JP3337705B2 - 陽極化成装置及び方法 - Google Patents

陽極化成装置及び方法

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JP3337705B2 JP03132992A JP3132992A JP3337705B2 JP 3337705 B2 JP3337705 B2 JP 3337705B2 JP 03132992 A JP03132992 A JP 03132992A JP 3132992 A JP3132992 A JP 3132992A JP 3337705 B2 JP3337705 B2 JP 3337705B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低消費電力と高速性を
兼ね備えたBi−CMOSデバイスを搭載したULSI
やセンサーデバイス、演算素子、メモリなどの機能素子
を積層した3次元構造デバイス、または電子交換機、放
電プリンタ、プラズマ・ディスプレイ用のパワー・トラ
ンジスタなどの高耐圧デバイス、等に用いられるSOI
(Silicon On Insulator)形成技
術や、マイクロ・マシニング技術の分野等で利用される
結晶シリコンの陽極化成処理装置及び方法に関し、特
に、多孔質シリコンの製造に用いられる陽極化成装置
び方法に関するものである。
【0002】尚、本発明で述べる多孔質シリコンとは、
単結晶構造を保有するとともに、その内部に多数の細孔
を有する構造を特徴とする結晶シリコンを意味する。
【0003】また、本発明において、結晶シリコン基板
と表現する場合は、半導体産業分野において利用される
結晶欠陥及び細孔を有しない単結晶シリコンウェーハを
意味する。
【0004】
【従来の技術】多孔質シリコンの形成は、ウィラー
(A.Uhlir)及びターナー(D.R.Turne
r)により、フッ化水素酸(以降、HFと略記する。)
水溶液中において、正電位にバイアスされた単結晶シリ
コンの電解研磨の研究過程において発見された。
【0005】その後、多孔質シリコンの反応性に富む性
質を利用して、シリコン集積回路製造工程において、厚
い絶縁物の形成が必要な素子間分離工程に応用する検討
がなされ、多孔質シリコン酸化膜によるICの完全分離
技術であるFIPOS(Fu−ll Isolatio
n by Porous Oxidized Sili
con)や、多孔質シリコン基板上に成長させたシリコ
ン・エピタキシャル層を酸化膜を介して非晶質基板上や
単結晶シリコン・ウェーハ基板上に貼付けるシリコン直
接接合技術などへの応用技術が開発されるに至った。
【0006】従来、多孔質シリコンは、図4に示す日本
国特許:特開昭60−94737号公報、及び米国特
許:No.4628591号、等に記載されているよう
な陽極化成装置を用いて形成されている。
【0007】このような従来の陽極化成装置は、図4に
示すように、縮退したシリコンウェーハ1を挟んで化成
槽2a及び2bを有しており、各化成槽は白金電極板3
a及び3bが配置してある。
【0008】また、化成槽2a及び2bの外壁面と、シ
リコンウェーハ1のウェーハラッピング面とは、Oリン
グ7を介してウェーハ装着が容易なように分解可能な構
造で接合し、陽極化成装置が組み立てられている。
【0009】更に、化成槽2a及び2bのシリコンウェ
ーハ1に接する側壁には、前記Oリング7の内径寸法に
対応する開口が設けてあり、化成槽2a及び2b内には
シリコンウェーハ1をエッチングする為の、純水で希釈
されたHF水溶液からなる電解質溶液6a及び6bが満
たされている。
【0010】各化成槽内のHF水溶液は、前記Oリング
7により、液漏れがないようにシールされている。
【0011】次に、外部直流電源(図示せず)により、
白金電極3aを陰極に、また白金電極3bを陽極にする
ことで、化成槽2a内のHF水溶液6aにおいてフッ素
イオン(以降、「F- イオン」と略記する。)が発生す
る。
【0012】このF- イオンは、シリコンウェーハ1の
陰極側表面でシリコン原子と反応し、四フッ化シリコン
(SiF4 )と水素(H2 )を化成することで、シリコ
ンウェーハ1を溶解して細孔を形成する。
【0013】結晶シリコンの陽極化成反応による細孔形
成において、シリコンウェーハ中の正孔の存在が不可欠
であることが知られている。その形成メカニズムは、次
