JP2006114783A - 処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 良好な化成処理を実現すること。
【解決手段】 基板101の上方に基板101に対向して配置される第1電極102と、基板101の下方に基板101に対向して配置される第2電極103とを有し、基板101に化成処理を施す処理装置100は、基板101と第2電極103との間に薬液105を満たす薬液槽104と、基板101の下面近傍に薬液105の流れを形成する第1流れ形成機構と、基板101の中心部から外周部に向かう上記薬液105の流れを増大させる第2流れ形成機構と、を備える。第2流れ形成機構は、基板101と第2電極103との間に基板101と対向して配置された流れ制御板111を有する。流れ制御板111は、複数の開口部を含み、流れ制御板111の中心部に配置された開口部と流れ制御板111の中心部以外に配置された開口部とが異なる形態を有する。
【選択図】 図1A
【解決手段】 基板101の上方に基板101に対向して配置される第1電極102と、基板101の下方に基板101に対向して配置される第2電極103とを有し、基板101に化成処理を施す処理装置100は、基板101と第2電極103との間に薬液105を満たす薬液槽104と、基板101の下面近傍に薬液105の流れを形成する第1流れ形成機構と、基板101の中心部から外周部に向かう上記薬液105の流れを増大させる第2流れ形成機構と、を備える。第2流れ形成機構は、基板101と第2電極103との間に基板101と対向して配置された流れ制御板111を有する。流れ制御板111は、複数の開口部を含み、流れ制御板111の中心部に配置された開口部と流れ制御板111の中心部以外に配置された開口部とが異なる形態を有する。
【選択図】 図1A
Description
本発明は、基板に化成処理を施す処理装置に関する。
従来、SOI(Silicon On Insulator)基板等の基板の製造工程等では、基板に化成処理を施す処理装置が用いられている。基板に化成処理を施す処理装置には、基板表面を水平に設置する平置型と、基板表面を垂直に設置する縦置型とがある。また、処理装置には、基板裏面に固体を接触させて基板を通る電流経路を形成する固体接触型と、基板裏面に液体を接触させて基板を通る電流経路を形成する液体接触型とがある。
近年では、例えば、SOI基板等の基板の製造工程において、基板の大口径化、異物対策に伴う基板裏面の鏡面化等によって、基板を実質的に水平に保ったままで搬送すると共に、基板裏面に固体が接触しないように構成されることが要求されている。このような要求に応える処理装置として、平置型の液体接触型の処理装置が用いられている。
特開平6−216110号公報
特開平10−275798号公報
特開平11−195639号公報
特開平11−195640号公報
特開平11−214353号公報
特開2000−273699号公報
特開2000−277478号公報
特開2000−277484号公報
特開2000−336499号公報
しかしながら、従来の平置型の液体接触型の処理装置では、基板の下面(裏面)に対する液体接触が困難である。即ち、従来の処理装置では、基板下面に存在する気泡によって良好な接触を得ることができない。また、化成処理中に基板下面(裏面)から気体が発生する系においては、この気体を除去することができない。
従って、従来の処理装置では、基板下面(裏面)に生じる気体(気泡も含む)によって、接触不良が生じ、例えば、化成処理によって形成される膜厚の分布にばらつきが発生したり、化成処理の再現性が低下したりするため、良好な化成処理を行うことができないという問題点がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、良好な化成処理を実現することを目的とする。
本発明は、基板の上方に該基板に対向して配置される第1電極と、該基板の下方に該基板に対向して配置される第2電極とを有し、該基板に化成処理を施す処理装置に係り、前記基板と前記第2電極との間に薬液を満たす薬液槽と、前記基板の下面近傍に薬液の流れを形成する第1流れ形成機構と、前記基板の中心部から外周部に向かう前記薬液の流れを増大させる第2流れ形成機構と、を備え、前記第2流れ形成機構は、前記基板と前記第2電極との間に前記基板と対向して配置された流れ制御板を有し、前記流れ制御板は、複数の開口部を含み、該流れ制御板の中心部に配置された開口部と該流れ制御板の中心部以外に配置された開口部とが異なる形態を有することを特徴とする。
