JPH05192215A

JPH05192215A - 自動洗髪機

Info

Publication number: JPH05192215A
Application number: JP23233492A
Authority: JP
Inventors: Jun Igarashi; 純五十嵐; Kazuya Aiiso; 和也相磯
Original assignee: Toto Ltd
Current assignee: Toto Ltd
Priority date: 1991-08-31
Filing date: 1992-08-31
Publication date: 1993-08-03

Abstract

(57)【要約】【目的】洗浄ノズルからの洗浄水等の吐出量、時間等
を制御することによって、手作業により近い洗浄効果を
与える。【構成】洗髪ボール２と、複数の洗髪用の洗浄ノズル
６と、この洗浄ノズル６に湯水を供給する湯水供給路１
１およびシャンプー液等を供給する吸入・供給装置７を
設ける。そして、湯水供給路１１の中途に弁装置１４を
備え、異なる作業工程に対して、予め設定された洗浄パ
ターンで洗浄するように弁装置１４の作動を制御する制
御部１６を備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、理容院などに設置し
て、シャンプー液による洗髪から洗い流しまで自動的に
行うことができる自動洗髪機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、理容院等での頭髪の洗髪作業
は、専ら理容師あるいは補助者等の作業員の手作業によ
って行われている。この洗髪作業は、温水やシャンプー
液等を使用するため、特に作業員の手を傷めやすく敬遠
されがちであり、また、手間を要するために作業能率向
上の阻害要因ともなっている。

【０００３】このような観点から洗髪の自動化に対する
提案が行われている。

【０００４】例えば、特公昭５２−３１７９０号公報に
おいては、ノズルから出る水の噴射圧を利用して洗髪す
る自動洗髪機が、また、特公昭６３−２０１２２号公報
では、往復運動する可動板で頭髪を押さえつけて洗髪す
る自動洗髪機がそれぞれ提案されている。このような自
動洗髪機を使用することによって、一連の作業工程の効
率化と、作業員の手の傷みを防ぐことが可能である。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、ノズルの噴
射圧を利用した前者の自動洗髪機では、複数のノズルか
ら単に一斉に洗浄水を噴出させるだけであり、水勢が弱
く手でもみ洗うような洗髪ができず、不快感が残ってし
まうという問題がある。また、洗髪パターンが一定であ
るため、髪形の違い、またシャンプーとリンスとの違い
等に応じた適切な洗髪作業ができないという問題もあ
る。

【０００６】また、可動板を利用した後者の自動洗髪機
は、後頭部用，頭頂部用，側頭部用にそれぞれ分割され
た板状の可動板を頭髪に押えつけて洗髪するものであ
る。このため、個人差のある頭部の形状に完全に対応す
ることができず、可動板の当たらない部分の洗髪を充分
に行うことができない。

【０００７】そこで本発明は、従来の自動洗髪機におけ
るこのような問題点を解消するものであり、洗浄ノズル
からの洗浄水等の吐出量、時間等を制御することによっ
て、手作業により近く快適な洗浄効果を与えることを目
的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、洗髪ボールと、頭髪に向け洗浄水及び／又
はシャンプー液を噴出させる複数の洗髪用の洗浄ノズル
を備え、前記洗浄ノズルからの吐水圧力によって洗髪を
行う自動洗髪機であって、同自動洗髪機は、頭髪にシャ
ンプー液等を供給するシャンプー供給装置と、前記洗浄
ノズルに湯水を供給する湯水供給路の中途に設けられ前
記複数の洗浄ノズルから噴出させる湯水の供給を制御す
る弁装置とを備え、更にシャンプー、濯ぎ等の異なる作
業工程に対して、前記複数の洗浄ノズルを選択的に作動
させ予め設定された洗浄パターンで洗浄するように、前
記シャンプー供給装置の作動及び前記弁装置の作動を制
御する制御部を備えていることを特徴とする。

【０００９】ここで、複数の洗浄ノズルが少なくとも人
体頭部の左右の側端部へ洗浄水を供給する側頭用洗浄ノ
ズルを備え、前記制御部が同左右の側頭用洗浄ノズルを
同時に開状態となるように前記弁装置の作動を制御する
ものとしたり、前記制御部が、前記シャンプー供給装置
を作動させてシャンプーを供給した後、濯ぎ開始までシ
ャンプーの頭髪油分の分解を促進するための前記弁装置
の非作動時間を設ける制御を行うものとしたり、さらに
前記制御部が、前記シャンプー供給装置を作動させてシ
ャンプーを供給する際、前記洗浄水供給用の洗浄ノズル
を同時に作動させて洗浄水を供給する制御を行うものと
することができる。

