JPH05202086A - 糖エピトープの製造方法 - Google Patents

糖エピトープの製造方法

Info

Publication number
JPH05202086A
JPH05202086A JP4194465A JP19446592A JPH05202086A JP H05202086 A JPH05202086 A JP H05202086A JP 4194465 A JP4194465 A JP 4194465A JP 19446592 A JP19446592 A JP 19446592A JP H05202086 A JPH05202086 A JP H05202086A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formula
compound
group
represented
alkyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4194465A
Other languages
English (en)
Inventor
Willy Kinzy
ウィリー・キンジー
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Merck Patent GmbH
Original Assignee
Merck Patent GmbH
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Merck Patent GmbH filed Critical Merck Patent GmbH
Publication of JPH05202086A publication Critical patent/JPH05202086A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H15/00Compounds containing hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals directly attached to hetero atoms of saccharide radicals
    • C07H15/18Acyclic radicals, substituted by carbocyclic rings
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H15/00Compounds containing hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals directly attached to hetero atoms of saccharide radicals
    • C07H15/02Acyclic radicals, not substituted by cyclic structures
    • C07H15/04Acyclic radicals, not substituted by cyclic structures attached to an oxygen atom of the saccharide radical
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H17/00Compounds containing heterocyclic radicals directly attached to hetero atoms of saccharide radicals
    • C07H17/04Heterocyclic radicals containing only oxygen as ring hetero atoms
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H3/00Compounds containing only hydrogen atoms and saccharide radicals having only carbon, hydrogen, and oxygen atoms
    • C07H3/04Disaccharides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H3/00Compounds containing only hydrogen atoms and saccharide radicals having only carbon, hydrogen, and oxygen atoms
    • C07H3/06Oligosaccharides, i.e. having three to five saccharide radicals attached to each other by glycosidic linkages

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 Gal−α(1−3)/Gal−β(1−
4)/GlcNacトリサッカライド化合物およびβ
(1−3)結合オリゴラクトースアミン化合物を立体選
択的に製造する新規な方法の提供。 【構成】 式Iおよび式VIIIで示される化合物を部分
的アルキル化ラクタール誘導体から製造する方法;式
VIIIの化合物;本発明の製造方法で使用される中間生
成物。 〔式中RはRと同意義または−CO−R’;R’は
H,C1〜3アルキル、(置換)フェニル;Sはスペー
サー;XはN,−NHCOCH;Yはβ−OSi
(R,α−OC(=NH)CCl;RはC
1〜4アルキル、フェニル、mは1〜4の整数である;
式I中RはH,−CH−R’;式VIII中RはH、アリ
ルである〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、部分的にアルキル化さ
れているグリカール化合物を経て、Gal−α(1−
3)/Gal−β(1−4)/GlcNacトリサッカ
ライド化合物およびβ(1−3)結合オリゴラクトース
アミン化合物を立体選択的に製造する新規な方法に関す
る。
【0002】さらに詳細に言えば、本発明は、ラクトー
スから下記式Iで表わされる、α(1−3),β(1−
4)配位を有するトリサッカライド化合物を立体選択的
に製造する方法に関する。
【0003】
【化8】 (式中、Rは、HまたはR′CH−であり、R′はH
であるか、あるいはC原子1〜3個を有するアルキルま
たはフェニルであり、このフェニルは非置換であるか、
あるいはハロゲン、OH、アルキルまたはO−アルキル
により置換されており、Sは、スペーサーであり、そし
てXは、Nまたは−NHCOCHである)
【0004】この方法は、下記(i)〜(vii)を特
徴とする。 (i) ラクトースをD−ラクタールに変換する; (ii) D−ラクタールを部分的にアルキル化して、
下記式IIで表わされる新規なラクタール誘導体を生成
させ、
【化9】 (式中、Rは、R′CH−または−CH−CH=C
であり、Rは、H、R′CH−、−CH−C
H=CHまたはR′−C(O)−であり、そしてR′
はHであるか、あるいはC原子1〜3個を有するアルキ
ルまたはフェニルであり、このフェニルは非置換である
か、あるいはハロゲン、OH、アルキルまたはO−アル
キルにより置換されている) (iii) 式IIおいて、Rが−CH−CH=CH
であり、そしてRがHである化合物を、R′CH
−基により完全に保護されているモノアリル化合物に変
換する; (iv) これらの化合物を、アジドナイトレーション
により、下記式IIIで示されるアジド−ラクトース誘
導体に立体選択的に変換する:
【化10】 (式中、RはR′CH−であり、そしてR′は前記の
意味を有する)
【0005】(v) 式IIIで示される化合物のグル
コ異性体を、下記式IVで示され、そのシリル基がβ配
位を有するアジド−ラクトース誘導体に立体選択的に変
換し、この場合には、初めに生成されるアリル化合物を
そのアリル基の分離により、遊離のOHを有する化合物
に変換するか、あるいは、式IIIで示される化合物の
グルコ異性体を、下記式Vで示され、そのトリクロロア
セトイミデート基(O=C(=NH)CCl)が好ま
しくはα−配位で存在する活性化アジド−ラクトース誘
導体に変換する:
【化11】 (式IVおよびVにおいて、RはR′CH−であ
り、RはアリルまたはHであり、RはC〜Cアル
キルまたはフェニルであり、そしてR′は前記の意味を
有する)
【0006】(vi) 式IVまたは式Vで示されるジ
サッカライド化合物を、ガラクトピラノシル基の導入お
よびこのグルコピラノシル環のグリコシド基のスペーサ
ー基−O−Sによる置換により、式Iにおいて、Rが
R′CH−であり、XがNであり、そしてSがスペ
ーサーであり、かつまたR′が前記の意味を有し、そし