以上示したように、本発明によれば、良好な化成処理を実現することができる。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施の形態に係る処理装置について説明する。図1Aは、本発明の好適な第1の実施形態に係る処理装置100の構成を示す概念図である。処理装置100は、処理対象の基板としてのSiウェハ101の上方にSiウェハ101に対向して配置される第1電極としての陰極102と、Siウェハ101の下方にSiウェハ101に対向して配置される第2電極としての陽極103と、Siウェハ101と陽極103との間に薬液105を満たす薬液槽104と、Siウェハ101の下面近傍に薬液105の流れを形成する第1流れ形成機構とを備える。この第1流れ形成機構は、薬液105を薬液槽104からオーバーフローさせる機能を持つことが出来る。
以下、本発明の第1の実施の形態に係る処理装置について説明する。図1Aは、本発明の好適な第1の実施形態に係る処理装置100の構成を示す概念図である。処理装置100は、処理対象の基板としてのSiウェハ101の上方にSiウェハ101に対向して配置される第1電極としての陰極102と、Siウェハ101の下方にSiウェハ101に対向して配置される第2電極としての陽極103と、Siウェハ101と陽極103との間に薬液105を満たす薬液槽104と、Siウェハ101の下面近傍に薬液105の流れを形成する第1流れ形成機構とを備える。この第1流れ形成機構は、薬液105を薬液槽104からオーバーフローさせる機能を持つことが出来る。
処理装置100は、上記の第1流れ形成機構によってSiウェハ101の下面近傍に形成された、化成槽106内の薬液107の流れのうち、Siウェハ101の中心部から外周部の方向への流れを増大させる第2流れ形成機構を更に備える。この第2流れ形成機構は、Siウェハ101に対向して配置された流れ制御板111を有する。流れ制御板111には、複数の開口部が形成され、流れ制御板111の中心部に配置された開口部と流れ制御板111の中心部以外に配置された開口部とが異なる形態を有することによって、Siウェハ101の中心部から外周部の方向への流れを増大させる。薬液107は、流れ制御板111の開口部を通してSiウェハ101の裏面と接触し、Siウェハ101裏面の中心部から外周部方向へ流れる。
流れ制御板111の複数の開口部のうち、流れ制御板111の中心部に配置された開口部は、Siウェハ101の表面に対し垂直方向に延び、流れ制御板111の中心部以外に配置された開口部は、Siウェハ101の外周部方向に傾いて延びている。流れ制御板111の中心部以外に配置された開口部が、Siウェハ101の外周部方向に傾いて延びることによって、Siウェハ101の下面近傍に形成された化成槽106内の薬液107の流れのうち、Siウェハ101の中心部から外周部方向への流れを増大させることができる。
上記開口部の傾きは均一であってもよいし、不均一であってもよい。例えば、図1Bに示す処理装置100’の流れ制御板111’のように、外周部からの距離が近いほど、Siウェハ101の外周部方向への傾きが大きくなるように開口部が構成されてもよい。これによって、Siウェハ101の中心部から外周部方向への薬液107の流れを更に増大させることができる。
以上のように、本実施形態によれば、流れ制御板111、111’によって、Siウェハ101の下面近傍に形成された化成槽106内の薬液107の流れのうち、Siウェハ101の中心部から外周部方向への流れを増大させ、Siウェハ101の下面に存在する気体をより効率的に除去することができる。その結果、Siウェハ101の下面と薬液107との接触が更に良好となる。
以上のように、本実施形態によれば、流れ制御板111、111’によって、Siウェハ101の下面近傍に形成された化成槽106内の薬液107の流れのうち、Siウェハ101の中心部から外周部方向への流れを増大させ、Siウェハ101の下面に存在する気体をより効率的に除去することができる。その結果、Siウェハ101の下面と薬液107との接触が更に良好となる。
