JP2005244089A - 陽極化成装置及び処理方法並びに半導体基板の製造方法 - Google Patents

陽極化成装置及び処理方法並びに半導体基板の製造方法 Download PDF

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Abstract


【課題】 陽極化成において、電極に対する電極特性が実質的に変わることなく、電解質溶液の導電率を効果的に高めること。
【解決手段】 陽極化成装置100は、陰電極105と陽電極106との間に基板101を配置して陽極化成反応によって基板101に多孔質層を形成する。陽極化成装置100は、陰電極105と基板101との間に第1の電解質溶液106を供給する第1の供給部と、陽電極105と基板101との間に5Sm−1以上の導電率を有する第2の電解質溶液107を供給する第2の供給部と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、基板に陽極化成処理を施すための陽極化成装置及びこれを用いた処理方法並びに半導体基板の製造方法に関し、特に、基板の裏面が電解質溶液に接触することで電解を行う陽極化成装置及びこれを用いた処理方法並びに半導体基板の製造方法に関する。
半導体製造プロセスなどでは、基板を陽極化成する陽極化成装置がしばしば用いられている。この陽極化成装置には、裏面液体接触型と裏面固体接触型とがある。裏面液体接触型では、基板の裏面に液体を接触させた状態で、この液体を介して陽電極に電気的に接触させている。裏面固体接触型では、基板の裏面に固体を接触させるか、或いは、直接陽電極を基板の裏面に接触させている。
裏面固体接触型では、基板に固体が接触するため、基板が汚染されたり、基板の裏面に傷がついたり、基板と固体との間に異物が挟まったりする等の問題がある。一方、裏面液体接触型では、基板の裏面に傷がついたり、基板と固体との間に異物が挟まったりする等の問題がないという点で、裏面固体接触型よりも優れているが、陽電極を構成する金属元素が溶液中に溶け出すという問題がある。
これに対し、処理対象のシリコン基板と陽電極との間にシリコン材料からなる導電性隔壁を配置して、陽電極を構成する金属元素によるシリコン基板の汚染を遮断する技術が開示されている(例えば、特許文献1を参照。)。しかし、特許文献1では、陽極化成の条件によっては、導電性隔壁の表面が多孔質化されて多孔質化が進み、導電性隔壁の表面からパーティクルが発生して、処理対象の基板や陽極化成槽が汚染されるという問題がある。
これに対し、裏面液体接触型において、陽電極からの金属汚染及び導電性隔壁からのパーティクル汚染を回避する技術が開示されている(例えば、特許文献2を参照。)。
特開平6−275598号公報 特開2000−336499号公報
しかしながら、特許文献2の技術では、ウェーハ裏面に接触する電解質溶液の導電率が小さくなるという問題点がある。例えば、1%弗化水素を用いた場合では、約1Sm−1の導電率しか得られない。このような薬液を用いると、通電処理の際に大きな電圧が必要となるため、容量の大きな電源が必要となる。また、容量の大きな電源が準備できたとしても、通電処理時の薬液の抵抗に起因する発熱が大きくなり、温度制御が非常に困難になる。また、電解質溶液の導電率が低い時には、被処理物の電流密度分布または化成膜厚分布が劣化することも問題となる。
また、従来の技術では、電解質溶液の導電率が低いことに起因する電流密度分布又は化成膜厚分布の劣化を避けるために、被処理物の煩雑な搬送方法等を採用して、化成槽構造を最適化しなければならなかった。
本発明は、上記の背景に鑑みてなされたものであり、例えば、電解質溶液の導電率を効果的に高めることを目的とする。
本発明の第1の側面は、陰電極と陽電極との間に基板を配置して陽極化成反応によって該基板に多孔質層を形成するための陽極化成装置に係り、前記陰電極と前記基板との間に第1の電解質溶液を供給する第1の供給部と、前記陽電極と前記基板との間に5Sm−1以上の導電率を有する第2の電解質溶液を供給する第2の供給部と、を備えることを特徴とする。
本発明の第2の側面は、陰電極と陽電極との間に基板を配置して陽極化成反応によって該基板に多孔質層を形成するための陽極化成装置に係り、前記陰電極と前記基板との間に第1の電解質溶液を供給する第1の供給部と、前記陽電極と前記基板との間にHClを含む第2の電解質溶液を供給する第2の供給部と、を備えることを特徴とする。
