JPH05195399A - 熱接着性複合繊維、その繊維集合物およびエレクトレット化された繊維集合物 - Google Patents
熱接着性複合繊維、その繊維集合物およびエレクトレット化された繊維集合物Info
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Abstract
を一成分とする複合繊維を得る。得られた複合繊維は熱
接着性繊維として不織布を形成し、さらに帯電させてエ
レクトレット繊維布として利用できる。 【構成】 Q値が3未満の分子量分布の小さいポリブテ
ン−1で、メルトインデックスが0.5〜15、密度
0.905〜0.930、融点115〜130℃のポリ
マを一成分とし、これより高い融点を持つポリマを他の
成分とする複合繊維で、ポリブテン−1は他の成分ポリ
マにより3個以上に区分された繊維断面構造を持ってい
る。この複合繊維を混合して得た布帛はポリブテン−1
を溶融して繊維間を接着できる。さらに溶融中に負の荷
電を印加し、持続性のある帯電性布帛が得られる。
Description
接着成分とする熱接着性繊維を用いた不織布などより高
温使用に耐えるため、熱接着性繊維の適用が困難であっ
た空調用エアーフィルターなどに都合よく、さらに帯電
特性がポリエチレンよりも優れているため熱接着加工
時、エレクトレット加工すると優れたエレクトレット繊
維集合物となり、エアーフィルターもしくはワイパーと
して都合が良い熱接着性複合繊維およびその繊維集合物
に関する。
あるが繊維化が困難で、特開昭56−15417号に芯
鞘型複合繊維の芯成分として知られているにすぎない。
レフィンと異なる立体構造を持つため特異な結晶変態を
し、結晶化速度が遅く、溶融紡糸してドラフト中に冷風
で冷却しても集束すると繊維間で融着が起こり単繊維に
なりにくかった。また長い側鎖をもつため延伸性がわる
く、延伸操作をして高強力を得ることもできなかった。
しかしポリブテン−1は100℃を超える温度でも劣化
が少なく、連続使用に耐えるほか、帯電特性はポリエチ
レンよりも優れているのでエレクトレット加工して不織
布等の繊維集合物にすると空調用エアフィルターに都合
よく利用できることが期待できる。このためポリブテン
−1を他のα−ポリオレフィン例えばポリプロピレンの
ように効率よく生産し利用することが望まれていた。
−1(PB−1)がQ値を3未満、より好ましくは2以
下の分子量分布の狭いポリマを選べば適切なバラス効果
を持ち、温度依存性の強い延伸性を示すことを知り、鋭
意検討の結果、本発明に至った。
融着防止のため、メルトインデックス(MI:g/10
分)が0.5<MI<15であり、15以上特に、20
以上であると融着しやすく好ましくなく、0.5以下で
あると複合紡糸が困難である。
末等を混合し結晶化を促進することが好ましい。
数平均分子量の比)が3未満、メルトインデックス(M
I:g/10分、測定温度190℃、加重2.169k
g、JIS−K−6760に準ず。)を0.5<MI<
15、密度(Dg/cm3 )を0.905≦D<0.9
30、融点(Tm℃)を115<Tm<130とするポ
リブテン−1を第1成分とし、融点(Tm℃)が150
≦Tm≦300の繊維成形性熱可塑性ポリマを第2成分
として、第1成分が第2成分によって少なくとも3個以
上に区分されており、区分された各第1成分はその一部
が繊維表面に露出して繊維表面の少なくとも30%を占
めていることを特徴とする熱接着性複合繊維である。
塑性樹脂は、その融点(Tm℃)が熱接着性繊維として
利用する都合上、第1成分であるPB−1の融点より2
0℃以上高い、即ち150℃以上であるのが好ましく、
溶融複合紡糸の都合上300℃未満が好ましく、具体的
にはポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレ
フィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン
66、ナイロン6−10、MXD6ナイロン(商品名、
三菱ガス化学株式会社製)、ナイロン12等のポリアミ
ドのホモポリマー、共重合体およびグラフト変性体など
が都合よい。
とにより、複合繊維は溶融紡糸直後の第1成分による繊
維間融着が少なく、熱水中で1.5倍以上に延伸が可能
