JPH05200349A - 回転塗布方法及び回転塗布機 - Google Patents

回転塗布方法及び回転塗布機

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JPH05200349A
JPH05200349A JP35666991A JP35666991A JPH05200349A JP H05200349 A JPH05200349 A JP H05200349A JP 35666991 A JP35666991 A JP 35666991A JP 35666991 A JP35666991 A JP 35666991A JP H05200349 A JPH05200349 A JP H05200349A
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JP
Japan
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substrate
sample table
differential pressure
closed space
coating
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JP35666991A
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English (en)
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Shintaro Yanagisawa
真太郎 柳澤
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CHUO RIKEN KK
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CHUO RIKEN KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 塗布液の界面張力の影響や回転時の乱気流の
影響による塗布厚の不均一化を防止し、付加的に基板裏
面への塗布液の回り込みを防止する。 【構成】 基板1の回転の際に基板中心部13から基板
周辺部14に流れる気流20を形成して基板周辺部14
に滞留する塗布液2を押し流す。この気流20は例え
ば、基板回転時に基板表面10の近傍の気圧よりも低い
圧力になる差圧発生部6を、基板1の側方又は側下方に
設けることにより達成される。また、試料台3から蓋5
2までの高さhを低くして乱気流の発生を防止する。さ
らに、回転時に高い気圧となる裏面用差圧発生部8が設
けられ、減圧状態の差圧発生部6に向けて流れる気流が
基板裏面11への塗布液2の回り込みを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願の発明は、ウエハや液晶基板
等のような基板に、レジスト等の塗布液を塗布するため
の方法及び機械に関するものである。より具体的には、
基板中心部に塗布液を滴下した後、基板を回転させて遠
心力により塗布液を基板表面の全面に塗布する回転塗布
方法及び回転塗布機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】LSIや液晶表示板の製造においては、
ウエハやガラス基板等の基板に塗布液を塗布する工程が
存在する。この工程は、基板表面に微細な回路を形成す
るフォトリソグラフィ工程の一部であって、レジストと
呼ばれる塗布液を基板表面に塗布し、その後露光工程や
現像工程等を経て微細回路が形成されることになる。従
来の塗布液の塗布は、基板中央に塗布液を適下した後、
基板を回転させて遠心力により基板表面の全面を被うよ
うにする回転塗布方式によるものが一般的である。
【0003】図9は、従来の回転塗布機の概略構成を説
明するための図である。図9の回転塗布機は、基板1が
載置される試料台3と、この試料台3を回転させるため
の回転支柱4と、試料台3を周囲を取り囲んで配置され
た容器本体501と、容器本体501の上方開口部を覆
うように配置された容器蓋502とから主に構成されて
いる。また、容器本体501の内部においては、回転時
