JPH0518892B2 - - Google Patents

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JPH0518892B2
JPH0518892B2 JP32292588A JP32292588A JPH0518892B2 JP H0518892 B2 JPH0518892 B2 JP H0518892B2 JP 32292588 A JP32292588 A JP 32292588A JP 32292588 A JP32292588 A JP 32292588A JP H0518892 B2 JPH0518892 B2 JP H0518892B2
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less
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electronic
thickness
electrical equipment
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Mamoru Matsuo
Toshiki Muramatsu
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Sky Aluminium Co Ltd
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【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 この発明は半導体やICのリードフレームある
いはコネクタやスイツチなどの導電部品に使用さ
れる電子電気機器導電部品用材料の製造方法に関
し、高い強度、良好な繰返し曲げ性を有するとと
もに、良好な電気伝導性、熱伝導性(放熱性)、
耐食性、ボンデイング性を有し、しかも安価な電
子・電気機器導電部品用材料の製造方法に関する
ものである。 従来の技術 電子・電気機器に使用される導電部品の代表的
なものとしては、トランジスタなどの個別半導体
やI.C.,LSI,SCRに使用されるリードフレーム
がある。このリードフレームは、代表的には次の
ような工程を経てICや半導体に組込まれる。 すなわち先ずリードフレーム用材料としての導
電材料からなる板厚0.1〜0.5mmの条材を用意し、
その条材にプレス打抜き加工またはエツチングを
施して所要のリードフレーム形状(但しアウター
リード側が相互に連なつているもの)とし、次い
でそのリードフレームの所定箇所に高純度Siなど
からなる半導体素子(Siチツプ)を接合する。こ
の接合は、ダイボンデイングと称されるものであ
つて、Agペースト等の導電樹脂を用いて加圧接
着する方法、あるいは予めリードフレーム素材の
片面もしくは半導体素子(Siチツプ)の面に、
Au,Ag,Ni等のうちの1種の単層または2種以
上の多重層からなるメツキ層を形成しておき、こ
のメツキ層を介し加熱拡散圧着してAu−Siなど
の共晶を利用してリードフレームと半導体素子と
を接合する方法、さらにはPb−Snはんだ等を用
いて接合する方法などがある。この後、基板上の
リードフレームの所定箇所にダイボンデイングさ
れた半導体素子(Siチツプ)上のAl電極とリー
ドフレームの導体端子(インナーリード)とを
Au線もしくはAl線で接続する。この接続はワイ
ヤボンデイングと称されている。引続いて半導体
素子、結線部分、および半導体素子が取付けられ
た部分のリードフレームを保護するために樹脂や
セラミツク等で封止し、最終的にリードフレーム
のアウタリードの相互に連なる部分を切除する。 以上のような工程を経て使用されるリードフレ
ーム材としては、良好なプレス加工性もしくはエ
ツチング性を有すること、およびワイヤボンデイ
