JPH0519774B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は磁気記録再生装置に関し、特にデジタ
ル・オーデイオ・テープレコーダ（以下単に
DATと略記する）等に利用される。

（従来の技術） 従来、磁気テープにPCM信号を記録するもの
として、ビデオテープレコーダ（VTR）とPCM
アダプタとを組み合わせる方法がある。この方法
では、曲の先頭を知るための特別な信号は記録さ
れていないため、例えば磁気テープの巻戻し状態
で一つの曲の開始部分を発見し、その部分で停止
し、あるいは開始部分から再生を行うことは極め
て困難であつた。

このため、DATでは、録音時にサブコード領
域の一部に、スタートID情報として一つの曲の
開始直後に一定期間に亘り「１」を記録し、それ
以外の期間は「０」を記録しておくように提案さ
れている。この方法では、スタートID信号を検
出することにより正確な頭出しが可能となるが、
この場合、スタートID信号の「１」の部分と
「０」の部分とを明確に区別できるようにする必
要がある。

（発明が解決しようとする問題点） しかしながら、録音の先頭部（すなわち第１曲
目）では、スタートID信号が記録される以前に
デジタル信号の記録されていない部分、すなわち
明確なスタートID信号（＝「０」）部分がないい
わゆる雑音部分が存在し、このために正確な頭出
しが行えないという問題があつた。

この場合、第１曲目の録音開始に先だつてスタ
ートID信号を「０」とした情報領域（いわゆる
ゼロ曲目）を予め磁気テープに記録する方法も考
えられるが、このような磁気テープを作成するた
めには、第１曲目の録音開始に先だつて、高速巻
戻し時においても検出できるように十分な期間に
わたりいわゆるゼロ曲目を記録しておく必要があ
り、録音動作の敏速性を損なうという新たな問題
を生じる。

（問題点を解決するための手段） 本発明の磁気記録再生装置は、曲の記録開始直
後の一定時間に亘り先頭部であることを示すサブ
コード情報が各記録トラツクのサブコードID情
報記録領域に記録されるとともに、記録された第
１曲目以前が未記録状態となつている磁気テープ
の再生を行うものにおいて、前記サブコード情報
を検出するサブコード検出回路と、前記磁気テー
プの記録トラツクに記録信号が存在しているか否
かを検出するエンベロープ検出回路と、前記磁気
テープの巻戻し再生モード時、前記サブコード検
出回路によつて曲の先頭部分であることを示すサ
ブコード情報を検出中に、前記エンベロープ検出
回路によつて記録信号の存在していない期間を検
出したとき、巻戻し再生モードを終了する制御を
行う制御回路とを備えたものである。

（作用） 本発明の磁気記録再生装置は、曲の記録開始直
後の一定時間に亘り先頭部であることを示すサブ
コード情報が各記録トラツクのサブコードID情
報記録領域に記録されるとともに、記録された第
１曲目以前が未記録状態となつている磁気テープ
の再生を行う場合において、確実に高速頭出しの
行えるものである。

すなわち、頭出しのための巻戻し再生モード
時、サブコード検出回路は、サブコードID情報
記録領域に記録されているサブコード情報を検出
して制御回路に出力する。また、エンベロープ検
出回路は、磁気テープの記録トラツクに記録信号
が存在しているか否かを検出し、その検出信号を
制御回路に出力する。

制御回路では、サブコード検出回路から曲の先
頭部分であることを示すサブコード情報が与えら
れているときに、エンベロープ検出回路から記録
信号の存在していない期間を検出したことを示す
検出信号が与えられたとき、第１曲目の記録開始
位置まで磁気テープが巻き戻されたと判断して、
巻戻し再生モードを終了する制御を行う。この
後、再生モードとすることにより、高速頭出し再
生が可能となる。

（実施例） 以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明
する。

第１図は本発明の磁気記録再生装置の回路構成
を示している。

同図において、１ａ，１ｂは磁気ヘツド、２は
磁気テープ、３，４はリール、５はスイツチ回
路、６は再生アンプ、７はイコライザ回路、８は
比較回路、９は復調回路、１０はパリテイ検査回
路、１１はサブコード抜出回路、１２はスタート
ID信号抜出回路、１３はエンベロープ検出回路、
１４はマイクロコンピユータ（制御回路）、１５
はメカニズムコントロール回路である。

