JP2002294364A - 電子・電気部品用銅合金板または条およびその製造方法 - Google Patents

電子・電気部品用銅合金板または条およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強度、導電性、めっき性等の特性は従来材以
上の値を確保しながら、打抜き加工により発生する「ば
り」、「だれ」を小さくし、且つアイランド部およびリ
ード部の平坦性を向上させ、「ペコつき」が発生しない
スティフネス性の高い電子・電気部品用銅合金板または
条、およびその製造方法を提供することを課題とする。 【解決手段】 Fe:1.2〜2.5質量%、P:0.
01〜0.05質量%、Zn:0.01〜5質量%含有
し、酸素:0.003質量%以下、水素:0.0002
質量%以下であり、残部がCuおよび不可避的不純物よ
りなり、かつ、板または条として圧延される際に、その
圧延方向に平行な方向での張り強さをxとし、0.2%
耐力/引張り強さで表わされる降伏比をyとしたとき、
350N/mm 2≦x≦510N/mm2において、y≧5.
66×10-4x+0.65を満足する電子・電気部品用
銅合金板または条として構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、LSI、IC、ト
ランジスターなどの電子電気部品に用いる電子・電気部
品用銅合金板または条およびその製造方法に係り、特
に、肉厚が0.25mm以下の電子電気部品である例えば
リードフレーム用として好適であり、さらに詳しくはス
タンピング加工性やスティフネス特性に優れた電子・電
気部品用銅合金板または条およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、銅および銅合金は、引張り強
さ、伸び等の機械的性質、導電率、熱伝導率等の物理的
性質、プレス加工性、エッチング性等の成形性、およ
び、めっき性、ボンディング性、耐食性等の二次特性に
優れることから、トランジスター、IC、LSI用のリ
ードフレーム材として多用されている。また、熱放散性
や導電率を重視する用途には、C102(無酸素銅)、C
19210(Cu-0.1Fe-0.03P)、C151
(Cu-0.02Zr)等が用いられている。
【0003】さらに、強度と導電率の必要な用途には、
C194(Cu-2.3Fe-0.03P-0.15Z
n)、Cu-Ni-Si系(Cu-3.2Ni-0.7Si-
0.2Zn等)等が用いられている。そして、より高強
度を要する用途には、Cu-Ni-Si-Sn系(Cu-
3.2Ni-0.7Si-0.2Zn-1.25Sn等)、
C725(Cu-9.2Ni-2.3Sn)等が用いられて
いる。
【0004】一方、近年の各種電気電子機器の小型化や
実装密度の一層の向上に対する要求に対応したトランジ
スター、IC、LSI等の電子部品に用いるリードフレ
ームにおいても種々の形式のものが実用化され、リード
ピッチの縮小、薄肉化が進展し、リードフレームに要求
される特性はより高度化している。
【0005】このような要求に応えるために従来つぎの
ような電子部品用銅合金が提案されている。すなわち、
特開平11-343527号公報において、Fe:0.
05〜3.0質量%P:0.01〜0.4質量%、N
i:0.001〜0.5質量%、Sn:0.005〜
2.0質量%、Si:0.01質量%未満を含有し、剪
断加工時の残留応力が除去されやすく、且つ軟化し難い
電子部品用銅合金が提案されている。
【0006】また、特開2000-104131公報に
は、Fe:0.2〜3.0質量%、P:0.001〜
0.2質量%、Zn:0.05〜1.0質量%を含有
し、圧延表面の板幅方向の結晶粒径が3〜60μmであ
る高強度、高導電性の電気・電子部品用銅合金が提案さ
れている。
【0007】さらに、特開2000-144284公報
には、Fe:1.8〜2.6質量%、P:0.01〜
0.1質量%、Zn:0.05〜0.1質量%、Zr、
In、Sn、Si、Be、Al、Mnの内から選択する
1種または2種以上を含有する高強度、高導電性の電気
・電子部品用銅合金が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、電子部品の実
装密度の向上に伴って、前記電子部品としてし使用され
るリードフレームの肉厚は、従来主流であった0.25
mmから0.1〜0.2mmにシフトしてきており、さら
に、0.08mmであるものも一部で実用化されつつあ
る。そして、リードフレームがこのように薄肉化する
と、その組織や機械的性質によっては、半導体素子を載
せるアイランド部およびワイヤボンディングの行われる
リードフレームの平坦性(coplanarity)が悪化し、ま
た、アイランド部に「ペコつき」が発生しやすくなる。
【0009】リードフレームは、銅合金板または条よ
り、スタンピングプレスによる打抜き加工またはエッチ
ング加工によって製造されるが、打抜き加工の場合は打
抜きによる応力がリードフレーム内に導入される、ま
た、エッチング加工の場合は、エッチングにより溶出す
る部分が発生するため、エッチング前の板または条内部
の応力分布が変化する。前記アイランド部は、両端のガ
イドと細いタイバーで繋がることによって支えられてい
るため、僅かな応力が加わってもその位置が変化しやす
い状態となっている。そのため、前記の打抜き応力ある
いはエッチング後の応力分布によっては、アイランドの
位置が本来あるべき場所から上または下にずれやすくな
る。このような現象を通常「ペコつき」といっている。
【0010】また、このようなリードフレームの「ペコ
つき」は、アイランド部を中心にして4方向にリードの
伸びるQFPタイプのリードフレームにおいて特に問題
となりやすい。このようなリードフレームにおいては、
Siチップのボンディング位置やワイヤボンディングの
位置の狂いが発生しやすく、電子部品の不良発生や生産
性を低下させる原因となる。従って、薄肉・狭ピッチの
リードフレームにおいては、従来並みの機械的性質、物
理的性質、および二次加工性を満足することが求められ
るだけでなく、アイランド部およびリード部の平坦性(c
oplanarity)が良いこと、およびアイランドやリード部
に「ペコつき」が発生しないことが強く求められてい
る。
【0011】この様な要求を満足させるには、リードフ
レーム材の組成の見直し、および組織の適正化によっ
て、リードフレーム加工後のアイランド部およびリード
部が十分な剛性を持つこと、また、スタンピング加工後
の「ばり」や「だれ」を少なくすることが検討される。
さらに、前記の既存合金においても加工熱処理条件の変
更によりその改善が検討されている。
【0012】本発明の目的は、機械的性質、導電性、め
っき性等の特性は従来材以上の値を確保しながら、打抜
き加工により発生する「ばり」、「だれ」を小さくし、
且つアイランド部およびリード部の平坦性を向上させ、
「ペコつき」が発生しないスティフネス性の高い電子・
電気部品用銅合金板または条、およびその製造方法を提
供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するため、以下にかかる構成とした。すなわち、電子
・電気部品に用いられる電子・電気部品用銅合金板また
は条であって、Fe:1.2〜2.5質量%、P:0.
