JPH05201130A - 熱可逆性記録媒体 - Google Patents
熱可逆性記録媒体Info
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- JPH05201130A JPH05201130A JP3147274A JP14727491A JPH05201130A JP H05201130 A JPH05201130 A JP H05201130A JP 3147274 A JP3147274 A JP 3147274A JP 14727491 A JP14727491 A JP 14727491A JP H05201130 A JPH05201130 A JP H05201130A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 サーマルヘッド等の加熱手段により印字記録
でき、しかも同じ記録媒体に繰り返し直接目に見える形
で印字記録することのできる熱可逆性記録媒体を提供す
る。 【構成】 透明プラスチックからなる透明支持体11の
下面に、加熱する温度の差により透明状態と白濁の不透
明状態とが可逆的に変化し、且つ常温でそれぞれの状態
の維持が可能な熱可逆記録・表示層12を設け、その下
面に反射層又は光吸収層13を設け、さらにその下面に
保護層14を設けた。この熱可逆性記録媒体は視覚情報
の記録及び消去が何度でも行なえる。
でき、しかも同じ記録媒体に繰り返し直接目に見える形
で印字記録することのできる熱可逆性記録媒体を提供す
る。 【構成】 透明プラスチックからなる透明支持体11の
下面に、加熱する温度の差により透明状態と白濁の不透
明状態とが可逆的に変化し、且つ常温でそれぞれの状態
の維持が可能な熱可逆記録・表示層12を設け、その下
面に反射層又は光吸収層13を設け、さらにその下面に
保護層14を設けた。この熱可逆性記録媒体は視覚情報
の記録及び消去が何度でも行なえる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サーマルヘッド等の熱
的手段により視覚情報の記録・消去を繰り返し行うこと
のできる熱可逆性記録媒体に関する。
的手段により視覚情報の記録・消去を繰り返し行うこと
のできる熱可逆性記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、画像形成に発熱記録素子を用いて
記録する装置は、発熱記録素子が低価格であり、また記
録プロセスがシンプルであり、装置価格が安くできると
いう特徴を持っているので、記録装置として広く利用さ
れていた。その種類としては、感熱紙に直接書き込みを
行う感熱記録方法が知られており、FAXやプリンタに
応用されている。
記録する装置は、発熱記録素子が低価格であり、また記
録プロセスがシンプルであり、装置価格が安くできると
いう特徴を持っているので、記録装置として広く利用さ
れていた。その種類としては、感熱紙に直接書き込みを
行う感熱記録方法が知られており、FAXやプリンタに
応用されている。
【0003】この方法に使用される記録紙は、特公昭4
5−14039号公報に示されるように、電子供与体で
ある無色染料(ロイコ染料)と電子受容体である顕色剤
(フェノール系酸性物質)との発色反応を利用し、この
両者とこれらの反応を助ける感熱層を設けたものであ
る。この記録紙に記録装置の発熱記録素子からの熱エネ
ルギーが加わると無色染料、顕色剤が溶解して反応し、
発色する。この発色した部分と発色しない部分とで濃度
差が生じることにより、文字、像として記録され視覚で
認識されるものである。
5−14039号公報に示されるように、電子供与体で
ある無色染料(ロイコ染料)と電子受容体である顕色剤
(フェノール系酸性物質)との発色反応を利用し、この
両者とこれらの反応を助ける感熱層を設けたものであ
る。この記録紙に記録装置の発熱記録素子からの熱エネ
ルギーが加わると無色染料、顕色剤が溶解して反応し、
発色する。この発色した部分と発色しない部分とで濃度
差が生じることにより、文字、像として記録され視覚で
認識されるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
記録装置において、カード又はシート等の記録媒体に目
に見える形で表記、即ち、印字記録し、この印字記録し
た部分を全部消去することにより再生し、この再生した
部分に新たな印字記録を行うものはなかった。したがっ
て、一度記録した感熱記録紙は情報が不要になれば破棄
するしかなく、今日のような情報通信時代においては、
その廃棄量が莫大となり、そのため資源の消費が増加し
ていた。また、省資源の目的で再生紙の使用が奨励され
増加しているが、再生紙を作るに際しても資源は消費さ
れている。
記録装置において、カード又はシート等の記録媒体に目
に見える形で表記、即ち、印字記録し、この印字記録し
た部分を全部消去することにより再生し、この再生した
部分に新たな印字記録を行うものはなかった。したがっ
て、一度記録した感熱記録紙は情報が不要になれば破棄
するしかなく、今日のような情報通信時代においては、
その廃棄量が莫大となり、そのため資源の消費が増加し
ていた。また、省資源の目的で再生紙の使用が奨励され
増加しているが、再生紙を作るに際しても資源は消費さ
れている。
【0005】ところで、直接目に見える形で記録媒体に
印字記録し、この印字記録した部分を全部消去して再生
し、この再生した部分に新たな印字記録をすることによ
り、繰り返し使える記録媒体及び印字装置の開発ができ
れば、省資源となり望ましい。そこで、本発明は、カー
ド又は用紙等の記録媒体に目に見える形で印字記録し、
この印字記録した部分を全部消去することにより再生
し、この再生した部分に新たな印字記録を行うことので
きる、即ち、同じ記録媒体に繰り返し直接目に見える形
で印字記録することのできる熱可逆性記録媒体を提供す
ることを目的とする。
印字記録し、この印字記録した部分を全部消去して再生
し、この再生した部分に新たな印字記録をすることによ
り、繰り返し使える記録媒体及び印字装置の開発ができ
れば、省資源となり望ましい。そこで、本発明は、カー
ド又は用紙等の記録媒体に目に見える形で印字記録し、
この印字記録した部分を全部消去することにより再生
し、この再生した部分に新たな印字記録を行うことので
きる、即ち、同じ記録媒体に繰り返し直接目に見える形
で印字記録することのできる熱可逆性記録媒体を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記した問題点を解決す
るために本発明は、透明プラスチックからなる透明支持
体と、該透明支持体の下面に形成された、加熱により透
明状態と白濁の不透明状態とが可逆的に変化し、かつ常
温でそれぞれの状態の維持が可能な熱可逆性材料よりな
る熱可逆記録・表示層と、該熱可逆記録・表示層の下面
に形成された反射層又は光吸収層と、該反射層又は光吸
収層の下面に形成された保護層とを順次備えたことを特
徴とする熱可逆性記録媒体とするものである。
るために本発明は、透明プラスチックからなる透明支持
体と、該透明支持体の下面に形成された、加熱により透
明状態と白濁の不透明状態とが可逆的に変化し、かつ常
温でそれぞれの状態の維持が可能な熱可逆性材料よりな
る熱可逆記録・表示層と、該熱可逆記録・表示層の下面
に形成された反射層又は光吸収層と、該反射層又は光吸
収層の下面に形成された保護層とを順次備えたことを特
徴とする熱可逆性記録媒体とするものである。
【0007】また本発明は、透明プラスチックからなる
透明支持体と、該透明支持体の下面に加熱により透明状
態と白濁の不透明状態とが可逆的に変化し、かつ常温で
それぞれの状態の維持が可能な熱可逆性材料よりなる熱
可逆記録・表示層と、該熱可逆記録・表示層の下面に形
成されたエンハンス層と、該エンハンス層の下面に形成
された反射層又は光吸収層と、該反射層又は光吸収層の
下面に形成された保護層とを順次備えたことを特徴とす
る熱可逆性記録媒体とするものである。
透明支持体と、該透明支持体の下面に加熱により透明状
態と白濁の不透明状態とが可逆的に変化し、かつ常温で
それぞれの状態の維持が可能な熱可逆性材料よりなる熱
可逆記録・表示層と、該熱可逆記録・表示層の下面に形
成されたエンハンス層と、該エンハンス層の下面に形成
された反射層又は光吸収層と、該反射層又は光吸収層の
下面に形成された保護層とを順次備えたことを特徴とす
る熱可逆性記録媒体とするものである。
【0008】また本発明は、透明プラスチックからなる
透明支持体と、該透明支持体の下面に形成された、加熱