て上記のスペーサー基がβ配位で存在する化合物に変換
する;次いで (vii) 必要に応じて、そのアジド基を−NHCO
CHに還元し、そしてまたそのOR基をOH基に還元
する。
【0007】本発明はまた、式IIで示される新規なラ
クタール誘導体に関する。本発明はさらにまた、下記式
VIで示され、α(1−3),β(1−4)−配位を有
する新規なトリサッカライド化合物に関する:
【化12】 式中、RはR′CH−であり、Yはβ−OSiR
またはα−OC(NH)CClであり、そしてR′お
よびRは前記の意味を有する。
【0008】本発明はさらにまた、下記式VIIで示さ
れ、β(1−4)配位を有する新規なジサッカライド化
合物に関する:
【化13】 (式中、Sは式−(CH−COOR″で示される
スペーサーであり、R″はC〜Cアルキルであり、
nは4〜12の整数であり、RはアリルまたはHであ
り、RはR′CH−であり、そしてXはNまたは
−NHCOCHであり、かつまたR′は前記の意味を
有する)
【0009】さらにまた、本発明は、下記式VIIIで
示される、新規なβ−結合オリゴラクトースアミン化合
物に関する:
【化14】 (式中、Rは、Hまたはアリルであり、Rは、Hまた
はR′CH−であり、Xは、Nまたは−NHCOC
であり、Yは、β−OSiR またはα−O−C
(=NH)CClであり、Rは、C〜Cアルキ
ルまたはフェニルであり、そしてmは、1〜4の整数で
あり、そしてR′は前記の意味を有する)
【0010】
【背景技術】式Iで示される化合物それ自体は公知化合
物である〔Garegg 等によるCarbohydr
ate Res.136,207〜213頁(1958
年)〕。これらの化合物のトリサッカライド部分は、ヒ
ト腫瘍細胞で発現するエピトープであり、正常細胞で
は、これらのエピトープを、仮に発現するとしても、非
常に僅かな量で発現するにすぎない〔たとえば、Gal
iliによるLancet ,358〜360頁(1
983年)〕。
【0011】従って、これらのエピトープは、ハプテン
として機能することができ、抗体を生じさせる。この抗
体は腫瘍または悪性腫瘍の治療的処置、あるいは腫瘍細
胞に対する内在防護体の刺激のための有力な候補者とし
て使用することができる〔たとえば、Castrono
vo 等によるJ.Natl.Cancer Ins
t.81(3),212〜216頁(1989年))。
【0012】従って、スペーサーをタンパク質マトリッ
クスにカップリングさせることができる式Iで示される
化合物を製造することは、医療分野におけるそれらの使
用の観点からみて価値あることである。式Iで示される
化合物の中の特定の化合物の製造は、これまでに一応は
可能であった(Garegg 等による上記刊行物参
照)。しかしながら、公知の合成方法は非常に多くの中
間体段階を経る方法であり、このことはこの方法を工業
的規模で使用するには制限があったことを意味する。多
くの中間体段階を有することから、この方法の総収率は
勿論のこととして、あまり高い数値を示さない。一方、
この合成方法は高度の立体選択的または立体特異的要件
を賦課する。
【0013】
【発明の開示】ここに、式Iで示される化合物を商業的
に入手容易なラクトースから、効果的で立体選択的で、
比較的短い合成経路によって容易に製造できることが見
い出された。この方法は、従来得ることができなかっ
た、式IIで示される部分的にアルキル化したグルカー
ル化合物を経て、この保護されているグルカール化合物
の二重結合をアジドナイトレーションせしめ、次いで再
び容易に分離することができるトリクロロアセトイミデ
ート基またはtert−ブチルジメチルシリル基を導入
することによって、相当するドナー分子またはアクセプ
ター分子を生成させ、これを相当するモノサッカライド
と反応させ、所望の式Iで示される化合物を生成させる
か、あるいは好ましくはトリメチルシリルトリフルオロ
メタンスルホネートの作用の下に、相当するドナー/ア
クセプタージサッカライドと反応させ、式VIIIで示
される新規なβ(1−3)結合したテトラ−またはオリ
ゴラクトースアミン化合物を生成させることによって行
なうというものである。
【0014】式VIIIで示される化合物は重要な抗原
決定基であり、腫瘍抗原としても知られており、従っ
て、式Iで示される化合物と同様の方法で使用すること
ができる。
【0015】特に、本発明に係る式IIで示される化合
物は、D−ラクタールからジブチルスズオキシドの存在
の下に特に高い収率で製造することができることが見い
出された。さらにまた、式IIで示される化合物に加え
て、式VIおよび式VIIで示される化合物はまた、式
Iで示される化合物の合成における有用な新規中間生成
物であることが見い出された。
【0016】優れた立体選択性、特に数工程における優
れた立体選択性に加えて、Garegg等の方法(前記
刊行物参照)を用いた場合にはラクトースから出発して
23の合成工程が必要であるのに対し、本発明に係る方
法は15の合成工程で足りる。
【0017】前記および後記の記載において、基R、
R′、RR″、X,YおよびSは、別段の記載がない
かぎり、前記の意味を有するものとする。
【0018】式I〜VIIIに応じて、RおよびR
は、H、R′CH−、R′C(O)−または−CH
−CH=CHであり;R′はHであるかまたはC原
子1〜3個を有するアルキルあるいはフェニルであり、
このフェニルは非置換であるか、あるいはハロゲン、O
H、アルキルまたはO−アルキルにより置換されてい
る。R′がアルキルである場合には、これらの基は特
に、メチル、エチル、n−プロピルまたはイソプロピル
である。
【0019】R′CH−の場合には、R′は好ましく
は、非置換のフェニルまたは置換されているフェニルで
あるが、非置換のフェニルは特に好ましいが、R′が置
換フェニルである場合には、このフェニルは、1個また
は2個以上の置換基を有することができる。しかしなが
ら、メシチルを除けば、1個の置換基を有するものが好
ましい。適当な置換基は、F、Cl、Br、OH、C原
子1〜3個を有するアルキル、またはC原子1〜3個を
有するO−アルキルであり、好ましくはF、OHまたは
メチルである。
【0020】R′C(O)−の場合には、R′は好まし
くは、メチルまたはフェニルである。Xは、Nまたは
−NHCOCHであり、好ましくは−NHCOCH
である;Yは、(グリコシル)アクセプター分子の場合
には、β−OSiR であり、あるいは(グリコシ
ル)ドナー分子の場合には、α−O−C(=NH)CC
である。
【0021】RはC〜Cアルキルまたはフェニル
であり、複数の基Rは同一または異なっていてもよ
い。しかしながら、−SiR は好ましくは、ter
t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)またはテキシ
ルジメチルシリル(TDMS)である。
【0022】Sは、スペーサー基−(CH−CO
OR″であり、この基において、R″はC〜Cアル
キルであり、そしてnは4〜12の整数である。アルキ
ルは直鎖状または分枝鎖状であることができ、特にメチ
ル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、イソブチルあるいはsec−またはtert−ブチ
ルである。R″は好ましくは、メチルまたはエチルであ
る。nは好ましくは6〜10であり、特に8である。特
に好適なスペーサー基は、−(CH−COOEt
である。
【0023】このスペーサー基はジ−またはトリ−サッ
カライドにグリコシド結合している。この基は好ましく
は、S−OHとして、特定の糖基中に導入される。特定
のキャリヤータンパク質分子への結合は、距離保持基と
して機能するスペーサーのCOO基を介して生じさせる
ことができる。ハプテン(糖エピトープ)は、その抗原
的作用または免疫源的作用を、この基を介して示すこと
ができる。
【0024】本発明に係る方法を、下記で一般的に説明
する。炭水化物化学の標準的方法に相当する製造工程、
たとえば適当な保護基の導入および分離などについて
は、詳細な説明は省略する。この点に関しては、標準学
術書を参照されたい〔たとえば、T.W.Greene
によるProtective Groups in O
rganic Synthesis,1981,Joh
n Wiley & Sons;Methods in
Carbohydrate Chemistry,I
〜VIII巻,Academic 出版社〕。
【0025】ラクトースは先ず、公知方法によりD−ラ
クタールに変換される〔Kent等によるJ.Fluo
rine Chem.10,455〜478(1977
年))。D−ラクタールは、式IIにおいて、基R、R
およびR′がいずれもHである化合物に相当する。本
発明に係る方法に好適である、ジブチルスズ法〔Wag
ner 等によるJ.Org.Chem. 39,24
頁(1974年);Auge 等によるJ.Chem.
