JPH05194190A - 医薬または化粧用3相ボディーローション - Google Patents

医薬または化粧用3相ボディーローション

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JPH05194190A
JPH05194190A JP4228417A JP22841792A JPH05194190A JP H05194190 A JPH05194190 A JP H05194190A JP 4228417 A JP4228417 A JP 4228417A JP 22841792 A JP22841792 A JP 22841792A JP H05194190 A JPH05194190 A JP H05194190A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 身体用医薬または化粧品として使用される、
分離時間が短く、さわやかな3相ローションを提供する
こと。 【構成】 上部油性相、中間シリコーン相および下部水
性相を含むボディー用3相ローションであって、それが
少なくとも1種の揮発性シリコーンを含むことを特徴と
する3相ローション。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬または化粧用3相
ボディーローションに関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】多相
ローションは、特に化粧または医薬有効成分の賦形剤と
して知られており、相互に不溶性の少なくとも2種の流
体相を含むため、それらは静止時には分離層形態で存在
する。上記ローションの使用者は、それを体に適用する
前に、それを数秒間振り混ぜることにより乳液を生成さ
せる。使用後、別個の相は再形成されるが、それにかか
る時間はある程度変動し得る。多相ローションの利点
は、それらが、例えば脂肪相中に親油性有効成分を含む
と同時に水性相中に親水性有効成分を含み得、かつ2有
効成分が静止時に接触することはあり得ない点である。
これは、有効成分が互いにまたはある種の賦形剤とは不
適合である場合に重要である。例えばイギリス国特許出
願第2206048号は、主として、ポリオールおよび
/またはアルコールを含む水性相、揮発性シリコーンを
含む油性相およびジメチコーンコポリオール型であり得
る界面活性剤から成る2相ローションについて記載して
いる。しかしながら、2相ローションは、2相間におけ
る大きな界面的表面に関連した不利な点を有しているた
め、様々な有効成分間における望ましくない相互作用は
完全には阻止されない。
【0003】従って、シリコーン油、特に上部脂肪相お
よび下部水性相の両方に不溶性のポリジメチルシロキサ
ン(以後、PDMS)から成る中間相を特徴とする3相ロ
ーションが提案された。これらのローションはドイツ国
特許出願DE3009763に記載されており、その実
施例4では、水性相、PDMSを含む疎水性相および液
体パラフィン、2−オクチルドデカノールおよびデシル
オレエートにより構成される脂肪性第3相から成るロー
ションが説明されている。さらに、3相化粧ローション
は、日本国特許出願(公開番号)57−144210に記
載されている。しかしながら、このタイプの3相ローシ
ョンは、特に使用後の相分離に長時間を要することおよ
びそれらの美容的効果に関して若干の不利な点を有す
る。中間シリコーン油層の存在は、油のタイプおよび濃
度によっては使用者に皮膚における不快な脂じみた感じ
を与え得る。事実、このタイプのローションは、使用者
が容器を絶えず動かす必要も無く乳液を使用し得るため
には、乳化状態から出発して5分以上の時間かけて相分
離を呈するのが望ましい。さらに、3相の再形成の美的
視覚効果が妥当な時間内に生み出されるためには、この
時間は24時間未満であるのが望ましい。
【0004】
【課題を解決するための手段】予想外の驚くべきことで
あるが、上記の3相ローション、好ましくはローション
のシリコーン相に若干の少なくとも1種の揮発性シリコ
ーンを加えると、3相ローションの上部2相の分離時間
が低減化されると同時に、これを皮膚に適用すると爽や
かな作用が得られる製品が提供されるという効果が得ら
れることが見出された。すなわち、本発明の対象は、少
なくとも1種の揮発性シリコーンを含むことを特徴とす