により透明状態と白濁の不透明状態とが可逆的に変化
し、かつ常温でそれぞれの状態の維持が可能な熱可逆性
材料よりなる熱可逆記録・表示層と、該熱可逆記録・表
示層の下面に形成された反射層又は光吸収層と、反射層
又は光吸収層の下面に形成されたコード化された情報を
記録する記録層と、該記録層の下面に形成された保護層
とを順次備えたことを特徴とする熱可逆性記録媒体とす
るものである。
透明支持体と、該透明支持体の下面に形成された、加熱
により透明状態と白濁の不透明状態とが可逆的に変化
し、かつ常温でそれぞれの状態の維持が可能な熱可逆性
材料よりなる熱可逆記録・表示層と、該熱可逆記録・表
示層の下面に形成された反射層又は光吸収層と、反射層
又は光吸収層の下面に形成されたコード化された情報を
記録する記録層と、該記録層の下面に形成された保護層
とを順次備えたことを特徴とする熱可逆性記録媒体とす
るものである。
【0009】また本発明は、透明プラスチックからなる
透明支持体と、該透明支持体の下面に加熱により透明状
態と白濁の不透明状態とが可逆的に変化し、かつ常温で
それぞれの状態の維持が可能な熱可逆性材料よりなる熱
可逆記録・表示層と、該熱可逆記録・表示層の下面に形
成されたエンハンス層と、該エンハンス層の下面に形成
された反射層又は光吸収層と、該反射層又は光吸収層の
下面に形成されたコード化された情報を記録する記録層
と、該記録層の下面に形成された保護層とを順次備えた
ことを特徴とする熱可逆性記録媒体とするものである。
透明支持体と、該透明支持体の下面に加熱により透明状
態と白濁の不透明状態とが可逆的に変化し、かつ常温で
それぞれの状態の維持が可能な熱可逆性材料よりなる熱
可逆記録・表示層と、該熱可逆記録・表示層の下面に形
成されたエンハンス層と、該エンハンス層の下面に形成
された反射層又は光吸収層と、該反射層又は光吸収層の
下面に形成されたコード化された情報を記録する記録層
と、該記録層の下面に形成された保護層とを順次備えた
ことを特徴とする熱可逆性記録媒体とするものである。
【0010】また本発明は、本発明の熱可逆性記録媒体
に使用される熱可逆性材料として、ポリビニルブチラー
ルからなるマトリクス材と飽和カルボン酸又は該飽和カ
ルボン酸の誘導体とを含有した材料を用いるものであ
る。また本発明は、本発明の熱可逆性記録媒体に使用さ
れる熱可逆性材料として、スチレン・ブタジエン共重合
体からなるマトリクス材と飽和カルボン酸又は該飽和カ
ルボン酸の誘導体とを含有した材料を用いるものであ
る。
に使用される熱可逆性材料として、ポリビニルブチラー
ルからなるマトリクス材と飽和カルボン酸又は該飽和カ
ルボン酸の誘導体とを含有した材料を用いるものであ
る。また本発明は、本発明の熱可逆性記録媒体に使用さ
れる熱可逆性材料として、スチレン・ブタジエン共重合
体からなるマトリクス材と飽和カルボン酸又は該飽和カ
ルボン酸の誘導体とを含有した材料を用いるものであ
る。
【0011】また本発明は、本発明の熱可逆性記録媒体
に使用される熱可逆性材料として、無定形エチレン・プ
ロピレンからなるマトリクス材と飽和カルボン酸又は該
飽和カルボン酸の誘導体とを含有した材料を用いるもの
である。また本発明は、本発明の熱可逆性記録媒体に使
用される熱可逆性材料として、トランスポリイソプレン
からなるマトリクス材と飽和カルボン酸又は該飽和カル
ボン酸の誘導体とを含有した材料を用いるものである。
に使用される熱可逆性材料として、無定形エチレン・プ
ロピレンからなるマトリクス材と飽和カルボン酸又は該
飽和カルボン酸の誘導体とを含有した材料を用いるもの
である。また本発明は、本発明の熱可逆性記録媒体に使
用される熱可逆性材料として、トランスポリイソプレン
からなるマトリクス材と飽和カルボン酸又は該飽和カル
ボン酸の誘導体とを含有した材料を用いるものである。
【0012】また、本発明の熱可逆性記録媒体は、透明
支持体における周辺部に、すなわち、熱可逆記録・表示
層に印字記録された視覚情報を透過する透明支持体にお
いて、あまり視覚情報のない熱可逆記録・表示層の周辺
部に対応する透明支持体の周辺部に、文字や図形を印刷
したものである。また、本発明の熱可逆性記録媒体に用
いる反射層又は光吸収層は、白色に対してコントラスト
の大きい黒色や赤色等を印刷して形成した着色層とする
ものである。
支持体における周辺部に、すなわち、熱可逆記録・表示
層に印字記録された視覚情報を透過する透明支持体にお
いて、あまり視覚情報のない熱可逆記録・表示層の周辺
部に対応する透明支持体の周辺部に、文字や図形を印刷
したものである。また、本発明の熱可逆性記録媒体に用
いる反射層又は光吸収層は、白色に対してコントラスト
の大きい黒色や赤色等を印刷して形成した着色層とする
ものである。
【0013】また、本発明の熱可逆性記録媒体に用いる
反射層又は光吸収層は、白色に対してコントラストの大
きい複数色を印刷して形成した着色層とするものであ
る。また、本発明の熱可逆性記録媒体に用いる反射層又
は光吸収層は、螢光塗料を含む塗料で印刷した層とする
ものである。また、本発明の熱可逆性記録媒体に用いる
反射層又は光吸収層は、熱伝導率のよいカーボン粉又は
金属粉を含む塗料で印刷した層とするものである。
反射層又は光吸収層は、白色に対してコントラストの大
きい複数色を印刷して形成した着色層とするものであ
る。また、本発明の熱可逆性記録媒体に用いる反射層又
は光吸収層は、螢光塗料を含む塗料で印刷した層とする
ものである。また、本発明の熱可逆性記録媒体に用いる
反射層又は光吸収層は、熱伝導率のよいカーボン粉又は
金属粉を含む塗料で印刷した層とするものである。
【0014】
【作用】本発明は、以上のように熱可逆性記録媒体を構
成したので、熱可逆記録・表示層は、サーマルヘッド等
の熱的手段により、例えば70〜200℃までの範囲内
の温度に熱した場合、透明状態になり、これを室温まで
冷却すると、透明状態が固定される。続いて例えば57
〜70℃の範囲内の温度に熱した場合、不透明状態にな
り、これを室温まで冷却すると、不透明状態が固定され
る。これにより、視覚情報を繰り返し記録/消去するこ
とが可能になる。さらに、本発明では視覚情報は厚い透
明支持体側から認識する構成となっているために、この
透明支持体上に水性、油性サインペン等により追記した
り、この追記した情報をアルコールのような溶剤により
消去することができる。
成したので、熱可逆記録・表示層は、サーマルヘッド等
の熱的手段により、例えば70〜200℃までの範囲内
の温度に熱した場合、透明状態になり、これを室温まで
冷却すると、透明状態が固定される。続いて例えば57
〜70℃の範囲内の温度に熱した場合、不透明状態にな
り、これを室温まで冷却すると、不透明状態が固定され
る。これにより、視覚情報を繰り返し記録/消去するこ
とが可能になる。さらに、本発明では視覚情報は厚い透
明支持体側から認識する構成となっているために、この
透明支持体上に水性、油性サインペン等により追記した
り、この追記した情報をアルコールのような溶剤により
消去することができる。
【0015】
【実施例1】図1は、本発明の実施例を示す熱可逆性記
録媒体の一構成を示す断面図である。本実施例を図1に
基づいて説明する。この熱可逆性記録媒体は、例えば、
膜厚100μmのポリエステルシートからなる透明支持
体11を有し、その透明支持体11の下面に、膜厚20
μmの熱可逆記録・表示層12が形成されている。さら
にその下面に、黒色に印刷した反射層又は光吸収層13
が形成されている。この実施例の反射層又は光吸収層1
3は黒色に印刷されているので、光吸収層として作用す
る。さらにその下面に、膜厚5μmのポリエステルシー
トによる保護層14が形成されている。
録媒体の一構成を示す断面図である。本実施例を図1に
基づいて説明する。この熱可逆性記録媒体は、例えば、
膜厚100μmのポリエステルシートからなる透明支持
体11を有し、その透明支持体11の下面に、膜厚20
μmの熱可逆記録・表示層12が形成されている。さら
にその下面に、黒色に印刷した反射層又は光吸収層13
が形成されている。この実施例の反射層又は光吸収層1
3は黒色に印刷されているので、光吸収層として作用す
る。さらにその下面に、膜厚5μmのポリエステルシー
トによる保護層14が形成されている。
【0016】前記透明支持体11としては、ポリエステ
ルを用いたが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、セロファン、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、ポ
リビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレ
ン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、
ポリサルホン、フッ素樹脂、ポリアクリロニトリル、ポ
リエーテルサルファン、ポリブタジエン等の透明なプラ
スチックが使用できる。また、透明支持体11の膜厚は
熱可逆記録・表示層12を維持できる厚さでよく25μ
m〜1mmが望ましい。
ルを用いたが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、セロファン、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、ポ
リビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレ
ン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、
ポリサルホン、フッ素樹脂、ポリアクリロニトリル、ポ
リエーテルサルファン、ポリブタジエン等の透明なプラ
スチックが使用できる。また、透明支持体11の膜厚は
熱可逆記録・表示層12を維持できる厚さでよく25μ
m〜1mmが望ましい。
【0017】また必要に応じて、透明支持体11の記録
部に相当する部分以外の部分に、文字や図形を印刷する
ことができる。前記熱可逆記録・表示層12には、例え
ば、ポリビニルブチラールとして本実施例では、積水化
学工業(株)のエスレックB(商品名)を用いた。ま
た、飽和カルボン酸又はその誘導体として、ステアリン
酸を用いた。そして、エスレックB5重量部と、ステア
リン酸3重量部とを50重量部のテトラヒドロフラン
(以下、THFと略す)に溶解させて、本実施例の熱可
逆性材料の塗布溶液を調製した。この溶液を、バーコー
ト法により塗布し、乾燥後の膜厚を20μmになるよう
にした。
部に相当する部分以外の部分に、文字や図形を印刷する
ことができる。前記熱可逆記録・表示層12には、例え
ば、ポリビニルブチラールとして本実施例では、積水化
学工業(株)のエスレックB(商品名)を用いた。ま
た、飽和カルボン酸又はその誘導体として、ステアリン
酸を用いた。そして、エスレックB5重量部と、ステア
リン酸3重量部とを50重量部のテトラヒドロフラン
(以下、THFと略す)に溶解させて、本実施例の熱可
逆性材料の塗布溶液を調製した。この溶液を、バーコー
ト法により塗布し、乾燥後の膜厚を20μmになるよう
にした。
【0018】前記熱可逆記録・表示層13に用いること
のできる材料には、ポリビニルブチラールからなるマト
リクス材と、飽和カルボン酸又はその誘導体とを所定の
比率で含有した熱可逆性材料である。飽和カルボン酸又
はその誘導体は、それぞれ単独でも、混合しても用いる
ことができる。本発明で使用できる飽和カルボン酸とし
ては、次のものに限らないが、カプリン酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラ
キン酸、ベヘン酸、リグノセリ酸等が好適に用いられ
る。これらの化合物は炭素数が、10〜24の飽和カル
ボン酸である。また、その誘導体としては、次のものに
限らないが、ステアリン酸アミド等のアミド、ドデシル
アミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、ス
テアリルアミン等のアミン、パルミトアニリド、ステア
リルアニリド等のアニリド、セチルアルコール、ステア
リルアルコール、エイコサノール、ドコサノール等のア
ルコール、ステアリン酸フェニル、ステアリン酸ビニ
ル、ステアリン酸n−ドデシル等のエステル、ステアリ
ン酸カルシウム等の金属塩、2−ヘプタデシルイミダゾ
ール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ステアリルイ
ミダゾール等のイミダゾール、等の炭素数が10〜24
の飽和カルボン酸の誘導体が好適である。
のできる材料には、ポリビニルブチラールからなるマト
リクス材と、飽和カルボン酸又はその誘導体とを所定の
比率で含有した熱可逆性材料である。飽和カルボン酸又
はその誘導体は、それぞれ単独でも、混合しても用いる
ことができる。本発明で使用できる飽和カルボン酸とし
ては、次のものに限らないが、カプリン酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラ
キン酸、ベヘン酸、リグノセリ酸等が好適に用いられ
る。これらの化合物は炭素数が、10〜24の飽和カル
ボン酸である。また、その誘導体としては、次のものに
限らないが、ステアリン酸アミド等のアミド、ドデシル
アミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、ス
テアリルアミン等のアミン、パルミトアニリド、ステア
リルアニリド等のアニリド、セチルアルコール、ステア
リルアルコール、エイコサノール、ドコサノール等のア
ルコール、ステアリン酸フェニル、ステアリン酸ビニ
ル、ステアリン酸n−ドデシル等のエステル、ステアリ
ン酸カルシウム等の金属塩、2−ヘプタデシルイミダゾ
ール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ステアリルイ
ミダゾール等のイミダゾール、等の炭素数が10〜24
の飽和カルボン酸の誘導体が好適である。
【0019】また、前記マトリクス材と、飽和カルボン
酸又はその誘導体の混合比は、飽和カルボン酸又はその
誘導体を重量比でいって、1:2より多く含ませると熱
可逆性材料の成膜が困難となり、20:1より少なくす
ると熱可逆性が小さくなるので、1:2〜20:1の範
囲内とするのが好適である。また、本発明でいう、ポリ
ビニルブチラールからなるマトリクス材と、飽和カルボ
ン酸又はその誘導体とを含むとは、これらの材料のみの
場合は勿論のこと、これらの材料に加え熱可逆性材料の
膜質を向上させる物質、潤滑性を向上させる物質等の他
の物質を含む場合も意味する。
酸又はその誘導体の混合比は、飽和カルボン酸又はその
誘導体を重量比でいって、1:2より多く含ませると熱
可逆性材料の成膜が困難となり、20:1より少なくす
ると熱可逆性が小さくなるので、1:2〜20:1の範
囲内とするのが好適である。また、本発明でいう、ポリ
ビニルブチラールからなるマトリクス材と、飽和カルボ
ン酸又はその誘導体とを含むとは、これらの材料のみの
場合は勿論のこと、これらの材料に加え熱可逆性材料の
膜質を向上させる物質、潤滑性を向上させる物質等の他
の物質を含む場合も意味する。
【0020】また、熱可逆性材料を基板、フィルム等の
透明支持体に被着させるための塗布溶液の調製には、マ
トリクス材と飽和カルボン酸又はその誘導体を溶剤に溶
かして塗布溶液を得る。そのための溶剤としては、例え
ば、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン、クロロホルム、四塩化炭素、エタノ
ール、トルエン、及びベンゼン等の中から選ばれた1種
を用いるか又は2種以上を混合して用いるのがよい。ま
た、塗布溶液調製時に必要とあれば溶剤を加熱して用い
てもよい。
透明支持体に被着させるための塗布溶液の調製には、マ
トリクス材と飽和カルボン酸又はその誘導体を溶剤に溶
かして塗布溶液を得る。そのための溶剤としては、例え
ば、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン、クロロホルム、四塩化炭素、エタノ
ール、トルエン、及びベンゼン等の中から選ばれた1種
を用いるか又は2種以上を混合して用いるのがよい。ま
た、塗布溶液調製時に必要とあれば溶剤を加熱して用い
てもよい。
【0021】反射層又は光吸収層13としては、アルミ
ニウムや銅などの金属、顔料、色素等を含む材料を用い
ることができる。反射層又は光吸収層13の形成方法
は、例えば、熱可逆記録・表示層12の下面に、通常の
フィルム用グラビア印刷機により黒色や赤色のインキを
塗布してもよい。このときの色に関しては、熱可逆記録
・表示層12が不透明のときの白色に対してコントラス
トが大きくなるものが望ましいが、緑でも黄色でも、ど
のような色でも用いることができる。また、白色に対し
てコントラストの大きい複数色を印刷することもでき
る。さらに、蛍光塗料を含む塗料を塗布することもでき
る。熱伝導率のよいカーボン粉、又は金属粉を含む塗料
を用いれば、媒体の熱効率がよくなる。
ニウムや銅などの金属、顔料、色素等を含む材料を用い
ることができる。反射層又は光吸収層13の形成方法
