JPH0238089Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は圧縮性及びシール性に優れ、かつ繰返
し使用にも耐えうるシールワツシヤーに関する。

〔従来の技術〕

従来、シールワツシヤーはボルト等で締着する
締結部でオイル・水等の漏洩防止を目的として使
用されており、一例をあげれば第３図の如く、金
属製補強環１と合成ゴムで形成したゴムリング２
を組合せ、該ゴムリング２の頂部に金属製補強環
１を配置し、上方から来るボルト３からの締付け
に対し該金属製補強環１でゴムリング２全体に圧
縮を伝えて密封力を発揮させるものであつた。こ
のとき該金属製補強環１はより有効均一に締付力
をゴムリング２に受け止めさせるべく断面で第３
図の様な傘形状あるいは図示していないが下向き
コ字形状などに形成したものが開発され、ゴムリ
ング２にさらに強い逃げ場のない圧力を加え高い
密封力を得さしめるのが最近の傾向である。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながらこのシールワツシヤーＡは前記の
様に強い締圧を常時受けるため通常の合成ゴム材
料では早期にへたりを起してセツトしてしまい長
期間働く密封力を持たない。勿論この様な状態で
は繰返しての使用は不可能であり、セツトすれば
増締めするかまたはそのシールワツシヤーＡを交
換するしか対処の方法を持たないなど多くの欠点
を有していた。

この欠点を解消すべく種々の材質及び形状の検
討がなされたが、密封力を向上させれば耐久性を
失ない、逆に耐久性を得さしめれば弾力性に欠け
て強い密封をなさないなど効果に対する反作用を
打ち消すに至つていない。

本考案はこれらの欠陥を除去しさらに強力な密
封を長期間保持するシールワツシヤーを提供する
ことを目的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案のシールワツシヤーＢは、第１図及び第
２図に示す様に、内側中央にボルト挿入穴を有す
る金属製補強環１を頂部に有し、該金属製補強環
１の下部に適度の固さを有する硬質弾性体リング
４を設けると共に、該硬質弾性体リング４を合成
ゴムあるいは合成樹脂等の該硬質弾性体リング４
よりも軟質な弾性体５で被覆したことを特徴とし
ている。

〔作用〕

シールワツシヤーＢの締付け工程においては自
動化・機械化されているのが一般的であつて、正
確な締付けトルクを平均的に得ることは不可能で
ある場合が多い。この場合締付け安全率をみれば
どうしても過大締付状態に調節しなければならな
いから多くの負担が該シールワツシヤーＢにかか
る。

さらに前記シールワツシヤーＢは、周囲にパツ
キングを配置したカバー形状の密封部材６を装着
させるのに用いるのを主な目的としており、該周
囲のパツキング全面に充分なシール面圧を与える
ためには該シールワツシヤーＢを強力に締付ける
必要がある。

これらのことからシールワツシヤーＢに適した
締圧を望むことは出来ず常に過締付状態におかれ
ている。

この様な状況において本考案のシールワツシヤ
ーＢは、第２図に示すごとく、ボルト３等の締結
具で締付けられる時、締付力が加わるとまず初め
に表面に位置する低硬度の弾性体５が圧縮変形し
てその上下部の金属製補強環１及びボルト３と密
封部材６に密着し、その後内部の硬質弾性体リン
グ４に過大締圧を向ける。該硬質弾性体リング４
は圧縮性の高い基材を用い強力な圧縮に対しても
過変形・破損することなく十分に持ちこたえ高い
密封性を発揮する硬度が望ましい。この過大圧力
を持ちこたえるシールワツシヤーＢはその強圧力
を内部に蓄積せず該シールワツシヤーＢの下部の
密封部材６に直接伝える。従つて前記密封部材６
がその周囲にパツキングを持つカバー部材の如き
形状物であるなら強力に該密封部材６を押えるこ
とが可能となるので前記パツキングに十分なる圧
縮面圧を与えることができる。勿論該硬質弾性体
リング４の硬度を調節すれば所望する圧縮率のシ
ールワツシヤーＢを自由に得ることができ、種々
の状況に即した広い適用範囲を持つ。

なお、該シールワツシヤーＢの硬質弾性体リン
グ４は合成ゴムあるいは合成樹脂をバインダーと
したアスベストで形成するとより効果的である。
すなわち該アスベストで形成した硬質弾性体リン
グ４は安価で、成型が容易であり、適当の圧縮性
を有していると共に耐熱性にも秀れ、内燃機関の
熱を有する部位への使用が可能となる。さらには
該アスベストで形成した硬質弾性体リング４は外
皮となる弾性体５とのなじみも良く、接着性が良
く硬質弾性体リング４と弾性体５を一体に成型し
た場合強固な接着性を発揮し締付けによる変形に
対しても剥離現象を生じないなどのすぐれた効果
を有している。なおこの時、外側の弾性体５の材
質も耐熱性を有した合成ゴムあるいは合成樹脂を
用いることがより望ましいが、使用場所によつて
はアスベストと一般的な材質の弾性体５との組合
せであつてもそのシール効果は十分発揮される。

〔実施例〕

本考案のシールワツシヤーＢを説明した図面で
は一つの実施例しか示してないがこの形状だけに
こだわるものでなく、金属製補強環１の形状も第
２図で示した傘形状以外に図示していないが例え
ば断面で平環形状・筒形状・下向きコ字形状ある
いはＬ字形状等様々な形状が用いられ、硬質弾性
体リング４と弾性体５に付いても前記の金属製補
強環１の形状と組合せて最も効果の高い構造を採
用すれば良い。

〔考案の効果〕

以上の説明の様に本考案は、強圧縮に耐えかつ
圧縮永久歪が少なく繰返し使用できる高い耐久性
を持つなど優れた多くの効果を有する理想的なシ
ールワツシヤーである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のシールワツシヤーの実施例を
示す断面図である。第２図は本考案のシールワツ
シヤーの装着状態を表わす断面図である。第３図
は従来のシールワツシヤーを示す断面図である。 Ｂ……シールワツシヤー、１……金属製補強
環、３……ボルト、４……硬質弾性体リング、５
……弾性体、６……密封部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 内側中央にボルト穴を有する金属製補強環１
   を頂部に有し、該金属製補強環１の下部に適度
   の固さを有する硬質弾性体リング４を設けると
   共に、該硬質弾性体リング４を合成ゴムあるい
   は合成樹脂等の該硬質弾性体リング４よりも軟
   質な弾性体５で被覆したことを特長とするシー
   ルワツシヤー。 (2) 硬質弾性体リング４が合成ゴムあるいは合成
   樹脂をバインダーとしたアスベストで形成され
   ていることを特長とした実用新案登録請求の範
   囲第１項記載のシールワツシヤー。