【００１０】また、湯水供給路の中途に設けた前記複数
の洗浄ノズルから噴出させる湯水を供給・停止させる弁
装置や流量調整手段を備え、更に同弁装置の開閉及び流
量調整手段の弁開度をを制御する制御部を設けることも
できる。その際、弁装置及び流量調整手段を各洗浄ノズ
ル毎に設けても良い。

【００１１】

【作用】本発明の自動洗髪機によると、シャンプー、濯
ぎ等の異なる作業工程に対して、予め設定された洗浄パ
ターンで効率的に洗浄される。また、湯水供給路の中途
に設けた前記複数の洗浄ノズルから噴出させる湯水を供
給・停止させる弁装置や流量調整手段を制御することに
よって変化のある洗浄水等の吐出が可能となる。

【００１２】

【実施例】以下図面に示す実施例に基づき本発明を具体
的に説明する。

【００１３】図１は、本発明に係る自動洗髪機を一部切
欠して示す平面図、図２は同正面図、図３は側面図であ
る。

【００１４】１は自動洗髪機本体であり、その上部には
洗髪ボール２が設けられている。この洗髪ボール２に
は、洗髪時に客が仰向けになって後頸部を載せることの
できる頸部受け２ａを形成し、底部には排水管２ｂが接
続されている。

【００１５】また、洗髪ボール２の上端には、人体の頭
部が挿入可能な開口部３ａを有する覆い用フード３が開
閉可能に取付けられている。このフード３は洗浄水の飛
散を防止し、また洗髪の様子が確認できるように、透明
なプラスチックによって形成されている。

【００１６】４はハンドシャワーであり、引出し可能な
ホース（図示せず）を備えている。また、５は温度調整
ハンドル５ａ、流量調整ハンドル５ｂを備え洗浄水の温
度をコントロールするサーモスタット付の湯水混合栓で
ある。

【００１７】洗髪ボール２及びフード３の下部には、頭
髪に洗浄水やシャンプー液、リンス液を噴出させる洗浄
ノズル６を設けている。この洗浄ノズル６は、前頭部用
６ａ、頭頂部用６ｂ、側頭部用６ｃ、後頭部用６ｄの複
数のノズルで構成され、頭髪全体に万遍なく洗浄水やシ
ャンプー液等が行き渡るように配置されている。

【００１８】本体１内には、シャンプー液を収納したシ
ャンプー液タンク７ａ、リンス液を収納したリンス液タ
ンク７ｂを備え、シャンプー液供給機７ｃ、リンス液供
給機７ｄを内蔵した吸入・供給機７によって、シャンプ
ー液，リンス液をそれぞれ単独で、或いは洗浄水と混合
した状態で洗浄ノズル６から噴出させることができる。

【００１９】８は操作スイッチを備えた操作部であり、
洗浄の開始、停止、また種々の洗浄パターンの選択をこ
こで行うことができる。また、この操作は、リモコン装
置９によっても同様に行うことできる。

【００２０】洗髪ボール２内には、後述する制御部１６
と連動し、赤外線投光器１０ａと受光器１０ｂを備えた
センサ１０が設けられている。このセンサ１０によっ
て、人体の存在を確認した時のみ、洗髪機のスイッチが
オンされるように構成され、誤作動によって洗浄水が洗
浄ボール２外に飛散するのを防止している。

【００２１】図４は、自動洗髪機の制御ブロック図であ
り、給水管Ｃと給湯管Ｈは湯水混合栓５に接続され、こ
こで適当な温度に混合調節される。温度調節された洗浄
水は湯水供給路１１によって、流量調整手段として用い
た圧電アクチュエータとダイヤフラム弁とを組み合わせ
た流量調整弁１２を介し、ハンドシャワー４及び洗浄用
の前頭部用、頭頂部用、側頂部用、後頭部用の洗浄ノズ
ル６ａ，６ｂ，６ｃ，６ｄにそれぞれ分岐される。更に
シャワーノズル４には電磁弁１３が設けられ、また洗浄
ノズル６ａ，６ｂ，６ｃ，６ｄには、逆流防止用のバキ
ュームブレーカ１５及び各々の流路を独立に開閉可能な
電磁弁１４ａ，１４ｂ，１４ｃ，１４ｄがそれぞれ設け
られている。

【００２２】流量調整弁１２及び電磁弁１３，１４ａ，
１４ｂ，１４ｃ，１４ｄ、並びに吸入・供給機７等の各
種作動は、操作部８の設定値により、自動洗髪機本体１
内部に設けられた制御部１６によって制御される。これ
によって、各洗浄ノズル６ａ，６ｂ，６ｃ，６ｄからの
洗浄水やシャンプー液等の吐出及び流量等が調節され
る。この制御部１６は、図５に示すように、ＣＰＵ１６
ａと、入出力インターフェイス１６ｂ，１６ｃ及び以下
に示す洗浄パターンのプログラムを記憶したメモリ１６
ｄとから構成されている。

