JPH05195449A - 染色されたセルロース系繊維製品の耐塩素堅牢度向上剤 及びこれを用いた処理法 - Google Patents

染色されたセルロース系繊維製品の耐塩素堅牢度向上剤 及びこれを用いた処理法

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JPH05195449A
JPH05195449A JP4048125A JP4812592A JPH05195449A JP H05195449 A JPH05195449 A JP H05195449A JP 4048125 A JP4048125 A JP 4048125A JP 4812592 A JP4812592 A JP 4812592A JP H05195449 A JPH05195449 A JP H05195449A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、染色されたセルロース系繊維製品の
汗日光堅牢度の低下を伴うことなく、該繊維製品に優れ
た耐塩素堅牢度を付与させる技術を提供すべく成された
ものである。 【構成】本発明耐塩素堅牢度向上剤はカルボノヒドラジ
ド及び一般式 【化1】 [式中、Xは炭素数1〜18のアルキレン基または一般
式 【化2】 を示す。]で表されるヒドラジド系化合物1モルに対
し、エピハロヒドリン0.5〜4モルの縮合によって生
じるポリマーを含有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明はセルロース系繊維製品の
耐塩素堅牢度向上法に関する。
【従来の技術とその問題点】染色されたセルロース系繊
維製品、中でも反応染料や直接染料によって染色された
製品は水道水中の塩素、プール水中の殺菌用塩素等の活
性塩素によって変退色することが知られており、これら
繊維製品の耐塩素堅牢度の向上が求められている。従来
より上記耐塩素堅牢度を向上させる方法としては、例え
ば、樹脂類とチオ尿素又はチオ尿素誘導体で処理する方
法(特開昭50−58374号、同62−104983
〜104986号、同63−309681〜30968
2号等)、樹脂類と尿素、グアニジン系化合物で処理す
る方法(特公昭57−29593号等)、ジアミン類及
び/又は、タンニン酸で処理する方法(特開昭56−9
6971号、同57−143583号、同57−154
475号、同58−115183号等)、アリルアミン
系ポリマーで処理する方法(特開昭58−31185
号、同63−182485号、特開平1−272887
号、同2−80681号等)、ポリエチレンポリアミン
とエピハロヒドリンを縮合させたポリマーで処理する方
法(特開昭55−152879号、同55−15288
0号、同55−152881号)等があるが、何れの方
法においても満足な耐塩素堅牢度は得られていない。ま
た、樹脂類とチオ尿素、タンニン酸(及びジアミン
類)、又は樹脂類とグアニジン系化合物で処理する方法
を用いて、染色されたセルロース系繊維製品を処理した
ときは繊維製品の変色が生じ、更に繊維製品の汗日光堅
牢度が低下する。更に、ジアミン類又はポリエチレンポ
リアミンとエピハロヒドリンを縮合させたポリマーで処
理する方法を用いたときは、他の方法に比して更に耐塩
素堅牢度向上の効果が低く、アリルアミン系ポリマーで
処理する方法により処理したときは繊維製品の汗日光堅
牢度が低下する。加えて、樹脂類とチオ尿素又は樹脂類
とグアニジン系化合物で処理する方法においては、処理
方法がパッド法、スプレー法、コート法に限定され、処