Soc.Chem.Commun.,375〜376頁
(1976年)およびNashedによるCarboh
ydr.Res.,56,325〜356頁(1977
年)〕を使用すると、式IIにおいて、基Rだけがアル
キル化されており、基ORは遊離のOH基として存在
する化合物が得られる。
【0026】アリル置換基が好ましく用いられ、この場
合には、式IIで示されるモノアリル化化合物(R=−
CH−CH=CH,R=H)が生成される。式I
Iで示される化合物のジ−O−アルキル化誘導体はこの
反応において、少量の副生成物として生成される。この
部分的アルキル化のregio−chemistryを
決定するためには、この反応生成物を、それ自体公知の
方法により過アセチル化するか、またはトリクロロアセ
チルイソシアネートにより処理し、NMRスペクトル測
定によって分析する。たとえば、式IIで示される好ま
しい化合物(R=−CH−CH=CH,R=H)
は、クロマトグラフィ精製の後に、高度の結晶性固体と
して、58〜65%の収率で得られる。この反応で使用
される溶媒は副生成物の含有量に影響を及ぼす。すなわ
ち、トルエンをベンゼンの代りに使用すると、式IIで
示されるジ−O−アリル化化合物が得られる。
【0027】式IIで示されるモノアルキル化およびジ
アルキル化ラクタール化合物を、stanylatio
nによって生成させると、別種のグルカール化合物の同
一方法によるアルキル化の結果に比し、驚くほど格別の
差異が生じる〔Mereyala 等によるCarbo
hydr.Res.,187,,154〜158頁(1
989年)〕。
【0028】式IIで示される化合物の遊離OH基を次
いで、アルキル化するか、または好ま しくはベンジル
化する。これは、標準的方法によって、たとえばテトラ
ヒドロフラン中でアルキル(ベンジル)ブロマイドを用
いて行なう。式IIで示され、完全に保護されているラ
クタール化合物がほとんど定量的収率で得られる。好ま
しくは式IIで示されるモノアリル化ラクタールを使用
する。
【0029】この完全に保護されている化合物のアジド
ナイトレーションをここで、それ自体公知の保護によっ
て行なう〔Lemieux 等によるCan.J.Ch
em.57,1244〜1251頁(1979年)〕。
中間的に生成される硝酸エステルを開裂させた後に、式
III示される1−OH−フリーのアジド−ラクトース
誘導体、好ましくは相当するモノアリル化合物が得られ
る。
【0030】アクセプター単位IVを製造するために
は、好ましくは、式IIIで示されるモノアリル化化合
物を、標準的方法、たとえばtert−ブチルジメチル
シリルクロライド(TBDMSCl)を用いる方法によ
って、そのanomericOH基の部位でシリル化す
る。
【0031】この反応は、β−シリル化化合物を立体選
択的に導き、このβ−シリル化化合物はエピマー混合物
中に存在する(グルコ/マンノ:1.5〜2.5:
1)。このエピマー混合物は、標準方法によって、分離
することができ、そしてまた、クロマトグラフィ、たと
えば中圧液体クロマトグラフィ(MPLC)によって精
製することができる〔たとえば、Jung等によるLi
ebigs Ann.Chem.,1099〜1106
頁(1989年)〕。グルコ−配位を有するエピマー
は、後続の合成工程にとって好適である。
【0032】式IVで示され、β−配位を有するシリル
誘導体のアリル基は、たとえばWilkinsonの触
媒〔Maranduba 等によるCarbohyd
r.Res.,135,330頁(1985年)〕を使
用し、引続いて中間的に生成されるプロペニル誘導体を
酸化水銀(II)/塩化水銀(II)により処理し、開
裂させることによって、遊離OH基に選択的に変換す
る。このようにして、式IVにおいて、RがHであるラ
クトース−アミン誘導体が優れた収率で好ましく得られ
る。
【0033】前記のとおりにして得られる、式IVで示
されるアクセプター単位をここで、好ましくは、トリメ
チルシリルトリフルオロメタンスルホネートの存在の下
に、過O−ベンジル化されているか、あるいは別様に保
濃されているα−ガラクトピラノシルトリクロロアセト
イミデートと立体選択的に反応させ、式VIにおいて、
Yがβ配位で存在する−OSiR 、好ましくは−O
TBDMSであり、α−(1−3),β(1−4)−配
位を有する新規なトリサッカライド化合物を75〜80
%の良好な収率で生成させる。上記の保護されているα
−ガラクトピラノシルトリクロロアセトイミデートは刊
行物から得ることができる〔Wegmann等による
J.Carbohydr.Chem.,(3),35
7〜375頁(1987年)〕。
【0034】その他の慣用のルイス酸、たとえば三フッ
化ホウ素ジエチルエーテル、塩化スズ(II)、塩化ア
エン、塩化アエンエーテレート、四塩化チタン、または
P−トルエンスルホン酸などもまた、本発明に係り、触
媒量で適している。
【0035】グリコシドβ−OSiR またはβ−O
−TBDMS基を、α−配位を有するトリクロロアセト
イミデート基によって立体選択的に置き換えるには、ア
クセプター基を分離し、次いで好ましくはテトラブチル
アンモニウムフルオライドまたはこの目的に適する、そ
の他公知の酸剤により処理することによって遊離1−O
H基を生成させ、引続いて塩基性条件の下に、たとえば
水素化ナトリウムまたはDBU、KCOあるいはC
COを用いて、トリクロロアセトニトリルと反応
させる。式VIで示される化合物のα−配位を有する新
規トリクロロアセトイミデート化合物がこの反応で、7
0〜80%の収率をもって、独占的に生成される。
【0036】式VIで示される化合物のトリクロロアセ
トイミデートは、ここで非極性溶媒、好ましくは塩化メ
チレン/n−ヘキサン混合物および触媒、好ましくは三
フッ化ホウ素ジエチルエーテルの存在の下に、スペーサ
ー剤S−OHと、立体特異的に反応させ、式Iで示され
るβ−グリコシド結合したアジド化合物を良好な収率
(70〜80%)で生成させる。
【0037】このアジド基はここで、それ自体公知の方
法により、たとえばホウ水素化ナトリウムにより還元す
ることができ、次いで、たとえば無水酢酸によりアセチ
ル化することができる(X=−NHCOCH)。水素
添加分解的脱アルキル化、特に脱ベンジル化を、たとえ
ばパラジウム/カーボンにより、好ましくは酢酸エチル
/エタノール/水/酢酸中で行なうと、最終的に、式I
において、RがHであり、そしてXが−NHCOCH
である化合物が得られる。この化合物は、特にハプテン
として使用することができる。
【0038】本発明に係る方法のもう一つの態様におい
ては、この合成を式Vで示される化合物を用いて、続け
ることができる。この化合物は、式IIIで示される化
合物を、それ自体公知の方法で、トリクロロアセトニト
リルおよび水素化ナトリウムと反応させることによって
得ることができる。この反応では、相当するジサッカラ
イドのα−トリクロロアセトイミデートが主として、生
成される。
【0039】前記したように、生成するグルコ/マンノ
誘導体のエピマー混合物は容易に分離することができ
る。この反応の後続の反応はグルコー異性体にもとづい
て行なう。
【0040】この方法の変法においては、このジサッカ
ライドの段階で、スペーサー基Sを前記の方法によって
すでに導入する。スペーサー基がまたβ配位で存在す
る、式VIIで示される新規誘導体が得られる。
【0041】式VIIで示される保護ジサッカライドー
スペーサー誘導体のアリル基を次いで、前記したとおり
に、遊離OH基に還元する。このようにして得られる式
VIIで示される化合物は、前記したように、過−O−
べンジル化されているか、または別様に保護されている
α−ガラクトピラノシルトリクロロアセトイミデートと
反応させ、式Iで示され、場合により脱アルキル化され
ている、−NHCOCH置換(元のアジドの位置)ト