る、上部油性相、中間シリコーン相および下部水性相を
含む化粧または医薬用3相ボディーローションである。
本明細書の意図するところでは、「油性相」という表現は
シリコーン油を除外するものと理解される。化粧組成物
中に存在することが多い界面活性剤は皮膚を刺激し得る
ことから、この成分を含む必要の無い本発明ローション
は追加的な利点を有する。また、この成分は使用されな
いため、本発明ローションの最終コストの低減化が達成
され得る。
【0005】本発明に従い使用される揮発性シリコーン
は、油性相およびシリコーン相の両方に可溶性であるた
め、これら2相に分配される。揮発性シリコーンとして
は、式
【化2】 (式中、nは3〜8の整数である)で示されるシクロメチ
コーンの使用が可能である。特に好ましいシクロメチコ
ーンの中でも、シクロペンタジメチルシロキサン(n=
5)およびシクロテトラジメチルシロキサン(n=4)が挙
げられる。特に、「DCフルイド244」、「DCフルイ
ド245」、「DCフルイド344」および「DCフルイド
345」という名称でダウ・コーニングにより市販され
ている製品の使用が可能である。本発明に従い使用され
得る他のシクロメチコーン類は、「アビルK4」という名
称でゴールドシュミットにより、「シルビオン7004
5V2」および「シルビオン・ユル70045V5」とい
う名称でローン・プーランにより、および「ボラティル
・シリコーン7158」および「ボラティル・シリコーン
7207」という名称でユニオン・カーバイドにより市
販されている製品である。また、別のタイプの揮発性シ
リコーンとしては、式
【化3】 (式中、nは13またはそれ未満の整数、好ましくはn≦
3である)で示されるPDMSを挙げることができる。
【0006】正確さを期するため、本発明による水性相
の比率は、目的とする用途に従い大きく変動し得るため
(ローションの全重量に関して5ないし90%、好まし
くは40ないし80%)、油およびシリコーン相並びに
揮発性シリコーンの全重量に対するこれら3構成成分
(以後、非水性構成成分と称す)の比率を表現するのが適
当である。すなわち、本発明ローションは、一般に非水
性構成成分の全重量に関して、1〜70%の比率で揮発
性シリコーン、10〜60%の比率で油性相、および1
0〜55%の比率でシリコーン相を含み得る。好ましい
態様によると、本発明ローションは、25〜60%の比
率で揮発性シリコーンを含む。特に好ましい態様による
と、本発明ローションは、非水性構成成分の全重量に対
して、25〜60%の比率で揮発性シリコーン、15〜
45%の比率で油性相、および15〜45%の比率でシ
リコーン相を含む。相のより明確な分離を確実にするた
めには、相異なる相の粘度がある限界内に含まれるのが
好ましい。この発明において、粘度はすべて25℃で測
定した値を指す。すなわち、シリコーン相は、一般に1
5ないし800mm2/秒、好ましくは30ないし400m
m2/秒の粘度を呈しなければならない。しかしながら、
これは、シリコーン相の混合物のある種の構成成分が、
個々にこれらの限界を越える粘度を呈し得ないことを意
味するわけではない。油性相は、一般に3ないし400
mm2/秒、好ましくは10ないし200mm2/秒の粘度を
呈しなければならない。
【0007】3相ローション(2相ローションではなく)
の形成を確実にするためには、シリコーン相よりも密度
が低くなるように油性相を処方するのが適当である。い
かなる状況であっても、油およびシリコーン相は水より
も低密度であるため、本発明ローションの上部および中
間層を形成する。しかしながら、良好な視覚効果を確実
にするためには、3相の密度を正確な限界内にするのが
好ましい。すなわち、シリコーン相の密度は、0.92
ないし0.99g/cm3、好ましくは0.93ないし0.9
7g/cm3であり得、油性相の密度は0.80ないし0.9
6、好ましくは0.88ないし0.91g/cm3であり得
る。油性相の密度および粘度は具体的に上述した通りで
あるが、これは、油類の混合物のある種の構成成分が個
々に所定の限度外の値を有し得ないことを意味するわけ
ではない。本発明ローションの下部水性相の場合、主と
して水が使用され、所望により水溶性有効成分が水性相
の全重量に対して1〜50重量%、好ましくは3ないし
30重量%の比率で含まれ得る。本発明の好ましい態様
によると、ローションの全重量に関して好ましくは0.