01〜0.05質量%、Zn:0.01〜5質量%含有
し、酸素:0.003質量%以下、水素:0.0002
質量%以下であり、残部がCuおよび不可避的不純物よ
りなり、かつ、その圧延方向に平行な方向での引張り強
さをxとし、0.2%耐力/引張り強さで表わされる降
伏比をyとしたとき、350N/mm2≦x≦510N/mm
2において、y≧5.66×10-4x+0.65を満足す
る電子・電気部品用銅合金板または条として構成した。
【0014】このように構成されることにより、薄肉・
狭ピッチのリードフレームの構成であっても、他の特性
を犠牲にすることなく、降伏応力と引張り強さの関係を
所定の値とすることで「ペコつき」の低減を図ることが
できる。また、Fe、Pにおける添加量の範囲を特定す
ることで、合金の強度および耐熱性を確保する。そし
て、Znの添加量の範囲を特定することで、はんだおよ
びSnめっきの耐熱剥離性、耐マイグレーション性、お
よび、スタンピング加工時の金型における磨耗の低減を
図っている。さらに、酸素の添加量の範囲を特定するこ
とで、酸化物の生成を抑制し、延性の低下を防止し、め
っき性の低下を防止している。そして、水素の添加量の
範囲を特定することで、熱間圧延時の割れ、焼鈍時の膨
れ、めっき膨れを防止している。
【0015】また、前記電子・電気部品用銅合金板また
は条において、任意成分としてさらに、Sn:0.00
5〜0.3質量%、Ni:0.005〜0.3質量%、
Co:0.005〜0.3質量%、Mn:0.005〜
0.3質量%、Si:0.005〜0.3質量%、A
l:0.005〜0.3質量%、Zr:0.005〜
0.1質量%、Cr:0.005〜0.1質量%の群か
ら選択される1種または2種以上を合計で0.005〜
0.3質量%を含む構成とすることが好ましい。
【0016】このように構成することにより、Sn,N
i,Co,Mn,Si,Al,Zr,Crの群から選択
される1種または2種以上を合計で0.005〜0.3
質量%を含むことで、FeおよびFeのリン化物の析出
物と共存した状態で耐熱性を向上させることができる。
【0017】さらに、前記電子・電気部品用銅合金板ま
たは条において、板または条として圧延される圧延方向
に平行な断面において、前記板または条の厚さ方向に測
定した平均結晶粒径が1〜10μmである構成にするこ
とが好ましい。このように構成されることにより、一定
の機械的強度を保ちながら曲げ加工性を維持し、かつ、
プレス打抜き加工時の「だれ幅」および「だれ高さ」を
小さくすることができる。
【0018】また、前記電子・電気部品用銅合金板また
は条において、室温における導電率が60%IACS以上
である構成にすることが好ましい。このように構成され
ることにより、電子・電気部品用銅合金板または条から
成形される、例えば、薄肉・狭ピッチのリードフレーム
などのリード部における発熱を最小限に抑えることがで
きる。
【0019】さらに、電子・電気部品用銅合金板または
条における製造方法としてつぎのように構成した。すな
わち、前記したいずれかの電子・電気部品用銅合金板ま
たは条における製造方法であって、溶解鋳造して造塊し
たスラブを圧延する熱間圧延工程と、この熱間圧延工程
後に行なう冷間圧延工程と、この冷間圧延工程の後に行
なう連続焼鈍工程、および、バッチ焼鈍工程と、前記両
焼鈍工程の後に行なう冷間圧延工程、および、歪み取り
焼鈍工程とにより製造する構成とした。このように構成
されることにより、電子・電気部品用銅合金板または条
から、例えば、薄肉、狭ピッチのリードフレームを形成
したときに、平坦性に優れ、かつ、「ペコつき」を発生
されることがない。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明における実施の形態
を説明する。なお、ここでは電子・電気部品用銅合金板
または条から形成される電子・電気部品は、その一例で
あるリードフレームにより説明する。本発明の電子・電
気部品用銅合金板または条は、含まれる成分と、強度的
な特性に対する条件とにより特定されて構成されるもの
である。
【0021】この電子・電気部品用銅合金板または条
は、含まれる成分として、Fe:1.2〜2.5質量
%、P:0.01〜0.05質量%、Zn:0.01〜
5%含有し、酸素:0.003質量%以下、水素:0.
0002質量%以下であり、残部がCuおよび不可避的
不純物からなるものとしている。
【0022】併せて、この電子・電気部品用銅合金板ま
たは条は、強度的な特性に対する条件として、その圧延
方向に平行な方向での引張り強さをxとし、0.2%耐
力/引張り強さで表わされる降伏比をyとしたとき、3
50N/mm2≦x≦510N/mm2において、y≧5.6
6×10-4x+0.65を満足するものとしている。
【0023】電子・電気部品用銅合金板または条は、そ
の厚さおよび幅には特に規定を設けないが、厚さが0.
