JP2007290017A - 銅部材の接合方法および摩擦攪拌接合装置 - Google Patents

銅部材の接合方法および摩擦攪拌接合装置 Download PDF

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Abstract

【課題】銅または銅合金の板材あるいはコイルを摩擦攪拌接合したときに、接合部分とそうでない部分の特性差が無視できる銅または銅基合金のコイルの接合方法と、簡易な構造で摩擦攪拌接合できる摩擦攪拌接合装置を提供する。
【解決手段】銅または銅基合金からなる複数の銅部材aの端面同士を摩擦攪拌接合により接合する接合方法であって、熱間圧延された銅部材aの端面同士を摩擦攪拌接合により接合した後、接合された接合体を冷間圧延する。本発明によれば、銅部材aの端面同士を摩擦攪拌接合した接合体について、接合部分とそうでない部分の特性の差が無視できる材料を得ることができ、また、簡易な装置で摩擦攪拌接合を実現できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、銅または銅基合金からなる複数の銅部材の端面同士を摩擦攪拌接合により接合する方法に関し、更に、この接合方法に利用可能な摩擦攪拌接合装置に関する。
例えば銅コイルなどの銅部材を複数接合してより長尺な接合体(銅コイル)を得ることが行われている。こうして得られた接合体(銅コイル)は、例えばコネクタやリードフレーム等の電気・電子部品用材料などに広く用いられている。
このように複数の銅部材を接合する方法として、例えば特許文献1には、アルミニウム基合金板等を対象とした摩擦攪拌接合方法が開示されている。これは、小径の回転ピンを先端に形成した回転体を、互いに付き合わせた銅部材の端面同士に沿って移動させ、摩擦熱を利用して端面同士を溶融させ、その後固化させて接合する技術である。
また、特許文献2には、被圧延材を突合せ接合して長尺化したコイルを得る製造方法が開示されており純アルミニウムの例が開示されている。
また、特許文献3には、銅及び銅合金の板材同士の長さ方向の端部を接合面として突合せて摩擦攪拌接合を行い、接合部分で所定の特性を示すものが開示されている。
更に、特許文献4には、回転式摩擦溶接工具を用いる摩擦攪拌溶接方法に関し、前記工具はプローブを有し、プローブの温度を制御するための温度制御用冷却剤を工具の1つ以上のチャネルに通過させることにより、工具の温度を制御する方法が記載されている。
特表平7−505090号公報 特開平10−230320号公報 特開2003−25078号公報 特表2005−506205号公報
近年、コネクターやリードフレーム材料等の電子部品の電気的特性、機械的特性は高度にばらつきの少ないものが要求されている。しかしながら、上記特許文献1〜4の方法で銅または銅基合金を摩擦攪拌接合した場合、接合部分とそうでない部分との特性の差を十分に小さくすることが困難であった。特に、銅または銅基合金の接合は、アルミニウムやアルミニウム合金よりも数100℃高い温度で接合する必要があり、摩擦接合のための回転ツールの温度を制御するには水冷などの装置を取り付ける必要があるが、装置が大掛かりなものになり、特性も十分に制御することは困難であった。
本発明は、銅または銅合金の板材あるいはコイルを摩擦攪拌接合したときに、接合部分とそうでない部分の特性差が無視できる銅または銅基合金のコイルの接合方法と、簡易な構造で摩擦攪拌接合できる摩擦攪拌接合装置を提供することを目的とする。
本発明者らは様々な試行を行い検討した結果、銅または銅基合金からなる複数の銅部材の接合方法において、冷間圧延前の銅部材の端面同士を突合せて、該突合せ部に回転ピンを挿入して摩擦攪拌接合を行い、その後、接合された接合体を冷間圧延することで、接合部分とそうでない部分の特性差を大幅に少なくすることができることがわかり、本発明に至った。即ち、より上工程で摩擦攪拌接合することにより、その後の冷間加工及び熱処理で、特性差が無視できるほどに小さくすることができた。