理法として最も一般的であり、綿、糸及び編織物等、素
材の形状を問わず処理が可能である吸尽法を採用するこ
とができないという欠点を有している。この様に、従来
の処理方法には、それぞれに問題点が残されており、市
場の要求を満足させるには至っていないのが現状であ
る。本発明者は、上記の問題点を解決するため研究をお
こない、染色されたセルロース系繊維製品をセミカルバ
ジド系化合物又は樹脂類とセミカルバジド系化合物で処
理すること(特願平2−326584号)及び染色され
たセルロース系繊維製品をヒドラジド系化合物又は樹脂
類とヒドラジド系化合物で処理すること(特願平3−2
64288号)によって、染色されたセルロース系繊維
製品の変色並びに汗日光堅牢度の低下を伴うことなく、
該繊維製品に優れた耐塩素堅牢度及び優れた耐久性耐塩
素堅牢度を付与させ得ることを見出した。しかし、この
場合、優れた耐久性耐塩素堅牢度向上効果が得られるも
のの、処理方法がパッド法、スプレー法、コート法に限
定され、吸尽法を用いて処理することができないという
欠点を有していた。この欠点を解消するために本発明者
は更に研究を進め、本発明を完成した。
【問題点を解決するための手段】本発明の目的は、染色
されたセルロース系繊維製品の汗日光堅牢度の低下を伴
うことなく、該繊維製品に優れた耐塩素堅牢度を付与さ
せる方法を提供することにある。即ち、本発明は、カル
ボノヒドラジド及び一般式
【化3】 [式中、Xは炭素数1〜18のアルキレン基または一般
【化4】 を示す。]で表されるヒドラジド系化合物1モルに対
し、エピハロヒドリン0.5〜4モルの縮合によって生
じるポリマーを含有することを特徴とする染色されたセ
ルロース系繊維製品の耐塩素堅牢度向上法に係わる。本
発明者の研究によれば、染色されたセルロース系繊維製
品を本発明のポリマーで処理するときは、綿、糸及び編
織物等、素材の形状を問わず処理が可能である吸尽法を
処理法として採用することができるとともに、繊維製品
に優れた耐塩素堅牢度を付与でき、しかも処理により繊
維製品の汗日光堅牢度の低下を招いたりしないことが見
出された。上記一般式(1)で表される化合物の好まし
い具体例としては、例えばアジピン酸ジヒドラジド、セ
バシン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、フ
タル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジドを挙げ
ることが出来る。本発明のポリマーは上記ヒドラジド系
化合物の一種又は二種以上とエピハロヒドリンを水又は
有機溶媒中で混合した後、触媒としてのアルカリ剤、例
えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウ
ムの存在下、30〜100℃の範囲で加熱すれば得られ
る。上記ヒドラジド系化合物とエピハロヒドリンから本
発明のポリマーを得る場合のモル比は1:0.5〜4と
することができるが、1:1〜1.9とするのが好まし
い。アルカリ剤の使用量は、エピハロヒドリン1モルに
対し、0.5〜1.5モルとすることができるが、0.
8〜1.1モルとするのが特に好ましい。本発明のポリ
マーの使用量としては、繊維に対して0.1〜5%、好
ましくは0.2〜2%程度とするのがよい。本発明で
は、必要に応じて、当分野で使用される公知の界面活性
剤、分散剤、有機溶剤等を適宜併用しても構わない。ま
た、湿潤堅牢度向上のためのフィックス剤、風合を調整
するための柔軟剤等を併用しても構わない。本発明処理
法を適用できる繊維としては、木綿、麻等の天然セルロ
