JP5016142B1 - 摩擦攪拌接合用回転ツールおよび摩擦攪拌接合方法 - Google Patents

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Abstract

鋼等の高融点材料の摩擦攪拌接合において、ツール本体の過剰な温度上昇を抑制することで、ツール本体の長寿命化を図るため、銅リングである抜熱体4が、ツール本体3の外周面3eに着脱可能に、また、金属板1,2と接触して無用の摩擦抵抗が発生しないように、金属板1,2との間に空間部5を形成するように固定される。抜熱体4は充分な温度上昇抑制効果を発揮するように、材質・取付位置L・体積V・抜熱体端面傾斜角が設定されている。摩擦攪拌接合時、ツール本体3先端に生じた摩擦熱は、ツール本体3,13へ伝達され、さらに抜熱体4に伝達・蓄熱され、ツール本体3,13の温度上昇を抑制する。
【選択図】図1

Description

本発明は、摩擦攪拌接合に使用する回転ツールおよび回転ツールを用いた摩擦攪拌接合方法に関する。
回転ツールを回転させながら、回転ツールのツール本体に設けられたショルダ部の表面を接合部材の表面と接触させ、ショルダ部の表面と接合部材の表面との摩擦熱を利用して摩擦攪拌し、接合部材を融点以下の固相状態で、材料を攪拌し接合する摩擦攪拌接合技術が知られている。この摩擦攪拌接合技術は、アルミ合金の接合を主として、様々な産業分野で実用化されている。
この摩擦攪拌接合技術では、回転ツールを高速で回転させながら、該回転ツールのショルダ部の表面と接合部材の表面との摩擦熱を利用するため、ショルダ面及びショルダ面から突出するよう形成されたピン状の突起部(プローブ)は、材料との摩擦熱により高温環境下にさらされ、接合回数を重ねていくうちに摩耗し、その形状が変化する。特に、ショルダ部の外周では、高温状態で且つ、回転周速が高速になることから、形状変化は著しい。このショルダ及びプローブの形状の変化は、接合不良や接合部品質をばらつかせる要因となり、接合部の品質が安定せず、接合強度不足などの問題が生じる。
この摩耗の大小は、ショルダ面及び回転ツール先端近傍の温度上昇に起因することが知られている(特許文献2)。
また、接合部で過剰な熱が生じると、軟化した材料が回転ツールのプローブとショルダ部に付着し、凹凸の接合表面ができることが知られている(特許文献1)。
このような回転ツールの過剰な温度上昇に係る問題に対し、融点が600〜700℃程度のアルミニウム合金の摩擦攪拌接合において、回転ツール本体または接合部近傍に冷却媒体を噴きかける冷却方式にかかる従来技術が、特許文献1および特許文献2に開示されている。
一方、鋼を摩擦攪拌する場合には、アルミニウム合金で実用化の場合と比べて極めてツールの寿命が短く、実用化に向けては耐久性に優れたツール材料の開発が必要であると、非特許文献1に記載されている。
特許3530342 特許3891642
FSW(摩擦攪拌接合)の基礎と応用 P.178〜182 日刊工業新聞社
発明者らは鋼(低炭素鋼)の摩擦攪拌接合を行い、以下のように、ツール本体の課題を抽出した。
鋼に摩擦攪拌接合法を適用した場合、摩擦攪拌接合中、回転ツールのショルダ面は常に高温に晒されると同時に、ショルダ面から回転ツール本体へ熱が伝達される。これにより、回転ツール本体のショルダ部近傍は熱容量が小さいこともあり、接合の進行に伴い接合温度(接合材料の融点の70〜80%程度の温度、例えば、融点1400℃に対し980〜1120℃程度)に近づくことを確認した。
この状態で摩擦攪拌接合を行うと、回転ツールのショルダ面近傍は高温で且つ摩擦攪拌のための押圧力により高圧力条件となり、回転ツールのクリープ変形、ショルダ面の異常摩耗の進行、回転ツールショルダ面外周部近傍の昇温に伴う酸化及び脆化の進行(後述)の課題が生じることを確認した。
この結果、回転ツールの寿命が著しく短くなり、非特許文献1に開示されている通り、数メートルほど接合すると寿命が尽きる課題を抽出した。
アルミニウム合金の摩擦攪拌接合に対し、鋼の摩擦攪拌接合において著しく回転ツールの寿命が低下する要因は、アルミニウム合金の接合部の温度は400℃程度であるのに対し、鋼系材料の接合部の温度は1000℃以上に到達する場合もあるという、接合温度の差異にある。このため、熱処理で強度を付与する鋼系耐熱鋼のツール材質では必要な強度を得ることは困難であることを確認した。
これに対し、後述するように、耐熱性及び耐摩耗性に優れた焼結炭化タングステンの超硬合金、タングステン合金などをツール材質に適用した。例えば、WC−Co(タングステンカーバイトコバルト)の超硬合金をツール材質に適用した場合、高温状態となる回転ツールのショルダ部外周部が空気中の酸素とWC(タングステンカーバイト)を結合する役割を担うCo(コバルト)が反応し、酸化することで脆化する。この状態で摩擦攪拌接合を継続すると脆化したツール外周部から折損することを確認した。