本発明は上記知見に基いてなされたものである。本発明によれば、銅または銅基合金からなる複数の銅部材の端面同士を摩擦攪拌接合により接合する接合方法であって、熱間圧延された銅部材の端面同士を摩擦攪拌接合により接合した後、接合された接合体を冷間圧延することを特徴とする、接合方法が提供される。
この接合方法において、銅部材の端面を切断し、当該切断された端面同士を摩擦攪拌接合により接合しても良い。また、前記複数の銅部材の端面同士を突合せ、前記端面同士の近傍において前記複数の銅部材の表面を研磨した後、摩擦攪拌接合により接合しても良い。また、前記複数の銅部材が同じ材質であることが望ましい。
なお、前記複数の銅部材は、例えば厚さが5〜30mmの熱延コイルである。また、前記複数の銅部材の端面同士を突合せ、前記端面同士の両側にダミープレートを配置した状態で、前記端面同士を摩擦攪拌接合により接合しても良い。
また本発明によれば、銅または銅基合金からなる複数の銅部材の端面同士を摩擦攪拌接合により接合する摩擦攪拌接合装置であって、前記端面同士の間に挿入される回転ピンを先端に形成した回転軸に放熱用のフィンを取り付けたことを特徴とする、摩擦攪拌接合装置が提供される。
この摩擦攪拌接合装置において、前記複数の銅部材の端面同士の近傍において前記複数の銅部材の表面を研磨する研磨部材を備えても良い。その場合、前記回転ピンと前記研磨部材を、前記複数の銅部材の端面同士に沿って移動させる移動機構を設けても良い。更に、前記移動機構は、前記回転ピンに対して前記研磨部材を先行させて前記複数の銅部材の端面同士に沿って移動させるように構成されていても良い。
本発明によれば、銅または銅合金の銅部材の端面同士を摩擦攪拌接合した接合体について、接合部分とそうでない部分の特性の差が無視できる材料を得ることができ、また、簡易な装置で摩擦攪拌接合を実現できる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかる摩擦攪拌接合装置1の正面図である。図2は、同じ摩擦攪拌接合装置1の側面図である。図3は、摩擦攪拌接合装置1によって行われる接合方法のフローシートである。図4は、摩擦攪拌接合装置1による接合状態の説明図である。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
この摩擦攪拌接合装置1は、銅または銅基合金からなる銅部材の一例である銅コイルa同士を接合するものとして構成されている。摩擦攪拌接合装置1は、熱間圧延工程と冷間圧延工程の間において、銅コイルa(熱延コイル)同士を接合するように、熱延設備2と冷延設備3の間に配置されている。
摩擦攪拌接合装置1によって接合される銅コイルaはいずれも同じ材質であり、その厚さは、例えば5〜30mmである。銅コイルaは、熱間圧延工程を経た後、摩擦攪拌接合装置1に設けられたベッド10の上に載置されて、図1の図面において垂直方向(図2において水平時方向右向き)(X方向)に所定の速度で搬送されている。また、摩擦攪拌接合装置1を経た銅コイルaは、下流側の冷間圧延工程に送られる。
ベッド10の両側には、ベッド10の長手方向(X方向)に沿ってレール11が設けられている。このレール11の上に、門型フレーム12の支柱部13がそれぞれ載せられている。支柱部13の上端には、ベッド10の上方においてベッド10を水平に横切る方向(Y方向)に配置された横レール15が支持されている。門型フレーム12全体は、レール11上を走行することにより、ベッド10の長手方向(X方向)に沿って移動するように構成されている。
門型フレーム12の横レール15には、支持フレーム16が取り付けてある。支持フレーム16は、門型フレーム12の横レール15に沿って、ベッド10を水平に横切る方向(Y方向)に移動するように構成されている。
支持フレーム16には、銅コイルa同士を摩擦攪拌接合させるための接合モータ20と、銅コイルaの端面同士の近傍において銅コイルaの表面を研磨するための研磨モータ21が支持されている。これら接合モータ20と研磨モータ21は、何れも鉛直方向(Z方向)に移動するように構成されている。