において基板1から飛散する塗布液2を遮蔽するための
遮蔽板9が、試料台3を取り囲むように配置されてい
る。上記構成に係る回転塗布機においては、不図示の基
板搬送機構により基板1が搬送され、試料台3の上に載
置される。そして、不図示の滴下ノズルから塗布液2が
基板表面10の中央に滴下される。その後、容器蓋50
2が閉じられ、試料台3が回転し、回転によって発生す
る遠心力により塗布液2が基板表面10の四方に広が
り、基板表面を被う。
【0004】
【発明が解決しようとする技術的課題】本願の発明の主
要な利用分野である基板表面の微細加工の分野において
は、より均一な加工を行い完成品であるLSIや液晶表
示板等の歩留まりを向上させる必要性から、基板表面に
上記レジスト等の塗布液を均一に塗布することが必要に
なっている。この塗布の均一化は、例えばLSIで言え
ば高集積度化や高機能化,液晶表示板で言えば画素の高
密度化やカラー化等を背景として年々要求が厳しくなっ
てきている。
【0005】しかし、このような要求を充分満足できる
回転塗布方法や回転塗布機は、未だ提供されていないの
が実状である。液晶基板にカラーフィルタレジストを塗
布する場合等では、例えば3%程度の均一度が要求され
ているが、300ミリメートル角ぐらいの大きな基板に
対しこの程度の均一度で塗布できる機械は、未だ開発さ
れていない。このような事情を考慮して、本願発明は、
塗布液を基板により均一に塗布することを、まず共通の
目的としている。
【0006】ここで、均一度の高い塗布液の塗布が行え
ない原因を追求してみると、以下のような要因が考えら
れる。まず第一に、塗布液の界面張力に起因するもので
ある。即ち、上述のように遠心力により塗布液が基板周
辺部にまで至るようにした場合、流れてきた塗布液は基
板エッジの部分で界面張力により滞留し、これが原因で
基板周辺部の塗布厚はどうしても厚くなってしまう。こ
のような基板周辺部での塗布厚異常は、特に液晶基板の
ような方形の基板に塗布する場合には影響が深刻であ
る。図10は、方形の基板の場合の塗布厚異常の説明図
であるが、遠心力は当然ながら回転軸から等方的に働く
から、図10に斜線で示す角の部分は、どうしても塗布
液が滞留しやすく、塗布厚異常を生じ易い。LSIの製
造の場合には、ウエハの周辺部分からは良品がもともと
出来にくいのでそれほど問題とならないが、液晶基板の
場合には、すべてのセルが均一に点灯する必要があるた
め問題は本質的である。即ち、塗布厚が大きいと紫外線
の積算露光量が不足することになり、これが現像後の線
幅の不均一化をもたらす。このため、各セルの点灯状態
が均一にならず、塗布厚の不均一なパターンと同じパタ
ーンの点灯ムラが生じてしまう。そこで、本願発明は、
まず第一にこのような塗布液の界面張力に起因した塗布
厚異常を少なくして、塗布の均一化を図ることを目的と
する。
【0007】次に、塗布の不均一化は、回転の際に基板
の上方に発生する乱気流によっても生じる。これを図9
を用いて詳しく説明する。図9に示すような容器本体5
01の内部で試料台3が回転すると、回転軸40を取り
囲んで渦巻状に上昇する乱気流Aが、まず発生する。と
同時に、この乱気流Aが上方の容器蓋502に跳ね返っ
て基板半径の中程部分の表面に衝突する乱気流Bも発生
する。また、渦巻状の乱気流Aに引かれて、基板1の側
方から中心部に向かう乱気流C等も発生する。まず、上
記渦巻き状の乱気流Aは、回転軸40を中心とした同心
円状の塗布厚異常を生じる。また、塗布液の物性によっ
ては、塗布液が乱気流Aにより上昇して容器蓋502に
付着し、その後剥離して、基板表面10に落下すること
によって局部的な塗布厚異常を生じる場合もある。次
に、容器蓋502に跳ね返って基板1に衝突する乱気流
Bは、基板半径の中程部分に衝突して塗布厚を相対的に
薄くする。尚、一方、基板中心部13は、若干隆起した
ように厚くなる。さらには、遮蔽板9に飛散付着した塗
布液は、上記気流Cにより運ばれて基板1に再度付着
し、やはり局部的な塗布厚異常を生じる場合がある。上
記のような各種の乱気流により、塗布後の塗布液の厚さ
は、なだらかな凹凸や局部的な隆起等を生じて、塗布の
不均一化を助長する。特に、乱気流にようる局部的な塗
布厚異常は、LSIにしろ液晶表示板にしろ、ショート
不良の原因となり易い。従って、本願発明は、第二に、