のように想定される。
【0014】まず、縮退したP型シリコン内の正孔が単
結晶シリコンウェーハ表面に達すると、表面のシリコン
未結合手を補償するSi−H結合へのF- イオンの求核
攻撃が生じこれに代わってSi−F結合を形成する。
【0015】F原子は、Si原子に比べて電気陰性度が
大きいために、結合したFイオンによる分極誘導が生
じ、表面のSi−H結合を別のF- イオンが攻撃してさ
らにSi−F結合を形成する。これによりH2 分子が発
生すると同時に、陽極電極内に電子1個を注入する。S
i−F結合によって生じる分極のためバックボンド(b
ackbonds)の電子密度が低下し、Si−Si結
合が弱くなる。
【0016】この弱い結合(weakened bon
ds)は、HFあるいはH2 Oによって攻撃され、結晶
表面のSi原子はSiF4 となって表面から離脱し、表
面は水素や酸素で終端される。Si原子の離脱によって
生じた結晶表面の窪みは、正孔を優先的に引き寄せる電
場の分布を生じ、表面異質性が拡大して電界方向に細孔
が形成される。
【0017】このような細孔の優先的な形成は、P型シ
リコン基板において特有な現象ではなく、正孔が小数担
体となる縮退したn型シリコン基板においても生じる。
この場合、光の照射による電子−正孔対の生成が正孔の
供給源となる。
【0018】一方、陽極側電解質溶液6bにおいて化成
するF- イオンは、陽極側白金電極3bに引き寄せられ
るために、前記結晶シリコン基板1の陽極側表面には供
給されない。このため、陽極側電解質6bは液体電極と
してのみ作用し、細孔の形成は、結晶シリコン基板の陰
極側表面側からのみ進行する。
【0019】また、P型シリコン基板を使用する場合、
液体電極としての陽極側電解質溶液6bとの間でショッ
トキー障壁が生ずるため、その陽極側表面をP+ 化して
オーミックコンタクトをとる必要があるとする説もあ
る。
【0020】また一般に、前記電解質溶液にはアルコー
ルが混合されて使用される場合が多い。これは、反応に
より発生した水素ガスが、表面に付着してフッ化水素酸
の表面への供給を妨げて反応を阻害することを防ぐよう
に作用する。
【0021】このようにして形成された多孔質シリコン
の細孔の直径は、透過型電子顕微鏡による観察による
と、多孔質化率(Porosity)が20〜80%の
時、1〜100nm(ナノメートル)程度であり、内面
積は実に〜200m2 /cm3(平方メートル/立方セ
ンチメートル)にも達する。また、その密度は単結晶シ
リコンの2.33g/cm3 (グラム/立方センチメー
トル)に比べて1.1〜0.6g/cm3 の範囲に変化
させることができる。
【0022】一般に、単結晶シリコンを酸化するとその
体積は2.2倍に増加するが、多孔質シリコンでは密度
制御を行うことで酸化による体積変化を小さくすること
ができる。その結晶性は二結晶X線回折法による測定か
ら(400)回折面から求めた垂直方向の格子定数の変
化量は10-3のオーダで増減するが、(311)回折面
から求めた平行な方向の変化量は、検出限界以下(<1
-4)でほとんどないことが分かっており、X線回折強
度曲線からは多孔質シリコン層のシリコン格子が高度に
配列されていることが明らかになっている。
【0023】このような多孔質シリコン特有の構造が、
単結晶シリコンに比べて極端に早いエッチング速度や、
酸化速度を有することや、結晶性を損なうことがないこ
とから、多孔質シリコン上のエピタキシャル成長が可能
であること、更には縮退、非縮退、導電タイプの違いに
よる多孔質化の選択性等の特徴を生じさせている。
【0024】
【発明が解決しようとしている課題】近年、FIPOS
構造や結晶シリコン基板の他のSOI形成技術の急速な
進展に伴って多孔質シリコンの多量処理が切望されるよ
うになった。
【0025】一般に結晶シリコン基板の多孔質化処理に
要する時間は、例えばFIPOS構造の場合のように
0.01mm程度の多孔質層を形成する場合であれば、
約7分間程度で完了する。そこで、従来は図4に示した
ような陽極化成装置と同様な構造で、基板の装着や多孔
質シリコンの形成、搬送、水洗、乾燥、等を自動化する
ことで多量処理を行っていた。
【0026】ところが、厚い多孔質層を形成する場合、
例えば、直径4インチ、厚さ0.4mmのP型単結晶シ
リコン基板の全てを多孔質化処理する場合には、約4.