【００２３】次いで図６，図７に示すフローチャート及
び図８に示すタイムチャートによって、その作動の一例
を説明する。

【００２４】先ず操作部８のスイッチがオンされると、
人体検出のためのセンサー１０が作動する。そして、人
体の存在を確認した後、電磁弁１４ａ，１４ｂ，１４
ｃ，１４ｄを開弁して総ての洗浄ノズル６ａ，６ｂ，６
ｃ，６ｄから洗浄水を吐出し、Ｔ₁時間頭髪全体を温水
で洗浄する。

【００２５】次いで、シャンプー液供給機７ｃがオンさ
れ、同時に電磁弁１４ａが開弁される。これによって、
湯水と混合されたシャンプー液を前頭部用の洗浄ノズル
６ａから頭髪に噴射させながら同時に洗浄を行う。そし
てＴ₂時間経過後電磁弁１４ａを閉弁し、次いで電磁弁
１４ｂを開弁し、ノズル１４ｂから湯水と混合されたシ
ャンプー液を噴出して頭頂部を洗浄する。同様に電磁弁
１４ｃ，１４ｄの順で順次開閉し、側頭部用ノズル１４
ｃ、後頭部用ノズル１４ｄから混合されたシャンプー液
と洗浄水とを噴射させて頭髪全体を洗浄する。

【００２６】そして、シャンプー液による洗浄が完了し
た後、一旦、総ての電磁弁１４ａ，１４ｂ，１４ｃ，１
４ｄを開弁し、Ｔ₄時間温水で頭部全体のシャンプー液
を洗い流す。その後上記と同様の手順で、順次電磁弁１
４ｂ，１４ｃ，１４ｄの順で開閉しながら洗浄を行う。

【００２７】更に、この温水による洗浄が完了した後、
頭髪にリンス液を供給する。この手順は、先に説明した
シャンプー液による洗浄と同様に、頭頂部、側頭部等各
パート毎に分けて順次行われる。

【００２８】そして、リンス作業が完了したら、再度総
ての電磁弁１４ａ，１４ｂ，１４ｃ，１４ｄを開弁し、
全体の洗浄ノズル６ａ，６ｂ，６ｃ，６ｄからＴ₉時間
湯水を噴射して頭髪全体を洗い流して洗髪作業を完了す
る。

【００２９】以上のように、シャンプー、リンス、濯ぎ
等の異なる作業工程毎の作動は、予め設定されたプログ
ラムに基づき、制御部１６によって、吸入・供給装置７
及び前記電磁弁１４ａ，１４ｂ，１４ｃ，１４ｄの開閉
を制御して自動的に行われる。

【００３０】ここで、洗浄ノズル６ａ，６ｂ，６ｃ，６
ｄからの洗浄水等の吐水中に流量調整弁１２の弁開度を
制御部１６で調節して、図９に示すように、吐出量や吐
出圧を変化させることができる。これによって、より人
の手の強弱に似た洗浄パターンとなり、洗浄効果を更に
高めることも可能である。ここで、図９（ａ）は、吐水
量を山なり状に変化させた場合を、（ｂ）は間欠吐水と
した場合を、（ｃ）は吐水量を周期的に変化させた場合
をそれぞれ示す。

【００３１】このように、複数の洗浄ノズル６ａ，６
ｂ，６ｃ，６ｄから順次洗浄水等を吐出させ頭部の各パ
ート毎に分割して洗浄するように構成したことによっ
て、従来のように単に頭部全体を一度に洗浄するものと
比較し、人の手による揉み洗いにより近い洗髪効果を奏
することが可能となった。

【００３２】なお、上記洗浄パターンの他に、頭髪の汚
れ具合や量に応じて、洗浄水の噴出時間や回数、シャン
プー・リンス液の量を変えた数種類の洗浄パターンが上
記制御部１６のメモリ１６ｄに記憶されており、操作部
８に設けたスイッチによって適宜選択することができ
る。

【００３３】また、上記実施例では、前頭部，頭頂部，
側頭部，後頭部の順に順次洗浄するように構成したが、
無論これに限定されるものではなく、種々のパターンを
設定することも可能である。