このような乱気流により生じる塗布厚異常を防止して塗
布の均一化を図ることを目的とする。
【0008】本願発明は、上記第一又は第二の目的に加
えて、塗布液が基板の端部から裏面に回り込んで裏側に
付着するのを防止する付加的な第三の目的を有してい
る。即ち、周知のように、上述のような回転塗布におい
ては、塗布液が基板エッジから裏側に回り込んで付着す
る。この裏側に付着した塗布液は、基板の搬送等の際に
飛散して、基板表面に再び付着して汚損する場合があ
る。そこで、上記塗布厚の均一化とともに、この基板の
裏側への塗布液の付着を防止することが目的とされてい
る。
【0009】
【課題を解決するための具体的手段】上記第一の目的を
達成するため、本願の請求項1に記載の回転塗布方法
は、基板表面に沿って基板中心部から基板周辺部に流れ
る気流を発生させ、この気流の作用によって塗布液が基
板表面を被うようにする構成を有するものである。次
に、上記第二の目的達成のため、本願の請求項2に記載
の回転塗布機は、基板の回転の際に基板中心部から基板
周辺部に流れる気流を形成するために、基板回転時に基
板表面近傍の気圧よりも低い圧力になる差圧発生部を、
基板の側方又は側下方に設けた構成を有するものであ
る。同様に上記第二の目的達成のため、本願の請求項3
に記載の回転塗布機は、請求項2に記載の構成におい
て、基板を臨む空間を閉空間にするための閉空間形成部
を具備し、この閉空間形成部は、前記試料台の一部であ
るか若しくは試料台に延設されたものであり、前記差圧
発生部は、試料台又は閉空間形成部に設けられた開口部
である構成を有するものである。同様に上記第二の目的
達成のため、本願の請求項4に記載の回転塗布機は、請
求項2に記載の構成において、基板を臨む空間を閉空間
にするための閉空間形成部を具備し、この閉空間形成部
は、前記試料台の一部であるか若しくは試料台に延設さ
れたものであり、前記差圧発生部は、試料台又は閉空間
形成部に設けられた開口部と、この開口部の部分から延
設された差圧管とから形成される構成を有するものであ
る。また、上記第三の目的達成のため、本願の請求項5
に記載の回転塗布機は、請求項2,3又は4に記載の構
成において、試料台又は閉空間形成部には、基板の裏面
を基板中心部から基板周辺部に向かって気流が流れるよ
うにするための裏面用差圧発生部が設けられている構成
を有するものである。
【0010】
【実施例】以下、本願の発明の実施例を説明する。ま
ず、本願の回転塗布機の発明の第一実施例について説明
する。図1は、本願発明の回転塗布機の第一実施例の概
略構成を説明するための図である。図1に示す回転塗布
機は、基板1が載置される試料台3と、この試料台3を
軸支し、試料台3を回転させるための回転支柱4と、基
板1を臨む空間を閉空間にするための閉空間形成部51
と、この閉空間形成部51の上面開口を塞ぐ蓋52と、
試料台3の端部に開口部を設けることにより形成された
差圧発生部6とから主に構成されている。
【0011】この実施例では、試料台3は「お盆」のよ
うな形状を有しており、端部に立設されたフランジ状の
部分が閉空間形成部51になっている。即ち、この実施
例では、閉空間形成部51は、試料台3の一部になって
いる。閉空間形成部51は、上方が開口であり底板部5
11を有する円筒状のものであるが、高さが低いために
ほとんどリング状の形状と言って差し支えない。また、
閉空間形成部51以外の部分の試料台3は、略円盤状の
形状を有していおり、図1に示すように、断面形状が台
形になっている。そして、試料台3の上面には、基板1
を吸着して固定するための不図示の真空吸着口が多数設
けられている。この真空吸着口は、回転支柱4の内部に
設けられた連通孔を介して不図示の真空ポンプに連結さ
れている。試料台3を支持する回転支柱4は、駆動モー
タを含む不図示の駆動系により所定の回転速度により試
料台3を回転させるようになっている。
【0012】また、蓋52には、不図示の蓋開閉機構が
付設されており、この蓋回転機構により昇降して、閉空
間形成部512の上面開口を閉鎖及び開放するようにな
っている。尚、閉空間形成部51の上縁には、パッキン
53が設けられており、上記蓋51の閉鎖時には、この
パッキン53が蓋52と閉空間形成部51との間に充填