は、例えば、熱可逆記録・表示層12の下面に、通常の
フィルム用グラビア印刷機により黒色や赤色のインキを
塗布してもよい。このときの色に関しては、熱可逆記録
・表示層12が不透明のときの白色に対してコントラス
トが大きくなるものが望ましいが、緑でも黄色でも、ど
のような色でも用いることができる。また、白色に対し
てコントラストの大きい複数色を印刷することもでき
る。さらに、蛍光塗料を含む塗料を塗布することもでき
る。熱伝導率のよいカーボン粉、又は金属粉を含む塗料
を用いれば、媒体の熱効率がよくなる。
【0022】保護層14は透明である必要はなく、ポリ
エステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、ポリビニルアル
コール、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミ
ド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリサルホ
ン、フッ素樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリエーテル
サルファン、ポリブタジエン、ポリイミド等のプラスチ
ック、SiO2 、Al2 O 3 、TiO2 等の無機材料が
使用できる。また、保護層14の厚さとしては発熱記録
素子が保護層14を通して熱可逆記録・表示層12に熱
を伝える厚さでよく、1〜15μmが望ましい。
エステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、ポリビニルアル
コール、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミ
ド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリサルホ
ン、フッ素樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリエーテル
サルファン、ポリブタジエン、ポリイミド等のプラスチ
ック、SiO2 、Al2 O 3 、TiO2 等の無機材料が
使用できる。また、保護層14の厚さとしては発熱記録
素子が保護層14を通して熱可逆記録・表示層12に熱
を伝える厚さでよく、1〜15μmが望ましい。
【0023】本実施例の熱可逆性記録媒体への記録は、
保護層14側からサーマルヘッドを用いて加熱を行うと
効率良く熱可逆記録・表示層12に熱が伝わり記録が行
われる。また、本実施例の熱可逆性記録媒体の視覚情報
は、透明支持体11側からの光入射により、透明支持体
11側を目視することによって得られる。
保護層14側からサーマルヘッドを用いて加熱を行うと
効率良く熱可逆記録・表示層12に熱が伝わり記録が行
われる。また、本実施例の熱可逆性記録媒体の視覚情報
は、透明支持体11側からの光入射により、透明支持体
11側を目視することによって得られる。
【0024】
【実施例2】本実施例は、前記実施例1の熱可逆性記録
媒体の構成のうち、熱可逆記録・表示層12に用いた熱
可逆性材料であるポリビニルブチラールからなるマトリ
クス材と飽和カルボン酸又は該飽和カルボン酸の誘導体
からなる熱可逆性材料に代えて、スチレン・ブタジエン
共重合体からなるマトリクス材と飽和カルボン酸又は該
飽和カルボン酸の誘導体からなる熱可逆性材料を用い
た。本実施例の熱可逆性記録媒体の構成のうち熱可逆記
録・表示層12以外の構成は、前記実施例1と同一の構
成である。
媒体の構成のうち、熱可逆記録・表示層12に用いた熱
可逆性材料であるポリビニルブチラールからなるマトリ
クス材と飽和カルボン酸又は該飽和カルボン酸の誘導体
からなる熱可逆性材料に代えて、スチレン・ブタジエン
共重合体からなるマトリクス材と飽和カルボン酸又は該
飽和カルボン酸の誘導体からなる熱可逆性材料を用い
た。本実施例の熱可逆性記録媒体の構成のうち熱可逆記
録・表示層12以外の構成は、前記実施例1と同一の構
成である。
【0025】本実施例を図1に基づいて説明する。この
熱可逆性記録媒体は、例えば、膜厚100μmのポリエ
ステルシートからなる透明支持体11を有し、その透明
支持体11の下面に、膜厚20μmの熱可逆記録・表示
層12が形成されている。さらにその下面に、黒色に印
刷した反射層又は光吸収層13が形成されている。この
実施例の反射層又は光吸収層13は黒色に印刷されてい
るので、光吸収層として作用する。さらにその下面に、
膜厚5μmのポリエステルシートによる保護層14が形
成されている。
熱可逆性記録媒体は、例えば、膜厚100μmのポリエ
ステルシートからなる透明支持体11を有し、その透明
支持体11の下面に、膜厚20μmの熱可逆記録・表示
層12が形成されている。さらにその下面に、黒色に印
刷した反射層又は光吸収層13が形成されている。この
実施例の反射層又は光吸収層13は黒色に印刷されてい
るので、光吸収層として作用する。さらにその下面に、
膜厚5μmのポリエステルシートによる保護層14が形
成されている。
【0026】前記透明支持体11としては、ポリエステ
ルを用いたが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、セロファン、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、ポ
リビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレ
ン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、
ポリサルホン、フッ素樹脂、ポリアクリロニトリル、ポ
リエーテルサルファン、ポリブタジエン等の透明なプラ
スチックが使用できる。又、透明支持体11の膜厚は熱
可逆記録・表示層12を維持できる厚さでよく25μm
〜1mmが望ましい。
ルを用いたが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、セロファン、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、ポ
リビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレ
ン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、
ポリサルホン、フッ素樹脂、ポリアクリロニトリル、ポ
リエーテルサルファン、ポリブタジエン等の透明なプラ
スチックが使用できる。又、透明支持体11の膜厚は熱
可逆記録・表示層12を維持できる厚さでよく25μm
〜1mmが望ましい。
【0027】また必要に応じて、透明支持体11の記録
部に相当する部分以外の部分に、文字や図形を印刷する
ことができる。前記熱可逆記録・表示層12には、例え
ば、スチレン・ブタジエン共重合体として本実施例で
は、旭化成工業(株)のアスマー(商品名)を用いた。
また、飽和カルボン酸又はその誘導体として、ステアリ
ン酸を用いた。そして、アスマー(商品名)5重量部
と、ステアリン酸3重量部とを50重量部のテトラヒド
ロフラン(以下、THFと略す)に溶解させて、本実施
例の熱可逆性材料の塗布溶液を調製した。この溶液を、
バーコート法により塗布し、乾燥後の膜厚を20μmに
なるようにした。
部に相当する部分以外の部分に、文字や図形を印刷する
ことができる。前記熱可逆記録・表示層12には、例え
ば、スチレン・ブタジエン共重合体として本実施例で
は、旭化成工業(株)のアスマー(商品名)を用いた。
また、飽和カルボン酸又はその誘導体として、ステアリ
ン酸を用いた。そして、アスマー(商品名)5重量部
と、ステアリン酸3重量部とを50重量部のテトラヒド
ロフラン(以下、THFと略す)に溶解させて、本実施
例の熱可逆性材料の塗布溶液を調製した。この溶液を、
バーコート法により塗布し、乾燥後の膜厚を20μmに
なるようにした。
【0028】前記熱可逆記録・表示層12に用いること
のできる材料には、スチレン・ブタジエン共重合体から
なるマトリクス材と、飽和カルボン酸又はその誘導体と
を所定の比率で含有した熱可逆性材料を用いることがで
きる。また、そのマトリクス材に関しては、前記スチレ
ン・ブタジエン共重合体の代わりに、無定形のエチレン
・プロピレン(例えば、住友化学株式会社製のエスプレ
ン(商品名)等のポリオレフィン系エラストマー、ある
いは、トランスポリイソプレン(例えば、クラレ株式会
社製のクラプレン(商品名))を用いることができる。
のできる材料には、スチレン・ブタジエン共重合体から
