JPH05189814A - 光記録媒体製造用原盤の製造方法 - Google Patents

光記録媒体製造用原盤の製造方法

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JPH05189814A
JPH05189814A JP2169392A JP2169392A JPH05189814A JP H05189814 A JPH05189814 A JP H05189814A JP 2169392 A JP2169392 A JP 2169392A JP 2169392 A JP2169392 A JP 2169392A JP H05189814 A JPH05189814 A JP H05189814A
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JP2169392A
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Hitoshi Yoshino
斉 芳野
Hisanori Hayashi
久範 林
Naoki Kushida
直樹 串田
Osamu Shikame
修 鹿目
Toshiya Yuasa
俊哉 湯浅
Hirofumi Kamitakahara
弘文 上高原
Takashi Kai
丘 甲斐
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光報記録媒体の製造に用いる原盤を作製する
際に、硬化樹脂のはみ出しを防止して、バリのない原盤
を製造する方法を提供する。 【構成】 記録すべき情報に対応した凹凸パターンが形
成されたマスクと、該マスクの外形よりも樹脂層形成領
域の大きさが小さい原盤を用いて、マスクまたは原盤の
少なくとも一方に紫外線または電子線、熱などで硬化す
る樹脂を塗布する工程、原盤の樹脂層形成部分よりもマ
スクの各外周部がはみ出すように両者を重ね合わせる工
程、前記硬化樹脂を原盤の樹脂層形成領域全面まで広げ
る工程、紫外線または電子線を照射して、或いは加熱、
加圧を行なって樹脂を硬化させる工程、該硬化した樹脂
からマスクを剥がす工程からなることを特徴とする光記
録媒体製造用原盤の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学的に情報の記録・
再生を行なう光記録媒体製造用原盤の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、各種情報の記録には、磁気テー
プ、磁気ディスク等の磁気メモリー材料、各種半導体メ
モリー等が主として用いられてきた。この様な磁気メモ
リー、半導体メモリーは情報の書き込みおよび読みだし
が容易に行なえるという利点はあるが、反面、情報の内
容を容易に改ざんされたり、また高密度記録ができない
という問題点があった。かかる問題点を解決するため
に、多種多様の情報を効率良く取り扱う手段として、光
記録媒体による光学的情報記録方法が提案され、そのた
めの光学的情報記録担体、記録再生方法、記録再生装置
が提案されている。
【0003】かかる情報記録担体としての光記録媒体
は、一般にレーザー光を用いて情報記録担体上の光記録
層の一部を揮散させるか、反射率の変化を生じさせる
か、あるいは変形を生じせて、光学的な反射率や透過率
の差によって情報を記録し、あるいは再生を行なってい
る。この場合、光記録層は情報を書き込み後、現像処理
などの必要がなく、「書いた後に直読する」ことのでき
る、いわゆるDRAW(ダイレクト リード アフター
ライト)媒体であり、高密度記録が可能であり、また
追加書き込みも可能であることから、情報の記録・保存
媒体として有効である。
【0004】図5は、従来の光記録媒体(光ディスク、
光カード、光テープなど)の模式的断面図である。同図
において、図5(a)は光ディスクを示し、微細な凹凸
を有するトラック溝12を形成した透明樹脂基板11の
上に光記録層13を設け、その上にスペーサー14を介
して裏材15を積層してなるものである。また、図5
(b)は光カードを示し、微細な凹凸を有するトラック
溝12を形成した透明樹脂基板11の上に光記録層13
を設け、その上に接着層16を設けて裏材15を貼合わ
せてなるものである。図5の記録・再生は、トラック溝
12の微細な凹凸を利用してレーザー光の位相差により
位置決めをしながら行なっている。
【0005】一般的な光記録媒体では、熱可塑性樹脂で