ングにおける接合性すなわちボンデイング性が良
好であること、さらには良好な放熱性(熱伝導
性)、導電性を有し、しかも半導体装置の輸送や
電子機器への組込みに際しての曲がりや繰返し曲
げによつて破損が生じない機械的強度や優れた耐
繰返し曲げ性を有し、また耐食性を有することが
要求される。 従来このようなリードフレーム材としては、
Fe−42%Ni合金である42合金、あるいはFe−17
%CO−29%Ni合金であるコバール、さらにはCu
系合金のリン青銅(CA501)、Cu−Fe−Zn−P
(CA194)合金、Cu−Fe−Co−Sn−P(CA195)
合金等が使用されている。 発明が解決しようとする課題 従来のリードフレーム材として用いられている
コバールや42合金はいずれも高価なNiを多量に
含有するため高価格とならざるを得ず、しかも熱
伝導性や耐食性に劣る問題があつた。またCu系
合金は繰返し曲げ性が劣り、また価格的な面でも
問題があつた。そこでリードフレーム材で代表さ
れる電子・電気機器導電部品の導伝材料として、
これらの部品に要求される諸特性を満足ししかも
安価な材料の開発・実用化が強く望まれている。 一般に安価な導電材料としてはアルミニウム合
金が知られており、アルミニウム合金を用いたリ
ードフレーム材料としては、既に特開昭62−
96638号や特開昭62−96644号等に記載のものが提
案されている。これらのアルミニウム合金では、
電気伝導性や放熱性は比較的良好であるが、従来
のリードフレーム材である42合金やリン青銅と比
較して強度が低く、また繰返し曲げ性が充分でな
く、そこでより強度が高くかつ繰返し曲げ性に優
れたアルミニウム合金基の材料の開発が望まれて
いる。 この発明は以上の事情を背景としてなされたも
ので、特に優れた繰返し曲げ性を有するとともに
機械的強度も高く、かつその他の諸特性、すなわ
ちボンデイング性や耐食性も優れ、しかも安価な
アルミニウム基合金からなる電子・電気機器導電
部品材料を提供することを目的とするものであ
る。 課題を解決するための手段 本発明者等はアルニミウム基合金について、前
述のようなリードフレーム等の電子電気機器導電
部品に使用される材料として必要な特性、特に優
れた繰返し曲げ性と高い強度、良好な耐食性と優
れたボンデイング性を満足させ得る材料とその製
造方法を見出すべく種々実験・検討を重ねた結
果、表層材として純Al系のアルミニウム合金を
用いかつ芯材として高強度のアルミニウム合金を
用いた複合板を適用することによつて前述の目的
を満たすことができることを見出し、この発明を
なすに至つたのである。 具体的には、請求項1の発明の電子電気機器導
電部品用材料は、40Kgf/mm2以上の引張強度を有
するアルミニウム合金を芯材とし、その芯材の両
面に99.0%以上の純度のアルミニウムからなる表
層材を片面当り10μm以上の厚さで接合したこと
を特徴とするものである。 また請求項2の発明の電子電気機器導電部品用
材料は、請求項1の発明の材料における芯材のア
ルミニウム合金が、Al−Cu−Mg系合金、すなわ
ちCu0.5〜5.0wt%、Mg0.2〜2.0wt%を含有し、
残部がAlおよび不可避的不純物よりなることを
特徴とするものである。 さらに請求項3の発明の電子電気機器導電部品
用材料は、請求項2の発明における芯材のアルミ
ニウム合金が、Cu,Mgのほか、さらにMn1.0wt
%以下、Cr0.3wt%以下、Zr0.3wt%以下、
V0.3wt%以下、Ni5.7wt%以下のうちの1種また
は2種以上を含有しているものからなることを特
徴とするものである。 さらに請求項4の発明の電子電気機器導電部品
用材料は、請求項1の発明の材料における芯材の
アルミニウム合金が、Al−Cu−Mg系合金、すな
わちZn2.0〜7.0wt%、Mg1.0〜3.5wt%を含有し、
