JPH05190084A - 金属膜転写シートとアノードの形成方法 - Google Patents

金属膜転写シートとアノードの形成方法

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JPH05190084A
JPH05190084A JP4006269A JP626992A JPH05190084A JP H05190084 A JPH05190084 A JP H05190084A JP 4006269 A JP4006269 A JP 4006269A JP 626992 A JP626992 A JP 626992A JP H05190084 A JPH05190084 A JP H05190084A
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metal film
layer
resin layer
black resin
anode
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JP4006269A
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Yutaka Nishimura
豊 西村
Koji Matsuo
孝二 松尾
Hiroshi Iwamoto
洋 岩本
Noboru Aikawa
昇 相川
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ドーミング、ハレーション防止等の目的で形
成される、CRTのメタルバック層上に形成される黒色
層の新規な形成方法及び効率的なアノードの形成方法を
目的とする。 【構成】 離型性が良好なシート上に、特定の粒度分布
を有するグラファイトを含有した黒色樹脂層2を形成
し、この黒色樹脂層2上に、金属膜1を形成して金属膜
転写シート5とする。この黒色層を有した金属膜転写シ
ート5を蛍光面に圧着しアノードとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大型の設備が不要でま
た大幅な工数の低減も可能なアノードの形成方法と、そ
のアノードを形成する際に用いて有用な金属膜転写シー
トに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のカラーテレビの陰極線管アノード
形成工程は、蛍光面を構成するガラス基板に適当な表面
処理を施した後PVA−重クロム酸アンモニュウム感光
液で、パターン露光・現像し、グラファイト等の黒色物
質を流転し、リフトオフしてブラックマトリックス層を
形成していた。蛍光体パターンは、PVA−重クロム酸
アンモニュウム感光液中に蛍光体顔料を分散したスラリ
ーを塗布・乾燥・露光・現像・乾燥という工程を3回繰
り返しRGBの各層を形成するという複雑なプロセスを
用いていた。
【0003】さらに蛍光体層を形成した後、鏡面の金属
膜を得るためニトロセルロース等を含有する有機高分子
膜を形成した後、真空蒸着法やスパッタリング法等によ
りメタルバック層を形成していた。その後、内在する有
機物を焼成分解してアノードを形成していた。
【0004】また特開昭62−185833号公報に
は、剥離性を有するベースフイルム上に金属膜を形成し
た転写シートを用い、陰極線管のフェースプレート上に
転写してメタルバック層を形成する方法が記載されてい
る。
【0005】また、メタルバック層に関わる問題とし
て、シャドウマスクカラー管では、通常電子ビームの1
5〜20%がシャドウマスクを通過し、蛍光体を発光さ
せ残りの80〜85%の電子ビームは、シャドウマスク
に衝突してシャドウマスクを昇温させ、その結果シャド
ウマスクが熱膨張してパネルフェース方向に凸状に熱変
形を起こす(この現象をドーミングという)。この現象
が発生するとマスク孔とフェースパネル上の位置関係が
ずれ極端な場合色ずれが発生した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のアノードの形成