あるポリカーボネート樹脂やポリメチルメタクリル樹脂
を、トラックや情報に対応する凹凸パターンが記録され
ているスタンパー又は型を用いて、その凹凸パターンを
転写してトラック溝12を形成している。
【0006】スタンパーの製造方法としては一般的に、
図6に示す様に、平面性良く研磨されたガラスなどの原
盤1の上にレジストや感光性樹脂3を設け、樹脂3に所
定の深さに凹凸パターンを形成した後に(図6(a)参
照)、導電化膜21を形成して導電化し(図6(b)参
照)、次いで所定の厚さまで電鋳を行なって電鋳膜22
を形成し、導電化膜21と電鋳膜22を剥離して金属ス
タンパーを得ている(図6(c)参照)。
【0007】基板や原盤を製造するのに、紫外線硬化樹
脂を用いてあらかじめ凹凸パターンの形成されたマスク
のレプリカ成形を行なう方法も用いられている。例え
ば、スタンパーでエアーシールして紫外線硬化樹脂を固
める方法(特開昭53−33244号公報)、基板を反
らせてマスクと重ね合わせる方法(特開昭53−867
56号公報、特開昭53−116105号公報、特開昭
55−160338号公報、特開昭61−148033
号公報)、ローラーで樹脂を所定のパターンに印刷して
からマスクと重ね合わせる方法(特開平1−17651
7号公報、特開平1−176518号公報、特開平1−
176519号公報)、基板の中心穴から樹脂を注入す
る方法(特開昭55−152028号公報、特開昭57
−47625号公報)、基板とスタンパーの間の空隙部
に紫外線硬化樹脂を供給しながら充填する方法(特開昭
58−173623号公報、特開昭61−42612号
公報)、などが行われている。
【0008】しかしながら、従来の方法で紫外線硬化樹
脂などを用いて凹凸パターンを転写するときには、紫外
線硬化樹脂などがマスクまたは原盤からはみ出して、は
み出したところにはバリが発生するという問題点があ
る。特に、四角などの角のある形状の原盤を用いるとき
には、原盤の上で樹脂は丸い形に広がっていくために、
角まで樹脂を広げようとすると、辺の中央部付近では樹
脂が早く広がるために、樹脂がはみ出してバリが発生し
易いという問題点も発生している。はみ出した樹脂を拭
き取り、吸引して取り除くことによってバリを防止する
ことも可能であるが、原盤の裏面に回り込んで汚した
り、拭きムラが発生するという問題点が生じている。
【0009】その他に樹脂を充填する方法としては、液
晶などで用いられている真空注入方法が広く使われてい
るが、光記録媒体の原盤やスタンパー、基板を製造する
のに用いるには、ギャップ材を端にしか入れられないた
めに、注入するときにマスク、基板、原盤などが反り易
いという問題点があり、さらに微小な隙間を介して対向
したマスク、基板、スタンパー、原盤などを真空にして
隙間の空気を抜いてから、対向した基板などの外側をリ
ークして圧力を高くして圧力差を設けて樹脂を圧入する
ために、一連の工程を行なうのに長い時間を要するとい
う問題点も生じている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題を
解決する目的でなされたものであり、光ビームの照射に
よって光学特性を変化させて、情報の記録・再生を行な
う光記録媒体の製造に用いる原盤を作製する際に、硬化
樹脂のはみ出しを防止して、バリのない原盤を製造する
方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、光ビー
ムの照射によって、光学特性を変化させて情報の記録・
再生を行なう光記録媒体の製造に用いれれる原盤を製造
する方法において、記録すべき情報に対応した凹凸パタ
ーンが形成されたマスクと、該マスクの外形よりも樹脂
層形成領域の大きさが小さい原盤を用いて、マスクまた
は原盤の少なくとも一方に紫外線または電子線、熱など
で硬化する樹脂を塗布する工程、原盤の樹脂層形成部分
よりもマスクの各外周部がはみ出すように両者を重ね合
わせる工程、前記硬化樹脂を原盤の樹脂層形成領域全面
まで広げる工程、紫外線または電子線を照射して、或い
は加熱、加圧を行なって樹脂を硬化させる工程、該硬化
した樹脂からマスクを剥がす工程からなることを特徴と
する光記録媒体製造用原盤の製造方法である。
【0012】本発明では、原盤の樹脂形成領域がマスク
の外形よりも小さくすることによって、塗布する樹脂の
はみ出しを防いでマスクと原盤を重ね合わせる。この製
造方法を用いることによって、バリのない原盤を得るこ