ース繊維及びビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨ
ン等の再生セルロース繊維を例示できる。繊維製品とし
ては上記天然セルロース繊維及び/又は再生セルロース
繊維が含まれ、公知の方法にて染色されたものであれば
よく、これら以外の繊維が含まれていても構わない。本
発明処理法を繊維製品に適用するに当たっては特に限定
がなく、従来公知の方法を適宜使用することができる。
例えば、浸漬法においては、浴比1:5〜1:100、
処理温度50〜60℃、処理時間10〜30分等の条件
下にて処理することができる。
【実施例】以下実施例及び比較例を挙げることにより、
本発明の特徴をよりいっそう明確なものとするが、本発
明は以下の実施例に限定されるものではない。
【合成例1】攪拌装置、還流冷却器、滴下ロート及び温
度計を備えた反応容器中にカルボノヒドラジド(CD
H)300g(3.3モル)と水3066gを入れ、撹
拌して均一に溶解させた後、加熱して温度を30℃まで
上昇させた。この混合物に滴下ロートからエピクロルヒ
ドリン390g(4.2モル)を約1時間かけて滴下し
た。滴下終了30分後、水酸化ナトリウム164g
(4.1モル)を投入した。投入終了後、内温を80℃
に上げ、5時間反応をおこなった。反応終了後、反応混
合物10gを透析膜(”ダイアライシスメンブラン3
6”和光純薬社製)を用いて透析し、内容物を減圧乾燥
して淡黄色の本発明ポリマー1.2gを得た。(収率9
0%)
【合成例2】攪拌装置、還流冷却器、滴下ロート及び温
度計を備えた反応容器中にカルボノヒドラジド(CD
H)300g(3.3モル)と水3564gを入れ、攪
拌して均一に溶解させた後、加熱して温度を30℃まで
上昇させた。この混合物に滴下ロートからエピクロルヒ
ドリン510g(5.5モル)を約1時間かけて滴下し
た。滴下終了30分後、水酸化ナトリウム216g
(5.4モル)を投入した。投入終了後、内温を80℃
に上げ、5時間反応をおこなった。反応終了後、反応混
合物10gを透析膜(”ダイアライシスメンブラン3
6”和光純薬社製)を用いて透析し、内容物を減圧乾燥
して淡黄色の本発明ポリマー1.2gを得た。(収率9
0%)
【合成例3】攪拌装置、還流冷却器、滴下ロート及び温
度計を備えた反応容器中にアジピン酸ジヒドラジド(A
DH)300g(1.7モル)と水3528gを入れ、
攪拌して均一に溶解させた後、加熱して温度を40℃ま
で上昇させた。この混合物に滴下ロートからエピクロル
ヒドリン271g(2.9モル)を約1時間かけて滴下
した。滴下終了30分後、水酸化ナトリウム112g
(2.8モル)を投入した。投入終了後、内温を90℃
に上げ、9時間反応をおこなった。反応終了後、反応混
合物10gを透析膜(”ダイアライシスメンブラン3
6”和光純薬社製)を用いて透析し、内容物を減圧乾燥
して淡黄色の本発明ポリマー0.9gを得た。(収率8
5%)
【実施例1〜3】合成例1〜3で得られた本発明ポリマ
ーをそれぞれ用いて下記の条件のもとに染色された染色
布(サンプルA〜E)について試験をおこなった。尚、
以下において「%」とあるのは、特記しない限り「重量
%」を示す。 サンプルA 綿メリヤス精練布(綿100%)を染料(”Proci
on Blue HEGN”I.C.I社製) 0.0
5%owf、無水芒硝15g/l、ソーダ灰15g/l
を用い、浴比1:20で80℃×60分間染色し、水
洗、湯洗を繰り返した後、乾燥した。 サンプルB 綿メリヤス精練布(綿100%)を染料(”Proci
on YellowHE4R”I.C.I社製) 0.