5時間もの長時間を要し、従来の構造のまま自動化する
のみでは処理能力は殆ど向上しないという問題があっ
た。
【0027】そのため、多孔質化処理時間そのものの短
縮が必要となった。ところが、多孔質シリコン層の構造
は、その形成条件に大きく依存し、HF混合水溶液の濃
度や化成電流の密度、及びその反応時の温度、反応電流
の電界分布、被処理基板の不純物密度、さらには化成速
度が最適化されることが必要であり、単に化成速度のみ
を高速化することは好ましくないという問題があった。
【0028】また、陽極化成装置において、被処理基板
面内の化成電流の電界の分布を均一にするために、電極
の面積はこれと対向する被処理基板の面積と等しくする
ことが好ましい。
【0029】ところが、従来の陽極化成装置のように白
金電極間に基板を配置する構造で、複数枚の結晶シリコ
ン基板を同時に多孔質化処理しようとした場合には、実
質的に被処理基板1の面積が増えるため、白金電極の3
a及び3bの面積もこれに比例して大きくなるという問
題がある。
【0030】しかも、化成槽2a及び2bが大型化し、
HF混合水溶液のような強酸を電解質溶液として使用す
る化成装置においては、気密不良によるHF混合水溶液
の漏洩の危険性を伴い、多孔質シリコンを安全に製造す
る上で問題があった。
【0031】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するための手段として、電解質溶液中に被処理基板と
電極とを配置し、電圧を印加することにより陽極化成反
応を行う陽極化成装置において、第1第2第3の電
極を有し、各対を構成する該電極間の前記電解質溶液中
に、前記被処理基板を配置するように構成され 前記電
解質溶液は、フッ化水素酸を含む導電性を有するシリコ
ン溶解性溶液であることを特徴とする陽極化成装置を有
する。また、電解質溶液中に被処理基板と電極とを配置
し、電圧を印加することにより陽極化成反応を行う陽極
化成方法において、第1第2第3の電極を有し、各
対を構成する該電極間の前記電解質溶液中に、前記被処
理基板を配置し 前記電解質溶液に、フッ化水素酸を含
む導電性を有するシリコン溶解性溶液を用いて陽極化成
を行うことを特徴とする陽極化成方法でもある。
【0032】また、前記対を成す電極の一つが、他の対
の電極を兼ねることを特徴とし、更にまた、電極の電気
的極性を交互に反転することにより、化成反応電流の向
きを反転させる手段を有するものである。
【0033】またその好ましい実施態様として、被処理
基板としては、低抵抗の結晶シリコン基板を使用し、前
記陽極化成反応が該結晶シリコン基板の多孔質化反応で
あり、また前記結晶シリコン基板が縮退した単結晶シリ
コン、さらに好ましくは縮退したP型単結晶シリコンと
する。
【0034】更に、前記電解質溶液としては、導電性を
有するシリコン溶解性溶液、好ましくは純水で希釈され
たフッ化水素酸及びアルコールから成るフッ化水素酸混
合液を使用し、また前記電極としては、前記シリコン溶
解性溶液に対して耐蝕性を有する金属材料、好ましくは
白金を使用するものである。
【0035】
【作用】本発明によれば、電解質溶液中に複数の電極対
を配置し、それらの電極対の間に被処理基板を設置する
ことにより、複数の基板を同時に処理することができ
る。
【0036】また、対を成す電極の一つが、他の対の電
極を兼ねることにより、少ない電極数で多くの被処理基
板を設置することができる。
【0037】また、被処理基板を電極に設置することに
より、特別な基板支持手段を設ける必要がなく、装置を
簡単な構造にすることができる。また、本発明によれ
ば、白金電極に印加する直流電圧の極性をその化成反応
中を通して固定した場合には、前記複数枚の結晶シリコ
ン基板の陰極側表面からのみ細孔の形成を行うことがで
きる。
【0038】一方、多孔質化処理途中において白金電極
に印加する直流電圧の極性を反転させることにより、結
晶シリコン基板の両面に形成されるショットキー障壁の
高さを逆転させることができ、結晶シリコン基板内の電
界の向きを反転させることができる。
【0039】これにより、結晶シリコン基板の全域にわ
たって多孔質化処理を行う場合に、結晶シリコン基板は
固定したままで複数枚の結晶シリコン基板の裏面からも
一括して多孔質化処理を行うことが可能である。
【0040】この場合、本発明の陽極化成装置において
は、前記結晶シリコン基板の電解質溶液中での保持方法
を統一し、その陽極側及び陰極側構造が対称形状である
ことが好ましい。
【0041】このように、電解質溶液には、外部電源に