0001ないし1%の濃度で存在するアルコールが水性
相に加えられる得る。
【0008】本発明の別の好ましい態様によると、水性
相に、3相ローションの撹はん中における乳液の形成を
改善する効果を有する少なくとも1種のゲル化剤が加え
られ得る。ゲル化剤としては、例えば流動いき値が低く
(すなわち、それら自体の重量下で流動し得るゲル)、ゲ
ル化能力が低いものが使用され得る。ゲル化剤には、天
然タイプのもの、例えばガラクトマンナン類、例えばグ
アールゴムおよびイナゴマメゴム、カラゲーニン類、例
えばD−ガラクトピラノース、アルギネート類、例えば
アルギン酸ナトリウム(ポリマンヌロネートおよびグル
ロネート)、セルロース類およびそれらの誘導体、例え
ばメチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセル
ロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース、キ
サンタンゴム類、例えばD−グルコース、D−マンノー
スおよびD−グルクロン酸モノマーから成るものがあり
得る。またはその他、カルボキシビニルポリマー型の合
成ゲル化剤、例えばグッドリッチにより「カルボポール」
という名称で市販されているもの、またはグリセリンポ
リメタクリレート類、例えばガーディアンにより「ルブ
ラジェル」という名称で市販されているもの、または「S
LM23008」という名称でワッカーにより市販され
ているポリエーテルシリコーンワックス型の合成ゲル化
剤があり得る。
【0009】ゲル化剤は、水性相の全重量に関して0.
01〜10重量%の比率で存在し得る。上記ゲル化剤を
使用する場合、一般に0.01ないし20ポアズ(1〜2
00mm2/秒)、好ましくは0.01ないし2ポアズ(1な
いし20mm2/秒)の水性相粘度を与えるのに充分な量を
使用するのが好ましい。すなわち、各範ちゅうのゲル化
剤の代表的比率は次の通りである: −ガラクトマンナン類、カラゲーニン類およびアルギネ
ート類の場合、水性相に対して0.01〜2重量%、好
ましくは0.05〜0.5重量%、 −セルロース類およびそれらの誘導体の場合、0.01
〜10%、好ましくは0.3〜7%、 −キサンゴム類の場合、0.01〜0.3%、好ましくは
0.01〜0.1%、および −合成ゲル化剤の場合、0.01〜2%、好ましくは0.
05〜0.5%。ゲル化剤を使用する場合、この薬剤
は、水性相が0.98ないし1.5g/cm3、好ましくは
0.99ないし1.3g/cm3の密度を呈する量でなくては
ならない。
【0010】本発明ローションのシリコーン相は、25
℃で粘度が約15mm2/秒を越える医薬上および/また
は化粧上許容し得る非揮発性流動性シリコーン製品、例
えばシリコーン油類、特にポリジメチルシロキサン類
(PDMS類)、PDMSと組み合わせたトリメチルシロ
キシシリケート類(コスメティック・トイレトリー・ア
ンド・フレグランス・アソーシエイション・オブ・ワシ
ントンにより与えられた名称)、ポリジメチルシロキサ
ノール類、ポリフェニルメチルシロキサン類およびトリ
メチルシリルモノペンタエリスリトールを含み得る。本
発明に従い使用され得るPDMSは下記一般式を有す
る。
【化4】 (式中、nは、10mm2/秒ないし2.5×106mm2/秒の
粘度に対応する14〜2000の整数である)本発明に
適した市販されているPDMSの中で、下記の製品を挙
げることができる。 −ダウ・コーニングにより市販されている「DCフルイ
ド200」(10mm2/秒ないし2500mm2/秒の粘
度)、 −ジェネラル・エレクトリックにより市販されている
「ビスカシル60M」(60000mm2/秒)、「SF−12
14」および「SF−1236」、 −ゴールドシュミットにより市販されている「エビル1
0」および「エビルK3」、 −ローヌ・プルンクにより市販されている「ローダーシ
ル47V10」、「シルビオン70047V10」、「シル
ビオン70047V100」および「シルビオン7004
7V300」、 −ユニオン・カーバイドにより市販されている「シリコ
ーン・オイルL45」(10〜100mm2/秒)。
【0011】本発明に従い使用され得るトリメチルシロ
キシシリケート類の中では、市販製品:ダウ・コーニン
グにより市販されている「DCフルイド593」、および
ジェネラル・エレクトリックにより市販されている「シ
