JPH0518744A - 原子間力顕微鏡用カンチレバーの製造方法 - Google Patents

原子間力顕微鏡用カンチレバーの製造方法

Info

Publication number
JPH0518744A
JPH0518744A JP17543191A JP17543191A JPH0518744A JP H0518744 A JPH0518744 A JP H0518744A JP 17543191 A JP17543191 A JP 17543191A JP 17543191 A JP17543191 A JP 17543191A JP H0518744 A JPH0518744 A JP H0518744A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon
cantilever
atomic force
silicon substrate
end portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP17543191A
Other languages
English (en)
Inventor
Motoji Shibata
元司 柴田
Hiroyuki Kado
博行 加道
Takao Toda
隆夫 任田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP17543191A priority Critical patent/JPH0518744A/ja
Publication of JPH0518744A publication Critical patent/JPH0518744A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Length Measuring Devices With Unspecified Measuring Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 深針の巨視的な形状を最適化し、さらに先端
部が小さな曲率半径の深針を有する原子間力顕微鏡用の
薄膜のカンチレバーの製造方法を提供する。 【構成】 シリコン基板1に、シリコンと合金を形成す
る金の薄膜2を形成し、続いて、珪素化合物を含む雰囲
気中でシリコン基板を合金の融点以上に加熱してシリコ
ン柱状突起物4を結晶成長させる。さらにシリコン柱状
突起物4をエッチングにより先端部を先鋭化して探針5
を製作する。次にシリコン基板1の両面に厚さ1. 5μ
mの酸化膜6、7を形成する。酸化膜6、7をエッチン
グによる微細加工を用いて探針を有するカンチレバー8
を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は原子間力顕微鏡用カンチ
レバーの製造方法に関するものであり、とりわけ微小薄
膜平板の自由端側に探針を有する原子間力顕微鏡用薄膜
カンチレバーの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、固体表面を原子オーダで観察でき
る装置として走査型トンネル顕微鏡(以後STMと呼
ぶ)が開発されている。しかし、STMは試料と探針間
のトンネル電流を検出して試料表面を観察するため、絶
縁体表面を有する試料については観察不可能であった。
この問題を解決するために試料と探針間に働くファンデ
ルワールス力などの原子間力を検出して試料表面を観察
しようとする原子間力顕微鏡(以後AFMと呼ぶ)が提
案されている。このAFMの分解能は探針先端部の曲率
半径に大きく依存し、曲率半径が小さいほど分解能は上
がる。よって、AFMでは微少な原子間力を検出するた
め微小な探針を有するカンチレバーが必要とされてい
る。
【0003】原子間力顕微鏡用カンチレバーの一例の斜
視図を図4に示す。この例ではカンチレバー27はSi
2 薄膜あるいはSi3 4 薄膜で形成され、平板形状