なるマトリクス材と、飽和カルボン酸又はその誘導体と
を所定の比率で含有した熱可逆性材料を用いることがで
きる。また、そのマトリクス材に関しては、前記スチレ
ン・ブタジエン共重合体の代わりに、無定形のエチレン
・プロピレン(例えば、住友化学株式会社製のエスプレ
ン(商品名)等のポリオレフィン系エラストマー、ある
いは、トランスポリイソプレン(例えば、クラレ株式会
社製のクラプレン(商品名))を用いることができる。
【0029】飽和カルボン酸又はその誘導体は、それぞ
れ単独でも、混合しても用いることができる。本発明で
使用できる飽和カルボン酸としては、次のものに限られ
ないが、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグ
ノセリ酸等が好適に用いられる。これらの化合物は炭素
数が、10〜24の飽和カルボン酸である。また、その
誘導体としては、次のものに限らないが、ステアリン酸
アミド等のアミド、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミ
ン、オクタデシルアミン、ステアリルアミン等のアミ
ン、パルミトアニリド、ステアリルアニリド等のアニリ
ド、セチルアルコール、ステアリルアルコール、エイコ
サノール、ドコサノール等のアルコール、ステアリン酸
フェニル、ステアリン酸ビニル、ステアリン酸n−ドデ
シル等のエステル、ステアリン酸カルシウム等の金属
塩、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−ウンデシルイ
ミダゾール、2−ステアリルイミダゾール等のイミダゾ
ール、等の炭素数が10〜24の飽和カルボン酸の誘導
体が好適である。
れ単独でも、混合しても用いることができる。本発明で
使用できる飽和カルボン酸としては、次のものに限られ
ないが、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグ
ノセリ酸等が好適に用いられる。これらの化合物は炭素
数が、10〜24の飽和カルボン酸である。また、その
誘導体としては、次のものに限らないが、ステアリン酸
アミド等のアミド、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミ
ン、オクタデシルアミン、ステアリルアミン等のアミ
ン、パルミトアニリド、ステアリルアニリド等のアニリ
ド、セチルアルコール、ステアリルアルコール、エイコ
サノール、ドコサノール等のアルコール、ステアリン酸
フェニル、ステアリン酸ビニル、ステアリン酸n−ドデ
シル等のエステル、ステアリン酸カルシウム等の金属
塩、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−ウンデシルイ
ミダゾール、2−ステアリルイミダゾール等のイミダゾ
ール、等の炭素数が10〜24の飽和カルボン酸の誘導
体が好適である。
【0030】また、前記マトリクス材と、飽和カルボン
酸又はその誘導体の混合比は、飽和カルボン酸又はその
誘導体を重量比でいって、1:2より多く含ませると熱
可逆性材料の成膜が困難となり、20:1より少なくす
ると熱可逆性が小さくなるので、1:2〜20:1の範
囲内とするのが好適である。また、本発明でいう、スチ
レン・ブタジエン共重合体からなるマトリクス材と、飽
和カルボン酸又はその誘導体とを含むとは、これらの材
料のみの場合は勿論のこと、これらの材料に加え熱可逆
性材料の膜質を向上させる物質、潤滑性を向上させる物
質等の他の物質を含む場合も意味する。
酸又はその誘導体の混合比は、飽和カルボン酸又はその
誘導体を重量比でいって、1:2より多く含ませると熱
可逆性材料の成膜が困難となり、20:1より少なくす
ると熱可逆性が小さくなるので、1:2〜20:1の範
囲内とするのが好適である。また、本発明でいう、スチ
レン・ブタジエン共重合体からなるマトリクス材と、飽
和カルボン酸又はその誘導体とを含むとは、これらの材
料のみの場合は勿論のこと、これらの材料に加え熱可逆
性材料の膜質を向上させる物質、潤滑性を向上させる物
質等の他の物質を含む場合も意味する。
【0031】また、熱可逆性材料を基板、フィルム等の
透明支持体11に被着させるための塗布溶液の調製に
は、マトリクス材と飽和カルボン酸又はその誘導体を溶
剤に溶かして塗布溶液を得る。そのための溶剤として
は、例えば、テトラヒドロフラン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、クロロホルム、四塩化炭
素、エタノール、トルエン、及びベンゼン等の中から選
ばれた1種を用いるか又は2種以上を混合して用いるの
がよい。また、塗布溶液調製時に必要とあれば溶剤を加
熱して用いてもよい。
透明支持体11に被着させるための塗布溶液の調製に
は、マトリクス材と飽和カルボン酸又はその誘導体を溶
剤に溶かして塗布溶液を得る。そのための溶剤として
は、例えば、テトラヒドロフラン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、クロロホルム、四塩化炭
素、エタノール、トルエン、及びベンゼン等の中から選
ばれた1種を用いるか又は2種以上を混合して用いるの
がよい。また、塗布溶液調製時に必要とあれば溶剤を加
熱して用いてもよい。
【0032】反射層又は光吸収層13としては、アルミ
ニウムや銅などの金属、顔料、色素等を含む材料を用い
ることができる。反射層又は光吸収層13の形成方法
は、例えば、熱可逆記録・表示層12の下面に、通常の
フィルム用グラビア印刷機により黒色や赤色のインキを
塗布してもよい。このときの色に関しては、熱可逆記録
・表示層12が不透明のときの白色に対してコントラス
トが大きくなるものが望ましいが、緑でも黄色でも、ど
のような色でも用いることができる。また、白色に対し
てコントラストの大きい複数色を印刷することもでき
る。さらに、蛍光塗料を含む塗料を塗布することもでき
る。熱伝導率のよいカーボン粉、又は金属粉を含む塗料
を用いれば、熱可逆性記録媒体の熱効率がよくなる。
ニウムや銅などの金属、顔料、色素等を含む材料を用い
ることができる。反射層又は光吸収層13の形成方法
は、例えば、熱可逆記録・表示層12の下面に、通常の
フィルム用グラビア印刷機により黒色や赤色のインキを
塗布してもよい。このときの色に関しては、熱可逆記録
・表示層12が不透明のときの白色に対してコントラス
トが大きくなるものが望ましいが、緑でも黄色でも、ど
のような色でも用いることができる。また、白色に対し
てコントラストの大きい複数色を印刷することもでき
る。さらに、蛍光塗料を含む塗料を塗布することもでき
る。熱伝導率のよいカーボン粉、又は金属粉を含む塗料
を用いれば、熱可逆性記録媒体の熱効率がよくなる。
【0033】保護層14は透明である必要はなく、ポリ
エステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、ポリビニルアル
コール、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミ
ド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリサルホ
ン、フッ素樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリエーテル
サルファン、ポリブタジエン、ポリイミド等のプラスチ
ック、SiO2 、Al2 O 3 、TiO2 等の無機材料が
使用できる。また、保護層14の厚さとしては発熱記録
素子が保護層14を通して熱可逆記録・表示層12に熱
を伝える厚さでよく、1〜15μmが望ましい。
エステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、ポリビニルアル
コール、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミ
ド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリサルホ
ン、フッ素樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリエーテル
サルファン、ポリブタジエン、ポリイミド等のプラスチ
ック、SiO2 、Al2 O 3 、TiO2 等の無機材料が
使用できる。また、保護層14の厚さとしては発熱記録
素子が保護層14を通して熱可逆記録・表示層12に熱
を伝える厚さでよく、1〜15μmが望ましい。
【0034】本実施例の熱可逆性記録媒体への記録は、
保護層14側からサーマルヘッドを用いて加熱を行うと