リコーンSSX4267」、「シリコーンSS4230」
および「シリコーンSS4267」が挙げられ得る。本発
明に従い使用され得るポリジメチルシロキサノール類は
下式を有する。
【化5】 (式中、nは3ないし2000の整数である)この中で
も、市販製品:ダウ・コーニングにより市販されている
「DC Q2−1403」(100mm2/秒)および「DC Q
2−1401」を挙げることができる。本発明に従い使
用され得るポリフェニルメチルシロキサンは下式を有す
る。
【化6】 (式中、n=1〜400およびm=0〜100)
【化7】 (式中、n=0〜400)上記の中では、市販製品:ダウ
・コーニングにより市販されている「DCフルイド55
6」、ゴールドシュミットにより市販されている「エビル
AV200」、「エビルAV350」および「エビルAV1
000」、およびワッカーにより市販されている「シリコ
ーンVP1120」を挙げることができる。本発明に従
い使用され得るトリメチルシリルモノペンタエリスリト
ールは、下式を有する。
【化8】 トリメチルシロキシシリケートを使用する場合、それら
は10〜35のPDMSに関する重量比で存在する。
【0012】本発明ローションの油性相は、医薬上また
は化粧上許容し得る化粧品の通常使用温度で安定した流
動性油(または油類の混合物)、例えば植物または動物
油、鉱物または合成油および脂肪酸トリグリセリドによ
り構成され得る。修飾または非修飾植物または動物油の
中では、例えば甘へん桃油、アボカド油、ひまし油、オ
リーブ油、ジョジョバ油、ヒマワリ油、小麦胚芽油、ゴ
マ油、グラウンドナッツ(groundnut)油、ブドウ種油、
大豆油、なたね油、ベニバナ油、コプラ油、とうもろこ
し油、ヘーゼルナッツ油、カリテバター、パーム油、ア
プリコット仁油またはカロフィラム油を挙げることがで
きる。無機油の中では、パラフィン油を挙げることがで
きる。脂肪酸トリグリセリド類の中では、カプリル/カ
プリン酸トリグリセリド、C10〜C18トリグリセリドお
よびC12〜C18トリグリセリドを挙げることができる。
本発明ローションをそのまま皮膚または毛髪に適用する
ことにより、そこにその構成成分固有の特性が付与され
得る。しかしながら、例えばスリミング、加湿、日焼け
止め、老化防止または軟化活性を与えるためには、少な
くとも1種の有効成分をそこに混入させるのが好まし
い。
【0013】上述した通り、脂溶性成分は油性相に溶
け、水溶性成分は水性相に溶け得るため、混入される有
効成分の選択に関する制限は無い。脂溶性有効成分の中
でも、老化防止剤としてレチノール、およびスリミング
および軟化剤としてDLアルファ−トコフェロールのニ
コチネート、薬用にんじん(Panax ginseng)の根の油性
抽出物、セイヨウキヅタ(ヘデラ(Hedera)・helix)の油
性抽出物、アルニカ(アルニカ・モンタナ(Arnica mont
ana)L)のドライフラワーの油性抽出物、ローズマリー
(ロスマリヌス・オフィシナリス(Rosmarinus officina
lis)N)の油性抽出物、マリゴールド(カレンデューラ・
オフィシナリス(Calendula officinalis))の油性抽出
物、セージ(サルビア・オフィシナリス(Salvia offici
nalis)L)の油性抽出物、セント・ジョーン(St.John)
草(ヒペリクム・ペルフォラツム(Hypericum perforatu
m))の油性抽出物、ミドウスイート(フィルペンデューラ
・ウルマリア(Filpendula ulmaria)L)の油性抽出物、
ビッグ・フラワード・ジャーバ・ティー(big-flowered
Jarva tea)(オルトシフォン・スタミネウス・ベント
(Orthosiphon stamineus Benth))の油性抽出物および
ヒバマタ(フークス・ベシクロスス(Fucus vesiculosu
s))の油性抽出物を挙げることができる。
【0014】芳香およびスリミング剤として精油、例え
ばセイロン・シナモン・エッセンス、シベリアン・スト
ーン・パイン・エッセンス、セイロン・ナツメグ・エッ
センス、バージニア・ウッド・エッセンス、芳香剤、保
存剤、酸化防止剤、顔料またはUV遮蔽剤を加えること
も可能である。脂溶性UV遮蔽剤の中では、ジバウダン
により「パルゾールMCX」という名称で市販されている
2−エチルヘキシル−4−(パラメトキシ)シナメート、
BASFにより「ウビヌールM40」という名称で市販さ