のカンチレバーとなっている。なお、29はカンチレバ
ー基部を示す。このカンチレバーは、通常、フォトエッ
チング技術により作製される。さらにカンチレバー凸状
端部(先端部)には探針28が設けられている。従来、
この探針としては、カンチレバー先端部分を探針として
併用したもの、結晶のエッチピットを鋳型として利用し
作製したもの、異方性エッチングや等方性エッチングに
より作製したもの等が使用され、先端部の曲率半径が最
小で300オングストローム程度の探針が得られてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】AFM用カンチレバー
は上記のような種々の手法によって作製されているにも
かかわらず、それぞれに問題点を残している。カンチレ
バー先端部分を探針として利用する場合には、カンチレ
バーと探針間の密着性に関する問題はなく、製造工程も
比較的簡単であるが、フォトリソグラフィの精度で先端
曲率半径が決まるため、通常のフォトエッチング技術で
は数1000オングストローム程度が限界であり、顕微
鏡としての分解能は低くなる。
【0005】また、結晶のエッチピットを鋳型として探
針を凸状端部(先端部)に作製したカンチレバーでは、
曲率半径は比較的小さくできるが、被測定物の形状に急
峻な変化があった場合カンチレバーの探針の例えばアス
ペクト比(長さと太さの比)その他の巨視的形状の影響
により、被測定物の形状を正確に測定できないという問
題点がある。
【0006】本発明は、前記課題を解決するもので、原
子オーダの分解能を有する原子間力顕微鏡に適用可能に
し、探針の巨視的形状を最適化し、さらに先端部が小さ
な曲率半径の探針を有する原子間力顕微鏡用カンチレバ
ーの製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の原子間力顕微鏡用カンチレバーの製造方法
は、シリコン基板表面の所定部分に、シリコンと合金を
形成する金属を接触させ、珪素化合物を含む雰囲気中で
前記シリコン基板を前記合金の融点以上に加熱し、シリ
コンの柱状突起物を結晶成長させ、さらに前記合金を取
り除いた前記柱状突起物の先端部分を先鋭化する第1の
工程と、前記シリコン基板表面を酸化して酸化膜を形成
し、さらに前記酸化膜をフォトエッチングにより、前記
柱状突起物が端部に形成された凸状端部を有する平板形
状に微細加工し、少なくとも前記酸化膜凸状端部の下部
のシリコンを除去することにより、前記突起物が形成さ
れた凸状端部を自由端にする第2の工程からなる。
【0008】前記構成においては、第1の工程における
柱状突起物の先端部分の先鋭化を、前記柱状突起物の先
端部分をエッチングにより先鋭化することが好ましい。
また、前記構成においては、第1の工程における柱状突
起物の先端部分の先鋭化を、前記柱状突起物の先端部分
を1050℃以下の温度で表面を熱酸化した後、形成さ
れた酸化物を除去することにより、前記柱状突起物の先
端部分を先鋭化することが好ましい。
【0009】また、前記構成においては、第1の工程に
おける柱状突起物の先端部分の先鋭化を、前記柱状突起
物の先端部分を1150℃以下の温度で表面を熱窒化し
た後、形成された窒化物を除去することにより、前記柱
状突起物の先端部分を先鋭化することが好ましい。
【0010】また、前記構成においては、第2の工程に
おいて、シリコン基板表面を酸化して酸化膜を形成し、
さらに前記酸化膜をフォトエッチングにより、前記柱状
突起物が端部に形成された凸状端部を有する平板形状に
微細加工し、少なくとも前記酸化膜凸状端部の下部のシ
リコンを除去することに代えて、シリコン基板表面を窒
化して窒化膜を形成し、さらに前記窒化膜をフォトエッ
チングにより、前記柱状突起物が端部に形成された凸状
端部を有する平板形状に微細加工し、少なくとも前記窒
化膜凸状端部の下部のシリコンを除去することが好まし
い。
【0011】また、前記構成においては、シリコンと合
金を形成する金属が、金、白金、銅、パラジウムまたは