なお、Siウェハ101の下面近傍に薬液105の流れを形成する第1流れ形成機構としては、任意の機構が用いられるが、Siウェハ101の下面と良好な接触が得られて、化成処理中にSiウェハ101の裏面から発生する気体を、効果的に除去することが可能な流れ形成機構を採用することが望ましい。このような第1流れ形成機構としては、例えば、薬液105を送り出すポンプ109等を用いることができる。ポンプ109は、Siウェハ101の下面近傍に薬液105の流れを形成するために、様々な態様を取ることができる。また、化成槽106とポンプ109を連結する連結流路には、薬液105内のパーティクル等を除去するフィルタ110を備えることが望ましい。また、上記の薬液105を送り出す機構としては、例えば、気体の圧力を利用したり、重力(液体の高低差)による圧力を利用したりすることによって、薬液105の流れを形成してもよい。
本発明の好適な実施の形態に係る処理装置100、100’は、基板を処理する様々な処理に適用することができるが、本発明においては、その一例として、陽極化成装置に適用する場合について説明する。
図1Aにおいて、Siウェハ101は、化成処理の被処理対象である基板の一例であり、例えば、単結晶シリコンが用いられうる。Siウェハ101に化成処理(例えば、陽極化成処理)を施す場合には、具体的には、化成槽106の槽内に化成液107を満たした状態で、陰極102を化成液107に浸漬して、Siウェハ101に対向させると共に、陽極103をSiウェハ101の下方に配置する。本実施形態では、Siウェハ101を陽極化成して、その表面に多孔質シリコンを形成する。また、液体接触型の処理装置を用いて、Siウェハ101を陽極化成する場合には、Siウェハ101の表面及び裏面から、水素が発生することが知られている。Siウェハ101は、陽極化成された後は、その表面に多孔質層が形成されて、表面の構造が変化するが、その裏面の構造は実質的には変化しない。
陰極102は、化成処理用の処理液に対して耐性のある材料で構成されることが好ましい。例えば、化成処理用の処理液として弗化水素溶液を採用する場合には、陰極102は、弗化水素に対する耐性が優れた材料である白金等で構成されることが好ましい。
陽極103は、例えば、導電液としてDHF(希フッ化水素酸)を採用する場合には、弗化水素に対する耐性が優れた材料である白金等で構成されることが好ましい。また、陽極103は、Siウェハ101と同質の材料であるシリコン材料で構成することも可能である。このシリコン材料は、比抵抗が小さいことが好ましい。陽極103をシリコン材料で構成することによって、Siウェハ101が陽極103の構成材料によって汚染されることを防ぐことができる。
薬液槽104は、Siウェハ101の下面との間で、電気的な接触を保つために、導電性の薬液105(導電液)が満たされている。また、前述のように、薬液槽104は、Siウェハ101の下面近傍に薬液105の流れを形成する第1流れ形成機構を備える。第1流れ形成機構としては、例えば、薬液槽104がポンプを備え、このポンプの入口と出口とを、薬液槽104の上方に設けたり、図1Aに示すように、ポンプ109の入口と出口とを、薬液槽104の上方と下方にそれぞれ設けたりして、Siウェハ101の下面近傍に薬液105の流れを形成するように構成することができる。なお、ポンプ109の入口と出口の配置は、図1Aに示す配置に限定されず、様々な態様を用いることができる。例えば、ポンプ109の入口と出口は、図1Aとはそれぞれ反対に配置されてもよい。
また、薬液槽104は、その外側に、薬液槽104から流れ出た薬液105を満たすオーバーフロー槽108を備えるのが望ましい。オーバーフロー槽108は、図1Aに示すように、化成槽106とオーバーフロー槽108とを連結する連結流路を介して、薬液槽104に連結されうる。また、連結流路は、薬液105内のパーティクル等を除去するフィルタ110が設置されることが望ましい。
薬液槽104は、Siウェハ101の下面近傍に薬液105の流れを形成するために、薬液105をオーバーフローさせるように構成されうる。この場合、例えば、図1Aに示すように、薬液槽104とSiウェハ101との間に間隔を設けて、薬液槽104から薬液105が溢れ出るように構成されうる。この間隔は、特に限定しないが、2〜8mmが例として挙げられる。また、薬液105をオーバーフローさせる場合には、Siウェハ101の下面と電気的に良好な接触を得るために、薬液105をSiウェハ101の下面に接触させる。
薬液105は、導電性の薬液(導電液)であり、本実施形態では、一例としてDHF(希フッ化水素酸)が用いられる。しかし、本発明はこれに限定されず、他の導電液を用いてもよい。
化成槽106は、化成処理用の処理液に対して耐性を有する材料で構成されるのが好ましい。例えば、化成処理用の処理液として弗化水素溶液を採用する場合は、化成槽106は、弗化水素に対する耐性が優れた材料である四弗化エチレン樹脂(テフロン(登録商標))等で構成されることが好ましい。