【００３４】図１０は他の実施例を示す制御ブロック図
であり、図４の制御ブロック図に示す電磁弁１４ａ，１
４ｂ，１４ｃ，１４ｄの代わりに、各洗浄ノズル６ａ，
６ｂ，６ｃ，６ｄにそれぞれ第１実施例で用いた流量調
整弁１２を設け、さらにこの上流側に逆流防止用のバー
キュームブレーカ１５を配置している。そして、各流量
調整弁１２の開閉及び弁開度を制御部１６でコントロー
ルするように構成している。これによって、図９
（ａ），（ｃ）のような洗浄パターンを得ることがで
き、洗浄効果を高めることができる。

【００３５】なお、流量調整手段としては上述した圧電
アクチュエータとダイヤフラム弁とを組み合わせたもの
の他、複数個の切換弁を組み合わせて流路を選択可能に
してもよいし、また、電気的作動、機械的作動、流体的
作動による各種流量調整弁を用いることもできる。

【００３６】また、洗浄ノズルの数を増やして、複数個
のノズルを密集して設けることによって、さらに、洗浄
効果を上げることも可能であり、例えば、頭部の裏面に
５個のノズルを設け、それぞれの流量を変化させればよ
り複雑な揉み洗いも可能となる。

【００３７】図１１は本考案の他の実施例である自動洗
髪機の正面図、図１２の（ａ）及び（ｂ）は図１１の平
面図及び上部の右側面図である。

【００３８】図において、人が仰向けの姿勢となったと
きにその後頭部を受ける形状のボール３１が床置き式の
ハウジング３２の上端に一体化されている。ボール３１
は人の頭部を受け入れる程度の大きさを持ち、その上面
には人の頭部を受けるカバー３１ａを開閉自在に設け
る。カバー３１ａには開口３１ｂを開けてその開口縁に
ゴム等を素材としたパッド３１ｃを取り付けており、こ
のパッド３１ｃの中に前頭部までを落とし込むようにし
て頭髪部分をボール３１の中に臨ませる。

【００３９】ハウジング３２の内部には、湯と水を混合
してボール３１に供給する湯水混合栓や各種のバルブユ
ニット等を配置し、シャンプーやリンス等も別系統で供
給できる配管構造を組み込み、ボール３１からの排水経
路を建屋の配管に接続している。これらの配管系による
給水，給湯及びシャンプーやリンス等の供給停止等は、
ボール３１のリム部分に設けた操作パネル３１ｄによっ
て行う。

【００４０】図１３はカバー３１ａを除いて示すボール
３１の平面図、図１４及び図１５はそれぞれ図１３のＡ
−Ａ線及びＢ−Ｂ線矢視による縦断面図である。

【００４１】ボール３１の手前側の底部は、後述する後
頭部用シャワーヘッドＮ₄〜Ｎ₇の水勢を確保するため
に高く形成し、また奥側の底部を深くしてその下端に排
水口３１ｅを開け、これをハウジング３２の中の排水管
（図示せず）に接続している。また、ボール３１の上面
であって操作パネル３１ｄの近くにはハンドシャワー３
１ｆを設けている。ハンドシャワー３１ｆは、基端部に
接続したホース（図示せず）をハウジング３２の内部に
納めたもので、必要に応じて引き出して使用する。

【００４２】ボール３１の内壁には洗浄ノズルとしての
複数のシャワーヘッドＮ₁〜Ｎ₁₀とシャンプー用のノズ
ルヘッドａ〜ｅを組み込んでいる。３３はボール３１の
横方向に掛け渡された洗髪時にロングヘアの垂れ下がり
を防止するバーである。

【００４３】シャワーヘッドＮ₁〜Ｎ₁₀は、ウェットや
濯ぎのために水や湯を放出可能としたもので、放出端に
設けた散水板に多数の散水孔を開けている。また、シャ
ワーヘッドＮ₂，Ｎ₃，Ｎ₄，Ｎ_{5 ,}Ｎ₁₀は、このよう
な湯と水の供給に加えて空気を吹き込むようにし、散水
孔からの散水の勢いを増すことができる。

【００４４】後部の上端に設けられたシャワーヘッドＮ
₁は、前頭部の髪と垂れ下がる髪の洗浄用で、図１４及
び図１５に示すように、ボール３１の後部側に位置して
その幅方向を長くした形状を持ち、軸方向に回転可能で
ある。また、その幅方向に２つの面を形成し、各面に多
数の散水孔を開け、頭の額部分から頭髪部分に洗浄水を
浴びせかける機能を持たせている。このようにシャワー
ヘッドＮ₁を軸方向に回動させて射水方向を変えること
によって、頭の大きさが異なる者にも対応が可能とな
る。

【００４５】更に、ノズルヘッドａ〜ｅは、湯や水及び
これらの混合水と別系統で供給されるシャンプー液又は
リンス液等とを混合させ、シャンプー液やリンス液を希
釈させて放出可能としている。このノズルヘッドａ〜ｅ
の吐出軸中心の噴出角度は６０度に設定しており、ほぼ
全域の髪の洗髪が可能となる。

