JPH05198556A - 陽極化成装置 - Google Patents

陽極化成装置

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JPH05198556A
JPH05198556A JP4031325A JP3132592A JPH05198556A JP H05198556 A JPH05198556 A JP H05198556A JP 4031325 A JP4031325 A JP 4031325A JP 3132592 A JP3132592 A JP 3132592A JP H05198556 A JPH05198556 A JP H05198556A
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JP
Japan
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substrate
silicon
crystalline silicon
anodizing
anodizing apparatus
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JP4031325A
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English (en)
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Yasutomo Fujiyama
靖朋 藤山
Kiyobumi Sakaguchi
清文 坂口
Takao Yonehara
隆夫 米原
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D11/00Electrolytic coating by surface reaction, i.e. forming conversion layers
    • C25D11/02Anodisation
    • C25D11/32Anodisation of semiconducting materials

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
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  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電解質溶液中に被処理基板と電極とを配置
し、電圧を印加することにより陽極化成反応を行なう陽
極化成装置において、安全に、かつ基板に損傷を与える
ことなく、かつ有効処理面積の大きな陽極化成装置を実
現する。 【構成】 電解質溶液中に被処理基板と電極を配置し、
電圧を印加して陽極化成反応を行なう陽極化成装置にお
いて、前記被処理基板1を前記電解質溶液中の対を成す
電極3a,3b間に支持する基板支持手段4,5a,5
bを有し、該基板支持手段4,5a,5bが、前記被処
理基板1の側面外周部の全周を押圧して支持し、かつ、
該基板支持手段4,5a,5bと、前記被処理基板1と
により、前記電解質溶液6a,6bを電気的に分離した
構造としたことを特徴とする陽極化成装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低消費電力と高速性を
兼ね備えたBi−CMOSデバイスを搭載したULSI
やセンサーデバイス、演算素子、メモリなどの機能素子
を積層した3次元構造デバイス、または電子交換機、放
電プリンタ、プラズマ、ディスプレイ用のパワー・トラ
ンジスタなどの高耐圧デバイス、等に用いられるSOI
(Silicon On Insulator)形成技
術や、マイクロ・マシニング技術の分野等で利用される
結晶シリコン層の陽極化成処理装置に関し、特に多孔質
シリコンの製造に用いられる陽極化成装置に関するもの
である。
【0002】尚、本発明で述べる多孔質シリコンとは、
単結晶構造を保有するとともに、その内部に多数の細孔
を有する構造を特徴とする結晶シリコンを意味する。
【0003】また、本発明において結晶シリコン基板と