本発明の第3の側面は、陰電極と陽電極との間に基板を配置して陽極化成反応によって該基板に多孔質層を形成するための陽極化成装置に係り、前記陰電極と前記基板との間に第1の電解質溶液を供給する第1の供給部と、前記陽電極と前記基板との間にHSOを含む第2の電解質溶液を供給する第2の供給部と、を備えることを特徴とする。
本発明の第4の側面は、陰電極と陽電極との間に基板を配置して陽極化成反応によって該基板に多孔質層を形成するための処理方法に係り、前記陰電極と処理対象の基板とを第1の電解質溶液を介して電気的に接触させると共に前記陽電極と前記基板とを第2の電解質溶液を介して電気的に接触させる準備工程と、前記陰電極と前記陽電極との間に電流を流すことにより前記基板の前記陰電極側の面に多孔質層を形成する陽極化成工程と、を含み、前記第2の電解質溶液として、5Sm−1以上の導電率を有する電解質溶液を使用することを特徴とする。
本発明の第5の側面は、陰電極と陽電極との間に基板を配置して陽極化成反応によって該基板に多孔質層を形成するための処理方法に係り、前記陰電極と処理対象の基板とを第1の電解質溶液を介して電気的に接触させると共に前記陽電極と前記基板とを第2の電解質溶液を介して電気的に接触させる準備工程と、前記陰電極と前記陽電極との間に電流を流すことにより前記基板の前記陰電極側の面に多孔質層を形成する陽極化成工程と、を含み、前記第2の電解質溶液として、HClを含む電解質溶液を使用することを特徴とする。
本発明の第6の側面は、陰電極と陽電極との間に基板を配置して陽極化成反応によって該基板に多孔質層を形成するための処理方法に係り、前記陰電極と処理対象の基板とを第1の電解質溶液を介して電気的に接触させると共に前記陽電極と前記基板とを第2の電解質溶液を介して電気的に接触させる準備工程と、前記陰電極と前記陽電極との間に電流を流すことにより前記基板の前記陰電極側の面に多孔質層を形成する陽極化成工程と、を含み、前記第2の電解質溶液として、HSOを含む電解質溶液を使用することを特徴とする。
本発明の第7の側面は、上記の処理方法に従って基板に多孔質層を形成し、更に前記多孔質層の上に移設層を形成し、これにより第1の基板を作製する工程と、前記第1の基板と第2の基板とを貼り合わせて、貼り合わせ基板を作製する工程と、前記貼り合わせ基板を多孔質層の部分で分離する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、電解質溶液の導電率を効果的に高めることができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明する。
本発明に好適な実施形態に係る化成装置を説明する。図1は、本発明の好適な実施の形態に係る陽極化成装置の概略構成を示す図である。化成装置100は、基板101と、化成槽102と、基板101を保持するホルダ103と、陰電極104と、陽電極105と、で構成される。
本実施形態の陽極化成装置100では、化成槽102は、処理対象の基板101によって、陰電極104側の槽と陽電極105側の槽との2槽に分離される。従って、処理対象の基板101の表面側に供給する第1の電解質溶液106と、基板101の裏面側に供給する第2の電解質溶液107とが互いに混じり合わないように構成されている。
基板101としては、電解反応によって化成処理される材料を用いることが望ましい。このような材料としては、例えば、シリコンを用いることができる。
化成槽102は、第1の電解質溶液106及び第2の電解質溶液107に対して耐性を有する材料で構成されることが好ましい。例えば、これらの電解質溶液として弗化水素(Hydrofluoric Acid)を含む電解質溶液(以下「弗化水素溶液」という。)を用いる場合には、化成槽102は、耐弗化水素製の材料であるポリテトラフルオロエチレン樹脂等で構成されうる。
化成槽102内には、基板101と、化成槽102内で基板101を保持するためのホルダ103と、が設けられる。ホルダ103は、上記の電解質溶液として弗化水素溶液が採用される場合には、耐弗化水素製の材料であるポリテトラフルオロエチレン樹脂等で構成されうる。また、化成槽102内には、ホルダ103を挟んで対向配置された一対の陰電極104及び陽電極105が設けられる。陰電極104は、第1の電解質溶液106中で電解処理されたときに腐食されない白金等の材料で構成されることが好ましい。陰電極105は、第2の電解質溶液107中で電解処理されたときに金属汚染を生じないシリコンで構成されることが好ましい。また、陰電極104及び陽電極105は、それぞれ導線108を介して電源109に接続される。陽電極105と陰電極104との間には、電源109から電圧が印加されて通電し、基板101に化成処理が施される。この化成処理によって、基板101の表面に多孔質シリコン層が形成される。