【００４６】図１６はシャワーヘッドＮ₁〜Ｎ₁₀、及び
ノズルヘッドａ〜ｅの配管系統を示す概略図である。

【００４７】ハウジング３２の内部には、ハンドシャワ
ー３１ｆ，シャワーヘッドＮ₁〜Ｎ₁₀及びノズルヘッド
ａ〜ｅにそれぞれ適当な温度の温水を供給する湯水混合
栓３６を備えている。湯水混合栓３６は、従来から知ら
れているサーモスタットミキシングバルブ方式であり、
給水源及び給湯源にそれぞれ接続され、止水栓，ストレ
ーナを組み込むと共にシャワーヘッドＮ₁〜Ｎ₁₀側に向
かう水側及び湯側の流路にそれぞれ逆止弁３６ａ，３６
ｂを備えている。

【００４８】湯水混合栓３６からの混合水供給経路３６
ｃには、ハンドシャワー３１ｆ，シャワーヘッドＮ₁〜
Ｎ₁₀及びノズルヘッドａ〜ｅの全てが接続されている。
そして、ハンドシャワー３１ｆ及びシャワーヘッドＮ₁
〜Ｎ₁₀に向かう分岐流路のそれぞれに開閉弁３１ｇ，３
３ａ〜３３ｊを組み込んでいる。

【００４９】合計１０個のシャワーヘッドＮ₁〜Ｎ₁₀の
うち、特に頭髪が多く、又汚れ易い部位を洗浄するシャ
ワーヘッドＮ₂，Ｎ₃，Ｎ₄，Ｎ₅，Ｎ₁₀の５個を空気
混入式のものとしている。これらの５個のシャワーヘッ
ドＮ₂，Ｎ₃，Ｎ₄，Ｎ₅，Ｎ₁₀にはそれぞれコンプレ
ッサ３７からの空気供給路を接続し、供給された混合水
に空気を混入させることによって散水を押出している。
これら空気の混入は、それぞれのシャワーヘッドＮ₂，
Ｎ₃，Ｎ₄，Ｎ₅，Ｎ₁₀に設けられた開閉バルブＡ〜Ｅ
の開閉によって行われる。このように一部のシャワーヘ
ッドＮ₂，Ｎ₃，Ｎ₄，Ｎ₅，Ｎ₁₀のみを空気混入式と
しているため、エアコンプレッサ３７をさほど大きくす
ることなく、水圧と空気圧の相乗効果による洗浄効果に
優れたものとなる。

【００５０】また、ノズルヘッドａ〜ｅは混合水供給経
路３６ｃの末端に位置し、各ノズルヘッドａ〜ｅには開
閉用の開閉弁３４ａ〜３４ｅが組み込まれている。これ
らのノズルヘッドａ〜ｅには混合水の供給系とは別系統
としてシャンプー液のタンク３８からの供給系がそれぞ
れ接続されている。タンク３８からの供給路にはポンプ
３８ａを組み込み、このポンプ３８ａを作動させること
によって定量のシャンプー液を各ノズルヘッドａ〜ｅに
供給し、混合水によって希釈して散水可能とする。

【００５１】ここでハンドシャワー３１ｆを最も上流側
に配置し、このハンドシャワー３１ｆと下流のシャワー
ヘッドＮ₁〜Ｎ₁₀及びノズルヘッドａ〜ｅとの間にそれ
ぞれ主開閉弁４０を組み込んでいる。この主開閉弁４０
が閉じている間は、湯水混合栓３６からの混合水はハン
ドシャワー３１ｆのみに供給可能である。また、主開閉
弁４０の一次側と二次側との間にはバイパス流路４０ａ
を設け、このバイパス流路４０ａには低流量のみの通過
を許す絞りと電磁弁４０ｂを組み込んでいる。

【００５２】シャワーヘッドＮ₂，Ｎ₃，Ｎ₄，Ｎ₅，
Ｎ₁₀の下流端には、湯や水をボール３１側に回収するた
めの水抜き用開閉弁４１を設けている。この水抜き用開
閉弁４１は、湯水混合栓３６から供給して使用した後に
供給を停止し、各シャワーヘッドＮ₁〜Ｎ₁₀、ノズルヘ
ッドａ〜ｅ及びハンドシャワー３１ｆの中に残った混合
水をボール３１側に排出回収する機能を持つ。一方、湯
水混合栓３６の湯側であって逆止弁３６ｂの上流側から
捨湯流路３６ｄを分岐させて設け、この捨湯流路３６ｄ
に捨湯開閉弁４２を設けている。

