JPH05196649A - サンプリング式信号アナライザ - Google Patents

サンプリング式信号アナライザ

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JPH05196649A
JPH05196649A JP4056792A JP5679292A JPH05196649A JP H05196649 A JPH05196649 A JP H05196649A JP 4056792 A JP4056792 A JP 4056792A JP 5679292 A JP5679292 A JP 5679292A JP H05196649 A JPH05196649 A JP H05196649A
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Richard C Keiter
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ジョン・エー・ウェンドラー
Stephen R Peterson
スティーブン・アール・ピーターソン
Ronald J Hogan
ロナルド・ジェー・ホーガン
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R23/00Arrangements for measuring frequencies; Arrangements for analysing frequency spectra
    • G01R23/16Spectrum analysis; Fourier analysis

Abstract

(57)【要約】 【目的】被測定入力信号のレベルに応答してトリガーを
発生する高速トリガー回路の必要のないサンプリング式
信号アナライザを提供する。 【構成】本発明の一実施例によれば、被測定入力信号の
周波数がまず確認される。次に適切なサンプリング周波
数が決定され、入力信号の波形を再構築するのに必要な
データが収集されて、入力信号波形が、較正された時間
軸で再構築され、望ましく表示される。本発明による装
置では、入力信号の連続サンプリングを可能にするサン
プラー駆動信号が合成されるので、従来のようなトリガ
ー回路は必要ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は試験測定機器に関し、よ
り詳細には、電気信号の波形をサンプリングし複製する
方法と装置とに関する。すなわち、本発明は、入力信号
の非過渡的なあるいはゆっくりと変化する成分及び複合
波形を、その入力信号の周波数の確認と適切なサンプラ
駆動信号の内部合成とに基づいて測定し、すなわちサン
プリングし、表示用に再構成し、これによって入力信号
のレベルに直接的に応答する従来の高速トリガー回路を
不要とするサンプリング式信号アナライザを指向してい
る。
【0002】
【従来の技術】従来、入力信号の電力の測定には電力計
が用いられてきた。カウンタは入力信号の基本周波数の
測定に用いられてきた。入力信号の基本周波数と振幅お
よび高調波の測定にはスペクトラムアナライザが用いら
れてきた。しかし、これらの機器はいずれも測定される
入力信号の時間領域(電圧対時間)波形を表示する能力
を有しない。
【0003】1GHz以上の信号といった入力信号の非
過渡的なあるいはゆっくりと変化する成分と複合波形の
測定と表示に関して、高速立ち上がり時間(あるいは高
速立ち下がり時間)特性を記録し検討することが必要と
されている。従来採用された技術の一つにこれらの入力
信号の直接測定がある。直接測定には入力信号トリガー
が必要である。残念ながら入力信号のレベルに応じてト
リガーをかける方法はトリガー回路の感度と周波数応答
に制約される。従来用いられてきたアナログオシロスコ
ープには入力信号のレベルに応じたトリガー動作に関連
する周知の問題がある。その最も顕著なものはトリガー
レベル感度、トリガー帯域幅、およびトリガージッタで
ある。一般に、トリガリング技術はサンプリング技術に
立ち遅れている。
【0004】サンプリングに関していえば、各種のデー
タサンプリング機器が知られている。例として代表的な
逐次サンプリングデジタイジングオシロスコープのブロ
ック図を図1に示す。逐次サンプリングデジタイジング
オシロスコープは高帯域幅を得るためのアーキテクチャ
である。
【0005】測定データを得るためには、図1に示す周
期Tを有する入力信号は二つの異なる電気経路、すなわ
ち高周波(HF)トリガー回路とサンプラー回路に入力
される。トリガー回路は入力信号のレベルに対して適正
なサンプラー駆動パルスのタイミングを提供する。トリ
ガー事象が検出されると、増分(incrementa
l)遅延回路は、実際のサンプラー駆動パルスをトリガ
ーする前に、短時間の遅延を行うことができる。しか
し、初めはトリガリングは通常は遅延されず、サンプラ
ー駆動パルスは第1のサンプルの獲得を開始するために
トリガー事象から直接的に発生する。したがって、サン
プラー回路は短時間の間イネーブルされ、サンプリング
されたアナログ電圧をアナログ/デジタル変換器(AD
C)に供給する。デジタル化された電圧は次にマイクロ
プロセッサ回路によって処理され、表示画面に表示され
る。
【0006】つまり、図1に示す逐次サンプリングデジ
タイジングオシロスコープによって一つのサンプルデー
タ点(sampled data point)が得ら
れるときに発生する事象のシーケンスは次の通りであ
る。入力信号は所定のトリガー条件を満たしていなけれ
ばならない。条件を満たしていれば、HFトリガー回路
によってトリガーパルスが生成される。サンプラー駆動
回路がサンプラー回路をイネーブルする。次に、サンプ
ラー回路の出力がADCによってデジタル化される。こ
のシーケンスには例えば0.1ミリ秒の有限の時間を要
する。したがってこのような逐次サンプリングデジタイ
ジングオシロスコープは回路の絶対的な速度限度によっ
て制約を受ける。
【0007】さらに、波形を表示するためには一つ以上
のサンプルデータ点が必要である。したがって、前述の
シーケンスは以下の変更を加えて繰り返される。始めに
サンプルデータ点がデジタル化された後、増分遅延回路
がトリガー条件が再度満たされた後に遅延を提供する。
図2はこの変更が次のデータ点のサンプリングにどのよ
うに影響するかを示す。図2に示すように、遅延時間が
長くなる度に入力信号波形上の新しいデータ点がサンプ
リングされる。実際には遅延時間は延長されねばなら
ず、さもなければ定常状態の周期的波形の同じ点が繰り
返しサンプリングされることになり、これはこの波形を
再生することができないことを意味する。
【0008】以上の説明から逐次サンプリングデジタイ
ジングオシロスコープのデータ獲得動作は、特定の入力
信号レベルでトリガし、次に最初のサンプルデータ点を
獲得するために入力信号をサンプリングするものという
ことができる。次のサンプルデータ点を獲得するために
は、逐次サンプリングデジタイジングオシロスコープは
同じレベルでトリガーするが、より長い遅延の後に入力
信号をサンプリングする。
【0009】HFトリガー回路はデータ獲得を行う際に
有用である。サンプルデータ点のそれぞれが得られるた
びに、入力信号の波形が徐々に再構成される。
【0010】しかし、逐次サンプリングデジタイジング
オシロスコープの場合には、内部クロック周波数はたと
えば100MHzとすることができる。一般に、非同期
トリガーが入力信号周期の約2%の精度でいつ発生する
かを判定しなければならない。20GHzの入力信号周
波数に対してトリガリング精度は1.0ピコ秒でなけれ
ばならず、これは代表的な内部クロック周期の10,0
00の1である。この精度を達成することは困難であ
る。
【0011】また、データ獲得処理中に入力信号波形の
いくつかのサイクルがサンプルデータ点の間で発生する
ことがある。たとえば、逐次サンプリングデジタイジン
グオシロスコープが100MHzの正弦波入力信号を受
けると仮定する。この例では、各データ点をサンプリン
グしデジタル化するのに約0.1ミリ秒を必要とする。
これはサンプリングされた第1のデータ点と第2のデー
タ点の間の時間が0.1ミリ秒あることを意味する。1
00MHzの正弦波の周期は0.1E−7秒であるから
図3に示すように各データ点の間に1E4サイクルの入
力信号が発生する。10,000サイクル中に入力信号
の波形に発生するいかなる変化をも測定することができ
ない。
【0012】したがって、逐次サンプリングデジタイジ
ングオシロスコープには制約があることは明らかであ
る。すなわち、これらは測定すべき入力信号に相当する
かあるいはそれより高い速度で動作する回路を必要とす
ることがあるためである。これは利用可能なデータ獲得
およびデジタル化回路の制約から常に可能なわけではな
いため、従来のトリガー型サンプリングデータ獲得法に
替わるものが必要とされている。
【0013】また従来カリフォルニア州Palo Al
toを本拠とするHewlett−Packard C
ompanyがHP 54100のモデル名で製造する
装置にはランダム繰り返しデータサンプリングが採用さ
れており、これによって、繰り返し波形のトリガーされ
たサンプルを、所定のトリガーレベルに達した場合、2
5ナノ秒毎に獲得する。トリガー補間回路は、トリガー
に対して各サンプルデータ点がどこで発生したか、すな
わちそれがトリガーの前で発生したのか後に発生したの
か、またトリガーからどれだけ前にあるいは後に発生し
たかを判定する。トリガーに対するサンプルデータ点の
発生位置に基づいて、電圧対時間の関係でサンプルデー
タ点の位置を表すドットが、逐次サンプリングデジタイ
ジングオシロスコープ表示画面あるいはプリンタ等の出
力装置に送られる。ここでドットは再構成されたあるい
は合成された波形の要素として記憶もしくは表示され
る。しかし、入力信号のレベルに応じてトリガリングす
る際の精度上の固有の欠点のために、かかる合成波形の
精度には高周波数において限度がある。
【0014】最後に、米国特許4,928,251号に
説明するように、デジタル信号処理をサンプルデータ点
から入力信号の周波数を得るのに用いることができ、ま
た波形を複製することができる。この発明の開示内容に
よれば、測定される繰り返し入力信号の信号エッジがサ
ンプリングされ、次に周波数とシーケンスに基づいて分
類され、この入力信号を再構成するために1周期の共通
時間軸に沿って重畳される。より詳細には、高周波数成
分を有する繰り返し入力信号のサンプル列が比較的低い
時間分解能で獲得されこの低い分解能のサンプルから近
似波形が判定され、次にデジタル信号処理、好適には高
速フーリエ変換の形態のデジタル信号処理が入力信号の
再構成された時間記録に加えられ、正確な基本周波数が
得られ、最後に、共通時間基準あるいは位相基準に関し
てサンプリングされた成分を重ねることによってサンプ
リングされた波形が再構成される。たとえば米国特許
4,686,457号に説明するようなウィンドー機能
に基づくビン補間といった追加処理を用いて基本周波数
の概算を改善することができる。入力信号の数百個のサ
ンプルを表す値を用いることによって、波形およびその
周波数を周知のトリガー型サンプリング技術にまさる精
度で判定することができる。しかし、それにはかなりの
データ獲得およびデジタル信号処理能力が要求される。
【0015】
【発明の目的】本発明は、被測定入力信号のレベルに応
答して直接的にトリガリングをすることの必要のないサ
ンプリング式信号アナライザを提供することを目的とす
る。
【0016】
【発明の概要】本発明の一実施例では、測定すべき入力
信号の周波数がまず確認され、次に適当なサンプリング
周波数が判定され、この入力信号の波形の再構成に要す
るデータが獲得され、入力信号波形が表示用に再構成さ
れる、サンプリング式信号アナライザが提供される。こ
のサンプリング式信号アナライザは入力信号の連続的サ
ンプリングを可能とするサンプラー駆動信号を合成する
手段を有し、したがって周知のデータサンプリング式信
号測定機器に対して、測定すべき入力信号のレベルに応
じて直接トリガーされないという利点を有する。かわり
にサンプルタイミングはサンプラーによって生成される
中間周波数(IF)信号の数値解析に基づく。IF周波
数は各掃引間で測定データを精度よく整列するためのデ
ジタル化およびデジタル信号処理を可能とする任意の低
い周波数とすることができる。
【0017】測定すべき入力信号の周波数が未知である
場合、サンプリング式信号アナライザはまず周波数変換
と周波数圧縮、およびファームウエア内でのデジタル信
号処理を用いて入力信号の周波数成分(基本周波数成分
および調波成分)を判定することによって入力信号の周
波数を確認し、入力信号の周波数識別を行わなければな
らない。これはまずIF帯域幅を可能な限り広く設定
し、次にサンプリング信号発振器(これは低位相ノイズ
分数N合成ソースである)の周波数をIF帯域幅の二倍
より低い周波数に設定することによって行うのが好適で
ある。これによって入力信号のすべての周波数成分がサ
ンプリング信号発振器周波数の櫛の歯から±IF帯域幅
の範囲に入り、IFに変換(すなわち混合)される。
【0018】次に、サンプリング式信号アナライザは、
このサンプラーを用いて測定データの第1のセットを獲
得し、サンプルデータをアナログ/デジタル変換器を用
いてデジタル化する。サンプルデータの第1のセットに
は高速フーリエ変換(FFT)の形態のデジタル信号処
理を行うのが好適であり、その結果得られる信号応答の
スペクトルの位置と振幅がメモリに記憶される。
【0019】次に、サンプリング信号発振器周波数が別
の周波数(これもIF帯域幅の二倍より低い)に設定さ
れ、測定データの第2のセットが獲得される。その後、
このサンプルデータの第2のセットはFFTによって処
理され、信号応答がメモリに記憶される。
【0020】たとえば、サンプリング信号発振器周波数
が1kHz移動し、その結果IF応答が300kHz移
動する場合、信号応答は最終的にサンプリング信号発振