すなわち、上記は回転ツールの過剰な温度上昇に起因する課題である。過剰な温度上昇を抑えるように、特許文献1および特許文献2記載の冷却媒体を回転ツールに吹きかける冷却方式にかかる従来技術を、鋼の摩擦攪拌接合に適用することも考えられる。
しかし、特許文献1および特許文献2記載の従来技術は、アルミニウム合金の摩擦攪拌接合に係るものであり、以下のような課題がある。
アルミニウム合金のような低融点材料の摩擦攪拌接合に対し、鋼のような高融点材料の摩擦攪拌接合では、接合温度が高くなるため、冷却能力を向上させる必要がある。冷却能力を上昇させるには、冷却媒体の温度を下げることや熱伝達率(流量、流速など)を上げるなどが考えられる。
気体の冷却媒体を介した冷却では、単位時間当たりの入熱量に対し、抜熱量を充分確保できず、必要な冷却能力を付与することが困難である。
液体の冷却媒体を介した冷却では、一般に液体は気体より温度が低いことにより、冷却媒体の温度を下げることができる。しかし、液体表層の温度が液体の沸点を超え、ツール表層部に膜沸騰による蒸気膜が形成され、回転ツール表面と液体との接触が出来難くなり、形成した蒸気膜による断熱効果で、冷却能力が著しく低下する。
これにより、回転ツールの温度上昇を抑制できず、ツールのクリープ変形、摩耗の進行ならびに回転ツールのショルダ面近傍の外表面の酸化を抑えることが困難となり、ツール寿命を延ばすことが出来ない課題があった。
ところで、特許文献1の図5では、ツール末端部の回転ツール径を拡大し、円周方向に冷却フィンを設けている。これにより冷却効果の向上が期待できる。しかし、ツール径拡大に伴い、ショルダ面の面積が増大し、ショルダ面と接合部材との摩擦抵抗が増大し、回転ツールを駆動する動力も増大し、その結果、摩擦攪拌接合装置が大型化してしまい設備コストが高くなり、経済性に劣る課題が発生する。
本発明の目的は、鋼等の高融点材料の摩擦攪拌接合において、ツール本体の温度上昇を抑制することで、ツール本体の長寿命化を図ることのできる摩擦攪拌接合用回転ツールおよび摩擦攪拌接合方法を提供することである。
上述した課題を解決する第1の発明は、2枚の金属板の接合部を摩擦攪拌して、前記2枚の金属板を摩擦攪拌接合する摩擦攪拌接合用回転ツールにおいて、ショルダ部を先端部分に形成したツール本体と、このツール本体の外周面に着脱可能に、前記金属板との間に空間部を形成するように、固定される抜熱体とを備え
前記空間部の一部を形成する抜熱体端面は、前記ツール本体の外周面から外側へ向かって前記ツール本体の軸心に直交する面から離れるように傾斜していることを特徴とする。
上述した課題を解決する第2の発明は、2枚の金属板の接合部をその表裏面の両側から摩擦攪拌して、前記2枚の金属板を摩擦攪拌接合する摩擦攪拌接合用ツールにおいて、前記2枚の金属板の接合部の表面側と裏面側に相対向するように配置され、前記接合部を摩擦攪拌する第1および第2の回転ツール本体と、このツール本体の外周面に着脱可能に、前記金属板との間に空間部を形成するように、固定される第1および第2の抜熱体とを備え、前記第1の回転ツール本体は、ショルダ部を先端部分に形成した回転軸部と、この回転軸部の先端部分から突出するよう形成された少なくとも1つの突起部とを有し、前記第2の回転ツール本体は、ショルダ部を先端部分に形成した回転軸部と、この回転軸部の先端部分に形成され、前記2枚の金属板の接合時に前記突起部の先端部を収納する少なくとも1つの凹み部とを有し、前記第1の回転ツールの突起部の先端部を前記第2の回転ツールの凹み部内に挿入し、前記第1および第2の回転ツールの前記ショルダ部のショルダ面を前記接合部の表面側と裏面側に押圧した状態で、前記第1および第2の回転ツール本体を前記接合部に沿って移動させ、前記接合部の板厚方向全域を摩擦攪拌し、前記空間部の一部を形成する抜熱体端面は、前記ツール本体の外周面から外側へ向かって前記ツール本体の軸心に直交する面から離れるように傾斜していることを特徴とする。
上述した課題を解決する第3の発明は、上記摩擦攪拌接合用回転ツールにおいて、前記抜熱体端面の傾斜角は、0°を超え15°以下であることを特徴とする。
上述した課題を解決する第4の発明は、上記摩擦攪拌接合用回転ツールにおいて、前記抜熱体は、前記ツール本体より熱伝導率の高い材料からなることを特徴とする。
上述した課題を解決する第5の発明は、上記摩擦攪拌接合用回転ツールにおいて、前記抜熱体の体積は、50×103mm3以上、900×103mm3以下であることを特徴とする。