残部がAlおよび不可避的不純物よりなることを
特徴とするものである。 また請求項5の発明の電子電気機器導電部品用
材料は、請求項4の発明のおける芯材のアルミニ
ウム合金が、Zn,Mgのほか、さらにCu2.5wt%
以下、Mn1.0wt%以下、Cr0.3wt%以下、
Zr0.3wt%以下、V0.3wt%以下、Ni5.7wt%以下
のうちの1種または2種以上を含有しているもの
からなることを特徴とするものである。 一方請求項6の電子電気機器導電部品用材料の
製造方法は、必須合金成分としてCu0.5〜5.0wt%
およびMg0.2〜2.0wt%を含有するアルミニウム
合金を芯材としかつその芯材の両面に99.0%以上
の純度のアルミニウムからなる表層材が接合され
た複合材の圧延板を、440〜530℃で溶体化処理し
て、冷却速度1℃/sec以上で冷却し、その後の
冷間加工の加工率を0〜50%として片面当り
10μm以上の厚さの表層材を有する最終板厚の材
料を得ることを特徴とするものである。 また請求項7の発明の方法は、請求項6の発明
の方法と同様に溶体化処理後の冷間加工率を0〜
50%として得られた材料に、さらに100〜220℃で
最終熱処理を施すことを特徴とするものである。 さらに請求項8の発明の方法は、必須合金成分
としてZn2.0〜7.0wt%およびMg1.0〜3.5wt%を
含有するアルミニウム合金を芯材としかつその芯
材の両面に99.0%以上の純度のアルミニウムから
なる表層材が接合された複合材の圧延板を、440
〜530℃で溶体化処理して、冷却速度1℃/sec以
上で冷却し、その後の冷間加工の加工率を0〜50
%として片面当り10μm以上の厚さの表層材を有
する最終板厚の材料を得ることを特徴とするもの
である。 そしてまた請求項9の発明の方法は、請求項8
の発明の方法と同様に溶体化処理後の冷間加工率
を0〜50%として得られた材料に、さらに100〜
220℃で最終熱処理を施すものである。 作 用 この発明の電子電気機器導電部品用材料は複合
アルミニウム合金板からなるものであつて、基本
的には表層材として純Al系の軟質なアルミニウ
ムを用いることによつて良好な繰返し曲げ性、優
れたボンデイング性および耐食性を確保し、かつ
芯材として高強度のアルミニウム合金を用いるこ
とによつて強度を確保している。以下さらにこれ
らの各材の作用および厚み等について説明する。 一般に電子電気機器導電部品用材料、例えばリ
ードフレーム材では、引張り強さ35Kgf/mm2以上
が要求され、さらに高い信頼性が求められる場合
にはより高い引張り強さが必要である。そこでこ
の発明においても複合板全体として35Kgf/mm2
上の引張り強さが要求される。 複合板の強度σは、表層材の強度σf、全厚さに
占める表層材の厚さの割合f、芯材の強度σcによ
つて、次式により与えられる。 σ=f・σf+σc・(1−f) したがつて表層材の厚さは電子電気機器導電部
品用材料として要求される全強度σと、芯材に用
いられるアルミニウム合金板の強度σc、および表
層材に用いられるアルミニウム合金板の強度σf
らその厚さ割合が設計される。 一方、リードフレーム材等では、金線やアルミ
ニウムワイヤとの接着(ワイヤボンデイング)を
超音波振動接合で行なうことが多いが、超音波振
動接合では硬さの低い材料ほど接合し易く、不良
率が少なくなることが本発明者等の実験により判
明している。そこでこの発明では、表層材として
のみ軟かい材料、すなわちAl純度99.0%以上のア
ルミニウムを用いることにより、超音波振動接合
におけるボンデイング性を向上させている。この
ように超音波振動により接合する場合、ボンデイ
ング性の向上に関係する軟質な表面層は1μm以上
あれば充分であり、したがつてAl純度99.0%以上
の表層材を10μm以上に設けておけば充分に優れ
