JP2504956B2 - メッキ密着性及びハンダ接合性に優れた電子機器用銅合金とその製造法 - Google Patents

メッキ密着性及びハンダ接合性に優れた電子機器用銅合金とその製造法

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JP2504956B2 JP61156095A JP15609586A JP2504956B2 JP 2504956 B2 JP2504956 B2 JP 2504956B2 JP 61156095 A JP61156095 A JP 61156095A JP 15609586 A JP15609586 A JP 15609586A JP 2504956 B2 JP2504956 B2 JP 2504956B2
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好正 大山
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は強度が高く、導電性及び耐熱性が優れ、かつ
加工法やメッキ密着性が良好で、ハンダとの界面強度の
経時劣化を起さない電子機器用銅合金とその製造法に関
するものである。
〔従来の技術〕
一般に半導体機器、例えば半導体素子用リードフレー
ムには、下記の特性が要求されている。
(1)強度が高く、耐熱性が良いこと、 (2)放熱性、即ち熱伝導性・電気伝導性が高いこと、 (3)フレーム形成後の曲げ成型性が良いこと、 (4)メッキ密着性及び樹脂とのモールド性が良いこ
と、 (5)ハンダとの接合部の経時劣化が無いこと、 このようなリードフレームには主として42合金(Fe−
42wt%Ni)が用いられている。この合金は引張強さ63kg
/mm2、耐熱性670℃(30分間の加熱により初期強度の70
%の強度になる温度)の優れた特性を示すが、導電率3
%IACS程度と劣るものである。
近年半導体素子は集積度の増大及び小型化と同時に高
信頼性が求められるようになり、半導体素子の形態も従
来のDIP型ICからチップキャリヤー型やPGA型へと変化し
つつある。このため半導体素子用のリードフレームも薄
肉、小型化され、同時に42合金を上回る特性が要求され
るようになった。即ち薄肉化による構成部品の強度低下
を防ぐための強度向上と、集積度の増大による放熱性の
向上のために熱伝導性と同一特性である導電率の向上、
更に優れた耐熱性と、半導体のフレーム上への固定、及
び半導体からリードフレームの足の部分の配線へのボン
ディング前処理としてリードフレーム表面へのメッキ性
とメッキ密着性、封止樹脂とのモールド性の向上、更に
は信頼性の問題としてフレームと基板との接合における
ハンダ接合強度の経時劣化が無いことが望まれている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記42合金は導電率が3%IACSと低く、放熱性が劣る
欠点があり、これに代えて銅合金を用いれば導電率を50
〜30%IACSと飛躍的に向上させることができるも、他の
特性について42合金と同等の性能を得ることは極めて困
難であった。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明はこれに鑑み種々の検討の結果、42合金よりは
るかに優れた導電率を示し、その他の特性についても、
42合金とほぼ同等の特性を示す半導体機器用銅合金とそ
の製造法を開発したものである。
即ち本発明合金は、Ni 0.1wt%以上3.0wt%未満、Ti
0.1〜1.0wt%の範囲内でNiとTiをNi/Tiが4未満となる
ように含み、かつSn0.1〜6.0wt%とMn,Mg,ミッシュメタ
ル(MM),B,Sb,Te,Zrの何れか1種又は2種以上を合計
0.005〜3.0wt%(以下wt%を%と略記)を含み、さらに
O2含有量を20ppm以下、析出物寸法を5μm以下とし、
残部Cuと不可避的不純物からなること特徴とするもので
ある。
また本発明製造法は、Ni 0.1%以上3.0%未満、Ti 0.