ニッケルのうちの少なくとも1つの金属であることが好
ましい。
【0012】
【作用】上記本発明の原子間力顕微鏡用カンチレバーの
製造方法によれば、シリコン基板表面に、シリコンと合
金を形成する金属を接触させ融解し、さらに、珪素化合
物を含む雰囲気中での還元反応によりシリコンの蒸気が
生成し合金に溶け込む。溶け込んだシリコンがシリコン
基板と合金の界面に析出するので、シリコン基板上に極
めて細いシリコンの柱状突起物を結晶成長させることが
できる。しかも、シリコン基板上を覆う金属の大きさ
(面積)などをコントロールすることにより生成するシ
リコン柱状突起物の太さなどを容易にコントロールする
ことができる。更に、合金を取り除いたシリコンの柱状
突起物の先端を、エッチングすることにより先鋭化する
ので、曲率半径が小さく、巨視的形状の優れたシリコン
の柱状突起物とすることができる。
【0013】また、上記エツチングにかえて、前記結晶
成長させたシリコンの柱状突起物の先端部分を1050
℃以下の温度で表面を熱酸化した後、形成された酸化物
を除去することにより、または、前記結晶成長させたシ
リコンの柱状突起物の先端部分を1150℃以下の温度
で表面を熱窒化した後、形成された窒化物を除去するこ
とにより、前記柱状突起物の先端部分を先鋭化する第1
の工程においては、シリコンの酸化または、窒化に伴う
体積膨張により前記シリコンの柱状突起物の先端部は応
力が増大し、他の部分に比べてシリコンの酸化、または
窒化が抑制されるため、酸化膜または窒化膜下部のシリ
コン先端部の形状はかなり小さな曲率半径となり、曲率
半径が小さく、巨視的形状の優れたシリコンの柱状突起
物とすることができる。
【0014】さらに、本発明の第2の工程においては、
先端部分の先鋭化されたシリコンの柱状突起物のついた
シリコン基板を酸化あるいは窒化し、この突起物の形成
された基板部分がカンチレバーの自由端部分にくるよう
に従来のフォトエッチング技術により凸状端部を有する
平板形状に微細加工し、少なくとも前記酸化膜または窒
化膜凸状端部の下部のシリコンを除去することにより、
極めて薄い酸化膜ないしは窒化膜からなるカンチレバー
であって、その凸状端部上に非常に微小な先端曲率半径
の探針を有する原子間力顕微鏡用カンチレバーが得ら
れ、このカンチレバーを用いることで原子オーダの分解
能を有する原子間力顕微鏡が実現可能となる。
【0015】また、シリコンと合金を形成する金属が、
金、白金、銅、パラジウムまたはニッケルのうちの少な
くとも1つを用いることにより、容易にシリコンの柱状
突起物をシリコン基板の上に結晶成長させることができ
好ましい。
【0016】
【実施例】
(実施例1)本実施例の原子間力顕微鏡用カンチレバー
の製造プロセスを図面を参照しながら、以下説明する。
【0017】図1は本実施例における原子間力顕微鏡用
カンチレバーの製造プロセスを説明するための工程図で
ある。厚さ300〜400μmのシリコン基板1の(1
11)表面に蒸着とフォトエッチング技術を用いて直径
1μm、厚さ2000オングストロームの金の薄膜2を
形成する(図1の(a))。シリコン基板1を約400
℃に加熱すると、金とシリコンは合金を形成し、金−シ
リコン合金3はシリコン基板1上で液体となる(図1の
(b))。続いて、シリコン基板1を950℃に昇温し
四塩化珪素を飽和させた水素を送り込むことにより、シ
リコン基板1上において<111>方向に直径1μm、
高さ5μmのシリコン柱状突起物4を結晶成長させる
(図1の(c))。シリコン基板1を十分に冷却した
後、シリコン柱状突起物4の先端の金−シリコン合金3
を取り除き、等方性エッチング液(ふっ酸:硝酸:酢酸
=1:3:5)により、シリコン柱状突起物4の直径を
0.2μmまで細くし、同時に先端を尖らせることによ
り先端曲率半径100オングストローム以下の探針5を
形成する(図1の(d))。次に、このシリコン基板1
を1100℃で水蒸気によりスチーム酸化し、厚さ1.
