JPH0519627U - ワツシヤーシール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 カバー部材に対して弾性反発力を二重の手段
をもって与えることにより半永久的な反発力と密封力を
得る。 【構成】 金属製補強環（１）とシール部（２）とから
なっており、このシール部（２）へバネ材で形成された
バネリング（３）を埋設したことを特徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００ｌ】

【産業上の利用分野】

本考案は、カバー部材を装着するために固定具と共に用いるワッシャーシール に関し、具体的には密封性と弾力性を有するワッシャシールに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、エンジンのカバー部材、例えばロッカーカバーとかオイルパンなどを締 付けるボルト・ナット等の締付具は、密封力と弾性力を合わせ持つ弾性体から形 成されたワッシャーシールと共に用いられており、このワッシャーシールによっ て該締付具が通る穴部分の密封とカバー部材の密封をなすカバーガスケットに弾 性締付力を付与している。 この様なワッシャーシールの一般的な構造としては、締圧を広い面積に均等に 伝えるためと、直接ナットなどが接触して共回りしない様に、弾性体からなるシ ール部の上方に金属製の補強環を配設したワッシャーシールが多く用いられてい る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、この様なワッシャーシールは前記した様に、カバー部材の全周 に及ぶガスケットを複数の要箇所から締付けるものであるから単位面積当たりの 荷重が大となり常時限界的な圧縮変形を余儀なくされており、そのため弾性体の シール部に早期に圧縮疲労による亀裂とか破断が発生し易く弾性反発力を簡単に 失う。 また、熱負荷により弾性体に圧縮永久歪みが生じ、ボルト軸力低下による漏れ を発生させるなど解決されなければならない大きな欠点を持っている。

【０００４】 以下図面を参照しつつ詳述する。 この欠点を解消するために、図５に示すように金属製補強環（１）の外周部を 大きく垂下（１１）させてシール部（２）の横長れを規制する構造とか、あるい は図６の様に、筒状環（１２）を形成してこれをシール部（２）の外周に嵌めて 圧縮変形を外側周面から押さえ込み耐久性を持たしめた構造なども提案されてい るが、その変形量を押さえればシール部（２）の持つ本来の弾力性が大きく失わ れるのは当然であって、振動吸収力の極めて弱いものとなり、締付力が過多とな ったりカバー部材の共鳴を誘うなどさらに劣悪な状況に陥る。 本考案はこの様な欠点を除去し、弾性体の持つ豊かな反発力をそのままに強い 締付けをなさしめて高い密封力と耐久性を得るワッシャーシールを提供すること を目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、図１に示すように、充分な剛性を持つ金属製補強環（１）と、該金 属製補強環（１）の下方に一体的に結合される合成ゴムあるいは合成樹脂等の弾 性材からなるシール部（２）とで形成されたワッシャーシール（Ａ）であって、 前記シール部（２）の内部に断面が略〈形をなしバネ材で形成されたバネリング （３）を埋設したことを特徴としている。

【０００６】 また、前記バネリング（３）の周縁を複数箇所切り欠き菊形バネリング（３１ ）としたことを特徴としている。

【０００７】

【作用】

本考案は上記のような構造をもって下記に示す優れた作用を発揮する。 すなわち、図４に示す様に、カバー部材（Ｂ）にボルト（Ｃ）と共に取り付け られるワッシャーシール（Ａ）は、その上下部材（Ｂ）・（Ｃ）に締付けられて シール部（２）が強い圧縮力を受け弾性変形を始める。すると該シール部（２） が内含するバネリング（３）に締付力が及び、次第に圧縮され徐々に反発弾性を 強めていく。その後、該シール部（２）とバネリング（３）により締付力が強大 となり締め付け作業を完了する。

【０００８】 この状態での該ワッシャーシール（Ａ）は、前記バネリング（３）の強い反発 弾性力によって締付け作業を停止されているので、内部にあるシール部（２）は 適当な締付力によって圧縮され、従って、その弾性力に余裕を残し圧縮永久歪か ら開放される。このバネリング（３）は限界変形を与えない限り半永久的な弾性 反発力を発揮するものであり、これと前記シール部（２）の反発作用によって強 力な弾性反発をカバー部材（Ｂ）に向ける。

【０００９】

【実施例】

本考案を実施するに、シール部（２）に内含するバネリング（３）を、図面で は外周方向に徐拡する略＜形状で示したが、この略＜形状が逆向きの略＞形状で あっても一向に差し支えるものでなく、また、該形状を⊂形状とすることも可能 である。 また、図２及び図３が示すように、前記バネリング（３）の周縁を複数箇所切 り欠き菊形バネリング（３１）とすると、厚みを操作調節する以上用に自由度の 高い弾性係数が得られ求められる最適な弾性力を提供できるものとなる。

【００１０】

【考案の効果】

以上の説明のように、本考案は強締付けに対しても柔軟性を失わず、しかも長 期にわたって強力な反発弾性を維持せしめるものであり、エンジンのロッカーカ バーあるいはオイルパン等の振動及び熱負荷の強い箇所に対して優れた振動吸収 力と密封力を見せるなど理想的な作用を発揮するワッシャーシールとなったもの である。

【００１１】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のワッシャーシールの一実施例を示した
断面図である。

【図２】本考案の他の実施例の断面図である。

【図３】

【図３】の平面図である。

【図４】本考案の実施状態を示した断面図である。

【図５】本考案を使用しない従来の構造を示した断面図
である。

【図６】従来の他の構造を示した断面図である。

【符号の説明】

Ａ ワッシャーシール Ｂ カバー部材 Ｃ ボルト １ 金属製補強環 ２ シール部 ３ バネリング ３１ 菊形バネリング

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 金属製補強環（１）と、該金属製補強環
   （１）の下方に一体的に結合される弾性材製のシール部
   （２）とからなるワッシャーシール（Ａ）において；前
   記シール部（２）の内部に断面が略〈形をなしバネ材で
   形成されたバネリング（３）を埋設したことを特徴とす
   るワッシャーシール。
2. 【請求項２】 前記バネリング（３）の周縁を複数箇所
   切り欠き菊形バネリング（３１）としたことを特徴とす
   る請求項１記載のワッシャーシール。