プロセスは、工程が非常に長くかつ複雑であり、大型の
真空蒸着装置やスパッタリング装置が必要となりコスト
アップの原因となっていた。加えて、内在する有機物の
焼成分解がうまくいかないとメタルバック層の一部もし
くは、全体的に膨れを生じる。これは、有機物の分解に
より発生するガスがメタルバック層に妨げられて外部へ
スムースに抜けきらないためと考えられる。この様な原
因で焼成後に発生するメタルバック層が膨れた部分は蛍
光体の反射効率が低下し、カラー受像管に於て局部的な
欠陥となって現れ、歩留まり低下の大きな原因であっ
た。
【0007】またドーミング対策として、メタルバック
層のアルミ膜背面にカーボン黒化膜を形成させると出画
時のマスクからの輻射熱を吸収し易くなりアルミ面から
の熱反射が少なくなるのでマスクの温度上昇が抑えられ
る。このためドーミングレベルが、改善されると共に黒
浮きレベルの改善も図れるが、黒色樹脂層(輻射熱吸収
物質)の塗布状態が均一でなければ、電子ビームの透過
効率に大きな差が生じ、このため輝度ムラが発生する原
因となっていた。
【0008】またスプレー等でアクリルエマルジョンを
メタルバック層上に塗布してバリヤ層を形成し、その上
からグラファイトスラリーをスプレーで塗布して黒色樹
脂層を形成するのが一般的な方法であるが、メタルバッ
ク層上にバリヤー層及びグラファイト層を形成するた
め、蛍光面の焼成時に内在する多くの有機物の排出がス
ムースに行われなくなるために、メタルバック層が膨れ
る原因となっていた。なお上記したメタルバック層の膨
れ、膨れの破裂は、焼成時にメタルバック層下面から発
生する有機物の熱分解ガスの圧力が原因である。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段は、以下の通りである。離型性が良好な基板シー
ト上に、特定の粒度分布を有するグラファイトを用いる
ことにより、表面が適度に粗で且つ分散状態の良好な黒
色樹脂層を形成し、この黒色樹脂層上に金属膜を形成
し、金属膜転写シートを作成する。
【0010】そしてアノードの作成におては、この金属
膜転写シート上の黒色樹脂層及び金属膜を蛍光体層上に
転写してアノードを形成する。あるいは、上記の金属膜
転写シート上の黒色樹脂層の上に更に蛍光体層を形成
し、これら黒色樹脂層、金属膜、蛍光体層を一括してフ
ェースプレートに転写する様になす。
【0011】
【作用】上記手段の作用は、次の様になる。
【0012】黒色樹脂層の表面は、上記の通り適度に
粗、すなわち表面に適度な凹凸を有している。その表面
上に蒸着等により金属膜を形成すると頂部(凸部)に比
べて、谷部(凹部)では金属膜の膜厚がかなりうすく形
成される。すなわち、金属膜には、厚さの薄い薄肉部が
点状に多数形成される。そしてこの金属膜転写シートの
黒色樹脂層が積層された金属膜を接着層を介してフェー
スプレート等のガラス基板上の蛍光体層に押圧した後、
基板シートを剥離すると、離型性が良好な基板シートと
黒色樹脂層との間で剥離が生じ、黒色樹脂層及び金属膜
が、ガラス基板側へ転写されるのである。
【0013】この転写された金属膜は、上記のように点
在する多数の薄肉部を有する。この薄肉部は、焼成工程
における有機物の焼成分解により発生する熱分解ガスの
ガス圧で、ピンホール状に簡単に破れてガスを逃がす。
その結果、メタルバック層の膨れ、あるいは膨れの破裂
が、完全に防止される。しかも、この薄肉部の破裂跡
は、ピンホール状であり、メタルバック層としての機能
は、全く損なわれることが無い。
【0014】また、転写された金属膜上には、黒色樹脂
層が形成されており、前記黒色樹脂層がシャドウマスク
からの輻射熱を吸収し、またアルミ面からの熱反射も少
なくなるので、シャドウマスクの温度上昇が抑えられ、
ドーミング現象の発生を防止し、画像品質の向上が図れ
る。さらに一度アルミ面に反射された二次電子も黒色樹
脂層に吸収され、ハレーションの無い鮮明な画像が得ら
れる。
【0015】本発明では、所望の厚さの黒色樹脂層を均