5μm程度の酸化膜6、7をシリコン基板1の両面に形
成する。次に前記探針5を有する側の酸化膜6をフォト
エッチング技術を用いて、端部に前記探針5が形成され
るように長さ100μm程度の凸状端部であるV字型あ
るいは長方形のカンチレバー部分8とその基部9を有す
る形状に微細加工する。さらに、もう一方の面の酸化膜
7をフォトエッチング技術により、前記カンチレバー基
部9のカンチレバー部分8の根元部分に合わせた形状に
微細加工する(図1の(e)および(e´))。なお、
ここで図1中の(e´)は図1の(e)の微細加工され
た酸化膜6のみの部分平面形状を示したものである。
【0018】次にこのシリコン基板1を等方性エッチン
グ液(ふっ酸:硝酸:酢酸=1:25:10)に浸漬
し、凸状端部であるV字型カンチレバー部分8の下部の
シリコン基板1をエッチングして除去する。エッチング
終了後は、カンチレバー部分8がその基部9から突出し
た凸状形状になり、100オングストローム以下の曲率
半径を有する探針5がカンチレバー部分8である凸状端
部上に設けられたカンチレバーが作製される(図1の
(f))。
【0019】本実施例ではシリコン基板1を酸化し、形
成された酸化膜6でカンチレバーを作製したが、シリコ
ン基板を窒化し、形成された窒化膜でカンチレバーを作
製してもよい。この場合、窒化膜は酸化膜より機械的強
度が高く、より薄いカンチレバーを作製することができ
好ましい。
【0020】さらに、本実施例では金を用いてシリコン
との合金を作製したが、シリコンと合金を形成する金属
は白金、銅、パラジウム、ニッケルのうちの少なくとも
1つの金属であればよい。
【0021】また、本実施例では、珪素化合物を含む雰
囲気として四塩化珪素を飽和させた水素を用いたが、シ
ランやジシランガスを用いても同様の効果が得られた。
また、本実施例では、シリコン柱状突起物4をシリコン
基板の(111)面上に成長させたが、他の面でも同様
の効果が得られた。
【0022】図2に本実施例により作製されたカンチレ
バー8を有する原子間力顕微鏡の測定部の概略図を示
す。測定試料11はX,Y,Zの3方向に微動可能な試
料台12上に固定される。探針5を試料表面に近づける
と探針5と試料11間に原子間力が働き、カンチレバー
8がたわむ。このたわみ量をレーザー光源14からのレ
ーザー光と光検出器15を組み合わせた光てこにより測
定しながら、試料11をX,Y方向に走査することで、
試料表面の形状を観測する。この原子間力顕微鏡では、
原子オーダの分解能が得られ、周期0.5μm回折格子
を測定した結果、回折格子の溝形状を正確に測定でき
た。ここで、図中のその他の符号を付した部分は、図1
の(f)に示されたものと同一であるので、図1の
(f)と同じ符号を付して説明を省略する。
【0023】なお、カンチレバーのたわみ量の測定は、
光干渉計を用いてもよく、さらに、カンチレバーの背面
を導電材料で被覆することによりSTM(走査トンネル
顕微鏡)を用いても測定可能である。
【0024】(実施例2)本実施例の原子間力顕微鏡用
カンチレバーの製造プロセスを図3を参照しながら、以
下説明する。
【0025】図3は本実施例における原子間力顕微鏡用
カンチレバーの製造プロセスを説明するための工程図で
ある。厚さ300〜400μmのシリコン基板16の
(111)面上に蒸着とフォトエッチング技術を用いて
直径0.4μm、厚さ2000オングストロームの金の
薄膜17を形成する(図3の(a))。シリコン基板1
6を約400℃に加熱すると、金とシリコンは合金を形
成し、金−シリコン合金18はシリコン基板16上で液
体となる(図3の(b))。続いて、シリコン基板16
を950℃に昇温し四塩化珪素を飽和させた水素を送り
込むことにより、シリコン基板16上において<111
>方向に直径0.2μm、高さ5μmのシリコン柱状突
起物19を結晶成長させる(図3の(c))。シリコン
基板16を十分に冷却した後、シリコン柱状突起物19
の先端の金−シリコン合金18をシリコン柱状突起物1
9を斜めに切断して取り除く(図3の(d))。つづい
て、シリコン柱状突起物19の表面を、950℃で乾燥
酸素によりドライ酸化し、酸化膜20を形成する(図3
の(e))。この酸化過程では、シリコン柱状突起物先
端部のシリコンは酸化時の体積膨張による応力を受け、
他の部分に比べ酸化速度が遅くなり、酸化膜下部のシリ
コン柱状突起物先端部の曲率半径は酸化以前に比べて小
さくなる。本実施例では膜厚800オングストロームの
酸化膜を作製した。次に、酸化膜20をバッファエッチ
溶液(HF1容とNH4F6容の混合液)で除去するこ
とにより、非常に小さな曲率半径の先端部分21を有す
る探針22が得られる(図3の(f))。本実施例で