れている2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
を挙げることができる。水溶性UV遮蔽剤の中では、B
ASFにより「ウビヌールMS40」という名称で市販さ
れている2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノ
ン−5−スルホン酸を挙げることができる。水溶性有効
成分の中では、スリミング剤、例えばキサンチン誘導
体、例えばカフェイン、テオブロミン、テオフィリン、
L−カルニチンまたはジメチルアミノエチルテオフィリ
ン塩酸塩、メチルシラノール・テオフィリンアセテート
・アルギネート型の珪素誘導体、遊離エスシン酸型の植
物誘導体、セイヨウキヅタの総サポニン、セイヨウキヅ
タの水性グリコール抽出物、褐藻の水性グリコール抽出
物、樺の樹皮の水性グリコール抽出物、新鮮な野生パン
ジーの水性グリコール抽出物および新鮮なセージの葉の
の乾燥水性抽出物、加湿剤、例えばグリセリン、プロピ
レングリコール、ソルビトール、プロリン、ピロリドン
カルボン酸およびそのナトリウム誘導体、尿素、コラー
ゲン、アロエ・ベラ・ゲル、ヒアルロン酸およびそのナ
トリウム誘導体、ジメチルシラノールヒアルロネートお
よびアラントイン、軟化剤、例えば分子量400(PE
G400)および分子量600(PEG600)のポリエ
チレングリコール、保存剤、着色剤およびUV遮蔽剤を
挙げることができる。
【0015】また、本発明によると、本発明ローション
の構成相の少なくとも2つにに部分溶解する有効成分も
考えられ得る。水溶性ではあるが部分的に脂溶性の成分
の中では、キサンチン基剤、例えばカフェインが挙げら
れ得る。反対に、アルファトコフェロールのニコチネー
トは、油類に対する溶解性は高いが、水に対しては部分
的にしか溶解しない。上述した通り、有効成分が互いに
不適合であり得る場合でも、油性相に親油性有効成分を
含ませると同時に水性相に親水性有効成分を含ませるこ
とが可能である。実例として、下記のものを挙げること
ができる。 1.油性相に可溶性であるステアリン酸ナトリウム、お
よび酸性pH(6未満)で水性相に可溶性のヘキサミジン
ジイソチオネート、 2.油性相に可溶性のステアリン酸カルシウム、および
水性相に可溶性の硫酸カリウム。中間シリコーン相は、
水に不溶性の硫酸カルシウム沈澱の形成を遅らせる。
【0016】さらに、中間相が上部相および下部水性相
間の接触を阻止している場合には、水の存在下では不安
定なある種の有効成分、例えばレチノールも本発明に従
い製剤化され得る。また、化粧品および医薬に常用され
る他の物質、例えば保存剤、着色剤および香料なども本
発明ローション中に混入され得る。本発明ローション
は、成分を適当な順序で単に混合することにより製造さ
れる。しかしながら、揮発性シリコーンを油性構成成分
(複数もあり得る)へ加える前に非揮発性シリコーン構成
成分に加えるのが好ましい。次いで、ローションについ
て予測される使用に充分な量の水を加える。本発明3相
ローションは、適当であれば、混入される有効成分(複
数もあり得る)のタイプ次第で、あらゆる化粧および/
または皮膚適応症に適している。本発明ローションは、
例えば身体マッサージ用のスリミング・ローションの場
合に特に適している。さらに、本発明ローションは、日
焼け止め、メーキャップ落とし、洗髪後の毛髪の手入れ
および同様の目的用のボデイー・トニックローションに
より構成され得る。以下、製剤の実施例により非限定的
に本発明を説明する。ただし、Aは油性相を表し、Bは
シリコーン相を表し、Cは水性相を表す。
【0017】
【実施例】
組成例 実施例1 日焼け止めローション (A)大豆油・・・18% BASFにより「ウビノールM40」という名称で市販さ
れている2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
・・・2%、香料・・・適量、保存剤、酸化防止剤・・
・適量、(B)ダウ・コーニングにより「DCフルイド2
00」(350mm2/秒)という名称で市販されているポリ
ジメチルシロキサン・・・33%、「ボラティル・シリ
コーン7158」・・・10%、(C)エキシモールによ
り「アルギジウム」という名称で市販されているメチルシ
ラノールマンヌロネート・・・0.1%AS、保存剤、
着色剤・・・適量、水・・・適量加えて100%とす
