JPH0519066U - ガードバーの取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 ガードバーへの衝撃入力時の車体への衝撃伝
達を軽減し、車体の耐損傷性の向上を図ることができる
ガードバーの取付構造を提供する。 【構成】 車体Ｓにパイプフレームメンバ４を横架し、
このパイプフレームメンバにガードバー１の両端を固定
した取付構造とした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本発明は、自動車の車体の前面部あるいは後面部を保護したり、ファッション 性の向上のために、車体の前面を覆って配設されるガードバーの取付構造に関す る。

【０００２】

【従来の技術】

従来、車体の前部や後部に設けられたガードバーの取付構造としては、実開昭 ６１−５００５１号公報に記載されているようなものが公知である。このガード バーは、エンジン及びラジエータを保護するために設けたもので、ガードバーの 両端を、車体に対しブラケット及びボルト・ナットにより直接固定した構造とな っている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上述の従来のガードバーの取付構造にあっては、以下に述べる 問題があった。即ち、ガードバーが車体に直接固定された構造であるため、車両 の衝突時等にガードバーに衝撃が入力されると、その入力が直接車体に伝達され て、車体のフレーム等が変形することなってしまう。そして、このように損傷が ガードバーのみならず車体に及ぶ事になると、その修理としてガードバーの交換 だけでは済まなくなって、修理に手間及び費用がかかってしまうという問題があ った。

【０００４】 本考案は、上述の問題に着目して成されたもので、ガードバーへの衝撃入力時 の車体への衝撃伝達を軽減し、車体の耐損傷性の向上を図ることができるガード バーの取付構造を提供することを目的としてる。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、車体にパイプフレームメンバを横架し、このパイプフレームメンバ に、ガードバーの両端を固定して上記目的を達成することとした。

【０００６】 即ち、本考案のガードバーの取付構造にあっては、車体の前面部あるいは後面 部を覆って配設された前面門型で側面Ｌ型のガードバーの取付構造において、前 記車体の前端部あるいは後端部の下面に、両端を車体に固定されてパイプフレー ムメンバが横架され、このパイプフレームメンバに、前記ガードバーの両端が固 定されていることを特徴とする手段とした。

【０００７】

【作用】

軽衝突によりガードバーに衝撃入力があった時には、この入力がガードバーに 依りパイプフレームメンバを軸に回転させるモーメントとして作用し、パイプフ レームメンバが、両端の車体への固定位置とそれよりも中央側のガードバー固定 位置との間で、例えばトーションバーのように弾性変形の範囲内でねじれ変形し て衝撃を吸収する。そして、衝撃がなくなると、パイプフレームメンバが復元し てねじれが無くなり、ガードバーも元の位置に回動する。このように、パイプフ レームメンバのねじれにより、車体への衝撃入力を防止して車体の損傷発生を防 止する。

【０００８】 また、ガードバーへ入力される衝撃が大きくなると、ガードバー及びパイプフ レームメンバの一方もしくは両方が塑性変形してしまうことになるが、この塑性 変形により車体への衝撃入力を防止もしくは緩和することができるもので、前者 のように車体への衝撃入力を完全に防止できた場合には、その修理に際しガード バー及びパイプフレームメンバの交換のみで済ませることができ、一方、後者の ように車体に衝撃入力があった場合には、車体が損傷を受けるがその損傷の程度 を低減させることができる。

【０００９】

【実施例】

本考案実施例を図面に基づいて説明する。尚、実施例を説明するにあたり、車 体の前面を保護するフロントガードバーを例にとる。

【００１０】 まず、本考案実施例の取付構造を示す分解斜視図である図１及び実施例構造を 示す側面図である図２に基づいて、実施例の構成について説明する。図１におい て、Ｓは車体全部の骨格部材を示しており、図示のように、車体の前端部まで延 設されたフロントサイドメンバ２１，２２の先端の下面にサポートラジエタコア ロア３が横架されている。尚、フロントサイドメンバ２１，２２の前端部下面及 びサポートラジエタコアロア３の両端部下面には、ウエルドナット５１，５２， ６１，６２が設けられている。そして、図２に示すように、骨格部材Ｓの前面は フロントバンパＦＢに覆われている。

【００１１】 前記骨格部材Ｓの下面には、パイプフレームメンバ４が横架される。即ち、図 １及び図２に示すように、パイプフレームメンバ４の左右両端にはブラケット７ １，７２が溶接により固着されていて、ボルト８１，８２，８３，８４を前記ウ エルドナット５１，５２，６１，６２に締結させることで、ブラケット７１，７ ２を骨格部材Ｓに固定し、パイプフレームメンバ４が骨格部材Ｓに両端を固定さ れる。また、このパイプフレームメンバ４には、両端よりも車体中央側位置に固 定用ブラケット９１，９２が車体前方に突出した状態で溶接により固着されてい る。