化成槽102の陰電極104と処理対象の基板101の表面側(多孔質Si層を形成すべき面)との間には、第1の電解質溶液106として、基板101を多孔質化する能力を有する電解質溶液が満たされる。一方、化成槽102の陽電極105側と処理対象の基板101の裏面側(多孔質Si層を形成しない面)との間には、第2の電解質溶液107として、例えば、実質的に陽電極105を多孔質化する能力を有しないかつ陽電極105を電解研磨する能力を有する電解質溶液が満たされる。ここで、実質的に陽電極105と多孔質化する能力を有しない電解質溶液には、陽電極105を多孔質化する能力が低く、実用上、陽電極105を多孔質化する能力がないとみなすことができる電解質溶液も含まれる。
具体的には、第1の電解質溶液106としては、基板101の陽極化成に適した薬液が好ましい。このような薬液としては、例えば、濃弗化水素溶液が好適であり、49%弗化水素とCOHを重量比で2:1の割合で混合した電解質溶液が更に好適である。
また、第2の電解質溶液107としては、陽電極105を多孔質化することなく電解研磨することができる電解質に、陽電極105の電解反応に直接寄与せずに、第2の電解質溶液107の導電率を向上させる電解質を添加させた電解質溶液を用いることが好ましい。陽電極105を多孔質化することなく電解研磨することができる電解質としては、例えば、希弗化水素を用いることが好適であり、弗化水素の濃度が5%以下であることが更に好適である。また、陽電極105の電解反応に直接寄与せずに第2の電解質溶液107の導電率を向上させる電解質としては、HClを用いることが好適である。すなわち、上記の混合溶液としては、弗化水素とHClとを含む電解質溶液が好適であり、1重量%の弗化水素と3.5重量%のHClとを含む水溶液を用いることが更に好適である。
上記の電解質溶液は、一例として挙げたものであり、本発明はこれに限定されない。例えば、第1の電解質溶液として、弗化水素とCOHを重量比で1:1の割合で混合した電解質溶液を用いてもよいし、第2の電解質溶液107の導電率を向上させる電解質として、HClの代わりにHSOを用いてもよい。
以上のように、本実施形態によれば、導電率を向上させる電解質を第2の電解質溶液に添加することによって、陽電極105と陰電極104との間に印加される電圧が低減され、電解時の第2の電解質溶液での発熱が低減され、基板101に生成する膜の面内分布が改善される。
以下、本発明の好適な実施の形態に係る陽極化成装置100を使用して基板に多孔質層を形成する場合の好適な処理手順を説明する。
まず、搬送ロボット等により、処理対象の基板101を基板ホルダ103の吸着部(例えば、吸着パッド)に当接させ、基板ホルダ103に吸着させる。この基板ホルダ103は、基板101を保持するための吸着部として、真空吸着機構を有する。
次いで、ポンプ112により第1のタンク114から第1の電解質溶液106を汲み上げ、フィルタ111を通して陽極化成槽102の陰電極104とSi基板101との間に供給する。また、これと並行して、ポンプ122により第2のタンク124から第2の電解質溶液107を汲み上げ、フィルタ121を通して陽極化成槽102の陽電極105と基板101との間に供給する。
なお、前述のように、第1の電解質溶液106は、処理対象の基板101の表面を多孔質化する能力を有する電解質溶液であり、第2の電解質溶液107は、導電率を向上させる電解質が添加された電解質溶液である。
第1の電解質溶液106、第2の電解質溶液107が夫々化成槽102の陰電極104側、陽電極105側に満たされたら、陰電極104と陽電極105との間に所定の大きさの電流を流して通電を行い、処理対象の基板101の表面に所定の多孔度を有する多孔質層を形成する。この時、陽電極105は、その表面が多孔質化されることなく、その表面が全体的に電解研磨される。
次いで、化成槽102の陰電極104側から第1の電解質溶液106を排出する。また、これと並行して、化成槽101の陽電極105側から第2の電解質溶液107を排出する。