【００５３】湯水混合栓３６からの流路系統に設けた各
開閉弁３１ｇ，３３ａ〜３３ｊ，主開閉弁４０，水抜き
用開閉弁４１及び捨湯開閉弁４２等は、いずれも電磁弁
式であり、制御部としてのコントローラ（図示せず）か
らの信号によってそれぞれ開閉動作可能としたものであ
る。なお４３，４４，４５は温度センサである。

【００５４】捨湯流路３６ｄに設けた温度センサ４３
は、給湯源から供給される湯の温度を検出し、給湯温度
がたとえば４７±３℃程度の温度範囲であれば、湯水混
合栓３６からの供給を可能とするように捨湯開閉弁４２
の開閉動作をコントローラによって制御する。すなわ
ち、この温度範囲よりも低いか高いと、捨湯開閉弁４２
を開いて給湯をボール１側に捨てるようにし、異常高温
及び異常低温の湯が流路系に供給されないようにする。
そして、先の温度範囲であれば、捨湯開閉弁４２を閉
じ、給湯源からの湯を湯水混合栓３６から下流側へ供給
させる。

【００５５】また、シャワーヘッドＮ₁〜Ｎ₁₀へ向かう
流路に配置した温度センサ４４は、供給される混合水の
温度が４０℃になったときに、コントローラへの信号に
よって主開閉弁４０を開弁させるように制御する。この
ような主開閉弁４０の開弁制御によって、シャワーヘッ
ドＮ₁〜Ｎ₁₀等の各吐出端からの洗浄水を或る快適な温
度範囲に維持することができる。

【００５６】ここで、湯水混合栓３６からの湯や水の供
給、タンク３８からのシャンプーの供給及びコンプレッ
サ３７からの圧縮空気の供給のタイミングは、操作パネ
ル３１ｄのスイッチ操作からの信号を受けて、コントロ
ーラによって各機器が制御される。そして自動洗浄のた
めに、操作パネル３１ｄの自動スイッチをオンすれば、
シャワーヘッドＮ₁〜Ｎ₁₀からの初期洗浄水によるウェ
ット，ノズルヘッドａ〜ｅからのシャンプーの吐水とシ
ャワーヘッドＮ₁〜Ｎ₁₀からの吐水，及び濯ぎのための
全てのシャワーヘッドＮ₁〜Ｎ₁₀の吐水の順に洗浄過程
を進ませるようにコントローラによって制御される。

【００５７】以上の構成において、初期洗浄の際にはシ
ャワーヘッドＮ₁〜Ｎ₁₀から湯を放出して髪を濡らし、
その後ノズルヘッドａ〜ｅからシャンプー液を放出して
シャンプーする。次いで、シャンプー過程が終わると、
各シャワーヘッドＮ₁〜Ｎ₁₀からの湯や水の吐出によっ
て濯ぎが行われる。

【００５８】ここで、１回の使用後に流路系に残る湯や
水が冷えてこれが吐出されるのを防いだり、湯水混合栓
３６から異常に高い又は低い混合水が供給されることを
防ぐために主開閉弁４０，水抜き用開閉弁４１及び捨湯
用開閉弁４３の作動によって湯や水抜きが行われる。

【００５９】図１７は各開閉弁等の作動を示すタイムチ
ャートであり、ロングヘア用のモードを示す。

【００６０】図中上段はシャワーヘッドＮ₁〜Ｎ₁₀の作
動、中段はノズルヘッドａ〜ｅ、下段は空気混入用のバ
ルブＡ〜Ｅの作動を示す。

【００６１】同図に示すようにスッチオンによって、各
シャワーヘッドＮ₁〜Ｎ₁₀からこの順序で０．２秒づつ
オーバラップさせながら各々９秒間づつ洗浄水が放出さ
れる。その後、全てのノズルヘッドａ〜ｅからシャンプ
ー液が２回に別けて放出される。その際側頭用及び頂頭
用シャワーヘッドＮ₂，Ｎ₃，Ｎ₁₀から、シャンプーの
供給よりそれぞれ１〜５秒遅れて１〜２秒間づつ洗浄水
が放出される。その後一定時間をおいてシャワーヘッド
Ｎ₁〜Ｎ₁₀からこの順序で０．２秒づつオーバラップさ
せながら各々１５秒間づつ濯ぎ水が放出される。その際
最後のシャワーヘッドＮ₁₀からの放出と同時に側頭用の
シャワーヘッドＮ₂，Ｎ₃からも濯ぎ水が放出される。