巻戻し再生モード時、磁気ヘツド１ａ，１ｂか
らの再生出力は、ヘツド切換信号によるスイツチ
回路５の切換え動作によつて交互に切換えられ、
再生アンプ６に供給される。つまり、磁気ヘツド
１ａが磁気テープ２に当接している期間、スイツ
チ回路５はａ接点側に切換えられ、磁気ヘツド１
ｂが磁気テープ２に当接している期間、スイツチ
回路５はｂ接点側に切換えられる。

このようにして得られた再生アンプ６の出力
は、イコライザ回路７およびエンベロープ検出回
路１３にそれぞれ出力される。イコライザ回路７
に出力された再生アンプ６の出力は、さらに比較
回路８、復調回路９、パリテイ検査回路１０、サ
ブコード抜出回路１１、およびスタートID信号
抜出回路１２を通してスタートID信号が検出さ
れ、システムコントローラであるマイクロコンピ
ユータ１４に供給される。

一方、エンベロープ検出回路１３は、再生アン
プ６の出力信号をエンベロープ検波するととも
に、磁気テープ２にデジタル信号の記録されてい
ない期間のみマイクロコンピユータ１４に信号を
供給する。マイクロコンピユータ１４は前記した
スタートID信号とエンベロープ検出回路１３か
らの信号とによつて磁気テープ２上の曲の開始位
置を検出し、メカニズムコントロール回路１５を
制御するように構成されている。

次に、上記構成の磁気記録再生装置の巻戻し再
生モード時の動作を、第２図および第３図を参照
して説明する。ただし、ここで用いる磁気テープ
２は、曲の記録開始直後の一定時間に亘り先頭部
であることを示すサブコードID情報が各記録ト
ラツクTRのサブコードID情報記録領域SC₁，
SC₂に記録されるとともに、記録された第１曲目
以前のサブコードID情報記録領域SC₁，SC₂が未
記録状態となつているものとする。

巻戻し再生モード時、磁気ヘツド１ａ，１ｂの
軌跡は第２図に矢符Ａ，Ｂで示すような軌跡とな
る。同図において、矢符Ｈは磁気ヘツド１ａ，１
ｂの回転方向、矢符Ｔは磁気テープ２の走行方向
を示している。ここで、TRは磁気ヘツド上の記
録トラツク（以下、単にトラツクという）を示
し、SC₁，SC₂はサブコードID情報記録領域を示
す。

このように、磁気ヘツド１ａ，１ｂが磁気テー
プ２上のトラツクTR上を走査したときの再生ア
ンプ６の出力は第３図ａに示すような信号波形と
なり、この再生アンプ６の出力を処理して得られ
るパリテイ検査回路１０の出力は第３図ｂに示す
波形となる。このとき、磁気テープ２上に第１曲
目の録音開始に先だつてスタートID信号を「０」
とした情報領域（以下ゼロ曲目という）が記録さ
れていない場合のスタートID信号抜出回路１２
の出力は、第３図ｄに示す立下りの検出されない
波形となり、この信号出力がマイクロコンピユー
タ１４に供給される。

一方、エンベロープ検出回路１３に供給された
再生アンプ６の出力は、ここで処理されて、記録
信号の存在していない期間「Ｌ」レベルとなる第
３図ｅに示す波形の信号となり、この信号出力が
マイクロコンピユータ１４に供給される。

マイクロコンピユータ１４では、スタートID
信号〔第３図ｄ参照〕を検出中に、エンベロープ
検出回路１３からの出力信号〔第３図ｅ参照〕の
立下りを検出することによつてメカニズムコント
ロール回路１５に制御信号を出力し、第１曲目の
頭出しを行うものである。

つまり、スタートID信号を検出中ということ
は、任意の曲目の先頭部分を検出しているという
ことであり、これが例えば第２曲目の先頭部分で
あると、その前に第１曲目があることから、スタ
ートID信号は「１」から「０」に必ず変化する
ことになる。しかしながら、これが第１曲目の先
頭部分であると、その前のサブコードID情報記
録領域は無記録状態であることから、先頭部分ま
で巻き戻つても、検出されるスタートID信号が
ノイズの影響等により「１」から「０」に変化し
ない場合がある。すなわち、このような状況は第
１曲目の先頭部分まで巻戻したときに発生する。
そこで、このような状態においてエンベロープ検
出回路１３から記録信号の存在していないことを
示す「Ｌ」レベルの信号（すなわち、立下り）を
検出することにより、第１曲目の先頭部分、すな
わち頭出しが行えるものである。