25mm以下のリードフレーム用として用いることが望ま
しく、厚さ0.2mm以下のリードフレーム用として用い
ることがより望ましく、厚さ0.05〜0.08mmのリ
ードフレーム用としても問題なく適用が可能である。
【0024】以下に、電子・電気部品用銅合金板または
条において、その組成、機械的性質、導電率、結晶粒径
および表面粗さ等の限定理由および製造方法に付いて説
明する。はじめに、電子・電気部品用銅合金板または条
における各成分の限定理由を説明する。
【0025】電子・電気部品用銅合金板または条におけ
るFeに対する限定理由 Feは、Pとの化合物を形成し、その化合物が合金中に
析出したり、Fe単体で合金中に析出したりすること
で、合金の強度および耐熱性を確保する作用がある。そ
して、Feの含有量は、1.2質量%未満であるとFe
およびFeのリン化物の析出量が少なくなるため、特に
調質を軟質とした場合に所望の強度および耐熱性が得ら
れず、また機械的強度を高めるために加工率を大きくす
ると延性が低下し、曲げ加工性が劣化する。一方、Fe
は、2.5質量%を越えて含有させると、合金中に粗大
なFe析出物が形成されるようになり、熱間圧延時の加
工性が低下すると共に、製品の曲げ加工性、スタンピン
グ加工性および導電率の低下が著しくなり、好ましくな
い。従って、Fe含有量は1.2〜2.5質量%とす
る。
【0026】電子・電気部品用銅合金板または条におけ
るPに対する限定理由 Pは、Feとの化合物を生成し、その化合物を合金中に
析出して合金強度および耐熱性を向上させる。また、溶
解鋳造工程においては溶湯中に存在して脱酸剤として作
用し、他の添加元素が酸化により失われることを防止
し、且つ溶湯の湯流れを改善して鋳塊の健全性を向上さ
せる。Pの含有量が0.01質量%未満の場合は、前記
の効果が十分でなく、所望の強度、耐熱性並びに健全な
鋳塊が得られない。一方、Pの含有量が0.05質量%
を越える場合には、鋳塊の結晶粒界に低融点のCu−P
化合物が多量に存在するため、熱間加工時の加工性が低
下するとともに導電率の低下が生じるため、好ましくな
い。従って、Pの含有量は0.01〜0.05質量%と
する。
【0027】電子・電気部品用銅合金板または条におけ
るZnに対する限定理由 Znは、銅合金のはんだおよびSnめっきの耐熱剥離
性、耐マイグレーション性、およびスタンピング加工時
のスタンピング金型の摩耗を改善する。しかし、Znの
含有量が0.01質量%未満の場合、所望の効果が得ら
れない。一方、Znの含有量が5質量%を越えるとはん
だ濡れ性が低下する。また、導電率の低下も激しくな
る。従って、Znの含有量は0.01〜5質量%とす
る。
【0028】電子・電気部品用銅合金板または条におけ
るOに対する限定理由 電子・電気部品用銅合金板または条に用いられる銅合金
は、真空炉を用いなくても、通常のコアレス炉、溝型炉
などを用い、溶湯表面を木炭、炭素粒子、適当なフラッ
クス等の被覆材で被覆することにより、大気中で溶解鋳
造することができる。ただし、大気中での溶解鋳造工程
において、原料、溶湯表面の前記被覆材、炉材等に付着
したあるいは含まれる水分、酸化物や、雰囲気中に存在
する水蒸気、酸素、二酸化炭素、水素等が溶湯と反応し
て溶湯にOやHが含有されることが避けられないため、
所定量以上含有させないよう溶解鋳造雰囲気、使用原
料、溶湯被覆材の乾燥等に注意が必要である。
【0029】電子・電気部品用銅合金板または条におい
て、Oの含有量が0.005質量%を越えると、溶解鋳
造工程、熱間圧延、および焼鈍工程において酸化物が形
成されやすく、この酸化物によって製品の延性が低下し
やすい。また、前記酸化物および固溶酸素によりAg、
Sn、はんだ等のめっき性が低下する。したがって、O
含有量は0.005質量%以下でなければならない。な
お、望ましい酸素含有量は0.003質量%以下、さら
に望ましくは0.002質量%以下である。
【0030】電子・電気部品用銅合金板または条におけ
るHに対する限定理由 電子・電気部品用銅合金板または条に用いられる銅合金
は、前記のように大気中で溶解鋳造して鋳塊を造塊する
ことが可能であるが、Hは一旦溶湯中に含有されると短
時間で効果的に除去することが難しいため、特に溶解鋳
造雰囲気、使用原料、溶湯被覆材の乾燥等に注意が必要
である。本発明の銅合金において、Hの含有量が0.0
002質量%を越えると、熱間圧延時の割れ、焼鈍時の
膨れ、めっき膨れなどが発生して歩留りを低下させるた
め0.0002質量%以下でなければならない。より望
ましいH含有量は0.0001質量%以下であり、さら
に望ましくは0.00007質量%以下である。
【0031】なお、電子・電気部品用銅合金板または条
には、通常HとOは共に含有されるが、H含有量:ap
pm、O含有量:bppmとすると、a×bの値が40
を越えると、熱間圧延、焼鈍などの加熱工程においてH
とOが反応して水蒸気が形成されやすく、割れ、膨れ等
の原因となるため、H含有量(ppm)×O含有量(p
pm)の値を40以下とすることが望ましい。前記の値
が30以下であることがさらに望ましく、20以下であ
ることがより望ましい。
【0032】電子・電気部品用銅合金板または条におけ
るSn、Ni、Co、Mn、Si、Al、Zr、Crに
対する限定理由 Sn、Ni、Co、Mn、Si、Al、Zr、Crはい
ずれも、FeおよびFeのリン化物の析出物と共存した
状態で耐熱性を向上させる。そして、銅合金の耐熱性を
さらに向上させる効果を示す。また、Sn、Ni、C
o、Mn、Si、Al、Zr、Crの元素群より選択す
る1種または2種以上の含有量が0.005質量%未満
ではその効果が十分でなく、0.3質量%を超えると導
電率の低下が激しく好ましくない。従って、これらの元
素の1種または2種以上の含有量は0.005〜0.3
質量%とする。