たボンデイング性を得ることができる。 また純アルミニウムは耐食性が優れており、し
たがつて両面に純度99.0%以上のアルミニウムか
らなる表層材を接合することによつて、電子電気
機器導電部品用材料として優れた耐食性を得るこ
とができる。ここで、表層材の厚みが10μm以上
では充分な耐食性を発揮することができる。 さらに、表層材として軟質な純アルミニウムを
用いることによつて、良好な繰返し曲げ性を得る
ことができる。これは、表面層が軟かいために曲
げ時における表面のクラツクの発生が抑制される
ためである。このような繰返し曲げ性に関して
も、表層材の厚みが10μm以上では充分に良好な
特性を確保することができる。 一方表層材の厚さ配分としては、次に述べるよ
うに片面最大10%あれば良く、この場合純アルミ
ニウム表層材の強度σfを15Kgf/mm2、全厚さに占
める表層材の厚さの割合fを20%とし、複合板全
体の強度σとして35Kgf/mm2以上を確保するため
には、芯材の強度σcとしては、前述の式から明ら
かなように40Kgf/mm2以上とする必要がある。 ここで、既に述べたように純度99.0%以上のア
ルミニウムからなる表層材は片面当りの厚さ
10μm以上で形成しておくことによつて、良好な
ボンデイング性、耐食性、繰返し曲げ性を得るこ
とができるが、このように絶対厚みとして片面当
り10μm以上であれば、表層材の厚さ配分割合
(片面)が10%を越えても繰返し曲げ性、ボンデ
イング性、耐食性の向上効果はそれ以上は余り大
きくならない。そればかりでなく、表層材の厚さ
配分割合が片面で10%を越えれば芯材の厚さ配分
割合が少なくなる結果、複合板全体としての強度
を35Kgf/mm2以上に確保するために芯材の強度
をさらに高めなければならないことになり、その
ため芯材自体の延性が低下しやすくなる。したが
つて表層材の板厚配分は全体で20%以下とするこ
とが好ましい。 芯材としては前述のように40Kgf/mm2以上のも
のを用いれば良いが、このような高強度を安価な
アルミニウム合金で得るためには、芯材のアルミ
ニウム合金としては熱処理型アルミニウム合金で
あるAl−Cu−Mg系合金もしくはAl−Zn−Mg系
合金を用いることが望ましい。芯材としてAl−
Cu−Mg系合金を用いるのが請求項2,3および
6,7の発明であり、またAl−Zn−Mg系合金を
用いるのが請求項4,5および8,9の発明であ
る。 ここでAl−Cu−Mg系合金とは、必須合金成分
として、Cuを0.5%(重量%、以下同じ)以上、
5.0%以下含有し、かつMgを0.2%以上、2.0%以
下含有するものであり、このような芯材に用いら
れるAl−Cu−Mg系合金におけるCu,Mg含有量
限定理由について説明する。 Cu: Cuは強度向上に寄与する元素であるが、Cuが
0.5%未満では強度向上の効果が充分に得られず、
一方5.0%を越えて含有させれば圧延性が低下し
て圧延が困難となる。したがつてCuは0.5〜5.0%
の範囲内とした。 Mg: MgはCuと共存することにより析出物を形成し
て強度向上に寄与する元素であり、リードフレー
ム等の部品に用いられる複合材の芯材に必要な強
度を与えるに重要である。しかしながら0.2%未
満では強度向上効果が充分に得られず、一方2.0
%を越えて含有させても著しい強度の向上はな
く、しかも圧延性が極端に低下する。したがつて
Mgは0.2〜2.0%の範囲内とした。 一方Al−Zn−Mg系合金とは、必須成分として
Zn2.0%以上、7.0%以下含有し、かつMgを1.0%
以上、3.5%以下含有するものである。このよう
な芯材に用いられるAl−Zn−Mg系合金におけ
Zn,Mg含有量限定理由を次に説明する。 Zn: ZnはMgと共存することにより析出物を形成し
て強度向上に寄与する元素であり、リードフレー
ム等の部品に用いられる複合材の芯材に必要な強
度を与えるために重要である。Znが2.0%未満で