接合モータ20の回転軸25には、大径の円筒形状のショルダー部26が設けられており、更にショルダー部26の下端に、小径の円筒形状の回転ピン27が設けられている。なお、回転軸25に設けられたこれらショルダー部26および回転ピン27は同軸であり、鉛直方向(Z方向)に直列に配置されている。後述するように、回転ピン27は回転しながら銅コイルaの端面同士の間に挿入されて、摩擦攪拌接合させるためのものであり、例えば、塑性流動する銅または銅基合金に反応しない非消耗性の回転体としてWC超硬材、工具鋼などを用いることができる。
ショルダー部26の上方には、放熱用のフィン28が取り付けてある。後述するように、回転ピン27によってコイルaの端面同士を摩擦攪拌接合させる際には、このフィン28によって放熱され、回転ピン27およびショルダー部26が冷却されるようになっている。
研磨モータ21の回転軸30には、銅コイルaの端面同士の近傍において銅コイルaの表面を研磨するための研磨部材31が取り付けてある。
前述のように支持フレーム16が門型フレーム12の横レール15に沿ってベッド10を水平に横切る方向(Y方向)に移動することにより、回転ピン27と研磨部材31は、ベッド10上を搬送される銅コイルaの搬送方向(X方向)に対して直角な水平方向(Y方向)に一体的に移動させられるようになっている。
次に、以上のように構成された摩擦攪拌接合装置1において行われる接合方法について説明する。先ず、上工程である熱間圧延工程において銅コイルaが熱間圧延される(図3のS1)。こうして圧延された銅コイルa(熱延コイル)が、順次X方向に搬送されて、摩擦攪拌接合装置1を通過していく。なお、熱間圧延された後、摩擦攪拌接合の前に銅コイルa(熱延コイル)の表面を酸洗、面削を行っても良い。
そして、摩擦攪拌接合装置1において、銅コイルaの端面同士が摩擦攪拌接合により接合される(図3のS2)。即ち、摩擦攪拌接合装置1においては、先ず、先行する銅コイルaの後端面と次の銅コイルaの先端面を、銅コイルaの搬送方向(X方向)に対して直角な水平方向(Y方向)に直線状にそれぞれ切断し、先行する銅コイルaの後端面と次の銅コイルaの先端面の形状がそれぞれ整えられる。そして、そのように直線状に形状が整えられた銅コイルaの端面同士(先行する銅コイルaの後端面と次の銅コイルaの先端面)を突き合わせた状態で、銅コイルaが搬送されていく。
そして、摩擦攪拌接合装置1では、そのように端面同士を突き合わせた状態で銅コイルaを搬送させながら、銅コイルaの端面同士(突き合わせ部)の間に回転ピン27を回転させながら挿入し、摩擦攪拌接合を行う。この場合、接合モータ20を銅コイルaの側方において予め下降させることにより、回転ピン27を銅コイルaの端面同士の間に挿入できる高さに移動させる。その後、支持フレーム16をY方向に移動させて、図4に示すように、回転ピン27をY方向に移動させながら銅コイルaの端面同士に挿入し、回転ピン27を銅コイルaの端面同士の間に沿って移動させていく。
こうして、回転ピン27を銅コイルaの端面同士の間に挿入して移動させることにより、回転ピン27表面と銅コイルaの端面との間で発生した摩擦熱を利用し、銅コイルa材の固相の塑性流動拡散によって接合することにより、先行する銅コイルaの後端面と次の銅コイルaの先端面が摩擦攪拌接合される。また、回転軸25の回転に伴い、ショルダー部26の上方に取り付けたフィン28の作用によって放熱が行われ、回転ピン27およびショルダー部26が冷却されることにより、銅コイルaの端面同士の溶融温度が制御される。
なお、このように銅コイルaの端面同士の摩擦攪拌接合が行われる際には、門型フレーム12がレール11上を走行することにより、回転ピン27は銅コイルaの搬送速度と同じ速度でX方向に移動していく。そのため、ベッド10上において銅コイルaを搬送させながら、摩擦攪拌接合を行うことができる。なお、銅コイル材aを搬送させながら摩擦攪拌接合する例について説明したが、銅コイルaを停止させたまま摩擦攪拌接合しても良い。