1〜1.0%の範囲内でNiとTiをNi/Tiが4未満となるよう
に含み、かつSn0.1〜6.0%とMn,Mg,ミッシュメタル(M
M),B,Sb,Te,Zrの何れか1種又は2種以上を合計0.005
〜3.0%を含み、残部Cuと不可避的不純物からなる合金
鋳塊を、750〜960℃で0.5〜15時間均質化処理した後、7
00〜920℃の温度で熱間圧延を施し、しかる後直ちに冷
却することを特徴とするものである。
〔作用〕 本発明において合金組成を上記の如く限定したのは次
の理由によるものである。
NiとTiの添加は、その相乗効果による強度及び導電率
を向上するためであり、その含有量をNi0.1%以上3.0%
未満、Ti0.1〜1.0%と限定したのは、何れも下限未満で
は特性の向上が見られず、上限を越えると鋳造性、加工
性及び曲げ成型性を著しく低下し、合金の製造を困難に
するためである。またNiとTiをNi/Tiが4未満となるよ
うに限定したのは、優れた強度と高い導電率を得るため
で、Ni/Tiが4以上になると強度は向上するも導電率の
低下が著しくなるためであり、望ましくはNi/Tiは2程
度とすることが好ましい。
Snの添加は更に強度を高めると共に曲げ成型性を向上
し、更に熱間圧延条件(開始温度,終了温度,冷却速度
等)による特性のバラツキを抑制するためで、その含有
量を0.1〜6.0%と限定したのは、下限未満では効果が乏
しく、上限を越えると導電性の低下が著しくなるばかり
か加工性が低下し、合金の製造を困難にするためであ
る。
Mn,Mg,MM,B,Sb,Te,Zrの何れか1種又は2種以上の添
加は、何れも脱酸効果により鋳造性を向上すると共に熱
間圧延性、特に熱間圧延前の均質化処理時の再熱割れや
圧延時の割れを防止し、更にハンダとの接合界面の強化
によりハンダ接合強度の経時劣化を抑制するためであ
る。しかしてその合計含有量を0.005〜3.0%と限定した
のは、下限未満では効果が乏しく、上限を越えると鋳造
性を悪化させるばかりか、メッキ密着性や曲げ成型性を
悪化させるためである。
次にO2含有量を20ppm以下、(望ましくは10ppm以下)
としたのは、鋳造時の溶湯中のO2量が20ppmを越える
と、Tiが酸化物として溶湯よりスラグとなり、Ti成分の
コントロールを難しくすると共に鋳造性を悪化させるば
かりか、合金のメッキ密着性やハンダ着け性を悪くする
ためである。また析出物の大きさを5μm以下としたの
は、析出物の大きさはメッキの表面状態や密着性及びハ
ンダ濡れ性に大きく作用し、析出物が5μmを越えると
これ等特性を大きく低下するためである。
本発明製造法は上記組成範囲の合金を半連続又は連続
鋳造により鋳塊とし、これを750〜960℃で0.5〜15時間
均質化処理し、続いて700〜920℃から熱間圧延を施し、
しかる後直ちに冷却するもので、本発明合金に用いられ
るTiは活性に富んでおり、酸化され易く、大気中では酸
化物となり易く、スラグを発生して成分不良の原因を作
る。しかしながらArやN2等の非酸化性雰囲気中で溶解鋳
造を行う事により前記欠点をカバーする事が可能とな
り、生産性の点で大いなる向上が計れる。更に半連続又
は連続鋳造における冷却速度は100℃/sec以上が望まし
く、それ未満では構成元素による析出物が生じてしま
い、熱間圧延前の均質化処理時に粗大化を示し、その後
の特性や製造法に悪影響を及ぼす。
また熱間圧延前の均質化処理を750〜960℃で0.5〜15
時間としたのは、それぞれ下限未満では均質化の効果が
見られず、上限を越えると再熱割れや生産コストを悪化
させる。均質化処理としては830〜950℃で1〜8時間が
望ましい。均質化処理後の熱間圧延開始温度を700〜920
℃としたのは、この範囲外では熱延割れを生じ易いため
である。熱間圧延開始温度としては820〜900℃とするこ
とが望ましい。尚熱間圧延後の冷却はSn添加の効果によ
り、どのような冷却速度で行ってもかまわないが、1000
℃/min以上とすることが望ましい。また本発明製造法と
しては、熱間加工後に冷間加工と400〜800℃で10秒〜36
0分間の焼鈍を繰返し、最終的に200〜500℃の調質焼鈍
やテンションレベラー等を組み合わせることによってよ
り優れた特性を得ることができる。
〔実施例〕
雰囲気溶解炉を用い、Arガス中で第1表に示す組成の
銅合金を溶解・鋳造し、厚さ50mm、幅120mmの鋳塊を得
た。これを面削し、850℃で3時間均質化処理した後、8