とができる。
【0013】本発明の光記録媒体製造用原盤の製造方法
を以下詳細に述べる。図1は本発明の光記録媒体製造用
原盤の製造方法の一例を示す工程図である。同図1に示
すように、記録すべき情報に対応した凹凸パターンが形
成されたマスク2と、該マスク2の外形よりも樹脂層形
成領域5の大きさが小さい原盤1で、原盤1の樹脂層形
成領域以外の領域に溝4が設けられている原盤(図1
(a)参照)を用いて、マスク2または原盤1の少なく
とも一方に紫外線または電子線、熱などで硬化する樹脂
3を塗布して、両者を重ね合わせて樹脂3を樹脂槽形成
領域5の全面に広げる(図1(a)参照)。
【0014】その後、紫外線または電子線8を照射し
て、或いは加熱、加圧を行なって樹脂3を硬化させる
(図1(b)参照)。樹脂が硬化した後にマスク2を原
盤1から剥離して光記録媒体製造用原盤を得る(図1
(c)参照)。同図においては、はみ出した樹脂7は溝
4に収容される(図1(b)参照)。
【0015】図2は原盤1の樹脂層形成領域以外の領域
が樹脂層形成領域の基準面よりも低くなっている原盤を
用いた光記録媒体製造用原盤の製造方法の一例を示す説
明図である。同図において、図1に示された原盤1の樹
脂層形成領域5の樹脂層形成領域以外の領域に形成され
た溝4の幅を広くして原盤1の最外周まで溝4を形成す
る。図1に示された方法と同じ方法で樹脂3を原盤1と
マスク2の少なくとも一方に塗布した後で両者を重ね合
わせてから樹脂3を硬化、剥離させて光記録媒体製造用
原盤を得る。図1に示された方法と同じようにはみ出し
た樹脂7は溝に収容される。
【0016】本発明に用いる原盤1の材料は、平面性が
良く、十分な強度を持つ材料であれば、いづれの材料で
も用いることができる。例えば、研磨ガラス、化学強化
ガラスなどのガラス、アクリル樹脂、メタアクリル樹
脂、ABS樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどの有
機高分子化合物、ニッケル、クロム等の金属、タングス
テンカーバイド、窒化チタン等の金属化合物、アルミニ
ウム、アルミニウム合金、ステンレス、チタン、チタン
合金などの金属合金、セラミクスなどの中から必要に応
じて選択して用いることができる。
【0017】原盤1の樹脂層形成領域5は、プリフォー
マットの凹凸パターンを一つまたは複数個形成すること
ができ、マスク2よりも狭い範囲であれば、いづれの広
さでも用いることができる。樹脂層形成領域5の面は平
面度良く形成される。所望のスタンパーの面精度と同じ
か、またはそれ以上良い平面度であることが望ましい。
好ましい平面度は凹凸の最大値で20μm以下である。
【0018】原盤1の樹脂層形成領域5の外側には溝4
を形成する。溝の幅、深さは、塗布した樹脂3を樹脂層
形成領域5の全面に広げたときに、はみ出した樹脂の全
量を収容することができる範囲であれば良い。幅が狭い
と樹脂層形成領域5からはみ出した樹脂3を全量を収容
することができなくなり、幅が広いと原盤1の大きさを
大きくしなければならない。深さが浅いとはみ出した樹
脂3を全量を入れることができなくなり、深いと原盤1
の強度が弱くなったり、厚い材料を用いなければならな
くなる。溝の好ましい幅は0.1〜100mm、深さは
0.1〜10mmまたは原盤1の厚さの1/3以下であ
る。
【0019】溝の断面形状は樹脂層形成領域5と垂直で
あると、樹脂3が十分に溝4の中に広がらない。したが
って、図3に示す様に、樹脂層形成領域5と溝4の接線
6が形成する角度θが60度以下であること好ましい。
好ましい断面形状は角度θが60度以下であれば、円
形、楕円、台形、三角形または四角形などの多角形の中
から自由に選択できる。溝4を形成する位置は、切れ目
があるとその切れ目から溝4の中の樹脂が溢れ出る可能
性があるので、原盤1の樹脂層形成領域5の外側全周を
囲むように形成するのが好ましい。また、樹脂層形成領
域5から離れているとはみ出した樹脂3が硬化後にバリ
になり易いので溝4は樹脂層形成領域5から離れていな
い位置が良い。好ましくは樹脂層形成領域5から1mm
以下の位置である。
【0020】また、樹脂層形成領域外の溝は溝形状に限
らずに、例えば、図3(c)に示す様に、樹脂層形成領
域の外側全面の原盤の厚さを少なくしても良い。溝4を
形成する方法は、切削などの機械的な方法、ドライまた
はウエットエッチングなどのエッチングで形成する方法
などの中から自由に選択できる。溝4の形成後に原盤1