化成液107は、処理対象の基板を処理する任意の処理液を採用することができる。例えば、陽極化成の場合は、化成液107には、陽極化成処理用の処理液として、弗化水素溶液を用いることができる。
なお、本実施形態では、陰極102がSiウェハ101の上方に、陽極103がSiウェハ101の下方にそれぞれ設けられているが、本発明はこれに限定されない。例えば、陰極102がSiウェハ101の下方に、陽極103がSiウェハ101の上方に、それぞれ設けられてもよい。この場合には、処理装置100が陽極化成装置に適用されるとすると、例えば、陰極側では化成処理用の処理液として弗化水素溶液を用いて、陽極側では導電液としてDHF(希フッ化水素酸)を用いる等のようにして、前述の構成を変更すればよい。
オーバーフロー時には、薬液105の液面は、薬液槽104よりも高くなるため、上昇した液面と薬液槽104の上端との差を利用して、Siウェハ101の下面の全域を薬液105に接触するように薬液槽104を構成することが好ましい。これによって、化成処理時に電流を流すことが容易になる。上記のオーバーフローは、薬液105を導入する場合には、Siウェハ101の下面に気泡が残ることがなく、化成処理中にSiウェハ101の下面に気体が発生した場合には、これらの気体を効率よく除去するように働く。
また、ポンプ109は、オーバーフロー槽108と薬液槽104との間に設けられた連結流路を介して、オーバーフロー槽108内の薬液105が薬液槽104に流れ込むように働く。また、連結流路に設けられたフィルタ110は、パーティクル等の汚染物を除去して、薬液105を汚染物等が少ない状態に維持するように働く。
以上のように、本実施形態によれば、Siウェハの下面近傍に薬液の流れを形成する第1流れ形成機構に加え、Siウェハの中心部から外周部方向への流れを増大させる第2流れ形成機構を設けることによって、Siウェハの中心部から外周部方向への流れが効果的に増大し、Siウェハの下面の未浸漬部に存在する気体や、化成処理中に発生した気体等をより効率的に除去することができる。その結果、Siウェハと薬液との間で、非常に良好な電気的接触が得られる。
従って、これらの気体によるSiウェハの下面の接触不良によって生じる問題点(例えば、化成処理により形成される膜厚の分布のばらつきや、化成処理の再現性の低下等)を解決し、良好な化成処理を行うことができる。
[第2の実施の形態]
以下、本発明の第2の実施の形態に係る処理装置について説明する。図2は、本発明の第2の実施の形態に係る処理装置200の概略構成を示す概念図である。処理装置200は、概略的には、第1の実施の形態に係る処理装置100、100’の構成に一部の機能を追加した構成を有する。即ち、処理装置200の第2流れ形成機構は、Siウェハ101に対向して配置された流れ制御板211を有する。
以下、本発明の第2の実施の形態に係る処理装置について説明する。図2は、本発明の第2の実施の形態に係る処理装置200の概略構成を示す概念図である。処理装置200は、概略的には、第1の実施の形態に係る処理装置100、100’の構成に一部の機能を追加した構成を有する。即ち、処理装置200の第2流れ形成機構は、Siウェハ101に対向して配置された流れ制御板211を有する。
流れ制御板211の複数の開口部は、面内で孔径が不均一であり、中心部に近い位置ほど、孔径が大きくなっている。これによって、第1流れ形成機構によってSiウェハ101の下面近傍に形成された、化成槽106内の薬液107の流れのうち、Siウェハ101の中心部から外周部の方向への薬液105の流れを増大させて、Siウェハ101の下面に存在する気体をより効率的に除去することができる。その結果、Siウェハ101の下面と薬液107との接触が更に良好となる。
以上のように、本実施形態によれば、Siウェハの下面近傍に薬液の流れを形成する第1流れ形成機構に加え、Siウェハの中心部から外周部方向への流れを増大させる第2流れ形成機構を設けることによって、Siウェハの下面に薬液を十分に浸漬できないという問題点や、Siウェハの下面から発生する気体による化成処理の不良等をより効果的に回避することができ、更に良好な化成処理が実現可能となる。