る。混合後、ローションは1時間かけて3相に分離し、
揮発性シリコーンは油性相およびシリコーン相に分配さ
れる。
【0018】実施例2 加湿性ボデイーローション (A)アプリコット油・・・15%、D,L−アルファ−
トコフェロール酢酸塩・・・1%、(B)「DCフルイド
200」(10mm2/秒)・・・10%、「ボラティル・シ
リコーン7158」・・・22%、(C)エキシモールに
より「テオフィリシラン」という名称で市販されているメ
チルシラノールテオフィリンアセテート・アルギネート
・・・0.1%AM、サノフィにより「アウビー・ガムx
2」という名称で市販されているガラクトピラノースス
ルフェート・・・0.07%、水・・・適量加えて10
0%とする。混合後、乳化したローションは1/2時間
かけて3相に分離し、揮発性シリコーンは油性相および
シリコーン相間に分配される。
【0019】実施例3 スリミング・ローション (A)なたね油・・・13%、ガテュフォーシュにより
「ベジトール・ユル・ド・リール4149」という名称で
市販されている無機油、アプリコット仁油およびキヅタ
抽出物・・・2%、着色剤、香料・・・適量、保存剤、
酸化防止剤・・・適量、(B)「DCフルイド200」(3
50mm2/秒)・・・3%、「DCフルイド200」(10m
m2/秒)・・・7%、「ボラティル・シリコーン715
8」・・・25%、(C)カフェイン・・・0.5%、「ア
ウビー・ガムx2」・・・0.1%、保存剤・・・適量、
着色剤・・・適量、水・・・適量加えて100%とす
る。混合後、乳化したローションは1時間かけて3相に
分離し、揮発性シリコーンは油性相およびシリコーン相
間に分配される。
【0020】実施例4 ボディー着香性ローション (A)小麦胚芽油・・・16%、クレアツィオン・アロマ
ティークにより市販されている「88−1383」濃縮物
・・・1%、(B)「DCフルイド200」(350mm2
秒)・・・2%、「DCフルイド200」(10mm2/秒)・
・・8%、「ボラティル・シリコーン7158」・・・2
2%、(C)グリセリン・・・2%、「アウビー・ガムx
2」・・・0.1%、保存剤・・・適量、着色剤・・・適
量、蒸留水・・・適量加えて100%とする。混合後、
乳化したローションは1時間かけて3相に分離し、揮発
性シリコーンは油性相およびシリコーン相間に分配され
る。
【0021】実施例5 スリミングローション (A)なたね油・・・20%、香料・・・適量、保存剤、
酸化防止剤・・・適量、着色剤・・・0.0004%、
(B)ダウ・コーニングにより「DC Q2−1403」と
いう名称で市販されているポリジメチルシロキサノール
・・・7%、「ボラティル・シリコーン7158」・・・
26%、(C)カフェイン・・・0.5%、保存剤・・・
適量、蒸留水・・・適量加えて100%とする。混合
後、ローションは12時間かけて全体的に3相に分離
し、揮発性シリコーンは油性相およびシリコーン相間に
分配される。
【0022】実施例6 スリミング・ローション (A)なたね油・・・13%、ガテュフォーシュにより
「ベジトール・ユル・ド・リール4149」という名称で
市販されている鉱油、アプリコット仁油およびキヅタ抽
出物・・・2%、着色剤、香料・・・適量、保存剤、酸
化防止剤・・・適量、(B)「DCフルイド200」(35
0mm2/秒)・・・3%、「DCフルイド200」(10mm2
/秒)・・・7%、「ボラティル・シリコーン7158」
・・・25%、(C)カフェイン・・・0.5%、メチル
シラノールテオフィリンアセテート・アルギネート・・
・0.1%、PEG400・・・3%、保存剤・・・0.
4%、水・・・適量加えて100%とする。
【0023】実施例7 スリミング・ローション (A)なたね油・・・13%、ガテュフォーシュにより
「ベジトール・ユル・ド・リール4149」という名称で
市販されている鉱油、アプリコット仁油およびキヅタ抽
出物・・・2%、着色剤、香料・・・適量、保存剤、酸
化防止剤・・・適量、(B)「DCフルイド200」(35
0mm2/秒)・・・3%、「DCフルイド200」(10mm2
/秒)・・・7%、「ボラティル・シリコーン7158」
・・・25%、(C)カフェイン・・・0.5%、メチル
シラノールテオフィリンアセテート・アルギネート・・
・0.1%、ワッカーにより市販されているポリエーテ
ルシリコーン・ワックス「SLM23008」・・・1.