効率良く熱可逆記録・表示層12に熱が伝わり記録が行
われる。また、本実施例の熱可逆性記録媒体の視覚情報
は、透明支持体11側からの光入射により、透明支持体
11側を目視することによって得られる。
保護層14側からサーマルヘッドを用いて加熱を行うと
効率良く熱可逆記録・表示層12に熱が伝わり記録が行
われる。また、本実施例の熱可逆性記録媒体の視覚情報
は、透明支持体11側からの光入射により、透明支持体
11側を目視することによって得られる。
【0035】
【実施例3】図2は、本発明の別の実施例を示す熱可逆
性記録媒体の一構成を示す断面図である。本実施例の熱
可逆性記録媒体の構成は、図1及び実施例1又は実施例
2の熱可逆性記録媒体の構成において、熱可逆記録・表
示層12と反射層又は光吸収層13との間にエンハンス
層15が形成されているものである。エンハンス層15
以外の各層の構成並びにその材料は前記実施例1又は実
施例2と同一である。
性記録媒体の一構成を示す断面図である。本実施例の熱
可逆性記録媒体の構成は、図1及び実施例1又は実施例
2の熱可逆性記録媒体の構成において、熱可逆記録・表
示層12と反射層又は光吸収層13との間にエンハンス
層15が形成されているものである。エンハンス層15
以外の各層の構成並びにその材料は前記実施例1又は実
施例2と同一である。
【0036】エンハンス層15は、透明状態と白濁の不
透明状態とのコントラストを上げる働きがあり、透明プ
ラスチック、例えばポリエステル、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、セロファン、ポリ塩化ビニル、ポリオレフ
ィン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアリ
レート、ポリサルホン、フッ素樹脂、ポリアクリロニト
リル、ポリエーテルサルファン、ポリブタジエン等が使
用できる。
透明状態とのコントラストを上げる働きがあり、透明プ
ラスチック、例えばポリエステル、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、セロファン、ポリ塩化ビニル、ポリオレフ
ィン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアリ
レート、ポリサルホン、フッ素樹脂、ポリアクリロニト
リル、ポリエーテルサルファン、ポリブタジエン等が使
用できる。
【0037】本実施例の熱可逆性記録媒体への記録は、
保護層14側からサーマルヘッドを用いて加熱を行うと
効率良く熱可逆記録・表示層12に熱が伝わり記録が行
われる。また、本実施例の熱可逆性記録媒体の視覚情報
は、透明支持体11側からの光入射により、透明支持体
11側を目視することによって得られる。
保護層14側からサーマルヘッドを用いて加熱を行うと
効率良く熱可逆記録・表示層12に熱が伝わり記録が行
われる。また、本実施例の熱可逆性記録媒体の視覚情報
は、透明支持体11側からの光入射により、透明支持体
11側を目視することによって得られる。
【0038】
【実施例4】図3は、本発明のさらに別の実施例を示す
熱可逆性記録媒体の一構成を示す断面図である。本実施
例の熱可逆記録媒体の構成は、図1及び前記実施例1又
は実施例2に示した反射層又は光吸収層13と保護層1
4との間に、コード化された情報を記録する記録層16
を形成した構成となっている。この記録層16の記録媒
体としては、磁気記録媒体、光記録媒体、熱記録媒体、
ICカード等の電気記録媒体、光磁気記録媒体、熱磁気
記録媒体等が使用できる。したがって、これらの記録媒
体の記録手段には、磁気、光、熱、電気、光磁気、熱磁
気等が使用できる。
熱可逆性記録媒体の一構成を示す断面図である。本実施
例の熱可逆記録媒体の構成は、図1及び前記実施例1又
は実施例2に示した反射層又は光吸収層13と保護層1
4との間に、コード化された情報を記録する記録層16
を形成した構成となっている。この記録層16の記録媒
体としては、磁気記録媒体、光記録媒体、熱記録媒体、
ICカード等の電気記録媒体、光磁気記録媒体、熱磁気
記録媒体等が使用できる。したがって、これらの記録媒
体の記録手段には、磁気、光、熱、電気、光磁気、熱磁
気等が使用できる。
【0039】本実施例の熱可逆性記録媒体の記録層16
以外の各層の材料は前記実施例1又は実施例2に記載さ
れたものと同一である。本実施例の熱可逆性記録媒体へ
の記録は、保護層14側からサーマルヘッドを用いて加
熱を行うと効率良く熱可逆記録・表示層12に熱が伝わ
り記録が行われる。
以外の各層の材料は前記実施例1又は実施例2に記載さ
れたものと同一である。本実施例の熱可逆性記録媒体へ
の記録は、保護層14側からサーマルヘッドを用いて加
熱を行うと効率良く熱可逆記録・表示層12に熱が伝わ
り記録が行われる。
【0040】また、本実施例の熱可逆性記録媒体の視覚
情報は、透明支持体11側からの光入射により、透明支
持体11側を目視することによって得られる。
情報は、透明支持体11側からの光入射により、透明支
持体11側を目視することによって得られる。
【0041】
【実施例5】図4は、本発明の他の実施例を示す熱可逆
性記録媒体の一構成を示す断面図である。本実施例の熱
可逆記録媒体の構成は、図2に示した実施例3の反射層
又は光吸収層13と保護層14との間に、コード化され
た情報を記録する記録層16を形成したものとなってい
る。記録層16の記録媒体及び記録手段は、実施例4と
同一である。
性記録媒体の一構成を示す断面図である。本実施例の熱
可逆記録媒体の構成は、図2に示した実施例3の反射層
又は光吸収層13と保護層14との間に、コード化され
た情報を記録する記録層16を形成したものとなってい
る。記録層16の記録媒体及び記録手段は、実施例4と
同一である。
【0042】本実施例の熱可逆性記録媒体への記録は、
保護層14側からサーマルヘッドを用いて加熱を行うと
効率良く熱可逆記録・表示層12に熱が伝わり記録が行
われる。また、本実施例の熱可逆性記録媒体の視覚情報
は、透明支持体11側からの光入射により、透明支持体
11側を目視することによって得られる。
保護層14側からサーマルヘッドを用いて加熱を行うと
効率良く熱可逆記録・表示層12に熱が伝わり記録が行
われる。また、本実施例の熱可逆性記録媒体の視覚情報
は、透明支持体11側からの光入射により、透明支持体
11側を目視することによって得られる。
【0043】
【実施例6】以上のように構成される熱可逆性記録媒体
の記録方法を図5、図6及び図7を参照しながら説明す
る。なお、図5、図6は本発明の熱可逆性記録媒体の使
用例を説明するための図であり、図7は本発明で用いた
熱可逆性材料の特性図である。
の記録方法を図5、図6及び図7を参照しながら説明す
る。なお、図5、図6は本発明の熱可逆性記録媒体の使
用例を説明するための図であり、図7は本発明で用いた
熱可逆性材料の特性図である。
【0044】図1及び図2に示した熱可逆性記録媒体の
使用に当たっては、図5に示すように熱可逆性記録媒体
10に情報を記録するための記録装置200を用意す
る。この記録装置200は、記録用の情報(例えば、
「あ」「い」「う」「え」「お」)が格納されたホスト
コンピュタ等で構成される。さらに、記録装置200は
情報印字用のサーマルヘッド201a及び情報消去用の
加熱ロール201b等を有する印字部が備えられてい
る。図1及び図2に示した熱可逆性記録媒体10の使用
に当たっては、記録面と視覚面とが逆になっているた
め、視覚面において正常な「あ」「い」「う」「え」
「お」が認識できるようにホストコンピュタ等を調整し
ておく必要がある。
使用に当たっては、図5に示すように熱可逆性記録媒体
10に情報を記録するための記録装置200を用意す
る。この記録装置200は、記録用の情報(例えば、
「あ」「い」「う」「え」「お」)が格納されたホスト
コンピュタ等で構成される。さらに、記録装置200は
情報印字用のサーマルヘッド201a及び情報消去用の
加熱ロール201b等を有する印字部が備えられてい
る。図1及び図2に示した熱可逆性記録媒体10の使用
に当たっては、記録面と視覚面とが逆になっているた
め、視覚面において正常な「あ」「い」「う」「え」
「お」が認識できるようにホストコンピュタ等を調整し
ておく必要がある。
【0045】この記録装置200を使用した熱可逆性記
録媒体10の使用手順は次のようになる。 (1)使用者は、熱可逆性記録媒体10を記録装置20
0の印字部201に挿入する。 (2)記録装置200は熱可逆性記録媒体10が挿入さ
れたのを感知して、記録用の情報(例えば、「あ」