65%owf、染料(”Procion Red HE
7B”I.C.I社製) 0.1%owf、染料(”P
rocionBlue HERD”I.C.I社製)
0.25%owf、無水芒硝15g/l、ソーダ灰15
g/lを用い、浴比1:20で80℃×60分間染色
し、水洗、湯洗を繰り返した後、乾燥した。 サンプルC 綿メリヤス精練布(綿100%)を染料(”Sumif
ix Supra Yellow 3RF 150%”
住友化学社製) 0.43%owf、染料(”Sumi
fix Supra Brilliant Red 3
BF 150%”住友化学社製) 0.07%owf、
染料(”Sumifix SupraBlue BRF
150%”住友化学社製) 0.17%owf、無水
芒硝15g/l、ソーダ灰15g/lを用い、浴比1:
20で60℃×60分間染色し、水洗、湯洗を繰り返し
た後、乾燥した。 サンプルD 綿メリヤス精練布(綿100%)を染料(”Proci
on Red HE7B”I.C.I社製) 0.05
%owf、無水芒硝15g/l、ソーダ灰15g/lを
用い、浴比1:20で80℃×60分間染色し、水洗、
湯洗を繰り返した後、乾燥した。 サンプルE 綿メリヤス精練布(綿100%)を染料(”Remaz
ol Turquoise Blue G”ヘキスト社
製) 0.05%owf、無水芒硝15g/l、ソーダ
灰15g/lを用い、浴比1:20で60℃×60分間
染色し、水洗、湯洗を繰り返した後、乾燥した。
【実施例1】サンプルA、B、C、D、Eについて、下
記条件で浸漬処理をおこなった後、水洗、風乾した。 処理浴…合成例1ポリマー(固形分) 1%owf 処理温度・時間…60℃×20分 浴比…1:20
【実施例2】サンプルA、B、C、D、Eについて、下
記条件で浸漬処理をおこなった後、水洗、風乾した。 処理浴…合成例2ポリマー(固形分) 1%owf 処理温度・時間…60℃×20分 浴比…1:20
【実施例3】サンプルA、B、C、D、Eについて、下
記条件で浸漬処理をおこなった後、水洗、風乾した。 処理浴…合成例3ポリマー(固形分) 1%owf 処理温度・時間…60℃×20分 浴比…1:20
【比較例1】サンプルA、B、C、D、Eについて、下
記条件で浸漬処理をおこなった後、水洗、風乾した。 処理浴…ポリアリルアミン(固形分) 1%owf 処理温度・時間…60℃×20分 浴比…1:20
【比較例2】サンプルA、B、C、D、Eについて、下
記条件で浸漬処理をおこなった後、水洗、風乾した。 処理浴…牛脂アルキルプロピレンジアミン 1%owf 酢酸 1%owf 処理温度・時間…60℃×20分 浴比…1:20
【評価試験】
【耐塩素堅牢度1】JISL−0884 弱試験(有効
塩素濃度 10ppm)に準じて、未加工布、実施例1
〜3及び比較例1、2で得られた処理布の耐塩素堅牢度
を評価した。結果を表1に示す。
【耐塩素堅牢度2】家庭用洗濯機に試験布を入れ、水道
水を6l/分の流量で通じ、かくはんしながら1時間の
水洗をおこない、未加工布、実施例1〜3及び比較例
1、2で得られた処理布の耐塩素堅牢度を評価した。結
果を表2に示す。
【汗日光堅牢度】未加工布、実施例1〜3及び比較例
1、2で得られた処理布を下記組成の処理液(汗液)に
浴比1:50で30分間浸漬し、マングルにて絞った後
(絞り率100%)、フェードオメーターにて汗日光堅
牢度を(63℃×10時間)を評価した結果を表3に示
す。 汗液組成 L−ヒスチジン塩酸塩 0.5% リン酸二ナトリウム 0.5% 塩化ナトリウム 0.5% 乳酸(85%) 0.5% 蒸留水 98.0% 合計 100.0% 尚、表1〜3中の数字は級数を示す。
【表1】
【表2】
【表3】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カルボノヒドラジド及び一般式 【化1】 [式中、Xは炭素数1〜18のアルキレン基または一般
    式 【化2】 を示す。]で表されるヒドラジド系化合物1モルに対
    し、エピハロヒドリン0.5〜4モルの縮合によって生
    じるポリマーを含有することを特徴とする染色されたセ
    ルロース系繊維製品の耐塩素堅牢度向上剤。
  2. 【請求項2】染色物を請求項1記載の耐塩素堅牢度向上
    剤で処理することを特徴とするセルロース系繊維製品の
    耐塩素堅牢度向上法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005009059A (ja) * 2003-06-18 2005-01-13 Komatsu Seiren Co Ltd 塩素堅牢度に優れた繊維布帛及びその製造方法
CN105648793A (zh) * 2016-04-01 2016-06-08 东莞市中纺化工有限公司 一种高耐氯印花色浆及其制备方法与应用
CN106087490A (zh) * 2016-06-07 2016-11-09 苏州大学 一种改善活性染料染棉织物光催化剥色均匀性的方法

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