より白金電極を介して直流電力が印加され、縮退したP
型結晶シリコン基板には、印加された電界により電解質
溶液及び結晶シリコン基板を介して化成電流が流れる。
白金電極の面積は、使用する結晶シリコン基板とほぼ同
じ大きさでよい。
【0042】このとき形成される電気力線は、基板の厚
み方向に向かってほぼ基板を一直線に横切る。即ち、F
- イオンの優先的な誘引により細孔もほぼ厚み方向に陰
極側から陽極側に向かって優先的に形成される。
【0043】また、前記化成反応電流の電界の向きを交
互に反転させることにより、細孔の形成を前記結晶シリ
コン基板の両面から交互に進行させることができる。
【0044】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例について図面
を用いて説明する。
【0045】(実施例1)図1は、2枚の結晶シリコン
基板を同時に一括して多孔質化処理する為の本発明の実
施例装置Iの断面概略図を示す。本実施例は、2対の電
極対を構成する3枚の電極により、その電極に取り付け
られた2枚の被処理基板を処理する構成となっている。
【0046】図中、1a,1bは被処理基板としての結
晶シリコン基板、2は四フッ化エチレン樹脂(商品名:
テフロン)製の化成槽、3a〜3cは外部直流電源によ
り負及び正に電圧を印加した白金電極、4は電極支持手
段としての四フッ化エチレン樹脂(商品名:テフロン)
製の電極支持部材、5は電極上に被処理基板を取り付け
るための基板支持手段、6a〜6dは、フッ酸混合液か
らなる電解質溶液である。
【0047】結晶シリコン基板1a,1bとしては、ボ
ロン(B)をドープして抵抗率が0.01〜0.02Ω
cmとしたCZ(チョクラルスキー)法で作製した直径
4インチ、厚さ0.4mmの同一形状の(100)面P
型結晶シリコンウェーハを使用する。
【0048】電極支持部材4は、電極3a〜3cを装着
して固定支持する。
【0049】電極3a〜3cとしては、白金電極板を用
い、図に示されるような弾力性を有する基板支持部材5
を設置し、その弾性により基板を押圧して保持するよう
にした。このような本実施例の基板支持手段によれば、
処理終了後に容易に取り外すことができるという利点も
得られる。
【0050】この基板支持部材としては、四フッ化エチ
レン樹脂(商品名:テフロン)を用い、弾力性を有する
ように、接着剤またはネジ等により電極に取り付けた。
【0051】また、基板支持手段としては、本実施例の
構造に限ることはなく、例えば電解質溶液に耐性のある
金具等で基板周囲を電極面方向に押圧して固定しても良
く、また、電極そのものに基板とほぼ同一寸法の凹部を
形成して、そこに基板をはめ込む構造としても良い。
【0052】次に、該化成槽2を48wt.%(重量パ
ーセント)の純水希釈フッ化水素酸、純水、アルコール
をそれぞれ1:1:1の割合で混合してフッ化水素酸混
合液とした電解質溶液で満たした。該フッ化水素酸混合
液の抵抗率は23.6Ωcmである。
【0053】次に、白金電極3a〜3cにそれぞれ直流
定電流電源(図示せず)から13mA/cm2 の電流密
度で電流を流した。この時、要した印加電圧は11.5
Vであった。
【0054】また電極3a〜3cは3aと3b,及び3
aと3cとで2対の電極対を成している。
【0055】電流を流すと同時に化成反応が始まり、結
晶シリコン基板1a〜1bの陽極電極3b側表面から陰
3a,3c側表面に向かって細孔の形成が進行する。
【0056】約7分間で、厚み10μmの多孔質シリコ
ン層が形成される。作製した多孔質シリコンの多孔質化
率:P(Porosity)は55%であった。
【0057】ここで、多孔質化率:Pの算出には以下の
式を用いた。
【0058】 ここで、2.33(g/cm3 )はP型結晶シリコン基
板の密度である。
【0059】図3は、上記条件での多孔質化処理途中の
結晶シリコン基板の光学顕微鏡による断面観察図であ
り、多孔質化処理層は陰極側表面から均一な厚さで形成
されており、しかも陰極側表面からの細孔の形成は皆無
であった。
【0060】また、同時に多孔質処理を行った2枚の結
晶シリコン基板の多孔質シリコン層の厚みの基板間の差
は10%未満であり、1枚ずつ処理を行った場合に比べ
て良好であった。
【0061】(実施例2)次に、本発明の実施例2とし
て、図1に示した本発明の実施例装置の白金電極3a〜
3cに印加する直流電圧の極性を交互に反転させて、被
処理基板としての複数枚の結晶シリコン基板1a〜1d
の両面から多孔質シリコン層の形成を行った。
【0062】ここでは、印加電圧の極性を交互に反転す