器周波数の300番目の高調波から混合されているもの
と判定される。IF応答の移動方向に基づいて入力信号
の周波数が300番目の櫛の歯のどちら側に位置するか
が判定される。
【0021】これで入力信号の周波数(調波数×サンプ
リング信号発振器周波数±IF周波数)がわかる。多数
の入力信号、あるいは多数の調波がある、あるいは入力
信号の変調がある場合、信号応答のすべての相関がとれ
ているかどうかを判定するにはより多くのサンプルデー
タのセットおよびFFT処理が必要となる。
【0022】サンプリング式信号アナライザは次に入力
信号の基本周波数とオペレータの選択した表示時間範囲
とに基づいてサンプリング周波数を選択する。サンプリ
ング式信号アナライザは、次に、入力信号を構成し、、
したがって入力信号の波形を再構成し表示することので
きる基本周波数と高調波とを実際に測定するのに用いら
れるサンプリング信号発振器周波数を発生する。すなわ
ち、サンプラーは、可変周波数サンプリング信号発振器
によって生成された信号によって駆動される。
【0023】サンプリング信号発振器周波数は、入力信
号の基本周波数成分と調波周波数成分とがそれよりはる
かに低いIF周波数の基本周波数成分と調波周波数成分
とに変換されるように選択される。より高い周波数スペ
クトルは、実際には特定の入力信号周波数のIFスペク
トルに圧縮される。
【0024】このとき、IF帯域幅は、変換された基本
周波数成分と調波周波数成分とを保持し、いかなるサン
プリング信号発振器高調波からも大きく外れた信号応答
を拒絶するように狭められる。この効価は、“櫛形帯域
通過”と呼ばれる。これはIF通過帯域がサンプリング
信号発振器高調波周波数のそれぞれにおいて有効に複製
されるためである。これらの有効帯域通過要素の間に来
る信号は、IFによって拒絶され、したがってデジタル
化されず、表示されることはない。櫛形帯域通過の使用
は、信号対雑音比を改善し望ましくない汚染信号を除去
する非常に有効な技術である。
【0025】つまり、サンプリング式信号アナライザ
は、まず、どのような入力信号が存在するかを確認す
る。サンプリンク式信号アナライザは、これを自動的に
行うが、オペレータがたとえば既知の基本入力信号周波
数の高調波を測定するために、測定したい入力信号の周
波数を入力するようにもできる。サンプリング式信号ア
ナライザは次に入力信号周波数のうちの一つを選択し、
オペレータはその周波数とその高調波の周囲に櫛形帯域
通過を構成するよう指令をすることができる。以上のこ
とが起こると、入力信号の帯域幅全体、たとえば直流か
ら40GHzがIFの帯域幅に正確に圧縮される。最後
に、櫛形帯域通過の出力が好適に表示される。表示され
る波形のサイクル数がオペレータによって好適に選択可
能であり、時間軸が自動的に再スケーリングされて入力
信号周波数の変化にかかわらず、選択された数のサイク
ルが表示される。
【0026】したがって、サンプリング式信号アナライ
ザは、入力信号測定のための校正された時間軸を有する
安定した、再構成された波形を生成する。サンプリング
式信号アナライザは、従来の逐次サンプリングデジタイ
ジングオシロスコープよりもはるかにすぐれた感度を有
する周波数選択装置である。サンプリング式信号アナラ
イザは、小さく高周波数の入力信号を測定するばかりで
なく、従来のトリガリングを必要とせずに測定を行う。
サンプラーは、合成サンプリング信号発振器によって駆
動され、この合成サンプリング信号発振器の周波数は、
入力周波数とサンプリング式信号アナライザの所望の時
間スケール設定によって定まる。IF信号あるいは入力
信号の確認された基本周波数の所望に位相に基づいて動
作するトリガー回路は、単に掃引間での測定データの整
列のために用いられ、基本的な測定データの獲得には不
要である。
【0027】サンプリング式信号アナライザは、パルス
化された、あるいは他の変調信号によって刺激された高
周波装置の応答の測定を可能とする。本発明によるパル
スプロファイリング法は、適当な測定を行うことができ
るように、サンプリング式信号アナライザの回復可能な
変調帯域幅を高周波入力帯域幅と同じ大きさとすること
を可能とする。
【0028】このサンプリング式信号アナライザは、マ
イクロ波アナログ波形の観察を可能とすることに加え
て、ガリウム砒素(GaAs)集積回路や他の高速ロジ
ック類の設計、試験に対して理想的なものである。これ
は従来の逐次サンプリングデジタイジングオシロスコー
プより製作コストが低い。なぜなら、測定される入力信
号のレベルに直接応答するトリガー回路を必要としない
ためである。
【0029】
【実施例】本発明の一実施例は、マイクロ波サンプリン
グ式信号アナライザを提供する。このサンプリング式信
号アナライザは、カリフォルニア州、Rohnert
ParkのHewlett−Packard Comp
anyのSignal Analysis Divis
ionから入手可能なHP70000モジュラー測定シ
ステムに内蔵してこれから説明するマイクロ波遷移アナ
ライザシステムを構成するのが好適である。
【0030】本発明の一実施例によるサンプリング式信
号アナライザを内蔵するマイクロ波遷移アナライザシス
テムのブロック図を図4の符号9に示す。マイクロ波遷
移アナライザシステム9は、本発明にしたがって設けた
符号10に示すサンプリング式信号アナライザとメイン
フレーム/表示回路11からなる。
【0031】図4に示すように、サンプリング式信号ア
ナライザ10は入力ポート12に接続され、サンプラー
14、好適にはサンプラー駆動用の狭帯域位相ロックル
ープを有する分数N合成ソースである可変周波数サンプ
リング信号オシレータ(SSO)16、サンプラーによ
って生成されたIF信号に応答する可変帯域幅(通常低
域通過)IFスケーリングおよびフィルタリング回路1
8、IF信号をSSOの生成する信号と同期させてデジ
タル化するためのアナログ/デジタル変換器(ADC)
20、このデジタル化されたIF信号に応答するデジタ
ル信号処理(DSP)回路22および制御回路24から
なる。入力信号はSSO16によって駆動されるサンプ
ラー14の入力ポート12で受け取られ、IFスケーリ
ングおよびフィルタリング回路18を介してADC20
に送られる。デジタル化された信号は制御回路24によ
って、DSP回路22からメインフレーム/表示回路1
1に供給され、その後入力信号波形の複製が表示される
ように表示画面に送られるのが好適である。
【0032】図5Aおよび図5Bに示すように、サンプ
リング式信号アナライザ10は少なくとも一つのチャン
ネルを持つことができ、たとえばチャンネル1(CH
1)およびチャンネル2(CH2)といった複数のチャ
ンネルを有するのが好適である。各チャンネルは同じ構
成要素からなり、同じ動作をすることができるのが好適
であるから、一つのチャンネルすなわちチャンネル1だ
けを詳細に説明する。対応する構成要素はチャンネル1
中では“A”を付け、チャンネル2中では“B”を付け
る。
【0033】図5Aにおいて、測定すべき入力信号がサ
ンプリング式信号アナライザ10の入力ポートに供給さ
れる。たとえば、測定すべき入力信号が直流から40G
Hzの範囲の周波数の未知あるいは既知の基本周波数お
よび調波を有する場合がある。入力信号は、たとえば、
未知の伝搬電気信号、あるいは、未知の周波数を有する
印加電気的刺激に応じて被試験装置(DUT)によって
生成される信号であることができる。
【0034】入力ポート12Aはサンプラー14Aの第
1の入力14A1 に接続されている。サンプラー14A
はまた、サンプリング信号発振器(SSO)16(図5
E)の出力16A1 に接続された第2の入力14A2
備え、このサンプリング信号発振器(SSO)16はサ
ンプリング信号を生成し、サンプリング信号はチャンネ
ル1のサンプラー14Aに供給されるだけでなく、図5
Bに示すようにチャンネル2のサンプラー14Bにも供
給するのが好適である。
【0035】サンプラー14Aは入力ポート12Aに現
れる入力信号をサンプリングするための連続動作するア
ナログ回路である。以下により詳細に説明するように、
サンプリングはSSO16に付随する基準発振器の動作
に同期している。サンプラー14Aは入力ポート12A
に現れる入力信号のアナログサンプルをSSO16の発
生する信号の周波数で生成し、これらのサンプルが中間
周波数(IF)信号を構成する。このIF信号はサンプ
ラー14Aの出力14A3 に現れる。
【0036】SSO信号はSSO16によって生成され
る。SSO16はサンプラー14Aを駆動する。位相雑
音は未知の入力信号周波数の判定に影響を与える。した
がって、SSO16は以下により詳細に説明するよう
に、サンプラー14Aの駆動に用いられる低い位相雑音
を有する狭帯域分数N位相ロックループから構成するの
が好適である。
【0037】SSO16は可変周波数信号を発生するよ
うに構成され、この可変周波数信号はサンプラー14A
に送られて入力ポート12Aに現れる入力信号をサンプ
リングするための選択された周波数を設定する。すなわ
ち、SSO信号周波数は、後述するように任意のあらゆ
る入力信号周波数をこのサンプリング処理によって測定
しやすいIF信号に変換しうるように1オクターブの範
囲で可変である。SSO信号はまたアナログ/デジタル
変換器(ADC)20A(図5G)にも送られ、アナロ
グ/デジタル変換が入力ポート12Aに現れる入力信号
のサンプリングに確実に同期されるようにする。
【0038】図5Dに示すように、SSO16は補助出
力16A2 を有することが好適であり、この補助出力1
6A2 は、出力が入力ポート12Aに刺激/応答のセッ
トアップ態様で接続されたDUTを刺激するための(図
示しない)パルス変調器を直接駆動するか、あるいはD
UTを刺激するのに用いられる(図示しない)パルス発
生器のトリガー信号としてはたらくかする同期変調ソー
スを提供する。パルス変調器あるいは発生器は後述する
パルスプロファイリング法に関連する刺激を提供するこ
とができる。
【0039】サンプラー14Aの出力14A3 は中間周
波数(IF)スケーリングおよびフィルタリング回路1
8A(図5F)の入力18A1 に接続されるのが好適で
ある。IFスケーリングおよびフィルタリング回路18
Aは入力ポート12Aに現れる入力信号をサンプリング
するサンプラー14Aによって生成されるアナログサン
プルからなるIF信号を増幅およびフィルタリングす
る。IFスケーリングおよびフィルタリング回路18A
はアナログ/デジタル変換のための所望の信号レベルを
提供し、サンプラー14Aによって生成されるIF信号
中のスプリアス周波数成分(エイリアス)を制限する。
アナログサンプルからなるスケーリングされ、フィルタ
リングされたIF信号がIFスケーリングおよびフィル
タリング回路18Aの出力18A2 に供給される。
【0040】IFスケーリングおよびフィルタリング回
路18Aの出力18A2 はADC20A(図5G)の入
力20A1 に接続される。サンプリング回路14Aによ
って生成されるアナログサンプルからなるIF信号はA
DC20Aによるアナログ/デジタル変換用にIFスケ
ーリングおよびフィルタリング回路18Aによって適当
にスケーリングされる。
【0041】ADC20AはIF信号をデジタル信号に
変換する。上述したように、SSO信号はADC20A
に送られて、アナログ/デジタル変換を入力ポート12
Aに現れる入力信号のサンプリングに確実に同期させ
る。アナログ/テジタル変換は次により詳細に説明する
ようにSSO16に付随する基準発振器の動作に同期さ
れる。ADC20Aは入力ポート12Aに現れる入力信
号のアナログサンプルからなるIF信号をデジタル化す
るための連続動作するアナログ/デジタル変換回路であ
る。ADC20AはSSO信号の周波数に対応する速度
で入力ポート12Aに現れる入力信号のデジタルサンプ
ルを生成する。これらのデジタル化された値はADC2
0Aの出力20A2 でアクセスすることができる。
【0042】図5Gに示すように、ADC20Aの出力
20A2 はデジタル信号処理(DSP)回路22Aの入
力22A1 に接続されている。DSP回路22Aはデジ
タル化されたIF信号を処理して入力ポート12Aに現
れる入力信号の振幅、位相もしくは周波数特性を判定す
る。DSP回路22Aはまたさらにデジタル化されたI
F信号にトレース計算を行いその結果得られた測定デー
タを制御回路24(図5H)に送出することができる。
【0043】図5Gおよび図5Hに示すように、DSP
回路22Aはバスによって制御回路24に接続され、制
御回路24はまたサンプリング式信号アナライザ10の
フロントパネルの制御スイッチ類に接続されている。こ
れによってマイクロ波遷移アナライザシステム9の動作
の開始が可能となり、また測定データの外部周辺装置へ
の出力もしくはオペレータの制御のもとに行う表示のた
めのメインフレーム/表示回路11への送出が可能とな
る。
【0044】さらに詳しく見ていくと、図5Aに示すよ
うに、サンプラー14Aはたとえばここにその開示内容
を参照した米国特許4,636,717号に説明するカ
リフォルニア州Santa RosaのHewlett
−Packard Company,Network
Measurements Divisionの製造す
るHP8510ベクトルネットワークアナライザシステ
ムに組み込まれているサンプラーの改造版のようなサン
プリング回路141Aで構成するのが好適である。HP
8510ベクトルネットワークアナライザサンプラー1
Fは帯域通過構造である。図5に示すサンプリング式信
号アナライザ10に対して、このサンプラーIFは低域
通過構成であり、その上の帯域幅はIFスケーリングお
よびフィルタリング回路18A(図5F)によって設定
される。低減されたIF帯域幅はIFスケーリングおよ
びフィルタリング回路18Aに加えてあるいはその代わ
りに周波数領域修正あるいはDSP回路22Aによる獲
得時間領域データのデジタル信号処理(図5G)によっ
て補償することができる。
【0045】入力ポート12Aに現れる測定すべき入力