一にアルミ面に塗布形成することにより、簡単に前記ア
ルミ表面に厚みむらの無い黒色樹脂層が形成できる。ま
た、前記の金属膜転写シート上に蛍光体パターンを形成
した蛍光面形成シートをフェースプレートに一括転写し
て陰極線管のアノードを形成する事により大幅な工数の
低減が図れる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の金属膜転写シートとその製造
法及びアノードの形成方法に関して、図面を参照にしな
がら説明する。
【0017】(第1実施例)本実施例に付いて、まず概
要を、その後に詳細を説明する。図1(a)は、本発明
の金属膜転写シート5を断面で示したものである。図1
(a)に於て、4は、機械的強度・耐溶剤性の優れた支
持体であり、その材料としてはポリエチレンテレフタレ
ート、ポリイミド、ポリアミド等の各種樹脂フイルムが
用いられる。そして、該フイルムの厚さは3〜100μ
mが、特に5〜50μmの範囲が好適である。3は、離
型層でありシリコーン・フッ素・アクリル・ワックス等
離型性が優れた材料を薄層にして用いられる。1は、金
属膜であり真空蒸着・スパッタリング等の方法で形成さ
れる。2は、黒色樹脂層あり、グラファイト及びカーボ
ンを含有した表面が粗面化された黒色樹脂層である。黒
色樹脂層のバインダーとしては、熱分解性の良好なアク
リル樹脂、ポリエステル、セルロースが、好適である。
【0018】図1(b)は、同図(a)に示す金属膜転
写シート5を、接着層6を介してブラックマトリックス
層8、蛍光体層7を有するガラス基板9に押圧した後、
離型層3を有する基板シート4を剥すようにして、金属
膜転写シート5上の黒色樹脂層、金属膜1を蛍光体層7
上に転写している状態を示している。
【0019】黒色樹脂層2は、詳細は後述するが、金属
膜1に対して接着性が良好で、且つ離型層3に対して
は、接着性が極端に弱いので黒色樹脂層2及び金属膜1
は、離型層3より剥離して蛍光体層7上に転写される。
かくして、蛍光体層6上に、目的とする黒色樹脂層2を
有するメタルバック層が形成される。
【0020】以下に本実施例を更に詳細に説明する。基
板シート4の厚さは、通常3〜100μm程度であれば
よいが、5〜50μmの範囲が好適であり、本実施例で
は、25μmである。
【0021】黒色樹脂層2は、母材のアクリル樹脂10
0重量部に対して、平均粒径2μm、8μm以上の粗粉
含有量5%のグラファイトを50重量部、カーボンブラ
ックを5重量部、溶剤としてトルエンを1000重量部
添加し、ホモミキサーにて20分間混練して得られた塗
料をワイヤーバーにて、前記基板シート上に2μmの厚
さに塗布したものである。得られた塗布面は、グラファ
イトの板状結晶と微細なカーボンブラックの為に、適度
の凹凸が形成された、黒色の粗面層となる。その表面平
滑度は、ベック平滑度で、200秒であった。
【0022】次に、黒色樹脂層上に真空蒸着により、ア
ルミ膜を形成した。アルミ膜の厚みは、黒色樹脂層2の
表面の凹凸の頂部(凸部)で最も厚く、谷部(凹部)で
最も薄く形成される。本実施例では、頂部での膜厚を約
1000オングストローム、谷部での厚みは、約200
〜300オングストロームであった。この様に、金属膜
1の厚さは、黒色樹脂層2の表面粗さの影響を受け、凹
部位置に薄肉部が多数形成される。表面粗さの基準とし
て、ベック平滑度で400秒以下が望ましい。
【0023】その後、蛍光体層7上にアクリル系の接着
剤6を塗布し、図1(b)に示す様にして、離型層3上
に形成された黒色樹脂層2及び金属膜1を圧着転写し
て、ガラス基板9上に黒色樹脂層2を有するメタルバッ
ク層1を形成した。本実施例と比較のため、グラファイ
トとカーボンブラックを含有せず、従って表面が滑らか
な樹脂層上に形成されたアルミ蒸着膜を転写したアノー
ド(以後、このアノードを比較例1と呼ぶ)を、同様に
してガラス基板上に形成した。
【0024】比較例1の表面平滑度は、ベック平滑度で
800秒であった。その後の焼成工程に於て、約250
℃の昇温により、本実施例のアノードの金属膜には、5
