JPH0519944Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は、外装部で被覆されており、この外装
部から外側に突出し、外装面に沿つて屈曲する陽
極及び陰極端子を有する固体電解コンデンサに関
する。

＜従来の技術＞ 第３図ａはこの種の固体電解コンデンサの従来
例の斜視図、第３図ｂはこの固体電解コンデンサ
を配線板に半田を介して接続した状態を示すもの
で、内部機構を省略した縦断面図である。この固
体電解コンデンサは、固体電解コンデンサ素子
（図示せず）を有し、この固体電解コンデンサ素
子を外形が略直方体の外装部１が被覆している。
外装部１の左側面から陽極端子２が突出してお
り、外装部１内において固体電解コンデンサ素子
の陽極体と電気的に接続されている。外装部１の
右側面から陰極端子が突出し、外装部１内で固体
電解コンデンサ素子の陰極層と電気的に接続され
ている。この固体電解コンデンサは、陽極及び陰
極端子２，３の基端部が外装部１の左右の側面に
沿うように屈曲され、先端側が外装部１の下面に
沿うように中央部で内側に屈曲されており、夫々
の端子２，３が配線板７の端子部８ａ，８ｂに半
田９を介して接続される構造となつている。

＜考案が解決しようとする課題＞ 上述した従来の固体電解コンデンサは、陽極及
び陰極端子が外装部から突出し、その基端部が外
装部の側面に沿うように曲げ加工された状態で配
線板に実装されるが、この曲げ加工により端子は
塑性変形し、基端部の屈曲部にクラツクが生じる
ことがある。端子にクラツクがはいつた固体電解
コンデンサは、配線板に実装された後に行われる
超音波洗浄及び配線板が装置へ実装された後の装
置の振動により振動を受け、それらの振動による
応力は陽極及び陰極端子の基端部の屈曲部に集中
するので、この部分で破断することがあるという
問題がある。

＜課題を解決するための手段＞ 上記の課題を解決するため、この考案は、上述
したように固体電解コンデンサ素子と、この固体
電解コンデンサ素子を被覆する外装部と、上記固
体電解コンデンサ素子の陽極体と電気的に接続さ
れ上記外装部から突出しその基端部が外装部の外
面に沿つて屈曲形成されている陽極端子と、上記
固体電解コンデンサ素子の陰極層と電気的に接続
され上記外装部から突出しその基端部が外装部の
外面に沿つて屈曲形成されている陰極端子とを具
備する固体電解コンデンサにおいて、上記陽極及
び陰極端子の少なくとも上記基端部の屈曲部に補
強用の樹脂を塗布したものである。

そして、上記補強用の樹脂の色を上記陽極端子
側と陰極端子側とで色を変えることが好ましい。

＜作用，効果＞ この考案では、陽極及び陰極端子の少なくとも
基端部の屈曲部に補強用の樹脂を塗布することに
より、陽極及び陰極端子の基端部の屈曲部を補強
しているので、屈曲部にクラツクが生じても、超
音波洗浄及び配線板が装置へ実装された後の装置
の振動によつて屈曲部が破断することを防止する
効果がある。

また、陽極端子側と陰極端子側とで補強用樹脂
の色を変えることにより、極性を明確にすること
ができ、配線板に極性を誤つて実装するのを防止
できるという効果がある。

＜実施例＞ この考案の一実施例について第１図と第２図を
参照して説明する。

第１図ａは本考案の固体電解コンデンサの一実
施例の斜視図、第１図ｂはその内部機構を省略し
た断面図である。１は外装部で、外形が略直方体
に形成された樹脂であり、固体電解コンデンサ素
子（図示せず）を被覆している。

２は陽極端子で、外装部１の左側面から突出
し、その基端部は外装部１の左側面に沿つて下方
へ屈曲されており、先端側が外装部１の下面に沿
うように中央部で屈曲されている。この陽極端子
２の基端側に外装部１内において固体電解コンデ
ンサ素子の陽極体が溶接等により結合されてお
り、陽極端子２の中央部に配線板７の端子部８ａ
が半田９を介して接合されている。