された状態となる。また、後述のように、試料台3の回
転時には、閉空間形成部51の内部空間は減圧された状
態となるから、これにより蓋51は、パッキン53を介
して閉空間形成部51に押し付けられた状態となる。ま
た、閉空間形成部51及び蓋52は、さらに大きな外箱
本体71及び外箱蓋72からなる外箱7の内部に収納さ
れている。尚、図1に示すように、外箱7には、排気用
穴73が設けられている。
【0013】図1に示す回転塗布機の動作を説明する。
まず、外箱蓋72及び蓋52が開けられた状態で、基板
1は、不図示の基板搬送系により搬送されて外箱7及び
閉空間形成部51の内部に進入し、試料台3に載置され
る。そして、基板1は、上述の真空吸着口の動作により
試料台3に吸着固定される。次に、塗布液の供給ノズル
(不図示)が内部に進入し、所定量の塗布液2を基板1
に滴下する。そして、回転支柱4が所定速度で回転を始
め、前述の従来の場合と同様に、塗布液2が基板表面1
0の全面に塗布される。尚、上述の説明及び図2から明
かなように、回転支柱4が回転すると、閉空間形成部5
1は、試料台3と一体に回転するようになっている。
【0014】次に、本実施例の特徴点である差圧発生部
について説明する。この実施例の差圧発生部6は、試料
台3の端部に設けられた直径15〜20mm程度の小さな
丸い開口部60と、開口部60の部分から差圧管61を
下方に延設した構成を有するものである。この差圧管6
1は、円筒状のパイプを斜めに切断したような形状を有
しており、その切断面を上記試料台3の回転する向きと
は反対の向きに向けた状態で、試料台3の裏面に固定さ
れている。この差圧管61は、いわゆるピトー管と同様
の作用を有するものである。すなわち、試料台3が回転
すると、上記差圧管61も一体に回転する。管の高さに
等しい高さの側面部分(以下、前面)は、回転の際して
「向かい風」を直接受ける部分であるのに対し、上記斜
めの切断面は後方に位置する。そして、前面の近傍の空
間は、衝突してくる気体分子により気圧が上がるのに対
し、後方の切断面の近傍の気圧は、前面が体分子をかき
分けた状態になるので気圧が下がる。切断面の近傍の気
圧が下がると、この部分に開口部60を通して内部の気
流が流れ込み、基板表面10を流れる気流を促進するこ
とになる。このような差圧発生部6は、回転軸40を中
心として円周上に等間隔に複数設けることが望ましく、
たとえば、4個から12個程度設けられる。
【0015】また、この差圧発生部6は、上記のような
試料台3の端部ではなく、側方の閉空間形成部51に設
けても良いことは勿論である。但し、基板表面10の高
さより高い位置に設けると、あまり効果が無くなるの
で、基板表面10の高さ以下の高さの位置に設けること
が望ましい。尚、基板1の回転時には、基板中心部13
の上方の空間も減圧になるので、差圧発生部6の気圧が
この部分の気圧よりも低くならなければ、上記気流の促
進は原理的には起こらない。しかし、図6に示す後述の
実験結果から分かるように、通常は差圧発生部6の気圧
低下の方が大きく、このため上述の気流の促進が達成さ
れる。また、図1と図9とを比べると分かるように、本
実施例の回転塗布機においては、試料台3から上方の蓋
52までの高さhが、従来に比べかなり小さくなってい
る。これは、従来の技術の説明において述べたような乱
気流の発生を防止するためである。即ち、図1に示すよ
うに、試料台3から蓋52までの高さを小さくしておく
と、従来の装置における乱気流が発生しづらくなり、上
記差圧発生部6による気流が乱されることなく基板表面
10を流れることになる。このような乱気流発生防止の
効果は、上記蓋52までの高さhが20mm以下の場合に
好適に得られる。尚、乱気流がしづらいことから、図9
に示すような基板中心部13での塗布液の隆起や基板半
径の中程部分での落ち込みは当然無くなり、この点にお
いても、本実施例の回転塗布機は、高い均一度の塗布を
行うことができる。さらに、本実施例の回転塗布機によ
れば、基板表面10から基板エッジ15を通り差圧発生
部6に至る気流は、基板1から飛散する霧状の塗布液2
を運び、開口部である差圧発生部6から閉空間形成部5
1の外部に運び出す。従って、従来のように、塗布液2
が容器本体501の壁面や遮蔽板9に付着した後剥離し