上述した課題を解決する第6の発明は、上記摩擦攪拌接合用回転ツールにおいて、前記ツール本体の外周面の金属板側端部と、前記抜熱体接触面の金属板側端部との距離が0mmを超え50mm以下であることを特徴とする。
上述した課題を解決する第7の発明は、上記摩擦攪拌接合用回転ツールにおいて、更に、冷却媒体を噴射して前記抜熱体を冷却する冷却媒体噴射装置を備えること特徴とする。
上述した課題を解決する第8の発明は、上記摩擦攪拌接合用回転ツールにおいて、上記摩擦攪拌接合用回転ツールにおいて、前記2枚の金属板は、融点が1000℃以上の高融点材料からなり、前記ツール本体は、焼結炭化タングステンの超硬合金またはタングステン合金からなることを特徴とする。
上述した課題を解決する第9の発明は、上記摩擦攪拌接合用回転ツールを用いて摩擦攪拌接合することを特徴とする。
本発明によれば、以下の効果が得られる。
第1の発明において、抜熱体による抜熱により、ツール本体の温度上昇を抑制し、ツール本体の長寿命化を図ることができる。
その結果、接合不良のない安定的な接合品質を得ることができる。
また温度上昇抑制効果により、ツール本体の材質に焼結炭化タングステンの超硬合金、タングステン合金などとしても、ツール本体の酸化を抑制でき、ツール本体の材質に高価な多結晶ダイヤモンド等の材料を用いる必要がなくなり、経済性を高めることができる。
抜熱体は、例えば銅リングのような簡素な構成からなり、冷却媒体噴射装置等の構成を必要とせず、設備コストの増加を抑えて経済性を高めることができる。
また、抜熱体は金属板との間に空間部を形成するように固定される。これにより、抜熱体が金属板と接触して無用の摩擦抵抗が発生することを防止する。したがって、ツール本体を回転駆動する動力が増大することはなく、設備コストを維持して経済性を高めることができる。
更に、着脱可能とすることにより、ツール本体を寿命により交換する場合でも、抜熱体を再利用でき、ランニングコストを抑制し、また、抜熱体を外すことにより低融点材料の摩擦攪拌接合にも適用でき、経済性を高めることができる。
また、抜熱体端面の傾斜により、取付位置を0に近づけたり、ツール本体の軸芯を傾けた場合でも、空間部を確保することができる。
第2の発明において、両面摩擦攪拌接合は、片面摩擦攪拌接合で生じていた裏当て板への熱損失が防止できため、回転ツール本体1本にかかる熱負荷を1/2以下にすることができる結果、片面摩擦攪拌接合と比較し、ツール本体の長寿命化を図ることができる。
また、抜熱体による温度上昇抑制効果により、更なるツール本体の長寿命化を図ることができる。
第4の発明において、抜熱体の材料を特定することにより、温度上昇抑制効果を向上させることができる。
第5の発明において、抜熱体の体積を特定することにより、充分な温度上昇抑制効果を得ることができる。
第6の発明において、抜熱体の取付位置を特定することにより、充分な温度上昇抑制効果を得ることができる。
第7の発明において、更に冷却媒体噴射装置を備えることにより、抜熱体は冷却され、温度上昇抑制効果を向上させることができる。
第8の発明のように、焼結炭化タングステンの超硬合金またはタングステン合金からなるツール本体を用いて、高融点材料を摩擦攪拌接合する際に、温度上昇抑制効果は特に有用になる。
第9の発明のように、摩擦攪拌接合することで、経済性を高めつつ、接合不良のない安定的な接合品質を得ることができる。
本発明の一実施形態に係わる摩擦攪拌接合用回転ツールの先端部分の拡大断面図である。 抜熱体の固定方式の一例について説明する図である。 抜熱体の固定方式の別例について説明する図である。 両面摩擦攪拌接合に対応した摩擦攪拌接合用回転ツールの拡大断面図である。 両面摩擦攪拌接合に対応した摩擦攪拌接合用回転ツールのツール先端部分の拡大断面図であって、接合時におけるツールの使用状態を示す図である。 両面摩擦攪拌接合装置の全体斜視図である。 数値解析等に用いる諸元を説明する図である。 抜熱体の有無、材質を比較するための数値解析結果である。 抜熱体の取付位置に係る数値解析結果である。 抜熱体の体積に係る数値解析結果である。 傾斜角θ1と傾斜角θ2の関係の一例を示す図である。 本実施形態の効果に係る検証実験結果を示す図である。 冷却媒体噴射装置を備えた摩擦攪拌接合用回転ツールを示す図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
〜回転ツール構成〜
図1は、本実施形態の片面摩擦攪拌接合に対応した摩擦攪拌接合用回転ツールの先端部分の拡大断面図である。摩擦攪拌接合用回転ツールは、ツール本体3とこのツール本体の外周面に着脱可能に、前記金属板との間に空間部を形成するように、固定される抜熱体4とを備える。