リサッカライドを生成させる。この変法において、α
(1−3),β(1−4)−配位を有する式Iで示され
る化合物が60〜70%の収率で得られることに加え
て、β(1−3),β(1−4)−配位を有する相当す
るトリサッカライドがまた、16〜20%の程度で生成
される。
【0042】しかしながら、化合物IVを経由する方法
は、一方で、β(1−3),β(1−4)−配位を有す
るトリサッカライドが生成されず、α(1−3),β
(1−4)−配位を有する所望のトリサッカライドが独
占的に生成されるために、そしてまた他方で、このスペ
ーサー基のカップリングに係る反応工程の収率が高いこ
とから、好適である。
【0043】式Vで示される活性化アジド−ラクトース
誘導体および式IVで示されるラクトースアミンアクセ
プター誘導体は、式VIIIで示される新規なβ(1−
3)結合オリゴラクトースアミンの立体選択的合成にお
いて、重要な中間生成物である。これらのラクトースア
ミン化合物は、腫瘍抗原に対する可能な決定基として重
要な役割を演じることができる。
【0044】式VIIIで示される化合物は、本発明に
したがい、式IVにおいて、RがHである化合物と式V
で示される化合物とを、好ましくはトリメチルシリルト
リフルオロメタンスルホネートの存在の下に、たとえば
塩化メチレンとn−ヘキサンとの混合物中で、直接に反
応させることによって製造することができる。トリメチ
ルシリルトリフルオロメタンスルホネートに加えて、そ
の他の前記慣用のルイス酸もまた、触媒量で適してい
る。
【0045】式VIIIにおいて、Yがβ−O−TBD
MSであり、Rがアリルであり、そしてmが1である、
β(1−3)結合テトラサッカライド化合物が先ず、7
0〜80%の収率で独占的に生成される。前記したよう
に、再度の脱アリル化および式Vの追加の分子との反応
によって、相当するヘキササッカライド(m=2)が得
られる。このようにして、相当するオクター(m=3)
およびデカサッカライド(m=4)が同様に製造でき
る。
【0046】要約すると、本発明に係る式Iで示される
有用な化合物の製造方法は、下記の特異点によってきわ
立っている:stannylationを使用すること
によって、部分的にアルキル化されており、保護されて
いる新規D−ラクタール化合物の製造が従来公知の同様
の合成方法に比較して、確実なものとされる。このD−
ラクタール化合物は重要な中間生成物である;トリクロ
ロアセトイミデート法を使用することによって、各反応
工程の立体選択性が格別に高められる;
【0047】本発明に係る方法の好ましい変法において
は、スペーサーを、後期にのみ、分子中に導入する(こ
れはGaregg等による上記刊行物に記載の方法にお
ける直ちに導入する方法とは異なる);この方法によっ
て、収率および立体選択性を改良することができる;こ
の方法はさらにまた、医薬として有用な新規β(1−
3)結合オリゴラクトースアミン化合物を容易に入手で
きるようにする;
【0048】
【実施例】本発明に係る方法をさらに明確にするため
に、以下の例で説明する:クロマトグラフィ材料として
は、下記の材料を使用した: 1.薄層クロマトグラフィ:シリカゲル 60F−25
4(E.Merck,Darmstadt, ドイツ
国)、15%硫酸により検出。 2.カラムクロマトグラフィ:シリカゲル60、0.0
63〜0.200nm(E.Merck,Darmst
adt,ドイツ国)。 3.中圧クロマトグラフィ(MPLC):シリカゲルL
iChroPrep(登録商品名)Si 60、15〜
25μm。 4.HPLC:シリカゲルLC−8(Shimadz
u,日本国)。
【0049】例 1 乾燥ベンゼン中のD−ラクタール(600mg,1.9
4ミリモル)およびジブチルスズオキシド(1.0g,
4ミリモル)の混合物を還流温度で約20時間加熱す
る。この溶液を約20mlに濃縮した後に、テトラブチ
ルアンモニウムヨーダイド(700mg,2.0ミリモ
ル)および臭化ベンジル(1ml,8.0ミリモル)を
加え、この溶液を還流の下に、さらに3時間、沸とうさ
せる。溶媒を10−2mmHgの下に留去し、黄色残留
物をシリカゲルカラム上で精製する(溶出剤:酢酸エチ
ル/メタノール9:1)。0.39のR値を有する留
分を濃縮乾燥させ、無色シロップ状物400mg(52
%)を得る。このシロップ状物は酢酸エチルから晶出す
る。
【0050】式IIで示される化合物である、4−O
(3−O−ベンジル−β−D−ガラクトピラノシル)−
D−アラビノーヘキス−1−エニトールが得られる。 R値(TLC):0.39(酢酸エチル/メタノール
9:1) 融点:175℃;〔α〕=+42.9(c=1,クロ
ロホルム)。
【0051】例 2 乾燥トルエン中のD−ラクタール(308mg,1.0
ミリモル)およびジブチルスズオキシド(500mg,
2.0ミリモル)の混合物を還流温度で約17時間加熱
する。この溶液を約20mlに濃縮した後に、テトラブ
チルアンモニウムヨーダイド(369mg,1.0ミリ
モル)および臭化ベンジル(0.5ml,4.0ミリモ
ル)を加え、この溶液を還流の下に、さらに約4時間加
熱する。溶媒を10−2mmHgの下に留去し、黄色残
留物をシリカゲルカラム上で精製する(勾配溶出剤:酢
酸エチル/メタノール1:0→9:1)。主要留分(R
値=0.70,酢酸エチル/メタノール9:1)は、
式IIで示される化合物である、4−O(3,6−ジ−
O−ベンジル−β−D−ガラクトピラノシル)−D−ア
ラビノ−ヘキス−1−エニトール180mg(33%)
を含有する。引続く、少ない方の留分は例1にしたがい
製造される化合物90mg(23%)を含有する。
【0052】例 3 乾燥ベンゼン(1100ml)中のD−ラクタール(4
0g,0.130モル)およびジブチルスズオキシド
(64.6g,0.259モル)の混合物を還流温度で
約17時間加熱する。反応を完了させるために、分子ふ
るい(4Å)を加え、この混合物を、さらに2時間還流
の下に沸騰させる。溶媒を約3分の1の容積にまで濃縮
した時点で、このバッチに、テトラブチルアンモニウム
ヨーダイド(47.8g,0.130モル)および臭化
アリル(31.4g,0.259モル)を加える。4時
間の還流の後には、反応はもはや生じない(TLC:酢
酸エチル/メタノール9:1)。溶媒を留去し、残留物
を塩化メチレン中に取り入れる。この有機相を水で数回
抽出し、水性相を濃縮する。黄色残留物(69g)が得
られる。この残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィによって精製する(酢酸エチル/メタノール9:
1)。初めに溶出した留分(R=0.67)は式II
で示されるジアリル化合物、特に4−O(3,6−ジ−
O−アリル−β−D−ガラクトピラノシル)−D−アラ
ビノ−ヘキス−1−エニトール(7g,12%)を含有
する。〔α〕=40.9(c=1,クロロホルム)。
【0053】主留分(R=0.31,28g,60
%)は、式IIで示される化合物である4−O(3−O
−アリル−β−D−ガラクトピラノシル)−D−アラビ
ノ−ヘキス−1−エニトールを含有し、この生成物は、
酢酸エチルから再結晶させることができる。 R(TLC):0.45(酢酸エチル/メタノール8
5:15)。 融点:148〜149℃;〔α〕=+41.3(c=
1,クロロホルム)。
【0054】例 4 例3にしたがい製造されたモノアリル誘導体(12.0
g,34.4ミリモル)の乾燥テトラヒドロフラン中の
懸濁液に、激しく撹拌しながら、水素化ナトリウム(6
×1.65g,69ミリモル)および臭化ベンジル(6
×10.2ml,86ミリモル)を少しずつ加える。こ
の混合物を還流温度で加熱し、触媒量のテトラブチルア
ンモニウムヨーダイドおよび18−クラウンエーテル−
6を加える。水素を制御して放出させながら、60℃で
約19時間の後に、反応は停止する(反応の点検はTL