表現する場合は、半導体産業分野において利用される細
孔を有しない単結晶シリコンウェーハを意味する。
【0004】
【従来の技術】多孔質シリコンの形成は、ウィラー
(A.Uhlir)及びターナー(D.R.Turne
r)により、フッ化水素酸(以降、HFと略記する。)
水溶液中において正電位にバイアスされた単結晶シリコ
ンの電解研磨の研究過程において発見された。
【0005】その後、多孔質シリコンの反応性に富む性
質を利用して、シリコン集積回路製造工程において、厚
い絶縁物の形成が必要な素子間分離工程に応用する検討
がなされ、多孔質シリコン酸化膜によるICの完全分離
技術であるFIPOS(Full Isolation
by Porous Oxidized Silic
on)や、多孔質シリコン基板上に成長させたシリコン
・エピタキシャル層を酸化膜を介して非晶質基板上や単
結晶シリコン・ウェーハ基板上に貼付けるシリコン直接
接合技術などへの応用技術が開発されるに至った。
【0006】従来、多孔質シリコンは、図5に示した特
開昭60−94737号等に記載されているような陽極
化成装置を用いて形成された。
【0007】このような陽極化成装置は、図に示される
ように、縮退したシリコンウェーハ1を挟んで耐HF性
のテフロン製化成槽2a及び2bを有しており、各化成
槽は白金電極板3a及び3bが配置してある。
【0008】化成槽2a及び2bの外壁面とシリコンウ
ェーハ1のウェーハラッピング面とは、フッ素ゴム製O
リング10を介してウェーハ装着が容易なように分解可
能な構造で接合し、陽極化成装置が組み立てられてい
る。
【0009】また、化成槽2a及び2bのシリコンウェ
ーハ1に接する側壁には前記Oリング10の内径寸法に
対応する開口が設けてあり、化成槽2a及び2b内には
シリコンウェーハ1をエッチングする為の純水で希釈さ
れたHF水溶液からなる電解質溶液6a及び6bが満た
されている。各化成槽内のHF水溶液は前記Oリング1
0により液漏れがないようにシールされている。
【0010】次に、外部直流電源(図示せず)により、
白金電極3aを陰極に、また白金電極3bを陽極にする
ことで、化成槽2a内のHF水溶液6aにおいてフッ素
イオン(以降、「F- イオン」と略記する。)が発生す
る。F- イオンはシリコンウェーハ1の陰極側表面でシ
リコン原子と反応し、四フッ化シリコン(SiF4 )と
水素(H2 )を化成することで、シリコンウェーハ1を
溶解して細孔を形成する。
【0011】結晶シリコンの陽極化成反応による細孔形
成において、シリコンウェーハ中の正孔の存在が不可欠
であることが知られており、その形成メカニズムは、次
のように想定される。
【0012】まず、縮退したP型シリコン内の正孔が単
結晶シリコンウェーハ表面に達すると、表面のシリコン
未結合手を補償するSi−H結合へのF- イオンの求核
攻撃が生じこれに代わってSi−F結合を形成する。
【0013】F原子はSi原子に比べて電気陰性度が大
きいために結合したFイオンによる分極誘導が生じ、表
面のSi−H結合を別のF- イオンが攻撃してさらにS
i−F結合を形成する。これによりH2 分子が発生する
と同時に、陽極電極内に電子1個を注入する。Si−F
結合によって生じる分極のためバックボンド(back
bonds)の電子密度が低下し、Si−Si結合が弱
くなる。
【0014】この弱い結合(weakened bon
ds)はHFあるいはH2 Oによって攻撃され、結晶表
面のSi原子はSiF4 となって表面から離脱し、表面
は水素や酸素で終端される。Si原子の離脱によって生
じた結晶表面の窪みは正孔を優先的に引き寄せる電場の
分布を生じ、表面異質性が拡大して電界方向に細孔が形
成される。
【0015】尚、一般に前記電解質溶液にはアルコール
が混合されて使用される場合が多い。これは、反応によ
り発生した水素ガスが表面に付着してフッ化水素酸の表
面への供給を妨げて反応を阻害することを防ぐように作
用する。このような細孔の優先的な形成は、正孔が小数
担体となる縮退したn型シリコンにおいても生じる。こ
の場合、光の照射による電子−正孔対の生成が正孔の供
給源となる。
【0016】このようにして形成された多孔質シリコン