30℃で熱間圧延し、これを水冷して厚さ10mmの板とし
た。
これ等の板について冷間圧延と中間焼鈍(第1表中N
o.1〜12は570℃で1時間、No.13は700℃で1時間)を繰
返し行ない、最終加工率40%で厚さ0.25mmの板に仕上
げ、300℃で0.5時間の調質焼鈍を施した後、試験片を切
り出して引張強さ,曲げ成型性(R/t),メッキ密着
性,モールド性(酸化膜剥離性),ハンダ接合強度を調
べた。これ等の結果を第2表に示す。
引張強さはJIS−Z2241に基づき、導電率はJIS−H0505
に基づき測定した。曲げ成型性(R/t)はJIS−Z2248の
ブロック法に基づいて試験を行ない試験片表面に割れを
生じさせる最少曲げ半径(R)を試験片の厚さ(t)で
割った値で示した。
メッキ密着性は30×30mmの試験片について、表面清浄
後、Agメッキを行ない、これを大気中で加熱し、その後
のメッキ表面の脹れを観察し、550℃で5分間加熱で脹
れの見られないものを○印、脹れの見られるものを×印
で示した。また酸化膜剥離性は10×50mmの試験片につい
て、表面清浄化処理後、大気中420℃で1分間加熱した
後、セロテープによる剥離試験を行ない、ほとんど剥離
が見られないものを○印、全面に剥離が見られるものを
×印で示した。ハンダ接合強度については5×50mmの試
験片について、同形状の無酸素板と60/40共晶ハンダに
より接合し、150℃に500時間の加熱加速試験を施した
後、引張試験を行ない、その強度が加速試験前の80%以
上のものを○印、50〜80%のものを△印、それ以下を×
印で表わした。
第1表及び第2表から明らかなように、本発明合金N
o.1〜6は何れも従来合金である42合金(No.14)と比較
し、同等の強度と、はるかに優れた導電性を有すること
が判る。
これに対しTi含有量が少ない比較合金No.7では強度及
び導電性の向上が劣り、Ti含有量の多い比較合金No.8で
は熱間加工が困難であった。またNi含有量の多い比較合
金No.9では導電性の改善が認められないばかりか、メッ
キ密着性やモールド性が劣る。またSn含有量の多い比較
合金No.10では、比較合金No.8と同様熱間圧延が困難で
あった。またO2量の多い比較合金No.11及び析出粒径の
大きい比較合金No.12ではメッキ密着性やハンダ接合性
が劣る。
〔発明の効果〕
このように本発明によれば、導電性,強度,曲げ成型
性,ハンダ接合性に優れた銅合金を提供し得るもので、
リードフレーム等の半導体機器材料として使用し、その
薄肉化,小型化を可能にする等工業上顕著な効果を奏す
るものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 志賀 章二 栃木県日光市清滝町500番地 古河電気 工業株式会社日光電気精銅所内 (56)参考文献 特開 昭58−123862(JP,A) 特開 昭60−262933(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Ni 0.1wt%以上3.0wt%未満、Ti 0.1〜1.0
    wt%の範囲内でNiとTiをNi/Tiが4未満となるように含
    み、かつSn 0.1〜6.0wt%とMn,Mg,ミッシュメタル(M
    M),B,Sb,Te,Zrの何れか1種又は2種以上を合計0.005
    〜3.0wt%を含み、さらにO2含有量を20ppm以下、析出物
    寸法を5μm以下とし、残部Cuと不可避的不純物からな
    るメッキ密着性及びハンダ接合性に優れた電子機器用銅
    合金。
  2. 【請求項2】Ni 0.1wt%以上3.0wt%未満、Ti 0.1〜1.0
    wt%の範囲内でNiとTiをNi/Tiが4未満となるように含
    み、かつSn 0.1〜6.0wt%とMn,Mg,ミッシュメタル(M
    M),B,Sb,Te,Zrの何れか1種又は2種以上を合計0.005
    〜3.0wt%を含み、残部Cuと不可避的不純物からなる合
    金鋳塊を、750〜960℃で0.5〜15時間均質化処理した
    後、700〜920℃の温度で熱間圧延を施し、しかる後直ち
    に冷却することを特徴とするメッキ密着性及びハンダ接
    合性に優れた電子機器用銅合金の製造法。
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