Cによる)。この混合物を室温まで冷却させ、次いで濾
過する。
【0055】この濾液に砕いた氷を加え、この溶液をジ
エチルエーテルで数回抽出する。有機相を中和し、塩化
ナトリウム溶液で数回洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾
燥させ、次いで蒸発させる。この残留物をシリカゲル上
で精製し(溶出剤:石油エーテル,次いで酢酸エチ
ル)、液状の副生成物を除去し、さらにフラッシュクロ
マトグラフィ(石油エーテル/酢酸エチル 85:1
5)によって精製する。式IIで示される化合物であ
る、3,6−ジ−O−ベンジル−4−O(2,4,6−
トリ−O−ベンジル−3−O−アリル−β−D−ガラク
トピラノシル)−D−アラビノ−ヘキス−1−エニトー
ル26g(95%)が黄色シロップ状物として得られ
る。 R値(TLC):0.40(石油エーテル/酢酸エチ
ル 8:2) ;〔α〕=−13.8(c=1,クロ
ロホルム)。
【0056】例 5 例4で製造された化合物(4.0g,5ミリモル)の乾
燥アセトニトリル(60ml)中の溶液をアルゴン気体
雰囲気の下に、−30℃に冷却させる。セリウムアンモ
ニウム硝酸塩(6.85g,12.5ミリモル)および
ナトリウムアジド(0.41g,6.26ミリモル)を
激しく撹拌しながら加える。−30℃で約17時間、次
いで−20℃でさらに3時間の後に、この懸濁液を濾過
し、残留物をジエチルエーテルと振り混ぜることによっ
て抽出し、この濾液に氷を加えた後に、有機相を塩類溶
液で中性まで数回洗浄する。溶媒を低温で蒸発させた後
に、得られた黄色残留物をシリカゲル上で、石油エーテ
ル/酢酸エチル(8:2)を用いて精製し、次いで溶剤
を留去し、式IIIで示される化合物の中間的に生成さ
れたアジドニトレートの異性体混合物である淡黄色シロ
ップ状物を得る。
【0057】この混合物(17.8g,19.7ミリモ
ル)をジオキサン200ml中に溶解し、次いで水70
ml中の亜硝酸ナトリウム(17.8g)の溶液を加え
る。この混合物を85℃で激しく撹拌する。7〜8時間
後に、反応は停止する(TLCにより点検)。この混合
物を氷上に注ぎ入れ、ジエチルエーテルで抽出する。こ
の有機相を水で中性まで洗浄し、硫酸マグネシウム上で
乾燥させ、次いで蒸発させ、この残留物をフラッシュク
ロマトグラフィによって精製する(石油エーテル/酢酸
エチル3:1)。式IIIで示される化合物である2−
アジド−3,6−ジ−O−ベンジル−4−O(3−O−
アリル−2,4,6−トリ−O−ベンジル−β−D−ガ
ラクトピラノシル)−2−デオキシ−β−D−グルコピ
ラノース8.6g(51%)が黄色シロップ状物として
得られる。 R(TLC):0.18(石油エーテル/酢酸エチル
3:1);〔α〕=+10.8(c=1,クロロホル
ム)。
【0058】例 6 例5で製造された化合物(6.g,7.8ミリモル)の
乾燥ジメチルホルムアミド溶液に、イミダゾール(80
0mg,11.7ミリモル)およびtert−ブチルジ
メチルシリルクロライド(1.53g,10.2ミリモ
ル)を加える。この溶液を室温で約18時間撹拌し、こ
の反応バッチに、tert−ブチルジメチルシリルトリ
フルオロメタンスルホネート(2.06g,7.8ミリ
モル)および新しいイミダゾール(800mg,11.
7ミリモル)を加え、依然として存在する出発物質と反
応させ、この混合物を次いで、さらに18時間60℃で
撹拌する。
【0059】次いで、濃縮し、残留物を塩化メチレンに
より稀釈し、この混合物を冷水で数回洗浄し、硫酸ナト
リウム上で乾燥し、次いで再度、濃縮する。この粗生成
物をシリカゲル上のクロマトグラフィにより精製し(石
油エーテル/酢酸エチル 3:1)、次いでフラッシュ
クロマトグラフィ(石油エーテル/酢酸エチル 9:
1)によって、エピマー混合物(グルコ/マンノ)を分
離する。式IVで示される化合物である、tert−ブ
チルジメチルシリル4−O−(3−O−アリル−2,
4,6−トリ−O−ベンジル−β−D−ガラクトピラノ
シル)−2−アジド−3,6−ジ−O−ベンジル−2−
デオキシ−β−D−グルコピラノシドが無色粘性液体と
して得られる(3.5g,46%)。 R(TLC):0.20(石油エーテル/酢酸エチル
9:1);〔α〕=−17.2(c=1,クロロホ
ルム)。
【0060】例 7 例6で製造された化合物(4.9 g,5.0ミリモ
ル)のエタノール/トルエン/水(360ml,8:
3:1)の溶液に、トリス(トリフェニルホスフィン)
−ロジウム(I)クロライド(0.69g,0.75ミ
リモル)を加え、この混合物を2時間、加熱還流させ
る。この僅かに黄色の溶液を濃縮し、残留物を塩化メチ
レン300mlで稀釈し、この有機溶液を中性まで洗浄
し、次いで蒸発させる。この残留物をアセトン/水(2
00ml,10:1)中に取り、HgO(162mg,
0.75ミリモル)およびHgCl(6.8g,2
5.0ミリモル)を加える。
【0061】この混合物を室温で1時間撹拌する。溶媒
を次いで留去し、残留物を塩化メチレン400ml中に
取る。この有機相を水で数回、次いでヨー化カリウム水
溶液で、次いで再び水で中性まで洗浄し、硫酸マグネシ
ウム上で乾燥させ、次いで蒸発させる。この褐色残留物
をフラッシュクロマトグラフィ(石油エーテル/酢酸エ
チル8:2)によって精製する。式IVで示される化合
物であるtert−ブチルジメチルシリル2−アジド−
3,6−ジ−O−ベンジル−(2,4,6−トリ−O−
ベンジル−β−D−ガラクトピラノシル)−2−デオキ
シ−β−D−グルコピラノシド(4.0g,86%)が
シロップ状物として得られる。 R値(TLC):0.50(石油エーテル/酢酸エチ
ル3:1);〔α〕=−18.6(c=1,クロロホ
ルム)。
【0062】例 8 乾燥ジエチルエーテル(44ml)中の例7で製造さ
れ、注意深く乾燥させた化合物(2.06,2.21ミ
リモル)およびα−ガラクトピラノシルトリクロロアセ
トイミデート(3.025g,4.415ミリモル)
に、−20℃においてアルゴン不活性気体雰囲気の下
に、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート
の溶液(0.1M,ジエチルエーテル1mlで稀釈した
0.5ml)を滴下して加える。5時間後に、固形の重
炭酸ナトリウムを加え、この混合物を濾過し、次いで蒸
発させる。この残留物をフラッシュクロマトグラフィ
(石油エーテル/酢酸エチル8:2)により精製する。
式VIで示される化合物である、tert−ブチルジメ
チルシリルO−(2,3,4,6−テトラ−O−ベンジ
ル−α−D−ガラクトピラノシル)−(1→3)−O−
(2,4,6−トリ−O−ベンジル−β−D−ガラクト
ピラノシル)−(1→4)−O−2−アジド−3,6−
ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−β−D−グルコピラ
ノシド(2.4g,75%)がシロップ状として得られ
る。 R値(TLC):0.23(石油エーテル/酢酸エチ
ル6:4);〔α〕=+17.5(c=1,クロロホ
ルム)。
【0063】例 9 乾燥テトラヒドロフラン(40ml)中の、例8にした
がい製造され、注意深く乾燥された化合物(1.82
g,1.25ミリモル)に、−20℃でアルゴン雰囲気
の下に、テトラブチルアンモニウムフルオライド(0.
1M,テトラヒドロフラン5mlにより稀釈したもの
2.5ml)を滴下して加える。2時間後に、この混合
物を氷上に注ぎ入れ、次いでジエチルエーテルにより充
分に抽出する。この有機相を塩類溶液で洗浄し、次いで
中性まで水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、
次いで濃縮し、残留物をクロマトグラフィ処理する(石
油エーテル/酢酸エチル7:3)。
【0064】生成する乾燥した黄色シロップ状物(1.