【0033】電子・電気部品用銅合金板または条におけ
る前記以外の他の元素 Pb、C、Mg、Sはいずれも結晶粒界に存在し易く、
そのため打抜き加工性を向上させ(ばりの低減、せん断
加工性向上)、金型摩耗を低減させる効果がある。これ
らの元素の含有量が多いほど、前記の効果が大きいが、
Pb:0.01質量%、C:0.002質量%、S:
0.002質量%を超えると、熱間加工性が低下する。
また、Mg:0.001質量%を超えるとAgめっきを
行ったときAgが突起状に異常析出し金線のワイヤボン
ディング性が低下する。従って、製造上の歩留りや、リ
ードフレームとしての特性を害しない範囲であれば、前
記の組成に加えてさらにPb:0.01質量%以下、
C:0.002質量%以下、S:0.002質量%以
下、Mg:0.001質量%以下で含有させてもよい。
【0034】つぎに、電子・電気部品用銅合金板または
条における機械的性質の限定理由を説明する。電子・電
気部品用銅合金板または条により形成したリードフレー
ムにおいて「ペコつき」の発生機構は明確でないが、リ
ードフレームを加工する板または条の機械的性質(引張
り強さ、耐力)により大きく影響され、その他伸び、機
械的性質の異方性、組織(結晶粒径、整粒度)、応力分
布、スタンピング加工時にリードフレームに導入される
応力(金型のクリアランス、剪断面と破断面の割合等に
影響を受ける)などにも影響を受けていることが本件発
明者の行った実験で判明している。本発明は、他の特性
を犠牲にすることなく、降伏比と引張り強さの関係を所
定の値とすることで「ペコつき」低減に成功したもので
ある。
【0035】本発明の電子・電気部品用銅合金板または
条は、特に薄肉リードフレームとして用いられるため、
圧延方向に平行方向の引張り強さの下限値は350N/
mm 2以上でなければならない。また、電子・電気部品
用銅合金板または条は、機械的強度が大きくなると延性
が低下し、リード曲げ部において割れが発生しやすくな
ることから、引張り強さの上限値は510N/mm2
下であることが望ましい。なお、引張り強さの下限値
は、400N/mm2以上であることが望ましい。
【0036】また、引張り強さが前記値を満足していて
も、降伏比yが5.66×10-4x+0.65未満である
と、リードフレームに加工したときのアイランド部に
「ペコつき」が発生しやすくなる。従って、y≧5.6
6×10-4x+0.65でなければならない。
【0037】電子・電気部品用銅合金板または条におけ
る結晶粒径についての限定理由 本発明の電子・電気部品用銅合金板または条において
は、圧延方向に平行な断面において、板または条の厚さ
方向に測定したときの平均結晶粒径が1〜10μmであ
ることが望ましい。平均結晶粒径が1μmを下回った場
合、曲げ加工性が低下し、平均結晶粒径が10μmを超
えた場合は曲げ部の粒界割れや肌荒れが発生しやすくな
り、かつプレス打抜き加工時の「ダレ幅」および「ダレ
高」さが大きくかつ不均一となる。したがって、前記の
平均結晶粒径は1〜10μmであることが望ましい。
【0038】なお、前記板厚方向における結晶粒径の規
定に加え、前記板または条の圧延面において圧延方向に
直角な方向に測定した平均結晶粒径がaμmであったと
き、その平均結晶粒径に対し、前記圧延方向に直角な方
向の結晶粒径が0.8a〜1.2aμmである結晶粒の
数(整粒化度)が70%以上であることが望ましい。こ
の規定を満たす板または条において、曲げ加工時の肌荒
れ、およびプレス打抜き加工時の「ダレ幅」および「ダ
レ高さ」が一層減少する。前記整粒化度は80%以上で
あることが一層望ましい。
【0039】なお、平均結晶粒径は、板または条の断面
あるいは表面をエッチングした試料の光学顕微鏡組織写
真を用い、JIS H0501に規定されている切断法
で測定する。整粒化度は、前記組織写真を画像解析装置
で解析して求めることができる。
【0040】電子・電気部品用銅合金板または条におけ
る導電率についての限定理由 電子・電気部品用銅合金板または条から形成したリード
フレームとして厚さ0.20mm以下のものが通常使用
され、さらに薄肉化が進展している。リードフレームの
薄肉化により、リード部の断面積が減少しても、Siチ
ップを搭載した電子部品として十分な機能を発揮させる
にはリードフレームとして十分な導電率および熱伝導率
を有することが必要である。
【0041】リードフレームの導電率が60%IACS
未満となると、リード部における発熱が大きくなり、ま
た搭載されたSiチップの発熱をリード部を通じて放散
させる際の熱抵抗が大きくなり、搭載するSiチップに
制限を受けたり、また、リードフレームの薄肉化が難し
くなる。従って、電子・電気部品用銅合金板または条に
おいては、その導電率が60%IACS以上であること
が望ましい。なお、本発明の電子・電気部品用銅合金板
または条において、導電率を60%IACS以上とする
には、FeおよびFeのリン化物をできるだけ多く析出
させることが有効であり、そのためには加工熱処理条件
を適当に定めるとよい。
【0042】電子・電気部品用銅合金板または条におけ
る表面特性について 本発明の電子・電気部品用銅合金板または条から形成し
たリードフレームは、アイランド部とインナーリード部
に主としてAgめっきを行った後、アイランド部にSi
チップをボンディングし、リード部には直径10〜30
μm程度のAu線、Cu線またはAl線がワイヤボンデ
ィングされる。Agめっきの接着強度には板または条に
形成されている酸化膜の厚さが、前記ワイヤの接合強度
には主として板または条の表面粗さが影響する。
【0043】そのため、電子部品としての信頼性を確保
するために、圧延方向に平行に測定した表面粗さが、R
a:0.1μm以下、且つ、Rmax:1μm以下であ
ることが望ましい。Raが0.1μmを超え、且つ、R
maxが1μmを超えると、金線、銅線、アルミニウム