〜10μmの微細孔が形成されていることが顕微鏡観察
によって確認された。一方比較例1の金属膜には、この
様な微細孔は、形成されておらず多数の小さな膨れの発
生が認められた。
【0025】更に温度を上げて、450℃で1時間の焼
成を行った後では、本実施例の場合には接着層6等に含
まれる有機物は完全に熱分解され、アルミ膜の表面は、
膨れが全く発生しておらず良好な表面状態を保ってお
り、黒色樹脂層もバインダーが総て熱分解しグラファイ
ト等の黒化膜が形成され、良好なアノードが得られたの
に対し、比較例1のアノードでは、アルミ膜全面にわた
って大きな膨れが発生しており、中には膨れが破裂に至
ったものも認められる状態であった。
【0026】この様に、本実施例では、金属膜に多数点
在する全記薄肉部が、焼成工程に於て、金属膜下面の有
機物(例えば接着剤)から発生するガス圧により破れて
ピンホール状の多数の微細孔を形成し、これがガス抜き
穴として機能して金属膜の膨れを完全に防止しているの
である。それに対して、比較例1の場合には、金属膜に
はこの様な微細孔が形成されないために膨れの状態から
膨れの破裂といった損傷を受けるのである。
【0027】又、比較例2として、実施例で用いたグラ
ファイトより、粒度分布の粗いグラファイトを用いて転
写シートを作成した。即ち平均粒径3.5μm、8μm
以上の粗粉含有率15%のグラファイトを50部含有さ
せ厚さ2μmの金属膜転写シートを作成した。実施例1
と同様の手段で、ガラス基板上にアノードを形成し、4
50℃で焼成した。焼成後のアルミ膜は、良好な状態で
あったが、グラファイトが凝集しパネル組立後輝度を測
定すると40%まで低下していた。
【0028】その原因として、グラファイトの大きな
塊、即ち8μm以上の粗粉が10%以上含有されている
と、黒色樹脂層に分散不良が発生することが判明した。
又グラファイトの平均粒径があまり細かいとアルミ蒸着
膜に対して孔開け効果が少なくなりその結果膨れの原因
となり、グラファイトの平均粒径として、2±1μm
(D50)が好適であった。
【0029】良好な黒色樹脂層を有した金属膜を得るた
めには、グラファイトの平均粒径が2±1μmであり且
つ8μm以上の粗粉含有率が10%以内であることが必
要である。本実施例で得られた金属膜は、陰極線管のメ
タルバック層として充分な特性を有するものであり、更
にグラファイト等の黒色樹脂層の効果で、ドーミングを
抑制し、又2次電子も前記黒化膜に吸収され、極めて鮮
明な画像が得られた。
【0030】本実施例では、従来の技術すなわち周知の
技術でガラス基板上に蛍光面を形成した後、蛍光体層の
表面平滑化の為有機膜を形成し、ガラス基板ごと蒸着装
置内に導入してアルミ蒸着を行い、更に黒色樹脂層をス
プレー等でアルミ膜上に吹き付けて黒色層を形成してい
た従来の工程に比べ、大幅な工数の短縮及びコストの低
減が可能となる。また本実施例の黒色樹脂層の表面粗度
は、グラファイトの含有率により決まり、結着剤100
部に対し、50部以上のグラファイト含有量であれば、
焼成後に良好な黒色樹脂層を有した金属膜が得られた。
【0031】また、金属膜をニッケルとしても良好なメ
タルバック層が得ることが出来ることを確認した。尚基
板シートと黒色樹脂層との接着性が極めて悪い場合は、
特に離型層を形成せずとも、金属膜層と黒色樹脂層と
が、一括転写される。更に、黒色樹脂層内で凝集破壊さ
せて、黒色樹脂層と金属膜を、転写させても構わない。
又黒色樹脂層の厚みが4μm以上となると金属膜との密
着が悪くなることが判明した。
【0032】(第2実施例)第2実施例を、図2を用い
て説明する。第2実施例は、図2(a)の様に、上記第
1実施例で示した構成の金属膜転写シート4の上に、更
に蛍光体層7、ブラックマトリックス層8を形成してア
ノード形成シート11となし、これを図2(b)のごと
く接着層6をガラス基板9に対向圧着させた後基板シー
ト4を剥ぐように取ると、アノード形成シートは、離型
層3と黒色樹脂層2との間で剥離して、ガラス基板9上
にアノードが形成されるのである。以下、第2実施例に