の樹脂層形成領域5を研磨するか、樹脂層形成領域5を
保護部材で保護してから溝4を形成することが好まし
い。
【0021】マスク2の材質は、平面性が良く、十分な
強度を持つ材料であるば、いづれの材料でも用いること
ができる。例えば、研磨ガラス、化学強化ガラスなどの
ガラス、アクリル樹脂、メタアクリル樹脂、ABS樹
脂、ポリエチレンテレフタレートなどの有機高分子化合
物、ニッケル、クロム等の金属、タングステンカーバイ
ド、窒化チタン等の金属化合物、アルミニウム、アルミ
ニウム合金、ステンレス、チタン、チタン合金などの金
属合金、セラミクスなどの中から必要に応じて選択して
用いることができる。マスク2の表面には必要に応じ
て、金属酸化物、窒化物、炭化物などによる表面硬化
層、シリコン系樹脂などによる保護層、炭素ハロゲン化
物などによる離型層などを形成することもできる。
【0022】マスク2の製造方法は、一般にフォトマス
ク、スタンパー、型に用いられている方法であれば、い
づれの方法でも用いることができる。具体的には、平面
度良く研磨されたガラスの上に凹凸パターンの深さまで
クロム、酸化クロムなどの金属を真空成膜してからレジ
ストを所定の厚さに塗布して、パターンを露光、現像し
てから、ドライまたはウエットエッチングをして形成す
ることができる。この凹凸パターンを元にレプリカを形
成しても良い。その他の方法としては、切削などの機械
的な加工などを用いることができる。
【0023】紫外線または電子線で硬化する樹脂3は市
販されている樹脂類、例えば、アクリル系樹脂、エポキ
シ系樹脂、ウレタン系樹脂などの中から自由に選択する
ことができる。樹脂3の塗布方法は、一般的に用いられ
ている方法を用いることができる。例えば、スピンコー
ト、バーコート、グラビアなどの各種印刷、ディッピン
グ法、滴下法などを用いることができる。
【0024】また、熱で硬化する樹脂は、市販されてい
る樹脂類、例えば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、
シリコン系樹脂などを用いることができる。樹脂3は原
盤1の樹脂層形成領域5と、マスク2の凹凸パターン面
の少なくとも一方に塗布する。樹脂3を一部または全面
に塗布しても良い。部分的に樹脂3を塗布する場合は、
塗布する位置は原盤1またはマスク2の中央部全面、中
央部の対角線上、外周部の一部、外側の端部、外周部全
面など自由に選択できる。必要に応じて、原盤1上に樹
脂3と原盤1の密着性を上げるための層を設けても良
い。例えば、原盤の樹脂層形成領域にプライマーまたは
アンカーコート剤を塗布した後、硬化樹脂を塗布する。
【0025】その後、図4に示すように、マスク2と原
盤1を重ね合わせる。重ねあわせの方法は、一つの頂点
または一つの辺、中央部から気泡を巻き込まない様に両
者を重ねる方法の中から必要に応じて自由に選択でき
る。また、重ね合わせる雰囲気を減圧または真空雰囲気
にすることも可能である。マスクと原盤の間に挟み込ま
れた樹脂を広げる方法は、マスクまたは原盤の自重で広
げても良いし、必要に応じて加圧、加熱を行なっても良
い。溝4にはみ出した樹脂3は必要に応じて真空吸引な
どの方法で取り除いても良い。
【0026】
【作用】本発明の光記録媒体製造用原盤の製造方法は、
凹凸パターンが形成されたマスクと、マスクの外形より
も樹脂層形成領域の大きさが小さい原盤を用いて、マス
クまたは原盤に紫外線または電子線、熱などで硬化する
樹脂を塗布して、原盤の樹脂層形成部分よりもマスクの
各外周部がはみ出すように両者を重ね合わせて、樹脂層
形成領域全面まで広げてから紫外線や電子線を照射し、
或いは加熱、加圧を行なって樹脂を硬化させて原盤を製
造することによって、樹脂形成層外にバリのなく、寸法
精度の良い原盤を製造することができる。
【0027】
【実施例】以下、実施例を示し本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明がこれらに限定されるものではな
い。
【0028】実施例1 厚さ10mm、たて300×よこ340mmの長方形の
ガラス板(旭ガラス)の中央部270×310mmを樹
脂層形成領域として、その領域の外側全周に幅5mm、
深さ2mmの二等辺三角形の断面を持つ溝を切削で形成
した。溝形成後、原盤を平面度10μmまで両面研磨し
て原盤を形成した。厚さ10mm、たて300×よこ3
50mmの片側の表面にピッチ12μm、幅3.0μ