次いで、搬送ロボット等により処理済みの基板101を基板ホルダ103から取り外し所定の位置(例えば、キャリア)に搬送する。搬送された基板101は、洗浄後に乾燥処理が行われる。
以下、本発明の好適な実施の形態に係る陽極化成装置100を使用してSi基板に多孔質Si層を形成する場合の好適な処理手順を説明する。
まず、搬送ロボット等により、処理対象の基板101を基板ホルダ103の吸着部(例えば、吸着パッド)に当接させ、基板ホルダ103に吸着させる。この基板ホルダ103は、基板101を保持するための吸着部として、真空吸着機構を有する。
次いで、第1の電解質溶液106を化成槽102の陰電極104と基板101との間に供給する。また、これと並行して、第2の電解質溶液107を化成槽102の陽電極105と基板101との間に供給する。
なお、前述のように、第1の電解質溶液106は、処理対象の基板101の表面を多孔質化する能力を有する電解質溶液であり、第2の電解質溶液107は、導電率を向上させる電解質が添加された電解質溶液である。
第1の電解質溶液106、第2の電解質溶液107が夫々化成槽102の陰電極104側、陽電極105側に満たされたら、陰電極104と陽電極105との間に所定の大きさの電流を流して、処理対象の基板101の表面に所定の多孔度を有する多孔質層を形成する。この時、陽電極105は、その表面が多孔質化されることなく、その表面が全体的に電解研磨される。
次いで、化成槽102の陰電極104側から第1の電解質溶液106を排出する。また、これと並行して、化成槽101の陽電極105側から第2の電解質溶液107を排出する。
次いで、搬送ロボット等により処理済みの基板101を基板ホルダ103から取り外し所定の位置(例えば、キャリア)に搬送する。
以下、上記の陽極化成装置を半導体基板の製造方法に適用した例として、SOI基板等の基板の製造方法を例示的に説明する。図2は、本発明の好適な実施の形態に係る基板の製造方法を説明する図である。
まず、図2(a)に示す工程では、第1の基板(seed wafer)10を形成するための単結晶Si基板11を用意して、上記の陽極化成装置を利用して、その主表面上に分離層としての多孔質Si層12を形成する。多孔質Si層12は、例えば、電解質溶液(化成液)中で単結晶Si基板11に陽極化成処理(陽極処理)を施すことによって形成することができる。
ここで、電解質溶液としては、例えば、弗化水素を含む溶液、弗化水素及びエタノールを含む溶液、弗化水素及びイソプロピルアルコールを含む溶液等が好適である。より具体的な例を挙げると、電解質溶液としては、例えば、弗化水素溶液(弗化水素濃度=49wt%)とエタノールを体積比2:1で混合した混合液が好適である。
また、多孔質Si層12を互いに多孔度の異なる2層以上の層からなる多層構造としてもよい。ここで、多層構造の多孔質Si層12は、表面側に第1の多孔度を有する第1の多孔質Si層、その下に、第1の多孔度より大きい第2の多孔度を有する第2の多孔質Si層を含むことが好ましい。このような多層構造を採用することにより、後の非多孔質層13の形成工程において、第1の多孔質Si層上に、欠陥等の少ない非多孔質層13を形成することができると共に、後の分離工程において、所望の位置で貼り合わせ基板を分離することができる。ここで、第1の多孔度としては、10%〜30%が好ましく、15%〜25%が更に好ましい。また、第2の多孔度としては、35%〜70%が好ましく、40%〜60%が更に好ましい。
電解質溶液として上記の混合液(弗化水素濃度が49wt%の弗化水素酸:エタノール=2:1)を利用する場合は、例えば、電流密度8mA/cm、処理時間5〜11minの条件で第1層(表面側)を生成し、次いで、電流密度23〜33mA/cm、処理時間80sec〜2minの条件で第2層(内部側)を生成することが好ましい。
このように、多孔質層12を形成するために上記の陽極化成装置を利用することにより、通電時の薬液の抵抗による発熱が小さくなり、陽極化成工程の温度制御が容易になる。その結果、基板の電流密度分布や化成膜厚分布が改善される。
次いで、図2(b)に示す工程の第1段階では、多孔質Si層12上に第1の非多孔質層13を形成する。第1の非多孔質層13としては、単結晶Si層、多結晶Si層、非晶質Si層等のSi層、Ge層、SiGe層、SiC層、C層、GaAs層、GaN層、AlGaAs層、InGaAs層、InP層、InAs層等が好適である。