の細孔の直径は透過型電子顕微鏡による観察によると多
孔質化率(Porosity)が20〜80%のとき1
〜100nm(ナノメートル)程度であり、内面積は実
に〜200m2 /cm3 (平方メートル/立方センチメ
ートル)にも達する。また、その密度は単結晶シリコン
の2.33g/cm3 (グラム/立方センチメートル)
に比べて1.1〜0.6g/cm3 の範囲に変化させる
ことができる。
【0017】一般に、単結晶シリコンを酸化するとその
体積は2.2倍に増加するが、多孔質シリコンでは密度
制御を行うことで酸化による体積変化を小さくすること
ができる。その結晶性は二結晶X線回析法による測定か
ら(400)回折面から求めた垂直方向の格子定数の変
化量は10-3のオーダで増減するが、(311)回折面
から求めた平行な方向の変化量は検出限界以下(<10
-4)でほとんどないことが分かっており、X線回折強度
曲線からは多孔質シリコン層のシリコン格子が高度に配
列されていることが明らかになっている。即ち、多孔質
シリコンの格子定数は細孔の形成方向に沿って変化す
る。
【0018】又、ラザフォード後方散乱法による測定か
ら多孔質シリコンの細孔表面にはシリコン酸化層が存在
することも明かとなっている。この格子定数の変化の原
因としては、細孔表面に化成したシリコン酸化膜のガス
吸収、脱離による膨張、収縮に伴う多孔質シリコン柱の
伸縮や、表面結合原子との電気陰性度の差による格子
歪、等が考えられることから、化成条件によってこれを
制御し、局所的に緩和することは可能である。
【0019】このような多孔質シリコン特有の構造が、
単結晶シリコンに比べて極端に早いエッチング速度や酸
化速度を有することや、結晶性を損なうことがないこと
から多孔質シリコン上のエピタキシャル成長が可能であ
ること、更には縮退、非縮退、導電タイプの違いによる
多孔質化の選択性等の特徴を生じさせている。
【0020】このような単結晶シリコンでは得られない
特質を有する多孔質シリコンの形成は、この製造方法に
大きく依存する。HF混合水溶液の濃度、電流密度、反
応温度、反応電流の電気力線、被処理基板の不純物密
度、化成速度などが最適化されることが必要である。
【0021】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、こ
のようにして形成される多孔質シリコンは、その形成過
程における多孔質化に伴う応力変化によりクラック等が
生じ破損することがある。これは、被処理基板の支持方
法や多孔質化領域等、陽極化成装置の構造に依存すると
ころが大きい。
【0022】既に説明したように、多孔質シリコンの格
子定数は細孔の形成方向に沿って変化する。これは微視
的構造変化であるが、ウェーハ全体をその厚み方向に多
孔質化するような場合には「ウェーハの反り」といった
巨視的構造変化として現れる。しかも、格子定数の変化
に伴って、反りの方向も変化する。
【0023】従来の化成装置においては、図6に示すよ
うに、ウェーハ(被処理基板)1をその表面で支持する
と同時に気密性を保持する構造であるため、ウェーハ1
のOリング10の接触領域11の内側のHF水溶液接触
領域12のみが化成されて多孔質化し、Oリング接触領
域11及びその外周部領域13は単結晶シリコン構造の
まま残るという問題があった。
【0024】又、FIPOS構造の場合のように、被処
理基板の内部においてウェーハの面方向の電界が生じて
細孔が形成される場合もまた、面方向の構造歪のために
外周部の単結晶シリコンとの間に応力を生じる。このよ
うな応力の発生は結晶シリコンのように構造柔軟性に乏
しい基板においては格子欠陥やマイクロクラック、等を
発生させ、化成途中でHF水溶液接触領域12が剥離し
たり、単結晶領域11及び13に亀裂を生じてウェーハ
1を破損してしまうという問題があった。
【0025】又、ウェーハの反りが発生した場合には、
Oリングを気密に保持するための外力によりウェーハを
破損させてしまうという問題があった。
【0026】また、このためHFのような強酸を使用す
る化成装置においては、このようなウェーハ破損や気密
不良によるHF水溶液の漏洩の危険性をともない多孔質