「い」「う」「え」「お」を印字するように印字部20
1に対して指令を送る。この指令を受けた印字部201
はサーマルヘッド201aを用いて、例えば印字電力
0.1W/dots、印字時間1msecの条件で透明
な保護層14を介して熱可逆記録・表示層12に印字を
開始する。
録媒体10の使用手順は次のようになる。 (1)使用者は、熱可逆性記録媒体10を記録装置20
0の印字部201に挿入する。 (2)記録装置200は熱可逆性記録媒体10が挿入さ
れたのを感知して、記録用の情報(例えば、「あ」
「い」「う」「え」「お」を印字するように印字部20
1に対して指令を送る。この指令を受けた印字部201
はサーマルヘッド201aを用いて、例えば印字電力
0.1W/dots、印字時間1msecの条件で透明
な保護層14を介して熱可逆記録・表示層12に印字を
開始する。
【0046】(3)サーマルヘッド201aにより熱可
逆記録・表示層12に印字された「あ」「い」「う」
「え」「お」の部分が70〜200℃に熱せられ、その
部分が透明状態となる(図7のAの状態)。 (4)印字終了後、使用者が熱可逆性記録媒体10を記
録装置200から取り出すと、その熱可逆性記録媒体1
0は、例えば約25℃程度の室温まで冷却され、「あ」
「い」「う」「え」「お」の印字部分が透明に固定され
る(図7のBの状態)。この場合、透明状態と不透明状
態との透過率比で示したコントラストは、例えば10
(波長550nmの光に対する透過率比)となり、これ
により、使用者は目視で記録情報「あ」「い」「う」
「え」「お」を認識できると共に、次回に使用するまで
この記録情報を保持することができる。
逆記録・表示層12に印字された「あ」「い」「う」
「え」「お」の部分が70〜200℃に熱せられ、その
部分が透明状態となる(図7のAの状態)。 (4)印字終了後、使用者が熱可逆性記録媒体10を記
録装置200から取り出すと、その熱可逆性記録媒体1
0は、例えば約25℃程度の室温まで冷却され、「あ」
「い」「う」「え」「お」の印字部分が透明に固定され
る(図7のBの状態)。この場合、透明状態と不透明状
態との透過率比で示したコントラストは、例えば10
(波長550nmの光に対する透過率比)となり、これ
により、使用者は目視で記録情報「あ」「い」「う」
「え」「お」を認識できると共に、次回に使用するまで
この記録情報を保持することができる。
【0047】(5)使用者が、熱可逆性記録媒体10上
に前回の情報を消去して別の情報を記録するために、再
度、記録装置200に熱可逆性記録媒体10を挿入する
と、印字部201の加熱ロール201bにより、例えば
57℃〜70℃の範囲で熱可逆性記録媒体10が熱せら
れ、熱可逆記録・表示層12は白濁の不透明状態となり
(図7のCの状態)、前回記録された情報が消去され
る。
に前回の情報を消去して別の情報を記録するために、再
度、記録装置200に熱可逆性記録媒体10を挿入する
と、印字部201の加熱ロール201bにより、例えば
57℃〜70℃の範囲で熱可逆性記録媒体10が熱せら
れ、熱可逆記録・表示層12は白濁の不透明状態となり
(図7のCの状態)、前回記録された情報が消去され
る。
【0048】また、別の情報を記録せず前回記録された
情報を消去するだけの場合は、57℃〜70℃の範囲で
熱可逆性記録媒体10を熱して熱可逆記録・表示層12
を不透明状態とした後、そのまま室温まで冷却すれば、
その不透明状態が固定され(図7のDの状態)、使用者
は前回記録された情報が消去された熱可逆性記録媒体1
0を手にすることができる。
情報を消去するだけの場合は、57℃〜70℃の範囲で
熱可逆性記録媒体10を熱して熱可逆記録・表示層12
を不透明状態とした後、そのまま室温まで冷却すれば、
その不透明状態が固定され(図7のDの状態)、使用者
は前回記録された情報が消去された熱可逆性記録媒体1
0を手にすることができる。
【0049】
【実施例7】図3及び図4に示した記録層16を有する
熱可逆性記録媒体の使用にあたっては、図6に示す、熱
可逆性記録媒体10に情報を記録するための記録装置3
00を用意する。この記録装置300は、記録用の情報
(例えば、数値)が格納されたホストコンピュタ等で構
成され、熱可逆性記録媒体10の記録層16に記録され
たコード化した情報の読取ヘッド302及びコード化し
た情報を記録する記録ヘッド303等を有する記録部、
さらに視覚情報印字用のサーマルヘッド201a及び視
覚情報消去用の加熱ロール201b等を有する印字部が
備えられている。
熱可逆性記録媒体の使用にあたっては、図6に示す、熱
可逆性記録媒体10に情報を記録するための記録装置3
00を用意する。この記録装置300は、記録用の情報
(例えば、数値)が格納されたホストコンピュタ等で構
成され、熱可逆性記録媒体10の記録層16に記録され
たコード化した情報の読取ヘッド302及びコード化し
た情報を記録する記録ヘッド303等を有する記録部、
さらに視覚情報印字用のサーマルヘッド201a及び視
覚情報消去用の加熱ロール201b等を有する印字部が
備えられている。
【0050】図3及び図4に示した熱可逆性記録媒体の
使用にあたっては、記録面と視覚面とが逆になっている
ため、視覚面において正常な「あ」「い」「う」「え」
「お」が認識できるようにホストコンピュタ等を調整し
ておく必要がある。この記録装置300を使用した熱可
逆性記録媒体10の使用手順は次のようになる。
使用にあたっては、記録面と視覚面とが逆になっている
ため、視覚面において正常な「あ」「い」「う」「え」
「お」が認識できるようにホストコンピュタ等を調整し
ておく必要がある。この記録装置300を使用した熱可
逆性記録媒体10の使用手順は次のようになる。
【0051】(1)使用者は、熱可逆性記録媒体10を
記録装置300の記録部301に挿入する。 (2)記録装置300は熱可逆性記録媒体10が挿入さ
れたのを感知して、読取ヘッド302により熱可逆性記
録媒体10の記録層16に記録されたコード化した情報
を読み取る。
記録装置300の記録部301に挿入する。 (2)記録装置300は熱可逆性記録媒体10が挿入さ
れたのを感知して、読取ヘッド302により熱可逆性記
録媒体10の記録層16に記録されたコード化した情報
を読み取る。
【0052】(3)必要に応じて新しいコード化した情
報を記録ヘッド303により、記録層16に記録する。 (4)印字部201の加熱ロール201bで、例えば5
7〜70℃の範囲で熱可逆性記録媒体10が熱せられる
ことにより、熱可逆記録・表示層12は不透明状態とな
り(図7のCの状態)、前回記録された視覚情報が消去
される。
報を記録ヘッド303により、記録層16に記録する。 (4)印字部201の加熱ロール201bで、例えば5
7〜70℃の範囲で熱可逆性記録媒体10が熱せられる
ことにより、熱可逆記録・表示層12は不透明状態とな
り(図7のCの状態)、前回記録された視覚情報が消去
される。
【0053】(5)新しいコード化した情報に対応した
視覚情報(例えば、残高)を印字するように印字部20
1に対して指令を送る。 (6)この指令を受けた印字部201はサーマルヘッド
201aを用いて、保護層14を介して熱可逆記録・表
示層12に印字を行い視覚情報を記録する。 なお、上記各実施例で述べた使用材料及び数値的条件は
本発明の範囲内の一例にすぎず、従って、本発明がこれ
ら使用材料及び数値的条件にのみ限定されるものでない
ことは理解されたい。
視覚情報(例えば、残高)を印字するように印字部20
1に対して指令を送る。 (6)この指令を受けた印字部201はサーマルヘッド
201aを用いて、保護層14を介して熱可逆記録・表
示層12に印字を行い視覚情報を記録する。 なお、上記各実施例で述べた使用材料及び数値的条件は
本発明の範囲内の一例にすぎず、従って、本発明がこれ
ら使用材料及び数値的条件にのみ限定されるものでない
ことは理解されたい。
【0054】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の熱
可逆性記録媒体は、加熱して室温に戻すことにより加熱
温度の差で透明状態と白濁の不透明状態とが可逆的に固
定されるものとし、前記発明の構成に示される層構成と
したことにより、次のような効果が期待できる。
可逆性記録媒体は、加熱して室温に戻すことにより加熱
温度の差で透明状態と白濁の不透明状態とが可逆的に固
定されるものとし、前記発明の構成に示される層構成と
したことにより、次のような効果が期待できる。
【0055】(1)サーマルヘッドのような簡単な熱的
手段により情報の印字記録が自由にできる。したがっ
て、従来の感熱記録紙の記録に用いられていたサーマル