て、再度基板表面10に付着して局部的な塗布厚異常を
生じることがなく、この点でもさらに均一度の高い塗布
を行うことができるようになっている。
【0016】次に、上記実施例の回転塗布機において達
成されている本願発明の回転塗布方法の実施例について
説明する。図2は、本願の発明の回転塗布方法の実施例
の説明図であり、1は基板,2は塗布液,3は試料台,
20は気流を示す。前述のように、従来の回転塗布機に
おいては、基板周辺部特に角部における材料の界面張力
の作用により、塗布液2が膨出したような状態で滞留し
てしまう。しかし、図1に示す回転塗布機のように、基
板1の回転させながら、基板表面10を基板中心部13
から基板周辺部14に向かう気流20を発生させると、
遠心力とともにこの気流4の作用によって塗布液2が基
板表面10の上に拡がる。そしてさらに、図2に示すよ
うに、基板周辺部14において滞留しようとする塗布液
2を、気流20が基板エッジ15から側下方に向けて押
し流し、平坦にする。このため、塗布の均一度の向上が
図られる。
【0017】気流20を発生させる手段としては、前述
の実施例の回転塗布機のように、基板表面10の高さ以
下の位置のある空間を減圧空間にするための差圧発生部
6でも良いし、気流噴射ノズルのようなものを別途設け
る構成により行っても構わない。
【0018】図3は、本願発明の回転塗布方法の実施例
の効果を説明するための塗布厚分布のグラフである。図
3において、横軸は基板の中心からの距離を示し、縦軸
は塗布厚の厚さを示している。図3において、曲線C4
は従来の回転塗布機で塗布を行った場合の塗布厚分布を
示し、C5は図1に示す実施例の回転塗布機で塗布を行
った場合の塗布厚分布を示している。いずれの場合も、
基板は液晶表示板用のガラス基板であり、塗布液はヘキ
ストジャパン株式会社製のAZ4903が使用された。
また、試料台の速度制御は、図4に示すような単純な台
形制御であり、定常速度1000rpmで、回転時間は
10秒に設定した。図3に示す塗布厚分布の比較から明
かなように、従来の回転塗布機で塗布を行った場合に
は、基板周辺部の塗布厚がその他の部分の塗布厚の2倍
ぐらいに厚くなってしまって均一度が悪い。これに対
し、実施例の回転塗布機の場合には、基板周辺部に至る
にしたがってなだらかに塗布厚が薄くなるものの、ほと
んど同じ塗布厚で塗布できていることが分かる。図3の
曲線4のように塗布厚が均一になるのは、本願発明の回
転塗布方法が、気流の作用によって塗布液を塗布してい
るからに他ならない。
【0019】次に、本願発明の回転塗布機の第二実施例
について説明する。図3は、第二実施例の概略構成を説
明するための図である。この実施例の回転塗布機は、差
圧発生部6の構成のみが前記第一実施例と異なるもので
ある。従って、差圧発生部6以外の構成の説明は省略す
る。この実施例における差圧発生部6は、第一実施例の
開口部60と同様の開口部のみから構成されている。こ
のような開口部を単に設けただけでは、前述の実施例の
ようなピトー管としての機能は有しないが、回転時に発
生する付近の気流の影響で、この開口部の部分の気圧が
低くなる。開口部である差圧発生部6の気圧が低くなる
と、基板表面10から基板エッジ15を通り差圧発生部
6に至る気流の流れが促進される。尚、差圧発生部6と
しては、上述の各実施例のような構成以外にも、たとえ
ば真空ポンプに連結されたホースを開口部の部分に連結
する等の他のさまざまな構成を採用することができる。
【0020】上記二つの実施例における差圧発生部6に
よる差圧の発生の度合いは、当然ながら、試料台3の回
転速度に関係する。図6は、従来及び各実施例の回転塗
布機における差圧の発生度合いを調べた結果を示すグラ
フである。図6において、曲線C1は第一実施例におけ
るものを示し、曲線C2は第二実施例におけるものを示
す。また、曲線C3は、従来の回転塗布機におけるもの
を示す。尚、図6は、直径が600mmの試料台3の中
央付近の圧力を、図7に示すような測定条件で測定した
ものである。さらにまた、C1及びC2については、試
料台3から蓋52までの高さが20mmの条件で測定さ
れたものである。図6に示すように、従来の回転塗布機
の場合には、回転速度を大きくしてもほとんど差圧が発
生しないが、各実施例の場合には、いずれも回転速度が