３は陰極端子で、陽極端子２に対向する外装部
１の右側面から突出し、その基端部は右側面に沿
つて下方へ屈曲されており、先端側が外装部１の
下面に沿うように中央部で屈曲されている。この
陰極端子３は、外装部１内において、基端側に固
体電解コンデンサ素子の陰極層が結合され、陰極
端子３の中央部に配線板７の端子部８ｂが半田９
を介して接合されている。

６は補強用の樹脂で、天然及び合成樹脂を使用
することができる。ここではエポキシなどの合成
樹脂であり、陽極及び陰極端子２，３の基端部を
屈曲することによつて形成された屈曲部５ａ，５
ｂの外面に塗布されており、この屈曲部５ａ，５
ｂを補強するものである。樹脂６の色は、例えば
陽極側を赤色に、陰極側を緑色に選択されてい
る。このように補強用の樹脂６の色を極性に応じ
て変えることにより、陽極と陰極を間違えずにこ
の固体電解コンデンサを配線板７等に実装するこ
とができる。

この補強用の樹脂６を屈曲部５ａ，５ｂに塗布
する手順を、第２図ａ乃至第２図ｃを参照して説
明する。固体電解コンデンサの陽極及び陰極端子
２，３の略中央で先端を下方に向けるように直角
に屈曲し（第２図ａ）、次に陽極及び陰極端子２，
３の基端部を外装部１の左右の側面に沿うように
屈曲し（第２図ｂ）、両端子５，６の基端部の屈
曲部５ａ，５ｂに色違いの補強用樹脂６を塗布す
る（第２図ｃ）。

この固体電解コンデンサは、配線板７等に実装
された後の超音波洗浄による振動を受けたとき
や、配線板７が装置に実装された後、装置から振
動を受けた時、端子２，３の基端部の屈曲部５
ａ，５ｂに振動による応力が集中するが、補強用
の樹脂６がこの屈曲部５ａ，５ｂを補強している
ので、屈曲部５ａ，５ｂの破断が防止される。

この実施例では補強用の樹脂６を端子２，３の
屈曲部５ａ，５ｂの外面に塗布したものを示した
が、半田９と端子２，３との結合部分が少ないと
きは、屈曲部５ａ，５ｂよりも広い部分に渡つて
樹脂６を塗布したり、屈曲部５ａ，５ｂの内面に
塗布して補強することもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図ａは本考案の固体電解コンデンサの一実
施例を示す斜視図、第１図ｂは同考案の固体電解
コンデンサを配線板に実装した状態を示す内部機
構を省略した縦断面図、第２図ａ，ｂ，ｃは固体
電解コンデンサに補強用樹脂を塗布する手順を示
す図、第３図ａは従来の固体電解コンデンサの一
例を示す斜視図、第３図ｂは同従来の固体電解コ
ンデンサを配線板に実装した状態を示す内部機構
を省略した縦断面図である。 １……外装部、２……陽極端子、３……陰極端
子、５ａ……陽極端子側の屈曲部、５ｂ……陰極
端子側の屈曲部、６……補強用の樹脂。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 固体電解コンデンサ素子と、この固体電解コ
   ンデンサ素子を被覆する外装部と、上記固体電
   解コンデンサ素子の陽極体と電気的に接続され
   上記外装部から突出しその基端部が外装部の外
   面に沿つて屈曲形成されている陽極端子と、上
   記固体電解コンデンサ素子の陰極層と電気的に
   接続され上記外装部から突出しその基端部が外
   装部の外面に沿つて屈曲形成されている陰極端
   子とを具備する固体電解コンデンサにおいて、
   上記陽極及び陰極端子の少なくとも上記基端部
   の屈曲部に補強用の樹脂を塗布したことを特徴
   とする固体電解コンデンサ。 (2) 上記補強用の樹脂の色を上記陽極端子側と陰
   極端子側とで色を変えたことを特徴とする請求
   項１記載の固体電解コンデンサ。