JPH0519259Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、特にピラーレスハードトツプ車に最
適なシートベルトリトラクタの配設構造に関す
る。

（従来技術とその問題点） 従来、自動車用シートベルトリトラクタの配設
構造としては、センターピラーとピラートリムと
の間に、シートベルトリトラクタを取付けセンタ
ーピラーの上側部に設けられるベルトガイドによ
りシートベルトをガイドするものが提案されてい
る（実開昭61−78064号公報参照）。

ところが、ピラーレスハードツプ車では、ウイ
ンドガラスに開放感を求めるために、前記ベルト
ガイドをウインドガラス部分に設けることはでき
ず、このベルトガイドをシートバツクに設けてい
た。そして、衝突時の衝突荷重の問題から、シー
トベルトリトラクタを、ボデイの車室内側を構成
するインナーパネルに取付けることが提案されて
いるが、この場合衝突時の衝撃力などを考慮し
て、薄いインナーパネルに大掛りな補強が必要で
あるという問題があつた。

（考案の目的） 本考案は上記従来の問題を解消するためになさ
れたもので、インナーパネルに形成されたアーム
レスト用の凸設部を合理的に利用して、大掛りな
補強等をすることなくシートベルトリトラクタを
取付けられるようにすることを目的とするもので
ある。

（考案の構成） このため本考案は、リヤボデイの車室内側を構
成するインナーパネルに、車室内方へ突出するア
ームレストが形成されたトリムが取付けられ、該
トリムのアームレスト形状に沿つてインナーパネ
ルが車室内方へ凸設され、該凸設部にシートベル
トリトラクタ取付部が車室外方へ凹設され、該取
付部にシートベルトリトラクタが取付けられてい
て、上記トリムに形成されたシートベルト引出口
からシートベルトが引出されるようになつている
ことを特徴とするものである。

（考案の効果） 本考案によれば、トリムに形成されたアームレ
スト形状に沿つて凸設されたインナーパネルの凸
設部に、シートベルトリトラクタ取付部を凹設し
て、該取付部にシートベルトリトラクタを取付け
ると共に、トリムに形成した引出口からシートベ
ルトを引出すようにしたものである。

したがつて、剛性が高いインナーパネルの凸設
部にリトラクタを取付けることができるので、イ
ンナーパネルに大掛りな補強が不要であると共
に、凸設部に形成した凹設部にリトラクタを埋め
込むことができるので、トリムをリトラクタの形
状に合わせて車室内方へ膨出させる必要もなく、
見栄えも良好となる。

また、インナーパネルの凸設部にリトラクタを
取付けることから、アウターパネルとの間に配設
されているウイドガラスの昇降に支障が生じるこ
ともない。

（実施例） 以下、本考案の実施例を添付図面について詳細
に説明する。

第１図及び第２図に示すように、４ドア車には
フロントドア１とリヤドア２とが設けられ、フロ
ントドア１側にはフロントシート３が配置され、
リヤドア２側にはリヤシート４が配置されてい
る。この４ドア車は、フロントドア１とリヤドア
２との間のウインドガラス部にセンターピラーが
ない、いわゆるピラーレス車である。

上記フロントシート（運転車側）３に対して設
けられるシートベルト６は、その一端部６ａが、
フロントシート３の右側に位置する車体下部のサ
イドシルのアンカー部７に取付けられ、中間部に
挿通されたダングプレート８が、フロントシート
３の左側の車体フロアに取付けられたバツクル９
に着脱自在に係止され、その他端部６ｂが、フロ
ントシート３のシートバツク３ａの右肩部にボル
ト１０ａで取付けられたガイドリング１０を挿通
して、リヤドア２のインナーパネル１１（第３図
参照）に取付けられたシートベルトリトラクタ１
２に巻回されている。

第３図及び第４図に詳細に示すように、リヤド
ア２のインナーパネル１１には、前後方向に伸長
し、車室内方へ突出するアームレスト１３が形成
されたトリム１４が取付けられ、該トリム１４の
アームレスト形成に沿つてインナーパネル１１が
車体内方へ凸設されている。

インナーパネル１１の該凸設部１１ａの前後方
向のほぼ中間位置には、上記リトラクタ１２を取
付けるために車体外方へ凹設された凹設部（リト
ラクタ取付部）１１ｂが形成されている。

上記リトラクタ１２には、逆Ｔ字状のブラケツ
ト１５が設けられ、リトラクタ１２を凸設部１１
ａの凹設部１１ｂに嵌め込んだ（埋め込んだ）状
態で、ブラケツト１５の両端部１５ａ，１５ａを
凸設部１１ａの側面にボルト・ナツト１６で締結
固定すると共に、上端部１５ｂを凸設部１１ａの
上面にボルト・ナツト１７で締結固定する。

上記トリム１４のアームレスト１３より上方位
置には、シートベルト引出口１４ａが形成され、
該引出口１４ａとリトラクタ１２との間のインナ
ーパネル１１には、シートベルトが挿通するガイ
ド１８が固定されている。

なお、インナーパネル１１に凸設部１１ａ及び
凹設部１１ｂが形成されることで、インナーパネ
ル１１の剛性が向上するが、凸設部１１ａの裏面
側にレインフオースメント１９を固定して補強す
ると、閉断面が形成されるので、インナーパネル
１１の剛性がより向上する。

上記のような構成であれば、リトラクタ１２
は、剛性が高いインナーパネル１１の凸設部１１
ａに取付けられているので、インナーパネル１１
に大掛りな補強が不要となる。

また、リトラクタ１２は、凹設部１１ｂに埋め
込まれることになるので、リトラクタ１２の形状
に合わせてトリム１４を車室内方へ膨出させる必
要もない。

さらに、リトラクタ１２は、凸設部１１ａに取
付けられることから、インナーパネル１１の内方
に突出しないので、ウインドガラス２０の昇降に
支障が生じない。

上記実施例は４ドア車におけるリヤドア２のイ
ンナーパネル１１にリトラクタを取付けたもので
あつたが、２ドア車の場合には、車体のリヤイン
ナーパネルにリトラクタを取付けるようにすれば
良い。

【図面の簡単な説明】

第１図は４ドア車の車室内側面図、第２図は第
１図の要部斜視図、第３図はインナーパネルとリ
トラクタの斜視図、第４図はリヤドアの断面図で
ある。 ２……リヤドア、４……リヤシート、６……シ
ートベルト、１１……インナーパネル、１１ａ…
…凸設部、１１ｂ……凹設部（リトラクタ取付
部）、１２……シートベルトリトラクタ、１３…
…アームレスト、１４……トリム、１４ａ……シ
ートベルト引出口、１９……レインフオースメン
ト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. リヤボデイの車室内側を構成するインナーパネ
   ルに、車室内方へ突出するアームレストが形成さ
   れたトリムが取付けられ、該トリムのアームレス
   ト形状に沿つてインナーパネルが車室内方へ凸設
   され、該凸設部にシートベルトリトラクタ取付部
   が車室外方へ凹設され、該取付部にシートベルト
   リトラクタが取付けられていて、上記トリムに形
   成されたシートベルト引出口からシートベルトが
   引出されるようになつていることを特徴とするシ
   ートベルトリトラクタの配設構造。