シリコンを安全に製造する上で問題があった。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決する為に、電解質溶液中に被処理基板と電極を配置
し、電圧を印加して陽極化成反応を行なう陽極化成装置
において、前記被処理基板を前記電解質溶液中の対を成
す電極間に支持する基板支持手段を有し、該基板支持手
段が、前記被処理基板の側面外周部の全周を押圧して支
持し、かつ、該基板支持手段と、前記被処理基板とによ
り、前記電解質溶液を電気的に分離した構造としたこと
を特徴とする陽極化成装置を有する。
【0028】また、前記電極の電気的極性を交互に反転
することにより前記化成反応電流の向きを反転させる手
段を有する。
【0029】またその好ましい実施態様として、前記基
板支持治具は電気的絶縁性及び耐酸性、対アルカリ性、
柔軟性、弾力性、気密性、機械加工性を有するフッ素樹
脂及び/またはゴム、プラスチック等、好ましくは四フ
ッ化エチレン樹脂からなる。また、前記被処理基板とし
て結晶シリコン基板を使用し、前記陽極化成反応が該結
晶シリコン基板の多孔質化反応であり、また、前記結晶
シリコン基板が縮退した単結晶シリコン、さらに好まし
くは縮退したP型単結晶シリコンとする。
【0030】更に、前記電解質溶液としてシリコン溶解
性溶液、好ましくは純水で希釈されたフッ化水素酸及び
アルコールから成るフッ化水素酸混合液を使用し、前記
電極として前記シリコン溶解性溶液に対して耐蝕性を有
する金属材料、好ましくは白金を使用するものである。
【0031】
【作用】既に説明したように、陽極化成反応を用いた結
晶シリコンの多孔質化蝕刻処理による細孔の形成は、F
- イオンの求核攻撃によるシリコン原子の離脱によって
生じた結晶表面の窪みが正孔を優先的に引き寄せる電場
の分布を生じ、この表面異質性が拡大して白金電極と電
解質溶液を介して外部電源により誘起された結晶シリコ
ン中の陽極化成電流による電界方向に沿ってF- イオン
が優先的に誘引されシリコン原子を蝕刻することにより
進行する。
【0032】本発明は、この電界方向に平行或いはこれ
を阻害しない該結晶シリコン基板の外周部側壁面におい
て支持治具を用いて該結晶シリコン基板を支持すること
で、陽極化成反応に伴うシリコンの蝕刻により形成され
る細孔を該結晶シリコン基板のほぼ全領域にわたって形
成するものである。
【0033】図3は本発明の作用を説明する為のウェー
ハと基板支持治具の断面概略図である。一般に、半導体
プロセスにおいて使用されるウェーハ形状を呈する結晶
シリコン基板1の外周部7はプロセス中の衝撃によるウ
ェーハの破損を防止する目的で「ベベリング処理」が施
されており、その断面は曲率を有するほぼ台形形状とな
っている。本発明の基板支持治具4は、このベベリング
処理された外周部の台形の頂点で外周部に沿って全周を
接触して保持する構造としたことで、台形頂点部以外の
基板表面を前記電解質溶液に接触させることが出来る。
【0034】また、本発明の基板支持治具は、前記基板
外周面の接触界面において柔軟性、弾力性及び気密性を
有する材料5aを用いて構成されており、該基板との接
触界面に前記電解質溶液6a及び6bが浸透するのを阻
止する機能を有している。
【0035】更に、基板支持治具と基板を前記化成槽か
ら取り外し可能とする場合には、基板支持治具と化成槽
との接触界面にも前記柔軟性、弾力性及び気密性を有す
る材料を配置して電解質溶液が浸透するのを阻止する構
造とすることもできる。これにより、結晶シリコン基板
の両面に接触する電解質溶液は完全に分離され、電気的
にも絶縁される。
【0036】このように電気的に分離された電解質溶液
には外部電源により白金電極を介して直流電力が印加さ
れ、結晶シリコン基板の電気的に分離された面に接触す
る電解質溶液はそれぞれ電気的に正と負の極性を持って
作用する。ここで、本発明に使用する縮退したP型結晶
シリコン基板は、一般には0.01〜0.02Ωcm
(オームセンチメートル)程度の抵抗率を有しており、
印加された電界により基板を通して陽極化成電流が流れ
る。
【0037】このとき生起される電気力線8は、本発明
の基板支持治具を使用すれば、基板両面においてこれを
遮るものが無いので、基板の厚み方向に向かってほぼ基