なお、本発明の好適な実施の形態では、Siウェハの下面近傍に薬液の流れを形成する流れ形成機構を示したが、これに限定されない。例えば、本発明の好適な実施の形態に係る化成槽は、Siウェハの上面近傍に薬液の流れを形成する流れ形成機構を備えることができる。例えば、化成槽には、Siウェハの上面近傍に薬液の流れを形成する流れ形成機構を設けることができる。この場合には、Siウェハの上面に存在する気体を除去することができる。
以下、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
[実施例1]
本発明の実施例に係る処理装置を図1Aに示す。図1Aは、第1の実施形態に係る処理装置100に対応する。
[実施例1]
本発明の実施例に係る処理装置を図1Aに示す。図1Aは、第1の実施形態に係る処理装置100に対応する。
図1Aの処理装置100としては、平置型の液体接触枚葉処理装置を用いた。本実施例では、化成槽106の上部に、開口部径5mm、ピッチ10mmの開口部が形成されたパンチング板111を設置した。パンチング板111に形成された開口部は、中心部では孔角度0°、中心部以外の領域では孔角度20°であった。
処理装置100は、Siウェハ101の上面側に設けられた薬液槽104と、Siウェハ101の下面で薬液を接触させる化成槽106で構成されている。薬液槽104には、被処理物である8インチp+Si(100)ウェハ101を、その表面が上になるようにして設置した。Siウェハ101の下面は、真空吸着によって、薬液の漏れがないようにシールした。
化成液105としては、49%弗化水素とエタノールが2:1の混合薬液を用いた。薬液槽104には、弗化水素に対する耐性が優れた四弗化エチレン樹脂(PTFE)を用いた。薬液槽104内には、陰極102として、直径200mmの白金板を、Siウェハ101と実質的に平行に、Siウェハ101と30mmの距離を隔てて設置した。薬液槽104は、Siウェハ101下面に、直径174mmの開口部を有している。一方、化成槽106は筒状で、その内径は154mmであり、その外側にオーバーフロー槽108を有している。化成槽106下部には、直径150mmの白金板が水平に設置されており、陽極の役割を果たす。導電液107には、1%弗化水素水溶液を用いた。
ポンプ109によって、導電液105を薬液槽104に供給し続けると、上記開口部から導電液105がオーバーフローして、薬液槽104の上面よりも導電液105の液面の方が高くなった。この上昇した液面と、被処理部材である8インチSiウェハ101の裏面を、実質的に均一に接触させた。パンチング板111に形成された開口部によって、Siウェハ101の中心部から外周部の方向への薬液105の流れが増大し、Siウェハ101の下面に存在する気体がより効率的に除去されて、Siウェハ101の下面と薬液107との接触が非常に良好となった。
このような状態を保ちつつ、陽極103と陰極102との間に電圧を印加して、多孔質シリコンを作製した。電流3.14A(Si ウェハ101の表面側の電流密度10mAcm−2)で8分間通電した後、ポンプ109を止めて、化成液105、導電液107等の薬液を回収した。Siウェハ101は、洗浄した後に、乾燥させた。Siウェハ101に形成された多孔質層の厚さを測定したところ、Siウェハ101全面に渡って、ほぼ10μmで均一であった。
このようにして、平置型の液体接触枚葉処理装置において、Siウェハ101全面に渡る良質な多孔質層を作ることができた。
[実施例2]
本発明の実施例に係る処理装置を図2に示す。図2は、第2の実施形態に係る処理装置200に対応する。本実施例では、化成槽106の上部に、開口部が形成されたパンチング板211を設置した。
[実施例2]
本発明の実施例に係る処理装置を図2に示す。図2は、第2の実施形態に係る処理装置200に対応する。本実施例では、化成槽106の上部に、開口部が形成されたパンチング板211を設置した。
処理装置200は、Siウェハ101の上面側に設けられた化成槽106と、Siウェハ101の下面で薬液を接触させる化成槽106で構成されている。薬液槽104には、被処理物である8インチp+Si(100)ウェハ101を、その表面が上になるようにして設置した。Siウェハ101の下面は、真空吸着によって、薬液の漏れがないようにシールした。
化成液105としては、49%弗化水素とエタノールの2:1の混合薬液を用いた。薬液槽104には、弗化水素に対する耐性が優れた四弗化エチレン樹脂(PTFE)を用いた。薬液槽104内には、陰極102として、直径200mmの白金板を、Siウェハ101と実質的に平行に、Siウェハ101と30mmの距離を隔てて設置した。薬液槽104は、Siウェハ101下面に、直径174mmの開口部を有している。一方、化成槽106は筒状で、その内径は154mmであり、その外側にオーバーフロー槽108を有している。化成槽106下部には、直径150mmの白金板が水平に設置されており、陽極の役割を果たす。導電液107には、1%弗化水素水溶液を用いた。