信号は、サンプリング回路141Aの一つの入力141
1 に供給され、SSO16によって生成されたSSO
信号はこのサンプリング回路の他の入力141A2 に供
給される。サンプラー14Aは、サンプリング回路14
1Aの入力141A2 とSSO16(図5E)の間に接
続されたマイクロ波サンプラードライバ142、および
図5Bに示す追加のパルス先鋭化回路からなり、これら
はサンプリング回路を駆動するためのSSO信号に応答
する。
【0046】サンプラー駆動周波数fS は例えば10M
Hzから20MHzの間で変化する。サンプラーバイア
ス電圧(プラス/マイナス対称)はfs に応じて調整さ
れる。図5Aに示すように、この出力はバッファ増幅器
段を駆動する。直流から約3Hzの情報が第3のサンプ
ラー出力で検出され、合計されてIFフィルターの前の
応答に戻る。
【0047】さらに詳しく述べれば、サンプリング回路
141Aは出力141A3 と141A4 に差分信号を発
生する。この差分出力信号はデジタル/アナログ変換器
(DAC)143Aによって生成される信号によって選
択的にバイアスすることができるのが好適である。この
差分出力信号は次に結合コンデンサ144Aと145A
に送られる。結合コンデンサ144Aと145Aはサン
プリング回路141Aによって生成される差分出力信号
中の直流成分を除去する。
【0048】さらに説明すれば、サンプリング回路のコ
ンデンサは個々のサンプラー駆動パルスによって完全に
充電あるいは放電することはできない。その充電効率は
低い。これはそれ自体がサンプラーIF周波数応答にお
いて極をなすことを示し、サンプリング回路の出力電圧
はこの極以上のIF周波数において−6dB/オクター
ブでだけ落ちる。この極の位置はサンプリング速度が低
下するにつれて低下する。好適にはこの結果はプログラ
ム可能なゼロで打ち消される。必要とするゲイン帯域幅
が大きいため、これは二段階で補償するのが好適であ
る。第1段階は1MHzで落ちるプログラム可能なゼロ
であり、第2段階は1MHzから10MHzの固定ゼロ
である。
【0049】より詳細には、結合コンデンサ144Aと
145Aはサンプラー信号を平坦化するように構成され
た周波数応答整形増幅器146Aの入力146A1 に結
合されている。すなわち、整形増幅器146Aはサンプ
ラーIF周波数応答の極においてゼロを有する。整形増
幅器146Aは直列接続の固定周波数整形増幅器147
A、低域通過フィルター148A、およびプログラム可
能な周波数整形増幅器149Aからなる。サンプリング
回路141AのIF周波数応答中の極を打ち消すゼロは
サンプリング回路の極がずれるとき調整できることが好
適である。
【0050】図5Aに示すように、結合コンデンサ14
4Aと145Aとサンプリング増幅器146Aの間に高
インピーダンス総和器151Aを介装することが好適で
ある。より詳細には、結合コンデンサ144Aと145
Aは総和器151Aの入力151A1 に接続されてい
る。総和器151Aの一つの出力151A2 は整形増幅
器146Aの入力146A1 に接続されている。
【0051】入力ポート12Aに現れる測定すべき入力
信号の直流レベルは、サンプリング回路141Aの追加
出力141A5 から負帰還直流総和器152Aから総和
器151Aの入力151A1 に供給されて測定すべき入
力信号の直流成分をサンプリング回路141Aによって
生成されるIF信号に再注入する。
【0052】またフィードフォワードDAC154Aと
反転増幅器155Aからなる信号補正回路153Aがサ
ンプリング回路141Aの追加出力141A5 と総和器
151Aの入力151A1 の間に接続されている。フィ
ードフォワードDAC154Aはプログラム可能なゲイ
ンを提供する。補正回路153Aはサンプリング回路中
の漏れによってサンプリング時間の間に発生するサンプ
リング回路141Aの出力141A3 と141A4 に現
れる信号に対応する測定すべき信号の周波数成分を打ち
消すはたらきをする。
【0053】より詳細には、入力信号全体がサンプリン
グ処理を受けなければならない。しかし、サンプリング
回路のダイオードの小さな寄生容量が入力信号の一部が
IFに直接送られることを可能とする容量性分割器を形
成する。IFフィルターのカットオフ周波数以上の周波
数について、漏れ信号が除かれる。しかし、IF帯域幅
に入っている周波数については漏れ信号は望ましくない
応答である。この望ましくない信号を除去するために、
同様の信号がサンプリング回路141Aの追加出力14
1A5 から抽出され、補正回路153Aによって180
度位相ずれするよう反転され、次に合計されてこの望ま
しくない応答が打ち消される。
【0054】図5C、図5Dおよび図5Eに示すよう
に、サンプリング信号発振器(SSO)16はチャンネ
ル1とチャンネル2の両方のサンプリング信号を生成す
る。SSO16は変更された狭帯域分数N合成ソース1
61(図5C)からなる。分数N合成ソース161は基
準発振器162に接続された入力161A1 からなる。
例えば、基準発振器162は10kHz基準発振器とす
ることができる。基準発振器162はサンプリング式信
号アナライザの内部基準発振器とすることができる。あ
るいは外部基準発振器とすることもできる。
【0055】図5に示す回路構成において、基準発振器
162によって生成された信号は125kHz分数N基
準周波数信号を生成する80分周カウンター回路163
(図5D)に供給される。分数N基準周波数信号は分数
N合成ソース161を基準発振器162に位相ロックす
る第1の位相ロックループ164に送られる。より詳細
には、分数N基準周波数信号は位相/周波数検出器16
5の入力の一つに供給され、この位相/周波数検出器1
65の他の入力はN分周カウンター回路166に接続さ
れている。N分周カウンター回路166は値Nを設定す
るための分数N制御回路167によって制御される。
【0056】分数N合成ソース161によつて生成され
る信号に応じて、分数N制御回路167は積分回路16
8の合計入力において位相/周波数検出器信号と結合さ
れるバイアス電流と累積位相電流(API)を生成し、
積分回路によって生成された電圧はサンプル/ホールド
回路169によってサンプリングされ、ホールドされて
分数N合成ソースの出力中のスプリアス出力が除去され
る。
【0057】積分回路169によって生成された信号は
同調電圧増幅器170を駆動し、同調電圧増幅器170
を駆動し、同調電圧増幅器170はフィルター回路17
1(図5E)を介して高周波電圧制御発振器(VCO)
172の同調電圧入力に接続される。たとえば、VCO
172は420MHzから440MHzの周波数範囲で
動作することができる。VCO172の出力はN分周カ
ウンター回路173に接続されてSSO信号を提供す
る。たとえば、NはSSO16の周波数が10MHzか
ら20MHzの範囲になるように22から42に設定す
ることができる。
【0058】分数N合成ソース161はまた390MH
z発振器をロックするために従来の位相ロックループで
基準発振器162に接続された390MHz発振器17
4(図5D)で構成するのが好適である。VCO172
の出力(図5E)はミキサー175(図5D)の入力の
一つに接続され、ミキサー175の他の入力は390M
Hz発振器174の出力に接続されている。ミキサー1
75の出力は混合イメージを除去する低域通過フィルタ
ー176を介して分数N合成ソース161(図5C)に
接続されている。これによってSSO16は精密な周波
数分解能を持つことができ、またVCO172等の高周
波発振器を用いることによって、また、たとえばN分周
カウンター回路173を用いてこの周波数をより低い周
波数に分周することによって、SSO16の位相雑音が
低減される。また、選択可能なフィルター177(図5
E)をN分周カウンター173とSSOの出力16A1
の間でSSO16に組み込んで50%のデューティサイ
クルを提供し分周器の位相雑音を低減することが好適で
ある。
【0059】分数N合成ソースのプリント回路基板は、
Hewlett−PackardCompany、Si
gnal Analysis Divisionから入
手可能なHP70900局部発振器のプリント回路基板
と同様であることが好適である。これはサンプラー駆動
周波数を10MHzから20MHzの間でミリヘルツ分
解能に設定する。分数N合成ソース161は以下により
詳しく説明するように、プロセッサプリント回路基板上
の制御回路24(図5H)によって制御および設定され
る。SSO16プリント回路基板(70820−600
25)は分数N合成ソース基板とともに用いて適当な分
解能を有する適正なサンプラー駆動周波数を発生する完
全な位相ロックループ回路を形成する。
【0060】図5Fに示すように、IFスケーリングお
よびフィルタリング回路18Aは直流オフセットDAC
180A、減衰器181A、および可変ステップ利得増
幅器182Aからなる。さらに、IFスケーリングおよ
びフィルタリング回路18Aはエイリアス除去とサンプ
ラー14Aのフィードスルー除去のための低域通過フィ
ルター183Aと184Aからなる。IFスケーリング
およびフィルタリング回路18Aは別のIF低域通過フ
ィルター185Aと別のステップ利得増幅器を有する。
またIFスケーリングおよびフィルタリング回路18A
は好適にはステップ利得増幅器と結合され、追加の低域
通過フィルター186Aから構成することもでき、これ
はオシロスコープ型測定のようなさまざまな測定アプリ
ケーションにおいて雑音を低減するためにIFスケーリ
ングおよびフィルタリング回路に選択的に切り換えるこ
とができる。
【0061】より詳細には、フィルターの設計はfs
2に固定されており、次の櫛の歯からの応答を完全に除
去するのに十分な逃げ(fs 離れている)を有する。I
Fスケーリングおよびフィルタリング回路18Aは16
MHz、10MHz、7MHz、および100kHzの
低域通過フィルターを有する。100kHzの低域通過
フィルター186Aはある種の測定では雑音の低減に用
いられる。100kHzのIF帯域幅を20MHzのサ
ンプラー駆動とともに用いると、信号対雑音比は約29
dB向上する。この感度を得るために、24dBの追加
のプログム可能なステップ利得がIFに組み込まれる。
【0062】サンプリング式信号アナライザ10のダイ
ナミックレンジはIFスケーリングおよびフィルタリン
グ回路18Aに追従する10ビットADC20Aによっ
て制限される。可変ステップ利得を設けることによって
入力信号のより広い振幅範囲を測定することができる。
10MHzの通路は一つの0−6dB減衰器と三つの0
−12dB利得段を有する。100MHzの通路は0−
24dBの追加利得を有する。
【0063】図5Gに示すように、ADC20Aは従来
のサンプル/ホールド回路201Aからなる。ADC2
0Aの入力20A3 はSSO16(図5E)の出力16
1 に接続されてSSO信号がサンプル/ホールド回路
201Aに供給されるようになっており、サンプル/ホ
ールド回路201AはSSO信号に応答してSSO信号
の周波数でサンプラー14Aによって行われるサンプリ
ングに同期してサンプリングを行う。サンプル/ホール
ド回路201Aに含まれるコンデンサに記憶されるアナ
ログ信号は、従来のアナログ/デジタル変換(ADC)
回路202Aによって10ビットのデジタル値に変換さ
れ、この10ビットのデジタル値は直列/並列インター
フェース203Aを介して測定データランダムアクセス
メモリ(RAM)204Aに書き込まれる。
【0064】ADC20Aプリント回路基板(7082
0−60039)とADC20Bプリント回路基板(7
0820−60040)は、Hewlett−Pack
ard Company、Signal Analys
is Divisionから入手可能なHP70700
デジタイザに組み込まれたアナログ/デジタル変換器の
プリント回路基板(70700−60003)と同様で
ある。HP70700デジタイザの変換器基板とサンプ
リング式信号アナライザ10内のADC20Aおよび2
0Bの基板との主たる相違点は各変換器基板にはMot
orola DSP 56001デジタル信号処理チッ
プとDSP RAM(32k×24)が追加されている
点である。
【0065】ADC回路201Aのサンプリング周波数
は、SSO16プリント回路基板(70820−600
25)によって生成されるADCクロックによって制御
される。ADC20Aのクロック周波数はサンプラーの
駆動周波数に等しい。重要なことはサンプラー14Aと
ADC20Aは同じ周波数でクロックされ、したがって
入力ポート12Aに現れるサンプリングされる入力信号
の位相は、回路の時間遅延やその他の回路上の制約を補
償する校正とデジタル信号処理によって取り出すことが
できる。
【0066】測定データRAM204Aのアドレス指定
と読みだし/書き込み制御は、そのメモリアクセス速度
をN分周カウンター回路206によって制御することの
できる読みだし/書き込みアドレス制御回路205(図
5H)によって提供される。これによってデジタル化さ
れたサンプルの分解が可能となり、したがってデジタル
値がSS0信号の周期に等しいあるいはそれより長い周
期的時間間隔で測定データRAM204Aに記憶され
る。アドレスプリント回路基板(70700−6003
7)はADC回路202Aからのデジテルデータの収集
を制御するのに用いられる。
【0067】サンプリング式信号アナライザ10は波形
を電圧対時間トレースとして複製するために用いられる
ことができるため、トリガリングは重要である。しか
し、サンプリング式信号アナライザ10は入力信号のレ
ベルに直接応答する従来のトリガー回路を必要とせず、
入力ポート12Aに現れる入力信号を測定する。
【0068】かわりに、ADC20AはIF信号のレベ
ルに応答して測定データ掃引間で適切に整列されるよう
にRAM204Aへの測定データの記憶を開始するトリ
ガー回路207Aからなる。したがって、このトリガー
は入力ポート12Aに現れる入力信号のサンプリングを