板を一直線に横切る。即ち、F- イオンの優先的な誘引
により細孔9もほぼ厚み方向に負電極側から正電極側に
向かって優先的に形成される。前記基板支持治具と基板
の接触面は、この電気力線に平行な面で形成されている
ことから、細孔の形成を阻害するものがなく、基板全体
を多孔質化することが出来る。
【0038】従って、化成中の基板の破損を避けること
が出来る。また、基板及び基板支持治具を一体として化
成槽中に保持する構造としたことで電解質溶液の化成槽
外への漏洩の危険性も回避することが出来る。
【0039】前記白金電極に印加する直流電流の極性を
その化成反応中を通して固定した場合には、前記結晶シ
リコン基板の負極側表面からのみ細孔の形成が進行す
る。この場合、細孔が正極側表面に達する直前に該結晶
シリコン基板の正極側表面近傍には未だ多孔質化されて
いない極めて薄い単結晶層が存在する。化成条件に依っ
ては、極希にこの単結晶層が多孔質層の構造歪に抗しき
れず破損することがある。
【0040】このような場合には、前記外部電源から白
金電極に印加する直流電流の極性を交互に入れ換えるこ
とにより、前記化成反応電流の電界の向きを交互に反転
させ、細孔の形成を前記結晶シリコン基板の両面から交
互に進行させることができる。形成される細孔が結晶シ
リコン基板の両面から進行することで、前記結晶シリコ
ン基板の構造的歪が厚み方向では緩和される。既に説明
したように、細孔と直行する方向の構造的歪は殆ど考慮
する必要が無いことから、交互に細孔を形成することで
多孔質化処理完了直前での結晶シリコン基板の破損を避
けることができる。
【0041】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例について図面
を用いて説明する。
【0042】図1に本発明の実施例装置Iの断面概略図
を示す。図中、1は被処理基板としての結晶シリコン基
板、2は四フッ化エチレン樹脂(商品名:テフロン)製
の化成槽、3a及び3bは図示しない外部直流電源によ
り負及び正に電圧を印加した白金電極板、4は基板支持
手段を構成する四フッ化エチレン樹脂(商品名:テフロ
ン)製の基板支持治具、5aは同様に柔軟性、弾力性及
び気密性を有する四フッ化エチレン樹脂(商品名:ゴア
テックス)製の基板用シール材、5bは同様に柔軟性、
弾力性及び気密性を有する四フッ化エチレン樹脂(商品
名:ゴアテックス)製の基板支持治具用シール材、6a
及び6bはフッ酸混合液からなる電解質溶液である。
【0043】また、図1に示した本発明の基板支持治具
4に結晶シリコン基板1を設置した状態を説明する為の
一部断面を含む斜視図を示す。図中、5cは基板支持治
具4の切り欠き部に挿入して気密性を保持する為の柔軟
性、弾力性及び気密性を有する四フッ化エチレン樹脂
(商品名:ゴアテックス)製のシール材であり、8は化
成反応電流の方向を示す。
【0044】本発明の実施例装置Iにおいて、結晶シリ
コン基板の多孔質化処理を行うには、先ずボロン(B)
をドープして抵抗率が0.01〜0.02Ωcmとした
CZ(チョクラルスキー)法で作製した(100)面P
型結晶シリコンを直径4インチ、厚さ0.4mmでオリ
エンテーション・フラット加工と図3に示したようなベ
ベリング加工を施したウェーハを、結晶シリコン基板1
として使用する。
【0045】基板支持治具4は、該結晶シリコン基板1
の外形寸法と同様の開口を有しており、基板用シール材
5aを介して結晶シリコン基板1を気密に保持する。基
板支持治具4の上部には切り欠きが設けてあり、結晶シ
リコン基板1を設置する場合に切り欠き部を広げること
で結晶シリコン基板1の基板支持治具4への挿入を容易
にしている。
【0046】また、結晶シリコン基板1を挿入した後
に、該切り欠き部には電解質溶液に対する気密性を保持
する為のシール材5cを挿入配置した。該基板支持治具
4の外周部には化成槽2との接触界面に当たる部分に基
板支持治具用シール材5bを配置した。化成槽2の内部
の両端には白金電極板3a及び3bを配置し、その中間
の位置に、図2に示したように組み立てた基板支持治具
4を挿入配置した。白金電極板3a及び3bと結晶シリ
コン基板1との間隔はそれぞれ50mmとし、P型結晶
シリコン基板1に対して対称となるようにした。