また、摩擦攪拌接合が行われる際には、銅コイルaの端面同士の間に回転ピン27が挿入されると共に、銅コイルaの端面同士の間の近傍において、銅コイルaの表面にショルダー部26の底面が当接する。これにより、回転ピン27との摩擦熱によって塑性流動溶融した銅コイルaの素材の流出が抑制され、銅コイルa同士の接合部の形状が整えられる。
摩擦攪拌接合を行う場合、回転ピン27の回転数は、150〜1200rpmとし、好ましくは300〜1000rpmの範囲の回転速度で回転させながら回転ピン27を銅コイルaの端面同士の間に挿入する。また、Y方向における回転ピン27の移動速度は、20〜300mm/min、好ましくは30〜250mm/minの速度で移動させる。以上の条件で、銅コイルaの端面同士の間に回転ピン27を貫通的もしくは非貫通的に挿入して摩擦攪拌接合を行うことにより、先行する銅コイルaの後端面と次の銅コイルaの先端面を円滑に接合することができる。
なお、先行する銅コイルaと次の銅コイルaは、同じ材質、同じ厚さであることが好ましい。銅コイルaの厚さは5〜30mmが好ましく、さらに好ましくは7〜20mm程度である。厚くなりすぎると銅または銅基合金のコイルの放熱性の関係で、回転ピン27の回転を制御する接合モータ20の出力を非常に高くする必要があり、装置としても大掛かりなものになるのに加え、回転ピン27の冷却等熱的な制御が難しくなるためである。接合モータ20の出力は3〜30kWがよく、好ましくは5〜20kW程度で設計すると良い。
また、例えばリードフレーム用あるいはコネクター用の銅コイルaを接合する場合、接合の温度は概ね400〜800℃の範囲が良い。より好ましくは500〜700℃である。この温度範囲は、接合モータ20の回転駆動出力による回転ピン27の摩擦と、フィン28による放熱のバランスによって調整することができ、フィン28の大きさなどによって温度制御が可能となる。
また、この摩擦攪拌接合装置1では、銅コイルaの端面同士を摩擦攪拌接合するに際し、研磨モータ21を下降させることにより、図4に示すように、研磨部材31の底面を銅コイルaの端面同士の近傍において銅コイルaの表面に当接させる。そして、支持フレーム16をY方向に移動させることにより、研磨部材31を銅コイルaの表面に当接させながら、回転ピン27と共にY方向に移動させていく。
この場合、図4に示したように、回転ピン27に対して研磨部材31を先行させて銅コイルaの表面に当接させることにより、回転ピン27によって銅コイルaの端面同士を摩擦攪拌接合する直前に、研磨部材31によって、銅コイルaの端面同士の近傍において銅コイルaの表面を予め研磨した状態としておく。こうして、銅コイルaの端面同士の近傍において銅コイルaの表面を予め研磨した後、銅コイルaの端面同士を摩擦攪拌接合により接合する。これにより、例えば銅コイルaの表面の酸化物などが銅コイルaの厚さ方向内部(摩擦接合部)に巻き込まれることを防ぎ、摩擦接合部の組織や特性に影響をおよぼすことを防止する。
こうして、摩擦攪拌接合装置1において銅コイルaの端面同士を摩擦攪拌接合により接合した後、接合された接合体は、下工程である冷間圧延工程において冷間圧延される(図3のS3)。なお、冷間圧延工程において焼鈍等の熱処理を付加しても良い。また、冷間圧延工程において、冷間圧延と熱処理を繰り返しても良い。こうして、複数の銅コイルaを接合した製品(冷延コイル)a’が得られる。
以上のようにして得られた製品(冷延コイル)a’は、摩擦攪拌接合後に、冷間圧延と焼鈍等の熱処理が行われたことによって、接合部分とそうでない部分の特性差が抑制されたものとなる。また、アルミニウムやアルミニウム合金と異なり、銅および銅基合金は融点が高く熱伝導性も2倍程度あるため、摩擦攪拌接合の制御が難しく、制御の困難さのために、接合部分の熱影響にばらつきが生じ、最終製品の特性の差が発生しやすい。しかるに、この実施の形態によれば、回転ピン27によってコイルaの端面同士が摩擦攪拌接合される際に、ショルダー部26の上方に取り付けたフィン28によってコイルaの端面同士(摩擦攪拌接合部)が冷却される。この場合、フィン28の大きさや形状等を適当なものに設定することにより、フィン28による放熱量が調整され、銅コイルaの端面同士の溶融温度が制御されることになる。摩擦攪拌接合部の温度制御は水冷装置を用いればできることは分かっているが、このような回転するフィンを用いた空冷を行うことによって簡単な構造で実用的な温度制御が可能になる。