は強度向上の効果が充分に得られず、一方7.0%
を越えて含有させても著しい強度の向上はない。
したがつてZnは2.0〜7.0%の範囲内とした。 Mg: MgはZnと共存することにより析出物を形成し
て強度向上に寄与する元素であり、リードフレー
ム等の部品に用いられる複合材の芯材に必要な強
度を与えるに重要である。Mgが1.0%未満では強
度向上効果が充分に得られず、一方3.5%を越え
て含有させても著しい強度の向上はなく、圧延性
が低下するだけである。したがつてMgは1.0〜
3.5%の範囲内とした。 なおこのAl−Zn−Mg系合金の場合、さらに強
度向上を図るために、2.5%以下のCuを含有させ
ても良い。Cuが2.5%を越えれば鋳造割れが発生
し製造が困難となるから、Cuを添加する場合の
Cu添加量は2.5%以下とする。 この発明の電子電気機器導電部品材料の芯材と
して用いるアルミニウム基合金は、基本的には上
述のようなAl−Cu−Mg系合金もしくはAl−Zn
−Mg系合金であればリードフレーム等の部品に
必要な諸特性を確保できるが、さらに耐熱性(耐
軟化性)を向上させるために、上記のAl−Cu−
Mg系合金もしくはAl−Zn−Mg系合金に必要に
応じてMn1.0%以下、Cr0.3%以下、Zr0.3%以
下、V0.3%以下、Ni5.7%以下のうちの1種また
は2種以上を添加しても良い。これらの元素の添
加量限定理由は次の通りである。 Mn: Mnは溶体化処理時の再結晶粒を微細化し、よ
り一層の強度向上および耐熱性(耐軟化性)の向
上を図るに有効な元素であるが、1.0%を越えて
含有させても強度向上および耐熱性向上の効果は
飽和し、また溶体化処理時の焼入れ感受性を高め
て製造が困難となる。したがつてMnの添加量は
1.0%以下とした。 Cr: Crも溶体化処理時の再結晶粒を微細化して、
強度および耐熱性を一層向上させるに有効な元素
であるが、0.3%を越えて含有させても強度向上
および耐熱性向上の効果は飽和し、また鋳造時に
巨大な化合物を生成し易くなる。したがつてCr
の添加量は0.3%以下とした。 Zr: Zrも再結晶粒の微細化および強度向上、耐熱
性の向上に有効な元素であるが、0.3%を越えて
含有させても強度向上および耐熱性向上の効果は
飽和し、また鋳造時に巨大化合物を生成し易くな
るから、Zrの添加量は0.3%以下とした。 V: Vも再結晶粒の微細化および強度向上、耐熱性
の向上に有効な元素であるが、0.3%を越えて含
有されても強度向上および耐熱性向上の効果は飽
和し、また鋳造時に巨大化合物を生成し易くなる
から、Vの添加量は0.3%以下とした。 Ni: Niも再結晶粒の微細化および強度向上、耐熱
性向上に有効な元素であるが、5.7%を越えて多
量に含有させても強度向上および耐熱性向上の効
果は飽和し、また鋳造時に巨大な化合物を生成し
易くなるから、Niの添加量は5.7%以下とした。 なお芯材のAl−Cu−Mg系もしくはAl−Zn−
Mg系合金における不可避的不純物としてはFe,
Siが含有されるのが通常であるが、これらのFe
量、Si量が多くなれば晶出物サイズが大きくなつ
て繰返し曲げ性が低下するから、Feは0.50%程度
以下、Siは0.30%程度以下とすることが望まし
く、より好適にはFeは0.30%以下、Siは0.15%以
下とすることが望ましい。 そのほか、アルミニウム合金鋳塊の製造におい
ては、一般に鋳塊結晶粒の微細化のためにTi、
またはTiおよびBを添加することが多いが、こ
の発明の材料の芯材として用いるアルミニウム合
金の場合もTi、またはTiおよびBが添加されて
いても特にリードフレーム材等の電子電気機器導
電部品材料として支障はない。但しその添加量
は、Ti0.25以下、B0.04%以下が望ましい。 またAl−Cu−Mg系もしくはAl−Zn−Mg系合