制御しない。これはこの処理は入力信号が連続的にサン
プリングされるよう連続的に行われる。トリガーされる
ものはサンプルデータが測定データRAM204Aに記
憶される順次の時間であり、これはSSO信号の周期と
同じであるかあるいはそれより長い時間とすることがで
きる。トリガーレベルは好適に調整することができる。
図5に示す実施例において、トリガー回路207Aはこ
のトリガーレベルのあるいはそれより上のIF信号レベ
ルを検出する。重要なことは、トリガー回路207Aの
動作は周知の直接的にトリガーされるデータサンプリン
グ信号測定機器に比べ、周波数と振幅に対する依存性が
低い。これはトリガー回路はSSO信号周波数あるいは
それより低い周波数で動作すればよく、典型的な場合で
はそれよりはるかに高いたとえば3桁(4,000倍)
も高い、測定すべき入力信号の基本周波数あるいは調波
で動作する必要はないためである。また−60dBmと
いった低い入力信号レベルを得ることができるが、トリ
ガー回路207Aは−20dBmまで動作すればよく、
これは周知の直接トリガーされるデータサンプリング信
号測定機器より2桁高く、その能力に対する大幅な改善
である。
【0069】図5Gに示すように、DSP22Aはバス
によって測定データRAM204Aに接続されたDSP
マイクロプロセッサ221Aからなる。DSPマイクロ
プロセッサ221Aは別のバスによって局所データ記憶
に用いられるDSP RAM222Aに接続される。命
令が制御回路24(図5H)からDSPマイクロプロセ
ッサ221Aの内部のプログラムRAMにダウンロード
される。ファームウエアルーチンがDSPマイクロプロ
セッサ221Aによって実行され、RAM204AとD
SP RAM222Aに記憶された測定データが操作さ
れる。
【0070】図5Hに示すように、制御回路24はバス
によってDSPマイクロプロセッサ221A(図5G)
に接続された主マイクロプロセッサ241からなる。主
マイクロプセッサ241は、測定データをメインフレー
ム/表示回路11に送出し、またCRT表示に送る、あ
るいはHP−IB接続(IEEE−488インターフェ
ースのHewlett−Packard Compan
yによる実施態様)を介して利用可能な周辺装置のアレ
ーのいずれかへオフロードすることができるようにDS
Pマイクロプロセッサ221Aに接続される。
【0071】プロセッサのプリント回路基板(7082
0−60026)もまた主システムコントローラであ
る。これは512k×16のROMと256k×16の
スタティツクRAMを有するMotorola6800
0中央処理装置(CPU)を含む。プロセッサ基板はサ
ンプリング式信号アナライザ10とメインフレーム/表
示回路11の間のHP−IB通信を制御する。また、プ
ロセッサ基板は測定の開始と制御パネル28を用いたオ
ペレータによって入力された制御情報のダウンローディ
ングに用いられるHP−MSIBバス上のサンプリング
式信号アナライザ10とメインフレーム/表示回路11
の間のHP−MSIB通信(米国特許第4,768,1
45号参照)を制御する。
【0072】プロセッサ基板は32k×16のバッテリ
ーバックアップRAMおよび16k×8のEPROMを
含む。プロセッサ基板はまた時刻を提供する実時間クロ
ックチップを制御する。プロセッサ基板はプロセッサ基
板によって制御される三線シリアルインターフェースバ
ス上で他のプリント回路基板と通信する。汎用インター
フェースアダプター(VIA)が分数N合成ソース16
1(図5C)とプロセッサ基板の間の通信に用いられ
る。
【0073】メインフレーム/表示回路11は入力ポー
ト12Aに現れる入力信号に対する各種の測定を選択
し、またサンプリング式信号アナライザ10の動作のた
めの各種の制御信号を指定するためのフロントパネル上
のスイッチ類からなる制御パネル28とインターフェー
スする。メインフレーム/表示回路11は制御回路24
とインターフェースしてこの制御情報をサンプリング式
信号アナライザ10に送出する。この制御情報はサンプ
リング式信号アナライザ10の制御用に主マイクロプロ
セッサ241に送られる。メインフレーム/表示回路1
1としては、Hewlett−Packard Com
pany Signal Analysis Divi
sionから入手可能なHP70004Aメインフレー
ム/表示装置が好適である。
【0074】動作中、サンプリング式信号アナライザ1
0に対してオペレータは制御パネル28を用いて入力ポ
ート12Aに現れる未知の入力信号を識別するように指
令することができる。たとえば、サンプリング式信号ア
ナライザ10は入力ポート12Aにおける直流から40
GHzの範囲のランダムな周波数の入力信号を受けるこ
とがある。するとサンプリング式信号アナライザ10は
入力ポート12Aに現れるこの未知の入力信号の基本周
波数を識別する。未知の入力信号の正確な基本周波数を
判定することは、このサンプリング式信号アナライザ1
0の動作能力の重要な一側面であり、これについては以
下により詳細に説明する。
【0075】また、オペレータは制御パネル28上のキ
ーボードの数字キーを用いて周波数を入力することがで
き、サンプリング式信号アナライザ10は、これを入力
ポート12Aに現れる入力信号の基本周波数とみなす。
たとえば、オペレータは、その出力が入力ポート12A
に刺激/応答セットアップ態様で接続されたDUTの入
力に印加される既知の入力信号の基本周波数を入力する
ことができる。
【0076】サンプリング式信号アナライザ10は入力
ポート124Aに現れる未知の入力信号を識別する要求
を受けると、異なるサンプリング周波数でいくつかの時
間記録を獲得し、この時間データを処理し、基本周波数
を判定する。このとき、あるいは入力信号の基本周波数
がすでにオペレータによって入力済みであるとき、サン
プリング式信号アナライザ10は測定すべき入力信号
を、入力信号の波形を構成された時間軸に関して再構成
することを可能とするような方法で周波数変換するサン
プリング周波数を選択する。
【0077】すなわち、主マイクロプロセッサ241は
SSO16のN分周カウンター173をあらかじめ設定
することによって10MHzから20MHzの範囲のサ
ンプリング周波数を選択する。サンプリング回路141
Aは次に入力ポート12Aに現れる入力信号をサンプリ
ングし、この入力信号をIF信号に周波数変換する。入
力信号の基本周波数成分および調波周波数成分は直流か
ら10MHzのIF帯域幅を有するIF信号スペクトル
に周波数圧縮され、これらの周波数成分は入力信号の波
形が完全に複製されるように適切なスペクトルシーケン
スに並べられ、それによって信号の直接測定が可能とな
る。
【0078】帯域幅制限されたIF信号は十分なステッ
プ利得で増幅され、ADC20Aに適当なIF信号レベ
ルを提供する。ある実施例では、サンプリング式信号ア
ナライザ10のトリガリングはこのIF信号に基づき、
測定データがある掃引から次の掃引への校正された時間
軸に対して整列するように測定データをRAM204A
中に記憶するのに用いられる。また、トリガリングは入
力信号の基本周波数の所望の位相を基準として行うこと
もできる。オペレータとトリガリングと測定データの記
憶の間の遅延を調整し、それによって可変量の負時間を
選択することができる。
【0079】DSPマイクロプロセッサ221Aのファ
ームウエアを採用するデジタル信号処理はさらに、サン
プラーのロールオフや周波数の相関的要素としてのIF
振幅および位相の変動、またサンプル/ホールド回路2
01Aの行うサンプリングによって発生するエイリアス
等の回路上の制約を補償することができる。すなわち、
IF通路はファームウエアによってさらに修正されてフ
ラットな信号応答(直流から10MHz)を提供するこ
とが好適である。IF帯域幅を小さくすることによって
より良い選択性が得られる。これは別途のアナログフィ
ルタリングによって、あるいはADC20Aの生成した
測定データをデジタルフィルタリングすることによって
達成することができる。これらは等価であるが、ADC
20Aが制約要素としてはたらくことを防止するにはあ
る種のアナログフィルタリングが必要なことがある。
【0080】データを表示用にフォーマット化する前
に、DSP回路22Aによって測定データにデジタルフ
ィルタリング、平均化、復調、もしくは平滑化を行うこ
とができる。最後に、DSP回路22Aおよび制御回路
24が入力信号の波形をオペレータが制御パネル28の
数字キーを用いて前に入力した時間範囲にわたって表示
させる。入力信号が幾分不安定である場合、サンプリン
グ式信号アナライザ10はその不安定をCRT表示画面
26上に拡大して見せる。たとえば、IF周波数が1M
Hz、入力ポート12Aに現れる入力信号が100kH
zドリフトする20GHz信号であると仮定する。実際
の入力信号は100kHz/20GHzあるいは1/2
00,000だけドリフトしている。サンプリング式信
号アナライザ10に対しては、入力信号が100kHz
動くと入力信号は合成調波に100kHzだけ近づき、
IF周波数は100kHz/1MHzあるいは1/10
だけ働く。したがって、表示される波形の分割当たり時
間誤差は0.0005%の実際のドリフトに対して10
%である。しかし、周波数ドリフトは追跡することがで
き、少なくとも部分的にはデジタル信号処理で補償する
ことができる。
【0081】入力信号の測定データを得るために用いら
れるサンプリング式信号アナライザ10の動作を詳細に
説明する。サンプリング式信号アナライザ10はさまざ
まな動作モードを提供する。動作モードには“時間掃引
モード”、“周波数掃引モード”および“電力掃引モー
ド”が含まれる。
【0082】オペレータは好適にはメインフレーム/表
示回路11の制御パネル28のソフトキーによって提供
される一連のキーストロークによって時間掃引モードを
呼び出すことができる。たとえばオペレータは“SWE
EP”および“TIME”のラベルの付いた表示された
ソフトキーを順次押すことによって時間掃引モードを呼
び出すことができる。時間掃引モードでは、サンプリン
グ式信号アナライザ10の行うことのできる動作が二つ
ある。これらの動作は入力信号の基本周波数がわかって
いるかどうかによる。
【0083】一方、入力ポート12Aに現れる入力信号
の基本周波数がわかっている場合、たとえば入力信号
が、その出力が入力ポート12Aに接続されたDUTの
入力に印加される場合、オペレータは制御パネル28上
に表示される“SIGNALFREQUENCY”のラ
ベルの付いたソフトキーを押し、続けて制御パネルの数
字キーを用いて基本周波数の値を入力し、また入力信号
の波形の表示を行う時間範囲を入力する。サンプリング
式信号アナライザ10は次に入力信号の波形をオペレー
タが入力した時間範囲に表示させる動作を実行する。
【0084】一方、入力信号の基本周波数がわかってい
ない場合、サンプリング式信号アナライザ10はこの入
力信号の基本周波数を識別する必要がある。この識別手
順はオペレータ制御パネル28上に表示された“FIN
D SIGNAL”ソフトキーを押し、制御パネル上の
数字キーを用いて入力信号の波形の表示を行う時間範囲
を入力することによって開始される。“FIND SI
GNAL”ソフトキーが押し下げられるのに応じて、サ
ンプリング式信号アナライザ10は入力ポート12Aに
現れる入力信号の周波数成分を判定する。これはIF帯
域幅を設定できる最多の幅に設定し、次にSSO16の
周波数をこの帯域幅の二倍より小さい周波数に設定する
ことによって達成される。これによっていかなる入力信
号周波数もSSO信号の櫛の歯からプラスマイナスIF
帯式幅の範囲内にありIFに混合することが確実とな
る。
【0085】次に、サンプリング式信号アナライザ10
はADC20Aで第1の時間記録を獲得する。この第1
の時間記録は高速フーリエ変換(FFT)によって処理
され、信号応答の位置と振幅が記憶される。FFTの処
理利得は40GHzの雑音を多数のFFT出力に均一に
分散し、一方で信号の振幅は一定のままであるという利
点がある。これによって信号対雑音比(感度)が向上す
る。次にSSO16は他の周波数(これもIF帯域幅の
2倍より小さい)に設定され、第2の時間記録が獲得さ
れる。この第2の時間記録もまたFFTによって処理さ
れ、信号応答が記憶される。
【0086】たとえば、合成周波数が1kHz動かさ
れ、IF応答が300kHz動くと、この応答にはSS
O16の周波数の300番目の調波が含まれる。IF応
答の動く方向から入力信号周波数が300番目の櫛の歯
のどちら側に位置するかを判定することができる。これ
で入力信号の周波数(調波数×合成周波数±IF周波
数)が最終的に判定される。多数の入力、あるいは多数
の調波、あるいは入力信号に変調がある場合、すべての
信号応答がどのように相関されるかを判定するにはより
多くの時間記録とFFT処理を必要とする。サンプリン
グ式信号アナライザ10は次に入力信号の基本周波数と
入力信号の波形が表示される、オペレータによって前に
入力された表示時間範囲に基づいて入力信号に混合すべ
きサンプリング信号周波数を判定する。
【0087】より詳細には、サンプリング式信号アナラ
イザ10は以下のように動作して入力ポート12Aに現
れる既知の周波数入力信号を測定する。すなわち、この
既知の入力信号周波数はオペレータによって入力され
る。主マイクロプロセッサ241はSSO16の周波数
を入力信号周波数の分数調波の近くに設定する。SSO
16の周波数はサンプル点が図6に示すように入力信号
中で前方にインクリメントするように選択するのが好適
である。サンプリング回路141Aがイネーブルされる
度に入力信号の異なる点がサンプリングされる。
【0088】たとえば、入力信号周波数が100MHz
であると仮定する。正確に20MHzのサンプリング信
号周波数が選択された場合、サンプリング回路141A
はサンプリング回路がイネーブルされる度に入力信号波
形の同じ点をサンプリングし、入力信号の波形をサンプ
リングすることができない。したがって、サンプリング