【0047】次に、該化成槽2を48wt.%(重量パ
ーセント)の純水希釈フッ化水素酸、純水、アルコール
をそれぞれ1:1:1の割合で混合してフッ化水素酸混
合液とした電解質溶液で満たした。該電解質溶液は基板
及び基板支持治具により6a及び6bに電気的に分離さ
れる。
【0048】次に、白金電極3a及び3bにそれぞれ直
流定電流電源(図示せず)から15mA/cm2 の電流
密度で負と正の極性の電流を流した。電流を流すと同時
に化成反応が開始し、結晶シリコン基板1の負極性表面
側から細孔の形成が進行し、約6時間で厚み0.4mm
の結晶シリコン基板の正極性表面に細孔が達して基板全
域の多孔質化処理が完了する。
【0049】作製した多孔質シリコンの多孔質化率:P
(Porosity)は55%であった。ここで、多孔
質化率:Pの算出には以下の式を用いた。
【0050】 ここで、2.33(g/cm3 )はP型結晶シリコンの
密度である。
【0051】図4に、上記条件での多孔質化処理途中の
結晶シリコン基板の金属顕微鏡による断面写真を示す。
図中、多孔質化層は陰極側表面(図では左側)から均一
な厚さで形成されており、結晶シリコン基板のベベリン
グ部のシール材5a接触界面まで多孔質化が進行してい
ることが分かる。しかも、上記結晶シリコン基板の全域
を多孔質化処理しても化成中の基板の破損はまったく生
ぜず、また化成中の基板の反りに依る気密不良も発生し
なかった。
【0052】(他の実施例)上記実施例1においては、
化成中の白金電極の電気的極性を固定したことから白金
電極3a側からのみ細孔の形成が進行した。しかしなが
ら、本発明の実施例装置Iは電気的に対称な構造となっ
ており結晶シリコン基板1に対して白金電極3a及び3
bの極性を外部電源により交換することは極めて容易で
ある。
【0053】本発明の実施例2においては、直流定電流
電源としてコンピュータ制御による極性反転可能なバイ
ポーラ電源を使用した。
【0054】化成装置の構造は実施例装置Iと同様とし
た。実施例2においては、先ず白金電極3aを負極に白
金電極3bを正極にして2時間化成し、次に極性を入れ
換えて白金電極3aを正極に白金電極3bを負極にして
同じく2時間の化成を行った。更に、極性を反転させ1
時間ずつ交互に化成を行い結晶シリコン基板全体の多孔
質化処理を完了した。
【0055】処理後の実施例2の多孔質シリコンの反り
は実施例1の方法で処理した多孔質シリコン基板に比べ
て小さく、多孔質化処理完了直前の破損も発生しなくな
った。
【0056】尚、実施例1及び実施例2において基板支
持治具4は基板シール部材5a、支持治具シール部材5
b、及び切り欠き部のシール材5cと組み合わせて構成
したが、製造コストを度外視すればフッ素ゴム(具体的
には、商品名:カルレッツ。)を使用して一体構造とす
ることもできる。ただし、この場合も5cのシール材を
組み合わせた構成が結晶シリコン基板の設置が容易であ
り好ましい。
【0057】また、本発明の実施例1及び実施例2にお
いては基板支持治具4の外形形状は四角としたが、化成
槽に組み込み易い形状、例えば下部が半円形或いはV字
形のものでも良い。また、結晶シリコン基板の多孔質化
処理だけでなく電解質溶液の混合溶液の種類や比率、更
には処理する基板の種類を適宜選択することで、陽極化
成反応全般に利用することもできる。
【0058】また前記基板の支持手段は、電気的絶縁
性、及び耐酸性、耐アルカリ性、柔軟性、弾力性、気密
性、機械加工性を有するフッ素樹脂及び/又はゴム、プ
ラスチック等でも良く。
【0059】また、前記電解質溶液としては、導電性を
有するシリコン溶解性溶液でも良い。
【0060】また前記電極としては、前記シリコン溶解
性溶液に対して耐蝕性を有する金属材料であれば良い。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、陽極化成電流の電
気力線と平行な結晶シリコン基板の外周部側壁面にて該
結晶シリコン基板を気密に支持することで、該結晶シリ
コン基板の全領域を多孔質化処理する効果があり、併せ
て多孔質化処理中の基板の破損や電解質溶液の化成槽か
らの漏洩を防止する効果もある。
【0062】また、化成中に白金電極に印加する直流電