4g,1.05ミリモル)を乾燥塩化メチレン(35m
l)中に取り入れ、次いでアルゴン雰囲気の下に、トリ
クロロアセトニトリル(1.5ml,15.8ミリモ
ル)および水素化ナトリウム(10×25mg,1.0
5ミリモル)を加える。この懸濁液を室温で5時間撹拌
し、濾過し、濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラ
フィ(石油エーテル/酢酸エチル8:2)により精製す
る。式VIで示される化合物である、O−(2,3,
4,6−テトラ−O−ベンジル−α−D−ガラクトピラ
ノシル)−(1→3)−O−(2,4,6−トリ−O−
ベンジル−β−D−ガラクトピラノシル)−(1→4)
−O−2−アジド−3,6−ジ−O−ベンジル−2−デ
オキシ−β−D−グルコピラノシルトリクロロアセトイ
ミデートが黄色シロップ状物として得られる(1.1
g,70%)。 R(TLC):0.48(石油エーテル/酢酸エチル
7:3);〔α〕=+30.0(c=1,クロロホル
ム)。
【0065】例 10 塩化メチレン/n−ヘキサン(36ml,1:1)中
の、例9にしたがい製造され、充分に乾燥した化合物
(2.93g,1.97ミリモル)および8−エトキシ
−カルボニルオクタノール(800mg,4.0ミリモ
ル)の溶液に、−15℃でアルゴン雰囲気の下に、三フ
ッ化ホウ素/ジエチルエーテルの溶液(0.1M,塩化
メチレン/n−ヘキサン1:2 3ml中の16.m
l) を加える。約5時間後に、この溶液を重炭酸ナト
リウムの添加により中性にし、濾過し、次いで減圧で蒸
発させ、残留物を前記のとおりにクロマトグラフィに付
する(石油エーテル/ジエチルエーテル6:4)。式I
で示される化合物である、8−エトキシカルボニルオク
ト−1−イルO−(2,3,4,6−テトラ−O−ベン
ジル−α−D−ガラクトピラノシル)−(1→3)−O
−(2,4,6−トリ−O−ベンジル−β−D−ガラク
トピラノシル)−(1→4)−O−2−アジド−3,6
−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−β−D−グルコピ
ラノシドがシロップ状物として得られる(2.6g,8
5%)。
【0066】例 11 ジオキサン(2ml)中の、例10にしたがい製造され
た化合物(246mg,0.16ミリモル)とエタノー
ノ中のHBO2%およびNiCl×6HO4%
の溶液50mlとの混合物に、エタノール中の重炭酸ナ
トリウムの飽和溶液を、出発物質がもはや存在しなくな
るまで滴下して加える(約8時間)。無水酢酸(1.5
ml)を次いで加え、この混合物を4℃でさらに2日間
撹拌する。この懸濁液を氷水で稀釈し、次いで塩化メチ
レンによって数回抽出する。この抽出液を集め、飽和重
炭酸ナトリウム溶液および水で中性まで洗浄し、硫酸マ
グネシウム上で乾燥させ、次いで減圧の下に蒸発させ
る。MPLC(溶出剤:石油エーテル/酢酸エチル6:
4)によって精製した後に、式Iで示される化合物であ
る、8−エトキシカルボニルオクト−1−イル−O−
(2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−α−D−ガ
ラクトピラノシル)−(1→3)−O−(2,4,6−
トリ−O−ベンジル−β−D−ガラクトピラノシル)−
(1→4)−O−2−アセトアミド−3,6−ジ−O−
ベンジル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシドの
シロップ状物242mg(100%)が得られる。 R値(TLC):0.28(石油エーテル/酢酸エチ
ル 6:4)。
【0067】例 12 酢酸エチル/エタノール/水/酢酸(11ml,7:
3:1:0.05)中の、例11にしたがい製造された
化合物(83mg,54μmol)の溶液に、触媒量の
Pd/Cを加え、混合物を水素により還元する。約12
時間後に、この反応を終了させ、この混合物を濾過し、
減圧で濃縮し、次いでMPLCによって精製する(塩化
メチレン/メタノール1:1)。溶剤を留去した後に、
無定形物質として、式Iで示される化合物である、8−
エトキシカルボニルオクト−1−イル−O−α−D−ガ
ラクトピラノシル−(1→3)−β−D−ガラクトピラ
ノシル−(1→4)−O−2−アセトアミド−2−デオ
キシ−β−D−グルコピラノシド(30mg,77%)
が得られる。 R値(TLC):0.16(酢酸エチル/メタノール
/水 8:2:1)。
【0068】例 13 乾燥塩化メチレン(20ml)中の、例5で製造された
化合物(500mg,0.58ミリモル)の溶液に、ア
ルゴン雰囲気の下に、トリクロロアセトニトリル(0.
58ml,5.8ミリモル)および水素化ナトリウム
(6×13.9mg,0.58ミリモル)を加える。室
温で約6時間撹拌した後に、この懸濁液を濾過し、次い
で濃縮し、残留物をSiO上で濾過する(石油エーテ
ル/酢酸エチル6:4)。生成されたエピマー混合物
(グルコ/マンノ)をMPLC(石油エーテル/ジエチ
ルエーテル3:2)により精製し、式Vで示される化合
物である、O−〔4−O−(3−O−アリル−2,4,
6−トリ−O−ベンジル−β−D−ガラクトピラノシ
ル)−2−アジド−3,6−ジ−O−ベンジル−2−デ
オキシ−α−D−グルコピラノシル〕トリクロロアセト
イミデート280mg(48%)を得る。 融点:66〜67℃;R値(TLC):0.51(石
油エーテル/酢酸エチル3:2);〔α〕=+27.
1(c=1,クロロホルム)。
【0069】例 14 塩化メチレン中の三フッ化ホウ素/ジエチルエーテル
(0.1M)の溶液(n−ヘキサン2ml中の0.5m
l)を、−20℃においてアルゴン雰囲気の下に、塩化
メチレン/n−ヘキサン(10ml,1:4)中の8−
エトキシカルボニルオクタノール(98mg,0.20
ミリモル)および例13で製造された化合物(200m
g,0.20ミリモル)の溶液に加える。3時間後に、
この溶液を、固形重炭酸ナトリウムの添加により中性に
し、濾過し、次いで減圧の下に蒸発させる。この残留物
をSiO上における濾過により、次いでMPLC(石
油エーテル/酢酸エチル4:1)により精製する。式V
IIで示される化合物である、8−エトキシカルボニル
オクト−1−イルO−2−アジド−3,6−ジ−O−ベ
ンジル−4−O−(3−O−アリル−2,4,6−トリ
−O−ベンジル−β−D−ガラクトピラノシル)−2−
デオキシ−β−D−グルコピラノシド(115mg,5
5%)が純粋な形で得られる。 R(TLC):0.32(石油エーテル/酢酸エチル
4:1);〔α〕=−14.8(c=1,クロロホ
ルム)。
【0070】例 15 例14にしたがい製造された化合物(535mg,0.
513ミリモル)をトルエン/エタノール/水(30m
l,3:8:2)中に溶解し、この溶液にトリス(トリ
フェニルホスフィン)−ロジウム(I)クロライド(7
2mg,0.08ミリモル)を加える。還流の下に約3
時間後に、出発物質はもはや存在しない。この混合物を
蒸発させ、残留物を塩化メチレン中に取り入れ、この混
合物を水で洗浄し、次いで再び蒸発させ、この残留物を
アセトン/水(20ml,10:1)中に溶解し、次い
でHgO(17mg,0.078ミリモル)およびHg
Cl(706mg,2.60ミリモル)を加える。室
温で1時間後に、この混合物を濃縮し、残留物を塩化メ
チレンで稀釈し、この有機相を水およびヨー化カリウム
溶液で洗浄し、乾燥させ、次いで濃縮する。
【0071】この残留物をフラッシュクロマトグラフィ
(石油エーテル/酢酸エチル8:2)により精製し,式
VIIで示される化合物である、8−エトキシカルボニ
ルオクト−1−イルO−2−アジド−3,6−ジ−O−
ベンジル−4−O−(2,4,6−トリ−O−ベンジル
−β−D−ガラクトピラノシル)−2−デオキシ−β−
D−グルコピラノシド(455mg,89%)を粘性液
体として得る。 R(TLC):0.43(石油エーテル/酢酸エチル
7:3);〔α〕=−17.7(c=1,クロロホル
ム)。
【0072】例 16 乾燥ジエチルエーテル(3ml)中のα−ガラクトピラ
ノシルトリクロロアセトイミデート(116mg,0.