になる。また、延伸処理しないスパンボンド手法で得ら
れる不織布の原料としてもドラフト性がよく良好に使用
できる。
に示すように、第1成分と第2成分により3個以上で好
ましくは8個以下、より好ましくは6個以下に区分さ
れ、かつ第1成分は繊維表面の30%以上で好ましくは
80%以下、より好ましくは60%以下を占める構造で
ある。
な熱接着成分を鞘成分とする芯鞘型構造か、あるいは図
8に示す並列型構造をとるが、本発明では図1〜図6の
ような区分型構造をとるのは、第1成分であるPB−1
に前記のQ値、MI等の範囲にあるポリマを選んでも、
紡糸口金を出てから繊維の結晶化が進むまでの間は、や
はりポリプロピレン、ポリエチレン等の他のポリオレフ
ィン系ポリマより繊維間の融着が起こりやすいためであ
る。
繊維表面のPB−1の占める部分は分散されるので、こ
れが繊維間融着防止に効果的に働くのである。尚、図3
のような異形断面の場合は繊維中心から最も遠い繊維表
面の部分はPB−1以外のポリマで占められるのが好ま
しい。
る面積割合は70:30〜20:80の範囲にあること
が好ましい。特に好ましくは60:40〜40:60の
範囲である。
成分のポリブテンのQ値が小さいため、溶融紡糸時に適
度なバラス効果を生じるので紡糸性が良好になると共に
延伸性が付与され、高強力、低伸度の繊維が得られるの
である。
で、あるいは他の繊維と混合して布帛にして使用するこ
とができる。
持続するので、不織布等の形にして集塵用のフィルター
に適している。
性複合繊維少なくとも30重量%とし、この繊維の第1
成分であるポリブテン−1の融点より高い融点を持つ他
の繊維とが混合され、少なくとも第1成分のポリブテン
−1で溶融接着され一体化されていることを特徴とする
繊維集合物である。
0〜50重量%と、ポリオレフィンを繊維表面とするポ
リオレフィン系繊維0〜50重量%からなり、少なくと
も第1成分のポリブテン−1で溶融接着され一体化され
ており、且つ少なくともポリブテン−1が帯電している
ことを特徴とする繊維集合物である。
紙、フェルト、固綿、織編物、紡績糸、フロッキー加工
品などを言い、本発明の複合繊維が30重量%以上含ま
れていれば熱接着性繊維として有効であり、帯電繊維と
して使用する場合は50重量%以上含まれているのが好
ましい。
繊維)として用いる時は、帯電寿命を長くするため、繊
維処理剤を用いずとも繊維集合物化できるスパンボンド
もしくはメルトブロー手法で繊維化するのが最も好まし
く、易水溶性繊維処理剤を用いたステープルをスパンレ
ース手法で繊維集合物化して繊維処理剤を除去したもの
でもよく、その後PB−1の融点Tmより10℃低い温
度以上の温度下で直流高電圧下に置き、負の電荷に帯電
させ、急冷するとエレクトレット化でき都合がよい。
の繊維はもちろんであるが混綿する他の繊維も全て,エ
レクトレット化の妨げになる界面活性剤などの帯電防止
剤が付着していてはならない。
は、他の繊維は電気絶縁性繊維、例えばポリエチレンな
どのポリオレフィンを鞘成分とする熱接着性複合繊維、
ポリプロピレンまたはポリメチルペンテンなどのポリオ
レフィンを繊維表面とするポリオレフィン系繊維が都合
よく、該ポリオレフィン繊維は単一成分繊維および複合
繊維のいずれであってもよい。
補強もしくはプレフィルターまたは精密濾過フィルター
としての機能を持つ熱接着性繊維を含む繊維集合物が熱
接着されていることも好ましく、これらは本発明の繊維
がエレクトレット化される前もしくはエレクトレット化
工程と同時に熱接着することができる。
としているため、熱接着加工温度は汎用されているポリ
エチレンを熱接着成分としているポリエチレン系熱接着
繊維と全く同様の135〜150℃であるにもかかわら
ず、従来のポリエチレン系熱接着繊維に比べ約30℃高
い100℃前後の温度で耐熱フィルターまたは耐熱水フ
ィルターなどとして使用可能である。
ピレンに比べ側鎖が長いため分極しやすく、且つ融点も
115〜130℃と汎用の熱加工機が使える温度で、ポ
リメチルペンテンの様に高融点でないため、汎用のエレ
クトレット素材として最適であり、高融点の他成分を用
いているため熱接着加工しても、繊維形態を保つことが
できるので、熱風中で熱接着させながら帯電処理すると
一工程で優れたエレクトレット不織布を得ることができ
る。
せで図1〜図8の繊維断面を持つ複合繊維を溶融複合紡