摩擦攪拌接合用回転ツールは、ツール本体3を回転させながら、回転ツールのツール本体3に設けられたショルダ面3bを裏当て板6に載置された2枚の金属板1,2の表面と接触させ、ショルダ面3bと前記金属板1,2の表面との摩擦熱を利用して摩擦攪拌し、接合部Jを融点以下の固相状態で、攪拌し接合するものである。
ツール本体3は、接合部Jを押圧するショルダ面3bを有するショルダ部3cを先端部分に形成した回転軸部3aと、この回転軸部3aの先端部分にショルダ面3bから突出するよう形成されたピン状の突起部(プローブ)3dとを有している。
鋼など材料の融点が1000℃を超える高融点材料の摩擦攪拌接合では、一般に、接合温度を融点の70%〜80%程度(接合温度は700℃を超える)まで摩擦攪拌熱で上昇させる必要があるため、単位接合長さ当たりの摩擦攪拌による投入エネルギーが高くなり、更には変形抵抗値も高くなることから、回転ツールには高い耐熱強度と破壊靭性が求められる。高価な多結晶ダイヤモンド等の材料を使用してもよいが、より安価な焼結炭化タングステンの超硬合金、タングステン合金などを使用することが好ましい。
抜熱体4は、リング形状をしており、ツール本体の外周面3eに着脱可能に固定される。また、金属板1,2と接触して無用の摩擦抵抗が発生しないように、金属板1,2との間に空間部5を形成するように固定される。抜熱体4の他の特徴として、数値解析等により、材質・取付位置・体積・抜熱体端面4aの傾斜角が設定されている(後述)。
なお、本明細書において、接合部Jとは2枚の金属板の接合されるべき部分を意味し、突き合わせ溶接では突き合わせ部に該当し、重ね合わせ溶接では重ね合わせ部に該当する。
〜固定方式〜
抜熱体4は、着脱可能であることを特徴のひとつとする。抜熱体4の固定方式について説明する。
図2は、抜熱体4の固定方式の一例について説明する図である。ツール本体3は、金属板側端部から離れるにしたがってツール本体3の軸心に近づくように、外周面3eにテーパ3fを設けている。一方、抜熱体4は、テーパ3fの形状と対応するように、金属板側端部から離れるにしたがってツール本体3の軸心に近づくように、抜熱体接触面4bにテーパ4fを設けている。
抜熱体4にツール本体3を挿通し、テーパ3fとテーパ4fを係合することにより、抜熱体4はツール本体3に固定される。
抜熱体4の線膨張係数がツール本体3の線膨張係数より大きい場合には、抜熱体4が熱膨張することで、抜熱体4はより確実にツール本体3に固定される。
図3は、抜熱体4の固定方式の別例について説明する図である。抜熱体4は、リング状半径に沿ってリングを分断するスリット4gと、スリット4gに直交する貫通孔4hを設けている。抜熱体4にツール本体3を挿通し、さらに、貫通孔4hに着脱ボルト4iを挿通し、貫通孔4h反対側端部において、着脱ナット4jを着脱ボルト4iに螺合する。抜熱体4の熱膨張を予想し、熱膨張量分相当を着脱用ボルト4i・ナット4jにより予め締め込んでおく。これにより、抜熱体4が熱膨張しても、抜熱体4は確実にツール本体3に固定される。
前記2例を挙げたが、抜熱体4がツール本体3に着脱可能に固定できる方式であれば、その方式を限定することはない。
〜摩擦攪拌接合装置および動作〜
本実施形態の摩擦攪拌接合用回転ツールは、片面摩擦攪拌接合に対応できるのはもちろん、両面摩擦攪拌接合にも対応できる。図4は、両面摩擦攪拌接合に対応した摩擦攪拌接合用回転ツールであり、図5は、両面摩擦攪拌接合に対応した摩擦攪拌接合用回転ツールのツール先端部分の拡大断面図であって、接合時におけるツールの使用状態を示す図である。更に、図6は、両面摩擦攪拌接合装置の全体斜視図である。
両面摩擦攪拌接合装置は、2枚の金属板1,2の表裏面をそれぞれ把持する入側把持装置15および出側把持装置16と、上下のツール本体3,13を2枚の金属板1,2の接合部Jの表面側と裏面側に相対向するように装着し、上下のツール本体3,13を回転駆動する上下のツール回転駆動装置17,18と、上下のツール回転駆動装置17,18に装着した上下のツール本体3,13を互いに近づく方向に移動して、上下のツール本体3,13を金属板1,2の接合部Jの表面側と裏面側に押圧する上下のツール押圧装置45,46と、上下のツール回転駆動装置17,18に装着した上下のツール本体3,13を接合部Jに沿って移動させる上下の移動装置47,48とを有している。
上述の通り、上側のツール本体3は、回転軸部3aの先端部分にショルダ面3bから突出するように突起部(プローブ)3dが形成されている。一方、下側のツール本体13は、回転軸部13aのショルダ面13bに突起部3dの先端部を収納する凹み部13dが形成されている。
上下のツール本体3,13には、抜熱体4,14が固定されている。
両面摩擦攪拌接合装置の動作(両面摩擦攪拌接合方法)について説明する。