速くなるに従い差圧の大きさがどんどん大きくなってい
る。そして、差圧管61を付加的に設けた第一実施例の
方が、単なる開口部の場合の第二実施例よりも差圧の発
生度合いが若干大きくなっている。尚、図6は試料台3
の中央付近の気圧を示しているが、この部分の気圧が下
がるということは、差圧発生部6との間に発生した差圧
によってこの部分の気体が排出された結果生じるもので
ある。
【0021】ちなみに、図9に示す従来の機械におい
て、かなり回転速度を上げてやれば上述のような基板表
面10を流れる気流を発生させることができるかもしれ
ない。しかし、その場合には、前述の乱気流の影響がさ
らに甚だしくなってしまい、均一度の向上にはつながら
ない。
【0022】次に、本願の第三の目的を達成する回転塗
布機の発明の第三の実施例を説明する。図8は、回転塗
布機の第三実施例の概略構成を説明するための図であ
る。この例の回転塗布機は、裏面用差圧発生部8が付加
的に設けられていることを除き、他の構成は上記第二実
施例の場合と同様であるので、同様に説明を省略する。
裏面用差圧発生部8は、第二実施例における差圧発生部
6とほぼ同様の構成である。即ち、試料台3に設けられ
た裏面用開口部80と、この開口部80の周縁を取り囲
む位置から垂設した裏面用差圧管81とから構成されて
いる。裏面用開口部80は、断面台形状の試料台3の斜
面の部分から下方に貫通するようにして設けられてお
り、塗布液が回り込み易い基板周辺部14の裏面部分の
下方よりも少し回転支柱4に近い内側に位置している。
そして、裏面用差圧管81は、前述の差圧管61と同様
に円筒パイプを斜めに切断したような外観形状ではある
が、前述の差圧管61と異なり、切断面を試料台3の回
転の向きと同じ向きに向けた姿勢で配置されている。従
って、試料台3が回転すると、切断面の付近の気圧が高
くなる。即ち、裏面用差圧発生部8は、内部の気圧によ
りも高い気圧となる。一方、表面用の差圧発生部6は前
述の通り低い圧力になるから、このため、裏面用差圧発
生部8から表面用の差圧発生部6にかけての気流が生じ
る。この気流は、これまでの説明及び図6から明かなよ
うに、基板裏面11に沿って基板中心部13から基板周
辺部14にかけて流れることになる。そして、この基板
裏面11を流れる気流により、基板エッジ15の部分か
ら塗布液が基板裏面11に回り込むことが抑制される。
【0023】前述の基板表面10から基板エッジ15を
通り差圧発生部8に至る気流と比較して上述の裏面用の
気流が弱いと、基板表面10からの気流によって裏面用
差圧発生部8からの気流が押し戻されて逆流する恐れが
ある。そこで、上記裏面用開口部80及び裏面用差圧管
81の径は例えば5〜10mm程度として、表面用の開口
部60及び差圧管61の径に比べて小さくし、裏面用差
圧発生部8からの気流の速度を速くして気流が押し戻さ
れないようにすると良い。尚、外箱7の底板部には、排
気用穴73とともに給気用穴74が設けられている。ま
た、前述の表面用の差圧発生部6から運び出された霧状
の塗布液2が、上記裏面用差圧発生部8から再度閉空間
形成部51の内部に進入しないようにするため、外箱7
の底板部に凸部を形成して隔壁82を構成するようにし
ている。尚、裏面用差圧発生部8は、回転軸40を中心
とした円周上に等間隔で2個から6個程度設けられる
が、表面用の差圧発生部より少ない数にした方が、上記
気流の高速化という点では好適である。
【0024】また、本願の請求項5においては、上記の
ような基板表面10での気流発生に加えて、この基板裏
面11の気流による塗布液の回り込み防止について特許
請求されているが、例えば基板裏面11での気流発生の
ためのみの気流噴射ノズル等を採用すれば、基板裏面1
1への塗布液回り込み防止のみに関する発明も成立し得
る。
【発明の効果】以上説明したように、本願の請求項1に
記載の回転塗布方法によれば、塗布液の界面張力に起因
した塗布厚異常を少なくして、塗布の均一化を図ること
ができる。また、請求項2,3及び4に記載の回転塗布
機によれば、乱気流により生じる塗布厚異常を防止して
塗布の均一化を図ることができる。さらに、請求5に記
載の回転塗布機によれば、上記塗布の均一化の効果に加
えて、塗布液が基板の端部から裏面に回り込んで裏側に