5%、保存剤・・・0.4%、水・・・適量加えて10
0%とする。混合後、実施例6および7のローションは
約1時間かけて分離し、揮発性シリコーンは油性相およ
びシリコーン相間に分配される。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部油性相、中間シリコーン相および下
    部水性相を含むボディー用3相ローションであって、そ
    れが少なくとも1種の揮発性シリコーンを含むことを特
    徴とする、3相ボディーローション。
  2. 【請求項2】 水性相の比率が、ローションの全重量に
    関して5ないし90重量%、好ましくは40ないし80
    重量%であることを特徴とする、請求項1記載の3相ロ
    ーション。
  3. 【請求項3】 揮発性シリコーンおよび油およびシリコ
    ーン相の全重量に対し、重量にして1〜70%の割合で
    少なくとも1種の揮発性シリコーン、10〜60%の割
    合で油性相、および10〜55%の割合でシリコーン相
    を含むことを特徴とする、請求項1または2記載の3相
    ローション。
  4. 【請求項4】 揮発性シリコーンが、下式 【化1】 (式中、nは3〜8の整数である)に相当することを特徴
    とする、請求項1、2または3記載の3相ローション。
  5. 【請求項5】 揮発性シリコーンが、シクロペンタジメ
    チルシロキサンおよびシクロテトラジメチルシロキサン
    から選択されることを特徴とする、請求項1〜4のいず
    れか1項記載の3相ローション。
  6. 【請求項6】 シリコーン相が、所望によりトリメチル
    シロキシシリケート、ポリジメチルシロキサノール、ポ
    リフェニルメチルシロキサンおよびトリメチルシリルモ
    ノペンタエリスリトールと組み合わせた形で、少なくと
    も1種のポリジメチルシロキサンにより構成されること
    を特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項記載の3相
    ローション。
  7. 【請求項7】 25〜60%の割合で揮発性シリコーン
    を含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項
    記載の3相ローション。
  8. 【請求項8】 25〜60%の割合で揮発性シリコー
    ン、15〜45%の割合で油性相、および15〜45%
    の割合でシリコーン相を含むことを特徴とする、請求項
    1〜7のいずれか1項記載の3相ローション。
  9. 【請求項9】 水性相がゲル化剤を含むことを特徴とす
    る、請求項1〜8のいずれか1項記載の3相ローショ
    ン。
  10. 【請求項10】 ゲル化剤が、ガラクトマンナン、カラ
    ゲーニン、アルギネート、セルロースまたはセルロース
    誘導体またはキサンタンゴムから選択される天然タイプ
    またはカルボキシビニルポリマー、グリセリンポリメタ
    クリレートまたはポリエーテルシリコーンワックスから
    選択される合成タイプに属することを特徴とする、請求
    項9記載の3相ローション。
  11. 【請求項11】 ゲル化剤がカラゲーニンであることを
    特徴とする、請求項9および10のいずれか1項記載の
    3相ローション。
  12. 【請求項12】 様々な相が、油性相の場合3〜40
    0、好ましくは10〜200mm2/秒、シリコーン相の
    場合15〜800、好ましくは30〜400mm2/秒、
    および水性相の場合1〜200、好ましくは1〜20mm
    2/秒といった粘度を有することを特徴とする、請求項
    1〜11のいずれか1項記載の3相ローション。
  13. 【請求項13】 様々な相が、油性相の場合0.80〜
    0.96、好ましくは0.88〜0.91g/cm3、シリコ
    ーン相の場合0.92〜0.99、好ましくは0.93〜
    0.97g/cm3、および水性相の場合0.98〜1.5、
    好ましくは0.99〜1.3g/cm3といった密度を有する
    ことを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項記載
    の3相ローション。
  14. 【請求項14】 油性相が、少なくとも1種の植物油、
    1種の動物油、1種の鉱油または合成油または少なくと
    も1種の脂肪酸トリグリセリドにより構成されることを
    特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項記載の3相
    ローション。
  15. 【請求項15】 さらに脂溶性および/または水溶性化
    粧および/または皮膚科有効成分、着色剤、香料または
    保存剤を含むことを特徴とする、請求項1〜14のいず
    れか1項記載の3相ローション。
  16. 【請求項16】 有効成分が、スリミング剤、加湿剤、
    抗老化剤、柔軟剤およびUV遮蔽剤から選択されること
    を特徴とする、請求項15記載の3相ローション。
  17. 【請求項17】 0.0001〜1%の含有率でアルコ
    ールを含むことを特徴とする、請求項1〜16のいずれ
    か1項記載の3相ローション。
  18. 【請求項18】 界面活性剤を含まないことを特徴とす
    る、請求項1〜17のいずれか1項記載の3相ローショ
    ン。
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