両面摩擦攪拌接合で金属板1,2の突き合わせ接合を行う場合は、上下2本のツール本体3,13を2枚の金属板1,2の接合部Jにその表面側および裏面側から挿入し、上下のツール本体3,13を回転させることによって生じる摩擦熱を利用して摩擦撹拌し、2枚の金属板1,2を接合する。
まず、上下のツール本体3,13の両側に配置された入側把持装置15および出側把持装置16によって2枚の金属板1,2の表裏面をそれぞれ把持する。次いで、ツール押圧装置45,46を駆動して、2枚の金属板1,2の接合部Jの表面側と裏面側にそれぞれ相対向するように配置した上下のツール本体3,13を互いに近づくように移動して、上側ツール本体3の突起部(プローブ)3dを下側ツール本体13の凹み部13dに挿入させて、接合部Jの板厚方向の全面を未接合部の無い状態で摩擦攪拌接合する。
また、ツール回転駆動装置17,18を駆動して、相対向するように配置した上下のツール本体3,13を逆方向に回転させ、ショルダ面3b,13bを2枚の金属板1,2の接合部Jである突き合わせ部の表面側と裏面側に押圧して摩擦攪拌する。
そして、この状態(上側ツール本体3の突起部3dを下側ツール本体13の凹み部13dに挿入させかつ上下のツール本体3,13のショルダ面3b,13bを接合部Jの表面側と裏面側に押圧した状態)で、移動装置47,48を駆動して、接合部Jに沿って上下のツール本体3,13を回転させながら、金属板1,2の進行方向に直交する方向に移動させて摩擦攪拌接合する。
摩擦攪拌接合において、ツール本体3,13先端には摩擦熱が生じる。ショルダ面3b,13bからツール本体3,13へ熱が伝達され、さらに抜熱体4,14に伝達・蓄熱され、ツール本体3,13の温度上昇を抑制する。
接合部の表裏面の両側から摩擦攪拌接合することにより、片面摩擦攪拌接合で生じていた裏当て板6(図1参照)への熱損失が防止できる。そのため、接合部の軟化領域が増加し、回転ツール1本にかかる熱負荷を1/2以下にすることができる。その結果、片面摩擦攪拌接合と比較し、ツール寿命の長い、経済的な回転ツールを提供出来る。
前記の両面摩擦攪拌接合の効果に加え、本実施形態に係る抜熱体4,14をツール本体3,13に固定することにより、ツール本体3,13の温度上昇を抑制し、ツール本体3,13の更なる長寿命化を図ることができる。その結果、接合不良のない安定的な接合品質を得ることができる。
〜数値解析等〜
発明者らは、FEMによる温度解析等をおこない、抜熱体4の特徴を以下のように特定した。なお、ツール本体3において、温度上昇のピーク箇所は、ショルダ面の回転速度が速くなる外周端部近傍となり、外周端部近傍におけるクリープ変形および異常摩耗による形状の変化が著しい。したがって、外周端部近傍のポイントX(図7参照)の温度に着目した。図7は、数値解析等に用いる諸元を説明する図である。
板幅1650mmの金属板を4mpm(≒67mm/s)の速度で接合すると想定する。このとき4.5Kwの熱エネルギ(熱負荷)が25秒(≒1650/67)間、ツール本体3に作用するものとする。ツール本体は直径25mmとする。
(抜熱体の有無・材質)
図8は、ポイントXでの温度径時変化を、ケース1(抜熱体なし)、ケース2(ツール本体と同材質)、ケース3(材質銅)において比較したものである。横軸に経過時間(s)、縦軸にポイントXでの温度(℃)を示す。ケース2、ケース3において、抜熱体4は、直径D100mm、高さh30mm、取付位置L(後述)10mmとする。
25秒経過時点において、それぞれ840℃(ケース1)、250℃(ケース2)、160℃(ケース3)となっている。ケース1とケース2を比較すると、抜熱体4に同材質を用いた場合でも、充分な温度上昇抑制効果が得られる。ケース2とケース3を比較すると、抜熱体4にツール本体3より熱伝導率の高い材質である銅を用いた場合、更なる温度上昇抑制効果が得られる。
このことより、抜熱体4の材質は、ツール本体3より熱伝導率の高いもの(例えば銅)であることが好適である。
(取付位置)
抜熱体4は、摩擦攪拌接合においてツール本体3先端に生じる熱を吸収(抜熱)することにより、ツール本体3の温度上昇を抑制するものである。
したがって、取付位置Lが熱源に近いほど、温度上昇抑制効果が得られ、熱源から離れるにしたがって温度上昇抑制効果が減少する。
図9は、25秒経過時点におけるポイントXでの温度を、取付位置L10mm,100mm,200mmについて比較したものである。ツール本体の外周面3eの金属板側端部と、抜熱体接触面4bの金属板側端部との距離を取付位置L(図7参照)とする。抜熱体(銅リング)4は、直径D100mm、高さh30mmとする。
ところで、ツール本体3の材料に好適な焼結炭化タングステンの超硬合金、タングステン合金などは、300℃を超えると結合剤であるコバルトが酸化反応をすることが知られている。ツール本体3の長寿命化の観点からポイントXでの温度を300℃以下にすることが好ましい。