は、100オングストローム以下の曲率半径の先端部分
21を有する探針22が作製された。次に、このシリコ
ン基板16を1100℃で水蒸気によりスチーム酸化
し、厚さ1.5μm程度の酸化膜23、24をシリコン
基板16の両面に形成する。次に探針22を有する側の
酸化膜23をフォトエッチング技術を用いて、端部に探
針22が形成されるように長さ100μm程度の凸状端
部であるV字型あるいは長方形のカンチレバー部分25
とその基部26を有する形状に微細加工する。さらに、
もう一方の面の酸化膜24をフォトエッチング技術によ
り、前記カンチレバー基部26のカンチレバー部分25
の根元部分に合わせた形状に微細加工する(図3の
(g)および(g´))。なお、ここで図3中の(g
´)は図3の(g)の微細加工された酸化膜25のみの
部分平面形状を示したものである。次にこのシリコン基
板16を等方性エッチング液(ふっ酸:硝酸:酢酸=
1:25:10)に浸漬し、凸状端部であるV字型カン
チレバー部分25の下部のシリコン基板16をエッチン
グして除去する。エッチング終了後は、カンチレバー部
分25がその基板26から突出した凸状形状になり、1
00オングストローム以下の曲率半径の先端部分を有す
る探針22が設けられたカンチレバー25が作製される
(図3の(h))。
【0026】本実施例ではシリコン柱状突起物表面を1
050℃以下の温度で熱酸化して、その酸化物を除去す
ることによって先端を尖鋭化したが、1150℃以下の
温度で熱窒化しても、同様の効果が得られる。この場
合、熱窒化は、窒素あるいはアンモニア雰囲気中で行う
ことができ、作製された窒化膜はHFによりエッチング
できる。なお、ここで、シリコン柱状突起物表面を熱酸
化する場合の温度は1050℃以下、また、熱窒化する
場合の温度は1150℃以下であることが、先端部の尖
鋭化に有効であり好ましい。
【0027】また、本実施例ではシリコン基板を酸化
し、形成された酸化膜でカンチレバーを作製したが、シ
リコン基板を窒化し、形成された窒化膜でカンチレバー
を作製してもよい。この場合、窒化膜は酸化膜より機械
的強度が高く、より薄いカンチレバーを作製することが
できる。
【0028】さらに、本実施例では、金とシリコンの合
金を作製したが、この他にシリコンと合金を形成する金
属は白金、銅、パラジウム、ニッケルのうちの少なくと
も1つの金属であれば同様の効果が得られた。
【0029】また、本実施例では、珪素化合物を含む雰
囲気として四塩化珪素を飽和させた水素を用いたが、シ
ランやジシランガスを用いても同様の効果が得られた。
また、本実施例では、柱状シリコンをシリコン基板の
(111)面上に成長させたが、他の面でも同様の効果
が得られた。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、従来、作製困難であっ
たより小さい先端曲率半径の探針を有し、また探針との
密着性も良好な原子間力顕微鏡用カンチレバーを作製す
ることが可能となり、このカンチレバーを有する原子間
力顕微鏡によれば、分解能が非常に高いため、絶縁体を
含むあらゆる材料の表面形状を原子オーダで観察可能と
なる。
【0031】また、結晶成長させたシリコンの柱状突起
物の先端部分を熱酸化または熱窒化した後、形成された
酸化物または窒化物を除去することにより、曲率半径が
小さく、巨視的形状の優れた探針を有する原子間力顕微
鏡用カンチレバーを容易に製造することができる。
【0032】また、本発明の第2の工程において、シリ
コン基板を窒化し、この窒化物を微細加工することによ
り、窒化膜からなるカンチレバーを製造する方法によれ
ば、機械的強度が高く、従ってより薄いカンチレバーを
作製することができる。
【0033】また、シリコンと合金を形成する金属とし
て金、白金、銅、パラジウム、ニッケルのうちの少なく
とも1つの金属を用いてシリコンの柱状突起物を結晶成
長させることにより、容易に細く、先端部の曲率半径の
小さい探針を有する原子間力顕微鏡用カンチレバーを製
造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における原子間力顕微鏡用カ
ンチレバーの製造プロセスを説明するための工程図であ
る。
【図2】本発明の一実施例により作製したカンチレバー
を有する原子間力顕微鏡の測定部の概略図である。
【図3】本発明の別の一実施例における原子間力顕微鏡
用カンチレバーの製造プロセスを説明するための工程図
である。
【図4】従来の原子間力顕微鏡用カンチレバーおよび探
針の斜視図である。
【符号の説明】