【００６２】また、シャワーヘッドＮ₂，Ｎ₃には最終
の濯ぎ水の放出の際、シャワーヘッドＮ₁₀にはシャンプ
ー供給の前後及び最後の放出の際、またシャワーヘッド
Ｎ₄，Ｎ₅には最初の洗浄の際及び濯ぎ水の放出の際に
エアーが供給される。

【００６３】このようにシャンプーの供給開始から一定
時間（本実施例では２０秒）をおいて、濯ぎを開始する
ようにしているため、シャンプーが頭髪に付着した油分
を充分に分解でき、洗浄効果を高めることができる。ま
た、シャンプーの供給時に同時にシャワーヘッドＮ₂，
Ｎ₃から洗浄水を放出しているため、頭髪がシャワーヘ
ッドＮ₂，Ｎ₃から洗浄水によって掻き乱され、シャン
プーを頭皮まで充分に浸透させることができる。さら
に、シャワーヘッドＮ₂，Ｎ₃，Ｎ₄，Ｎ₅，Ｎ₁₀への
空気混入のための開閉バルブＡ〜Ｅの動作は、シャワー
ヘッドＮ₂，Ｎ₃，Ｎ₄，Ｎ₅，Ｎ₁₀からの放出開始よ
も遅く、かつ放出停止よりも早く終わるようにしてい
る。このため、空気の無駄打ちが防止され、コンプレッ
サの容量を小さく押さえることができる。

【００６４】図１８はショートヘア用のタイムチャート
である。

【００６５】ショトーヘア用のタイムチャートは、図１
７で示したロングヘア用と基本的には同じであるが、洗
浄するヘアの量がロングヘアの場合より少ないため、そ
れぞれの洗浄水の供給時間が、ロングヘアの９秒に対し
て７秒と短く、また濯ぎ水の供給時間もロングヘアの１
５秒に対して１２秒と短い。さらにシャワーヘッド
Ｎ₂，Ｎ₃，とシャワーヘッドＮ₈，Ｎ₉は、頭髪の少
ない部位の洗浄時の水圧を弱くするため、同時に開状態
とするように制御される。

【００６６】なお、この実施例では、湯や水の混合水の
ほかにシャンプー液も吐出できるようにしているが、こ
れに加えてリンス液も同様に吐出できるようにし、シャ
ンプーとリンスとが行える流路構成とすることもでき
る。さらに、湯水の吐出のみを行うこともでき、頭髪カ
ット後の軽い洗髪とすることもできる。

【００６７】

【発明の効果】以上に説明したように、本発明の自動洗
髪機は、シャンプー、リンス、濯ぎ等の異なる作業工程
に対して、予め設定された洗浄パターンで洗浄するよう
に、制御部を構成している。このため、各作業に適した
洗浄水等の噴出が可能となり、手作業に近い自動洗髪が
可能となる。

【００６８】また、湯水供給路の中途に設けた前記複数
の洗浄ノズルから噴出させる湯水を供給・停止させる弁
装置や流量調整手段を制御することによって、変化のあ
る洗浄水等の吐出が可能となり、洗浄効果を高めること
ができる。特に、弁装置及び流量調整手段を各洗浄ノズ
ル毎に設けて、これを独立して制御することにより更に
手作業に近い自動洗浄が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る自動洗髪機を一部切欠して示す平
面図である。