信号周波数は20MHzよりわずかに低く(すなわち、
サンプル間の同期が50ナノ秒よりわずかに大きく)選
択される。したがって、サンプリング回路141Aがイ
ネーブルされる度に図6に示すように入力信号波形の異
なる点がサンプリングされる。図6に示すように、サン
プル点は入力信号中を前方にゆっくりと移動する。ま
た、サンプリング周波数が20MHzよりわずかに選択
された場合、サンプル点は図7に示すように入力信号波
形中を後方にゆっくりと移動する。
【0089】サンプリング式信号アナライザ10が既知
の入力信号を測定する態様をより良く理解するために、
入力信号に一つの周波数しかない場合、たとえば入力信
号周波数が100MHzである場合を仮定する。主マイ
クロプロセッサ241はSSO16を19MHzといっ
た既知の周波数に設定する。この周波数のサンプリング
信号は図8に示すような間隔を有するインパルスの周波
数スペクトルを発生する。100MHz入力信号周波数
がサンプリングされるとき、その結果得られる周波数は
図9に示すようなものとなる。
【0090】図9に示すように、100MHzの信号が
5MHzのIF信号として現れる。この5MHzのIF
信号は100MHzと95MHzの差の結果(SSO1
6の周波数の5番目の調波)である。しかし、サンプリ
ング式信号アナライザ10のIFの帯域幅はIF低域通
過フィルターによって10MHzの最小値に制限される
ため、生成される10MHzより大きい周波数は除かれ
る。したがって、図9に示す5MHzのIF信号だけが
サンプリング式信号アナライザ10のIFで測定され
る。つまり、このIF信号は5MHzに等しい。
【0091】前の例では、入力信号は調波の存在しない
純粋な信号音からなると仮定した。もちろんこれはまれ
な場合である。サンプリング式信号アナライザ10はま
た入力ポート12Aに現れる未知の入力信号を測定でき
るものでなければならない。さらに、サンプリング式信
号アナライザ10は未知の入力信号の基本調波数とその
調波を正しく識別しなければならないだけではなく、入
力信号中の他の基本波とその調波をも識別しなければな
らない。このため未知の入力信号については以下の入力
信号識別法ガとられる。
【0092】DSPマイクロプロセッサ221Aは、制
御パネル28上の“FIND FREQUENCY”ソ
フトキーが押されるとき、入力ポート12Aに現れるす
べての入力信号の周波数成分を識別する常駐ファームウ
エアを実行する。ここに説明する入力信号識別法は識別
することのできる周波数成分の数については制限されな
いが、あらゆる周波数成分を発見するように最適化され
たファームウエアルーチンの分析(処理)時間はそれに
対応して増大する。すなわち、この方法はそれぞれが三
つあるいは四つの調波を有する三つあるいは四つの調波
的に関連のない信号(基本波)の識別が可能となるよう
に最適化することができる。この入力信号識別法に対す
る変更については網羅的な識別と分析時間との妥協を示
すために適宜説明する。
【0093】この入力信号識別法はファームウエアルー
チンを四つの主要なサブルーチンに分割することによっ
て簡略化することができる。これらのサブルーチンは、
1)可能な入力信号周波数の発生、2)周波数の排除、
3)基本周波数成分の判定、4)基本周波数の正確な測
定、である。これらのサブルーチンを図19のフローチ
ャートを参照して説明する。
【0094】可能な入力信号周波数の発生のためのサブ
ルーチンは次のように実行される。図10Aの参照符号
302と304に示すように異なるサンプリング信号周
波数で二つの測定が行われる。すなわち、二つの掃引が
異なるサンプリング周波数で行われてそれぞれのサンプ
リング周波数における時間記録が獲得される。例えば、
第1の測定はステップ302に示すように約20MHz
のサンプリング周波数で行うことができ、第2の測定は
ステップ304に示すように10MHz低いサンプリン
グ周波数(19.990MHz)で行うことがきる。速
度上の理由から、たとえば256データ点といったごく
小さな追跡規模を獲得するのが好適であるが、より包括
的な入力信号識別が必要である場合、データ点の数は増
やすことができる。
【0095】第1の測定からの時間記録からなるデジタ
ル化されたサンプルはFFTを用いて周波数領域に変形
され、すべての信号ピークのIF信号が測定データメモ
リ204Aに記憶される。同じ手順が第2の測定につい
ても行われる。FFT変換の結果からなる二つの周波数
リストは必ずしも特定の順序に分類されるわけではな
く、振幅によって分類される実施例もある。このとき入
力信号中に複数の基本周波数が識別されない限り、振幅
情報は通常無視することができる。二つの測定から得ら
れた周波数リストは次に信号ピークのIF周波数に対応
する、入力ポート12Aに現れる基本周波数を含むすべ
ての可能な周波数のはるかに大きなリストを生成するの
に用いられる。
【0096】ここでN1を信号ピークの数、すなわち第
1の測定から発見されるIF信号周波数の数とし、N2
を第2の測定から発見されるIF信号周波数の数とす
る。一般に、発生する可能な入力信号周波数の数は4・
N1・N2である。それらがどのようにして生成される
かを次に説明する。
【0097】第1の測定からの第1のIF信号周波数f
1 について考察する。f1 のIF信号周波数に対して入
力信号周波数はN・fS +f1 あるいはN・fS −f1
でなければならず、fS は第1の測定のサンプリング周
波数であり、nはゼロより大きいかゼロに等しい未知の
整数である。f1 の符号(すなわちプラスかマイナス
か)のあいまいさを処理する簡便な方法は、f1 と−f
1 の両方を第1の測定の周波数リストに含めることであ
る。このようにすると、負のIF信号周波数は入力信号
周波数がサンプリング周波数の最寄りの調波より小さい
ことを示し、正のIF信号周波数は最寄りの調波より大
きい入力信号周波数を示す。
【0098】発見されたすべてのIF信号周波数の負数
が、ステップ302と304に示すように第1および第
2の測定値に加えられると、第1の測定からの考慮すべ
きIF信号周波数の数は2・N1に増え、第2の測定か
らの考慮すべきIF信号周波数の数は2・N2に増え
る。0Hzの測定IF信号周波数あるいはサンプリング
周波数÷2(ナイキスト周波数)の負を加える必要はな
い。ここで各入力信号周波数は方程式n・fS +fi
うちの一つの形式で表され、fi は第1の測定からの約
2・N1のIF信号周波数のうちの一つであり、fS
第1の測定のためのサンプリング周波数であり、nはゼ
ロより大きいかそれに等しい未知の整数である。第2の
測定の結果は各IF周波数fi に対する可能なnの値を
発生するのに用いられ、それによってすべての可能な入
力信号周波数のリストの計算を可能とする。これがどの
ように行われるかを次に説明する。
【0099】図10Aの符号306、308、310、
312および314に示すように、第1の測定からのI
F周波数(fi )と第2の測定からの約2・N2のIF
信号周波数のそれぞれとを対にする。これらの対のそれ
ぞれに対して、nの値とそれに続いて可能な入力信号周
波数が生成される。これによって第1の測定からの約2
・N1のIF信号周波数のそれぞれに対する約2・N2
の可能な入力信号周波数の計算が行われて、総計で約4
・N1・N2の可能な入力信号周波数が得られる。たと
えば、二つの測定のそれぞれからのある特定のIF周波
数を考えてみる。第1の測定からのものをF1 、第2の
測定からのものをF2 とする。これらのIF応答はそれ
ぞれ同じ入力信号周波数に対するものであると仮定す
る。したがって、入力信号周波数はn・fS +F1 とし
て計算でき、FS は第1の測定に用いられるサンプリン
グ周波数であり、nはサンプリング周波数が第2の測定
については10kHz低下する例では次のように計算さ
れる。
【0100】 F2 ≧F1 のとき、n=(F2 -1 )/10kHz あるいは、 n=(F2−F1 +FS−10kHz)/10kHz 第2の測定が行われたときにはサンプリング周波数が1
0kHz低下したため、IF信号周波数はn・10kH
z増大しなければならない。IF信号周波数が明らかに
低下するのは入力信号周波数がFS マイナス10kHz
のn番目の調波よりも(n+1)番目の調波により近く
なる結果である。
【0101】サンプリング周波数の10kHzステップ
は入力信号の周波数が40GHz以下である場合に限
り、入力信号に1サンプリング周波数調波以下のIFの
いずれを発生させる。したがって、次に説明するよう
に、nはIF信号周波数F1 およびF2 によって固有に
決定される。ただしF1 がF2 とほとんど同じである場
合を除く。入力信号周波数範囲が40GHzを越える場
合、より小さな初期サンプリング周波数ステップが採用
されるか、あるいは“n”が多数の値をとれるようにし
なければならない。
【0102】F1 がF2 にほとんど等しい場合、上記の
nの計算式の両方が用いられ、ふたつの可能な入力信号
周波数が発生する。これは、入力信号識別範囲(直流あ
るいは40GHzの近く)の両端の入力信号周波数が、
(サンプリングレートが20MHz近い場合)サンプリ
ング周波数中の10kHzステップにわたってほとんど
同じIF周波数をもたらすためである。低周波数のIF
ずれはゼロに近く(あるいは等しく)、高周波数のIF
ずれはサンプリング周波数調波に近い(あるいは等し
い)。
【0103】可能な入力信号周波数を発生する上述した
手順の一例として、識別すべき入力信号周波数が15G
Hzである場合を想定する。さらに、第1の測定のサン
プリング周波数を19.123MHz、第2の測定のサ
ンプリング周波数をそれより10kHz小さい、すなわ
ち19.113MHzと仮定する。
【0104】15GHzの入力信号周波数は、19.1
23MHzでサンプリングした場合、7.568MHz
のIF周波数を発生する(すなわちこれは19.123
MHzの784番目の調波から7.568MHz離れて
いる)。15GHzを19.113MHzでサンプリン
グした場合、得られるIF信号周波数は3.705MH
zである(すなわち、784番目の調波から3.705
MHz離れている)。
【0105】この入力信号識別法の機能はIF信号周波
数をさまざまなサンプリング周波数で測定した結果から
入力信号周波数(15GHz)を予想することである。
上に計算したように、第1の測定からは7.568MH
zのIF周波数が得られる。したがって、第1の周波数
リストは7.568MHzと−7.568MHzの周波
数からなる。第2の周波数リストは3.705MHzと
−3.705MHzを含む。四つの可能な入力信号周波
数をもたらす四つの可能な組合せがある。
【0106】 F1 =7.568MHz、F2 =3.705MHz n=(3.705−7.568+19.113)MHz
/10kHz=1525 また、第1の可能な入力信号周波数=n・19.123
MHz+F1 =29.170143GHz、 あるいは、 F1 =7.568MHz、F2 =−3.705MHz n=(−3.705−7.568+19.113)MH
z/10kHz=784 また、第2の可能な入力信号周波数=n・19.123
MHz+F1 =15.000000GHz あるいは、 F1 =−7.568MHz、F2 =3.705MHz n=(3.705−[−7.568])MHz/10k
Hz=1127また、 第3の可能な入力信号周波数=n・=19.123MH
z+F1 =21.559189GHz、 あるいは、 F1 =−7.568MHz、F2 =−3.705MHz n=(−3.705−[−7.568])MHz/10
kHz=386また、 第4の可能な入力信号周波数=n・19.123MHz
+F1 =7.389046GHz、
【0107】その後、周波数を排除するサブルーチンが
実行される。この時点で潜在的な入力信号周波数の大き
なリストが存在する。周波数排除サブルーチンにしたが
って、この大きなリストへのエントリはそれぞれのリス
トされた周波数を後続の測定のIF信号周波数リストと
照合することによって排除される。
【0108】したがって図10Bの符号316に示すよ
うに、さらに10から14の測定が行われる。しかし、
より網羅的な入力信号識別が必要とされる場合は、追加
の測定の数を増やすことができる。それに対応して周波
数リストが生成される。しかし、これらの追加の測定の
ために選択されたサンプリング周波数は元のサンプリン
グ周波数fS から累進的に離れていく。たとえば、上述
したように、第1の測定はfS のサンプリング周波数で
行った。第2の測定はfS −10kHzのサンプリング
周波数で行った。これらが大きな周波数リストを生成し
た二つの測定である。
【0109】第1の後続の測定はfS −20kHzのサ
ンプリング周波数で行われ、次の測定はfS −40kH
zで、またその次はfS −80kHzでというように続
けて行われる。後続の測定のそれぞれに関して、ステッ
プ316に示すように、可能な入力信号周波数のそれぞ
れについて予想IF信号周波数が計算される。これらは
図10Bの符号318と320に示すように、測定され
た実際のIF信号周波数と照合される。
【0110】一致しない場合、図10Bの符号322に
示すようにその可能な入力信号周波数は考慮対象から除
外される。測定値に近い場合、図10Bの符号324に
示すように始めの大きな周波数リストの周波数が最新の
測定を反映してわずかに修正される。予想IF周波数が
一つ以上の実際のIF周波数に近い場合、追加の可能な
入力信号周波数が生成され、リストに加えられる。図1
0Bの符号326と328に示すように、この手順が残
りすべての可能な入力信号周波数からの予想IF信号応
答が後続の測定データのセットのそれぞれの測定IF周
波数と比較されるまでくり返される。
【0111】周波数排除の過程を示すために、上の例を
さらに続けると、潜在的な入力信号周波数のリストは、
29.170143GHz、15.0GHz(実際の入
力信号周波数)、21.559189GHzおよび7.