金のようにMgを含有するAl合金の鋳造にあたつ
ては、溶湯の酸化を防止したりあるいは圧延性を
改善する目的でBeを必要に応じて添加すること
があるが、この発明の材料の芯材のアルミニウム
合金の場合もBeを必要に応じて50ppm程度以下
添加することができる。 一方、表層材のアルミニウムは、Al純度が99.0
%以上であれば良好なボンデイング性、良好な繰
返し曲げ性が得られる程度に軟質でかつ耐食性も
良好に保たれる。表層材のAl純度が99.0%より低
くなれば、硬度が高くなつてボンデイング性およ
び繰返し曲げ性が低下するとともに耐食性も低下
するから、表層材のAl純度は99.0%以上とする必
要がある。通常のアルミニウム中に含まれる不純
物としてはFe,Si,Mn,Cu,Zn,Cr,Mg等が
あるが、これらは全体で1.0%未満であれば良い。
なおこのような表層材に用いられるアルミニウム
の場合も、鋳塊結晶粒微細化のため、Ti0.2%以
下、B0.04%以下を添加しても良い。 次にこの発明の電子電気機器導電部品材料の製
造方法について詳述する。 芯材と表層材の接合が一般の方法によつて行な
えば良く、特に限定されるものではないが、通常
は熱間圧延または温間圧延あるいは冷間圧延によ
つてクラツドすれば良い。クラツドした複合材に
対しては必要に応じてさらに圧延を行なつて圧延
板中間体とした後、溶体化処理−焼入れを行な
う。この溶体化処理−焼入れは強度を増すために
必要な工程である。このように溶体化処理−焼入
れを行なつた後、0〜50%の冷間加工率で所定の
製品板厚の圧延板とする。すなわち冷間加工を施
さないか、また施しても50%以下の小さい加工率
とする。なお一般的には板厚0.1〜1.2mm程度で製
品板厚となる。 ここで、複合材圧延板中間体に対する溶体化処
理−焼入れにおける条件としては、溶体化温度と
焼入れ時の冷却速度が重要である。すなわち、溶
体化処理−焼入れは、芯材のアルミニウム合金に
対して時効硬化性を与えるべく、芯材合金の
Mg,Cu,Zn等の元素を予め固溶させておくため
のものであり、溶体化処理温度はAl−Cu−Mg
系、Al−Zn−Mg系のいずれにおいても、440〜
530℃の範囲内の温度とする必要がある。溶体化
処理温度が440℃未満では、その後の時効硬化性、
加工硬化性が低下して充分な強度が得られなくな
る。一方溶体化処理温度が530℃を越えれば、共
晶溶融が発生して好ましくない。なおAl−Cu−
Mg系合金では480〜530℃、Al−Zn−Mg系合金
では440〜500℃が好ましい。また溶体化処理温度
での保持時間は板厚によつて異なるが、1mm以下
の板厚であれば、40分以内の保持で充分である。
溶体化処理温度で保持後の冷却(焼入れ)は、1
℃/sec以上の冷却速度とする。冷却速度が1
℃/sec未満では時効硬化が少なく、また同時に
加工硬化性も低くなつて、充分な強度が得られな
くなるから、1℃/sec以上の冷却速度とする必
要がある。なおコイル状の複合材圧延板中間体に
対してこの溶体化処理を行なう場合は連続焼鈍炉
を用いるのが通常であるが、連続焼鈍の場合は保
持時間が短かくても冷却速度が1℃/sec以上で
あれば、その後の時効硬化性、加工硬化性が著し
く損なわれることはない。 このように溶体化処理、焼入れを行なつた後に
は、そのまま製品板としても良いが、必要に応じ
て、強度を増すためあるいは焼入れ時の歪みを矯
正するため、冷間圧延やレベリング等の冷間加工
を行なうことができる。但し、冷間加工を過剰に
行なえば曲げ性が低下するから、溶体化処理、焼
入れ後の冷間加工率は0〜50%の範囲内とする必
要がある。 最終圧延板の強度については、従来の42合金や
Cu系合金のリードフレーム材等の電子電気機器
導電部品用材料と同様以上の性能を得るためには
引張強さで35Kgf/mm2以上、繰返し曲げ3回以
上が必要であるが、以上のようなこの発明の方法
