JPH0519294U - 昇降機構付き荷物運搬車両 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］ 従来装置に比べてより高く荷物を上方に持ち
上げることができ、また、狭い開口を通して荷物を上方
に持ち上げることができる昇降機構付き荷物運搬車両を
提供すること。 ［構成］ 走行可能な車体３と、車体３に立設された昇
降機構５と、昇降機構５に支持された荷物載置用の爪７
とを備え、爪７は昇降機構５に連結される上下方向に長
い縦片部７０１と、縦片部７０１の長手方向の端部から
車体３の前方に延出する横片部７０２とで構成されてい
る昇降機構付き荷物運搬車両１において、昇降機構５と
爪７との間に、垂直面内において爪７を旋回させる旋回
機構３１を設けたことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は昇降機構付き荷物運搬車両に関し、更に詳細には、荷物を開口を通し て上方に運ぶ場合等に有利な昇降機構付き荷物運搬車両に関する。

【０００２】

【従来の技術】

ＰＣ材（特にＲＰＣ材）により建物を構築するＰＣ工法では、通常、タワーク レーン等の重機が設置され、このタワークレーン等によりＰＣ材を建物の内部に 搬入するようにしている。 しかし、敷地条件や建物形状からタワークレーン等の重機を設置できない場合 もある。 このような場合、フォークリフト等のような昇降機構付き荷物運搬車両を各階 スラブに載せ、この昇降機構付き荷物運搬車両により荷物を運搬し搬入すること が考えられる。 この種の昇降機構付き荷物運搬車両の多くは、走行可能な車体と、車体に立設 された昇降機構と、昇降機構に支持される荷物載置用の爪とを備える。 そして、爪は昇降機構に連結される上下方向に長い縦片部と、縦片部の長手方 向の端部から車体の前方に延出する横片部とで構成され、一般に、横片部は縦片 部の下端に形成され、この横片部上に荷物が載置される。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

そのため、例えば、階下のスラブから階上のスラブ上にＰＣ材（床部材等）を 持ち上げるような場合、爪の縦片部の下端に横片部が位置している関係上、縦片 部の高さに対応した分、荷物をより上方へ持ち上げることができない不利がある 。 また、階下のスラブから階上のスラブの開口を通してＰＣ材を階上に持ち上げ るような場合、階上のスラブの開口が、持ち上げるべきＰＣ材が通過するに足り る狭い大きさであると、昇降機構の上部が開口の縁に衝当してしまうため、階上 の開口上にＰＣ材を持ち上げることができない不具合がある。 本考案は前記事情に鑑み案出されたものであって、本考案の目的は、従来装置 に比べてより高く荷物を上方に持ち上げることができ、また、狭い開口を通して 荷物を上方に持ち上げることができる昇降機構付き荷物運搬車両を提供すること にある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するため本考案は、走行可能な車体と、前記車体に立設された 昇降機構と、前記昇降機構に支持された荷物載置用の爪とを備え、前記爪は昇降 機構に連結される上下方向に長い縦片部と、縦片部の長手方向の端部から前記車 体の前方に延出する横片部とで構成されている昇降機構付き荷物運搬車両におい て、前記昇降機構と爪との間に、垂直面内において爪を旋回させる旋回機構を設 けたことを特徴とする。

【０００５】

【実施例】

以下、本考案の好適実施例を添付図面に従って説明する。 図１は本実施例に係る昇降機構付き荷物運搬車両の側面図、図２は同・正面図 を示す。 １は昇降機構付き荷物運搬車両（建方フォークリフト）で、車両１は、車体３ と、前記車体３に立設された昇降機構５と、昇降機構５に支持された荷物載置用 の爪７を備える。 車体３は、前四輪９と、駆動輪および操舵輪である後二輪１１により走行可能 に支持され、車体３には、座席１３及びハンドル１５が備えられた運転席１７が 設けられている。