線のワイヤボンディングを行ったときの接合強度が低下
しやすい。また、ワイヤボンディングの接合強度を良好
に保つために、本発明の銅合金板または条においては、
前記表面粗さであって、且つ表面に形成されている酸化
膜の厚さが10nm以下であることが望ましい。
【0044】なお、Ra:0.08μm以下、且つRm
ax.:0.8μm以下であることが望ましく、Ra:
0.06μm以下、且つRmax.:0.6μm以下で
あることがさらに望ましい。このときの酸化膜厚につい
ては、60nm以下が望ましく、40nm以下であるこ
とがさらに望ましい。
【0045】つぎに、電子・電気部品用銅合金板または
条における製造方法について説明する。 (1)溶解鋳造 本発明の電子・電気部品用銅合金板または条における銅
合金は大気中にて溶解鋳造が可能である。溶解炉として
は、コアレス炉、溝型炉等、銅または銅合金の溶解に通
常用いられている溶解炉を用いることができ、溶湯表面
は木炭、黒鉛粒子、カバリングフラックス等で被覆し、
なるべく大気との接触が少ない条件で行なうことが望ま
しい。溶解手順は、例えば、先ず電気銅地金を溶解し、
Fe、P、およびZnを適当な中間合金あるいは純金属
の形態で、この順に銅溶湯に添加すれば特に問題は発生
しない。Sn、Ni等の原料もその後添加すると良い。
また、溶解原料として、製造工程において発生したスク
ラップ、打抜き加工後の屑なども使用可能である。
【0046】また、水素が溶湯に取込まれないようにす
るために溶湯と接触する木炭、黒鉛粒子、フラックス、
炉材、鋳型、樋、治具の類などは十分乾燥しておくこと
が望ましい。本発明の銅合金は、Znが1.0質量%を
越えて含まれる場合があるため、その場合には溶解鋳造
工程においては溶湯からのZnの気化が発生し、溶湯の
水素含有量を低減するためには有利である。さらに、溶
湯に含有される水素を低減するために、鋳造前に、露点
の低いアルゴンガス、不活性ガス等を溶湯中に吹込み、
脱水素処理を行っても良い。鋳造は、縦形連続鋳造によ
りスラブを造塊しても良く、あるいは横形連続鋳造を行
っても良い。
【0047】(2)加工熱処理 本発明の銅合金の加工熱処理においては、降伏比と引張
り強さの関係を、その圧延方向に平行な方向での引張り
強さをxとし、0.2%耐力/引張り強さで表わされる
降伏比をyとしたとき、350N/mm2≦x≦510N/
mm2において、y≧5.66×10-4x+0.65を満足
するように定めることが必要であり、また結晶粒径や表
面粗さが所定の範囲となるよう、その条件を決めてやる
ことが望ましい。
【0048】加工熱処理工程の一例を示すと、スラブの
場合は、熱間圧延、冷間圧延、連続焼鈍、バッ
チ焼鈍、冷間圧延、歪み取り焼鈍の工程(〜は
繰返し行っても良い)、水平連鋳材の場合は、均質化
焼鈍、冷間圧延、連続焼鈍、バッチ焼鈍、冷間
圧延、歪み取り焼鈍の工程(〜は繰返し行っても
良い)とすることが望ましい。
【0049】熱間圧延は、合金組成によって適宜適当な
圧延温度を選択すれば良いが、加熱炉中の鋳塊が850
〜1000℃に到達してからさらに30分〜2時間程度
保持し、その後圧延を開始すれば良い。熱間圧延終了後
は水冷して、FeおよびFeのリン化物の析出を抑制し
ておくことが強度や耐熱性を向上させるためには望まし
い。
【0050】熱間圧延後の板は、表面に形成された酸化
膜をスカルパー等機械的な方法により除去し、所定の厚
さまで冷間圧延する。その後、焼鈍を行ってFeおよび
Feのリン化物を析出させ、さらに冷間圧延を行い、歪
み取り焼鈍を行なう。本発明の銅合金においては、最初
の冷間圧延後の焼鈍として、結晶粒径のばらつきをなく
すためには先ず連続焼鈍を行い、その後バッチ焼鈍を行
なうと有効である。前記連続焼鈍においては、焼鈍され
る薄板が縦型または横型の連続焼鈍炉の加熱帯を通過す
るため、薄板は急速加熱され、微細で結晶粒径の揃った
再結晶組織が形成される。
【0051】また、その加熱時間は短いため、Feおよ
びFeのリン化物の析出量は僅かである。そのため、連
続焼鈍後の薄板コイルをベル型炉などで焼鈍し、Feお
よびFeのリン化物を析出させる。連続焼鈍において形
成されている再結晶粒は、バッチ焼鈍中に成長しても、
異なる粒径の結晶粒が混在する組織にならないため、本
発明の銅合金の機械的性質、曲げ加工性、打抜き加工性
等の異方性を少なくすることが可能である。
【0052】前記連続焼鈍条件としては、500〜80
0℃程度の雰囲気中に焼鈍材を入れ、加熱速度1℃/秒
以上、冷却速度1℃/秒以上、再結晶温度における加熱
時間5〜120秒程度の条件で行なうことが望ましい。
また、バッチ焼鈍は、400〜600℃程度で30分〜
4時間程度加熱すると良い。なお、いずれの焼鈍におい
ても加熱される薄板の酸化を防止するために、N−Hガ
ス、DXガス(100級ガス、原料ガスに空気を混ぜ部
分的に、または完全に燃焼し水分を除いて露点を調節す
るもの)、不活性ガス等の雰囲気で操業することが望ま
しく。焼鈍後の薄板は、酸洗して表面の酸化膜を除去し
ておくことが望ましい。さらに、機械的または化学的な
研磨を行っても良い。
【0053】このようにして再結晶整粒組織となり、F
eおよびFeのリン化物を析出させた薄板を冷間圧延
し、組織中に転位を増殖させることによって降伏応力お
よび引張り強さを向上させる。冷間圧延による加工率は
目的とする機械的性質に合せて適宜決めることができ
る。
【0054】冷延材は、転位を再配列させることにより
強度を殆ど低下させないで延性を改善するために歪み取
り焼鈍することが望ましい。この焼鈍は、転位を再配列
させることが目的であるため、前段の析出焼鈍より低
温、短時間の焼鈍で良く、連続焼鈍炉を用いても、バッ
チ焼鈍炉を用いても良い。なお、2回目の冷間圧延の加
工率が小さい場合は、延性の低下が少ないため焼鈍また