数値解析の結果、取付位置L50mm以下であれば、ポイントXでの温度は300℃以下となり、充分な温度上昇抑制効果が得られる。
このことより、取付位置Lは、好適には、0mmを超え50mm以下、さらに好適には、0mmを超え20mm以下、さらに好適には、0mmを超え10mm以下、さらに好適には、0mmを超え5mm以下、さらに好適には、0mmを超え3mm以下とする。なお、取付位置Lを0mmとすると、回転の際、抜熱体端面4aが金属板1,2と干渉するおそれが有り、好ましくない。
更に、取付位置Lが0に近づくと、ツール本体3先端の高温領域が空気中に暴露される部分が減り、結果として、ツール本体3の酸化を抑えることができる。
(体積)
抜熱体4は、摩擦攪拌接合においてツール本体3先端に生じる熱を吸収することにより、ツール本体3の温度上昇を抑制するものである。したがって、体積が大きいほど、温度上昇抑制効果が得られ、体積が小さくなるにしたがって温度上昇抑制効果が減少する。
図10は、25秒経過時点におけるポイントXでの温度を、体積Vに基づいてグループ分けされたグループA,グループB,グループCについて比較したものである。グループAにおいて、直径D50mm・高さh30mmと直径D75mm・高さh12.5mmと直径D100mm・高さh7.5mmの3ケースの数値解析をおこなった。3ケースともほぼ同体積となるように、直径D・高さh(図7参照)を設定している。グループBにおいて、直径D50mm・高さh75mmと直径D75mm・高さh30mmと直径D100mm・高さh17.5mmの3ケースの数値解析をおこない、グループCにおいて、直径D75mm・高さh50mmと直径D100mm・高さh30mmの2ケースの数値解析をおこなった。
数値解析の結果、温度上昇抑制効果は体積と相関が有り、体積Vが50×10mm以上であれば、ポイントXでの温度は300℃以下となり、充分な温度上昇抑制効果が得られる。
一方、抜熱体4の体積を更に大きくすると、ポイントXでの温度は150℃付近に漸近する。すなわち、体積の増加に伴う温度上昇抑制効果の向上は徐々に緩やかとなる。また、抜熱体4の体積が大きすぎると、回転の際、周辺装置(たとえば把持装置15,16)との干渉も発生しやすい。したがって、抜熱体4は、直径D200mm以下であることが好ましい。高さhを30mmとすると、体積V900×10mm以下であることが好ましい。
このことより、体積Vは、好適には、50×10mm以上、900×10mm以下とする。
(抜熱体端面の傾斜角)
摩擦攪拌接合において、ツール本体3の軸芯20を、進行方向に対してプローブ3aが先行する方向に傾けた状態で、ツール本体3を回転させながら摩擦攪拌接合することによって、ショルダ面3bと材料間の面圧を高め、摩擦攪拌接合の際に発生するバリや接合欠陥を抑制できることが知られている。このとき軸心20の傾斜角θ1は、一般に0°を超え3°以下とすることが好ましいが、場合によっては最大10°となることもある。
ところで、上述の通り、取付位置Lが0に近いほど温度上昇抑制効果が得られる。しかし、取付位置Lが0に近いと、ツール本体3の軸芯を傾けた状態での回転の際、抜熱体4端部が金属板1,2と干渉するおそれが有り、好ましくない。
本実施形態の抜熱体の一端面4aは空間部5の一部を形成しており、ツール本体3の外周面(3e)から外側へ向かって金属板1,2から(すなわち、ツール本体3の軸心20のに直交する面から)離れるように傾斜している。このとき、金属板1,2平面と抜熱体端面4aのなす角を傾斜角θ2(図7参照)とする。
図11は、傾斜角θ1と傾斜角θ2の関係の一例を示す図である。直径D100mm・高さh30mmの抜熱体4をツール本体3に取付位置L0mmに近い位置で固定し、ツール本体3の軸芯を10°(θ1)傾けている。
例えば、傾斜角θ2を15°とすると、金属板1,2平面と抜熱体端面4aと間に、充分な空間部5が形成され、干渉を回避できる。
このことより、傾斜角θ2は好適には0°を超え15°以下とする。
〜効果〜
1.抜熱体4の温度上昇抑制効果について説明する。上記のように抜熱体4は、材質、取付位置、体積に特徴を有することにより、25秒経過時の外周端部近傍のポイントXでの温度を300℃以下とし、充分な温度上昇抑制効果を得ることができる。これにより、ツール本体3の過剰な温度上昇を抑制し、ツール本体のクリープ変形、摩耗の進行ならびにショルダ面近傍の外表面の酸化を抑えることで、ツール本体3の長寿命化を図ることができる。