17ミリモル)および例15にしたがい製造された化合
物(141mg,0.141ミリモル)の溶液に、室温
でアルゴン雰囲気の下に、トリメチルシリルトリフルオ
ロメタンスルホネートの溶液(0.1M,ジエチルエー
テル1mlで稀釈した0.2ml)を滴下して加える。
3時間後に、固形の重炭酸ナトリウムを加え、この混合
物を濾過し、次いで濃縮する。この残留物をMPLC
(石油エーテル/ジエチルエーテル1:1)により精製
する。
【0073】式Iで示される化合物である、8−エトキ
シカルボニルオクト−1−イルO−(2,3,4,6−
テトラ−O−ベンジル−α−D−ガラクトピラノシル)
−(1→3)−O−(2,4,6−トリ−O−ベンジル
−β−D−ガラクトピラノシル)−(1→4)−O−
(2−アジド−3,6−ジ−O−ベンジル−2−デオキ
シ−β−D−グルコピラノシド)と8−エトキシカルボ
ニルオクト−1−イル−O−(2,3,4,6−テトラ
−O−ベンジル−β−D−ガラクトピラノシル)−(1
→3)−O−(2,4,6−トリ−O−ベンジル−β−
D−ガラクトピラノシル)−(1→4)−O−(2−ア
ジド−3,6−ジ−O−ベンジル−2−デオキシ−β−
D−グルコピラノシド)との混合物(170mg,79
%)が得られる。
【0074】異性体は、新しいMPLCによって分離す
ることができる。相当するα−異性体は、61%の量で
得られ、望ましくない相当するβ−異性体は17%の量
で得られる。 R値(TLC)α−異性体:0.21(石油エーテル
/酢酸エチル6:4) R値(TLC)β−異性体:0.28(石油エーテル
/酢酸エチル6:4)。
【0075】例 17 少量の塩化メチレン(約3ml)中の、例13にしたが
い製造されたドナー化合物(200mg,0.20ミリ
モル)および例7にしたがい製造されたアクセプタ−化
合物(186mg,0.20ミリモル)からなる溶液
を、アルゴン雰囲気の下に−20℃に冷却させ、次いで
n−ヘキサン(8ml)を加える。この反応は、トリメ
チルシリルトリフルオロメタンスルホネート溶液(0.
1M,塩化メチレン)を滴加することによって、n−ヘ
キサン中で開始する。約1時間後に、この溶液を、前記
の諸例に記載のとおりに、洗浄し、中性にし、濾過し、
次いで濃縮する。
【0076】この残留物をシリカゲル上で濾過し、次い
でMPLC(石油エーテル/酢酸エチル8:2)により
さらに精製する。溶剤を蒸発させた後に、シロップ状物
として、式VIIIで示される化合物である、tert
−ブチルジメチルシリルO−(3−O−アリル−2,
4,6−トリ−O−ベンジル−β−D−ガラクトピラノ
シル)−(1→4)−O−(2−アジド−3,6−ジ−
O−ベンジル−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシ
ル)−(1→3)−O−(2,4,6−トリ−O−ベン
ジル−β−D−ガラクトピラノシル)−(1→4)−O
−(2−アジド−3,6−ジ−O−ベンジル−2−デオ
キシ−β−D−グルコピラノシド(255mg,72
%)が得られる。 R(TLC):0.37(石油エーテル/酢酸エチル
8:2);〔α〕=−33.5(c=1,クロロホル
ム)。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式Iで表わされる、α(1−3),
    β(1−4)−配位を有するトリサッカライド化合物
    を、ラクトースから立体選択的に製造する方法であっ
    て、 【化1】 (式中、Rは、HまたはR′CH−であり、 R′はHであるか、またはC原子1〜3個を有するアル
    キルあるいはフェニルであり、このフェニルは、非置換
    であるか、またはハロゲン、OH、アルキルあるいはO
    −アルキルによって置換されており、 Sは、スペーサーであり、そしてXは、Nまたは−N
    HCOCHである) (i) ラクトースをD−ラクタールに変換し; (ii) D−ラクタールを部分的にアルキル化して、
    下記式IIで表わされる新規なラクタール誘導体を生成
    させ: 【化2】 (式中、Rは、R′CH−または−CH−CH=C
    であり、 Rは、H、R′CH−、−CH−CH=CH
    たはR′−C(O)−であり、そしてR′はHである
    か、あるいはC原子1〜3個を有するアルキルまたはフ
    ェニルであり、このフェニルは非置換であるか、あるい
    はハロゲン、OH、アルキルまたはO−アルキルにより
    置換されている) (iii) 式IIにおいて、Rが−CH−CH=C
    であり、そしてRがHである化合物をR′CH
    −により完全に保護されているモノアリル化合物に変換
    し; (iv) この化合物をアジドナイトレーションによっ
    て、下記式IIIで表わされるアジド−ラクトース誘導
    体に立体選択的に変換し: 【化3】 (式中、RはR′CH−であり、そしてR′は前記の
    意味を有する) (v) この式IIIで示される化合物を下記式IVで
    示されるアジド−ラクトース誘導体に立体選択的に変換
    するか(この場合に、初めに生成しているアリル化合物
    はそのアリル基の分離によって遊離OHを有する化合物
    に変換され、そのシリル基はβ−配位を有する)、ある
    いは下記式Vで示される活性アジド−ラクトース誘導体
    に立体選択的に変換し: 【化4】 (式IVおよび式Vにおいて、RはR′CH−であ
    り、RはアリルまたはHであり、RはC〜Cアル
    キルまたはフェニルであり、そしてR′は前記の意味を
    有し、トリクロロアセトイミデート基(O−C(=N
    H)CCl)は好ましくはα−配位を有する) (vi) 式IVまたは式Vで示されるジサッカライド
    化合物を、これにガラクトピラノシル基を導入し、そし
    てこのグルコピラノシル環のグリコシド基をスペーサー
    基−O−Sにより置換することによって、式Iにおい
    て、RがR′CHであり、XがNであり、そしてS
    がスペーサーであり、R′が前記の意味を有し、そして
    上記のスペーサー基がβ−配位を有する化合物に変換
    し;次いで (vii) 必要に応じて、上記のアジド基を−NHC
    OCHに還元し、そしてまた上記のOR基をOH基に
    還元する;ことを特徴とする式Iで表わされるトリサッ
    カライドの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の製造方法において、工程ii
    を、ジブチルスズオキシドの存在の下に行なうことを特
    徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 請求項1の製造方法において、工程vi
    にしたがい、式IVで示されるジサッカライド化合物を
    α−ガラクトピラノシルトリクロロアセトイミデートと
    立体選択的に反応させて、下記式VIで示されるα(1
    −3),β(1−4)−配位を有する化合物を生成さ
    せ: 【化5】 (式中、RはR′CH−であり、Yはβ−OSiR
    またはα−OC(=NH)CClであり、そして
    R′およびRは前記の意味を有する)次いで、初めに
    β−位に存在するO−シリル基をα−位に存在するOC
    (=NH)CCl基によって置き換え、このようにし
    て得られた化合物をスペーサー試薬と反応させて、式I
    で示される化合物を生成させることを特徴とする請求項
    1もしくは2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載された工程viにしたが
    い、式Vで示されるジサッカライド化合物をスペーサー
    試薬と反応させて、下記式VIIで示され化合物を生成
    させ: 【化6】 (式中、RはR′CH−であり、Rはアリルまたは
    Hであり、XはNまたは−NHCOCHであり、S
    はスペーサーであり、そしてR′は前記の意味を有す
    る)初めに生成されるアリル化合物の保護を、そのアリ
    ル保護基を分離することによって解除して、遊離OHを
    有する化合物を生成させ、そしてこの化合物をα−ガラ
    クトピラノシルトリクロロアセトイミデートと反応させ
    て、式Iで示される化合物を生成させることを特徴とす
    る請求項1または2に記載の方法。
  5. 【請求項5】 式 S−OH〔式中、Sは−(CH
    −COOR″であり、このR″はC〜Cアルキル
    であり、そしてnは4〜12の整数である〕で示される
    化合物をスペーサー試薬として使用することを特徴とす
    る、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の式IIで示される新規
    なラクタール誘導体。
  7. 【請求項7】 請求項1または6に記載の式IIで示さ
    れる化合物の製造方法であって、グリカール化合物、好
    ましくはD−ラクタールをジブチルスズオキシドおよび
    R−Hal(式中、RはアリルまたはR′CH−であ
    り、HalはCl、Br、FまたはIであり、そして
    R′は前記の意味を有する)と反応させることを特徴と
    する方法。
  8. 【請求項8】 請求項3に記載の式VIで示される、α
    (1−3),β(1−4)配位を有する新規なトリサッ
    カライド化合物。
  9. 【請求項9】 請求項4に記載の式VIIにおいて、S
    が式−(CH−COR″(式中、R″は前記の意
    味を有する)で示されるスペーサーである、β(1−
    4)配位を有する新規なジサッカライド化合物。
  10. 【請求項10】 下記式VIIIで示される新規なβ−
    結合オリゴラクトースアミン化合物: 【化7】 (式中、Rは、Hまたはアリルであり、 Rは、HまたはR′CH−であり、 Xは、Nまたは−NHCOCHであり、 Yは、β−OSiR またはα−O−C(=NH)C
    Clであり、 Rは、C〜Cアルキルまたはフェニルであり、そ
    してmは、1〜4の整数であり、そしてR′は前記の意