m、深さ3000Åの凹凸パターンが形成されたフォト
マスク(HOYA社製)をマスクとして、該マスク中央
部に十分脱泡した紫外線硬化樹脂(旭化成工業社製、
A.P.R.)を5g滴下した。該マスクと原盤をマス
クを上にして、両者の中央部からゆっくりと重ね合わせ
た。マスクの自重で該樹脂を樹脂層形成領域全面に広げ
た。広げた樹脂を観察すると、滴下した樹脂は円形に広
がって、各辺ともに辺の中央部は溝まで樹脂がはみ出し
ていた。
【0029】この状態でマスクと原盤の位置がズレない
ように押さえながら、超高圧水銀灯(ウシオ電気社製)
を用いて80W/cm、距離10cmの条件で紫外線を
照射して樹脂を硬化させた。その後、原盤とマスクを剥
離した。原盤上の樹脂層の端面の未硬化の樹脂をアセト
ンを用いて拭き取った。
【0030】樹脂層形成領域の樹脂の厚みを測定する
と、20±2μmで十分に均一であった。また、硬化し
た樹脂層から上側、外側にバリは出ていなかった(ミツ
トヨ、マイクロメーターで測定)。転写したトラック溝
の凹凸パターンを測定すると、トラック深さの転写は9
7%であり、十分に転写していた(テーラーホブソン、
タリステップで測定)。線幅およびピッチの転写率は9
9.5%であり、十分であった(カールツァイス、三次
元測定機で測定)。
【0031】実施例2 厚さ10mm、φ350mmの円形のガラス板(旭ガラ
ス社製)の中央部φ300mmを樹脂層形成領域とし
て、その領域の外側全面を30度の角度で切削で削って
から、その外側を2mmの深さでガラス板を削って厚さ
を薄くして溝を設けた。外周加工後、実施例1と同じよ
うに原盤の両面を平面研磨した。トラックピッチ1.6
μm、深さ700Å、線幅0.6μmのスパイラル形状
のトラックの形成された金属スタンパー(セイコーエプ
ソン社製)をマスクとして、実施例1と同じように、マ
スクの中央部に実施例1と同じ紫外線硬化樹脂をスクリ
ーン印刷で5g印刷した。
【0032】実施例1と同じように、マスクの自重で樹
脂を樹脂層形成領域全面に広げた。樹脂は円形に広がっ
て、溝まではみ出していた。マスクと原盤の位置がズレ
ないように押さえながら、実施例1と同じ方法で樹脂の
硬化、マスクの剥離、未硬化樹脂の拭き取りを行なっ
た。
【0033】樹脂層形成領域の樹脂の厚みを測定する
と、20±2μmで十分に均一であった。また、硬化し
た樹脂層から上側、外側にバリは出ていなかった。転写
したトラック溝の凹凸パターンを測定すると、トラック
深さの転写は97%であった。線幅およびピッチの転写
率は99.5%であった。
【0034】実施例3 実施例1と同じ大きさ、厚さのガラス板に、実施例1と
同じ大きさ、形状の樹脂層形成領域を設けた。その領域
の外側全周に幅10mm、深さ2mm、底辺3mmの台
形の断面を持つ溝を切削で形成した。実施例1と同じよ
うに原盤の両面を平面研磨した。実施例1と同じマスク
を用いて、マスクの長辺の一辺に沿って実施例1と同じ
紫外線硬化樹脂を実施例2と同じ様に印刷した。マスク
と原盤を樹脂を塗布した辺から先に合わせるようにして
重ね合わせた。実施例1と同じようにマスクの自重で樹
脂を広げた。樹脂は先に重ね合わせた辺から反対方向の
辺に向かって楕円形に広がった。樹脂は各辺とも溝まで
はみ出していた。マスクと原盤の位置がズレないように
押さえながら、実施例1と同じ方法で樹脂の硬化、マス
ク剥離、未硬化樹脂の拭き取りを行なった。
【0035】樹脂層形成領域の樹脂の厚みを測定する
と、20±2μmで十分に均一であった。また、硬化し
た樹脂層から上側、外側にバリは出ていなかった。転写
したトラック溝の凹凸パターンを測定すると、トラック
深さの転写は97%であった。線幅およびピッチの転写
率は99.5%であった。
【0036】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、凹
凸パターンが形成されたマスクと、マスクの外形より
も、樹脂層形成領域の大きさが小さい原盤を用いて、紫
外線または電子線、熱などで硬化樹脂を塗布したマス
ク、原盤を原盤の樹脂層形成部分よりもマスクの各外周
部がはみ出すように両者を重ね合わせて樹脂層形成領域
全面まで広げから、樹脂の硬化、マスク剥離、未硬化樹
脂を除去する一連の工程を経て原盤を製造することによ
って、原盤製造時の硬化樹脂のはみ出しを防止して、バ
リのない光記録媒体製造用原盤を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光記録媒体製造用原盤の製造方法の一