温度上昇抑制効果によりツール本体の酸化を抑えることで、ツール本体の材質を焼結炭化タングステンの超硬合金、タングステン合金などとすることができ、ツール本体の材質に高価な多結晶ダイヤモンド等の材料を用いる必要がなくなり、経済性を高めることができる。
更に、ツール本体の長寿命化の結果、接合中のツール折損等の不具合リスクを低減できる。
なお、本実施形態は、銅リングのような簡素な構成からなる抜熱体4をツール本体3に付加するものであり、冷却媒体噴射装置等の構成を必要とせず、設備コストの増加を抑えて経済性を高めることができる。
発明者らは、本実施形態の効果(ツール本体の長寿命化)を検証するための実験をおこなった。図12は、検証実験結果を示す図である。抜熱体なしのケースと抜熱体あり(本実施形態)のケースを比較した。同条件において軟鋼板の摩擦攪拌接合を行い、摩耗が顕著となる回転ツール先端のショルダ面の摩耗量を測定し、累積接合距離とショルダ面の摩耗量の相関を確認した。横軸は累積接合距離、縦軸はショルダ面の摩耗量を示す。
なお、ショルダ面摩耗量が0.08mmを超えると接合不良が発生するケースが見られたため、ショルダ面摩耗量の上限値(寿命)を0.08mmとした。
抜熱体なしのケースでは、累積接合距離約15mにおいてショルダ面摩耗量は0.08mmを超えたが、抜熱体ありのケースでは、累積接合距離65mにおいてショルダ面摩耗量は約0.01mm未満であった。これにより、本実施形態におけるツール本体3の長寿命化について確認した。
2.また、本実施形態の摩擦攪拌接合用回転ツールを両面摩擦攪拌接合に適用することにより、ツール本体3,13の更なる長寿命化を図ることができる。
3.次に、空間部5による効果について説明する。抜熱体4は金属板1,2との間に空間部5を形成するように固定される。これにより、抜熱体4が金属板1,2と接触して無用の摩擦抵抗が発生することはない。したがって、ツール本体3を回転駆動する動力が増大することはなく、設備コストを維持して経済性を高めることができる。
さらに、抜熱体端面4aは、ツール本体3の外周面(3e)から外側へ向かって金属板1,2から(すなわち、ツール本体3の軸心20のに直交する面から)離れるように傾斜している。これにより、取付位置Lを0に近づけたり、ツール本体3の軸芯を傾けた場合でも、空間部5を確保することができる。
4.次に、着脱可能による効果を説明する。
上述のとおり、抜熱体4が金属板1,2と接触することはなく、損傷することはない。ツール本体3を寿命により交換する場合でも、抜熱体4を再利用でき、ランニングコストを抑制し、経済性を高めることができる。
また、本実施形態では、鋼等の高融点材料の摩擦攪拌接合を対象としているが、低融点材料の摩擦攪拌接合により接合温度が低く、回転ツールの過剰な温度上昇に起因する課題が生じない場合は、抜熱体4をツール本体から外してもよい。このように、本実施形態は低融点材料の摩擦攪拌接合にも適用できる。
〜変形例〜
本実施形態の抜熱体4は、材質・取付位置・体積・抜熱体端面傾斜角に係る特徴を有するが、これらは必須の構成ではなく、これらの特徴を任意に組み合わせてもよい。
〜冷却媒体噴射装置〜
本実施形態において、冷却媒体噴射装置等の構成がなくても、充分な温度上昇抑制効果が得られるため、冷却媒体噴射装置50を備えていないが、冷却媒体噴射装置50を備えることにより、抜熱体4による温度上昇抑制効果は更に向上する。
図14は、冷却媒体噴射装置50を備えた摩擦攪拌接合用回転ツールを示す図である。冷却媒体噴射装置50はノズルを有し、冷却媒体供給源から供給される冷却媒体を抜熱体4に向けて噴射し、抜熱体4を冷却する。抜熱体4の温度が低下することで、ツール本体3に生じた熱が更に抜熱体4に伝達され、抜熱体4の温度上昇抑制効果が向上する。
冷却媒体は、気体でもよいが、一般に液体は気体より温度が低いことより、液体であることが好ましい。ところで、摩擦攪拌接合時、抜熱体4の温度はツール本体3程には高温にならない。液体の冷却媒体を直接ツール本体3に噴射するのでなく、比較的温度上昇が抑制される抜熱体4に向けて噴射することにより、液体温度が沸点を超えることはなく、抜熱体4表面に蒸気膜が形成されて断熱されることはない。また、抜熱体4は、ツール本体と比較し、表面積が大きく、効率良く冷却することができる。これにより、冷却媒体は、より確実に抜熱体4を冷却することができる。
1,2 金属板
3 ツール本体(上側回転ツール)
3a 回転軸部
3b ショルダ面
3c ショルダ部
3d 突起部(プローブ)
3e 外周面
3f テーパ
4 抜熱体
4a 抜熱体端面
4b 抜熱体接触面
4f テーパ
4g スリット
4h 貫通孔
4i 着脱ボルト
4j 着脱ナット
5 空間部
6 裏当て板
13 ツール本体(下側回転ツール)
13a 回転軸部
13b ショルダ面
13c ショルダ部
13d 凹み部
13e 外周面
14 抜熱体(下側)