は/およびその後の歪み矯正を省略することも可能であ
る。この後、さらに、テンションレベラあるいはテンシ
ョンアニーラー等に通し、薄板の歪みの分布を矯正して
もよい。
【0055】
【実施例】以下本発明について電子・電気部品用銅合金
板または条(以下、銅合金板または条という)について
の実施例を用いて詳細に説明する。なお、本発明は以下
の実施例に限定されないことはもちろんである。 [実施例1]
【0056】純度99.99%の電気銅地金、純度9
9.9%の還元鉄粉、Cu−15%P中間合金、純度9
9.99%の亜鉛地金、純度99.99%の錫地金、C
u−10%Mn中間合金、Cu−10%Si中間合金、
純度99.99%のAl地金、Cu−10%Cr中間合
金を原料に用い、下記製造工程にて図1に示す組成の銅
合金板コイルを製作した。板厚は0.152mmであ
る。なお、図1に示した分析値は、仕上げ圧延後の薄板
コイルより採取した試料の分析値である(No.13の
み熱延材の分析値)。また、図1には示していないが、
前記薄板コイルを分析した結果下記元素の含有量は以下
の範囲であった。
【0057】Mg:0.0001〜0.0012%、P
b:0.0004〜0.003%、S:0.0001〜
0.002%、Sb:0.00005〜0.0006
%、Bi:0.00005〜0.0004%、As:
0.00005〜0.0003%、Ti:0.0001
〜0.0007%、C:0.00005〜0.001
%、Ag:0.00005〜0.0004%。
【0058】(銅合金板コイルの製造工程)木炭被覆下
でコアレス炉により電気銅地金を溶解後、各合金元素を
所定量添加溶解し、目的組成となっていることを確認し
た後、1200〜1250℃で出湯し、厚さ150m
m、幅500mm、長さ4000mmの鋳塊に半連続鋳
造した。なお、図1のNo.1、No.3およびNo.7
については前記寸法の鋳塊を2本作製した。また、鋳造
時において、溶解炉、樋、および鋳型内の湯面を赤熱木
炭、黒鉛系フラックス等でカバーし、溶湯の酸化による
合金元素の滅失、溶湯への酸素あるいは水素の侵入を極
力防止した。
【0059】このようにして作製した鋳塊は、950〜
1000℃のウォーキングビーム炉に装入され、鋳塊が
所定温度に到達後さらに1時間保持してから厚さ15m
mまで熱間加工された。熱間圧延終了後直ちに熱延材表
面をシャワー水冷し、FeおよびFeのリン化物の析出
を抑制した。なお、水冷開始温度はいずれの熱延材にお
いても600℃以上であった。冷却後、熱延材表面の酸
化膜をスカルパーで機械的に除去した。なお、No.1
0の鋳塊はPの含有量が、またNo.15の鋳塊はFe
の含有量が、それぞれ本発明の銅合金板または条の上限
値を越えるため、熱延中、板の耳部に部分的に割れが発
生した。そのため、その部分を除去して以下の工程に供
した。また、No.13の鋳塊はHの含有量が本発明の
銅合金板または条の上限値を越えるため、熱延中、ほぼ
全面において割れが発生し、その後の工程に共すること
が不可能であった。
【0060】この後、前記熱延材に冷間粗圧延、中間焼
鈍、冷間仕上げ圧延、歪取り焼鈍を行って板厚を0.1
5mmのコイルとした。中間焼鈍は、450〜600℃
に到達後1〜4時間保持することにより行い、歪取り焼
鈍は雰囲気温度600〜800℃の連続焼鈍炉(N2
10vol%H2雰囲気)に通板することにより行なっ
た。連続焼鈍された板材は連続的に硫酸を含有する水溶
液で酸洗される。冷間粗圧延および仕上げ圧延の加工率
は、小型圧延機で予め試験圧延して作製した板材の特性
を調査することによって決定した。冷延後の板材は溶剤
脱脂され、コイルに巻取った。
【0061】このようにして製作した薄板コイルより試
験片を加工し、引張り強さ、耐力、導電率、結晶粒径、
はんだ耐候性、Agめっき性を調査した。さらに、薄板
コイルを幅30mmにスリットして条を製作し、「ペコ
つき」の発生状況を調査した。 (特性調査方法)
【0062】[引張り強さ、耐力]引張り強さは、各試
料のコイルより圧延方向に平行にASTM E8試験片
として加工し、引張り試験を行なうことにより求めた。
耐力は、引張り試験における試験片の伸び−荷重のチャ
ートより0.2%伸びに対応する荷重より計算した。
【0063】[導電率]伝導率は、各試料のコイルより
圧延方向に平行に幅10mm、長さ300mmの試験片
として加工し、JISH0505に規定されている方法
に基づき、ダブルブリッジを用いて測定した。 [平均結晶粒径]平均結晶粒径は、各試料のコイルより
幅方向のほぼ中央から試料を採取し、圧延方向に平行な
断面を研磨して塩化第二鉄希釈液等でエッチングし、J
ISH0501に規定されている切断法(線分の向きを
板厚方向とする)により求めた。
【0064】[はんだ耐候性]各試料のコイルより幅2
5mm、長さ50mmの試験片を採取し、溶剤脱脂、電
解脱脂後、厚さ5μmのSn−10%Pb電気めっきを
行い、150℃のオーブンで1000時間保持し、試験
片の長さの中央部を180°曲げ戻し加工する。そし
て、加工を受けた部分の断面を研磨し、はんだの剥離の
有無を光学顕微鏡にて調査する。
【0065】[Agめっき性]各試料のコイルより幅2
0mm、長さ20mmの試験片を採取し、溶剤脱脂、電
解脱脂後、厚さ0.15μmのCu下地めっき(CuC
N+KCN浴)を行なった後、厚さ5μmのAgめっき
(AgCN+KCN浴)を行い、大気中で450℃に加
熱して5分間保持し、その後室温まで冷却してからAg
めっき面を光学顕微鏡で観察し、加熱による膨れ発生の
有無を調査した。
【0066】[曲げ加工性]各試料のコイルより幅10
mm、長さ30mmの試験片に加工し、曲げ半径を変え
て180°曲げを行い、曲げ部の外面側を光学顕微鏡で
確認し、割れの発生しない最小曲げ半径Rと板厚t(=
0.15mm)の比R/tをその試料の曲げ加工性とし