以上、本発明の好ましい実施の形態の一例を説明したが、本発明はここに例示した形態に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に相到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。例えば、図4中に一点鎖線で記載したように、先行する銅コイルaと次の銅コイルaを突き合わせた端面同士の両側に、ダミープレート40を配置した状態で、銅コイルaの端面同士を摩擦攪拌接合により接合しても良い。ダミープレート40の材質は、銅コイルaと同じでも良い。
上述のように回転ピン27をY方向に移動させながら摩擦攪拌接合を行う場合、例えば銅コイルaの端部(Y方向の端部)と中央部(Y方向の中央部)で放熱性に差がでてくるため、幅方向に組織などの差が現れることがある。このように銅コイルaの端面同士の両側にダミープレート40を配置して摩擦攪拌接合を行えば、放熱状態をより均一に制御することができ、接合部分の組織もより均一にできる。
なお、上述のように、摩擦攪拌接合装置1において先行する銅コイルaの後端面と次の銅コイルaの先端面をY方向にそれぞれ切断することにより、銅コイルaの端面同士を密着させ、好適に接合できるようになる。この場合、銅コイルaの端面は搬送方向(X方向)に対して必ずしも直角に切断する必要はなく、例えばX方向に対して45°の方向に切断しても良い。ただし、先行する銅コイルaの後端面と次の銅コイルaの先端面を互いに略隙間なく突き当てられるように、対称な形状とすることが必要である。なお、銅コイルaの端面同士を密着させた状態において、端面同士の幅方向両側からダミープレート40で挟んで押さえることにより、銅コイルaの端面同士の幅方向の位置合わせを行うことができる。
以下に接合すべき銅部材としてC2600材を用いた実施例を示す。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例]
長さ3000mm、厚さ200mmのC2600材(JIS規格、Cu70%−Zn30%合金)を2つ鋳造した。この2つの鋳造材をともに厚さ10mmまで熱間圧延を実施した後、表面の酸化物などを除去するため、表面研削と酸洗を行った。
次に、前記熱間圧延で作製された2つの熱延コイルのそれぞれの端部を圧延方向に直角に切断した。この切断した部分同士を接合面として突合せてベッドに固定し、摩擦攪拌接合を行った。摩擦攪拌接合は、小径部(回転ピン)の径が10mm、長さが1.9mmで、大径部(ショルダー部)の径が20mmで材質がWC超硬材からなる回転体を用い、回転速度1000rpm、移動速度200mm/minで非貫通に挿入して行った。
その後に、冷間圧延と焼鈍を変えて、所定の厚さまで圧延した時の特性を表1の実施例0〜6に示した。それぞれ、接合部分と母材部分における結晶粒径、引張強さ、導電率を測定し、接合部分の値の母材部分の値に対する比率を算出した。
Figure 2007290017
[比較例]
熱間圧延および表面研削、酸洗までは、実施例と同じ工程でコイルを作製した。さらに冷間圧延により、板厚1.0m、幅300mmの冷延コイルを作製した後に、実施例と同様の方法で摩擦攪拌接合を行った。
この摩擦攪拌接合されただけの板材における接合部の母材部分に対する特性値の比は、表1の比較例No.4に示すように、結晶粒径で5.8、引張強さで0.52、導電率で0.89であった。摩擦攪拌接合によって、得られた上記接合材について、さらに加工率25%の冷間圧延後250℃および300℃での焼鈍、または30%の冷間加工後に250℃での焼鈍後を行った。得られた処理板材を比較例No.1〜4として、それぞれ、接合部分と母材部分における結晶粒径、引張強さ、導電率を測定し、接合部分の値の母材部分の値に対する比率を算出した。結果を表1に示した。