389046GHzを含む。第3の測定には19.12
3MHz−20kHzあるいは19.103MHzのサ
ンプリング周波数が用いられる。15GHzの入力信号
周波数をこのサンプリグレートでサンプリングすると
4.145MHzのIF周波数が得られる。この入力信
号識別法ではこの手順の始めの部分で発生したそれぞれ
の可能な入力信号周波数をチェックし、測定された4.
145MHzの所定の範囲内でIF信号周波数を予報し
ないものを排除する。
【0112】29.170143GHzは19.103
MHzでサンプリングすると138kHzのIF周波数
を生成する。また15.000000GHzは19.1
03MHzでサンプリングすると4.145MHzのI
F周波数を生成する。さらに、21.559189GH
zは19.103MHzでサンプリングすると8.09
8MHzのIF周波数を生成する。さらに、7.389
046GHzは19.103MHzでサンプリングする
と3.815MHzのIF周波数を生成する。
【0113】15GHzが測定IF周波数に対応するリ
スト中の唯一の周波数であるため、他の三つの周波数が
排除され、入力信号周波数識別法が完了する。多重入力
信号もしくはその多重調波は通常生成された大きな周波
数リスト上の可能な周波数から真の入力信号周波数を完
全に取り出すためにより多くの測定を必要とする。その
後基本周波数成分を判定するためのサブルーチンが実行
される。上記の過程の後に残った周波数はまず(ある範
囲内の)重複についてチェックされ、次に図108の符
号330に示すように互いに比較されて調波関係が調べ
られる。一つ以上の基本周波数が識別される際には、サ
ンプリング式信号アナライザ10が最大の振幅を有する
ものを選択して残りの基本周波数を分析しリスト化して
その分析を後でオペレータが選択することができるよう
にするのが好適である。動作モードによっては基本周波
数のみが表示用に保持されることもある。他の動作モー
ドは調波関係にかかわりなく最大の振幅を有する周波数
成分を保持することに基づく。
【0114】最後に基本周波数の精密測定のためのサブ
ルーチンが実行される。非常に小さな基本調波数のリス
ト(通常一つ)を用いて、図10Bの符号332に示す
ようなもう一つの付加的測定が行われる。この測定につ
いてはFFTの分解能を高くするために測定サイズは非
常に大きく、たとえば4096データ点とされる。FF
Tの分解能を米国特許第4、686、457号に説明す
るようなビン補間によってさらに増強して周波数予測の
精度を向上させるのが好適である。この入力信号識別法
を実行するためのファームウエアの一例を添げる。これ
はDSPマイクロプロセッサ221Aが主マイクロプロ
セッサ241の制御のもとに実行するアッセンブリー言
語ファームウエアのC言語バージョンである。
【0115】既知あるいは未知の入力信号のいずれかの
場合、サンプリング式信号アナライザ10は次に入力信
号の周波数とオペレータが制御パネル28上の数字キー
を用いてサンプリング式信号アナライザ用に選択した表
示時間範囲に基づいてIFのどこに入力信号を混合する
かを判定する。サンプリング式信号アナライザ10は次
に入力信号を構成する、したがって入力信号の波形を再
構成する基本周波数と調波周波数の測定に用いられるサ
ンプリング信号発振器周波数を発生する。このサンプリ
ング信号発振器周波数は表示することができる。
【0116】サンプリング周波数は入力信号の基本調波
数成分と調波周波数成分がはるかに低いIF周波数の基
本周波数成分と調波周波数成分に変換されるように選択
される。より高い周波数スペクトルが実際には特定の入
力信号のIFスペクトルに周波数変換される。このと
き、IF帯域幅は変換された基本周波数成分と調波周波
数成分を保持し、SSO16の調波周波数から大きく離
れた信号応答を拒絶するように狭めることができる。こ
の効果は“櫛形帯域通過”と呼ばれる。これはIF通過
帯域が図11に示すように、SSO16のそれぞれの調
波周波数において効果的に複製されるためである。これ
らの有効帯域通過要素の間の信号はIF低域通過フィル
ター185AのIFフィルターによって拒絶され、した
がってデジタル化されず、また表示もされない。櫛形帯
域通過の使用は信号対雑音比を増大させ望ましくない汚
染信号を除去する効果的な技術である。
【0117】たとえば、所望のIF周波数を1kHzと
仮定する。サンプリング式信号アナライザ10はSSO
16の周波数を計算する。この周波数はその調波の一つ
が対象となる入力信号周波数の基本周波数から1kHz
離れている。この基本周波数が300番目の節の歯と混
合して1kHzが発生する場合、この信号の第2の調波
は600番目の櫛の歯と混合して2kHzを発生する。
櫛形帯域通過の制御は合成周波数とIF帯域幅の関係を
選択することによって達成される。IF帯域幅に対する
合成周波数の比率によって節形帯域通過の量が決まる。
【0118】たとえば、IF帯域幅を10MHzと仮定
する。SSO16の周波数が20MHzである場合、2
0MHzから20GHzまで20MHzの間隔で20M
Hzの通過帯域がある(それぞれの櫛の歯の両側に10
MHz)。実際に、いかなる入力信号周波数もどこかで
IFに混合する。この時点でIF信号はIF低域通過フ
ィルター186A(100kHz)でフィルタリングし
て0Hzから40GHzまで20MHzの間隔で200
kHzの通過帯域を提供することができ、この通過帯域
をはずれるいかなる信号も無視される。
【0119】前述したように、トリガー回路207Aは
RAM204Aにおける測定データ記憶をトリガーす
る。トリガー回路207AによるトリガリングはADC
20Aに供給される帯域幅を制限されたIF信号のレベ
ル(電圧)に応答する。したがって、従来の逐次サンプ
リングデジタイジングオシロスコープと対照的に、サン
プリング式信号アナライザ10は適切なタイムスケール
で波形を獲得するのに入力信号のレベルに直接応答する
トリガー回路を必要としない。サンプリング式信号アナ
ライザ10における波形獲得はSSO16の発生する信
号によって連続的に駆動されるサンプリング回路141
Aによって達成される。トリガー回路207Aは帯域幅
を制限されたIF信号に応答し、測定データを各掃引間
で整列させ構成された時間軸を提供するためのみ用いら
れる。このタスクは帯域幅の制限されたIF信号の電圧
に応答する低周波数アナログトリガー回路を用いて実時
間で行われる。
【0120】従来の逐次サンプリングデジタイジングオ
シロスコープは波形を獲得するのに入力信号に直接応答
して生成されるトリガー信号を必要とする。このトリガ
ー信号に雑音があると、逐次サンプリングデジタイジン
グオシロスコープは雑音がない場合よりはるかに少ない
波形しか獲得することができない。入力ポート12Aに
現れる入力信号中の雑音は同様にサンプリング式信号ア
ナライザ10中のトリガー回路の効果を潜在的に低下さ
せるものである。
【0121】したがって、本発明によれば、帯域幅の制
限されたIF信号の電圧の代わりに、入力信号の基本周
波数の位相に基づく、オペレータによるRAM204A
への測定データの記憶のためのトリガー位置の入力に基
づいてトリガリングを行うことができる。これは“位相
トリガリング”と呼ばれる。より詳細には、サンプリン
グ式信号アナライザ10は図12の符号402に示すよ
うに、測定データのメモリアレーの初期記憶位置におけ
る入力ポート12Aに現れる入力信号の基本周波数成分
の位相の判定にFFTを採用している。入力信号の一つ
以上の周期がこのメモリアレーに記憶されるため、開始
位相がわかれば波形のいかなる部分でもそれを読みだ
し、CRT表示画面26に送出することができる。しか
し、各掃引間では波形はランダムな位相でメモリアレー
に記憶されることがある。
【0122】位相トリガリングが採用されているとき、
オペレータは入力信号の基本調波数成分に対して所望の
トリガー位相を入力し、図12の符号404に示すよう
にこの位相トリガー点が主マイクロプロセッサ241に
よって読み出されてDSPマイクロプロセッサ221A
に送られる。位相を測定し図12の符号406に示すよ
うに波形の所望の位相を含むメモリアレーの記憶場所に
索引を付けることによって、表示された信号は所望のト
リガー位相に位置合わせされて図12の符号408に示
すように一定の位相トリガー点が維持される。
【0123】位相トリガリングを用いて掃引間で測定デ
ータの整列を行うタスクはFFTによる後処理としてバ
ッチモードで行うことができる。バッチモードの利点は
位相トリガー情報の抽出に多量の処理ゲイン(雑音低
減)を加えることができることである。次に周知の平均
化技術を用いて信号対雑音比を向上させることができ
る。位相トリガリングには掃引間でトレースを整列する
ための数値処理が採用される。掃引が整列されると、平
均化はコヒーレントとなり、雑音が低減される。時間波
形の平均化は入力信号の雑音を低減する有効な方法であ
る。サンプリング式信号アナライザ10は位相トリガリ
ングが用いられる場合波形を獲得するのに電圧に基づく
トリガーを必要としないため、雑音のある波形でも正確
に複製することができる。
【0124】位相トリガリングを行うためのファームウ
エアの一例を添げる。これは主マイクロプロセッサ24
1の実行するファームウエアのC言語バージョンであ
る。たとえば、疑似ランダム2値シーケンス(PRB
S)信号のような容易に識別することのできない入力信
号が時間領域と周波数領域の両方で雑音を有するように
することができる。従来の逐次サンプリングデジタイジ
ングオシロスコープはアイ(eye)図を観察するため
にクロックをオフにすることができる。サンプリング式
信号アナライザ10の場合は単にそのクロック周波数を
ロードするだけでアイ図を観察するためのSSO16の
周波数を設定することができる。クロックは必要としな
い。PRBSクラスの入力信号については、アイ図を生
成することはできるが回復されたクロックが他のチャン
ネルをトリガーするのに用いられない場合、掃引間でC
RT表示画面26上の同じ位置に現れない。しかし、概
念的には基本位相を整列させるための上述したのと同様
のバッチ処理を用いて掃引間でトレースを整列すること
ができる。
【0125】時間掃引モードにおいても、オペレータは
CRT表示画面26に現れる表示測定データのためのフ
ォーマット情報を入力する。利用可能な表示フォーマッ
トには実部対時間、位相対時間、大きさ対時間、および
ログの大きさ対時間、等がある。さらに、スペクトル測
定のためのFFTを介した時間から周波数領域への数値
変換をフォーマット選択の一つとして用いることができ
る。また、本発明によればサンプリング式信号アナライ
ザ10には分割あたりの時間が入力信号周波数とともに
変化してCRT表示画面26上に同数のサイクルを維持
することを確実にする方法を設けることができる。これ
は“サイクルモード”と呼ばれる。
【0126】より詳細には、従来の逐次サンプリングデ
ジタイジングオシロスコープが用いられるとき、所望の
分割あたりの時間が入力され、オシロスコープは測定さ
れる入力信号の周波数にかかわらずその分割あたりの時
間を保持する。たとえば、分割あたりの時間を1ナノ秒
と設定し、1GHzの入力信号を測定する場合、この波
形の10の周期が表示画面上に現れる(画面上には10
の区分があると仮定する)。その後入力信号周波数が5
00MHzに変わる場合、表示画面上には5つの周期が
現れる。同様に、周波数領域測定に関してはスペクトラ
ムアナライザが測定される入力信号の周波数にかかわら
ず開始および停止周波数調整を維持する。たとえば、開
始周波数が0Hz(直流)に設定され、停止周波数が5
GHzに設定され、入力信号が500MHzの周波数を
有する場合、入力信号の始めの10の調波が表示画面上
に現れる。入力信号が1GHz信号に変わる場合、始め
の5の調波のみが表示画面上に現れる。オペレータは所
望のスパン(時間あるいは周波数)を得るために入力信
号周波数を入力する必要がない。
【0127】対照的に、サイクルモードにおいてはサン
プリング式信号アナライザ10は入力信号周波数に(直
接的にあるいは間接的に)比例してスパンを調整する。
このサイクルモードは、刺激/応答セットアップ、すな
わちサンプリング式信号アナライザがその信号がDUT
の入力に刺激として与えられる可変周波数源を直接制御
し、DUTの出力が入力ポート12Aに接続されている
場合におけるサンプリング信号アナライザ10の動作を
参照すると最も良くわかるのであろう。
【0128】時間掃引モードに関しては、分割当たりの
時間を入力する代わりにたとえば2サイクルといった多
数のサイクルがオペレータによって入力される。これに
よって波形の二つの周期が入力信号周波数と無関係にC
RT表示画面26上に現れる。したがって、時間軸を固
定しておき波形を入力信号周波数の変化に伴って拡大あ
るいは収縮させるかわりに、サイクルモードでは、周期
の数が固定されたままで時間軸が入力信号周波数が変化
するにつれて変化する。サイクルモードはオペレータが
入力信号の波形の形状変化を、時間軸を常に再スケーリ
ングすることなく、周波数の相関的要素として観察する
ことを可能とする。すなわち、再スケーリングが自動的
に行われる。
【0129】軸の再スケーリングのためのサイクルモー
ドはFFTを介して時間掃引のフーリエ変換として計算
される。開始および停止周波数を絶対ヘルツで入力する
代わりに、入力パラメータは開始および停止調波であ
る。たとえば、調波0での開始、調波10での停止であ
る。入力信号周波数が変化するにつれて、周波数軸が変
化する(依然として“Hz”で読む)が、波形(この場
合スペクトル表示)は収縮も拡大もしない。これによっ
てオペレータはDUTの調波を周波数軸を常に再スケー