例を示す工程図である。
【図2】本発明の光記録媒体製造用原盤の製造方法の他
の例を示す説明図である。
【図3】光記録媒体製造用原盤の溝形状を示す断面図で
ある。
【図4】原盤とマスクの重ね合わせ方法を示す断面図で
ある。
【図5】従来の光記録媒体を示す断面図である。
【図6】従来のスタンパーの製造方法を示す工程図であ
る。
【符号の説明】
1 原盤 2 マスク 3 樹脂 4 溝 5 樹脂層形成領域 6 接線 7 はみ出した樹脂 8 紫外線または電子線 11 透明樹脂基板 12 トラック溝 13 光記録層 14 スペーサー 15 裏材 16 接着層 21 導電化膜 22 電鋳膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鹿目 修 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 湯浅 俊哉 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 上高原 弘文 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 甲斐 丘 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ビームの照射によって、光学特性を変
    化させて情報の記録・再生を行なう光記録媒体の製造に
    用いれれる原盤を製造する方法において、記録すべき情
    報に対応した凹凸パターンが形成されたマスクと、該マ
    スクの外形よりも樹脂層形成領域の大きさが小さい原盤
    を用いて、マスクまたは原盤の少なくとも一方に紫外線
    または電子線、熱などで硬化する樹脂を塗布する工程、
    原盤の樹脂層形成部分よりもマスクの各外周部がはみ出
    すように両者を重ね合わせる工程、前記硬化樹脂を原盤
    の樹脂層形成領域全面まで広げる工程、紫外線または電
    子線を照射して、或いは加熱、加圧を行なって樹脂を硬
    化させる工程、該硬化した樹脂からマスクを剥がす工程
    からなることを特徴とする光記録媒体製造用原盤の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 原盤の樹脂層形成領域以外の領域が樹脂
    層形成領域の基準面よりも低くなっているか、又は樹脂
    層形成領域以外の領域に溝が設けられている請求項1記
    載の光記録媒体製造用原盤の製造方法。
  3. 【請求項3】 原盤の樹脂層形成領域にプライマーまた
    はアンカーコート剤を塗布した後、硬化樹脂を塗布する
    請求項1記載の光記録媒体製造用原盤の製造方法。
  4. 【請求項4】 硬化樹脂からマスクを剥がした後、原盤
    の樹脂層形成領域からはみ出した未硬化の樹脂を除去す
    る請求項1記載の光記録媒体製造用原盤の製造方法。
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JP2169392A Pending JPH05189814A (ja) 1992-01-13 1992-01-13 光記録媒体製造用原盤の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006521682A (ja) * 2003-03-27 2006-09-21 コリア・インスティテュート・オブ・マシナリー・アンド・マテリアルズ 多重浮彫要素スタンプと選択的付加圧力を利用したuvナノインプリントリソグラフィ法
US7657282B2 (en) 2002-10-23 2010-02-02 Hitachi, Ltd. Multimode wireless communication apparatus and high frequency integrated circuit therefor

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JP4651390B2 (ja) * 2003-03-27 2011-03-16 コリア・インスティテュート・オブ・マシナリー・アンド・マテリアルズ 多重浮彫要素スタンプを利用したuvナノインプリントリソグラフィ法

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