なお、第３図ｃに示す波形は、磁気テープ２に
おける第２曲目以後の場合、あるいは第１曲目の
録音開始に先だつてゼロ曲目が記録されている場
合のスタートID信号を示している。

前記したエンベロープ検出回路１３の具体的な
回路構成を第４図に示す。また、第５図は第４図
に示す回路の動作波形図である。

第４図において、入力端子３０には、増幅され
た巻戻し再生信号S₁〔第５図ａ参照〕が入力され、
この信号S₁は低域通過フイルタ１６、および振幅
検出回路１７を通過して第５図ｂに示す波形の信
号S₂となる。この信号S₂は次段のコンパレータ１
８で電圧T_aを基準に波形整形され、第５図ｃに
示す波形の信号S₃となる。一方、入力端子３１に
は、前記スイツチ回路５（第１図参照）を切換え
るためのヘツド切換信号S₄〔第５図ｆ参照〕が入
力され、このヘツド切換信号S₄は遅延回路２１お
よび排他的論理和回路２２を通過して第５図ｇに
示すパルス波形の信号S₅に形成され、このパルス
信号S₅によつて積分器１９，２３を初期化してい
る。

積分器１９で積分された第５図ｄに示す階段状
の出力信号S₆はコンパレータ２０で電圧T_bを基
準に波形整形され、第５図ｅに示す波形の信号S₇
を得る。この信号S₇をＤ−フリツプフロツプ２５
のデータ入力端子Ｄに入力する。一方、積分器２
３で積分された第５図ｈに示すのこぎり波出力の
信号S₈はコンパレータ２４で電圧T_cを基準に波
形成形され、第５図ｉに示す波形の信号S₉を得
る。この信号S₉をＤ−フリツプフロツプ２５のク
ロツク端子CKに入力する。

Ｄ−フリツプフロツプ２５では、コンパレータ
２４の出力信号S₉の立上りでコンパレータ２０の
出力信号S₇の出力をホールドし、Ｑ出力S₁₀〔第５
図ｊ参照〕としてエンベロープ検出回路１３の出
力を得る。

（発明の効果〕 以上述べたように、本発明の磁気記録再生装置
によれば、再生出力のエンベロープ検波回路を用
いることにより、スタートID情報による高速頭
出し再生を行うことができる。特に、磁気テープ
の第１曲目以前が未記録状態であり、スタート
ID情報が正確に検出できない場合でも、容易に
高速頭出し再生を行うことができる。従つて、デ
ジタル・オーデイオ・テープレコーダ等におい
て、磁気テープへの第１曲目の録音以前に予めス
タートID情報を含む信号を記録しておくことが
不要なため、敏速な録音操作を可能にすることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の磁気記録再生装置の主要部を
示す概略ブロツク図、第２図は磁気テープ上のト
ラツクと高速巻戻し再生時の回転ヘツドの軌跡の
一例を示す図、第３図は第１図に示す回路主要部
の動作波形図、第４図はエンベロープ検出回路の
構成例を示す概略ブロツク図、第５図は第４図に
示すエンベロープ検出回路の動作波形図である。 １ａ，１ｂ……磁気ヘツド、５…スイツチ回
路、６……再生アンプ、７……イコライザ回路、
８……比較回路、９…復調回路、１０……パリテ
イ検査回路、１１……サブコード抜出回路、１２
……スタートID信号抜出回路、１３……エンベ
ロープ検出回路、１４……マイクロコンピユー
タ、１５……メカニズムコントロール回路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 曲の記録開始直後の一定時間に亘り先頭部で
   あることを示すサブコード情報が各記録トラツク
   のサブコードID情報記録領域に記録されるとと
   もに、記録されれた第１曲目以前が未記録状態と
   なつている磁気テープの再生を行う磁気記録再生
   装置において、 前記サブコード情報を検出するサブコード検出
   回路と、 前記磁気テープの記録トラツクに記録信号が存
   在しているか否かを検出するエンベローブ検出回
   路と、 前記磁気テープの巻戻し再生モード時、前記サ
   ブコード検出回路によつて曲の先頭部分であるこ
   とを示すサブコード情報を検出中に、前記エンベ
   ロープ検出回路によつて記録信号の存在していな
   い期間を検出したとき、巻戻し再生モードを終了
   する制御を行う制御回路とを備えたことを特徴と
   する磁気記録再生装置。