次いで、図2(b)に示す工程の第2段階では、第1の非多孔質層13の上に第2の非多孔質層としてSiO層(絶縁層)14を形成する。これにより第1の基板10が得られる。SiO層14は、例えば、O/H雰囲気、1100℃、10〜33minの条件で生成され得る。
次いで、図2(c)に示す工程では、第2の基板(handle wafer)20を準備し、第1の基板10と第2の基板20とを、第2の基板20と絶縁層14とが面するように室温で密着させて貼り合わせ基板30を作成する。
なお、絶縁層14は、上記のように単結晶Si層13側に形成しても良いし、第2の基板20上に形成しても良く、両者に形成しても良く、結果として、第1の基板と第2の基板を密着させた際に、図2(c)に示す状態になれば良い。しかしながら、上記のように、絶縁層14を活性層となる第1の非多孔質層(例えば、単結晶Si層)13側に形成することにより、第1の基板10と第2の基板20との貼り合せの界面を活性層から遠ざけることができるため、より高品位のSOI基板等の半導体基板を得ることができる。
基板10、20が完全に密着した後、両者の結合を強固にする処理を実施することが好ましい。この処理の一例としては、例えば、1)N雰囲気、1100℃、10minの条件で熱処理を実施し、2)O/H雰囲気、1100℃、50〜100minの条件で熱処理(酸化処理)を実施する処理が好適である。この処理に加えて、或いは、この処理に代えて、陽極接合処理及び/又は加圧処理を実施してもよい。
第2の基板20としては、Si基板、Si基板上にSiO層を形成した基板、石英等の光透過性の基板、サファイヤ等が好適である。しかし、第2の基板20は、貼り合わせに供される面が十分に平坦であれば十分であり、他の種類の基板であってもよい。
次いで、図2(d)に示す工程では、貼り合わせ基板30を機械的強度が脆弱な多孔質層12の部分で分離する。この分離方法としては、各種の方法を採用しうるが、例えば、流体を多孔質層12に打ち込む方法、或いは、流体により多孔質層12に静圧を印加する方法など、流体を利用する方法が好ましい。
この分離工程により、第1の基板10の移設層(非多孔質層13、絶縁層14)が第2の基板20上に移設される。なお、第1の基板10の多孔質層12上に非多孔質層13のみを形成する場合の移設層は、非多孔質層13のみである。
図2(e)に示す工程では、分離後の第2の基板20上の多孔質層12”をエッチング等により選択的に除去する。これにより、絶縁層14上に非多孔質層13を有する基板が得られる。例えば、非多孔質層13が半導体層である場合、このような半導体層は、SOI層(SemiconductorOn Insulator又はSilicon On Insulator)と呼ばれ、また、このようなSOI層を有する基板は、SOI基板と呼ばれる。
更に、分離後の第1の基板10’の単結晶Si基板11上の多孔質層12’をエッチング等により選択的に除去する。このようにして得られる単結晶Si基板11は、再び第1の基板10を形成するための基板、又は第2の基板20として利用され得る。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらに限定されない。
本発明の実施例に係る陽極化成装置を図1に示す。本実施例の陽極化成装置100は、基板101と、化成槽102と、基板を保持するホルダ103と、陰電極104と、陽電極105と、で構成されている。
処理対象の基板101の表面側に供給する第1の電解質溶液106と基板101の裏面側に供給する第2の電解質溶液107とは、基板101とホルダ103によって、互いの電解質溶液が混じり合わないように構成されている。
まず、第1の電解質溶液106と第2の電解質溶液107とを化成槽102に注入した。これらの電解質溶液を注入した後、直流電源109によって、20A、60sで通電処理を行った。通電処理が終了した後、第1の電解質溶液106と第2の電解質溶液107とを排出し、ホルダ103から基板101を取り出した。取り出した基板101は、洗浄した後に乾燥処理を行った。
基板101は、直径8インチのp(100)シリコンウェーハ(0.01〜0.02mΩcm)を使用した。化成槽102は、ポリテトラフルオロエチレン樹脂材を加工して作成した。陰電極104は、白金板(厚さ0.2mm、直径200mm)を使用した。陽電極105は、直径5インチのp(100)シリコンウェーハ(0.01〜0.02mΩcm)を使用した。第1の電解質溶液106は、49%弗化水素とCOHとを重量比で2:1の割合で混合した電解質溶液を使用した。第2の電解質溶液107は、1重量%の弗化水素と任意重量濃度のHClとを含む水溶液を使用した。ホルダ103は、基板101を保持することができる。