1、16 シリコン基板 2、17 金の薄膜 3、18 金−シリコン合金 4、19 シリコン柱状突起物 5、22、28 探針 6、7、20、23、24 酸化膜 8、25、27 カンチレバー 9、26、29 カンチレバー基部 11 試料 12 試料台 14 レーザー光源 15 光検出器 21 先端部分

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン基板表面の所定部分に、シリコ
    ンと合金を形成する金属を接触させ、珪素化合物を含む
    雰囲気中で前記シリコン基板を前記合金の融点以上に加
    熱し、シリコンの柱状突起物を結晶成長させ、さらに前
    記合金を取り除いた前記柱状突起物の先端部分を先鋭化
    する第1の工程と、前記シリコン基板表面を酸化して酸
    化膜を形成し、さらに前記酸化膜をフォトエッチングに
    より、前記柱状突起物が端部に形成された凸状端部を有
    する平板形状に微細加工し、少なくとも前記酸化膜凸状
    端部の下部のシリコンを除去することにより、前記突起
    物が形成された凸状端部を自由端にする第2の工程から
    なる原子間力顕微鏡用カンチレバーの製造方法。
  2. 【請求項2】 第1の工程における柱状突起物の先端部
    分の先鋭化を、前記柱状突起物の先端部分をエッチング
    により先鋭化することからなる請求項1に記載の原子間
    力顕微鏡用カンチレバーの製造方法。
  3. 【請求項3】 第1の工程における柱状突起物の先端部
    分の先鋭化を、前記柱状突起物の先端部分を1050℃
    以下の温度で表面を熱酸化した後、形成された酸化物を
    除去することにより、前記柱状突起物の先端部分を先鋭
    化することからなる請求項1に記載の原子間力顕微鏡用
    カンチレバーの製造方法。
  4. 【請求項4】 第1の工程における柱状突起物の先端部
    分の先鋭化を、前記柱状突起物の先端部分を1150℃
    以下の温度で表面を熱窒化した後、形成された窒化物を
    除去することにより、前記柱状突起物の先端部分を先鋭
    化することからなる請求項1に記載の原子間力顕微鏡用
    カンチレバーの製造方法。
  5. 【請求項5】 第2の工程において、シリコン基板表面
    を酸化して酸化膜を形成し、さらに前記酸化膜をフォト
    エッチングにより、前記柱状突起物が端部に形成された
    凸状端部を有する平板形状に微細加工し、少なくとも前
    記酸化膜凸状端部の下部のシリコンを除去することに代
    えて、シリコン基板表面を窒化して窒化膜を形成し、さ
    らに前記窒化膜をフォトエッチングにより、前記柱状突
    起物が端部に形成された凸状端部を有する平板形状に微
    細加工し、少なくとも前記窒化膜凸状端部の下部のシリ
    コンを除去することからなる請求項1に記載の原子間力
    顕微鏡用カンチレバーの製造方法。
  6. 【請求項6】 シリコンと合金を形成する金属が、金、
    白金、銅、パラジウムまたはニッケルのうちの少なくと
    も1つである請求項1に記載の原子間力顕微鏡用カンチ
    レバーの製造方法。
JP17543191A 1991-07-16 1991-07-16 原子間力顕微鏡用カンチレバーの製造方法 Pending JPH0518744A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17543191A JPH0518744A (ja) 1991-07-16 1991-07-16 原子間力顕微鏡用カンチレバーの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17543191A JPH0518744A (ja) 1991-07-16 1991-07-16 原子間力顕微鏡用カンチレバーの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0518744A true JPH0518744A (ja) 1993-01-26

Family

ID=15995987

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17543191A Pending JPH0518744A (ja) 1991-07-16 1991-07-16 原子間力顕微鏡用カンチレバーの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0518744A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006046625A1 (ja) * 2004-10-28 2006-05-04 Japan Science And Technology Agency デイジー型カンチレバーホイールを有する計測装置