ポンプ109によって、導電液105を薬液槽104に供給し続けると、上記開口部から導電液105がオーバーフローして、薬液槽104の上面よりも導電液105の液面の方が高くなった。この上昇した液面と、被処理部材である8インチSiウェハ101の裏面を、実質的に均一に接触させた。パンチング板211に形成された開口部によって、Siウェハ101の中心部から外周部の方向への薬液105の流れが増大し、Siウェハ101の下面に存在する気体がより効率的に除去されて、Siウェハ101の下面と薬液107との接触が非常に良好となった。
このような状態を保ちつつ、陽極103と陰極102との間に電圧を印加して、多孔質シリコンを作製した。電流3.14A(Siウェハ101の表面側の電流密度10mAcm−2)で8分間通電した後、ポンプ109を止めて、化成液105、導電液107等の薬液を回収した。Siウェハ101は、洗浄した後に、乾燥させた。Siウェハ101に形成された多孔質層の厚さを測定したところ、Siウェハ101全面に渡って、ほぼ10μmで均一であった。
このようにして、平置型の液体接触枚葉処理装置において、Siウェハ101全面に渡る良質な多孔質層を作ることができた。
[応用例]
次いで、上記の処理装置の応用例として、半導体基板の製造方法を説明する。
次いで、上記の処理装置の応用例として、半導体基板の製造方法を説明する。
図3は、本発明の好適な実施の形態に係る半導体基板の製造方法を説明する図である。
まず、図3(a)に示す工程では、第1の基板(seed wafer)10を形成するための単結晶Si基板11を用意して、上記の処理装置100、100’、200を利用して、その主表面上に分離層としての多孔質Si層12を形成する。ここで、電解液としては、例えば、弗化水素を含む溶液、弗化水素及びエタノールを含む溶液、弗化水素及びイソプロピルアルコールを含む溶液等が好適である。
また、多孔質Si層12を互いに多孔度の異なる2層以上の層からなる多層構造としてもよい。ここで、多層構造の多孔質Si層12は、表面側に第1の多孔度を有する第1の多孔質Si層、その下に、第1の多孔度より大きい第2の多孔度を有する第2の多孔質Si層を含むことが好ましい。このような多層構造を採用することにより、後の非多孔質層13の形成工程において、第1の多孔質Si層上に、欠陥等の少ない非多孔質層13を形成することができると共に、後の分離工程において、所望の位置で貼り合わせ基板(結合基板)を分離することができる。
次いで、図3(b)に示す工程の第1段階では、多孔質Si層12上に第1の非多孔質層13を形成する。第1の非多孔質層13としては、単結晶Si層、多結晶Si層、非晶質Si層等のSi層、Ge層、SiGe層、SiC層、C層、GaAs層、GaN層、AlGaAs層、InGaAs層、InP層、InAs層等が好適である。
次いで、図3(b)に示す工程の第2段階では、第1の非多孔質層13の上に第2の非多孔質層としてSiO2層(絶縁層)14を形成する。これにより第1の基板10が得られる。
次いで、図3(c)に示す工程では、第2の基板(handle wafer)20を準備し、第1の基板10と第2の基板20とを、第2の基板20と絶縁層14とが面するように室温で密着させて貼り合わせ基板(結合基板)30を作製する。
なお、絶縁層14は、上記のように単結晶Si層13側に形成しても良いし、第2の基板20上に形成しても良く、両者に形成しても良く、結果として、第1の基板と第2の基板を密着させた際に、図3(c)に示す状態になれば良い。しかしながら、上記のように、絶縁層14を活性層となる第1の非多孔質層(例えば、単結晶Si層)13側に形成することにより、第1の基板10と第2の基板20との貼り合せの界面を活性層から遠ざけることができるため、より高品位のSOI基板等の半導体基板を得ることができる。
基板10、20が完全に密着した後、両者の結合を強固にする処理を実施することが好ましい。この処理の一例としては、例えば、1)N2雰囲気、1100℃、10minの条件で熱処理を実施し、2)O2/H2雰囲気、1100℃、50〜100minの条件で熱処理(酸化処理)を実施する処理が好適である。この処理に加えて、或いは、この処理に代えて、陽極接合処理及び/又は加圧処理を実施してもよい。