【００１２】 前記固定用ブラケット９１，９２には、フロントガードバー１が固定されてい る。即ち、フロントガードバー１は、丸パイプで構成され、図示のように、前面 門型で側面Ｌ型形状に形成されていて、フロントバンパＦＢよりも車体前方位置 で車体前面を覆って配置されている。そして、このフロントガードバー１の両端 をボルト１１により両ブラケット９１，９２に締結固定している。

【００１３】 次に、図３及び図４に基づき壁５０に衝突した際の作用を説明する。衝突時に は、まずフロントガードバー１が壁５０に衝突し、この時フロントガードバー１ の壁５０への衝突部分がパイプフレームメンバ４よりも上方に位置していること から、フロントガードバー１において矢印Ａで示す方向に回動するモーメントが 生じる。それにより、パイプフレームメンバ４は、両端の骨格部材Ｓへの固定位 置と、それよりも中央側のフロントガードバー１を支持する固定用ブラケット９ １，９２の位置との間でねじれが生じ、このねじれにより衝突のエネルギを吸収 する。

【００１４】 従って、極軽衝突時には、パイプフレームメンバ４のねじれは弾性変形の範囲 内のねじれ変形で済み、衝突後に壁５０から離れるとパイプフレームメンバ４は 矢印Ｂ方向に復元する。よって、衝突時の衝撃の全てがパイプフレームメンバ４ により吸収されて、フロントガードバー１，パイプフレームメンバ４及び骨格部 材Ｓに損傷はない。

【００１５】 また、衝突の程度が大きくなると、パイプフレームメンバ４の弾性変形の領域 を越えて塑性変形してしまうと共に、フロントガードバー１も塑性変形してしま うが、これらの変形により衝突の衝撃を全て吸収することができた場合には、車 体の骨格部材Ｓ側の損傷が免れ、修理の際には、フロンクガードバー１及びパイ プフレームメンバ４を交換すれば済むもので、修理の手間が簡単であると共にそ の費用を安価に済ませることができる。加えて、本実施例では、パイプフレーム メンバ４の固定及びフロントガードバー１の固定をボルト８１，８２，８３，８ ４，１１により行っているから、これらの交換作業が極めて簡単に済む。また、 衝突の衝撃を上述のようにフロントガードバー１及びパイプフレームメンバ４の 塑性変形で全て吸収できない大きな衝突時にあっても、これらの塑性変形により 衝撃の一部を吸収できるもので、このパイプフレームメンバ４を設けない場合と 比較して車体側の損傷を軽減することができる。 以上、実施例を図面に基づいて説明してきたが、具体的な構成はこの実施例に 限られるものではなく、例えば、実施例では車体の前面を保護するフロントガー ドバーの取付構造を示したが、車体後部のガードバーに適用してもよい。また、 パイプフレームメンバの車体への固定及び、ガードバーのパイプフレームメンバ への固定を、本実施例では、ボルトにより行うようにしたが、溶接等他の固定手 段を用いてもよい。

【００１６】

【考案の効果】

以上、説明してきたように本考案のガードバーの取付構造にあっては、車体に パイプフレームメンバを横架し、このパイプフレームメンバに、ガードバーの両 端を固定した取付構造としたため、ガードバーからの衝撃入力を軽衝突の場合に はパイプフレームメンバの弾性変形範囲内のねじれ変形により吸収して、ガード バー，パイプフレームメンバ及び車体の損傷を防止することができ、修理の手間 及び費用を軽減できるという効果が得られると共に、それよりも重度の衝突の場 合にも、パイプフレームメンバの塑性変形により衝撃を吸収することで、車体の 損傷を低減させることができるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例のガードバー取付構造を示す分解斜視図
である。

【図２】実施例構造を示す側面図である。

【図３】実施例構造の作用を説明するための説明図であ
る。

【図４】実施例構造の作用を説明するための説明図であ
る。

【符号の説明】

Ｓ 骨格部材（車体） １ フロントガードバー ４ パイプフレームメンバ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車体の前面部あるいは後面部を覆って配
   設された前面門型で側面Ｌ型のガードバーの取付構造に
   おいて、 前記車体の前端部あるいは後端部の下面に、両端を車体
   に固定されてパイプフレームメンバが横架され、 このパイプフレームメンバに、前記ガードバーの両端が
   固定されていることを特徴とするガードバーの取付構
   造。