【図２】図１に示す自動洗髪機を一部切欠して示す正面
図である。

【図３】図１に示す自動洗髪機を一部切欠して示す側面
図である。

【図４】制御系のブロック図である。

【図５】制御部の説明図である。

【図６】制御系を実行するフローチャートである。

【図７】制御系を実行するフローチャートである。

【図８】洗髪開始から完了までを示す機能部のタイムチ
ャートである。

【図９】吐出量の変化を示す説明図である。

【図１０】他の実施例の制御系のブロック図である。

【図１１】本発明の他の実施例である自動髪洗機を示す
正面図である。

【図１２】図１１に示す自動髪洗機であって、（ａ）は
平面図、（ｂ）は上部の右側面図である。

【図１３】図１１に示す自動髪洗機をカバーを除いて示
すボールの平面図であって、各シャワーヘッド及びノズ
ルヘッドの配置を示す平面図である。

【図１４】図１３のＡ−Ａ線矢視による縦断面図であ
る。

【図１５】図１３のＢ−Ｂ線矢視による縦断面図であ
る。

【図１６】湯水混合栓から各シャワーヘッドやノズルヘ
ッドへの流路構成を示す概略図である。

【図１７】ロングヘアモードのタイムチャートである。

【図１８】ショートヘアモードのタイムチャートであ
る。

【符号の説明】

１自動洗髪機本体、２洗髪ボール、２ａ頸部受
け、２ｂ排水管、３フード、３ａ開口部、４ハン
ドシャワー、５湯水混合栓、５ａ温度調整ハンド
ル、５ｂ流量調整ハンドル、６洗浄ノズル、７吸
入・供給機、７ａシャンプー液タンク、７ｂリンス液
タンク、７ｃシャンプー液供給器、７ｄリンス液供
給器、８操作部、９リモコン装置、１０ａ赤外線
投光器、１０ｂ赤外線受光器、１１湯水供給路、１
２流量調整弁（流量調整手段）、１３，１４ａ，１４
ｂ，１４ｃ，１４ｄ電磁弁、１５バキュームブレー
カ、１６制御部、１６ａＣＰＵ、１６ｂ入力イン
ターフェイス、１６ｃ出力インターフェイス、１６ｄ
メモリ、３１ボール、３２ハウジング、３３垂れ
下がり防止用バー、Ｎ₁〜Ｎ₁₀ シャワーヘッド、ａ〜
ｅノズルヘッド、３６湯水混合栓、３７エアコン
プレッサ、３８シャンプータンク、４０主開閉弁、４
１水抜き用開閉弁、４２捨湯開閉弁、４３，４４，
４５温度センサ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】洗髪ボールと、頭髪に向け洗浄水及び／
又はシャンプー液を噴出させる複数の洗髪用の洗浄ノズ
ルを備え、前記洗浄ノズルからの吐水圧力によって洗髪
を行う自動洗髪機であって、同自動洗髪機は、頭髪にシ
ャンプー液等を供給するシャンプー供給装置と、前記洗
浄ノズルに湯水を供給する湯水供給路の中途に設けられ
前記複数の洗浄ノズルから噴出させる湯水の供給を制御
する弁装置とを備え、更にシャンプー、濯ぎ等の異なる
作業工程に対して、前記複数の洗浄ノズルを選択的に作
動させ予め設定された洗浄パターンで洗浄するように、
前記シャンプー供給装置の作動及び前記弁装置の作動を
制御する制御部を備えていることを特徴とする自動洗髪
機。
【請求項２】前記複数の洗浄ノズルが少なくとも人体
頭部の左右の側端部へ洗浄水を供給する側頭用洗浄ノズ
ルを備え、前記制御部が同左右の側頭用洗浄ノズルを同
時に開状態となるように前記弁装置の作動を制御するも
のである請求項１記載の自動洗髪機。
【請求項３】前記制御部が、前記シャンプー供給装置
を作動させてシャンプーを供給した後、濯ぎ開始までシ
ャンプーの頭髪油分の分解を促進するための前記弁装置
の非作動時間を設ける制御を行うものである請求項１記
載の自動洗髪機。
【請求項４】前記制御部が、前記シャンプー供給装置
を作動させてシャンプーを供給する際、前記洗浄水給水
用の洗浄ノズルを同時に作動させて洗浄水を供給する制
御を行うものである請求項１記載の自動洗髪機。
【請求項５】洗髪ボールと、頭髪に向け洗浄水及び／
又はシャンプー液を噴出させる複数の洗髪用の洗浄ノズ
ルを備え、前記洗浄ノズルからの吐水圧力によって洗髪
を行う自動洗髪機であって、同自動洗髪機は、頭髪にシ
ャンプー液等を供給するシャンプー供給装置と、前記洗
浄ノズルに湯水を供給する湯水供給路の中途に設けられ
前記複数の洗浄ノズルから噴出させる湯水の供給停止を
制御する弁装置とを備え、更に同弁装置の開閉を制御す
る制御部を備えていることを特徴とする自動洗髪機。
【請求項６】請求項第５に記載の自動洗髪機におい
て、前記弁装置を前記複数の洗浄ノズル毎に備えている
ことを特徴とする自動洗髪機。
【請求項７】洗髪ボールと、頭髪に向け洗浄水及び／
又はシャンプー液を噴出させる複数の洗髪用の洗浄ノズ
ルを備え、前記洗浄ノズルからの吐水圧力によって洗髪
を行う自動洗髪機であって、同自動洗髪機は、頭髪にシ
ャンプー液等を供給するシャンプー供給装置と、前記洗
浄ノズルに湯水を供給する湯水供給路の中途に設けられ
前記複数の洗浄ノズルから噴出させる湯水の流量を調整
する流量調整手段とを備え、更に同流量調整手段の弁開
度を調節して洗浄ノズルからの湯水の吐出量・吐出圧を
制御する制御部を備えていることを特徴とする自動洗髪
機。
【請求項８】請求項第７に記載の自動洗髪機におい
て、前記流量調整手段を前記複数の洗浄ノズル毎に備え
ていることを特徴とする自動洗髪機。