ヘッド等も使用できる。 (2)情報の記録/消去が可能であるため、繰り返し幾
度でも使用できる。したがって、印字記録に感熱紙等を
必要とせず、省資源に優れる。
手段により情報の印字記録が自由にできる。したがっ
て、従来の感熱記録紙の記録に用いられていたサーマル
ヘッド等も使用できる。 (2)情報の記録/消去が可能であるため、繰り返し幾
度でも使用できる。したがって、印字記録に感熱紙等を
必要とせず、省資源に優れる。
【0056】(3)記録情報を消去するには、例えば5
7〜70℃の範囲で熱可逆記録・表示層を熱する必要が
あるため、通常の室温では消去されず記録データの保持
性が優れている。 (4)コントラストの高い視覚情報が記録できる。 (5)本発明の熱可逆性記録媒体をカード状とすること
により、携帯性にすぐれたものとすることができる。ま
た、OHP用シートにも使用できる。
7〜70℃の範囲で熱可逆記録・表示層を熱する必要が
あるため、通常の室温では消去されず記録データの保持
性が優れている。 (4)コントラストの高い視覚情報が記録できる。 (5)本発明の熱可逆性記録媒体をカード状とすること
により、携帯性にすぐれたものとすることができる。ま
た、OHP用シートにも使用できる。
【0057】(6)本発明の熱可逆性記録媒体は、コー
ド情報を記録する層を設けることができるので、視覚情
報と合わせて、コード情報も記録することができる。 (7)本発明の熱可逆性記録媒体は、視覚情報は厚い透
明支持体側から認識する構成となっているために、この
透明支持体上に水性、油性サインペン等により追記した
り、この追記した情報をアルコールのような溶剤により
消去することができる。
ド情報を記録する層を設けることができるので、視覚情
報と合わせて、コード情報も記録することができる。 (7)本発明の熱可逆性記録媒体は、視覚情報は厚い透
明支持体側から認識する構成となっているために、この
透明支持体上に水性、油性サインペン等により追記した
り、この追記した情報をアルコールのような溶剤により
消去することができる。
【図1】本発明の実施例を示す熱可逆性記録媒体の断面
図。
図。
【図2】本発明の別の実施例を示す熱可逆性記録媒体の
断面図。
断面図。
【図3】本発明の別の実施例を示す熱可逆性記録媒体の
断面図。
断面図。
【図4】本発明の別の実施例を示す熱可逆性記録媒体の
断面図。
断面図。
【図5】本発明の熱可逆性記録媒体の使用例を示す。
【図6】本発明の熱可逆性記録媒体の使用例を示す。
【図7】本発明で用いた熱可逆性材料の特性図。
10 熱可逆性記録媒体 11 透明支持体 12 熱可逆記録・表示層 13 反射層又は光吸収層 14 保護層 15 エンハンス層 16 記録層 200,300 記録装置 201 印字部 201a サーマルヘッド 201b 加熱ロール 301 記録部 302 読取ヘッド 303 記録ヘッド
Claims (13)
- 【請求項1】 (1)透明プラスチックからなる透明支
持体と、 (2)該透明支持体の下面に形成された、加熱により透
明状態と白濁の不透明状態とが可逆的に変化し、かつ常
温でそれぞれの状態の維持が可能な熱可逆性材料よりな
る熱可逆記録・表示層と、 (3)該熱可逆記録・表示層の下面に形成された反射層
又は光吸収層と、 (4)該反射層又は光吸収層の下面に形成された保護層
とを順次備えたことを特徴とする熱可逆性記録媒体。 - 【請求項2】 (1)透明プラスチックからなる透明支
持体と、 (2)該透明支持体の下面に加熱により透明状態と白濁
の不透明状態とが可逆的に変化し、かつ常温でそれぞれ
の状態の維持が可能な熱可逆性材料よりなる熱可逆記録
・表示層と、 (3)該熱可逆記録・表示層の下面に形成されたエンハ
ンス層と、 (4)該エンハンス層の下面に形成された反射層又は光
吸収層と、 (5)該反射層又は光吸収層の下面に形成された保護層
とを順次備えたことを特徴とする熱可逆性記録媒体。 - 【請求項3】 (1)透明プラスチックからなる透明支
持体と、 (2)該透明支持体の下面に形成された、加熱により透
明状態と白濁の不透明状態とが可逆的に変化し、かつ常
温でそれぞれの状態の維持が可能な熱可逆性材料よりな
る熱可逆記録・表示層と、 (3)該熱可逆記録・表示層の下面に形成された反射層
又は光吸収層と、 (4)該反射層又は光吸収層の下面に形成されたコード
化された情報を記録する記録層と、 (5)該記録層の下面に形成された保護層とを順次備え
たことを特徴とする熱可逆性記録媒体。 - 【請求項4】 (1)透明プラスチックからなる透明支
持体と、 (2)該透明支持体の下面に加熱により透明状態と白濁
の不透明状態とが可逆的に変化し、かつ常温でそれぞれ
の状態の維持が可能な熱可逆性材料よりなる熱可逆記録
・表示層と、 (3)該熱可逆記録・表示層の下面に形成されたエンハ
ンス層と、 (4)該エンハンス層の下面に形成された反射層又は光
吸収層と、 (5)該反射層又は光吸収層の下面に形成されたコード
化された情報を記録する記録層と、 (6)該記録層の下面に形成された保護層とを順次備え
たことを特徴とする熱可逆性記録媒体。 - 【請求項5】 熱可逆性材料として、ポリビニルブチラ
ールからなるマトリクス材と飽和カルボン酸又は該飽和
カルボン酸の誘導体とを含有した材料を用いることを特
徴とする請求項1、2、3又は4の何れか1項記載の熱
可逆性記録媒体。 - 【請求項6】 熱可逆性材料として、スチレン・ブタジ
エン共重合体からなるマトリクス材と飽和カルボン酸又
は該飽和カルボン酸の誘導体とを含有した材料を用いる
ことを特徴とする請求項1、2、3又は4の何れか1項
記載の熱可逆性記録媒体。 - 【請求項7】 熱可逆性材料として、無定形エチレン・
プロピレンからなるマトリクス材と飽和カルボン酸又は
該飽和カルボン酸の誘導体とを含有した材料を用いるこ
とを特徴とする請求項1、2、3又は4の何れか1項記
載の熱可逆性記録媒体。 - 【請求項8】 熱可逆性材料として、トランスポリイソ
プレンからなるマトリクス材と飽和カルボン酸又は該飽
和カルボン酸の誘導体とを含有した材料を用いることを
特徴とする請求項1、2、3又は4の何れか1項記載の
熱可逆性記録媒体。 - 【請求項9】 透明支持体における周辺部に文字や図形
を印刷したことを特徴とする請求項1、2、3又は4の
何れか1項記載の熱可逆性記録媒体。 - 【請求項10】 反射層又は光吸収層は、白色に対して
コントラストの大きい黒色や赤色等を印刷して形成した
着色層であることを特徴とする請求項1、2、3又は4
の何れか1項記載の熱可逆性記録媒体。 - 【請求項11】 反射層又は光吸収層は、白色に対して
コントラストの大きい複数色を印刷して形成した着色層
であることを特徴とする請求項1、2、3又は4の何れ
か1項記載の熱可逆性記録媒体。 - 【請求項12】 反射層又は光吸収層は、螢光塗料を含
む塗料で印刷した層であることを特徴とする請求項1、
2、3又は4の何れか1項記載の熱可逆性記録媒体。 - 【請求項13】 反射層又は光吸収層は、熱伝導率のよ
いカーボン粉又は金属粉を含む塗料で印刷した層である
ことを特徴とする請求項1、2、3又は4の何れか1項
記載の熱可逆性記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3147274A JPH05201130A (ja) | 1991-06-19 | 1991-06-19 | 熱可逆性記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3147274A JPH05201130A (ja) | 1991-06-19 | 1991-06-19 | 熱可逆性記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05201130A true JPH05201130A (ja) | 1993-08-10 |
Family
ID=15426509
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3147274A Withdrawn JPH05201130A (ja) | 1991-06-19 | 1991-06-19 | 熱可逆性記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05201130A (ja) |
-
1991
- 1991-06-19 JP JP3147274A patent/JPH05201130A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19980903 |