糸して、未延伸糸とした。この時、融着糸の有無も評価
し、無(◎)、実用上問題ない(○)、有(×)とし
た。この未延伸糸を95〜98℃の沸水中もしくは80
℃の熱水中で延伸し、単繊維切れを生じない最大延伸倍
率を測定した。この延伸糸に易水溶性の繊維処理剤を付
与してスタフィングボックスで機械捲縮加工を行った
後、100℃のコンベア型熱風貫通型乾燥機を用いて乾
燥し、51mmに切断してステープル繊維とした。このス
ープル繊維をローラーカードを用いて開繊し、目付60
g/m2のウェッブとなし、140℃熱風貫通型熱加工機で
2分間処理して熱接着不織布とし、5cm幅の不織布サン
プルを用い、常温および80℃雰囲気中での不織布の破
断強伸度を測定した結果を表1に示す。
ルのポリプロピレンステープル繊維を各50重量%混綿
し、実施例1と同様にして不織布化し、80℃雰囲気中
での破断強伸度を測定した時、2.0kgで70%であっ
た。
目付60g/m2のウェッブとなし、50kg/cm2の圧力水で
スパンレース処理し、60℃の新鮮真水に浸漬、遠心脱
水を20回繰り返した後、100℃の乾燥機で乾燥して
脱脂不織布とした。140℃雰囲気中で45kVの負の印
加を1時間行い、そのまま常温に冷却したところ9Kvの
静電気であり、1週間後も3Kvの値を示した。
布もしくはモールド型カートリッジフィルター用の熱接
着繊維として使用すれば熱接着が150℃以下でも十分
可能なため、通常の熱接着加工機で接着加工でき、且つ
連続使用可能温度が従来の汎用の熱接着繊維を用いたも
のより約30℃高い、100℃前後となるので、従来汎
用熱接着繊維を用いることができず、樹脂加工品が用い
られてきた暖房用エアーフィルターあるいは熱水用カー
トリッジフィルターなどの分野にリントフリー性の高い
フィルターを供給できる。また、繊維処理剤を含まない
本発明の繊維からなるエレクトレット不織布は、従来の
ポリプロピレンエレクトレットフィルターより高性能な
負の電荷に帯電したエレクトレットとなり、エアーフィ
ルターもしくはワイパーとして有用であり、他の繊維素
材と組み合わせることで、より性能のアップしたフィル
ターを供給でき好都合である。
図である。
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 Q値(重量平均分子量/数平均分子量の
比)が3未満、メルトインデックス(MI:g/10
分、測定温度190℃、加重2.169kg、JIS−K
−6760に準ず。)を0.5<MI<15、密度(D
g/cm3 )を0.905≦D<0.930、融点(T
m℃)を115<Tm<130とするポリブテン−1を
第1成分とし、融点(Tm℃)が150≦Tm≦300
の繊維成形性熱可塑性ポリマを第2成分として、第1成
分が第2成分によって少なくとも3個以上に区分されて
おり、区分された各第1成分はその一部が繊維表面に露
出して繊維表面の少なくとも30%を占めていることを
特徴とする熱接着性複合繊維。 - 【請求項2】 請求項1記載の熱接着性複合繊維を少な
くとも30重量%と、この繊維の第1成分であるポリブ
テン−1の融点より高い融点を持つ他の繊維とが混合さ
れ、少なくとも第1成分のポリブテン−1で溶融接着さ
れ、一体化されていることを特徴とする繊維集合物。 - 【請求項3】 請求項1記載の熱接着性複合繊維100
〜50重量%とポリオレフィンを繊維表面とするポリオ
レフィン系繊維0〜50重量%からなり少なくとも第1
成分のポリブテン−1で溶融接着され、一体化されてお
り、且つ少なくともポリブテン−1が帯電していること
を特徴とする繊維集合物。
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---|---|---|---|
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-
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- 1992-01-22 JP JP3263292A patent/JP3242969B2/ja not_active Expired - Fee Related
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