によるアルミニウム基合金複合材料の場合、強度
および繰返し曲げ性ともに充分にその値を満足す
ることができ、また充分な耐食性、ボンデイング
性を得ることができる。 なお請求項7および請求項9の発明の方法の場
合、繰返し曲げ性をさらに向上させるために、上
述のような0〜50%の冷間加工率で最終板厚とし
た後に100〜220℃で最終焼鈍を行なう。最終焼純
温度が100℃未満では、延性の向上が少ないから、
繰返し曲げ性が余り向上せず、一方220℃を越え
る温度では、延性は向上して繰返し曲げ性も向上
するが、強度が低下してしまい、また温度によつ
ては過時効となつて繰返し曲げ性が逆に低下して
しまうこともある。したがつて最終焼鈍は100〜
220℃の範囲で行なう必要がある。 実施例 第1表に示す成分組成の合金No.1〜No.8を第3
表中の複合材符合a〜tに示すように種々組合せ
て熱間圧延によりクラツドし、板厚3mmの複合材
熱間圧延板を得た。なお表層材は芯材の両面に同
じ厚さでクラツドした。各複合材熱間圧延板につ
いて、一次冷間圧延を施して0,30〜0.75mm厚の
圧延板中間体とし、さらに溶体化処理、焼入れを
行なつた後、冷間加工を行ない(一部は冷間加工
せず)、その後の一部については最終焼鈍を行な
い、最終的に0.30mm厚の複合材圧延板とした。熱
間圧延後の詳細な製造条件を第2表に示す。 得られた各複合材圧延板について、引張り強
さ、繰返し曲げ性、ボンデイング性、耐食性を調
べた結果を第3表に示す。また第3表中には表層
材の厚さ(片面)も示す。 ここで引張り試験は溶体化処理後室温で7日間
放置してから行なつた。なお最終焼鈍がある場合
は、溶体化処理後室温で7日間放置してから最終
焼鈍を行なつて引張り試験を実施した。 また繰返し曲げ性は90°曲げの回数で評価した。
但し0°〜90°に曲げた時に1回とし、90°から0°に
戻した時も1回と数えた。この繰返し曲げ回数は
3回以上あれば実用上充分である。 さらにボンデイング性は市販のボンダーを用
い、銀メツキなしでアルミニウム表面に超音波併
用熱圧着方式で200℃でボンデイングさせ、ボン
デイング強度で評価した。すなわちボンデイング
強度8g以上を○とし、5g以上8g未満を△、
5g未満を×とした。 また耐食性は塩水噴霧試験を行なつて評価し
た。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 第3表から、この発明による複合材は、いずれ
も強度が高くかつ繰返し曲げ性に優れ、しかもボ
ンデイング性、耐食性も良好であることが明らか
である。 発明の効果 この発明の電子電気機器導電部品用材料は、高
い強度を有するとともに繰返し曲げ性に優れ、し
かも良好な耐食性、良好なボンデイング性を備え
ている。したがつてこれらの特性が要求される
IC、半導体のリードフレーム材やスイツチ、コ
ネクタ等の電子電気機器導電部品用の材料として
最適である。なお特にリードフレーム材において
ワイヤボンデイングをAl線で行なう場合にこの
発明の材料をリードフレームとして使用すれば、
半導体素子取付部およびワイヤ接続部に金メツキ
や銀メツキ等を施す必要がなく、そのままでワイ
ヤボンデイングが可能となり、半導体素子製造の
コストをさらに下げることができるというメリツ
トもある。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 40Kgf/mm2以上の引張強度を有するアルミ
    ニウム合金を芯材とし、その芯材の両面に99.0%
    以上の純度のアルミニウムからなる表層材を片面
    当り10μm以上の厚さで接合したことを特徴とす
    る電子電気機器導電部品用材料。 2 前記芯材のアルミニウム合金が、Cu0.5〜
    5.0wt%、Mg0.2〜2.0wt%を含有し、残部がAlお