付き詳細に説明を行う。
【0033】厚さ12μmのPETフイルムの基板シー
ト4上に、シリコン膜を1μmの厚さに塗布し、離型層
3を形成した。この離型層3上に、下記組成の黒色樹脂
層2を3μmの厚さに塗布した。
【0034】 グラファイト ・・・ 60重量部 カーボン ・・・ 3重量部 アクリル樹脂 ・・・ 100重量部 トルエン ・・・ 800重量部 黒色層の表面平滑度は、ベック平滑度で300秒であっ
た。この黒色層2上にアルミ膜を1000オングストロ
ームの厚さに蒸着して、金属膜1を形成した。第1実施
例と同様に、アルミの膜厚の最も厚い部分は、黒色樹脂
層2の表面の凹凸の頂部(凸部)に形成され、薄肉部は
谷部(凹部)に形成される。
【0035】さらに、 下記組成物をセラミック3本ロ
ールにて、3回通して練肉し緑色蛍光体インクを作成し
た。
【0036】 緑色蛍光体 ・・・70(重量部) (ZnS/Cu) アクリル樹脂 ・・・10 溶剤 ・・・18 分散剤 ・・・ 2 同様にして、赤色蛍光体インク・青色蛍光体インクを作
成した。
【0037】ガラス板上に前記微細孔を形成したアルミ
転写シートを固定し、グラビアオフセット方式により、
金属膜転写シート5上に、緑色蛍光体パターンを印刷し
た。順次赤色蛍光体、青色蛍光体を所定の位置に印刷
し、RGB3色の蛍光体パターンを得た。印刷されたパ
ターンは、ストライプの均一性、精度、光学特性共に満
足するものであった。
【0038】さらにブラックマトリックス層を下記の組
成で作成し、蛍光体パターンと同様のグラビアオフセッ
ト方式により金属膜転写シート5上に、連続して印刷し
た。
【0039】 グラファイト ・・・25(重量部) アクリル樹脂 ・・・33 溶剤 ・・・40 アマニ油 ・・・ 2 上記のようにして、金属膜転写シート5上に、蛍光体層
及びブラックマトリックス層を印刷して得られたアノー
ド形成シートの最上面に、アクリル粘着剤(イソデシル
メタアクリレート)を3ミクロンの厚さで一様に塗布す
る。このアノード形成シート11を、フェースプレート
となるガラス基板に接着層6を対向させて圧着し、アノ
ード形成シートの離型層3が塗布された基板シート4を
剥離してガラス基板上にブラックマトリックス層8及び
蛍光体層7及びメタルバック層1及び黒色樹脂層2を形
成した。
【0040】そして、昇温条件10℃/分・450℃1
時間保持の条件で焼成した。その結果、良好なブラック
マトリックス層8と蛍光体層7及び微細孔が形成された
メタルバック層としての金属膜1及び黒色層が得られ、
良好なアノードが形成された。このアノードは、カラー
陰極線管アノードとして充分に特性を満足するものであ
った。尚本実施例に於て、アクリル粘着剤は、フェース
プレートとなるガラス基板上に塗布しておいても良いこ
とは、勿論である。
【0041】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、特定の粒度分布を有したグラファイトを含有し
た黒色樹脂層上に金属膜を形成した、金属膜転写シート
を陰極線管フェースプレート上の蛍光体層に転写して、
基板シートを剥離後、焼成してアノードを形成すること
を特徴としており、それにより大型の設備が不要となり
また大幅な工数の低減も可能となる。金属膜上に形成さ
れた黒色樹脂層により、ドーミング現象が抑制され、更
に2次電子対策にも貢献するため、大幅な、画質の向上
が図れる。さらに、黒色樹脂層上に金属膜を形成した金
属膜転写シート上に、蛍光体層及びブラックマトリック
ス層を形成し陰極線管フェースプレート上に一括転写
し、基板シートを剥離後、焼成することにより更に簡単
にカラー陰極線管のアノード面が形成される。陰極線管
やプラズマディスプレイ等の蛍光体製品に応用すると、
大きな製造設備を必要とする事なく高品質で安価な製品
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の金属膜転写シートの一実施
例の構成を示す断面図 (b)は、図1(a)の金属膜転写シートを用いた、本