基板101を保持した時、基板裏面の中央部の直径170mmが第2の電解質に接していた。陰電極105と基板101は互いに平行に設置され、陰電極105と基板101との間の距離は50mmであった。陽電極105と基板101は互いに平行に設置され、陽電極105と基板101との間の距離は30mmであった。
表1は、本実施例の陽極化成装置100を用いた実験結果を示す表であり、第2の電解質107中のHClの含有量と、第2の電解質107の導電率[Sm−1]及び多孔質シリコンの膜厚面内分布[%]との関係を示している。ここでは、一例として「膜厚面内分布」を基板101面内の複数の点で求めた膜厚を利用して、以下の数式1に基づいて算出した。
[(膜厚の最大値)-(膜厚の最小値)]÷(膜厚の平均値)×100 …(数式1)
膜厚測定方法としては、特に限定されないが、光の干渉等を用いる光学的方法や電子顕微鏡等の電子顕微鏡による像によって多孔質層の厚さを決定する方法等を用いることができる。
Figure 2005244089
表1に示すように、第2の電解質107にHClを添加しなかった場合では、第2の電解質107の導電率は約1Sm−1、陽電極と陰電極の間に印加される電圧は60V、電解時の温度上昇は約4℃、陽極化成処理で生成する多孔質シリコンの膜厚面内分布は20%であった。
また、第2の電解質107が0.4重量%のHClを含有する場合では、第2の電解質107の導電率は約5Sm−1、陽電極と陰電極の間に印加される電圧は約40V、電解時の温度上昇は約1℃、陽極化成処理で生成する多孔質シリコンの膜厚面内分布は18%であった。
また、第2の電解質107が1.0重量%のHClを含有する場合では、第2の電解質107の導電率は約10Sm−1、陽電極と陰電極の間に印加される電圧は約25V、電解時の温度上昇は約0.6℃、陽極化成処理で生成する多孔質シリコンの膜厚面内分布は17%であった。
また、第2の電解質107が2.0重量%のHClを含有する場合では、第2の電解質107の導電率は約20Sm−1、陽電極と陰電極の間に印加される電圧は約22V、電解時の温度上昇は約0.3℃、陽極化成処理で生成する多孔質シリコンの膜厚面内分布は14%であった。
また、第2の電解質107が3.0重量%のHClを含有する場合では、第2の電解質107の導電率は約30Sm−1、陽電極と陰電極の間に印加される電圧は約21V、電解時の温度上昇は約0.2℃、陽極化成処理で生成する多孔質シリコンの膜厚面内分布は11%であった。
また、第2の電解質107が4.0重量%のHClを含有する場合では、第2の電解質107の導電率は約40Sm−1、陽電極と陰電極の間に印加される電圧は約20V、電解時の温度上昇は約0.1℃、陽極化成処理で生成する多孔質シリコンの膜厚面内分布は9%であった。
本実施例の陽極化成装置100を用いることによって、陰電極104と陽電極105の間に印加される電圧が低減し、第2の電解質107での発熱が大幅に低減し、基板101に生成する膜の膜厚面内分布が大幅に改善した。
以上のように、本実施例によれば、陽極化成装置に必要な直流電源の電圧を小さくすることができた。また、通電時の薬液の抵抗による発熱が小さくすることができ、陽極化成工程の温度制御が容易にすることができた。さらに、導電率が高くなることによって、基板の電流密度分布や化成膜厚分布を改善することができた。これらによって、陽極化成装置の設計の際に、基板の電流密度分布や化成膜厚分布のばらつきに起因する制限を緩和することができた。
本発明の好適な実施の形態に係る陽極化成装置の概略構成を示す図である。 本発明の好適な実施の形態に係る半導体基板の製造工程を示す図である。
符号の説明
100 化成装置
101 基板
102 化成槽
103 ホルダ
104 陰電極
105 陽電極
106 第1の電解質溶液
107 第2の電解質溶液

Claims (15)

  1. 陰電極と陽電極との間に基板を配置して陽極化成反応によって該基板に多孔質層を形成するための陽極化成装置であって、
    前記陰電極と前記基板との間に第1の電解質溶液を供給する第1の供給部と、
    前記陽電極と前記基板との間に5Sm−1以上の導電率を有する第2の電解質溶液を供給する第2の供給部と、