た。即ち、この数値が小さいほど曲げ加工性に優れると
判断してよい。なお、曲げは、曲げ線が圧延方向に直角
(Good Way)および曲げ線が圧延方向に平行
(Bad Way)の2方向となるように試験片を採取
し、行った。
【0067】[表面粗さ]圧延方向に平行に25mm×
50mmの試験片を切出し、触針式表面粗さ測定器(T
aylor Hobson社製)を用いて圧延方向に平
行な方向に粗さの測定を行った。平均表面粗さRaおよ
び最大表面粗さRmaxの定義はJISB0601によ
る。
【0068】[酸化膜厚]各試料のコイルより圧延方向
に平行に幅25mm、長さ50mmの試験片を採取し、
測定部(測定面積約100mm2)以外を樹脂で被覆
し、カソード還元法にて測定した。電解液には0.1N
KCl溶液を用いた。N2ガスを通気して溶存酸素を十
分に除去した後サンプルを浸漬し、同時に通電して還元
を行った。液温度は25℃に保持し、カソード電流密度
は0.1mA/cm2とした。
【0069】還元により、カソード還元曲線が得られ、
これより酸化膜の厚さを計算する。銅の酸化物には酸化
第2銅(CuO)および酸化第1銅(Cu2O)の2種
類の形態があり、夫々銅の価数が異なり2価(Cu2+
と1価(Cu+)である。また、銅合金の場合は、銅の
酸化物以外に合金元素の酸化物が形成されていることも
ある。実際の酸化物はCuO、Cu2O、…等がある
が、ここではそれらが全てCu2Oであったとみなした
ときの膜厚を酸化膜厚さとする。
【0070】(「ペコつき」の発生状況)各試料の条よ
り、アイランドを中心にして4方向に各12本のリード
が伸びるQFP(Quad Flat Package)
タイプのリードフレームを10000ショット打抜き加
工し、アイランド部の「ペコつき」の発生状況を100
0ショット毎に目視にて確認した。
【0071】図2に、前記項目の試験結果を示す。本発
明例の銅合金板および条はいずれも良好な機械的性質、
導電率、曲げ加工性、はんだ耐候性、Agめっき性を有
し、リードフレーム加工後においても「ペコつき」が発
生しない。それに対して、各比較例の銅合金板および条
は、以下のような欠点を有する。 No.8:Feの含有量が規格値を下回るため、伸びが
低下し、その結果曲げ加工性が低下している。 No.9:Pの含有量が規格値を下回るため、脱酸が不
十分であることからO含有量が増加し、その結果Agめ
っきの加熱ふくれが発生し、曲げ加工性が低下してい
る。
【0072】No.10:Pの含有量が規格値を上回る
ため、熱間加工時に割れが発生しやすく、またはんだの
剥離が発生している。 また、No.11:Znの含有量が規格値を下回るた
め、はんだの剥離が発生している。 No.12:Znの含有量が規格値を上回るため、導電
率が60%IACSを下回っている。特に、発熱量の大
きいSiチップを搭載した場合やリードフレームの肉厚
が0.15mm以下になると、電子部品として使用する
場合熱放散性が問題となることがあり、電子部品として
の信頼性低下や機能を十分に発揮でないなどの問題を引
き起こす可能性がある。
【0073】No.14:Oの含有量が規格値を上回る
ため、Agめっきの加熱ふくれが発生し、酸化物粒子の
増加よって伸びと曲げ加工性が低下している。 No.15:Feの含有量が規格値を上回るため、Ag
めっきの加熱ふくれが発生し、また伸びと曲げ加工性が
低下している。 なお、本発明のNo.3の条材よりスタンピングにより
作製したリードフレームにCu下地めっき/Agめっき
を行い、Siチップのはんだ付け、Au線によるワイヤ
ボンディングを行い、さらに樹脂封止を行ってロジック
LSIを製作し、プリント基板に実装してプレッシャク
ッカーテスト、振動試験、熱衝撃試験などを行った。前
記試験後においても問題なく作動することが確認でき
た。
【0074】[実施例2]実施例1における熱延材を用
いて加工熱処理条件を変えることにより機械的性質、導
電率の異なる厚さ0.15mmの板材コイルおよび条を
作成し、実施例1と同様な方法により特性調査を行っ
た。その結果を図3に示す。なお、図3において、(
//(5.66×10-4x+0.65)の値が1.0
0以上であれば、本発明の請求項1の関係を満足する。
【0075】本実施例の板3−1〜3−4においては、
その降伏比が既定値(図3では1)以上の値であるた
め、それらの条をスタンピングして製作したリードフレ
ームにおいてはいずれも「ペコつき」は発生しない。一
方、比較例の板3−5〜3−8においては、その降伏比
が既定値を下回るため、さらに板3−8においては引張
り強さが既定値より小さいこともあり、それらの条をス
タンピングして製作したリードフレームにおいてはいず
れも「ペコつき」が発生する。導電率、結晶粒径、はん
だ耐候性、Agめっき性、曲げ加工性は、引張り強さが
同程であれば、本発明例および比較例の板とも同等であ
る。
【0076】なお、曲げ加工性、狭ピッチ等の要求のあ
るリードフレーム用としては圧延方向に平行な断面にお
いて板厚方向に測定したときの結晶粒径が1〜10μm
の範囲であることが望ましい。
【0077】さらに、ここには示していないが、実施例
1におけるNo.1およびNo.7についても同様な方法
で降伏比と「ペコつき」の関係を調査したが、3−1〜
3−7において示したものと同様な結果が得られた。備
考:図3に示していないが、3−1〜3−8における酸
化膜厚は20〜50nm、表面粗さは、Ra:0.00
7〜0.1μm、Rmax:0.5〜0.8μmであっ
た。
【0078】[実施例3]本実施例においては、Fe、
P、およびZnの含有量がほぼ同じである実施例1のN
o.3、No.5、およびNo.6の板材を用いて、耐
熱性向上に及ぼすSn、Ni、Coなどの元素の効果を
検証する。耐熱性の試験方法とその定義は以下のとおり
である。
【0079】[耐熱性]前記板材より引張り試験片(A