リングすることなく周波数の相関的要素として観察する
ことができる。さらに、サンプリング式信号アナライザ
10は周波数掃引モードを有するのが好適である。この
モードはオペレータが“SWEEP”のソフトキーと、
次に“FREQUENCY”のソフトキーを順次押すこ
とによって呼び出される。
【0130】周波数掃引モードでは、サンプリング式信
号アナライザ10はベクトルネットワークアナライザシ
ステムと同様に動作する。ベクトルネットワークアナラ
イザシステムの動作は米国特許4,636,717号に
より詳細に説明されている。周波数掃引モードは可変周
波数源がマイクロ波遷移アナライザシステム9に接続さ
れてこの周波数源が基準発振器162に位相ロックされ
ていることを必要とする。この周波数源のステップ掃引
はサンプリング式信号アナライザ10によって制御され
る。
【0131】可変周波数源によって生成される信号はD
UTの入力に刺激として加えられ、さらにサンプリング
式信号アナライザ10の入力ポート12Bにも加えられ
て基準信号としてはたらく。DUTの出力はサンプリン
グ式信号アナライザ10の入力ポート12Aに接続され
ている。したがってサンプリング式信号アナライザ10
はDUTの絶対応答(チャンネル1)あるいは比率応答
(チャンネル÷チャンネル2)を測定することができ
る。“FREQUENCY”のソフトキーを押した後、
オペレータは可変周波数源の掃引の開始および停止周波
数を入力することができる。オペレータは“STRA
T”のソフトキーを押し、次に制御パネル28上の数字
キーを用いて停止周波数値を入力する。あるいは、オペ
レータは、“CENTER FREQUENCY”を入
力し、次に適当なソフトキーと数字キーを用いを用いて
“SPAN”を入力して掃引範囲を決めることができ
る。
【0132】周波数掃引モードではオペレータはまた、
CRT表示画面26上に現れる表示される測定のための
フォーマット情報を入力する。利用可能なフォーマット
には、実部対周波数、位相対周波数、大きさ対周波数、
およびログの大きさ対周波数、などがある。さらに、リ
フレクトメトリ測定のためのFFTを介した周波数から
時間領域への数値変換をフォーマット選択として採用す
ることができる。
【0133】最後に、サンプリング式信号アナライザ1
0は電力掃引モードを提供することが好適である。この
モードは可変周波数源の代わりに可変電源が、またオペ
レータの設定するパラメータが周波数ではなく電力に関
係するという点を除いて周波数掃引モードと同様であ
る。電力掃引モードではオペレータはまたCRT表示画
面26に現れる表示のためのフォーマット情報を入力す
る。利用可能なフォーマットには実部対電力、位相対電
力、大きさ対電力、およぶログの大きさ対電力、などが
ある。FFTを介した数値変換はこのモードでは選択で
きないフォーマットである。
【0134】サンプリング式信号アナライザ10のデー
タ獲得動作の理解を助けるために、このサンプリング式
信号アナライザのブロック図とデータ獲得動作を二つの
周知のデータサンプリング信号測定機器、すなわち、逐
次サンプリングデジタイジングオシロスコープとベクト
ルネットワークアナライザシステムのブロック図と比較
対照する。サンプリング式信号アナライザ10はこれら
二つの機器の両方の属性を有し、またそのどちらにもな
い別の属性をも有する。まず、このサンプリング式信号
アナライザ10のブロック図と従来の逐次サンプリング
デジタイジングオシロスコープのブロック図の間にはさ
まざまな類似点がある。類似点の主要なものは次の通り
である。
【0135】この二つのブロック図における入力信号の
通路は同様である。入力信号はサンプラーに送られ、サ
ンプリングされた入力信号はADCに供給される。サン
プラーは特殊なサンプラー駆動回路によって駆動され
る。したがって、このサンプリング式信号アナライザ1
0のブロック図と従来の逐次サンプリングデジタイジン
グオシロスコープのブロック図の間には三つの基本的な
類似点がある。すなわち、測定すべき入力信号がサンプ
ラーに直接供給される点、サンプラーの出力がADCに
送られる点、そしてサンプラーが特殊なサンプラー駆動
回路によって駆動される点である。しかし、図4に示す
サンプリング式信号アナライザ10の簡略化したブロッ
ク図を見ると、このサンプリング式信号アナライザは入
力にトリガー回路がなく、したがって入力信号に対して
はただ一つの通路があるだけである。これがこのサンプ
リング式信号アナライザ10と逐次サンプリングデジタ
イジングオシロスコープの第1の主要な相違点である。
すなわち、サンプリング式信号アナライザ10の高周波
数入力路にはトリガー回路がなく、一方、トリガー回路
はオシロスコープの重要な構成要素である点である。
【0136】サンプリン式信号アナライザ10と従来の
逐次サンプリングデジタイジングオシロスコープのもう
一つの相違点は、サンプリング式信号アナライザはSS
O16を用いてサンプラー駆動回路にタイミングを取っ
たパルスを提供する。さらに、サンプリング式信号アナ
ライザ10はサンプラー駆動パルスの周波数をたとえば
10MHzから20MHzというように変化させる。こ
の種のサンプラー駆動を用いると、サンプリング式信号
アナライザ10は逐次サンプリングデジタイジングオシ
ロスコープに比べはるかに良好なトリガージッタを達成
することができる。したがって、サンプリング式信号ア
ナライザ10と従来の逐次サンプリングデジタイジング
オシロスコープの第2の主要な相違点は、サンプリング
式信号アナライザ10はSS016を用いてサンプラー
を駆動し、またサンプラー駆動の周波数は10MHzか
ら20MHzの間で変化するが、オシロスコープでのサ
ンプリングはトリガリングレベルとサンプル間でインク
リメンタルに増大する遅延の検出に基づくものである点
である。
【0137】さらに、サンプリング式信号アナライザ1
0と従来の逐次サンプリングデジタイジングオシロスコ
ープのもつ一つの相違点は、獲得されたデータをADC
に与える方法である。逐次サンプリングデジタイジング
オシロスコープがトリガーされると、単一のデータ点が
サンプリングされ、ADCに供給される。逐次サンプリ
ングデジタイジングオシロスコープは次に別のデータ点
を獲得すために次のトリガーを待つ。各データ点を獲得
する処理には約0.1ミリ秒を要する。したがって、
1,000のデータ点を獲得するには約0.1秒あるい
は約100,000マイクロ秒を要する。
【0138】対照的に、サンプリング式信号アナライザ
10がデータの獲得を開始するときは、データ点の全体
の時間記録が獲得される。SSO16の周波数はたとえ
ば10MHzから20MHzの間の周波数に設定され
る。10MHzの最低周波数においてさえ、100ナノ
秒ごとに一つのデータ点が獲得される。したがって、サ
ンプリング式信号アナライザ10が逐次サンプリングデ
ジタイジングオシロスコープと同じ1,000のデータ
点を獲得するには100E−9×1E3あるいは100
E−6秒(100マイクロ秒)を要するのみである。こ
の結果サンプリング式信号アナライザ10の更新速度は
より速くなる。したがってサンプリング式信号アナライ
ザ10と逐次サンプリングデジタイジングオシロスコー
プの間の第3の主要な相違点は、サンプリング式信号ア
ナライザは時間記録全体を獲得し、オシロスコープは単
一の点を獲得することである。サンプリング式信号アナ
ライザ10とネットワークアナライザシステムのデータ
獲得動作を比較対照する。ネットワークアナライザシス
テムでは可変周波数源の信号はDUTと基準チャンネル
に入力される。この周波数源によって生成される信号に
応答するDUTの出力が基準チャンネル信号と比較され
る。
【0139】あるネットワークアナライザシステムでは
局部発振器周波数が基準入力によって決まる一定のIF
周波数を維持するように設定される。このIF周波数が
基準周波数から変化し始めると、位相ロック回路が局部
発振器周波数を変更してIF周波数を一定に保つ。DU
T応答の測定の間、ソース周波数は固定の開始周波数か
ら固定の停止周波数の範囲にわたり、DUTをある与え
られた周波数範囲で試験する。ソース周波数が変化し始
めると、位相ロック回路がそれに応答してIF周波数を
一定に保つ。
【0140】また、別のネットワークアナライザシステ
ムでは局部発振器周波数は開始周波数から停止周波数ま
でスリューするように設定される。局部発振器周波数が
変化するにつれて位相ロック回路がソース周波数を変化
させてIF周波数を一定に保つ。いずれのネットワーク
アナライザシステムにおいてもIF周波数は一定に保た
れる。したがって、ネットワークアナライザシステム中
のIF通路は10kHz以下の帯域幅を有する通過帯域
と考えることができる。ネットワークアナライザシステ
ムを用いた測定は周波数変換を採用して達成される。す
なわち、測定すべき入力信号の周波数がIFの周波数に
変換され、帯域幅が制限される。
【0141】対照的に、サンプリング式信号アナライザ
10においてはIFは0Hz(直流)から10MHzあ
るいはそれ以下の低域通過と考えることができる。さら
にサンプリング式信号アナライザ10を用いた測定は周
波数圧縮の採用を追加して達成される。すなわち、サン
プリング式信号アナライザ10は直流から40GHzま
での周波数帯域全体をIFの帯域幅に周波数圧縮する。
サンプリング式信号アナライザ10とベクトルネットワ
ークアナライザシステムの主要な相違点は、サンプリン
グ式信号アナライザがその測定に周波数変換と周波数圧
縮を採用した低域通過、広帯域のIF信号測定装置であ
り、ベクトルネットワークアナライザシステムはその測
定に周波数変換のみを採用した帯域通過、狭帯域のIF
信号測定装置であることである。
【0142】想定の領域においては、マイクロ波入力信
号を信号パラメータが測定あるいは観察されるより低い
周波数に変換する周知のデータサンプリング信号測定機
器は測定帯域幅と同じ大きさの処理帯域幅(IF帯域
幅)を要する。しかし、繰り返しサンプリング技術で入
力信号を周波数変換および周波数圧縮するサンプリング
式信号アナライザ10は同じ測定を行うのに非常に小さ
な処理帯域幅しか必要としない。
【0143】たとえばサンプリング信号の調波を1GH
zの基本周波数から1kHzだけずらすサンプリングレ
ートで1GHzの持続波(CW)信号(調波を有する基
本周波数)をサンプリングすると、始めの40の調波
(40GHzの測定帯域幅)が40kHzの処理帯域幅
に周波数変換および周波数圧縮される。さらに、より広
い処理帯域幅を利用できる場合、IF信号をフィルタリ
ング(通常低域通過)して入力信号が周波数変換および
周波数圧縮された領域の外側のIF周波数に変換される
汚染信号あるいは雑音を除去することができる。
【0144】ここで繰り返しサンプリング技術はパルス
化された無線周波数(RF)信号等の変調された入力信
号に対しても同等に有効である。従来のようにトリガー
される逐次サンプリングデジタイジングオシロスコープ
については、トリガー信号は変調繰り返し速度に対応す
る速度で発生しなければならない。サンプリング式信号
アナライザ10の場合にはサンプリング周波数はそのサ
ンプリング周波数の調波(あるいは基本周波数)が変調
繰り返し速度からその周波数がわずかにずれるように選
定しなければならない。ここでも、逐次サンプリングデ
ジタイジングオシロスコープに対してサンプリング式信
号アナライザ10が優れている点は、信号対雑音比の向
上もしくは汚染信号の除去のためにIF周波数をフィル
タリングする(櫛形帯域通過)ことができることであ
る。
【0145】サンプリング式信号アナライザ10はパネ
ル化されたRF信号をさらに処理するためにIF帯域幅
に周波数変換および周波数圧縮するため、パルス化され
たRF装置の特徴付けを従来のパルス化ネットワークア
ナライザシステムで可能であったものよりはるかに大き
い変調帯域幅を用いて行うことができる。これは従来の
パルス化ネットワークアナライザシステムは周波数変換
技術のみによるためである。サンプリング式信号アナラ
イザ10のための復元可能な変調帯域幅はRF入力帯域
幅と同じ大きさとすることができ、一方、パルス化ネッ
トワークアナライザシステムは復元可能な変調帯域幅は
ネットワークアナライザのIF帯域幅に制限される。
【0146】パルス化RF装置の高速ターンオンあるい
はターンオフ特性の測定には広い帯域幅変調の忠実な再
生が必要である。これはサンプリング式信号アナライザ
10が大きな利点を発揮する測定である。従来のパルス
化ネットワークアナライザシステムと同様、サンプリン
グ式信号アナライザ10もまたキャリア周波数あるいは
キャリア電力をパルスへの(選択可能な)特定の時間遅
延で掃引するように構成することができる。しかし、パ
ルス化ネットワークアナライザシステムと違い、測定を
非常に高速なRF装置のターンオンのあるいはターンオ
フ遷移中に行うことができる。前述したように、サンプ
リング式信号アナライザ10は入力信号周波数を知るか
あるいは識別することによって、また所望の時間増分で
入力信号のサンプリングの瞬間を歳差運動させるサンプ
リング信号発振器周波数を合成することによって所望の
時間範囲にわたってトレースを獲得する。“パルスプロ
ファイリング法”と呼ばれる別のデータ獲得法もまたサ
ンプリング式信号アナライザ10で可能であり、これに
ついて次に説明する。
【0147】SSO16の周波数が図13の符号502
に示すように入力信号周波数の正確な分数調波となるよ
うに合成されると、サンプリングの瞬間は入力信号中で
歳差運動しないが、図13の符号504、506、50
8、510および512に示すように入力信号の特定の
瞬間のサンプリングを継続する。連続するデータサンプ
ルは離散的フーリエ変換(DFT)でフィルタリングさ