発明のアノードの形成方法の一実施例を示す工程図
【図2】(a)は、本発明のアノードの形成方法の他の
実施例において用いたアノード形成シートの断面図 (b)は、図2(a)のアノード形成シートを用いた同
実施例方法の工程説明図
【符号の説明】
1 金属膜 2 黒色樹脂層 3 離型層 4 基板シート 5 金属膜転写シート 6 接着層 7 蛍光体層 8 ブラックマトリックス層 9 フェースプレート 10 アノード 11 アノード形成シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 相川 昇 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートと前記シート上に形成された、平
    均粒径2±1μmで且つ8μm以上の粗粉含有量が10
    %以内であるグラファイトを用いた黒色樹脂層と、前記
    黒色樹脂層表面に形成された金属膜とを具備した金属膜
    転写シート。
  2. 【請求項2】 黒色樹脂層に少なくともグラファイトと
    カーボンが含有されていることを特徴とする請求項1記
    載の金属膜転写シート。
  3. 【請求項3】 黒色樹脂層に含有される樹脂が解重合性
    結着剤であることを特徴とする請求項1または2記載の
    金属膜転写シート。
  4. 【請求項4】 黒色樹脂層に含有されたグラファイトが
    樹脂100重量部に対し50重量部以上含有されている
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の金属膜
    転写シート。
  5. 【請求項5】 黒色樹脂層の膜厚が、4μm以下であ
    り、表面平滑度がベック平滑度で400秒以内である事
    を特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の金属膜転写
    シート。
  6. 【請求項6】 シートと黒色樹脂層との間に離型層が介
    在する事を特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の金
    属膜転写シート。
  7. 【請求項7】 蛍光体層、メタルバック層、黒色樹脂層
    を有し、焼成工程を経て製造されるアノードの形成方法
    であって、前記焼成工程に於て、黒色樹脂層表面の突起
    により、メタルバック層に微細孔が形成されることを特
    徴とする、アノードの形成方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6の何れかに記載の金属膜転
    写シートを用い、前記金属膜転写シート上の金属膜を、
    ガラス基板上の蛍光体層に接着剤を介して押圧した後、
    金属膜転写シートのシートと黒色樹脂層との間で剥離し
    て黒色樹脂層が積層された金属膜を蛍光体層上に転写
    し、黒色樹脂層及び金属膜によって構成されるメタルバ
    ック層を具備せしめてアノードを形成することを特徴と
    するアノードの形成方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜6の何れかに記載の金属膜転
    写シートを用い、前記金属膜上に、更に蛍光体層、ブラ
    ックマトリックス層を形成してアノード形成シートと
    し、前記アノード形成シートの最上面を接着層を介して
    ガラス基板に押圧し、その後前記アノード形成シート
    を、シートと黒色樹脂層との間で剥離して、前記アノー
    ド形成シート上の黒色樹脂層より上層部を前記ガラス基
    板に転写することにより、前記ガラス基板上にアノード
    を形成した後、焼成することを特徴とするアノードの形
    成方法
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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