流の極性を交互に切り替えることで更に処理中の基板の
破損を防止する効果があり、併せて処理した多孔質シリ
コン基板の反り量を低減する効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の陽極化成装置の実施例装置Iの断面概
略図である。
【図2】本発明の陽極化成装置に使用する基板支持治具
の一断面を含む斜視図である。
【図3】本発明の基板支持治具と結晶シリコン基板との
配置方法を説明するための断面概略図である。
【図4】本発明の陽極化成装置を使用して多孔質化処理
を行った結晶シリコン基板の金属顕微鏡による断面観察
写真である。
【図5】従来の陽極化成装置の断面概略図である。
【図6】従来の陽極化成装置で多孔質化処理した結晶シ
リコン基板の斜視図である。
【符号の説明】
1 結晶シリコン基板 2 化成槽 3a,3b 白金電極 4 基板支持治具 5a,5b,5c シール部材 6a,6b 電解質溶液 7 ベベリング部 8 化成電流の電気力線 9 細孔 10 Oリング 11 Oリング接触領域 12 多孔質化領域 13 Oリング外周領域

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解質溶液中に被処理基板と電極を配置
    し、電圧を印加して陽極化成反応を行なう陽極化成装置
    において、 前記被処理基板を前記電解質溶液中の対を成す電極間に
    支持する被処理基板支持手段を有し、 該被処理基板支持手段が、前記被処理基板の側面外周部
    の全周を押圧して支持し、 かつ、該被処理基板支持手段と、前記被処理基板とによ
    り、前記電解質溶液を電気的に分離した構造としたこと
    を特徴とする陽極化成装置。
  2. 【請求項2】 前記被処理基板の側面外周部が、ベベリ
    ング処理された該基板の外周部の頂点端部であることを
    特徴とする請求項1に記載の陽極化成装置。
  3. 【請求項3】 前記電極の電気的極性を交互に反転する
    ことにより前記化成反応電流の向きを反転させる手段を
    有することを特徴とする請求項1に記載の陽極化成装
    置。
  4. 【請求項4】 前記被処理基板支持手段が、電気的絶縁
    性、耐酸性、耐アルカリ性、柔軟性、弾力性、気密性、
    機械加工性を有するフッ素樹脂及び/又はゴム、又はプ
    ラスチック等、好ましくは四フッ化エチレン樹脂からな
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載
    の陽極化成装置。
  5. 【請求項5】 前記被処理基板が、結晶シリコン基板で
    あり、前記陽極化成反応が該結晶シリコン基板の多孔質
    化反応であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    1項に記載の陽極化成装置。
  6. 【請求項6】 前記結晶シリコン基板が、縮退した単結
    晶シリコンから成ることを特徴とする請求項1〜3に記
    載の陽極化成装置。
  7. 【請求項7】 前記電解質溶液が、シリコン溶解性溶
    液、又は純水で希釈されたフッ化水素酸及びアルコール
    から成るフッ化水素酸混合液であることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれか1項に記載の陽極化成装置。
  8. 【請求項8】 前記電極が、前記シリコン溶解性溶液に
    対して耐蝕性を有する金属材料、又は白金から成ること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の陽極
    化成装置。
  9. 【請求項9】 前記被処理基板支持手段として基板支持
    治具を用い、該基板支持治具の前記被処理基板との接触
    部と、前記電解質溶液の容器との接触部にシール材を具
    備したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に
    記載の陽極化成装置。
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