れ、ノイズからの瞬時信号電圧その他の非干渉性の信号
が抽出される。フィルタリングされた結果は図13の符
号514に示すようにその結果得られる時間表示上の一
つのデータ点を表す。フィルタリングの量はオペレータ
制御パネル28上の数字キーを用いて相当するフィルタ
ー帯域幅を入力することによって調節可能とすることが
好適である。このフィルター帯域幅の値によってステッ
プ510に示すようにDFTによって演算されるサンプ
のル所望の数が決まる。
【0148】次に、時間掃引モードにおける入力信号上
のある瞬間から次の瞬間ヘの歳差運動が図13の符号5
16に示すようにSSO16の制御された位相ずれによ
って達成される。この位相ずれはサンプリングの瞬間を
入力信号に対してある既知の量だけ遅延させるのに用い
られる。サンプリングの瞬間が遅延されると、このフィ
ルタリング処理を再度開始することができ、その結果得
られるフィルタリングされた値は次に表示すべき点とし
て記憶することができる。この処理は図13の符号52
2に示すようにトレース全体が獲得されるまでくり返さ
れる。SSO16と入力信号との間の初期の位相ずれは
わかっていない。したがって、電圧が所定の“IFトリ
ガー電圧”を越える入力信号上の瞬間にサンプリング点
を移動させるようにSSO16の生成する信号の位相を
位置合わせする手順がステップ506に示すように実行
される。これはそれぞれのサンプリングの瞬間の測定電
圧が“IFトリガー電圧”と比較され、そのときSSO
16の位相が少量増分あるいは減分されてサンプリング
の瞬間を入力信号に対して時間的に前方あるいは後方に
移動される反復サーチとして実行することができる。
【0149】このパルスプロファイリング法はパルス化
されたRF信号、あるいは一般に変調信号によって刺激
される装置を特性化するのに有効である。これらの信号
に対しては、SSO16の周波数が入力繰り返し速さ
(変調速さ)の正確な分数調波となるように合成され
る。これによってサンプリングの瞬間は変調包絡線上の
特定の点に固定されたままとなる。このパルスプロファ
イリング法ではキャリア周波数が変調周波数の正確な調
波ではないことが要求される。サンプリング式信号アナ
ライザ10が刺激/応答セットアップの合成ソースで構
成されるとき、ステップ504に示すように、キャリア
周波数はこの条件が維持されるように自動的に調整され
る。
【0150】キャリアが変調速さの正確な倍数(あるい
は調波)である周波数である場合、サンプリングの瞬間
はキャリア波形の同じ位相を繰り返しサンプリングす
る。これは事実ではないため、キャリア周波数の位相
は、SSO16にってイネーブルされたサンプリングの
瞬間の間で歳差運動する。したがって、サンプリングの
瞬間は変調包絡線に関して時間的に固定されたままであ
るが、連続的なデータサンプルはキャリア上の位相の固
定歳差運動を反映する。
【0151】次にこの正弦波の大きさと位相が判定され
る。これはステップ514に示すようにサンプリングさ
れたデータ値にDFTを実行することによって達成され
る。時間掃引モードでは、キャリア周波数の大きさと位
相が変調包絡線に関して特定の時点で判定されると、S
SO16の位相は制御された量だけ移動してサンプリン
グの瞬間が変調包絡線にそって所望の量だけ移動され
る。
【0152】DFTに加えられるデータサンプル(N)
の数(すなわち、データに加えられるフィルタリングの
量)はオペレータによって調整可能であることが好適で
ある。DFTはキャリア周波数の大きさと位相特性の判
定のためにのみ採用されなければならないのではなく、
その代わりにキャリア周波数の調波(調波掃引)あるい
は(ベースバンド漏れあるいはパルス上の“ビデオフィ
ードスルー”を測定するために)直流に同調することも
できることを指摘しておかねばならない。またDFTは
フィルタリング動作であるため、このパルスプロファイ
リング法は望ましくない人工物の除去にも有効であるこ
とを指摘しておかねばならない。たとえば、通常の逐次
サンプリングデータ獲得法に見られるベースバンド漏れ
やキャリア調波が除去される。
【0153】パルスプロファイリング動作モードはまた
パルス化されたRF信号が刺激として用いられるとき、
周波数掃引モードや電力掃引モードにも用いることがで
きる。動作上の唯一の相違点は、大きさと位相の判定の
終了時にSSO16の位相が変化しないことである。時
間掃引モードで位相が変化する理由はサンプリングの瞬
間を変調包絡線に対して移動させるためである。周波数
および電力掃引モードではサンプリングの瞬間は変調包
絡線に対して一定に保たれる。かわりに図13の符号5
18あるいは520に示すように、キャリア周波数ある
いはキャリア電力が大きさと位相の判定の終了時に増分
(あるいは減分)される。
【0154】パルスプロファイリングを実行するための
ファームウエアの一例を挙げる。この組合せファームウ
エアは主マイクロプロセッサ241の実行するファーム
ウエアDSPマイクロプロセッサ221Aの実行するア
ッセンブリーファームウエアのC言語バージョンであ
る。つまり、マイクロ波信号の分析に用いられるツール
はごくわずかしかない。電力計、カウンター、スペクト
ラムアナライザ、および逐次サンプリングデジタイジン
グオシロスコープである。三つもの調波を有する6GH
zの入力信号の分析について、また既存のツールがこの
入力信号についてなにを判定できるかを考えてみる。こ
れらの機器は40GHzの帯域幅を有するものと仮定す
る。
【0155】電力計は入力にどれだけの総電力があるか
を基本周波数と調波の双方について測定する。これは調
波やあるいは波形が存在する場合基本周波数を判定する
ことができない。雑音が帯域幅に比例し、したがってこ
の電力計はその入力において40GHzの雑音に応答す
るため感度が悪い。カウンターは入力が6GHzである
ことを判定することができる。しかし、振幅、すなわち
調波や波形の存在を表示できない。このカウンターはま
た40GHzの雑音に応答するため感度が悪い。
【0156】スペクトラムアナライザは振幅対周波数の
表示を提供する。このためには、入力信号の基本周波数
が何であるかの判定を行うことができる、すなわち調波
の存在とその振幅を判定することができる。これは波形
を表示しない。なぜなら基本周波数と調波を同時に測定
することも、また位相を測定することもできないためで
ある。これが応答する雑音はその分解能帯域幅にある雑
音だけであり、これは小さくできるため、感度は良好で
ある。逐時サンプリングデジタイジングオシロスコープ
は波形を表示することができる。このために、最近のモ
デルは周波数を判定することができる。またFFTを用
いて調波とその振幅を示すこともできる。しかし、入力
感度がわるい。これはその入力で40GHzの雑音に応
答するためである。さらに悪いことは、逐時サンプリン
グデジタイジングオシロスコープは大きなトリガー入力
を必要とし、それでもなお高周波数入力ではトリガーし
ないことである。
【0157】しかし、この状況が入力に5GHzの信号
が加わることによって複雑になる場合を想定する。電力
計はこの結合電力を読み取る。これは無意味である。カ
ウンターは大きいほうの信号の周波数を読み取る、ある
いは全く意味のない表示をする。スペクトラムアナライ
ザはこの追加の入力に応答して始めの信号に加えてそれ
を表示する。しかし依然として波形は表示できない。逐
時サンプリングデジタイジングオシロスコープは意味の
ある表示を提供できない。それは多数の入力信号ではト
リガーできないためである。
【0158】対照的に、サンプリング式信号アナライザ
10は、(スペクトラムアナライザを除く)すべての機
器のように感度を悪化させる20GHzの雑音にさらさ
れず、スペクトラムアナライザのように帯域通過フィル
ターを一つしか持たず、そのために波形を得るための調
波の相対位相の獲得が妨げられるということもなく、す
べての基本周波数とその調波を含む入力信号を有効に獲
得し、波形を表示する。下の表はこれらの機器の特性比
較をまとめたものである。
【0159】
【表1】
【0160】
【発明の効果】以上説明したように、本発明を用いるこ
とにより、被測定入力信号のレベルに応答して直接的に
トリガ信号を発生する高速トリガー回路が不必要とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】既知の逐次サンプリングデジタイジングオシロ
スコープのブロック図である。
【図2】図1の装置による入力信号のサンプリングを示
す図である。
【図3】図1の装置によるサンプリング間の高周波入力
信号の多数サイクルの発生を示す図である。
【図4】本発明の一実施例を組み込んだマイクロ波遷移
アナライザシステムのブロック図である。
【図5】図4に示す装置の概略回路図である。
【図6】サンプルデータ点が入力信号波形を通して歳差
運動をするように選択されたサンプリング信号発振器周
波数を示す図である。
【図7】サンプルデータ点が入力信号波形を通して逆戻
りするように選択されたサンプリング周波数を示す図で
ある。
【図8】サンプリング信号の周波数スペクトラムを示す
図である。
【図9】中間周波信号の周波数スペクトラムを示す図で
ある。
【図10】本発明による入力信号識別方法の一実施例の
流れ図である。
【図11】本発明に従って構成された櫛形帯域を示す図
である。
【図12】本発明による位相トリガリング方法の一実施
例の流れ図である。
【図13】本発明によるパルスプロファイリング方法の
一実施例の流れ図である。
【符号の説明】
11:メインフレーム/表示回路、14:サンプラー 16:可変周波数サンプリング信号発振器 18:IFスケーリングおよびフィルタリング回路 20:アナログ/デジタル変換器、22:デジタル信号
処理回路 24:制御回路
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年12月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】既知の逐次サンプリングデジタイジングオシロ
スコープのブロック図である。
【図2】図1の装置による入力信号のサンプリングを示
す図である。
【図3】図1の装置によるサンプリング間の高周波入力
信号の多数サイクルの発生を示す図である。
【図4】本発明の一実施例を組み込んだマイクロ波遷移
アナライザシステムのブロック図である。
【図5A】図4に示す装置の概略回路図である。
【図5B.1】図4に示す装置の概略回路図である。
【図5B.2】図4に示す装置の概略回路図である。
【図5C】図4に示す装置の概略回路図である。
【図5D】図4に示す装置の概略回路図である。
【図5E】図4に示す装置の概略回路図である。
【図5F.1】図4に示す装置の概略回路図である。
【図5F.2】図4に示す装置の概略回路図である。
【図5G.1】図4に示す装置の概略回路図である。
【図5G.2】図4に示す装置の概略回路図である。
【図5H.1】図4に示す装置の概略回路図である。
【図5H.2】図4に示す装置の概略回路図である。
【図5H.3】図4に示す装置の概略回路図である。
【図6】サンプルデータ点が入力信号波形を通して歳差
連動をするように選択されたサンプリング信号発振器周
波数を示す図である。
【図7】サンプルデータ点が入力信号波形を通して逆戻
りするように選択されたサンプリング周波数を示す図で
ある。
【図8】サンプリング信号の周波数スペクトラムを示す
図である。
【図9】中間周波信号の周波数スペクトラムを示す図で
ある。
【図10A】本発明による入力信号識別方法の一実施例
の流れ図である。
【図10B】本発明による入力信号識別方法の一実施例
の流れ図である。
【図11】本発明に従って構成された櫛形帯域を示す図
である。
【図12】本発明による位相トリガリング方法の一実施
例の流れ図である。
【図13】本発明によるパルスプロファイリング方法の
一実施例の流れ図である。
【符号の説明】 11:メインフレーム/表示回路、14:サンプラー 16:可変周波数サンプリング信号発振器 18:IFスケーリングおよびフィルタリング回路 20:アナログ/デジタル変換器、22:デジタル信号
処理回路 24:制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジョン・エー・ウェンドラー アメリカ合衆国カリフォルニア州サンタ・ ローザ・ダンベック・アベニュー 1009 (72)発明者 スティーブン・アール・ピーターソン アメリカ合衆国カリフォルニア州サンタ・ ローザ・ラスティー・ドライブ 438 (72)発明者 ロナルド・ジェー・ホーガン アメリカ合衆国カリフォルニア州サンタ・ ローザ・ブレイク・プレイス 1711

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力信号を受信する手段と、 前記入力信号の受信に依存しない複数の周期的信号を発
    生する手段と、 前記複数の周期的信号の各々に応答して前記入力信号を
    サンプリングし、前記入力信号の周波数成分が適正なス
    ペクトル順で順序づけられるよう前記入力信号を中間周
    波信号に周波数変換し、周波数圧縮する手段と、 前記中間周波信号に応答して前記中間周波信号を所定の
    帯域幅に帯域幅制限する手段と、 前記帯域幅制限された中間周波信号に応答して、前記入
    力信号の前記波形を再構築するために前記中間周波信号
    に含まれる、基本波と調波関係にある周波数成分との間
    の位相関係を保持しつつ、前記帯域幅制限された中間周
    波信号を処理する手段と、 を備えて成る繰り返し信号を解析する装置。
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