    味を有する)
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の式VIIIで示さ
    れる化合物をラクトースから立体選択的に製造する方法
    であって、請求項1に記載の方法における工程i〜vを
    行ない、そして式IVにおいて、RがHである化合物を
    ルイス酸、好ましくはトリメチルシリルトリフルオロメ
    タンスルホネートを用いる手段により式Vで示される化
    合物と反応させて、式VIIIで示されるテトラサッカ
    ライド(m=1)を生成させ、必要に応じて、この化合
    物を同様の方法により、式Vで示される化合物1種また
    は2種以上と反応させて、相当するオリゴサッカライド
    化合物(m>1)を生成させることを特徴とする方法。
JP4194465A 1991-06-13 1992-06-12 糖エピトープの製造方法 Pending JPH05202086A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE4119472A DE4119472A1 (de) 1991-06-13 1991-06-13 Verfahren zur stereoselektiven herstellung von gal-(alpha)(1-3)/gal-(beta)(1-4)/glcnac-trisacchariden und von neuen (beta)(1-3)-verknuepften oligolactosaminen ueber neue partiell alkylierte glykale
DE4119472.1 1991-06-13

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05202086A true JPH05202086A (ja) 1993-08-10

Family

ID=6433838

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4194465A Pending JPH05202086A (ja) 1991-06-13 1992-06-12 糖エピトープの製造方法

Country Status (14)

Country Link
US (1) US5319077A (ja)
EP (1) EP0518270A1 (ja)
JP (1) JPH05202086A (ja)
KR (1) KR930000532A (ja)
AU (1) AU1818692A (ja)
CA (1) CA2071050A1 (ja)
CS (1) CS176292A3 (ja)
DE (1) DE4119472A1 (ja)
HU (1) HUT62305A (ja)
IE (1) IE921917A1 (ja)
MX (1) MX9202805A (ja)
NO (1) NO922331L (ja)
PL (1) PL294864A2 (ja)
ZA (1) ZA924324B (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5977079A (en) * 1992-08-21 1999-11-02 Alberta Research Council Edmonton Compositions for attenuating antibody- mediated xenograft rejection in human recipients
US6303120B1 (en) * 1994-03-15 2001-10-16 Memorial Sloan-Kettering Institute For Cancer Research Synthesis of glycoconjugates of the lewis y epitope and uses thereof
ATE546457T1 (de) * 1999-03-19 2012-03-15 Waldemar Priebe Verfahren und zusammensetzungen zur herstellung von c-3' und c-4' -anthracyclin antibiotika

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DK455088D0 (da) * 1988-08-12 1988-08-12 Symbicom Ab Syntetiske receptoranaloger

Also Published As

Publication number Publication date
DE4119472A1 (de) 1992-12-17
NO922331L (no) 1992-12-14
EP0518270A1 (de) 1992-12-16
US5319077A (en) 1994-06-07
MX9202805A (es) 1992-12-01
PL294864A2 (en) 1993-03-08
HUT62305A (en) 1993-04-28
KR930000532A (ko) 1993-01-15
ZA924324B (en) 1993-03-31
HU9201967D0 (en) 1992-09-28
AU1818692A (en) 1992-12-17
CS176292A3 (en) 1992-12-16
IE921917A1 (en) 1992-12-16
CA2071050A1 (en) 1992-12-14
NO922331D0 (no) 1992-06-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2518739B2 (ja) 腫瘍抑制サツカライド包合体
JPH0138798B2 (ja)
Madsen et al. Studies related to synthesis of glycophosphatidylinositol membrane-bound protein anchors. 6. Convergent assembly of subunits
JP2546659B2 (ja) ポドフイロトキシン型化合物の製造方法
SG171990A1 (en) Process for the synthesis of l-fucosyl di- or oligosaccharides and novel 2,3,4 tribenzyl-fucosyl derivatives intermediates thereof
Du et al. The recognition of three different epitopes for the H-type 2 human blood group determinant by lections of Ulex europaeus, Galactia tenuiflora and Psophocarpus tetragonolobus (Winged Bean)
JPH09511530A (ja) 合成インスリン模倣物質
JPS6345293A (ja) シアロシルセラミド類及びその製造方法
Berlin et al. Glycosyl-inositol derivatives: III. Synthesis of hexosamine-inositolphosphates related to putative insulin mediators
Schaubach et al. Tumor‐associated antigen synthesis synthesis of the gal‐α‐(1→ 3)‐gal‐β‐(1→ 4)‐GlcNAc epitope a specific determinant for metastatic progression?
Lafont et al. A convenient access to β-glycosides of N-acetyllactosamine
JPH05202086A (ja) 糖エピトープの製造方法
US5101026A (en) Ganglioside related compounds and method of producing the same
JP2578399B2 (ja) ステロイド−β−O−セロビオシドヘプタアルカノエートの製造方法
JP6140830B2 (ja) α−ガラクトシルセラミド化合物の製造方法
Slife et al. “Standardized intermediates” for oligosaccharide synthesis. Precursors of β-linked, interior d-galactopyranose units having chain extension at position 4, or positions 4 and 2
Pozsgay et al. A Novel Approach to N-Acetyl-neuraminic Acid-Containing Oligosaccharides. Synthesis of a Glycosyl Donor Derivative of α-N-Acetyl-D-neuraminyl-(2-6)-D-galactose
US4871837A (en) Hydroxy protection groups
JP2625620B2 (ja) フコシル‐グルコサミン誘導体
Cherif et al. A synthetic approach to the glycan chain of high mannose type N-glycoprotein
JP2002503668A (ja) Gm3を合成する方法
JP2000512273A (ja) 高収率立体特異性マンノシル化
CA2455229A1 (en) Stereoselective method of producing 6.alpha.-fluoropregnanes and intermediaries
EP0365973B1 (de) Verfahren zur Herstellung von 4-0-Alkyl-Rhodomycinen
CN116003488A (zh) β选择性糖基化反应用糖基供体及其制备方法和应用