STM E 8)を多数加工し、250〜600℃(5
0℃間隔)の硝石炉に浸漬し、5分間保持してから水冷
する。その後室温にて引張り試験を行い、浸漬温度−引
張り強さの関係をグラフ化する。浸漬前の初期引張り強
さに対して90%の引張り強さとなる温度をグラフより
読取り、その板材の耐熱温度と定義する。
【0080】耐熱性の測定結果を図4に示す。Sn、M
n等の元素を各0.0005〜0.01%程度含有させ
た実施例No.5の板材は実施例No.3の板材より耐熱
性が25℃向上し、それらの元素の含有量をさらに多く
した実施例No.6の板材はさらに耐熱性が向上する。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかる電
子・電気部品用銅合金板または条および製造方法によれ
ば、以下に示すように優れた効果を奏する。
【0082】(1)電子・電気部品用銅合金板または条
は、強度的な特性に対する条件と共に、含まれる成分に
より特定されて構成されるため、例えば、電子・電気部
品としての肉薄、狭ピッチのリードフレームを形成した
際に、強度、導電性、めっき性等の特性は従来材以上の
値を確保しながら、平坦性の向上を図ることができると
共に、「ペコつき」が発生することがない。
【0083】(2)電子・電気部品用銅合金板または条
は、任意成分としてさらに、所定範囲のSn、Ni、C
o、Mn、Si、Al、Zr、Crにおける群から選択
される1種または2種以上を合計で0.005〜0.3
質量%を含むことで、耐熱性をさらに向上させることが
できる。
【0084】(3)前記電子・電気部品用銅合金板また
は条において、特定方向の断面において測定した平均結
晶粒径が1〜10μmとしているため、プレス打抜き加
工時の「バリ」や「ダレ幅」および「ダレ高さ」を最小
限とし、かつ、均一にすることができる。
【0085】(4)前記電子・電気部品用銅合金板また
は条において、室温における導電率が60%IACS以
上とすることにより、電子・電気部品として例えば、薄
肉・狭ピッチのリードフレームを形成した際に、リード
フレームとして十分な導電率および熱伝導率を確保する
ことが可能となる。
【0086】(5)前記電子・電気部品用銅合金板また
は条の製造方法により、例えば、薄肉、狭ピッチのリー
ドフレームを形成したときには、そのリードフレームの
平坦性に優れ、かつ、「ペコつき」を発生することがな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる実施例を示すグラフ図であ
る。
【図2】 本発明にかかる実施例における各測定項目で
の結果を示すグラフ図である。
【図3】 本発明にかかる他の実施例を示すグラフ図で
ある。
【図4】 本発明にかかる実施例における他の測定項目
での結果を示すグラフ図である。
【符号の説明】
なし
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22F 1/00 623 C22F 1/00 623 630 630A 630K 661 661A 682 682 683 683 685 685Z 686 686B 691 691A 691B 691C 692 692A

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子・電気部品に用いられる電子・電気
    部品用銅合金板または条であって、 Fe:1.2〜2.5質量%、P:0.01〜0.05
    質量%、Zn:0.01〜5質量%含有し、酸素:0.
    003質量%以下、水素:0.0002質量%以下であ
    り、残部がCuおよび不可避的不純物よりなり、かつ、 その圧延方向に平行な方向の引張り強さをxとし、0.
    2%耐力/引張り強さで表わされる降伏比をyとしたと
    き、350N/mm2≦x≦510N/mm2において、y≧
    5.66×10-4x+0.65を満足することを特徴と
    する電子・電気部品用銅合金板または条。
  2. 【請求項2】 さらに、Sn:0.005〜0.3質量
    %、Ni:0.005〜0.3質量%、Co:0.00
    5〜0.3質量%、Mn:0.005〜0.3質量%、
    Si:0.005〜0.3質量%、Al:0.005〜
    0.3質量%、Zr:0.005〜0.1質量%、C
    r:0.005〜0.1質量%の群から選択される1種
    または2種以上を合計で0.005〜0.3質量%を含
    むことを特徴とする請求項1に記載の電子・電気部品用
    銅合金板または条。
  3. 【請求項3】 前記板または条として圧延される圧延方
    向に平行な断面において、前記板または条の厚さ方向に
    測定した平均結晶粒径が1〜10μmであることを特徴
    とする請求項1または請求項2に記載の電子・電気部品
    用銅合金板または条。
  4. 【請求項4】 室温における導電率が60%IACS以
    上であることを特徴とする請求項1から請求項3までの
    いずれか一項に記載の電子・電気部品用銅合金板または
    条。
  5. 【請求項5】 前記請求項1から請求項4までのいずれ
    か一項に記載の電子・電気部品用銅合金板または条の製
    造方法であって、 溶解鋳造して造塊したスラブを熱間圧延する工程と、こ
    の熱間圧延する工程後に行なう冷間圧延工程と、この冷
    間圧延工程の後に行なう連続焼鈍工程、および、バッチ
    焼鈍工程と、前記両焼鈍工程の後に行なう冷間圧延工
    程、および、歪み取り焼鈍工程とにより製造することを
    特徴とする電子・電気部品用銅合金板または条の製造方
    法。
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