る手段として、直流定電流電源としてコンピュータ制御
による極性反転可能なバイポーラ電源(図示せず)を使
用した。
【0063】また結晶シリコン基板1a〜1dの枚数は
4枚とし、厚さ0.4mmの縮退したP型結晶シリコン
基板を用いた。またその配置は、各電極3a〜3cに実
施例1と同様の方法で設置した。
【0064】また電解質溶液も実施例1と同様とした。
【0065】本実施例2においては、先ず白金電極3
a,3cを陰極にし、白金電極3bを陽極にして2時間
化成し、次に極性を入れ換えて白金電極3a,3cを陽
極にし、白金電極3bを陰極にして同じく2時間の化成
を行った。更に、極性を反転させ1時間ずつ交互に化成
を行い、結晶シリコン基板全体の多孔質化処理を完了し
た。
【0066】処理後、4枚の結晶シリコン基板の全てが
その厚み全体にわたって多孔質化しており、単結晶層の
残存はなかった。
【0067】尚、上述した実施例の装置においては、処
理する結晶シリコン基板の枚数を4枚としたが、更に多
くの電極対を配置し、該電極に結晶シリコン基板を設置
することにより、さらに多くの枚数の結晶シリコン基板
を処理することができる。
【0068】また、被処理基板としてP型結晶シリコン
基板の多孔質化処理を例にとってその有効性を説明した
が、電解質溶液と被処理基板の仕事関数差によるショッ
トキー障壁をその陽極化成反応において積極的に利用す
れば、被処理基板として、縮退したN型結晶シリコン基
板を用いて多孔質化処理をすることもできる。この場合
には、化成中の光照射が有効である。
【0069】更にまた、トンネル電流が流れる程度の薄
い膜であれば、その表面に絶縁層を有する半導体基板で
あっても同様に処理することができる。
【0070】また勿論、ショットキー障壁を生じない様
な金属基板の陽極化成処理にも本発明の陽極化成装置を
用いることができることは言うまでもなく、電解質溶液
の種類や混合比率、また処理する基板の種類などを適宜
選択することで、結晶シリコン基板の多孔質化処理だけ
でなく陽極化成反応処理全般に利用することもできる。
【0071】また前記電極支持手段4は、電気的絶縁
性、及び耐酸性、耐アルカリ性、柔軟性、弾力性、気密
性、機械加工性を有するフッ素樹脂及び/又はゴム、プ
ラスチック等でも良い。
【0072】また前記基板支持手段5も同様に、電気的
絶縁性、及び耐酸性、耐アルカリ性、柔軟性、弾力性、
気密性、機械加工性を有するフッ素樹脂及び/又はゴ
ム、プラスチック等でも良い。
【0073】また、前記電解質溶液としては、導電性を
有するシリコン溶解性溶液でも良い。
【0074】また前記電極としては、前記シリコン溶解
性溶液に対して耐蝕性を有する金属材料であれば良い。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
厚い多孔質層を形成する場合でも、複数枚の被処理基板
を同時に処理可能なため、単に化成速度を高速化するこ
とによる弊害なく、処理能力を向上させることができ
る。
【0076】また電極の面積を大きくすることがないた
め、化成槽の大型化による気密不良から生じる電解液の
漏洩の危険性が無く、多孔質シリコンを安全に製造する
ことができる。
【0077】すなわち、本発明によれば、電解質溶液中
の電極間に複数枚の被処理基板を配置したという単純な
構造で、同時に一括して大量の結晶シリコン基板を短時
間に多孔質化処理することができる。
【0078】また、印加する電圧の極性を交互に反転す
ることにより、同様の構造で複数枚の結晶シリコン基板
を両面から交互に多孔質化処理することができ、基板全
域の多孔質化処理を短時間で同時に一括して大量に製造
することができる。
【0079】これにより、多孔質化処理した結晶シリコ
ン基板を短時間に大量に、且つ低コストで生産すること
ができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の陽極化成装置の実施例1の断面概略
図。
【図2】本発明の陽極化成装置の実施例2の断面概略
図。
【図3】本発明の陽極化成装置を使用して多孔質化処理
を行った結晶シリコン基板の光学顕微鏡による断面観察
写真。
【図4】従来の陽極化成装置の断面概略図。
【符号の説明】
1a〜1d 結晶シリコン基板 2 化成槽 3a〜3c 白金電極 4 電極支持部材 5 基板支持部材 6a〜6d 電解質溶液 7 Oリング

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解質溶液中に被処理基板と電極とを配