    を備えることを特徴とする陽極化成装置。
  2. 前記第2の電解質溶液は、10Sm−1以上の導電率を有することを特徴とする請求項1に記載の陽極化成装置。
  3. 前記第2の電解質溶液は、20Sm−1以上の導電率を有することを特徴とする請求項2に記載の陽極化成装置。
  4. 前記第2の電解質溶液は、30Sm−1以上の導電率を有することを特徴とする請求項3に記載の陽極化成装置。
  5. 陰電極と陽電極との間に基板を配置して陽極化成反応によって該基板に多孔質層を形成するための陽極化成装置であって、
    前記陰電極と前記基板との間に第1の電解質溶液を供給する第1の供給部と、
    前記陽電極と前記基板との間にHClを含む第2の電解質溶液を供給する第2の供給部と、
    を備えることを特徴とする陽極化成装置。
  6. 陰電極と陽電極との間に基板を配置して陽極化成反応によって該基板に多孔質層を形成するための陽極化成装置であって、
    前記陰電極と前記基板との間に第1の電解質溶液を供給する第1の供給部と、
    前記陽電極と前記基板との間にHSOを含む第2の電解質溶液を供給する第2の供給部と、
    を備えることを特徴とする陽極化成装置。
  7. 前記第1、2の電解質溶液は、それぞれ弗化水素を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の陽極化成装置。
  8. 前記第2の電解質溶液の前記弗化水素の濃度は、5%以下であることを特徴とする請求項7に記載の陽極化成装置。
  9. 前記基板は、シリコンを含むことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の陽極化成装置。
  10. 前記陽電極は、シリコンを含むことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の陽極化成装置。
  11. 陰電極と陽電極との間に基板を配置して陽極化成反応によって該基板に多孔質層を形成するための処理方法であって、
    前記陰電極と処理対象の基板とを第1の電解質溶液を介して電気的に接触させると共に前記陽電極と前記基板とを第2の電解質溶液を介して電気的に接触させる準備工程と、
    前記陰電極と前記陽電極との間に電流を流すことにより前記基板の前記陰電極側の面に多孔質層を形成する陽極化成工程と、
    を含み、
    前記第2の電解質溶液として、5Sm-1以上の導電率を有する電解質溶液を使用することを特徴とする処理方法。
  12. 陰電極と陽電極との間に基板を配置して陽極化成反応によって該基板に多孔質層を形成するための処理方法であって、
    前記陰電極と処理対象の基板とを第1の電解質溶液を介して電気的に接触させると共に前記陽電極と前記基板とを第2の電解質溶液を介して電気的に接触させる準備工程と、
    前記陰電極と前記陽電極との間に電流を流すことにより前記基板の前記陰電極側の面に多孔質層を形成する陽極化成工程と、
    を含み、
    前記第2の電解質溶液として、HClを含む電解質溶液を使用することを特徴とする処理方法。
  13. 陰電極と陽電極との間に基板を配置して陽極化成反応によって該基板に多孔質層を形成するための処理方法であって、
    前記陰電極と処理対象の基板とを第1の電解質溶液を介して電気的に接触させると共に前記陽電極と前記基板とを第2の電解質溶液を介して電気的に接触させる準備工程と、
    前記陰電極と前記陽電極との間に電流を流すことにより前記基板の前記陰電極側の面に多孔質層を形成する陽極化成工程と、
    を含み、
    前記第2の電解質溶液として、HSOを含む電解質溶液を使用することを特徴とする処理方法。
  14. 前記第1の電解質溶液として、弗化水素を含む電解質溶液を使用することを特徴とする請求項11乃至請求項13のいずれか1項に記載の処理方法。
  15. 請求項11乃至請求項14のいずれか1項に記載の処理方法に従って基板に多孔質層を形成し、更に前記多孔質層の上に移設層を形成し、これにより第1の基板を作製する工程と、
    前記第1の基板と第2の基板とを貼り合わせて、貼り合わせ基板を作製する工程と、
    前記貼り合わせ基板を多孔質層の部分で分離する工程と、
    を含むことを特徴とする半導体基板の製造方法。
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