5変速の2段変速において、主変1速から主変2速に
切り換え、その後主変2速から主変3速へ切り換えるこ
とになる。この場合、図12に示すように、2段変速指
令の入力に応じて主変2速に切り換える為にブレーキB
1を締結するとともに、クラッチK1の油圧を締結開始
圧より僅かに低い締結直前の油圧Paに設定し、その後
主変速機3が所定のギヤ比になったタイミングにおいて
ブレーキB1の締結を解除しつつクラッチK1の油圧を
締結圧Pbに設定して締結させるものとする。
【0040】尚、前記実施例では、2−5変速の2段変
速を例として説明したが、低速段から中速段を飛び越し
て高速段へ切り換える1−4変速にも本発明を適用する
ことができるし、また、本発明は、1つの変速機のみか
らなる通常の自動変速機にも適用することができること
は勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジンに接続した自動変速機の全体構成図で
ある。
【図2】前記自動変速機の機械的構成の全体構成図であ
る。
【図3】前記自動変速機の変速段と締結パターンの関係
を示す図表である。
【図4】前記自動変速機の主変速機の為の油圧回路図で
ある。
【図5】前記自動変速機の副変速機の為の油圧回路図で
ある。
【図6】前記自動変速機のレンジや変速段と締結パター
ンとソレノイドパターンの関係を示す図表である。
【図7】前記自動変速機の主変速機の速度線図である。
【図8】前記自動変速機の制御系の構成図である。
【図9】2−5変速時の主変速機ギヤ比、クラッチ油圧
などのタイムチャートである。
【図10】前記自動変速機の変速制御のルーチンのフロ
ーチャートである。
【図11】変形例に係る図10相当図である。
【図12】別実施例に係るクラッチ油圧、ブレーキ油圧
などのタイムチャートである。
【符号の説明】
AT 自動変速機 3 主変速機 4 副変速機 K1 第1クラッチ K2 第2クラッチ B1 第1ブレーキ B2 第2ブレーキ B3 第3ブレーキ OWC1 ワンウェイクラッチ 51、52、53 シフトバルブ 120 コントロールユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 溝部 龍利 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 榎戸 一典 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも低速段、中速段、高速段の3
    つの変速段に亙って切り換え可能な変速機構を備え、変
    速機構の1つの回転要素が低速段と高速段との切り換え
    により回転方向が逆転するように構成してなる自動変速
    機において、 前記低速段から高速段に変速する2段変速であることを
    検知する検知手段と、 前記検知手段の出力を受けて、2段変速時に中速段達成
    用の摩擦締結要素を締結側に制御するとともに高速段達
    成用の摩擦締結要素の油圧を締結直前の圧力に制御し、
    その後前記油圧を所定の締結圧まで上昇させる油圧制御
    手段と、 を備えたことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 少なくとも低速段、中速段、高速段の3
    つの変速段に亙って切り換え可能な変速機構を備え、変
    速機構の1つの回転要素が低速段と高速段との切り換え
    により回転方向が逆転し且つ中速段での駆動時にワンウ
    ェイクラッチにより固定されるように構成してなる自動
    変速機において、 前記低速段から高速段に変速する2段変速であることを
    検知する検知手段と、 前記検知手段の出力を受けて、2段変速時に中速段達成
    用の摩擦締結要素を締結側に制御するとともに高速段達
    成用の摩擦締結要素の油圧を締結直前の圧力に制御し、
    その後前記油圧を所定の締結圧まで上昇させる油圧制御
    手段と、 を備えたことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  3. 【請求項3】 前記油圧制御手段は、所定の締結圧に昇
    圧させる時期を、ギヤ比の変化状態に基いて設定するよ
    うに構成したことを特徴とする請求項2に記載の自動変
    速機の変速制御装置。
  4. 【請求項4】 前記油圧制御手段は、所定の締結圧に昇
    圧させる時期を、前記回転要素の回転数の変化状態に基
    いて設定するように構成したことを特徴とする請求項2
    に記載の自動変速機の変速制御装置。
  5. 【請求項5】 前記油圧制御手段は、所定の締結圧に昇
    圧させる時期を、タイマを介して設定するように構成し
    たことを特徴とする請求項2に記載の自動変速機の変速
    制御装置。
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