    置し、電圧を印加することにより陽極化成反応を行う陽
    極化成装置において、 第1,第2,第3の電極を有し、各対を構成する該電極
    間の前記電解質溶液中に、前記被処理基板を配置するよ
    うに構成され、 前記電解質溶液は、フッ化水素酸を含む導電性を有する
    シリコン溶解性溶液であることを特徴とする陽極化成装
    置。
  2. 【請求項2】 前記電解質溶液が、アルコールを含むこ
    とを特徴とする請求項1に記載の陽極化成装置。
  3. 【請求項3】 前記対を成す電極の1つが、他の対の電
    極を兼ねることを特徴とする請求項1または2に記載の
    陽極化成装置。
  4. 【請求項4】 前記被処理基板が、前記電極が有する基
    板支持手段により該電極に取り付けられていることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の陽極化成
    装置。
  5. 【請求項5】 前記電極が、シリコン溶解性溶液に対し
    て耐蝕性を有する金属材料、又は白金から成ることを特
    徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の陽極化成
    装置。
  6. 【請求項6】 電解質溶液中に被処理基板と電極とを配
    置し、電圧を印加することにより陽極化成反応を行う陽
    極化成装置において、 第1,第2,第3の電極を有し、各対を構成する該電極
    間の前記電解質溶液中に、前記被処理基板を配置するよ
    うに構成され、 前記電極に印加する電圧の電気的極性を交互に反転さ
    せ、化成反応電流の向きを反転させる手段を有すること
    を特徴とする陽極化成装置。
  7. 【請求項7】 前記被処理基板は、低抵抗の結晶シリコ
    ン基板であり、 前記陽極化成反応が、該結晶シリコン基板の多孔質化反
    応であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項
    に記載の陽極化成装置。
  8. 【請求項8】 前記結晶シリコン基板は、縮退した単結
    晶シリコンから成ることを特徴とする請求項7に記載の
    陽極化成装置。
  9. 【請求項9】 電解質溶液中に被処理基板と電極とを配
    置し、電圧を印加することにより陽極化成反応を行う陽
    極化成方法において、 第1,第2,第3の電極を有し、各対を構成する該電極
    間の前記電解質溶液中に、前記被処理基板を配置し、 前記電解質溶液に、フッ化水素酸を含む導電性を有する
    シリコン溶解性溶液を用いて陽極化成を行うことを特徴
    とする陽極化成方法。
  10. 【請求項10】 前記電解質溶液が、アルコールを含む
    ことを特徴とする請求項9に記載の陽極化成方法。
  11. 【請求項11】 前記対を成す電極の1つが、他の対の
    電極を兼ねることを特徴とする請求項9または10に記
    載の陽極化成方法。
  12. 【請求項12】 前記被処理基板が、前記電極が有する
    基板支持手段により該電極に取り付けられていることを
    特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の陽極
    化成方法。
  13. 【請求項13】 前記電極が、シリコン溶解性溶液に対
    して耐蝕性を有する金属材料、又は白金から成ることを
    特徴とする請求項9〜12のいずれか1項に記載の陽極
    化成方法。
  14. 【請求項14】 電解質溶液中に被処理基板と電極とを
    配置し、電圧を印加することにより陽極化成反応を行う
    陽極化成方法において、 第1,第2,第3の電極を有し、各対を構成する該電極
    間の前記電解質溶液中に、前記被処理基板を配置し、 前記電極に印加する電圧の電気的極性を交互に反転さ
    せ、化成反応電流の向きを反転させることを特徴とする
    陽極化成方法。
  15. 【請求項15】 前記被処理基板は、低抵抗の結晶シリ
    コン基板であり、 前記陽極化成反応が、該結晶シリコン基板の多孔質化反
    応であることを特徴とする請求項9〜14のいずれか1
    項に記載の陽極化成方法。
  16. 【請求項16】 前記結晶シリコン基板は、縮退した単
    結晶シリコンから成ることを特徴とする請求項15に記
    載の陽極化成方法。
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