15 入側上把持装置
16 出側下把持装置
17 ツール回転駆動装置(上側)
18 ツール回転駆動装置(下側)
20 軸心
45 上ツール押圧装置
46 下ツール押圧装置
47 上移動装置
48 下移動装置
50 冷却媒体噴射装置
J 接合部
D 直径
h 高さ
V 体積
L 取付位置
θ1 軸芯傾斜角
θ2 抜熱体端面傾斜角

Claims (9)

  1. 2枚の金属板(1,2)の接合部(J)を摩擦攪拌して、前記2枚の金属板を摩擦攪拌接合する摩擦攪拌接合用回転ツールにおいて、
    ショルダ部(3c)を先端部分に形成したツール本体(3)と、
    このツール本体の外周面(3e)に着脱可能に、前記金属板との間に空間部(5)を形成するように、固定される抜熱体(4)と
    を備え、
    前記空間部(5)の一部を形成する抜熱体端面(4a)は、前記ツール本体の外周面(3e)から外側へ向かって前記ツール本体の軸心(20)に直交する面から離れるように傾斜している
    ことを特徴とする摩擦攪拌接合用回転ツール。
  2. 2枚の金属板(1,2)の接合部(J)をその表裏面の両側から摩擦攪拌して、前記2枚の金属板を摩擦攪拌接合する摩擦攪拌接合用ツールにおいて、
    前記2枚の金属板(1,2)の接合部(J)の表面側と裏面側に相対向するように配置され、前記接合部を摩擦攪拌する第1および第2の回転ツール本体(3,13)と、
    このツール本体の外周面(3e,13e)に着脱可能に、前記金属板との間に空間部(5)を形成するように、固定される第1および第2の抜熱体(4,14)とを備え、
    前記第1の回転ツール本体(3)は、ショルダ部(3c)を先端部分に形成した回転軸部(3a)と、この回転軸部の先端部分から突出するよう形成された少なくとも1つの突起部(3d)とを有し、
    前記第2の回転ツール本体(13)は、ショルダ部(13c)を先端部分に形成した回転軸部(13a)と、この回転軸部の先端部分に形成され、前記2枚の金属板の接合時に前記突起部(3d)の先端部を収納する少なくとも1つの凹み部(13d)とを有し、
    前記第1の回転ツールの突起部(3d)の先端部を前記第2の回転ツールの凹み部(4d)内に挿入し、前記第1および第2の回転ツールの前記ショルダ部のショルダ面(3b,13b)を前記接合部(J)の表面側と裏面側に押圧した状態で、前記第1および第2の回転ツール本体(3,13)を前記接合部(J)に沿って移動させ、前記接合部の板厚方向全域を摩擦攪拌し、
    前記空間部(5)の一部を形成する抜熱体端面(4a,14a)は、前記ツール本体の外周面(3e)から外側へ向かって前記ツール本体の軸心(20)に直交する面から離れるように傾斜している
    ことを特徴とする摩擦攪拌接合用ツール。
  3. 請求項1または2に記載の摩擦攪拌接合用回転ツールにおいて、
    前記抜熱体端面(4a)の傾斜角θ2は、0°を超え15°以下である
    ことを特徴とする摩擦攪拌接合用回転ツール。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載の摩擦攪拌接合用回転ツールにおいて、
    前記抜熱体(4)は、前記ツール本体より熱伝導率の高い材料からなる
    ことを特徴とする摩擦攪拌接合用回転ツール。
  5. 請求項1乃至4の何れか1項に記載の摩擦攪拌接合用回転ツールにおいて、
    前記抜熱体(4)の体積Vは、50×10 mm以上、900×10 mm以下である
    ことを特徴とする摩擦攪拌接合用回転ツール。
  6. 請求項1乃至5の何れか1項に記載の摩擦攪拌接合用回転ツールにおいて、
    前記ツール本体の外周面(3e)の金属板側端部と、前記抜熱体接触面(4b)の金属板側端部との距離Lが0mmを超え50mm以下である
    ことを特徴とする摩擦攪拌接合用回転ツール。
  7. 請求項1乃至6の何れか1項に記載の摩擦攪拌接合用回転ツールにおいて、
    更に、冷却媒体を噴射して前記抜熱体(4)を冷却する冷却媒体噴射装置(50)
    を備えること特徴とする摩擦攪拌接合用回転ツール。
  8. 請求項1乃至7の何れか1項に記載の摩擦攪拌接合用回転ツールにおいて、
    前記2枚の金属板(1,2)は、融点が1000℃以上の高融点材料からなり、
    前記ツール本体(3)は、焼結炭化タングステンの超硬合金またはタングステン合金からなる
    ことを特徴とする摩擦攪拌接合用回転ツール。
  9. 請求項1乃至8の何れか1項に記載の摩擦攪拌接合用回転ツールを用いることを特徴とする摩擦攪拌接合方法。
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