【０００６】 前記昇降機構５は運転席１７の前方に立設されている。 この実施例では、運転席１７の前部左右にフレームメンバー１９が立設され、 この左右の各フレームメンバー１９の上下に夫々油圧シリンダ２１が前方に向け て固設され、これら４本の油圧シリンダ２１の各ピストンロッドにより昇降機構 ５が車体３の前後方向にスライド可能に且つ垂直に支持されている。 昇降機構５は、上下に延出する第１ガイド５０１，第２ガイド５０２，第３ガ イド５０３、及びこれら３組のガイド５０１，５０２，５０３を互いにスライド させる駆動手段からなる。 前記第１，第２，第３ガイド５０１，５０２，５０３は左右に間隔をおいた一 対の部材からなり、第１ガイド５０１の内側に第２ガイド５０２が，第２ガイド ５０２の内側に第３ガイド５０３が配置され、これらガイド５０１，５０２，５ ０３を互いにスライドさせる駆動手段は、種々の公知構造を用いて構成すること ができる。

【０００７】 ３１は昇降機構５と爪７との間に設けられた旋回機構で、旋回機構３１は第３ ガイド５０３の一対の部材間に取り付けられたフレーム３１０１と、フレーム３ １０１で支持されたモータ等の駆動源３１０２と、駆動源３１０２に接続された 減速機構３１０３と、減速機構３１０３により回転される回転軸３１０４等から 構成され、旋回機構３１は爪７を垂直面内において旋回させるものである。 この回転軸３１０４の先端にはスライド用ガイド３３が取着され、スライド用 ガイド３３は、左右に長い基体３３０１と、基体３３０１から左右方向にスライ ドするように設けられた上下の横片３３０２，３３０２とを備える。 前記爪７は上下に延出し昇降機構５側に連結される縦片部７０１と、縦片部７ ０１の端部から車両１の前方に延出する横片部７０２とを備え、縦片部７０１の 後面の上下端には係合片７０３が夫々形成されている。 この実施例では四つの爪７が用いられ、前記スライド用ガイド３３の基体３３ ０１の左右に夫々爪７が前記係合片７０３を介して左右にスライド可能に結合さ れ、また、上下の横片３３０２，３３０２に、夫々爪７が前記係合片７０３を介 してスライド可能に結合されている。

【０００８】 本実施例は前記のように構成したので、例えば図３に示すように、ＰＣ材製の 床部材５１を、階上のスラブ５３の開口５５を通して上方階へ搬入するような場 合、まず、旋回機構３１を作動させて回転軸３１０４を１８０度旋回させ、爪７ の横片部７０２が縦片部７０１の上端に位置するように爪７を反転させておき、 この縦片部７０１の上端に位置する横片部７０２上に床部材５１を載置し、昇降 機構５により床部材５１を上昇させることで行なう。 このようにすることで、爪７の縦片部７０１の高さ分、従来装置に比べて床部 材５１をより上方に持ち上げることができ、従って、昇降機構５のストロークを 大きくせずに床部材５１をより高く持ち上げることができ有利となる。 また、昇降機構５の上端、この実施例では第３ガイド５０３の上端を横片部７ ０２よりも低い箇所に位置させることができるので、床部材５１が通過するに足 る大きさの開口５５であれば、この開口５５上に床部材５１を持ち上げることが でき、この開口５５から階上のスラブ５３に床部材５１を搬入することが可能と なる。

【０００９】

【考案の効果】

以上の説明で明らかなように本考案による昇降機構付き荷物運搬車両によれば 、荷物載置用の爪を反転させて使用できるので、従来装置と同じ上下ストローク であっても従来装置に比べてより高く荷物を上方に持ち上げることができ、また 、持ち上げるべき荷物が通過するに足りるの大きさの開口上にも荷物を持ち上げ ることができ、特に、ＰＣ材（特にＲＰＣ材）により建物を構築する場合に有利 となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】昇降機構付き荷物運搬車両の側面図である。

【図２】昇降機構付き荷物運搬車両の正面図である。

【図３】昇降機構付き荷物運搬車両の使用状態の説明図
である。

【符号の説明】

１ 昇降機構付き荷物運搬車両 ３ 車体 ５ 昇降機構 ７ 爪 ７０１ 縦片部 ７０２ 横片部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 走行可能な車体と、 前記車体に立設された昇降機構と、 前記昇降機構に支持された荷物載置用の爪とを備え、 前記爪は昇降機構に連結される上下方向に長い縦片部
   と、縦片部の長手方向の端部から前記車体の前方に延出
   する横片部とで構成されている昇降機構付き荷物運搬車
   両において、 前記昇降機構と爪との間に、垂直面内において爪を旋回
   させる旋回機構を設けた、 ことを特徴とする昇降機構付き荷物運搬車両。