第2の基板20としては、Si基板、Si基板上にSiO2層を形成した基板、石英等の光透過性の基板、サファイヤ等が好適である。しかし、第2の基板20は、貼り合わせ(結合)に供される面が十分に平坦であれば十分であり、他の種類の基板であってもよい。
次いで、図3(d)に示す工程では、貼り合わせ基板(結合基板)30を機械的強度が脆弱な多孔質層12の部分で分離する。この分離方法としては、各種の方法を採用しうるが、例えば、流体を多孔質層12に打ち込む方法、或いは、流体により多孔質層12に静圧を印加する方法など、流体を利用する方法が好ましい。
この分離工程により、第1の基板10の移設層(非多孔質層13、絶縁層14)が第2の基板20上に移設される。なお、第1の基板10の多孔質層12上に非多孔質層13のみを形成する場合の移設層は、非多孔質層13のみである。
図3(e)に示す工程では、分離後の第2の基板20上の多孔質層12”をエッチング等により選択的に除去する。これにより、絶縁層14上に非多孔質層13を有する基板が得られる。例えば、非多孔質層13が半導体層である場合、このような半導体層は、SOI層(Silicon On Insulator)と呼ばれ、また、このようなSOI層を有する基板は、SOI基板と呼ばれる。
更に、分離後の第1の基板10’の単結晶Si基板11上の多孔質層12’をエッチング等により選択的に除去する。このようにして得られる単結晶Si基板11は、再び第1の基板10を形成するための基板、又は第2の基板20として利用され得る。
Claims (6)
- 基板の上方に該基板に対向して配置される第1電極と、該基板の下方に該基板に対向して配置される第2電極とを有し、該基板に化成処理を施す処理装置であって、
前記基板と前記第2電極との間に薬液を満たす薬液槽と、
前記基板の下面近傍に薬液の流れを形成する第1流れ形成機構と、
前記基板の中心部から外周部に向かう前記薬液の流れを増大させる第2流れ形成機構と、
を備え、
前記第2流れ形成機構は、
前記基板と前記第2電極との間に前記基板と対向して配置された流れ制御板を有し、
前記流れ制御板は、複数の開口部を含み、該流れ制御板の中心部に配置された開口部と該流れ制御板の中心部以外に配置された開口部とが異なる形態を有することを特徴とする処理装置。 - 前記第1流れ形成機構は、前記薬液を前記薬液槽からオーバーフローさせることを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
- 前記複数の開口部のうち、前記流れ制御板の中心部に配置された開口部は、前記基板の表面に対して垂直方向に延び、前記流れ制御板の中心部以外に配置された開口部は、前記基板の外周部方向に傾いて延びていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の処理装置。
- 前記複数の開口部のうち、前記流れ制御板の外周部からの距離が近い開口部ほど前記基板の外周部方向への傾きが大きいことを特徴とする請求項3に記載の処理装置。
- 前記複数の開口部のうち、前記流れ制御板の中心部に配置された開口部は、前記流れ制御板の中心部以外に配置された開口部よりも孔径が大きいことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の処理装置。
- 前記複数の開口部のうち、前記流れ制御板の中心部からの距離が近い開口部ほど孔径が大きいことを特徴とする請求項5に記載の処理装置。
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JP2004302065A JP2006114783A (ja) | 2004-10-15 | 2004-10-15 | 処理装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011176169A (ja) * | 2010-02-25 | 2011-09-08 | Tokyo Electron Ltd | 基板のエッチング方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体 |
-
2004
- 2004-10-15 JP JP2004302065A patent/JP2006114783A/ja not_active Withdrawn
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