KR20190133948A (ko) * 2018-05-24 2019-12-04 인천대학교 산학협력단 피코와트 열분해능 주사열현미경용 열저항탐침 제작방법

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006046625A1 (ja) * 2004-10-28 2006-05-04 Japan Science And Technology Agency デイジー型カンチレバーホイールを有する計測装置
JP2006125984A (ja) * 2004-10-28 2006-05-18 Japan Science & Technology Agency デイジー型カンチレバーホイールを有する計測装置
US7694347B2 (en) 2004-10-28 2010-04-06 Japan Science And Technology Agency Measuring device with daisy type cantilever wheel
KR20190133948A (ko) * 2018-05-24 2019-12-04 인천대학교 산학협력단 피코와트 열분해능 주사열현미경용 열저항탐침 제작방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2624873B2 (ja) 原子間力顕微鏡用探針およびその製造方法
US5399232A (en) Microfabricated cantilever stylus with integrated pyramidal tip
JP3053456B2 (ja) 走査型プローブ顕微鏡用カンチレバー及びその作製方法
Kitazawa et al. Batch fabrication of sharpened silicon nitride tips
US20050160802A1 (en) SPM cantilever and fabricating method thereof
US20030143327A1 (en) Method for producing a carbon nanotube
JP2006125846A (ja) カンチレバー
JPH0518744A (ja) 原子間力顕微鏡用カンチレバーの製造方法
Rangelow et al. Micromachined ultrasharp silicon and diamond-coated silicon tip as a stable field-emission electron source and a scanning probe microscopy sensor with atomic sharpness
JP3524326B2 (ja) 微小短針の製造に用いる雌型基板と該雌型基板の製造方法、及び該雌型基板を用いた微小短針とプローブの製造方法
JP2825973B2 (ja) 原子間力顕微鏡用カンチレバーの製造方法
JPH0510753A (ja) 走査トンネル顕微鏡用探針の製造方法
DE19622701A1 (de) Mikrobalken mit integrierter Abtast- bzw. Prüfspitze aus Diamant für den Einsatz in Rastersondenmikroskopen
JP2720579B2 (ja) 原子間力顕微鏡用カンチレバーの製造方法
JPH112638A (ja) カンチレバーの製造方法およびカンチレバー、並びにその方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
JPH05203444A (ja) 原子間力顕微鏡用カンチレバーの製造方法
JP3183940B2 (ja) 走査型プローブ顕微鏡用カンチレバーチップ
RU2121657C1 (ru) Способ формирования кантилевера сканирующего зондового микроскопа
KR100617471B1 (ko) 고종횡비 탐침을 가지는 압전 액츄에이터 캔틸레버 및 그제조방법
JP2005156202A (ja) 走査型プローブ顕微鏡用カンチレバー及びその製造方法
JPH04115452A (ja) 原子間力顕微鏡用カンチレバー及びその製造方法
JPH05256643A (ja) 走査型プローブ顕微鏡用のカンチレバーチップ
JPH05215509A (ja) 走査型プローブ顕微鏡とその探針製造方法
JP2003142695A (ja) 微細構造素子の作製方法
JPH1090288A (ja) Afmカンチレバー及びその製造方法