付着するのを防止できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の回転塗布機の第一実施例の概略構成
を説明するための図である。
【図2】本願の発明の回転塗布方法の実施例の説明図で
ある。
【図3】本願発明の回転塗布方法の効果を説明するため
の塗布厚分布のグラフである。
【図4】図3の塗布厚分布のデータを得た実験における
試料台の速度制御の説明図である。
【図5】本願発明の回転塗布機の第二実施例の概略構成
を説明するための図である。
【図6】従来及び各実施例の回転塗布機における差圧の
発生度合いを調べた結果を示すグラフである。
【図7】図6のデータの測定条件を説明するグラフであ
る。
【図8】本願発明の回転塗布機の第三実施例の概略構成
を説明するための図である。
【図9】従来の回転塗布機の概略構成を説明するための
図である。
【図10】方形の基板の場合の塗布厚異常の説明図であ
る。
【符号の説明】
1 基板 10 基板表面 11 基板裏面 13 基板中心部 14 基板周辺部 15 基板エッジ 2 塗布液 3 試料台 4 回転支柱 40 回転軸 51 閉空間形成部 52 蓋 6 差圧発生部 61 開口部 62 差圧管 7 外箱 71 外箱本体 72 外箱蓋 8 裏面用差圧発生部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/027

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料台上に載置された基板表面に塗布液
    を適下し、試料台を回転させて塗布液を基板表面に塗布
    する回転塗布方法において、基板表面に沿って基板中心
    部から基板周辺部に流れる気流を発生させ、この気流の
    作用によって塗布液が基板表面を被うようにすることを
    特徴とする回転塗布方法。
  2. 【請求項2】 試料台上に載置された基板表面に塗布液
    を適下し、試料台を回転させてこの塗布液を基板表面に
    塗布する回転塗布機において、基板の回転の際に基板中
    心部から基板周辺部に流れる気流を形成するために、基
    板回転時に基板表面近傍の気圧よりも低い圧力になる差
    圧発生部を、基板の側方又は側下方に設けたことを特徴
    とする回転塗布機。
  3. 【請求項3】 前記基板を臨む空間を閉空間にするため
    の閉空間形成部を具備し、この閉空間形成部は、前記試
    料台の一部であるか若しくは試料台に延設されたもので
    あり、前記差圧発生部は、試料台又は閉空間形成部に設
    けられた開口部であることを特徴とする請求項2に記載
    の回転塗布機。
  4. 【請求項4】 前記基板を臨む空間を閉空間にするため
    の閉空間形成部を具備し、この閉空間形成部は、前記試
    料台の一部であるか若しくは試料台に延設されたもので
    あり、前記差圧発生部は、試料台又は閉空間形成部に設
    けられた開口部と、この開口部の部分から延設された差
    圧管とから形成されることを特徴とする請求項2に記載
    の回転塗布機。
  5. 【請求項5】 前記試料台又は閉空間形成部には、基板
    の裏面を基板中心部から基板周辺部に向かって気流が流
    れるようにするための裏面用差圧発生部が設けられてい
    ることを特徴とする請求項2,3又は4に記載の回転塗
    布機。
JP35666991A 1991-12-26 1991-12-26 回転塗布方法及び回転塗布機 Pending JPH05200349A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115502048A (zh) * 2022-10-17 2022-12-23 苏州苏纳光电有限公司 改善匀胶趋势和均匀性的光刻胶匀胶装置、方法及应用

Citations (2)

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JPH01135565A (ja) * 1987-11-23 1989-05-29 Tatsumo Kk 塗布装置

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