    よび不可避的不純物よりなる請求項1記載の電子
    電気機器導電部品用材料。 3 前記芯材のアルミニウム合金が、Cu0.5〜
    5.0wt%、Mg0.2〜2.0wt%を含有し、さらに
    Mn1.0wt%以下、Cr0.3wt%以下、Zr0.3wt%以
    下、V0.3wt%以下、Ni5.7wt%以下のうちの1種
    または2種以上を含有し、残部がAlおよび不可
    避的不純物よりなる請求項1記載の電子電気機器
    導電部品用材料。 4 前記芯材のアルミニウム合金が、Zn2.0〜
    7.0wt%、Mg1.0〜3.5wt%を含有し、残部がAlお
    よび不可避的不純物よりなる請求項1記載の電子
    電気機器導電部品用材料。 5 前記芯材のアルミニウム合金が、Zn2.0〜
    7.0wt%、Mg1.0〜3.5wt%を含有し、さらに
    Cu2.5wt%以下、Mn1.0wt%以下、Cr0.3wt%以
    下、Zr0.3wt%以下、V0.3wt%以下、Ni5.7wt%
    以下のうちの1種または2種以上を含有し、残部
    がAlおよび不可避的不純物よりなる請求項1記
    載の電子電気機器導電部品用材料。 6 必須合金成分としてCu0.5〜5.0wt%および
    Mg0.2〜2.0wt%を含有するアルミニウム合金を
    芯材としかつその芯材の両面に99.0%以上の純度
    のアルミニウムからなる表層材が接合された複合
    材の圧延板を、440〜530℃で溶体化処理して、冷
    却速度1℃/sec以上で冷却し、その後の冷間加
    工の加工率を0〜50%として片面当り10μm以上
    の厚さの表層材を有する最終板厚の材料を得るこ
    とを特徴とする電子電気機器導電部品用材料の製
    造方法。 7 必須合金成分としてCu0.5〜5.0wt%および
    Mg0.2〜2.0wt%を含有するアルミニウム合金を
    芯材としかつその芯材の両面に99.0%以上の純度
    のアルミニウムからなる表層材が接合された複合
    材の圧延板を、440〜530℃で溶体化処理して、冷
    却速度1℃/sec以上で冷却し、その後の冷間加
    工の加工率を0〜50%として片面当り10μm以上
    の厚さの表層材を有する最終板厚の材料を得、さ
    らに100〜220℃で最終熱処理を施すことを特徴と
    する電子電気機器導電部品用材料の製造方法。 8 必須合金成分としてZn2.0〜7.0wt%および
    Mg1.0〜3.5wt%を含有するアルミニウム合金を
    芯材としかつその芯材の両面に99.0%以上の純度
    のアルミニウムからなる表層材が接合された複合
    材の圧延板を、440〜530℃で溶体化処理して、冷
    却速度1℃/sec以上で冷却し、その後の冷間加
    工の加工率を0〜50%として片面当り10μm以上
    の厚さの表層材を有する最終板厚の材料を得るこ
    とを特徴とする電子電気機器導電部品用材料の製
    造方法。 9 必須合金成分としてZn2.0〜7.0wt%および
    Mg1.0〜3.5wt%を含有するアルミニウム合金を
    芯材としかつその芯材の両面に99.0%以上の純度
    のアルミニウムからなる表層材が接合された複合
    材の圧延板を、440〜530℃で溶体化処理して、冷
    却速度1℃/sec以上で冷却し、その後の冷間加
    工の加工率を0〜50%として片面当り10μm以上
    の厚さの表層材を有する最終板厚の材料を得、さ
    らに100〜220℃で最終熱処理を施すことを特徴と
    する電子電気機器導電部品用材料の製造方法。
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