なお、使用した素材C2600材の平均結晶粒径は20μm、引張強さは390N/mm2、導電率は35%IACSであった。
すなわち、表1に示されるように比較例においては接合部分と母材部分の特性差は大きいか、または所定の焼鈍条件に限定される。
圧延加工率0%、焼鈍なしの条件では実施例と比較例では、結晶粒径の比では約2倍の違いがあり、引張強さでは0.3(30%)の違いがあり、実施例の接合部分の方が母材に近い。実施例において、特に引張強さは母材部分の80%以上を維持する。
圧延加工後、熱処理を行う本発明においては、接合部分と母材部分との特性差は±2%以下、或いは±1%以下に抑えられ十分に小さい。
さらに、熱処理の温度の制限がある組成の銅部材、即ち高温で熱処理することが所定の特性を得るためにできない銅部材について特に好適である。
本発明は、銅コイルなどの銅部材同士の摩擦攪拌接合に適用できる。
本発明の実施の形態にかかる摩擦攪拌接合装置の正面図である。 同じ摩擦攪拌接合装置の側面図である。 摩擦攪拌接合装置によって行われる接合方法のフローシートである。 摩擦攪拌接合装置による接合状態の説明図である。
符号の説明
a 銅コイル
1 摩擦攪拌接合装置
2 熱延設備
3 冷延設備
10 ベッド
11 レール
12 門型フレーム
13 支柱部
15 横レール
16 支持フレーム
20 接合モータ
21 研磨モータ
25 回転軸
26 ショルダー部
27 回転ピン
28 フィン
30 回転軸
31 研磨部材
40 ダミープレート

Claims (10)

  1. 銅または銅基合金からなる複数の銅部材の端面同士を摩擦攪拌接合により接合する接合方法であって、
    熱間圧延された銅部材の端面同士を摩擦攪拌接合により接合した後、接合された接合体を冷間圧延することを特徴とする、接合方法。
  2. 銅部材の端面を切断し、当該切断された端面同士を摩擦攪拌接合により接合することを特徴とする、請求項1に記載の接合方法。
  3. 前記複数の銅部材の端面同士を突合せ、前記端面同士の近傍において前記複数の銅部材の表面を研磨した後、摩擦攪拌接合により接合することを特徴とする、請求項1または2に記載の接合方法。
  4. 前記複数の銅部材が同じ材質であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の接合方法。
  5. 前記複数の銅部材は厚さが5〜30mmの熱延コイルであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の接合方法。
  6. 前記複数の銅部材の端面同士を突合せ、前記端面同士の両側にダミープレートを配置した状態で、前記端面同士を摩擦攪拌接合により接合することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の接合方法。
  7. 銅または銅基合金からなる複数の銅部材の端面同士を摩擦攪拌接合により接合する摩擦攪拌接合装置であって、
    前記端面同士の間に挿入される回転ピンを先端に形成した回転軸に放熱用のフィンを取り付けたことを特徴とする、摩擦攪拌接合装置。
  8. 前記複数の銅部材の端面同士の近傍において前記複数の銅部材の表面を研磨する研磨部材を備えることを特徴とする、請求項7に記載の摩擦攪拌接合装置。
  9. 前記回転ピンと前記研磨部材を、前記複数の銅部材の端面同士に沿って移動させる移動機構を設けたことを特徴とする、請求項8に記載の摩擦攪拌接合装置。
  10. 前記移動機構は、前記回転ピンに対して前記研磨部材を先行させて前記複数の銅部材の端面同士に沿って移動させるように構成されていることを特徴とする、請求項9に記載の摩擦攪拌接合装置。
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